JP2017007185A - 紙カード - Google Patents

Abstract

【課題】 その目的とするところは秘密情報を見る際に削り屑が発生することがなく、切込により切り取り可能な領域を切り取ることにより秘密情報を入手でき、大量生産が可能な紙カードを提供することにある。
【解決手段】 第一紙基材と第二紙基材が積層された紙カードであって、前記第一紙基材は、前記第二紙基材に積層される側に秘密情報記載部を備えており、前記第二紙基材は、前記第一紙基材が備える前記秘密情報記載部に対応する前記第二紙基材の領域を切り取ることにより前記秘密情報記載部を表出させる切り取り可能な複数の切込からなるジッパーを備えていることを特徴とする紙カードである。
【選択図】 図１

Description

本発明は、パスワード等の秘密情報を備えた紙カードに関し、特に、紙カードが使用者に渡るまでの過程で紙カードに記載された秘密情報が第三者に見えないように秘密性が保持されており、使用者が紙カードの切り取り可能な領域を切り取ることにより初めて秘密情報を見ることができるプリペイドカード、メンバーズカード、保証書等に好適に使用できる紙カードに関する。

近年、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、家電量販店、百貨店、雑貨店等で販売されているギフトカードやカードに記載されたパスワードをコンピューターに入力することによりゲームソフトをダウンロードして入手できるプリペイドカードは、印刷された台紙にこれらのカードを取り外し可能に貼り付けた構造で消費者に目立つように、例えば、吊り下げ展示されたりして販売されている。これらのギフトカードやプリペイドカードは、パスワード等の予め見えてはいけない秘密情報が記載された部分の上に脆弱な隠蔽層を設けることにより隠蔽されており、この隠蔽層を爪やコイン等で削り落とすと秘密情報が目視可能となる、いわゆるスクラッチカードと呼ばれるカードが広く知られている（例えば、特許文献１参照）。

特許文献１に記載されているプリペイドカードは、スクラッチ隠蔽層が露出しているためにプリペイドカードの輸送時や店頭販売時にスクラッチ隠蔽層が擦れて傷が生じたり、剥がれることによってスクラッチ隠蔽層の下面にある秘密情報が見えることがあるという問題がある。また、特許文献１の問題を解決する技術として、カードと台紙を一体にした台紙一体型カードが開示されている（例えば、特許文献２参照）。特許文献２に記載されている台紙一体型カードは、スクラッチ隠蔽層がカードと台紙を貼り合わせる側のカード面に設ける構成とすることにより、製品の輸送時や、店頭販売時に擦れてスクラッチ隠蔽層の下面に印刷されている個別認識情報等が露見してしまう懸念がなくなるというものである。

特許文献１、２に開示された秘密情報隠蔽技術は、いずれもスクラッチカードであって、カードの基材上に印字された秘密情報の上にこの秘密情報を覆い隠すために銀色の脆弱な隠蔽層を形成したものである。したがって、秘密情報を読み取るためには隠蔽層を爪やコイン等で擦ることにより削り落とす必要があり、隠蔽層を削り落とす際に削り屑でカードを汚したり、擦る力加減によりカードの表面にキズを付けてしまったり、発生した削り屑の後始末が面倒で手間隙がかかる等の種々の問題点が発生している。さらに、隠蔽層はシルク印刷機を用いて厚盛り印刷されるため、大量生産には不向きである。

特開平１０−２１４３２０号公報 特開２０１４−１１７８１６号公報

そこで本発明は、上記問題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは秘密情報を見る際に削り屑が発生することがなく、切込により切り取り可能な領域を切り取ることにより秘密情報を入手でき、大量生産が可能な紙カードを提供することにある。

本発明は、二枚の紙基材を用いて第一紙基材に備えた秘密情報記載部に秘密情報を記載し、秘密情報記載部側に第二紙基材を積層することで秘密情報記載部を被覆し、秘密情報記載部に対応する第二紙基材の領域に切り取り可能な切込を設けた構成の紙カードとすることにより、秘密情報を隠蔽するためのスクラッチ隠蔽層を排除できることを見出し本発明に至った。

請求項１記載の本発明は、第一紙基材と第二紙基材が積層された紙カードであって、前記第一紙基材は、前記第二紙基材に積層される側に秘密情報記載部を備えており、前記第二紙基材は、前記第一紙基材が備える前記秘密情報記載部に対応する前記第二紙基材の領域を切り取ることにより前記秘密情報記載部を表出させる切り取り可能な複数の切込からなるジッパーを備えていることを特徴とする紙カードである。

また、請求項２記載の本発明は、請求項１に記載の紙カードにおいて、オフセット印刷とプリンター印字とが混在していることを特徴とするものである。

また、請求項３記載の本発明は、請求項１または請求項２に記載の紙カードにおいて、前記秘密情報記載部に記載された情報がプリンター印字であることを特徴とするものである。

また、請求項４記載の本発明は、請求項１ないし請求項３のいずれか一項に記載の紙カードにおいて、前記第二紙基材の前記ジッパーを備えた切り取り可能な領域の切り取り開始部には、コの字状の切目が形成されていることを特徴とするものである。

また、請求項５記載の本発明は、請求項１ないし請求項４のいずれか一項に記載の紙カードにおいて、前記第一紙基材がコート紙からなり、前記第二紙基材が非コート紙からなることを特徴とするものである。

本発明のカードは、第一紙基材と第二紙基材が積層された紙カードであって、前記第一紙基材は、前記第二紙基材に積層される側に秘密情報記載部を備えており、前記第二紙基材は、前記第一紙基材が備える前記秘密情報記載部に対応する前記第二紙基材の領域を切り取ることにより前記秘密情報記載部を表出させる切り取り可能な複数の切込からなるジッパーを備えている構成とすることにより、第二紙基材のジッパーで第二紙基材の切り取り可能な領域を切り取ることにより窓部が形成され、初めて第一紙基材の秘密情報記載部が窓部より表出するので秘密情報を目視することができる。

また、請求項２記載の本発明は、第一紙基材および第二紙基材はロール形態で固定情報をオフセット印刷し、可変情報をプリンター印字できるので大量生産が可能となる。

また、請求項３記載の本発明は、前記秘密情報記載部に記載された情報がプリンター印字である構成とすることにより、上記効果に加え、秘密情報記載部に可変情報が印字できる。

また、請求項４記載の本発明は、前記第二紙基材の前記ジッパーを備えた切り取り可能な領域の切り取り開始部には、コの字状の切目が形成されている構成とすることにより、コの字状の切目を指で摘まみジッパーに沿って、第二紙基材の切り取り可能な領域を容易に切り取ることができる。

また、請求項５記載の本発明は、前記第一紙基材がコート紙からなり、前記第二紙基材が非コート紙からなる構成とすることにより、コート紙のコート面が表出するように第二紙基材と積層することによって、紙カードの意匠性を高めることができ、第二紙基材を非コート紙とすることにより、プリンター印字適性を高めることができ、意匠性とプリンター印字適性とを両立することができる。

本発明に係る紙カードの第一実施形態を示し、（イ）は正面図、（ロ）は背面図、（ハ）はＹ−Ｙ線断面図である。 本発明に係る紙カードのジッパーのその他の例を示す平面図である。 本発明に係る第一実施形態を示す紙カードの秘密情報記載部に対応する領域を切り取る状態を説明する説明図であって、（イ）は切り取り開始の状態を示す背面図、（ロ）は切り取り終了し切り取り紙片を取り除いた状態を示す背面図、（ハ）はＹ−Ｙ線断面図である。 本発明に係る紙カードの第二実施形態の積層構成を示し、図１（ハ）に相当するＹ−Ｙ線断面図である。

上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図１は本発明に係る紙カードの第一実施形態を示し、（イ）は正面図、（ロ）は背面図、（ハ）はＹ−Ｙ線断面図、図２は本発明に係る紙カードのジッパーのその他の例を示す平面図、図３は本発明に係る第一実施形態を示す紙カードの秘密情報記載部に対応する領域を切り取る状態を説明する説明図であって、（イ）は切り取り開始の状態を示す背面図、（ロ）は切り取り終了し切り取り紙片を取り除いた状態を示す背面図、（ハ）はＹ−Ｙ線断面図、図４は本発明に係る紙カードの第二実施形態の積層構成を示し、図１（ハ）に相当するＹ−Ｙ線断面図であり、図中の１Ａ、１Ｂは紙カード、１Ａ’は切り取り可能な領域が切り取られた紙カード、１０は第一紙基材、１１は秘密情報記載部、１１’はパスワード、２０は第二紙基材、２１は切り取り可能な領域、２２はジッパー、２２ａは切込、２２ｂはコの字状の切目、２２ｃはミシン目状の切目、２３はバーコード、２４は二次元コード、２５は管理番号、２６は店番号、２７は窓部、３０は接着剤、３１は非接着部、１００はコート紙、１０１は紙基材、１０２はコート層、１０３は非コート面、２００は非コート紙をそれぞれ示す。

図１は本発明に係る紙カードの第一実施形態を示し、（イ）は正面図、（ロ）は背面図、（ハ）はＹ−Ｙ線断面図であって、本発明の第一実施形態はプリペイドカードの例を示しており、紙カード１Ａは、第一紙基材１０と第二紙基材２０が積層された構成であり、第一紙基材１０の表出面（以下、紙カードの表面ということもある。）には文字等の固定情報や意匠性を高めるデザイン等がオフセット印刷され、第二紙基材２０に積層される側の所定位置に秘密情報記載部１１を備え、秘密情報記載部１１には、例えば、ウェブサイトからゲームソフト等を入手するためのパスワード（図３（ロ）参照）がプリンター印字されている。秘密情報記載部１１は図１では中央上部に横長の帯状に設けたが形状や位置は特に限定されるものではなく任意に設けることができる。

紙カード１Ａの第二紙基材２０の表出面（以下、紙カードの裏面ということもある。）には、第一紙基材１０が備える秘密情報記載部１１に対応する横長の帯状の領域に第二紙基材２０を切り取り可能な領域２１が設けられ、切り取り可能な領域２１はジッパー２２で囲まれている。ジッパー２２は第二紙基材２０を貫通する複数の切込２２ａで形成されている。紙カード１Ａの裏面の第二紙基材２０の表出面には、図示しないが紙カード１Ａの使用方法や開封方法等の固定情報がオフセット印刷されている。さらに第二紙基材２０の表出面にはバーコード２３、ウェブにアクセスできる例えば、ＱＲコード（登録商標）等の二次元コード２４、管理番号２５、店番号２６等の可変情報がレーザープリンター等によりプリンター印字されている。

図１（ハ）に示すように接着剤３０を介して第一紙基材１０と第二紙基材２０は、第二紙基材２０の切り取り可能な領域２１が第一紙基材１０の秘密情報記載部１１に対応するように積層されている。秘密情報記載部１１とジッパー２２を備えた切り取り可能な領域２１は非接着部３１とされ、接着剤が塗布されていない。それ以外は接着部とされている。接着部は第三者より秘密情報記載部１１が見えたり、第一紙基材１０と第二紙基材２０が剥がれたりすることがなければ、部分的接着であってもよいし、図１（ハ）に示すように全面接着であってもよい。

図１（ロ）に示すように切り取り可能な領域２１を構成するジッパー２２の切込２２ａはＹ字を左側に９０°回転させた形状で左右方向に複数のＹ字状の切込２２ａを整列させて上下に２列並行に形成され、その左端はコの字状の切目２２ｂの先端とそれぞれ対峙されており、その右端には上下方向に形成されたミシン目状の切目２２ｃと連結されている。Ｙ字状の切込２２ａ、コの字状の切目２２ｂ、ミシン目状の切目２２ｃはいずれも第二紙基材２０を貫通して形成されている。複数のＹ字状の切込２２ａを形成する間隔やミシン目状の切目２２ｃの間隔は任意である。コの字状の切目２２ｂが形成された側が切り取り開始部とされている。

ジッパー２２の形状は切り取り可能な領域２１が切り取れる形状であればよく、図１（ロ）に示す形状に限定されるものではない。図２にジッパーのその他の例を示す。
図２（イ）は上下に並列する切込がミシン目の場合であり、図２（ロ）は切込がくの字状の場合であり、図３（ハ）は切込がＺ字状の場合をそれぞれ示している。

図３は本発明に係る第一実施形態を示す紙カード１Ａの秘密情報記載部に対応する領域を切り取る状態を説明する説明図であって、（イ）は切り取り開始の状態を示す背面図、（ロ）は切り取り終了し切り取り紙片を取り除いた状態を示す背面図、（ハ）はＹ−Ｙ線断面図である。図３（イ）に示すように紙カード１Ａの使用者は、切り取り開始部に形成されたコの字状の切目２２ｂを摘み、上方向ないし右方向に第二紙基材２０の切り取り可能な領域２１を引っ張るとジッパー２２に沿って切り取り可能な領域２１が切り取られミシン目状の切目２２ｃに達すると切り取り可能な領域２１を切り取り除くか、またはミシン目状の切目２２ｃにて切り取り可能な領域２１を右側に折り返す。

上記操作が完了すると、第二紙基材２０には切り取り可能な領域２１が除かれて窓部２７が形成され、窓部２７を透して第一紙基材１０が備える秘密情報記載部１１に記載された数字とアルファベットで形成された１６桁の文字列からなるパスワード１１’を読み取ることができる。図３（ロ）は切り取り可能な領域２１が切り取られた紙カード１Ａ’を示している。図３（ハ）は図３（ロ）のＹ−Ｙ線断面図であって、第二紙基材２０を上にして秘密情報記載部１１の構成を示す断面図である。本発明の紙カード１Ａは、第二紙基材２０の切り取り可能な領域２１と、第一紙基材１０が備える秘密情報記載部１１の領域と、が対応するように積層されており、当該領域は非接着部３１（図１参照）とされ相互に接着されていないので第二紙基材２０の切り取り可能な領域２１を切り取ることができ、秘密情報記載部１１を表出させることが可能となる。

図４は、本発明に係る紙カードの第二実施形態の積層構成を示し、図１（ハ）に相当するＹ−Ｙ線断面図と同じである。第二実施形態の紙カード１Ｂは、第一紙基材１０としてコート紙１００を用い、第二紙基材２０として非コート紙２００を用い接着剤３０を介して積層した構成である。その他は第一実施形態と同様である。第二実施形態の紙カード１Ｂは、非コート紙からなる紙基材１０１の片面にコート層１０２を設けたコート紙１００の非コート面１０３を非コート紙２００に接着剤３０を介して積層されている。第一紙基材１０にコート紙１００を用いることにより優れた意匠性が得られ、さらにコート層をミラーまたはマットを適宜選択することで高級感のある紙カード１Ｂとすることができる。また、第二紙基材２０に非コート紙２００を用いることによりプリンター印字適性が向上する効果が得られる。本発明は、オフセット印刷とプリンター印字とが混在する構成とすることにより、意匠性とプリンター印字適性を両立させたことも特徴である。

本発明に係る紙カード１Ａ、１Ｂに使用される第一紙基材１０としては、コート紙として片面コート紙、両面コート紙等、非コート紙として上質紙、中質紙等が使用できる。第二紙基材２０としては、非コート紙として、上質紙、中質紙等が使用できる。第一紙基材１０、第二紙基材２０の坪量としてはそれぞれ５０〜３００ｇ／ｍ² である。また、紙カード１Ａ、１Ｂのサイズは、一般に（ＩＳＯ／ＩＥＣ７８１０）やＪＩＳ（ＪＩＳ６３０１） によって規定されているサイズとされる。なお、本発明ではプリペイドカードに使用した例を主に説明したが、プリペイドカードに限定されるものではなく、ギフトカード、保証書、遊戯券、飲食券、商品券、買物券として広く用いることもできる。

本発明の紙カード１Ａ、１Ｂの製造方法の一例を示すと、まず、第一紙基材１０、第二紙基材２０にそれぞれ巻取状態でオフセット印刷法によりデザイン、文字、数字、記号等の固定情報をフォーム印刷する。第二紙基材２０にはフォーム印刷時にオフセット印刷に見当合わせして所定位置にジッパー２２が形成される。つぎにフォーム印刷された第一紙基材１０および第二紙基材２０のそれぞれの巻取のフォーム印刷に見当合わせして所定位置に例えば、レーザープリンターを用いて可変情報をプリンター印字し巻き取る。その後、プリンター印字された第一紙基材１０および第二紙基材２０のそれぞれ巻取を丁合機にて第一紙基材１０および第二紙基材２０を巻き戻し見当合わせしながら第一紙基材１０または第二紙基材２０のいずれかに非接着部３１を除く部分に接着剤３０を塗布し第一紙基材１０と第二紙基材２０を圧着して積層し、積層された巻取を紙カード１Ａまたは紙カード１Ｂが多面付けされたシートに断裁する。その後、打ち抜き機で所定の大きさに型抜きして１枚毎に分離し紙カード１Ａまたは紙カード１Ｂが得られる。

１Ａ、１Ｂ 紙カード
１Ａ’ 切り取り可能な領域が切り取られた紙カード
１０ 第一紙基材
１１ 秘密情報記載部
１１’ パスワード
２０ 第二紙基材
２１ 切り取り可能な領域
２２ ジッパー
２２ａ 切込
２２ｂ コの字状の切目
２２ｃ ミシン目状の切目
２３ バーコード
２４ 二次元コード
２５ 管理番号
２６ 店番号
２７ 窓部
３０ 接着剤
３１ 非接着部
１００ コート紙
１０１ 紙基材
１０２ コート層
１０３ 非コート面
２００ 非コート紙

Claims (5)

1. 第一紙基材と第二紙基材が積層された紙カードであって、
   前記第一紙基材は、前記第二紙基材に積層される側に秘密情報記載部を備えており、
   前記第二紙基材は、前記第一紙基材が備える前記秘密情報記載部に対応する前記第二紙基材の領域を切り取ることにより前記秘密情報記載部を表出させる切り取り可能な複数の切込からなるジッパーを備えていることを特徴とする紙カード。
2. オフセット印刷とプリンター印字とが混在していることを特徴とする請求項１に記載の紙カード。
3. 前記秘密情報記載部に記載された情報がプリンター印字であることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の紙カード。
4. 前記第二紙基材の前記ジッパーを備えた切り取り可能な領域の切り取り開始部には、コの字状の切目が形成されていることを特徴とする請求項１ないし請求項３のいずれか一項に記載の紙カード。
5. 前記第一紙基材がコート紙からなり、前記第二紙基材が非コート紙からなることを特徴とする請求項１ないし請求項４のいずれか一項に記載の紙カード。

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