JP3875576B2 - バックル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシートベルト装置を構成するバックル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の座席に着座した乗員の身体を拘束するためのシートベルト装置を構成するウエビングベルトは、その長手方向一方の端部が例えば座席側方に設けられた巻取装置の巻取軸に係止されており、他端がこの巻取装置の近傍に設けられたアンカプレートに固定されている。また、ウエビングベルトの長手方向中間部は巻取装置の上方、例えば、車両のセンタピラーの上端側にてスルーアンカに形成された挿通孔を貫通して下方側へ折り返されている。
【0003】
このスルーアンカでの折り返し部分と他端との間でウエビングベルトはタングプレートの挿通孔を貫通しており、タングプレートを引っ張ることで巻取装置の巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出され、座席を介して巻取装置とは反対側に設けられたバックル装置へタングプレートを連結させることで、ウエビングベルトの装着状態となる構成である。
【0004】
一方で、一定年齢に満たない幼児や子供を車両に乗せる場合には、車両に所謂チャイルドシートを取り付け、このチャイルドシートに幼児や子供を乗せることが義務付けられた。
【0005】
この種のチャイルドシートの車両への取付構造としては、チャイルドシートを座席に載置すると共に、上述したウエビングベルトをチャイルドシートの所定部位に係合させてウエビングベルトとチャイルドシートとを連結し、この状態で上記のようにバックル装置へタングプレートを連結させることで、チャイルドシートを座席に固定する構造がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の車両には、上述したシートベルト装置に加え、車両急減速時に袋体を車両乗員の前方側へ膨張展開させて、車両急減速時における慣性で車両前方側へ移動しようとする乗員の身体を袋体で受け止める所謂エアバッグ装置が搭載されている。この種のエアバッグ装置が搭載されている車両においては、上記のように座席にチャイルドシートを取り付けた場合には、当該座席に対応したエアバッグ装置を作動させないことが好ましい。
【0007】
チャイルドシートを座席に取り付けられた際にエアバッグ装置を作動させないためのエアバッグ装置の制御方法としては、座席に荷重センサを取り付けて座席に作用する荷重に基づいて一般の乗員が座席に着座したか、チャイルドシートが取り付けられたかを判定し、この判定結果に基づいてエアバッグ装置を制御する方法がある。
【0008】
しかしながら、座席に着座する乗員の体重には大きなばらつきがあることを考えると、上述したような座席に作用する荷重に基づいてチャイルドシートが取り付けられたか否かを判定する方法では、その判定基準となる閾値を設定することが困難である。
【0009】
また、チャイルドシートの検出用の装置を別途車両に設け、確実にチャイルドシートが取り付けられているか否かを検出、判定する方法も考えられるが、車両室内という極めて限られた空間内に新たに特別な装置を設けることは難しく、新たな車体設計を要する等、コスト高になる。このため、既存の部材や装置にチャイルドシートが取り付けられているか否かの検出を確実に行ない得る機構を付加することが望まれている。
【0010】
本発明は、上記事実を考慮して、チャイルドシートが取り付けられたか否か等を容易に且つ確実に検出できる機構を有するバックル装置を得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のバックル装置は、長尺の帯状に形成されると共に引き出された量に応じて増減する付勢力によって長手方向基端側へ付勢されるウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが装置本体に挿入されると共に、装置本体内に設けられたラッチが前記タングプレートに係合することで、前記装置本体から抜け出る方向への前記タングプレートの移動を前記ラッチが制限するバックル装置であって、前記装置本体前記タングプレート挿入される部分とは反対側で車両の所定位置に取り付けられると共に、前記装置本体の内部前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向及びその反対方向に前記装置本体を移動可能に支持するアンカ部材と、所定量の前記ウエビングベルトが引き出された状態で前記ウエビングベルトをその長手方向基端側へ付勢する付勢力よりも大きな付勢力で前記装置本体を前記アンカ部材の方へ付勢する付勢手段と、永久磁石及び当該永久磁石の磁気を検出する磁気センサを含めて構成され、前記アンカ部材に対する前記装置本体の変位に応じて前記磁気センサに対して前記永久磁石が移動する検出手段と、を備え、前記磁気センサに対して前記永久磁石が移動したことに基づいて、前記付勢手段の付勢力に抗して前記ウエビングベルトを付勢する付勢力が前記装置本体を引っ張って移動させたことを検出する、ことを特徴としている。
【0012】
上記構成のバックル装置では、長尺帯状のウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが先端側から装置本体内に挿入され、更に、このタングプレートにラッチが接近してラッチがタングプレートに係合すると、装置本体から抜け出る方向へのタングプレートの移動がラッチにより制限される。
【0013】
したがって、このラッチによる移動制限状態でウエビングベルトが座席に着座した車両乗員の身体の前方側に掛け回されていれば、ウエビングベルト装着状態となってウエビングベルトにより乗員の身体が拘束され(以下、この状態を便宜上「身体拘束状態」と称する)、また、座席等に配置されたチャイルドシートの所定部位にウエビングベルトが係合していればチャイルドシートの取付状態となってウエビングベルトによりチャイルドシートが固定される(以下、この状態を便宜上「チャイルドシート取付状態」と称する)。
【0014】
一方、上述したウエビングベルトは所定の付勢力によってその長手方向基端側へ向けて付勢されるため、この付勢力に基づいたテンション(張力)がウエビングベルトに作用し、タングプレートが装置本体に挿入された状態では、このテンションがタングプレートを装置本体から引き出そうとする。
【0015】
ここで、装置本体にタングプレートが挿入される際のタングプレートの移動方向(以下、この方向を、便宜上、「挿入方向」と称する)及びその反対方向(以下、この方向を、便宜上、「離脱方向」と称する)に移動可能に装置本体がアンカ部材に支持されているため、装置本体に挿入されたタングプレートを介してこのタングプレートに係合するラッチに上記のテンションが作用すると、装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動しようとする。
【0016】
但し、装置本体は付勢手段によりアンカ部材の方、すなわち、挿入方向側へ付勢されている。このため、付勢手段の付勢力を上回るテンション、すなわち、所定量又は所定量よりも長くウエビングベルトが引き出された際のテンションが作用しない限り、アンカ部材に対して装置本体が離脱方向へ移動することはない。
【0017】
したがって、例えば、上記の「チャイルドシート取付状態」ウエビングベルトを引き出した(長さ)が所定量又は所定量よりも長く、「身体拘束状態」におけるウエビングベルトの引出量が所定量に満たなければ、「身体拘束状態」で装置本体がアンカ部材に対して移動することはないが、「チャイルドシート取付状態」では装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動する。
【0018】
ここで、例えば、「チャイルドシート取付状態」で装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動すると、検出手段を構成する磁気センサに対して永久磁石が相対的に接離移動し、これにより、磁気センサが検出する永久磁石の磁気が変動する。
【0019】
したがって、永久磁石の磁気の変動を磁気センサが検出することで、チャイルドシートをウエビングベルトで固定し、これにより、チャイルドシートをウエビングベルトで固定したか否かが判定できる。
【0020】
なお、これまでの説明では、検出手段の磁気センサが検出する永久磁石の磁気の変動で「チャイルドシート取付状態」であるか否かを検出する場合を例にして説明したが、「チャイルドシート取付状態」であるか否かを検出は、あくまでも一例であり、本発明が「チャイルドシート取付状態」であるか否かを検出にのみ限定されるものではない。
【0021】
すなわち、上記のとおり、アンカ部材に対して装置本体が移動するか否かは、あくまでも付勢手段の付勢力の大きさによって決定され、収納付勢力が付勢手段の付勢力を上回った場合にアンカ部材に対して装置本体が移動する。したがって、付勢手段の付勢力の大きさを変えることで、「チャイルドシート取付状態」であるか否かを検出とは異なる状態検出も可能である。その一例としては、乗員の身体の大きさにより、収納付勢力を増減する機構、所謂「テンションリデューサ」における収納付勢力の増減切替の判定用に本発明を適用してもよい。
【0022】
請求項2記載のバックル装置は、請求項1記載の本発明において、前記装置本体に一体的に設けられると共に、前記磁気センサ及び前記永久磁石の何れか一方が取り付けられた支持部材と、一端が前記アンカ部材に係合すると共に他端に前記磁気センサ及び前記永久磁石の何れか他方が取り付けられ、且つ、前記一端までの距離よりも前記他端までの距離が長くなる位置を回動中心として前記支持部材に若しくは前記装置本体に回動可能に支持され、当該回動により前記磁気センサに対して前記永久磁石を相対的に接近又は離間させる方向へ移動させる回動部材と、を備えることを特徴としている。
【0023】
上記構成のバックル装置によれば、例えば、「チャイルドシート固定状態」にすることで、装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動すると、装置本体に固定されている支持部材がアンカ部材に対して離脱方向へ移動する。
【0024】
一方、支持部材に回動可能に支持れた回動部材の一端はアンカ部材に係合しているため、上記のようにアンカ部材に対して装置本体が相対移動した際に、一端がアンカ部材に干渉されることで、回動部材が自らの回動中心周りに回動する。これにより、回動部材の他端に取り付けられた磁気センサ及び永久磁石の何れか他方が、支持部材に設けられた何れか一方に対して接離移動する。
【0025】
ここで、回動部材の回動中心から前記何れか他方が取り付けられた他端までの距離は、回動中心からアンカ部材に係合した一端までの距離よりも長い。これにより、アンカ部材に対する装置本体の変位に応じた回動部材の一端の変位量よりも他端の変位量が大きくなる。このように、装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動する前と後とで磁気センサ対する永久磁石の変位量の差異が大きくなることで、磁気センサが検出する磁気の変動を大きくでき、アンカ部材に対する装置本体の移動を確実に検出できる。
【0026】
請求項3記載のバックル装置は、長尺の帯状に形成されると共に引き出された量に応じて増減する付勢力によって長手方向基端側へ付勢されるウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが装置本体に挿入されると共に、装置本体内に設けられたラッチが前記タングプレートに係合することで、前記装置本体から抜け出る方向への前記タングプレートの移動を前記ラッチが制限するバックル装置であって、前記装置本体前記タングプレート挿入される部分とは反対側で車両の所定位置に取り付けられると共に、前記装置本体の内部前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向及びその反対方向に前記装置本体を移動可能に支持するアンカ部材と、所定量の前記ウエビングベルトが引き出された状態で前記ウエビングベルトをその長手方向基端側へ付勢する付勢力よりも大きな付勢力で前記装置本体を前記アンカ部材の方へ付勢する付勢手段と、永久磁石及び当該永久磁石の磁気を検出する磁気センサを含めて構成されると共に、前記永久磁石及び前記磁気センサの何れか一方が前記アンカ部材に設けられ、前記装置本体内へ挿入された前記タングプレートの量に応じて前記何れか一方に対して接近又は離間する方向へ変位可能に前記永久磁石及び前記磁気センサの何れか他方が設けられた検出手段と、を備え、前記タングプレートが前記ラッチに係合できる位置まで前記装置本体内に挿入された際の前記磁気センサに対する前記永久磁石の変位に基づき前記タングプレートに前記ラッチが係合したことを検出し、且つ、前記付勢手段の付勢力に抗して前記ウエビングベルトを付勢する付勢力が前記装置本体を引っ張って移動させた際の前記磁気センサに対する前記永久磁石の変位に基づき前記アンカ部材に対して前記装置本体が移動したことを検出する、ことを特徴としている。
【0027】
上記構成のバックル装置では、長尺帯状のウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが先端側から装置本体内に挿入され、更に、このタングプレートにラッチが接近してラッチがタングプレートに係合すると、装置本体から抜け出る方向へのタングプレートの移動がラッチにより制限される。
【0028】
したがって、このラッチによる移動制限状態でウエビングベルトが座席に着座した車両乗員の身体の前方側に掛け回されていれば、ウエビングベルト装着状態となってウエビングベルトにより乗員の身体が拘束され(以下、この状態を便宜上「身体拘束状態」と称する)、また、座席等に配置されたチャイルドシートの所定部位にウエビングベルトが係合していればチャイルドシートの取付状態となってウエビングベルトによりチャイルドシートが固定される(以下、この状態を便宜上「チャイルドシート取付状態」と称する)。
【0029】
一方、装置本体内には検出手段を構成する永久磁石及び磁気センサの何れか他方が設けられており、装置本体内にタングプレートが挿入されると、装置本体内にタングプレート挿入された量に応じて前記何れか他方が装置本体内で移動する。
【0030】
ここで、アンカ部材には検出手段を構成する永久磁石及び磁気センサの何れか一方が設けられており、上記のように装置本体内にタングプレート挿入された量に応じて前記何れか他方が移動することで永久磁石及び磁気センサの何れか一方との相対距離が変動すると、磁気センサが検出する永久磁石の磁気が変動する。
【0031】
したがって、ラッチの係合が可能な位置までタングプレートが移動し、このときの相対的な距離に応じた永久磁石の磁気を磁気センサが検出することで、ラッチの係合が可能な位置までタングプレートが移動したことを検出でき、ひいては、タングプレートにラッチが係合したと判定できる。
【0032】
一方、上述したウエビングベルトは所定の付勢力によってその長手方向基端側へ向けて付勢されるため、この付勢力に基づいたテンション(張力)がウエビングベルトに作用し、タングプレートが装置本体に挿入された状態では、このテンションがタングプレートを装置本体から引き出そうとする。
【0033】
ここで、装置本体にタングプレートが挿入される際のタングプレートの移動方向(以下、この方向を、便宜上、「挿入方向」と称する)及びその反対方向(以下、この方向を、便宜上、「離脱方向」と称する)に移動可能に装置本体がアンカ部材に支持されているため、装置本体に挿入されたタングプレートを介してこのタングプレートに係合するラッチに上記のテンションが作用すると、装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動しようとする。
【0034】
但し、装置本体は付勢手段によりアンカ部材の方、すなわち、挿入方向側へ付勢されている。このため、付勢手段の付勢力を上回るテンション、すなわち、所定量又は所定量よりも長くウエビングベルトが引き出された際のテンションが作用しない限り、アンカ部材に対して装置本体が離脱方向へ移動することはない。
【0035】
したがって、例えば、上記の「チャイルドシート取付状態」ウエビングベルトを引き出した(長さ)が所定量又は所定量よりも長く、「身体拘束状態」におけるウエビングベルトの引出量が所定量に満たなければ、「身体拘束状態」で装置本体がアンカ部材に対して移動することはないが、「チャイルドシート取付状態」では装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動する。
【0036】
このように、「チャイルドシート取付状態」とすることで装置本体がアンカ部材に対して離脱方向へ移動すると、装置本体に設けられた永久磁石及び磁気センサの何れか一方が、アンカ部材に設けられた永久磁石及び磁気センサの何れか他方に対して移動し、これによって、磁気センサと永久磁石の相対距離が長くなる。このため、磁気センサが検出する永久磁石の磁気が変動し、永久磁石の磁気の変動を磁気センサが検出することで、チャイルドシートをウエビングベルトで固定したか否かを判定できる。
【0037】
ところで、タングプレートにラッチが係合したか否かの検出と、チャイルドシートが固定されたか否かの検出とをそれぞれ別のセンサ等で検出する構成も充分に考えられる。また、タングプレートにラッチが係合したか否かの検出は従来からも行なわれており、これにより、ウエビングベルトの装着状態であるか否かを検出していた。
【0038】
しかしながら、従来のバックル装置の構成に更にチャイルドシートが固定されたか否かの検出を行なうための構成を付加することで、バックル装置自体が大型化してしまう。しかも、タングプレートにラッチが係合したか否かを検出するための構成と、チャイルドシートが固定されたか否かの検出を行なうための構成とを別々に設けることで、部品点数の増加に繋がり、結果的にコスト高となる。
【0039】
ここで、本バックル装置では、タングプレートにラッチが係合したか否かの検出と、チャイルドシートが固定されたか否かの検出と、を同じ検出手段で行なうため、部品点数の増加を抑制でき、その結果、コストを安価にできると共に、バックル装置の小型化にも寄与する。
【0040】
なお、これまでの説明では、検出手段の磁気センサが検出する永久磁石の磁気の変動で「チャイルドシート取付状態」であるか否かを検出する場合を例にして説明したが、「チャイルドシート取付状態」であるか否かを検出は、あくまでも一例であり、本発明が「チャイルドシート取付状態」であるか否かを検出にのみ限定されるものではない。
【0041】
すなわち、上記のとおり、アンカ部材に対して装置本体が移動するか否かは、あくまでも付勢手段の付勢力の大きさによって決定され、収納付勢力が付勢手段の付勢力を上回った場合にアンカ部材に対して装置本体が移動する。したがって、付勢手段の付勢力の大きさを変えることで、「チャイルドシート取付状態」であるか否かを検出とは異なる状態検出も可能である。その一例としては、乗員の身体の大きさにより、収納付勢力を増減する機構、所謂「テンションリデューサ」における収納付勢力の増減切替の判定用に本発明を適用してもよい。
【0042】
請求項4記載のバックル装置は、請求項3記載の本発明において、前記装置本体に前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向及びその反対方向へ向けて移動可能で且つ前記装置本体内に挿入された前記タングプレートの先端部に対して前記装置本体に前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向とは反対向きに対向し、前記装置本体内に挿入されて前記ラッチ係合する位置へ向かう前記タングプレートに押圧されて移動すると共に、前記装置本体に前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向とは反対向きの付勢力で付勢されたイジェクタを備えると共に、前記永久磁石及び前記磁気センサの前記何れか一方を前記イジェクタに連動して前記何れか他方に対して接近又は離間する方向へ移動可能に設けた、ことを特徴としている。
【0043】
上記構成のバックル装置では、装置本体の内部にタングプレートが挿入されると、タングプレートによって装置本体内に設けられたイジェクタが押圧されて挿入方向へイジェクタが移動する。
【0044】
但し、イジェクタは離脱方向へ付勢されているため、装置本体内へタングプレートを挿入するための力が解除されれば、イジェクタがタングプレートを装置本体から押し出すように付勢することになる。したがって、タングプレートに対するラッチの係合が解除されれば、イジェクタに作用する付勢力がイジェクタを介してタングプレートに作用し、これにより、特にタングプレートを装置本体から引き抜かなくてもタングプレートが装置本体から離脱する。
【0045】
一方、イジェクタが移動すると、これに連動して永久磁石及び磁気センサの何れか他方(すなわち、請求項3記載の本発明で言うところの、永久磁石及び磁気センサのうち、装置本体へのタングプレートの挿入量に応じて変位可能に設けられた方)が移動する。
【0046】
したがって、先ず、ラッチの係合が可能な位置までタングプレートが移動し、これに連動して前記何れか他方が移動することで永久磁石及び磁気センサの何れか一方(すなわち、請求項3記載の本発明で言うところの、永久磁石及び磁気センサのうち、アンカ部材に設けられた方)との相対距離が変化し、これに応じて磁気センサが検出する永久磁石の磁気が変動する。永久磁石の磁気の変動を磁気センサが検出することで、ラッチの係合が可能な位置までタングプレートが移動したことを検出できる。
【0047】
次いで、例えば、上記のように「チャイルドシート取付状態」とすることで、ウエビングベルトが所定量以上引き出され、このときの収納付勢力で装置本体がアンカ部材に対して離脱方向側へ移動すると、アンカ部材に設けられた永久磁石又は磁気センサに対して装置本体に設けられた磁気センサが離間する。このため、磁気センサが検出する永久磁石の磁気が変動する。永久磁石の磁気の変動を磁気センサが検出することで、例えば、ウエビングベルトによってチャイルドシートが座席に固定されたか否かを判定できる。
【0048】
なお、本発明において、永久磁石及び磁気センサの何れか他方はイジェクタに連動する構成であればよいが、この連動の概念には前記何れか他方がイジェクタに一体的に設けられている(例えば、前記何れか他方がイジェクタに固定されている)が故にイジェクタと一体的に前記何れか他方が移動することも含む。
【0049】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の第1の一実施の形態に係るバックル装置10の分解斜視図が示されており、図2には本バックル装置10の適宜位置での断面図が示されている。
【0050】
図1及び図2に示されるようにバックル装置10は合成樹脂材により略箱形状に形成されたケース12を備えている。図1に示されるようにケース12の長手方向一端はケース12の幅方向に沿って長手とされたのスリット孔14によって開口しており、図2に示されるように、ケース12の長手方向他端は開口16によって開口している。
【0051】
ケース12の内部には装置本体20が収容されている。装置本体20はバックルボディ26を備えている。バックルボディ26は、例えば、板材の長手方向中央部を略U字形状に折り曲げることで形成されており、U字状に折り曲げた状態での開口端がスリット孔14へ向くようにケース12の内側に収容されている。
【0052】
また、ケース12への収容状態でケース12の高さ方向に対向するバックルボディ26の上板28と下板30との間は挿入部34とされていると共に、U字状に折り曲げられたバックルボディ26の底部、すなわち、バックルボディ26の開口16側の端部にはバックルボディ26の幅方向に沿って長手方向とされたスリット状の挿入孔32が形成されている。
【0053】
これに対して、図2に示されるようにU字状に折り曲げられたバックルボディ26の開口端側、すなわち、バックルボディ26のスリット孔14側からは上板28と下板30との間に板状のアンカ部材22の一端側が入り込んでいる。アンカ部材22にはその厚さ方向に貫通し且つバックルボディ26の長手方向に沿って長手とされた一対の長孔102がアンカ部材22の幅方向に並んで形成されている。また、これらの長孔102に対応して上板28及び下板30の各々には一対の透孔36が形成されている。これらの透孔36の各々の内径寸法は長孔102の内幅寸法に略等しい。
【0054】
これらの透孔36及び長孔102にはリベット24が貫通している。これにより、バックルボディ26とアンカ部材22とが機械的に連結され、更に、バックルボディ26が座席の側方に取り付けられる。但し、上述したように、バックルボディ26に対してはリベット24が長孔102を貫通している。このため、リベット24が長孔102の長手方向端部に干渉するまで、長孔102の長手方向に沿ってバックルボディ26は移動できる。
【0055】
また、バックルボディ26の内側には、イジェクタ38がバックルボディ26の長手方向(図1及び図2の矢印A方向及びその反対方向)に沿ってスライド可能に収容されている。イジェクタ38とアンカ部材22との間にはイジェクトスプリング40が配置されており、イジェクタ38を挿入孔32側(図1及び図2の矢印Aとは反対方向)へ付勢している。
【0056】
さらに、イジェクタ38の本体部分からはアンカ部材22側へ向けてロッド44が延出されており、イジェクトスプリング40の内側に入り込んでいる(厳密に言えば、圧縮コイルスプリングであるイジェクトスプリング40の形状を円筒形状とみなした場合に、ロッド44がイジェクトスプリング40の軸方向一端側、すなわち、イジェクタ38側からその内側へ入り込んでいる)。ロッド44の先端部には、検出手段を構成する永久磁石106が固定されており、周囲に所定の磁界を形成している。
【0057】
また、イジェクタ38の幅方向両端には一対の角片42がアンカ部材22側(すなわち、ケース12のスリット孔14側)へ向けて延出されている。これらの角片42の先端近傍には当接部46が形成されている。これらの当接部46に対応してバックルボディ26には挿入部34内に突出する如く突起(図示省略)が形成されており、これらの突起が対応する当接部46に干渉することでイジェクタ38のスライドを一定範囲に制限している。
【0058】
一方、図1及び図2に示されるように、バックルボディ26の上板28上にはボタン50が配置されている。ボタン50は全体的に平面視で略四角形の枠状に形成されている。ボタン50は操作部52を備えている。操作部52は開口16側へ向いた押圧面を有しており、この押圧面を押圧することでボタン50をスリット孔14側へ移動させることができるようになっている。
【0059】
操作部52の押圧面とは反対側(すなわち、スリット孔14側)からは一対の外板54が互いに平行に延出されている。これらの外板54の各々は、バックルボディ26の幅方向に沿って厚さ方向とされた略板状に形成されており、この幅方向に互いに対向している。
【0060】
各外板54には内側に向かう爪片62が形成されている。これらの爪片62はバックルボディ26の外側からバックルボディ26の上板28と下板30との間にバックルボディ26の外側から係合可能とされており、係合状態ではボタン50をバックルボディ26に対して離脱不能で、且つ、バックルボディ26の長手方向(図1及び図2の矢印A方向及びその反対方向)に沿ってスライド可能とする。
【0061】
また、これらの外板54の内側には一対の内板58が設けられている。内板58は外板54と同様に操作部52の押圧面とは反対側(すなわち、スリット孔14側)から互いに平行に延出されている。また、これらの内板58の各々は、バックルボディ26の幅方向に沿って厚さ方向とされた略板状で、幅方向に互いに対向している。
【0062】
これらの内板58の内面(すなわち、対向する他方の内板58側の面)にはストッパ64が形成されており、更に、ストッパ64よりも操作部52側の内板58の内面にはボタンスロープ66が形成されている。ボタンスロープ66は、操作部52とは反対方向(すなわち、スリット孔14側)に対してバックルボディ26とは反対方向側へ向くように傾斜した斜面で、バックルボディ26とは反対側を向いた面が操作部52側へ向けて漸次バックルボディ26から離間している。
【0063】
一方、ボタン50の外板54よりも内側の位置では、上板28から内板58を跨ぐ保持ブロック80が立設されている。保持ブロック80には平行な一対の保持板82が設けられており、これらの保持板82の間にラッチ84が配置されている。ラッチ84は、正面視にて略U字状に形成されると共に、上端からは、幅方向外側へ向けて被当接片86が延出されている。また、ラッチ84の幅方向中央からは、バックルボディ26へ向けて係合片90が延出されている。
【0064】
係合片90は上板28に形成された貫通孔92並びに下板30に形成された貫通孔94(図3参照)に対応しており、下板30へ向けて移動することで貫通孔92、94を貫通する。上記の保持板82は、バックルボディ26の長手方向(図1及び図2の矢印A方向及びその反対方向)へのラッチ84の移動を阻止し、係合方向及び係合解除方向(図1及び図2の矢印B方向及びその反対方向)へは移動可能としている。
【0065】
また、ラッチ84には上述したストッパ64が当接可能とされており、ストッパ64が当接した状態では係合方向(図1及び図2の矢印B方向)へのラッチ84の移動をストッパ64が阻止する。また、ストッパ64は、ラッチ84の被当接片86の上面へも当接可能で被当接片86の上面へ当接した状態では、係合解除方向(図1及び図2の矢印Bと反対方向)へのラッチ84の移動をストッパ64が阻止する。
【0066】
一方、保持ブロック80からは解除部材付勢手段としての一対の板ばね片96がボタン50の操作部52へ向けて延出されており、ボタン50を開口16側へ付勢している。これにより、操作部52を押圧したときに適度な抵抗が生じる。なお、本実施の形態では、解除部材付勢手段を板ばね片96で構成したが、解除部材付勢手段はロック解除部材、すなわち、本実施の形態ではボタン50を開口16側へ付勢する構成であればよく、具体的な形態に限定されるものではない。したがって、板ばね96に代えてコイルスプリングを用いても構わない。
【0067】
また、上述した各内板58のスリット孔14側の端部からはバックルボディ26へ向けて脚部68が突出形成されている。脚部68は上板28に形成された長孔70を貫通して上板28と下板30との間に位置している。長孔70はボタン50のスライド移動方向に沿って長手とされており、ボタン50がスライドすることで脚部68が長孔70に沿って移動し、また、脚部68が長孔70に沿って移動することでボタン50がスライドする。
【0068】
さらに、ボタン50には板ばね状のロックスプリング98の一端が取り付けられている。ロックスプリング98の他端は、ラッチ84の上面に当接しており、ラッチ84を係合方向(図1及び図2の矢印B方向)に付勢している。
【0069】
一方、図1に示されるように、上述したイジェクトスプリング40よりもスリット孔14側には、付勢手段としての引張コイルスプリング108が配置されている。引張コイルスプリング108の一端はアンカ部材22の一端に係止されていると共に他端は下板30に形成された保持突起110に係止されており、アンカ部材22に対してバックルボディ26をアンカ部材22側(特許請求の範囲で言うところの「挿入方向」側)へ付勢している。
【0070】
上述したように、アンカ部材22に形成された長孔102の長手方向端部にリベット24が干渉するまでアンカ部材22に対してバックルボディ26は移動可能であるが、引張コイルスプリング108の付勢力により通常は長孔102の長手方向一方の端部にリベット24が干渉する位置までアンカ部材22に対してバックルボディ26が移動している。したがって、引張コイルスプリング108の付勢力を上回る外力が作用するまでは長孔102の長手方向一方の端部にリベット24が干渉する位置にバックルボディ26が位置している。
【0071】
また、図1に示されるように、上述したアンカ部材22の先端部(イジェクタ38側の端部)には略凹形状の切欠部112が形成されており、切欠部112の内側に磁気センサとして検出手段を構成する磁気抵抗素子(MRE素子)114が配置されている。MRE素子114は自らを横切る磁力線の向きに応じて自らの電気抵抗値が変化する素子である。
【0072】
図4に示されるように、MRE素子114は、車両の所定位置に取り付けられたコンピュータ116へ電気的に接続されており、電気抵抗値の変化に応じて変化するMRE素子114からの電気信号をコンピュータ116が受けることができるようになっている。コンピュータ116は車両のインスツルメントパネル(図示省略)に設けられたランプ118のスイッチ120へ電気的に接続されている。スイッチ120はコンピュータ116からの電気信号に基づいてON、OFFし、ON状態の場合にランプ118に対して給電する。
【0073】
また、コンピュータ116はエアバッグ装置122へ接続されており、コンピュータ116はMRE素子114から送られた電気信号に基づいてエアバッグ装置122を制御し、車両の急減速状態を加速度センサ(図示省略)が検出した場合であってもエアバッグ装置122を作動させないようにすることが可能である。
【0074】
以上の構成のバックル装置10の内側には、バックル装置10と共に車両用シートベルト装置を構成するタングプレート130が挿入される。図5に示されるように、タングプレート130は硬質の金属材料等により平板に形成されると共に周囲が合成樹脂材により被覆されたタング本体132を備えている。タング本体132にはスリット孔134が形成されており、長尺帯状のウエビングベルト136が挿通されている。
【0075】
ウエビングベルト136は、その長手方向先端部が車両の座席を介してバックル装置10とは反対側の側方で座席若しくは車体に固定されている。また、ウエビングベルト136の長手方向基端部は、車両の座席の側方のうち、ウエビングベルト136の長手方向先端部と同じ側に設けられた巻取装置の巻取軸(図示省略)に係止されている。
【0076】
巻取装置は、ウエビングベルト136をその長手方向基端側から巻取軸へ巻き取り可能とされており、ウエビングベルト136を用いない場合には、ウエビングベルト136をその基端側から巻取軸に巻き取らせて収容できるようになっている。また、この巻取装置の巻取軸は渦巻きばね等の巻取軸付勢手段によってウエビングベルト136を巻き取る方向へ付勢されており、したがって、ウエビングベルト136を引き出す方向への外力が特に作用していなければウエビングベルト136は巻取軸へ巻き取られて収容される。
【0077】
ここで、この渦巻きばね等の巻取軸付勢手段の付勢力(以下、便宜上、単に「収納付勢力」と称する)はウエビングベルト136の引出量に応じて増減し、ウエビングベルト136を引き出すにつれて大きくなり、座席上にチャイルドシートをウエビングベルト136で固定するために必要な長さだけウエビングベルト136を引き出した場合には、収納付勢力が上述した引張コイルスプリング108の付勢力を上回る。
【0078】
一方、上述したタングプレート130の先端側は挿入板部138とされており、開口16からバックルボディ26の内側、すなわち、上板28と下板30との間の挿入部34へ挿入される。挿入板部138には略矩形の係合孔140が形成されている。係合孔140は挿入板部138を挿入部34内の所定位置まで挿入することで上板28と下板30との対向方向に貫通孔92、94と重なり合い、貫通孔92、94をラッチ84の係合片90が貫通することで係合片90が係合孔140を貫通する。
【0079】
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0080】
(バックル装置10の基本動作)
上記構成の本バックル装置10では、挿入部34にタングプレート130の挿入板部138が挿入されていない状態では、ラッチ84の被当接片86に、ボタン50のストッパ64が下側から当接しているので、ロックスプリング98の付勢力によってラッチ84が係合方向(図1及び図2の矢印B方向)に移動してしまうことはない。
【0081】
挿入部34に挿入板部138を挿入すると挿入板部138がイジェクタ38に係合して挿入板部138がイジェクタ38を押圧し、イジェクタ38をイジェクトスプリング40の付勢力に抗してスライドさせる。さらに、イジェクタ38が所定の位置までスライドするとイジェクタ38がボタン50の脚部68に当接して脚部68を押圧して移動させる。
【0082】
脚部68が移動することでボタン50のストッパ64がラッチ84の被当接片86から離間するため、ラッチ84はロックスプリング98の付勢力を受けて係合方向(図1及び図2の矢印B方向)に移動し、図3に示されるように、ラッチ84の係合片90が上板28の貫通孔92を貫通してタングプレート130の係合孔140に係合する。ボタン50は板ばね片96に押されて図1及び図2の矢印Aと反対の方向に移動してロック状態となり、ボタン50のストッパ64がラッチ84の被当接片86に上側から当接して、ラッチ84の係合解除方向(図3の矢印Bとは反対方向)の移動を阻止している。このロック状態では、挿入部34からの(ケース12からの)タングプレート130の抜き取りがラッチ84の係合片90により規制される。
【0083】
ラッチ84によるタングプレート130の抜取規制状態でウエビングベルト136が座席に着座した乗員の身体に前方に位置するように掛け回されているならば、乗員の身体がウエビングベルト136によって拘束された「身体拘束状態」となる。これに対して、ラッチ84によるタングプレート130の抜取規制状態でウエビングベルト136がチャイルドシート(図示省略)の所定部位に係合して座席上にチャイルドシートが座席上に固定されているならば「チャイルドシート取付状態」となる。
【0084】
(本実施の形態の特徴的な作用、効果)
ところで、上記のように上記のようにタングプレート130の挿入板部138を挿入部34に挿入し(図3(A)図示状態)で、更に、挿入板部138がイジェクタ38を押圧してイジェクタ38をスライドさせると、イジェクタ38と共にイジェクタ38に設けられた永久磁石106がスライドし、これによって永久磁石106がアンカ部材22に設けられたMRE素子114に接近する(図3(B)図示状態)。
【0085】
この状態で、ラッチ84の係合片90が挿入板部138の係合孔140を貫通した後に、挿入板部138を挿入部34へ挿入させるべくタングプレート130に付与した力を解除すると、イジェクトスプリング40の付勢力によって、ラッチ84の係合片90に係合孔140の内周部が当接するまで、すなわち、上述したラッチ84によるタングプレート130の抜取規制状態となるまでイジェクタ38と共に挿入板部138がスライドする。当然、このときには永久磁石106も開口16側へスライドする(図3(C)図示状態)。
【0086】
ここで、図3(A)に示されるように、タングプレート130の挿入板部138への挿入開始時においては永久磁石106とMRE素子114との間の距離はL1であった。これに対して、図3(C)に示されるように、係合孔140の内周部に係合片90が当接したタングプレート130の抜取規制状態では永久磁石106とMRE素子114との間の距離はL1よりも充分に短いL2となる。上述したように、MRE素子114はは自らを横切る磁力線の向きに応じて自らの電気抵抗値が変化する素子であるため、この磁力線を発している永久磁石106との距離が変動することで横切る磁力線の角度が変わり、これに応じて電気抵抗値が変化する。
【0087】
MRE素子114からは、この電気抵抗値の変化に対応した電気信号がコンピュータ116に送られ、MRE素子114からの電気信号を受けたコンピュータ116は、この電気信号のレベルに基づいてタングプレート130の抜取規制状態であるか否かを判定する。
【0088】
MRE素子114から送られた電気信号のレベルがタングプレート130の抜取規制状態でのレベルであるとコンピュータ116が判定すると、コンピュータ116はスイッチ120を操作してランプ118への給電を停止させ、これによって、ランプ118が消灯する。このように、ランプ118が消灯されることで、例えば、「身体拘束状態」であることを確認できる。
【0089】
一方、チャイルドシートを固定する際にも同様にタングプレート130の挿入板部138を挿入部34に挿入してラッチ84によりバックル装置10からのタングプレート130の抜き取りを規制させるが、上述したように、チャイルドシートを座席上に固定するのに必要なだけウエビングベルト136を巻取装置の巻取軸から引き出すと、収納付勢力が引張コイルスプリング108の付勢力を上回る。収納付勢力は、タングプレート130、ラッチ84、及びボタン50を介してバックルボディ26に作用する。したがって、引張コイルスプリング108の付勢力を上回る巻取軸付勢手段からの付勢力を受けたバックルボディ26は図3(D)に示されるように、引張コイルスプリング108の長孔102の長手方向他方の端部にリベット24が干渉する位置までバックルボディ26が移動する。
【0090】
バックルボディ26が移動することでイジェクタ38に設けられた永久磁石106もまたアンカ部材22から遠ざかるため、永久磁石106とMRE素子114との距離がL2よりも長いがL1よりも短いL3となる。このときのMRE素子114の電気抵抗値の変化に対応した電気信号に基づいてコンピュータ116はエアバッグ装置122を作動不能状態とする。これにより、「チャイルドシート取付状態」でのエアバッグ装置122の作動を停止させることができる。
【0091】
ここで、本実施の形態では、「チャイルドシート取付状態」であるか否かの判定基準に「チャイルドシート取付状態」でウエビングベルトに作用するテンションと、通常の「身体拘束状態」でウエビングベルトに作用するテンションと、の差異を利用している。このテンションの差異は、基本的に比較的顕著に表れるため、従来の座席に作用する荷重に基づいて判定する構成に比べて信頼性が高い。
【0092】
また、このように本実施の形態では、ウエビングベルト136の装着確認とチャイルドシートの固定確認とを同じ永久磁石106、MRE素子114等で行なうためコストがを安価にでき、しかも、バックル装置10の小型化を図ることができる。
【0093】
なお、本実施の形態では、イジェクタ38に永久磁石106を固定してアンカ部材22にMRE素子114を設けた構成であったが、イジェクタ38にMRE素子114を設けてアンカ部材22に永久磁石106を固定してもよい。
【0094】
また、本実施の形態では、イジェクタ38に永久磁石106を設けた構成であったが、請求項4記載の本発明の観点からすれば、挿入部34内でのタングプレート130の移動に連動して変位する構成であれば、イジェクタ38以外の部位に永久磁石106を設けてもよい。また、請求項3記載の本発明の観点からすれば、挿入部34内でのタングプレート130の移動に永久磁石106が連動して変位しなくてもよく、単に、装置本体20の内部に設けられていればよい。但し、この場合には、チャイルドシートの固定は検出できるがウエビングベルト136の装着は検出できないこともあるが請求項3記載の本発明の観点からすれば構わない。
【0095】
<第2の実施の形態の構成>
図6には本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置210の構造が分解斜視図により示されており、図9には本バックル装置210の構造が断面図により示されている。
【0096】
(バックル装置210の全体構成)
図9に示されるように、バックル装置210はケース214を備えている。ケース214は長手方向両端が開口した箱形の筒状部材とされており、その長手方向一端側の開口はアンカ挿入口216とされ、長手方向他端側の開口はタング挿入口218とされている。また、ケース214の内側には装置本体を構成するベース220が収容されている。
【0097】
図13及び図9に示されるように、ベース220はケース214の長手方向に沿って長手とされた平板状の底板222を備えている。底板222の長手方向一端側にはアンカ部材22が重ね合わされており、底板222の長手方向に沿って長手となるように底板222に形成された長孔226とアンカ部材22に形成された透孔228とを貫通するリベット230により底板222とアンカ部材22とが機械的に連結されている。アンカ部材22はその他端側が車両の座席の側方で車体(何れも図示省略)に固定されており、これにより本バックル装置210が車両に取り付けられている。
【0098】
一方、底板222の幅方向両端部からは底板222の厚さ方向に側壁232が立設されており、側壁232の間にはイジェクタ234が配置されている。イジェクタ234の一部は底板222に形成されたガイド孔236に係合しており、ガイド孔236に沿って底板222の長手方向に所定範囲スライド可能とされている。
【0099】
また、図13に示されるように、底板222の長手方向一方の側でのガイド孔236の端部からは、係合突起238が突出形成されており、圧縮コイルスプリング240の一端が係止されている。圧縮コイルスプリング240の他端はイジェクタ234の一端へ圧接されており、圧縮コイルスプリング240の付勢力によりイジェクタ234は底板222の長手方向他端側へ付勢されている。
【0100】
一方、図6及び図9に示されるように、バックル装置210はラッチ250を備えている。ラッチ250は基部252を備えている。ラッチ250の姿勢にもよるが、基部252は概ね両側壁232の対向方向に沿って長手方向で、底板222の長手方向に沿って厚さ方向とされた平板状に形成されており、その長手方向両端部は両側壁232に形成された支持部としての支持孔254に入り込んでいる。基部252(すなわち、ラッチ250)は支持孔254の内周部に干渉されるまで基部252の長手方向を軸方向として所定角度回動可能に支持されている。
【0101】
また、基部252の長手方向中間部側の幅方向一端からは、基部252の幅方向一方へ向けて平板状の連結部256が延出されており、更に、連結部256の基部252とは反対側からは、底板222側へ向けて係合片258が延出されている。
【0102】
係合片258の先端部(より詳細に言えば、連結部256との連結部分側とは反対側の端部)は、底板222に形成された貫通孔260に対応しており、ラッチ250が変位することにより、係合片258が貫通孔260及び側壁232の間に挿入されたタングプレート130の係合孔140を貫通してタングプレート130の抜き出しを規制する。
【0103】
ラッチ250の係合片258の先端部に対応して上述したイジェクタ234の厚さ方向一方(底板222とは反対側)の面には、載置片262が一体的に設けられている。上述したように、イジェクタ234には圧縮コイルスプリング240の付勢力が作用している。
【0104】
但し、基本的に圧縮コイルスプリング240の付勢力以外の外力が作用していない状態での到達位置にイジェクタ234が位置している状態で、概ね、底板222の厚さ方向に沿って係合片258の先端部と対向するように載置片262が設けられており、係合片258の先端部との対向状態で載置片262は係合片258の先端部に干渉して底板222へ接近する方向への係合片258の移動(すなわち、ラッチ250の移動)を規制する。
【0105】
また、基部252の長手方向両端側からはストッパ264が延出されている。ストッパ264は、先端側が圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗したイジェクタ234のスライド軌跡上に位置するように形成されており、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗してイジェクタ234が所定距離スライドすると、イジェクタ234がストッパ264に当接する。
【0106】
さらに、ラッチ250の連結部256を介してベース220の底板222とは反対側にはロック部材270が配置されている。ロック部材270は基部272を備えている。基部272は両側壁232の対向方向に沿って長手方向とされた略角棒状とされている。
【0107】
基部272の両端部は両側壁232に形成された係合孔274に入り込んでいる。係合孔274は貫通孔260よりも側壁232の長手方向他端側に形成されており、基部272は自らの長手方向を軸周りに回動可能に側壁232に支持されている。基部252の長手方向両端側には一対の略扇状のロック片276が形成されている。ロック片276は連結部256(ラッチ250)の幅方向両端部から延出された当接片278に対応しており、ロック片276は当接片278に当接している。
【0108】
また、基部272の長手方向中間部には当接部280が形成されている。当接部280は、ラッチ250の係合片258が底板222から離間した状態で係合片258に当接する。
【0109】
一方、図6及び図9に示されるように、バックル装置210は解除ボタン290を備えている。解除ボタン290は操作用の押圧部292を備えている。押圧部292は押圧面が底板222の長手方向他端側へ向いた板状で、両側壁232の対向方向に沿って長手方向とされている。
【0110】
押圧部292の長手方向両端近傍からは底板222の長手方向一端側へ向けて側壁294が延出されている。これらの側壁294は上述した側壁232の対向方向に沿って互いに対向していると共に、底板222とは反対側の端部が上壁296により連結され、全体的には底板222へ向けて開口した凹形状とされている。
【0111】
両側壁294の押圧部292とは反対側の端部からは、それぞれアーム298が側壁294の対向方向に沿って互いに対向するように延出されている。両アーム298の先端部には、他方のアーム298へ向けて係合突起300が形成されており、側壁232に形成されたガイド孔302に入り込んでいる。ガイド孔302は底板222の長手方向に沿って長手の長孔とされている。係合突起300はガイド孔302の内周部によって底板222の長手方向に沿って所定範囲変位可能とされており、これにより、ガイド孔302によって解除ボタン290の移動方向が底板222の長手方向に規制されている。
【0112】
また、押圧部292とロック部材270との間には、ストッパ310が配置されている。ストッパ310は、側壁294の対向方向に沿って長手方向とされた板状の基部312を備えている。基部312の長手方向両端側には、基部312の長手方向に沿ってみた場合に底板222へ向けて開口した凹形状の一対の係合片314が形成されており、これらの係合片314が上述したロック部材270の基部272に係合することでストッパ310がロック部材270に支持されている。
【0113】
さらに、ストッパ310の両係合片314の近傍には、上述した解除ボタン290の係合突起300へ干渉可能に干渉部316が形成されている。
【0114】
また、ストッパ310と解除ボタン290の押圧部292との間には、圧縮コイルスプリング318が配置されており、その一端は押圧部292の押圧面とは反対側へ当接している。これに対して圧縮コイルスプリング318の他端はストッパ310の基部312に当接しており、これによって、ストッパ310を押圧部292から離間させる方向へ付勢している。
【0115】
(検出部350の構成)
一方、図6及び図9に示されるように、本バックル装置210は検出手段としての検出部350を備えている。
【0116】
これらの図に示されるように、検出部350は支持部材としてのケース352を備えている。ケース352は全体的に略箱形状に形成されており、アンカ部材22を介して底板222とは反対側で側壁232に一体的に固定されている。
【0117】
また、ケース352の内部には基板353が配置されている。基板353の底板222とは反対側の面には磁気センサとしての巨大磁気抵抗素子354を含めて構成される検出回路が設けられている。図12に示されるように、巨大磁気抵抗素子354は、バッファ層358上に鉄、コバルト、ニッケル、パーマロイ等の強磁性金属により形成された薄膜状の強磁性層360と、銅、クロム等の非磁性金属により形成された薄膜状の非磁性層362を交互に複数積層することにより形成された素子本体364を含めて形成されている。この巨大磁気抵抗素子354は自らの電気抵抗値を変化させることができる一種の可変抵抗で、巨大磁気抵抗素子354を横切る磁力線の量に応じて電気抵抗値が変化する。
【0118】
また、ケース352の内部には、回動部材370が設けられている。回動部材370は、略円柱形状の回動軸372を備えており、ケース352の底壁352Aに形成された円孔374に回動自在に軸支されている。
【0119】
また、回動軸372の一端(底板222側の端部)からは係合ピン376が突出形成されている。係合ピン376はアンカ部材22に側壁232の対向方向に沿って長手方向になるように形成された長孔378に入り込んでいる。
【0120】
ここで、係合ピン376は回動軸372の軸心(回動中心)に対して偏心して設けられている。このため、回動軸372がその軸心周りに回動することで係合ピン376は回動軸372の軸心周りに回動する。
【0121】
一方、回動軸372の外周部からは板状のレバー380が延出されている。レバー380の先端部には永久磁石106が固着されており、レバー380が回動軸372の軸心周りに所定方向へ一定角度回動すると、ケース352の上下方向に沿って永久磁石106と巨大磁気抵抗素子354とが対向する。
【0122】
また、回動軸372には捩じりコイルスプリング382が設けられている。捩じりコイルスプリング382はその一端が回動軸372に設けられた係止爪384に係止されており、他端がケース352の側壁352Bに当接し、平面視で回動軸372を左周り方向へ付勢している。
【0123】
さらに、底板222の長手方向に対向するケース352の一対の側壁352Cのラッチ250とは反対側の側壁352Cには、付勢手段としての引張コイルスプリング386の一端が係止されている。引張コイルスプリング386は、他端がアンカ部材22から立設された係止壁388に係止されており、ケース352及びケース352が固定されたベース220の側壁352Cをタングプレート130の挿入方向側へ付勢している。
【0124】
<第2の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0125】
(バックル装置210の動作)
本バックル装置210では図9に示される非装着状態でタングプレート130の挿入板部138をケース214のタング挿入口218から挿入すると、図6に示されるように、挿入板部138の先端部がイジェクタ234の端部に当接して押圧し、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗してイジェクタ234を底板222の長手方向一端側へスライドさせる。
【0126】
イジェクタ234が底板222の長手方向一端側へ所定量スライドすると、イジェクタ234の載置片262とラッチ250の係合片258との対向状態が解除されると共に、イジェクタ234がラッチ250のストッパ264を押圧して、ラッチ250を回動させる。
【0127】
これにより、係合片258の先端部が底板222へ接近移動する。また、この状態では、挿入板部138の係合孔140と、底板222に形成された貫通孔260とが重なり合う。したがって、この状態では図10に示されるように、回動した係合片258が挿入板部138の係合孔140と底板222の貫通孔260を貫通する。
【0128】
また、ラッチ250が回動することで、ラッチ250の係合片258とロック部材270の当接部280との当接状態が解除される。ここで、ロック片276はストッパ310を介して圧縮コイルスプリング318の付勢力を受けるため、ラッチ250の回動に連動するように圧縮コイルスプリング318の付勢力でロック部材270が回動し、ロック片276がラッチ250の当接片278に当接する。このため、係合片258が底板222から離間する方向へのラッチ250の回動が規制され、これにより、バックル装置210に対するタングプレート130の装着状態となる。
【0129】
このタングプレート130の装着状態が、座席に着座した乗員の前方にウエビングベルト136が位置するように収納付勢力に抗してウエビングベルト136を引っ張ってからのタングプレート130の装着状態であれば、これはウエビングベルト136による「身体拘束状態」となり、ウエビングベルト136が乗員を拘束する。
【0130】
これに対して、収納付勢力に抗しウエビングベルト136を引っ張り図示しないチャイルドシートの所定の係合部位にウエビングベルト136を係合させてからのタングプレート130の装着状態であれば、これは「チャイルドシート取付状態」となり、ウエビングベルト136によってチャイルドシートが座席に固定される。
【0131】
(本実施の形態の特徴的な作用、効果)
ところで、上述したように、ウエビングベルト136の基端部は図示しないウエビング巻取装置の巻取軸に係止されており、ウエビングベルト136を巻き取る方向へ巻取軸を付勢する渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力がウエビングベルト136に張力として作用している。
【0132】
したがって、バックル装置210に対するタングプレート130の装着状態では、この張力(収納付勢力)がタングプレート130をバックル装置210から抜き取る方向(離脱方向)に作用する。さらに、この張力はタングプレート130及びラッチ250を介してベース220をタング挿入口218側(すなわち、離脱方向側)へ引っ張っているため、リベット230が長孔226の離脱方向側の端部に接するまで、収納付勢力によってベース220は離脱方向側へ変位できる。
【0133】
しかしながら、本バックル装置210では、引張コイルスプリング386がベース220をアンカ部材22に対してアンカ挿入口216側へ付勢しているため、板ばね404の付勢力が収納付勢力を上回っている限り、板ばね404の付勢力によってベース220はリベット230が長孔226の挿入方向側の端部に接する位置で保持される(図10参照)。
【0134】
ここで、上述した「身体拘束状態」と「チャイルドシート取付状態」とでは、ウエビングベルト136の引出量が異なり、一般的には、「身体拘束状態」に比べて「チャイルドシート取付状態」の方がウエビングベルト136は大きく(長く)の引き出される。
【0135】
このため、「身体拘束状態」と「チャイルドシート取付状態」とを比べると、「チャイルドシート取付状態」の方が収納付勢力は大きくなり、この状態での収納付勢力は板ばね404の付勢力を上回る。したがって、この状態では、図7に示されるように、収納付勢力が板ばね404の付勢力に抗してリベット230が長孔226の離脱方向側の端部に接するまでベース220を離脱方向側へ変位させる。
【0136】
図11に示されるように、ベース220が変位すると、検出部350のケース352もまた一体的に変位し、所定量以上アンカ部材22に対してケース352が離脱方向側へ相対変位すると、アンカ部材22に形成された長孔378の内周部が係合ピン376を押圧して、係合ピン376を介して回動軸372を捩じりコイルスプリング382の付勢力に抗して回動させる。この回動軸372の回動により図8の二点鎖線で示されるように、レバー380の先端が巨大磁気抵抗素子354の上方に位置し、レバー380の先端に設けられた永久磁石106が巨大磁気抵抗素子354と対向する。
【0137】
以上のように、本実施の形態では、永久磁石106が巨大磁気抵抗素子354に接近することで変化する巨大磁気抵抗素子354が検出する磁気の変化に基づいて前記第1の実施の形態と同様にチャイルドシートが取り付けられたことを検出できる。
【0138】
ここで、本実施の形態では、上記のように係合ピン376が長孔378の内周部(すなわち、アンカ部材22)からの押圧力を受けることで永久磁石106が回動する構成であるが、回動軸372の軸心からレバー380の先端までの距離が回動軸372の軸心から係合ピン376までの距離よりも長いため、この距離の比率に応じてレバー380の先端の回動距離、すなわち、永久磁石106の移動ストロークが長くなる。これにより、巨大磁気抵抗素子354に対して永久磁石106を大きく移動させることができるため、巨大磁気抵抗素子354が検出する磁気の変化を大きくでき、ベース220がアンカ部材22に対して移動したことを確実に検出できる。
【0139】
なお、本実施の形態では、磁気センサに巨大磁気抵抗素子354を適用したが、前記第1の実施の形態と同様にMRE素子114等の他の磁気センサを適用してもよい。
【0140】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明では、チャイルドシート等が固定されたか否かを確実に検出できる。
【0141】
また、請求項2記載の本発明では、装置本体とアンカ部材との相対的な移動量よりも充分に磁気センサに対する永久磁石の相対的な移動量を大きくできるため、より一層確実にチャイルドシート等が固定されたか否かを確実に検出できる。
【0142】
さらに、請求項3記載の本発明では、タングプレートにラッチが係合したか否かの検出と、チャイルドシートが固定されたか否かの検出と、を同じ検出手段で行なうことができるため、部品点数の増加を抑制でき、コストを安価にできると共に、装置全体の小型化もできる。
【0143】
また、請求項4記載の本発明では、検出手段及び永久磁石のうち、装置本体内に設けられた方をタングプレートに連動させる構造を特別に必要としないため、より一層、部品点数の増加を抑制でき、装置全体の小型化もできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置の基本構造を示す断面図である。
【図3】検出手段と永久磁石との位置関係を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るバックル装置とエアバッグ装置との関係を示すブロック図である。
【図5】タングプレートの平面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置の分解斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置の要部を拡大した分解斜視図である。
【図8】検出手段の構成を示す平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置の側面断面図である。
【図10】ラッチが係合した状態を示す図9に対応した断面図である。
【図11】装置本体がアンカ部材に対して移動した状態を示す断面図である。
【図12】磁気センサの構造の概略を示す図である。
【図13】装置本体を構成するベースの裏面図である。
【符号の説明】
10 バックル装置
20 装置本体
22 アンカ部材
38 イジェクタ
84 ラッチ
86 被当接片
108 引張コイルスプリング(付勢手段)
106 永久磁石(検出手段)
114 MRE素子(磁気センサ、検出手段)
130 タングプレート
210 バックル装置
220 ベース(装置本体)
234 イジェクタ
250 ラッチ
350 検出部(検出手段)
354 巨大磁気抵抗素子(磁気センサ)
370 回動部材
386 引張コイルスプリング(付勢手段)

Claims (4)

  1. 長尺の帯状に形成されると共に引き出された量に応じて増減する付勢力によって長手方向基端側へ付勢されるウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが装置本体に挿入されると共に、装置本体内に設けられたラッチが前記タングプレートに係合することで、前記装置本体から抜け出る方向への前記タングプレートの移動を前記ラッチが制限するバックル装置であって、
    前記装置本体前記タングプレート挿入される部分とは反対側で車両の所定位置に取り付けられると共に、前記装置本体の内部前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向及びその反対方向に前記装置本体を移動可能に支持するアンカ部材と、
    所定量の前記ウエビングベルトが引き出された状態で前記ウエビングベルトをその長手方向基端側へ付勢する付勢力よりも大きな付勢力で前記装置本体を前記アンカ部材の方へ付勢する付勢手段と、
    永久磁石及び当該永久磁石の磁気を検出する磁気センサを含めて構成され、前記アンカ部材に対する前記装置本体の変位に応じて前記磁気センサに対して前記永久磁石が移動する検出手段と、
    を備え、前記磁気センサに対して前記永久磁石が移動したことに基づいて、前記付勢手段の付勢力に抗して前記ウエビングベルトを付勢する付勢力が前記装置本体を引っ張って移動させたことを検出する、
    ことを特徴とするバックル装置。
  2. 前記装置本体に一体的に設けられると共に、前記磁気センサ及び前記永久磁石の何れか一方が取り付けられた支持部材と、
    一端が前記アンカ部材に係合すると共に他端に前記磁気センサ及び前記永久磁石の何れか他方が取り付けられ、且つ、前記一端までの距離よりも前記他端までの距離が長くなる位置を回動中心として前記支持部材に若しくは前記装置本体に回動可能に支持され、当該回動により前記磁気センサに対して前記永久磁石を相対的に接近又は離間させる方向へ移動させる回動部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載のバックル装置。
  3. 長尺の帯状に形成されると共に引き出された量に応じて増減する付勢力によって長手方向基端側へ付勢されるウエビングベルトに取り付けられたタングプレートが装置本体に挿入されると共に、装置本体内に設けられたラッチが前記タングプレートに係合することで、前記装置本体から抜け出る方向への前記タングプレートの移動を前記ラッチが制限するバックル装置であって、
    前記装置本体前記タングプレート挿入される部分とは反対側で車両の所定位置に取り付けられると共に、前記装置本体の内部前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向及びその反対方向に前記装置本体を移動可能に支持するアンカ部材と、
    所定量の前記ウエビングベルトが引き出された状態で前記ウエビングベルトをその長手方向基端側へ付勢する付勢力よりも大きな付勢力で前記装置本体を前記アンカ部材の方へ付勢する付勢手段と、
    永久磁石及び当該永久磁石の磁気を検出する磁気センサを含めて構成されると共に、前記永久磁石及び前記磁気センサの何れか一方が前記アンカ部材に設けられ、前記装置本体内へ挿入された前記タングプレートの量に応じて前記何れか一方に対して接近又は離間する方向へ変位可能に前記永久磁石及び前記磁気センサの何れか他方が設けられた検出手段と、
    を備え、前記タングプレートが前記ラッチに係合できる位置まで前記装置本体内に挿入された際の前記磁気センサに対する前記永久磁石の変位に基づき前記タングプレートに前記ラッチが係合したことを検出し、且つ、前記付勢手段の付勢力に抗して前記ウエビングベルトを付勢する付勢力が前記装置本体を引っ張って移動させた際の前記磁気センサに対する前記永久磁石の変位に基づき前記アンカ部材に対して前記装置本体が移動したことを 検出する、
    ことを特徴とするバックル装置。
  4. 前記装置本体に前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向及びその反対方向へ向けて移動可能で且つ前記装置本体内に挿入された前記タングプレートの先端部に対して前記装置本体に前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向とは反対向きに対向し、前記装置本体内に挿入されて前記ラッチ係合する位置へ向かう前記タングプレートに押圧されて移動すると共に、前記装置本体に前記タングプレートが挿入される際の前記タングプレートの移動方向とは反対向きの付勢力で付勢されたイジェクタを備えると共に、前記永久磁石及び前記磁気センサの前記何れか一方を前記イジェクタに連動して前記何れか他方に対して接近又は離間する方向へ移動可能に設けた、
    ことを特徴とする請求項3記載のバックル装置。
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