JP2003125812A - バックル装置 - Google Patents

バックル装置

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JP2003125812A
JP2003125812A JP2002059021A JP2002059021A JP2003125812A JP 2003125812 A JP2003125812 A JP 2003125812A JP 2002059021 A JP2002059021 A JP 2002059021A JP 2002059021 A JP2002059021 A JP 2002059021A JP 2003125812 A JP2003125812 A JP 2003125812A
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聖也 田島
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貴之 原
Kinji Muraki
均至 村木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャイルドシート等が取り付けられたか否か
等を容易に且つ確実に検出できる機構を有するバックル
装置を得る。 【解決手段】 本バックル装置10では、アンカ部材2
2に形成された長孔102の長手方向にバックルボディ
26が所定範囲移動可能にアンカ部材22に連結されて
いると共に、引張コイルスプリング108の付勢力によ
って挿入方向側(アンカ部材22側)へ付勢されてい
る。チャイルドシートの固定に要する分だけウエビング
ベルトを引き出し、これにより、ウエビングベルトを巻
き取るための付勢力が引張コイルスプリング108に抗
してバックルボディ26を移動させると、バックルボデ
ィ26と共に移動する永久磁石106の磁力線の変動が
アンカ部材22に設けられたMRE素子114で検出さ
れ、これにより、チャイルドシートが取り付けられたか
否かを検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のシートベル
ト装置を構成するバックル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の座席に着座した乗員の身体を拘束
するためのシートベルト装置を構成するウエビングベル
トは、その長手方向一方の端部が例えば座席側方に設け
られた巻取装置の巻取軸に係止されており、他端がこの
巻取装置の近傍に設けられたアンカプレートに固定され
ている。また、ウエビングベルトの長手方向中間部は巻
取装置の上方、例えば、車両のセンタピラーの上端側に
てスルーアンカに形成された挿通孔を貫通して下方側へ
折り返されている。
【0003】このスルーアンカでの折り返し部分と他端
との間でウエビングベルトはタングプレートの挿通孔を
貫通しており、タングプレートを引っ張ることで巻取装
置の巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出さ
れ、座席を介して巻取装置とは反対側に設けられたバッ
クル装置へタングプレートを連結させることで、ウエビ
ングベルトの装着状態となる構成である。
【0004】一方で、一定年齢に満たない幼児や子供を
車両に乗せる場合には、車両に所謂チャイルドシートを
取り付け、このチャイルドシートに幼児や子供を乗せる
ことが義務付けられた。
【0005】この種のチャイルドシートの車両への取付
構造としては、チャイルドシートを座席に載置すると共
に、上述したウエビングベルトをチャイルドシートの所
定部位に係合させてウエビングベルトとチャイルドシー
トとを連結し、この状態で上記のようにバックル装置へ
タングプレートを連結させることで、チャイルドシート
を座席に固定する構造がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の車両
には、上述したシートベルト装置に加え、車両急減速時
に袋体を車両乗員の前方側へ膨張展開させて、車両急減
速時における慣性で車両前方側へ移動しようとする乗員
の身体を袋体で受け止める所謂エアバッグ装置が搭載さ
れている。この種のエアバッグ装置が搭載されている車
両においては、上記のように座席にチャイルドシートを
取り付けた場合には、当該座席に対応したエアバッグ装
置を作動させないことが好ましい。
【0007】チャイルドシートを座席に取り付けられた
際にエアバッグ装置を作動させないためのエアバッグ装
置の制御方法としては、座席に荷重センサを取り付けて
座席に作用する荷重に基づいて一般の乗員が座席に着座
したか、チャイルドシートが取り付けられたかを判定
し、この判定結果に基づいてエアバッグ装置を制御する
方法がある。
【0008】しかしながら、座席に着座する乗員の体重
には大きなばらつきがあることを考えると、上述したよ
うな座席に作用する荷重に基づいてチャイルドシートが
取り付けられたか否かを判定する方法では、その判定基
準となる閾値を設定することが困難である。
【0009】また、チャイルドシートの検出用の装置を
別途車両に設け、確実にチャイルドシートが取り付けら
れているか否かを検出、判定する方法も考えられるが、
車両室内という極めて限られた空間内に新たに特別な装
置を設けることは難しく、新たな車体設計を要する等、
コスト高になる。このため、既存の部材や装置にチャイ
ルドシートが取り付けられているか否かの検出を確実に
行ない得る機構を付加することが望まれている。
【0010】本発明は、上記事実を考慮して、チャイル
ドシートが取り付けられたか否か等を容易に且つ確実に
検出できる機構を有するバックル装置を得ることが目的
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のバックル
装置は、先端側へ引出可能に基端側から巻取状態で収納
されると共に、前記先端側への引出量に応じて増減する
収納付勢力により前記基端側へ向けて付勢された長尺帯
状のウエビングベルトに取り付けられたタングプレート
を、その先端側から内部へ挿入可能な装置本体と、前記
装置本体に機械的に連結されると共に、前記装置本体内
に挿入された前記タングプレートに対して接離移動可能
に設けられ、前記タングプレートへ接近することで前記
タングプレートに係合し、前記装置本体から離脱する離
脱方向への前記タングプレートの移動を制限するラッチ
と、前記装置本体に形成された前記タングプレートの挿
入部分とは反対側で車両の所定位置に取り付けられると
共に、前記装置本体内部への前記タングプレートの挿入
方向及び前記離脱方向へ向けて前記装置本体を所定範囲
相対移動可能に支持するアンカ部材と、前記ウエビング
ベルトを所定量引き出した状態での前記収納付勢力より
も大きな付勢力で前記装置本体を前記アンカ部材側へ付
勢する付勢手段と、永久磁石及び当該永久磁石の磁気を
検出する磁気センサを含めて構成され、前記アンカ部材
に対する前記装置本体の変位に応じて前記磁気センサに
対して前記永久磁石が接離移動する検出手段と、を備え
ている。
【0012】上記構成のバックル装置では、長尺帯状の
ウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが先
端側から装置本体内に挿入され、更に、このタングプレ
ートにラッチが接近してラッチがタングプレートに係合
すると、装置本体から抜け出る離脱方向へのタングプレ
ートの移動がラッチにより制限される。
【0013】したがって、このラッチによる移動制限状
態でウエビングベルトが座席に着座した車両乗員の身体
の前方側に掛け回されていれば、ウエビングベルト装着
状態となってウエビングベルトにより乗員の身体が拘束
され(以下、この状態を便宜上「身体拘束状態」と称す
る)、また、座席等に配置されたチャイルドシートの所
定部位にウエビングベルトが係合していればチャイルド
シートの取付状態となってウエビングベルトによりチャ
イルドシートが固定される(以下、この状態を便宜上
「チャイルドシート取付状態」と称する)。
【0014】一方、上述したウエビングベルトは所定の
収納付勢力によって基端側へ向けて付勢されるため、こ
の収納付勢力に基づいたテンション(張力)がウエビン
グベルトに作用し、タングプレートが装置本体に挿入さ
れた状態では、このテンションがタングプレートを装置
本体から引き出そうとする。
【0015】ここで、装置本体を車両へ接続するアンカ
部材に対して装置本体がタングプレートの挿入方向及び
離脱方向へ向けて所定範囲移動可能に連結されているた
め、装置本体に挿入されたタングプレートを介してこの
タングプレートに係合するラッチに上記のテンションが
作用すると、装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ
移動しようとする。
【0016】但し、装置本体は付勢手段によりアンカ部
材側、すなわち、挿入方向側へ付勢されている。このた
め、付勢手段の付勢力を上回るテンション、すなわち、
所定量以上ウエビングベルトが引き出された際のテンシ
ョンが作用しない限り、アンカ部材に対して装置本体が
離脱方向へ移動することはない。
【0017】したがって、例えば、上記の「チャイルド
シート取付状態」におけるウエビングベルトの引出量が
所定量以上であって、「身体拘束状態」におけるウエビ
ングベルトの引出量が所定量未満であれば、「身体拘束
状態」で装置本体がアンカ部材に対して移動することは
ないが、「チャイルドシート取付状態」では装置本体が
アンカ部材に対して離脱方向へ移動する。
【0018】ここで、例えば、「チャイルドシート取付
状態」で装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動
すると、検出手段を構成する磁気センサに対して永久磁
石が相対的に接離移動し、これにより、磁気センサが検
出する永久磁石の磁気が変動する。
【0019】したがって、永久磁石の磁気の変動を磁気
センサが検出することで、チャイルドシートをウエビン
グベルトで固定し、これにより、チャイルドシートをウ
エビングベルトで固定したか否かが判定できる。
【0020】なお、これまでの説明では、検出手段の磁
気センサが検出する永久磁石の磁気の変動で「チャイル
ドシート取付状態」であるか否かを検出する場合を例に
して説明したが、「チャイルドシート取付状態」である
か否かを検出は、あくまでも一例であり、本発明が「チ
ャイルドシート取付状態」であるか否かを検出にのみ限
定されるものではない。
【0021】すなわち、上記のとおり、アンカ部材に対
して装置本体が移動するか否かは、あくまでも付勢手段
の付勢力の大きさによって決定され、収納付勢力が付勢
手段の付勢力を上回った場合にアンカ部材に対して装置
本体が移動する。したがって、付勢手段の付勢力の大き
さを変えることで、「チャイルドシート取付状態」であ
るか否かを検出とは異なる状態検出も可能である。その
一例としては、乗員の身体の大きさにより、収納付勢力
を増減する機構、所謂「テンションリデューサ」におけ
る収納付勢力の増減切替の判定用に本発明を適用しても
よい。
【0022】請求項2記載のバックル装置は、請求項1
記載の本発明において、前記装置本体に一体的に設けら
れると共に、前記磁気センサ及び前記永久磁石の何れか
一方が取り付けられた支持部材と、一端が前記アンカ部
材に係合すると共に他端に前記磁気センサ及び前記永久
磁石の何れか他方が取り付けられ、且つ、前記一端まで
の距離よりも前記他端までの距離が長くなる位置を回動
中心として前記支持部材に若しくは前記装置本体に回動
可能に支持され、当該回動により前記磁気センサに対し
て前記永久磁石を相対的に接離移動させる回動部材と、
を備えることを特徴としている。
【0023】上記構成のバックル装置によれば、例え
ば、「チャイルドシート固定状態」にすることで、装置
本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動すると、装置
本体に固定されている支持部材がアンカ部材に対して離
脱方向へ移動する。
【0024】一方、支持部材に回動可能に支持ざれた回
動部材の一端はアンカ部材に係合しているため、上記の
ようにアンカ部材に対して装置本体が相対移動した際
に、一端がアンカ部材に干渉されることで、回動部材が
自らの回動中心周りに回動する。これにより、回動部材
の他端に取り付けられた磁気センサ及び永久磁石の何れ
か他方が、支持部材に設けられた何れか一方に対して接
離移動する。
【0025】ここで、回動部材の回動中心から前記何れ
か他方が取り付けられた他端までの距離は、回動中心か
らアンカ部材に係合した一端までの距離よりも長い。こ
れにより、アンカ部材に対する装置本体の変位に応じた
回動部材の一端の変位量よりも他端の変位量が大きくな
る。このように、装置本体がアンカ部材に対して離脱方
向へ移動する前と後とで磁気センサ対する永久磁石の変
位量の差異が大きくなることで、磁気センサが検出する
磁気の変動を大きくでき、アンカ部材に対する装置本体
の移動を確実に検出できる。
【0026】請求項3記載のバックル装置は、先端側へ
引出可能に基端側から巻取状態で収納されると共に、前
記先端側への引出量に応じて増減する収納付勢力により
前記基端側へ向けて付勢された長尺帯状のウエビングベ
ルトに取り付けられたタングプレートを、その先端側か
ら内部へ挿入可能な装置本体と、前記装置本体に機械的
に連結されると共に、前記装置本体内に挿入された前記
タングプレートに対して接離移動可能に設けられ、前記
タングプレートへ接近することで前記タングプレートに
係合し、前記装置本体から離脱する離脱方向への前記タ
ングプレートの移動を制限するラッチと、前記装置本体
に形成された前記タングプレートの挿入部分とは反対側
で車両の所定位置に取り付けられると共に、前記装置本
体内部への前記タングプレートの挿入方向及び前記離脱
方向へ向けて前記装置本体を所定範囲相対移動可能に支
持するアンカ部材と、前記ウエビングベルトを所定量引
き出した状態での前記収納付勢力よりも大きな付勢力で
前記装置本体を前記アンカ部材側へ付勢する付勢手段
と、永久磁石及び当該永久磁石の磁気を検出する磁気セ
ンサを含めて構成されると共に、前記永久磁石及び前記
磁気センサの何れか一方が前記アンカ部材に設けられ、
前記永久磁石及び前記磁気センサの何れか他方が前記装
置本体への前記タングプレートの挿入量に応じて前記何
れか一方に対して接離する方向へ変位可能に設けられた
検出手段と、を備えている。
【0027】上記構成のバックル装置では、長尺帯状の
ウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが先
端側から装置本体内に挿入され、更に、このタングプレ
ートにラッチが接近してラッチがタングプレートに係合
すると、装置本体から抜け出る離脱方向へのタングプレ
ートの移動がラッチにより制限される。
【0028】したがって、このラッチによる移動制限状
態でウエビングベルトが座席に着座した車両乗員の身体
の前方側に掛け回されていれば、ウエビングベルト装着
状態となってウエビングベルトにより乗員の身体が拘束
され(以下、この状態を便宜上「身体拘束状態」と称す
る)、また、座席等に配置されたチャイルドシートの所
定部位にウエビングベルトが係合していればチャイルド
シートの取付状態となってウエビングベルトによりチャ
イルドシートが固定される(以下、この状態を便宜上
「チャイルドシート取付状態」と称する)。
【0029】一方、装置本体内には検出手段を構成する
永久磁石及び磁気センサの何れか他方が設けられてお
り、装置本体内にタングプレートが挿入されると、タン
グプレートの挿入量に応じて前記何れか他方が装置本体
内で移動する。
【0030】ここで、アンカ部材には検出手段を構成す
る永久磁石及び磁気センサの何れか一方が設けられてお
り、上記のようにタングプレートの挿入量に応じて前記
何れか他方が移動することで永久磁石及び磁気センサの
何れか一方との相対距離が変動すると、磁気センサが検
出する永久磁石の磁気が変動する。
【0031】したがって、ラッチの係合が可能な位置ま
でタングプレートが移動し、このときの相対的な距離に
応じた永久磁石の磁気を磁気センサが検出することで、
ラッチの係合が可能な位置までタングプレートが移動し
たことを検出でき、ひいては、タングプレートにラッチ
が係合したと判定できる。
【0032】一方、上述したウエビングベルトは所定の
収納付勢力によって基端側へ向けて付勢されるため、こ
の収納付勢力に基づいたテンション(張力)がウエビン
グベルトに作用し、タングプレートが装置本体に挿入さ
れた状態では、このテンションがタングプレートを装置
本体から引き出そうとする。
【0033】ここで、装置本体を車両へ接続するアンカ
部材に対して装置本体がタングプレートの挿入方向及び
離脱方向へ向けて所定範囲移動可能に連結されているた
め、装置本体に挿入されたタングプレートを介してこの
タングプレートに係合するラッチに上記のテンションが
作用すると、装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ
移動しようとする。
【0034】但し、装置本体は付勢手段によりアンカ部
材側、すなわち、挿入方向側へ付勢されている。このた
め、付勢手段の付勢力を上回るテンション、すなわち、
所定量以上ウエビングベルトが引き出された際のテンシ
ョンが作用しない限り、アンカ部材に対して装置本体が
離脱方向へ移動することはない。
【0035】したがって、例えば、上記の「チャイルド
シート取付状態」におけるウエビングベルトの引出量が
所定量以上であって、「身体拘束状態」におけるウエビ
ングベルトの引出量が所定量未満であれば、「身体拘束
状態」で装置本体がアンカ部材に対して移動することは
ないが、「チャイルドシート取付状態」では装置本体が
アンカ部材に対して離脱方向へ移動する。
【0036】このように、「チャイルドシート取付状
態」とすることで装置本体がアンカ部材に対して離脱方
向へ移動すると、装置本体に設けられた永久磁石及び磁
気センサの何れか一方が、アンカ部材に設けられた永久
磁石及び磁気センサの何れか他方に対して移動し、これ
によって、磁気センサと永久磁石の相対距離が長くな
る。このため、磁気センサが検出する永久磁石の磁気が
変動し、永久磁石の磁気の変動を磁気センサが検出する
ことで、チャイルドシートをウエビングベルトで固定し
たか否かを判定できる。
【0037】ところで、タングプレートにラッチが係合
したか否かの検出と、チャイルドシートが固定されたか
否かの検出とをそれぞれ別のセンサ等で検出する構成も
充分に考えられる。また、タングプレートにラッチが係
合したか否かの検出は従来からも行なわれており、これ
により、ウエビングベルトの装着状態であるか否かを検
出していた。
【0038】しかしながら、従来のバックル装置の構成
に更にチャイルドシートが固定されたか否かの検出を行
なうための構成を付加することで、バックル装置自体が
大型化してしまう。しかも、タングプレートにラッチが
係合したか否かを検出するための構成と、チャイルドシ
ートが固定されたか否かの検出を行なうための構成とを
別々に設けることで、部品点数の増加に繋がり、結果的
にコスト高となる。
【0039】ここで、本バックル装置では、タングプレ
ートにラッチが係合したか否かの検出と、チャイルドシ
ートが固定されたか否かの検出と、を同じ検出手段で行
なうため、部品点数の増加を抑制でき、その結果、コス
トを安価にできると共に、バックル装置の小型化にも寄
与する。
【0040】なお、これまでの説明では、検出手段の磁
気センサが検出する永久磁石の磁気の変動で「チャイル
ドシート取付状態」であるか否かを検出する場合を例に
して説明したが、「チャイルドシート取付状態」である
か否かを検出は、あくまでも一例であり、本発明が「チ
ャイルドシート取付状態」であるか否かを検出にのみ限
定されるものではない。
【0041】すなわち、上記のとおり、アンカ部材に対
して装置本体が移動するか否かは、あくまでも付勢手段
の付勢力の大きさによって決定され、収納付勢力が付勢
手段の付勢力を上回った場合にアンカ部材に対して装置
本体が移動する。したがって、付勢手段の付勢力の大き
さを変えることで、「チャイルドシート取付状態」であ
るか否かを検出とは異なる状態検出も可能である。その
一例としては、乗員の身体の大きさにより、収納付勢力
を増減する機構、所謂「テンションリデューサ」におけ
る収納付勢力の増減切替の判定用に本発明を適用しても
よい。
【0042】請求項4記載のバックル装置は、請求項3
記載の本発明において、前記挿入方向及び前記離脱方向
へ向けて移動可能で且つ前記離脱方向に前記装置本体内
に挿入された前記タングプレートの先端部に対して前記
離脱方向に対向して前記装置本体内部に設けられ、前記
装置本体内に挿入されて前記ラッチとの係合位置へ向か
う前記タングプレートにより押圧されて前記挿入方向へ
移動すると共に所定の付勢力で前記離脱方向へ付勢され
たイジェクタを備えると共に、前記永久磁石及び前記磁
気センサの前記何れか一方を前記イジェクタに連動して
前記何れか他方に対して接離移動移動可能に設けた、こ
とを特徴としている。
【0043】上記構成のバックル装置では、装置本体の
内部にタングプレートが挿入されると、タングプレート
によって装置本体内に設けられたイジェクタが押圧され
て挿入方向へイジェクタが移動する。
【0044】但し、イジェクタは離脱方向へ付勢されて
いるため、装置本体内へタングプレートを挿入するため
の力が解除されれば、イジェクタがタングプレートを装
置本体から押し出すように付勢することになる。したが
って、タングプレートに対するラッチの係合が解除され
れば、イジェクタに作用する付勢力がイジェクタを介し
てタングプレートに作用し、これにより、特にタングプ
レートを装置本体から引き抜かなくてもタングプレート
が装置本体から離脱する。
【0045】一方、イジェクタが移動すると、これに連
動して永久磁石及び磁気センサの何れか他方(すなわ
ち、請求項3記載の本発明で言うところの、永久磁石及
び磁気センサのうち、装置本体へのタングプレートの挿
入量に応じて変位可能に設けられた方)が移動する。
【0046】したがって、先ず、ラッチの係合が可能な
位置までタングプレートが移動し、これに連動して前記
何れか他方が移動することで永久磁石及び磁気センサの
何れか一方(すなわち、請求項3記載の本発明で言うと
ころの、永久磁石及び磁気センサのうち、アンカ部材に
設けられた方)との相対距離が変化し、これに応じて磁
気センサが検出する永久磁石の磁気が変動する。永久磁
石の磁気の変動を磁気センサが検出することで、ラッチ
の係合が可能な位置までタングプレートが移動したこと
を検出できる。
【0047】次いで、例えば、上記のように「チャイル
ドシート取付状態」とすることで、ウエビングベルトが
所定量以上引き出され、このときの収納付勢力で装置本
体がアンカ部材に対して離脱方向側へ移動すると、アン
カ部材に設けられた永久磁石又は磁気センサに対して装
置本体に設けられた磁気センサが離間する。このため、
磁気センサが検出する永久磁石の磁気が変動する。永久
磁石の磁気の変動を磁気センサが検出することで、例え
ば、ウエビングベルトによってチャイルドシートが座席
に固定されたか否かを判定できる。
【0048】なお、本発明において、永久磁石及び磁気
センサの何れか他方はイジェクタに連動する構成であれ
ばよいが、この連動の概念には前記何れか他方がイジェ
クタに一体的に設けられている(例えば、前記何れか他
方がイジェクタに固定されている)が故にイジェクタと
一体的に前記何れか他方が移動することも含む。
【0049】
【発明の実施の形態】図1には本発明の第1の一実施の
形態に係るバックル装置10の分解斜視図が示されてお
り、図2には本バックル装置10の適宜位置での断面図
が示されている。
【0050】図1及び図2に示されるようにバックル装
置10は合成樹脂材により略箱形状に形成されたケース
12を備えている。図1に示されるようにケース12の
長手方向一端はケース12の幅方向に沿って長手とされ
たのスリット孔14によって開口しており、図2に示さ
れるように、ケース12の長手方向他端は開口16によ
って開口している。
【0051】ケース12の内部には装置本体20が収容
されている。装置本体20はバックルボディ26を備え
ている。バックルボディ26は、例えば、板材の長手方
向中央部を略U字形状に折り曲げることで形成されてお
り、U字状に折り曲げた状態での開口端がスリット孔1
4へ向くようにケース12の内側に収容されている。
【0052】また、ケース12への収容状態でケース1
2の高さ方向に対向するバックルボディ26の上板28
と下板30との間は挿入部34とされていると共に、U
字状に折り曲げられたバックルボディ26の底部、すな
わち、バックルボディ26の開口16側の端部にはバッ
クルボディ26の幅方向に沿って長手方向とされたスリ
ット状の挿入孔32が形成されている。
【0053】これに対して、図2に示されるようにU字
状に折り曲げられたバックルボディ26の開口端側、す
なわち、バックルボディ26のスリット孔14側からは
上板28と下板30との間に板状のアンカ部材22の一
端側が入り込んでいる。アンカ部材22にはその厚さ方
向に貫通し且つバックルボディ26の長手方向に沿って
長手とされた一対の長孔102がアンカ部材22の幅方
向に並んで形成されている。また、これらの長孔102
に対応して上板28及び下板30の各々には一対の透孔
36が形成されている。これらの透孔36の各々の内径
寸法は長孔102の内幅寸法に略等しい。
【0054】これらの透孔36及び長孔102にはリベ
ット24が貫通している。これにより、バックルボディ
26とアンカ部材22とが機械的に連結され、更に、バ
ックルボディ26が座席の側方に取り付けられる。但
し、上述したように、バックルボディ26に対してはリ
ベット24が長孔102を貫通している。このため、リ
ベット24が長孔102の長手方向端部に干渉するま
で、長孔102の長手方向に沿ってバックルボディ26
は移動できる。
【0055】また、バックルボディ26の内側には、イ
ジェクタ38がバックルボディ26の長手方向(図1及
び図2の矢印A方向及びその反対方向)に沿ってスライ
ド可能に収容されている。イジェクタ38とアンカ部材
22との間にはイジェクトスプリング40が配置されて
おり、イジェクタ38を挿入孔32側(図1及び図2の
矢印Aとは反対方向)へ付勢している。
【0056】さらに、イジェクタ38の本体部分からは
アンカ部材22側へ向けてロッド44が延出されてお
り、イジェクトスプリング40の内側に入り込んでいる
(厳密に言えば、圧縮コイルスプリングであるイジェク
トスプリング40の形状を円筒形状とみなした場合に、
ロッド44がイジェクトスプリング40の軸方向一端
側、すなわち、イジェクタ38側からその内側へ入り込
んでいる)。ロッド44の先端部には、検出手段を構成
する永久磁石106が固定されており、周囲に所定の磁
界を形成している。
【0057】また、イジェクタ38の幅方向両端には一
対の角片42がアンカ部材22側(すなわち、ケース1
2のスリット孔14側)へ向けて延出されている。これ
らの角片42の先端近傍には当接部46が形成されてい
る。これらの当接部46に対応してバックルボディ26
には挿入部34内に突出する如く突起(図示省略)が形
成されており、これらの突起が対応する当接部46に干
渉することでイジェクタ38のスライドを一定範囲に制
限している。
【0058】一方、図1及び図2に示されるように、バ
ックルボディ26の上板28上にはボタン50が配置さ
れている。ボタン50は全体的に平面視で略四角形の枠
状に形成されている。ボタン50は操作部52を備えて
いる。操作部52は開口16側へ向いた押圧面を有して
おり、この押圧面を押圧することでボタン50をスリッ
ト孔14側へ移動させることができるようになってい
る。
【0059】操作部52の押圧面とは反対側(すなわ
ち、スリット孔14側)からは一対の外板54が互いに
平行に延出されている。これらの外板54の各々は、バ
ックルボディ26の幅方向に沿って厚さ方向とされた略
板状に形成されており、この幅方向に互いに対向してい
る。
【0060】各外板54には内側に向かう爪片62が形
成されている。これらの爪片62はバックルボディ26
の外側からバックルボディ26の上板28と下板30と
の間にバックルボディ26の外側から係合可能とされて
おり、係合状態ではボタン50をバックルボディ26に
対して離脱不能で、且つ、バックルボディ26の長手方
向(図1及び図2の矢印A方向及びその反対方向)に沿
ってスライド可能とする。
【0061】また、これらの外板54の内側には一対の
内板58が設けられている。内板58は外板54と同様
に操作部52の押圧面とは反対側(すなわち、スリット
孔14側)から互いに平行に延出されている。また、こ
れらの内板58の各々は、バックルボディ26の幅方向
に沿って厚さ方向とされた略板状で、幅方向に互いに対
向している。
【0062】これらの内板58の内面(すなわち、対向
する他方の内板58側の面)にはストッパ64が形成さ
れており、更に、ストッパ64よりも操作部52側の内
板58の内面にはボタンスロープ66が形成されてい
る。ボタンスロープ66は、操作部52とは反対方向
(すなわち、スリット孔14側)に対してバックルボデ
ィ26とは反対方向側へ向くように傾斜した斜面で、バ
ックルボディ26とは反対側を向いた面が操作部52側
へ向けて漸次バックルボディ26から離間している。
【0063】一方、ボタン50の外板54よりも内側の
位置では、上板28から内板58を跨ぐ保持ブロック8
0が立設されている。保持ブロック80には平行な一対
の保持板82が設けられており、これらの保持板82の
間にラッチ84が配置されている。ラッチ84は、正面
視にて略U字状に形成されると共に、上端からは、幅方
向外側へ向けて被当接片86が延出されている。また、
ラッチ84の幅方向中央からは、バックルボディ26へ
向けて係合片90が延出されている。
【0064】係合片90は上板28に形成された貫通孔
92並びに下板30に形成された貫通孔94(図3参
照)に対応しており、下板30へ向けて移動することで
貫通孔92、94を貫通する。上記の保持板82は、バ
ックルボディ26の長手方向(図1及び図2の矢印A方
向及びその反対方向)へのラッチ84の移動を阻止し、
係合方向及び係合解除方向(図1及び図2の矢印B方向
及びその反対方向)へは移動可能としている。
【0065】また、ラッチ84には上述したストッパ6
4が当接可能とされており、ストッパ64が当接した状
態では係合方向(図1及び図2の矢印B方向)へのラッ
チ84の移動をストッパ64が阻止する。また、ストッ
パ64は、ラッチ84の被当接片86の上面へも当接可
能で被当接片86の上面へ当接した状態では、係合解除
方向(図1及び図2の矢印Bと反対方向)へのラッチ8
4の移動をストッパ64が阻止する。
【0066】一方、保持ブロック80からは解除部材付
勢手段としての一対の板ばね片96がボタン50の操作
部52へ向けて延出されており、ボタン50を開口16
側へ付勢している。これにより、操作部52を押圧した
ときに適度な抵抗が生じる。なお、本実施の形態では、
解除部材付勢手段を板ばね片96で構成したが、解除部
材付勢手段はロック解除部材、すなわち、本実施の形態
ではボタン50を開口16側へ付勢する構成であればよ
く、具体的な形態に限定されるものではない。したがっ
て、板ばね96に代えてコイルスプリングを用いても構
わない。
【0067】また、上述した各内板58のスリット孔1
4側の端部からはバックルボディ26へ向けて脚部68
が突出形成されている。脚部68は上板28に形成され
た長孔70を貫通して上板28と下板30との間に位置
している。長孔70はボタン50のスライド移動方向に
沿って長手とされており、ボタン50がスライドするこ
とで脚部68が長孔70に沿って移動し、また、脚部6
8が長孔70に沿って移動することでボタン50がスラ
イドする。
【0068】さらに、ボタン50には板ばね状のロック
スプリング98の一端が取り付けられている。ロックス
プリング98の他端は、ラッチ84の上面に当接してお
り、ラッチ84を係合方向(図1及び図2の矢印B方
向)に付勢している。
【0069】一方、図1に示されるように、上述したイ
ジェクトスプリング40よりもスリット孔14側には、
付勢手段としての引張コイルスプリング108が配置さ
れている。引張コイルスプリング108の一端はアンカ
部材22の一端に係止されていると共に他端は下板30
に形成された保持突起110に係止されており、アンカ
部材22に対してバックルボディ26をアンカ部材22
側(特許請求の範囲で言うところの「挿入方向」側)へ
付勢している。
【0070】上述したように、アンカ部材22に形成さ
れた長孔102の長手方向端部にリベット24が干渉す
るまでアンカ部材22に対してバックルボディ26は移
動可能であるが、引張コイルスプリング108の付勢力
により通常は長孔102の長手方向一方の端部にリベッ
ト24が干渉する位置までアンカ部材22に対してバッ
クルボディ26が移動している。したがって、引張コイ
ルスプリング108の付勢力を上回る外力が作用するま
では長孔102の長手方向一方の端部にリベット24が
干渉する位置にバックルボディ26が位置している。
【0071】また、図1に示されるように、上述したア
ンカ部材22の先端部(イジェクタ38側の端部)には
略凹形状の切欠部112が形成されており、切欠部11
2の内側に磁気センサとして検出手段を構成する磁気抵
抗素子(MRE素子)114が配置されている。MRE
素子114は自らを横切る磁力線の向きに応じて自らの
電気抵抗値が変化する素子である。
【0072】図4に示されるように、MRE素子114
は、車両の所定位置に取り付けられたコンピュータ11
6へ電気的に接続されており、電気抵抗値の変化に応じ
て変化するMRE素子114からの電気信号をコンピュ
ータ116が受けることができるようになっている。コ
ンピュータ116は車両のインスツルメントパネル(図
示省略)に設けられたランプ118のスイッチ120へ
電気的に接続されている。スイッチ120はコンピュー
タ116からの電気信号に基づいてON、OFFし、O
N状態の場合にランプ118に対して給電する。
【0073】また、コンピュータ116はエアバッグ装
置122へ接続されており、コンピュータ116はMR
E素子114から送られた電気信号に基づいてエアバッ
グ装置122を制御し、車両の急減速状態を加速度セン
サ(図示省略)が検出した場合であってもエアバッグ装
置122を作動させないようにすることが可能である。
【0074】以上の構成のバックル装置10の内側に
は、バックル装置10と共に車両用シートベルト装置を
構成するタングプレート130が挿入される。図5に示
されるように、タングプレート130は硬質の金属材料
等により平板に形成されると共に周囲が合成樹脂材によ
り被覆されたタング本体132を備えている。タング本
体132にはスリット孔134が形成されており、長尺
帯状のウエビングベルト136が挿通されている。
【0075】ウエビングベルト136は、その長手方向
先端部が車両の座席を介してバックル装置10とは反対
側の側方で座席若しくは車体に固定されている。また、
ウエビングベルト136の長手方向基端部は、車両の座
席の側方のうち、ウエビングベルト136の長手方向先
端部と同じ側に設けられた巻取装置の巻取軸(図示省
略)に係止されている。
【0076】巻取装置は、ウエビングベルト136をそ
の長手方向基端側から巻取軸へ巻き取り可能とされてお
り、ウエビングベルト136を用いない場合には、ウエ
ビングベルト136をその基端側から巻取軸に巻き取ら
せて収容できるようになっている。また、この巻取装置
の巻取軸は渦巻きばね等の巻取軸付勢手段によってウエ
ビングベルト136を巻き取る方向へ付勢されており、
したがって、ウエビングベルト136を引き出す方向へ
の外力が特に作用していなければウエビングベルト13
6は巻取軸へ巻き取られて収容される。
【0077】ここで、この渦巻きばね等の巻取軸付勢手
段の付勢力(以下、便宜上、単に「収納付勢力」と称す
る)はウエビングベルト136の引出量に応じて増減
し、ウエビングベルト136を引き出すにつれて大きく
なり、座席上にチャイルドシートをウエビングベルト1
36で固定するために必要な長さだけウエビングベルト
136を引き出した場合には、収納付勢力が上述した引
張コイルスプリング108の付勢力を上回る。
【0078】一方、上述したタングプレート130の先
端側は挿入板部138とされており、開口16からバッ
クルボディ26の内側、すなわち、上板28と下板30
との間の挿入部34へ挿入される。挿入板部138には
略矩形の係合孔140が形成されている。係合孔140
は挿入板部138を挿入部34内の所定位置まで挿入す
ることで上板28と下板30との対向方向に貫通孔9
2、94と重なり合い、貫通孔92、94をラッチ84
の係合片90が貫通することで係合片90が係合孔14
0を貫通する。
【0079】<本実施の形態の作用、効果>次に、本実
施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0080】(バックル装置10の基本動作)上記構成
の本バックル装置10では、挿入部34にタングプレー
ト130の挿入板部138が挿入されていない状態で
は、ラッチ84の被当接片86に、ボタン50のストッ
パ64が下側から当接しているので、ロックスプリング
98の付勢力によってラッチ84が係合方向(図1及び
図2の矢印B方向)に移動してしまうことはない。
【0081】挿入部34に挿入板部138を挿入すると
挿入板部138がイジェクタ38に係合して挿入板部1
38がイジェクタ38を押圧し、イジェクタ38をイジ
ェクトスプリング40の付勢力に抗してスライドさせ
る。さらに、イジェクタ38が所定の位置までスライド
するとイジェクタ38がボタン50の脚部68に当接し
て脚部68を押圧して移動させる。
【0082】脚部68が移動することでボタン50のス
トッパ64がラッチ84の被当接片86から離間するた
め、ラッチ84はロックスプリング98の付勢力を受け
て係合方向(図1及び図2の矢印B方向)に移動し、図
3に示されるように、ラッチ84の係合片90が上板2
8の貫通孔92を貫通してタングプレート130の係合
孔140に係合する。ボタン50は板ばね片96に押さ
れて図1及び図2の矢印Aと反対の方向に移動してロッ
ク状態となり、ボタン50のストッパ64がラッチ84
の被当接片86に上側から当接して、ラッチ84の係合
解除方向(図3の矢印Bとは反対方向)の移動を阻止し
ている。このロック状態では、挿入部34からの(ケー
ス12からの)タングプレート130の抜き取りがラッ
チ84の係合片90により規制される。
【0083】ラッチ84によるタングプレート130の
抜取規制状態でウエビングベルト136が座席に着座し
た乗員の身体に前方に位置するように掛け回されている
ならば、乗員の身体がウエビングベルト136によって
拘束された「身体拘束状態」となる。これに対して、ラ
ッチ84によるタングプレート130の抜取規制状態で
ウエビングベルト136がチャイルドシート(図示省
略)の所定部位に係合して座席上にチャイルドシートが
座席上に固定されているならば「チャイルドシート取付
状態」となる。
【0084】(本実施の形態の特徴的な作用、効果)と
ころで、上記のように上記のようにタングプレート13
0の挿入板部138を挿入部34に挿入し(図3(A)
図示状態)で、更に、挿入板部138がイジェクタ38
を押圧してイジェクタ38をスライドさせると、イジェ
クタ38と共にイジェクタ38に設けられた永久磁石1
06がスライドし、これによって永久磁石106がアン
カ部材22に設けられたMRE素子114に接近する
(図3(B)図示状態)。
【0085】この状態で、ラッチ84の係合片90が挿
入板部138の係合孔140を貫通した後に、挿入板部
138を挿入部34へ挿入させるべくタングプレート1
30に付与した力を解除すると、イジェクトスプリング
40の付勢力によって、ラッチ84の係合片90に係合
孔140の内周部が当接するまで、すなわち、上述した
ラッチ84によるタングプレート130の抜取規制状態
となるまでイジェクタ38と共に挿入板部138がスラ
イドする。当然、このときには永久磁石106も開口1
6側へスライドする(図3(C)図示状態)。
【0086】ここで、図3(A)に示されるように、タ
ングプレート130の挿入板部138への挿入開始時に
おいては永久磁石106とMRE素子114との間の距
離はL1であった。これに対して、図3(C)に示され
るように、係合孔140の内周部に係合片90が当接し
たタングプレート130の抜取規制状態では永久磁石1
06とMRE素子114との間の距離はL1よりも充分
に短いL2となる。上述したように、MRE素子114
はは自らを横切る磁力線の向きに応じて自らの電気抵抗
値が変化する素子であるため、この磁力線を発している
永久磁石106との距離が変動することで横切る磁力線
の角度が変わり、これに応じて電気抵抗値が変化する。
【0087】MRE素子114からは、この電気抵抗値
の変化に対応した電気信号がコンピュータ116に送ら
れ、MRE素子114からの電気信号を受けたコンピュ
ータ116は、この電気信号のレベルに基づいてタング
プレート130の抜取規制状態であるか否かを判定す
る。
【0088】MRE素子114から送られた電気信号の
レベルがタングプレート130の抜取規制状態でのレベ
ルであるとコンピュータ116が判定すると、コンピュ
ータ116はスイッチ120を操作してランプ118へ
の給電を停止させ、これによって、ランプ118が消灯
する。このように、ランプ118が消灯されることで、
例えば、「身体拘束状態」であることを確認できる。
【0089】一方、チャイルドシートを固定する際にも
同様にタングプレート130の挿入板部138を挿入部
34に挿入してラッチ84によりバックル装置10から
のタングプレート130の抜き取りを規制させるが、上
述したように、チャイルドシートを座席上に固定するの
に必要なだけウエビングベルト136を巻取装置の巻取
軸から引き出すと、収納付勢力が引張コイルスプリング
108の付勢力を上回る。収納付勢力は、タングプレー
ト130、ラッチ84、及びボタン50を介してバック
ルボディ26に作用する。したがって、引張コイルスプ
リング108の付勢力を上回る巻取軸付勢手段からの付
勢力を受けたバックルボディ26は図3(D)に示され
るように、引張コイルスプリング108の長孔102の
長手方向他方の端部にリベット24が干渉する位置まで
バックルボディ26が移動する。
【0090】バックルボディ26が移動することでイジ
ェクタ38に設けられた永久磁石106もまたアンカ部
材22から遠ざかるため、永久磁石106とMRE素子
114との距離がL2よりも長いがL1よりも短いL3
となる。このときのMRE素子114の電気抵抗値の変
化に対応した電気信号に基づいてコンピュータ116は
エアバッグ装置122を作動不能状態とする。これによ
り、「チャイルドシート取付状態」でのエアバッグ装置
122の作動を停止させることができる。
【0091】ここで、本実施の形態では、「チャイルド
シート取付状態」であるか否かの判定基準に「チャイル
ドシート取付状態」でウエビングベルトに作用するテン
ションと、通常の「身体拘束状態」でウエビングベルト
に作用するテンションと、の差異を利用している。この
テンションの差異は、基本的に比較的顕著に表れるた
め、従来の座席に作用する荷重に基づいて判定する構成
に比べて信頼性が高い。
【0092】また、このように本実施の形態では、ウエ
ビングベルト136の装着確認とチャイルドシートの固
定確認とを同じ永久磁石106、MRE素子114等で
行なうためコストがを安価にでき、しかも、バックル装
置10の小型化を図ることができる。
【0093】なお、本実施の形態では、イジェクタ38
に永久磁石106を固定してアンカ部材22にMRE素
子114を設けた構成であったが、イジェクタ38にM
RE素子114を設けてアンカ部材22に永久磁石10
6を固定してもよい。
【0094】また、本実施の形態では、イジェクタ38
に永久磁石106を設けた構成であったが、請求項4記
載の本発明の観点からすれば、挿入部34内でのタング
プレート130の移動に連動して変位する構成であれ
ば、イジェクタ38以外の部位に永久磁石106を設け
てもよい。また、請求項3記載の本発明の観点からすれ
ば、挿入部34内でのタングプレート130の移動に永
久磁石106が連動して変位しなくてもよく、単に、装
置本体20の内部に設けられていればよい。但し、この
場合には、チャイルドシートの固定は検出できるがウエ
ビングベルト136の装着は検出できないこともあるが
請求項3記載の本発明の観点からすれば構わない。
【0095】<第2の実施の形態の構成>図6には本発
明の第2の実施の形態に係るバックル装置210の構造
が分解斜視図により示されており、図9には本バックル
装置210の構造が断面図により示されている。
【0096】(バックル装置210の全体構成)図9に
示されるように、バックル装置210はケース214を
備えている。ケース214は長手方向両端が開口した箱
形の筒状部材とされており、その長手方向一端側の開口
はアンカ挿入口216とされ、長手方向他端側の開口は
タング挿入口218とされている。また、ケース214
の内側には装置本体を構成するベース220が収容され
ている。
【0097】図13及び図9に示されるように、ベース
220はケース214の長手方向に沿って長手とされた
平板状の底板222を備えている。底板222の長手方
向一端側にはアンカ部材22が重ね合わされており、底
板222の長手方向に沿って長手となるように底板22
2に形成された長孔226とアンカ部材22に形成され
た透孔228とを貫通するリベット230により底板2
22とアンカ部材22とが機械的に連結されている。ア
ンカ部材22はその他端側が車両の座席の側方で車体
(何れも図示省略)に固定されており、これにより本バ
ックル装置210が車両に取り付けられている。
【0098】一方、底板222の幅方向両端部からは底
板222の厚さ方向に側壁232が立設されており、側
壁232の間にはイジェクタ234が配置されている。
イジェクタ234の一部は底板222に形成されたガイ
ド孔236に係合しており、ガイド孔236に沿って底
板222の長手方向に所定範囲スライド可能とされてい
る。
【0099】また、図13に示されるように、底板22
2の長手方向一方の側でのガイド孔236の端部から
は、係合突起238が突出形成されており、圧縮コイル
スプリング240の一端が係止されている。圧縮コイル
スプリング240の他端はイジェクタ234の一端へ圧
接されており、圧縮コイルスプリング240の付勢力に
よりイジェクタ234は底板222の長手方向他端側へ
付勢されている。
【0100】一方、図6及び図9に示されるように、バ
ックル装置210はラッチ250を備えている。ラッチ
250は基部252を備えている。ラッチ250の姿勢
にもよるが、基部252は概ね両側壁232の対向方向
に沿って長手方向で、底板222の長手方向に沿って厚
さ方向とされた平板状に形成されており、その長手方向
両端部は両側壁232に形成された支持部としての支持
孔254に入り込んでいる。基部252(すなわち、ラ
ッチ250)は支持孔254の内周部に干渉されるまで
基部252の長手方向を軸方向として所定角度回動可能
に支持されている。
【0101】また、基部252の長手方向中間部側の幅
方向一端からは、基部252の幅方向一方へ向けて平板
状の連結部256が延出されており、更に、連結部25
6の基部252とは反対側からは、底板222側へ向け
て係合片258が延出されている。
【0102】係合片258の先端部(より詳細に言え
ば、連結部256との連結部分側とは反対側の端部)
は、底板222に形成された貫通孔260に対応してお
り、ラッチ250が変位することにより、係合片258
が貫通孔260及び側壁232の間に挿入されたタング
プレート130の係合孔140を貫通してタングプレー
ト130の抜き出しを規制する。
【0103】ラッチ250の係合片258の先端部に対
応して上述したイジェクタ234の厚さ方向一方(底板
222とは反対側)の面には、載置片262が一体的に
設けられている。上述したように、イジェクタ234に
は圧縮コイルスプリング240の付勢力が作用してい
る。
【0104】但し、基本的に圧縮コイルスプリング24
0の付勢力以外の外力が作用していない状態での到達位
置にイジェクタ234が位置している状態で、概ね、底
板222の厚さ方向に沿って係合片258の先端部と対
向するように載置片262が設けられており、係合片2
58の先端部との対向状態で載置片262は係合片25
8の先端部に干渉して底板222へ接近する方向への係
合片258の移動(すなわち、ラッチ250の移動)を
規制する。
【0105】また、基部252の長手方向両端側からは
ストッパ264が延出されている。ストッパ264は、
先端側が圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗した
イジェクタ234のスライド軌跡上に位置するように形
成されており、圧縮コイルスプリング240の付勢力に
抗してイジェクタ234が所定距離スライドすると、イ
ジェクタ234がストッパ264に当接する。
【0106】さらに、ラッチ250の連結部256を介
してベース220の底板222とは反対側にはロック部
材270が配置されている。ロック部材270は基部2
72を備えている。基部272は両側壁232の対向方
向に沿って長手方向とされた略角棒状とされている。
【0107】基部272の両端部は両側壁232に形成
された係合孔274に入り込んでいる。係合孔274は
貫通孔260よりも側壁232の長手方向他端側に形成
されており、基部272は自らの長手方向を軸周りに回
動可能に側壁232に支持されている。基部252の長
手方向両端側には一対の略扇状のロック片276が形成
されている。ロック片276は連結部256(ラッチ2
50)の幅方向両端部から延出された当接片278に対
応しており、ロック片276は当接片278に当接して
いる。
【0108】また、基部272の長手方向中間部には当
接部280が形成されている。当接部280は、ラッチ
250の係合片258が底板222から離間した状態で
係合片258に当接する。
【0109】一方、図6及び図9に示されるように、バ
ックル装置210は解除ボタン290を備えている。解
除ボタン290は操作用の押圧部292を備えている。
押圧部292は押圧面が底板222の長手方向他端側へ
向いた板状で、両側壁232の対向方向に沿って長手方
向とされている。
【0110】押圧部292の長手方向両端近傍からは底
板222の長手方向一端側へ向けて側壁294が延出さ
れている。これらの側壁294は上述した側壁232の
対向方向に沿って互いに対向していると共に、底板22
2とは反対側の端部が上壁296により連結され、全体
的には底板222へ向けて開口した凹形状とされてい
る。
【0111】両側壁294の押圧部292とは反対側の
端部からは、それぞれアーム298が側壁294の対向
方向に沿って互いに対向するように延出されている。両
アーム298の先端部には、他方のアーム298へ向け
て係合突起300が形成されており、側壁232に形成
されたガイド孔302に入り込んでいる。ガイド孔30
2は底板222の長手方向に沿って長手の長孔とされて
いる。係合突起300はガイド孔302の内周部によっ
て底板222の長手方向に沿って所定範囲変位可能とさ
れており、これにより、ガイド孔302によって解除ボ
タン290の移動方向が底板222の長手方向に規制さ
れている。
【0112】また、押圧部292とロック部材270と
の間には、ストッパ310が配置されている。ストッパ
310は、側壁294の対向方向に沿って長手方向とさ
れた板状の基部312を備えている。基部312の長手
方向両端側には、基部312の長手方向に沿ってみた場
合に底板222へ向けて開口した凹形状の一対の係合片
314が形成されており、これらの係合片314が上述
したロック部材270の基部272に係合することでス
トッパ310がロック部材270に支持されている。
【0113】さらに、ストッパ310の両係合片314
の近傍には、上述した解除ボタン290の係合突起30
0へ干渉可能に干渉部316が形成されている。
【0114】また、ストッパ310と解除ボタン290
の押圧部292との間には、圧縮コイルスプリング31
8が配置されており、その一端は押圧部292の押圧面
とは反対側へ当接している。これに対して圧縮コイルス
プリング318の他端はストッパ310の基部312に
当接しており、これによって、ストッパ310を押圧部
292から離間させる方向へ付勢している。
【0115】(検出部350の構成)一方、図6及び図
9に示されるように、本バックル装置210は検出手段
としての検出部350を備えている。
【0116】これらの図に示されるように、検出部35
0は支持部材としてのケース352を備えている。ケー
ス352は全体的に略箱形状に形成されており、アンカ
部材22を介して底板222とは反対側で側壁232に
一体的に固定されている。
【0117】また、ケース352の内部には基板353
が配置されている。基板353の底板222とは反対側
の面には磁気センサとしての巨大磁気抵抗素子354を
含めて構成される検出回路が設けられている。図12に
示されるように、巨大磁気抵抗素子354は、バッファ
層358上に鉄、コバルト、ニッケル、パーマロイ等の
強磁性金属により形成された薄膜状の強磁性層360
と、銅、クロム等の非磁性金属により形成された薄膜状
の非磁性層362を交互に複数積層することにより形成
された素子本体364を含めて形成されている。この巨
大磁気抵抗素子354は自らの電気抵抗値を変化させる
ことができる一種の可変抵抗で、巨大磁気抵抗素子35
4を横切る磁力線の量に応じて電気抵抗値が変化する。
【0118】また、ケース352の内部には、回動部材
370が設けられている。回動部材370は、略円柱形
状の回動軸372を備えており、ケース352の底壁3
52Aに形成された円孔374に回動自在に軸支されて
いる。
【0119】また、回動軸372の一端(底板222側
の端部)からは係合ピン376が突出形成されている。
係合ピン376はアンカ部材22に側壁232の対向方
向に沿って長手方向になるように形成された長孔378
に入り込んでいる。
【0120】ここで、係合ピン376は回動軸372の
軸心(回動中心)に対して偏心して設けられている。こ
のため、回動軸372がその軸心周りに回動することで
係合ピン376は回動軸372の軸心周りに回動する。
【0121】一方、回動軸372の外周部からは板状の
レバー380が延出されている。レバー380の先端部
には永久磁石106が固着されており、レバー380が
回動軸372の軸心周りに所定方向へ一定角度回動する
と、ケース352の上下方向に沿って永久磁石106と
巨大磁気抵抗素子354とが対向する。
【0122】また、回動軸372には捩じりコイルスプ
リング382が設けられている。捩じりコイルスプリン
グ382はその一端が回動軸372に設けられた係止爪
384に係止されており、他端がケース352の側壁3
52Bに当接し、平面視で回動軸372を左周り方向へ
付勢している。
【0123】さらに、底板222の長手方向に対向する
ケース352の一対の側壁352Cのラッチ250とは
反対側の側壁352Cには、付勢手段としての引張コイ
ルスプリング386の一端が係止されている。引張コイ
ルスプリング386は、他端がアンカ部材22から立設
された係止壁388に係止されており、ケース352及
びケース352が固定されたベース220の側壁352
Cをタングプレート130の挿入方向側へ付勢してい
る。
【0124】<第2の実施の形態の作用、効果>次に、
本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0125】(バックル装置210の動作)本バックル
装置210では図9に示される非装着状態でタングプレ
ート130の挿入板部138をケース214のタング挿
入口218から挿入すると、図6に示されるように、挿
入板部138の先端部がイジェクタ234の端部に当接
して押圧し、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗
してイジェクタ234を底板222の長手方向一端側へ
スライドさせる。
【0126】イジェクタ234が底板222の長手方向
一端側へ所定量スライドすると、イジェクタ234の載
置片262とラッチ250の係合片258との対向状態
が解除されると共に、イジェクタ234がラッチ250
のストッパ264を押圧して、ラッチ250を回動させ
る。
【0127】これにより、係合片258の先端部が底板
222へ接近移動する。また、この状態では、挿入板部
138の係合孔140と、底板222に形成された貫通
孔260とが重なり合う。したがって、この状態では図
10に示されるように、回動した係合片258が挿入板
部138の係合孔140と底板222の貫通孔260を
貫通する。
【0128】また、ラッチ250が回動することで、ラ
ッチ250の係合片258とロック部材270の当接部
280との当接状態が解除される。ここで、ロック片2
76はストッパ310を介して圧縮コイルスプリング3
18の付勢力を受けるため、ラッチ250の回動に連動
するように圧縮コイルスプリング318の付勢力でロッ
ク部材270が回動し、ロック片276がラッチ250
の当接片278に当接する。このため、係合片258が
底板222から離間する方向へのラッチ250の回動が
規制され、これにより、バックル装置210に対するタ
ングプレート130の装着状態となる。
【0129】このタングプレート130の装着状態が、
座席に着座した乗員の前方にウエビングベルト136が
位置するように収納付勢力に抗してウエビングベルト1
36を引っ張ってからのタングプレート130の装着状
態であれば、これはウエビングベルト136による「身
体拘束状態」となり、ウエビングベルト136が乗員を
拘束する。
【0130】これに対して、収納付勢力に抗しウエビン
グベルト136を引っ張り図示しないチャイルドシート
の所定の係合部位にウエビングベルト136を係合させ
てからのタングプレート130の装着状態であれば、こ
れは「チャイルドシート取付状態」となり、ウエビング
ベルト136によってチャイルドシートが座席に固定さ
れる。
【0131】(本実施の形態の特徴的な作用、効果)と
ころで、上述したように、ウエビングベルト136の基
端部は図示しないウエビング巻取装置の巻取軸に係止さ
れており、ウエビングベルト136を巻き取る方向へ巻
取軸を付勢する渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の
収納付勢力がウエビングベルト136に張力として作用
している。
【0132】したがって、バックル装置210に対する
タングプレート130の装着状態では、この張力(収納
付勢力)がタングプレート130をバックル装置210
から抜き取る方向(離脱方向)に作用する。さらに、こ
の張力はタングプレート130及びラッチ250を介し
てベース220をタング挿入口218側(すなわち、離
脱方向側)へ引っ張っているため、リベット230が長
孔226の離脱方向側の端部に接するまで、収納付勢力
によってベース220は離脱方向側へ変位できる。
【0133】しかしながら、本バックル装置210で
は、引張コイルスプリング386がベース220をアン
カ部材22に対してアンカ挿入口216側へ付勢してい
るため、板ばね404の付勢力が収納付勢力を上回って
いる限り、板ばね404の付勢力によってベース220
はリベット230が長孔226の挿入方向側の端部に接
する位置で保持される(図10参照)。
【0134】ここで、上述した「身体拘束状態」と「チ
ャイルドシート取付状態」とでは、ウエビングベルト1
36の引出量が異なり、一般的には、「身体拘束状態」
に比べて「チャイルドシート取付状態」の方がウエビン
グベルト136は大きく(長く)の引き出される。
【0135】このため、「身体拘束状態」と「チャイル
ドシート取付状態」とを比べると、「チャイルドシート
取付状態」の方が収納付勢力は大きくなり、この状態で
の収納付勢力は板ばね404の付勢力を上回る。したが
って、この状態では、図7に示されるように、収納付勢
力が板ばね404の付勢力に抗してリベット230が長
孔226の離脱方向側の端部に接するまでベース220
を離脱方向側へ変位させる。
【0136】図11に示されるように、ベース220が
変位すると、検出部350のケース352もまた一体的
に変位し、所定量以上アンカ部材22に対してケース3
52が離脱方向側へ相対変位すると、アンカ部材22に
形成された長孔378の内周部が係合ピン376を押圧
して、係合ピン376を介して回動軸372を捩じりコ
イルスプリング382の付勢力に抗して回動させる。こ
の回動軸372の回動により図8の二点鎖線で示される
ように、レバー380の先端が巨大磁気抵抗素子354
の上方に位置し、レバー380の先端に設けられた永久
磁石106が巨大磁気抵抗素子354と対向する。
【0137】以上のように、本実施の形態では、永久磁
石106が巨大磁気抵抗素子354に接近することで変
化する巨大磁気抵抗素子354が検出する磁気の変化に
基づいて前記第1の実施の形態と同様にチャイルドシー
トが取り付けられたことを検出できる。
【0138】ここで、本実施の形態では、上記のように
係合ピン376が長孔378の内周部(すなわち、アン
カ部材22)からの押圧力を受けることで永久磁石10
6が回動する構成であるが、回動軸372の軸心からレ
バー380の先端までの距離が回動軸372の軸心から
係合ピン376までの距離よりも長いため、この距離の
比率に応じてレバー380の先端の回動距離、すなわ
ち、永久磁石106の移動ストロークが長くなる。これ
により、巨大磁気抵抗素子354に対して永久磁石10
6を大きく移動させることができるため、巨大磁気抵抗
素子354が検出する磁気の変化を大きくでき、ベース
220がアンカ部材22に対して移動したことを確実に
検出できる。
【0139】なお、本実施の形態では、磁気センサに巨
大磁気抵抗素子354を適用したが、前記第1の実施の
形態と同様にMRE素子114等の他の磁気センサを適
用してもよい。
【0140】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の本
発明では、チャイルドシート等が固定されたか否かを確
実に検出できる。
【0141】また、請求項2記載の本発明では、装置本
体とアンカ部材との相対的な移動量よりも充分に磁気セ
ンサに対する永久磁石の相対的な移動量を大きくできる
ため、より一層確実にチャイルドシート等が固定された
か否かを確実に検出できる。
【0142】さらに、請求項3記載の本発明では、タン
グプレートにラッチが係合したか否かの検出と、チャイ
ルドシートが固定されたか否かの検出と、を同じ検出手
段で行なうことができるため、部品点数の増加を抑制で
き、コストを安価にできると共に、装置全体の小型化も
できる。
【0143】また、請求項4記載の本発明では、検出手
段及び永久磁石のうち、装置本体内に設けられた方をタ
ングプレートに連動させる構造を特別に必要としないた
め、より一層、部品点数の増加を抑制でき、装置全体の
小型化もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置
の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置
の基本構造を示す断面図である。
【図3】検出手段と永久磁石との位置関係を示す概略図
である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るバックル装置とエ
アバッグ装置との関係を示すブロック図である。
【図5】タングプレートの平面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置
の分解斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置
の要部を拡大した分解斜視図である。
【図8】検出手段の構成を示す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置
の側面断面図である。
【図10】ラッチが係合した状態を示す図9に対応した
断面図である。
【図11】装置本体がアンカ部材に対して移動した状態
を示す断面図である。
【図12】磁気センサの構造の概略を示す図である。
【図13】装置本体を構成するベースの裏面図である。
【符号の説明】
10 バックル装置 20 装置本体 22 アンカ部材 38 イジェクタ 84 ラッチ 86 被当接片 108 引張コイルスプリング(付勢手段) 106 永久磁石(検出手段) 114 MRE素子(磁気センサ、検出手段) 130 タングプレート 210 バックル装置 220 ベース(装置本体) 234 イジェクタ 250 ラッチ 350 検出部(検出手段) 354 巨大磁気抵抗素子(磁気センサ) 370 回動部材 386 引張コイルスプリング(付勢手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村木 均至 愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内 Fターム(参考) 3B090 BC05 BC13 BC19 BC22 BC28

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端側へ引出可能に基端側から巻取状態
    で収納されると共に、前記先端側への引出量に応じて増
    減する収納付勢力により前記基端側へ向けて付勢された
    長尺帯状のウエビングベルトに取り付けられたタングプ
    レートを、その先端側から内部へ挿入可能な装置本体
    と、 前記装置本体に機械的に連結されると共に、前記装置本
    体内に挿入された前記タングプレートに対して接離移動
    可能に設けられ、前記タングプレートへ接近することで
    前記タングプレートに係合し、前記装置本体から離脱す
    る離脱方向への前記タングプレートの移動を制限するラ
    ッチと、 前記装置本体に形成された前記タングプレートの挿入部
    分とは反対側で車両の所定位置に取り付けられると共
    に、前記装置本体内部への前記タングプレートの挿入方
    向及び前記離脱方向へ向けて前記装置本体を所定範囲相
    対移動可能に支持するアンカ部材と、 前記ウエビングベルトを所定量引き出した状態での前記
    収納付勢力よりも大きな付勢力で前記装置本体を前記ア
    ンカ部材側へ付勢する付勢手段と、 永久磁石及び当該永久磁石の磁気を検出する磁気センサ
    を含めて構成され、前記アンカ部材に対する前記装置本
    体の変位に応じて前記磁気センサに対して前記永久磁石
    が接離移動する検出手段と、 を備えるバックル装置。
  2. 【請求項2】 前記装置本体に一体的に設けられると共
    に、前記磁気センサ及び前記永久磁石の何れか一方が取
    り付けられた支持部材と、 一端が前記アンカ部材に係合すると共に他端に前記磁気
    センサ及び前記永久磁石の何れか他方が取り付けられ、
    且つ、前記一端までの距離よりも前記他端までの距離が
    長くなる位置を回動中心として前記支持部材に若しくは
    前記装置本体に回動可能に支持され、当該回動により前
    記磁気センサに対して前記永久磁石を相対的に接離移動
    させる回動部材と、 を備えることを特徴とする請求項1記載のバックル装
    置。
  3. 【請求項3】 先端側へ引出可能に基端側から巻取状態
    で収納されると共に、前記先端側への引出量に応じて増
    減する収納付勢力により前記基端側へ向けて付勢された
    長尺帯状のウエビングベルトに取り付けられたタングプ
    レートを、その先端側から内部へ挿入可能な装置本体
    と、 前記装置本体に機械的に連結されると共に、前記装置本
    体内に挿入された前記タングプレートに対して接離移動
    可能に設けられ、前記タングプレートへ接近することで
    前記タングプレートに係合し、前記装置本体から離脱す
    る離脱方向への前記タングプレートの移動を制限するラ
    ッチと、 前記装置本体に形成された前記タングプレートの挿入部
    分とは反対側で車両の所定位置に取り付けられると共
    に、前記装置本体内部への前記タングプレートの挿入方
    向及び前記離脱方向へ向けて前記装置本体を所定範囲相
    対移動可能に支持するアンカ部材と、 前記ウエビングベルトを所定量引き出した状態での前記
    収納付勢力よりも大きな付勢力で前記装置本体を前記ア
    ンカ部材側へ付勢する付勢手段と、 永久磁石及び当該永久磁石の磁気を検出する磁気センサ
    を含めて構成されると共に、前記永久磁石及び前記磁気
    センサの何れか一方が前記アンカ部材に設けられ、前記
    永久磁石及び前記磁気センサの何れか他方が前記装置本
    体への前記タングプレートの挿入量に応じて前記何れか
    一方に対して接離する方向へ変位可能に設けられた検出
    手段と、を備えるバックル装置。
  4. 【請求項4】 前記挿入方向及び前記離脱方向へ向けて
    移動可能で且つ前記離脱方向に前記装置本体内に挿入さ
    れた前記タングプレートの先端部に対して前記離脱方向
    に対向して前記装置本体内部に設けられ、前記装置本体
    内に挿入されて前記ラッチとの係合位置へ向かう前記タ
    ングプレートにより押圧されて前記挿入方向へ移動する
    と共に所定の付勢力で前記離脱方向へ付勢されたイジェ
    クタを備えると共に、前記永久磁石及び前記磁気センサ
    の前記何れか一方を前記イジェクタに連動して前記何れ
    か他方に対して接離移動移動可能に設けた、 ことを特徴とする請求項3記載のバックル装置。
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