JP3924144B2 - バックル装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシートベルト装置に用いられるタングプレート固定用のバックル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の座席に着座した乗員の身体を拘束するためのシートベルト装置を構成するウエビングベルトは、その長手方向一方の端部が例えば座席側方に設けられた巻取装置の巻取軸に係止されており、他端がこの巻取装置の近傍に設けられたアンカプレートに固定されている。また、ウエビングベルトの長手方向中間部は巻取装置の上方、例えば、車両のセンタピラーの上端側に設けられたスルーアンカの挿通孔を貫通して下方側へ折り返されている。
【0003】
このスルーアンカでの折り返し部分と他端との間でウエビングベルトはタングプレートの挿通孔を貫通しており、タングプレートを引っ張ることで巻取装置の巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出され、座席を介して巻取装置とは反対側に設けられたバックル装置へタングプレートを連結させることで、ウエビングベルトの装着状態となる構成である。
【0004】
一方で、一定年齢に満たない幼児や子供を車両に乗せる場合には、車両に所謂チャイルドシートを取り付け、このチャイルドシートに幼児や子供を乗せることが義務付けられた。
【0005】
この種のチャイルドシートの車両への取付構造としては、チャイルドシートを座席に搭載すると共に、上述したウエビングベルトをチャイルドシートに係合させて連結し、上記のようにバックル装置へタングプレートを連結させることで、チャイルドシートを固定する構造がある。
【0006】
ところで、近年の車両には、上述したシートベルト装置に加え、車両急減速時に袋体を車両乗員の前方側へ膨張展開させて、車両急減速時における慣性で車両前方側へ移動しようとする乗員を袋体で受け止める所謂エアバッグ装置が搭載されている。この種のエアバッグ装置が搭載されている車両においては、上記のように車両座席にチャイルドシートを取り付けた場合には、当該座席に対応したエアバッグ装置を作動させないことが好ましい。
【0007】
このため、チャイルドシートが座席に取り付けられたか否かを検出するためのチャイルドシート検出機構並びにこのチャイルドシート検出機構での検出結果に基づいてエアバッグ装置を制御する制御装置が考案されている。
【0008】
このようなエアバッグ装置を制御するためのチャイルドシート検出機構の一例としては、上述した巻取装置の巻取軸が渦巻きコイルばね等の付勢手段によってウエビングベルトを巻き取る方向へ付勢され、しかも、この付勢力がウエビングベルトの引出量に応じて増加することに着目し、乗員の身体を拘束させる場合よりもウエビングベルトが長く引き出されるチャイルドシートの固定時を、ウエビングベルトに作用する張力の大きさからチャイルドシートが固定されたか否かを判定する機構がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この種のチャイルドシート検出機構においてウエビングベルトに作用する張力を検出するための構成として、例えば、歪ゲージをラッチ等に設け、タングプレートを介してラッチに作用するウエビングベルトの張力を、歪ゲージで検出する構成が考えられる。
【0010】
しかしながら、歪ゲージには個々の感度差があり、歪ゲージの取付位置において個々に感度調整を施さなくてはならない。
【0011】
しかも、歪ゲージは環境、特に、周囲の温度の影響を受けやすいため、感度調整が煩雑になることが予想される。
【0012】
本発明は、上記事実を考慮して、一定量以上のウエビングベルトの引き出しを確実に検出でき、しかも、感度調整が容易な検出機構を有するバックル装置を得ることが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のバックル装置は、所定の収納部位から引き出されて車両乗員の身体に装着されることで前記車両乗員の身体を保持すると共に、前記収納部位からの引出量に応じて増減する収納付勢力によって前記収納部位への収納方向へ付勢されたウエビングベルトに取り付けられたタングプレートを挿入可能な装置本体と、車両室内の所定位置に取り付けられると共に、前記装置本体への前記タングプレートの挿入方向及び当該挿入方向とは反対の抜取方向に沿って前記装置本体を所定範囲変位可能に支持するアンカ部材と、前記装置本体の内部に挿入された前記タングプレートに対して接離移動可能で、前記タングプレートに対する接近移動により前記タングプレートへ係合して前記抜取方向への前記タングプレートの移動を制限するラッチと、前記ウエビングベルトを一定長さ引き出した際に前記ウエビングベルトに付与される前記収納付勢力と同じ付勢力を有し、当該付勢力により前記アンカ部材に対して前記装置本体を相対的に前記挿入方向へ付勢する付勢手段と、支点から一端までの距離よりも支点から他端までの距離が長く、前記支点が直接或いは間接的に前記アンカ部材に回転可能に支持されると共に、前記アンカ部材に対する前記装置本体の相対変位量に応じて前記一端が前記支点周りに回動する変位増幅部材と、前記変位増幅部材の前記他端部近傍に配置されて、前記変位増幅部材の前記回転に伴う前記他端部の自らに対する接離を検出する検出手段と、を備えている。
【0014】
上記構成のバックル装置によれば、車両乗員が例えば自らの身体の前方側へウエビングベルトを掛け回した状態でタングプレートを装置本体内に挿入し、更に、この状態で装置本体内のラッチがタングプレートに係合すると装置本体から抜け出る抜取方向へのタングプレートの移動がラッチによって規制され、これにより、ウエビングベルトの装着状態となり、乗員の身体がウエビングベルトにより拘束(保持)される。
【0015】
ところで、ウエビングベルトには収納部位からの引出量に応じて増減する収納付勢力によって収納部位への収納方向(すなわち、ウエビングベルトの引出方向とは反対方向)へ付勢される。この収納付勢力はウエビングベルトを介してタングプレートにも作用するため、タングプレートに係合したラッチはタングプレートによって抜取方向へ引っ張られ、更に、ラッチを支持する装置本体が抜取方向へ引っ張られる。
【0016】
一方、本バックル装置では、ラッチを支持する装置本体がアンカ部材に対して挿入方向及び抜取方向へ所定範囲変位可能であるが、付勢手段の付勢力によって装置本体と共にラッチが挿入方向へ付勢される。
【0017】
このように、装置本体には相反する方向の付勢力(付勢手段の付勢力と収納付勢力)が作用する。
【0018】
但し、付勢手段の付勢力は、ウエビングベルトを一定長さ(一例としては、乗員の身体を拘束してする際のウエビングベルトの引出量)に応じた収納付勢力と同じ大きさである。したがって、ウエビングベルトを一定長さ以上引き出すまでは収納付勢力に抗し、付勢手段の付勢力が装置本体をアンカ部材に対して挿入方向側へ相対変位させている。
【0019】
この状態で、ウエビングベルトを一定長さよりも長く引き出すと、収納付勢力が付勢手段の付勢力に抗して装置本体をアンカ部材に対して抜取方向側へ相対変位させる。
【0020】
このように、装置本体が抜取方向側へアンカ部材に対して相対変位すると、この相対変位量に応じて変位増幅部材の一端が支点周りに回転する。
【0021】
一方で、装置本体からの押圧力で変位増幅部材が支点周りに回転すると、変位増幅部材の他端もまた一体的に回転し、検出手段に対して接近若しくは離間する。
【0022】
検出手段では、この変位増幅部材の接離を検出することで、装置本体の変位(相対変位)したこと、すなわち、一定長さよりも長くウエビングベルトが引き出されたことが検出される。
【0023】
したがって、例えば、付勢手段の付勢力の大きさを、乗員の身体を拘束するために必要な長さのウエビングベルトの引出量に応じた収納付勢力よりも大きく、且つ、ウエビングベルトでチャイルドシートを座席に固定する際に必要な長さのウエビングベルトの引出量に応じた収納付勢力よりも小さくなるように設定すれば、チャイルドシートを座席固定するためにウエビングベルトを引き出したことが検出手段によって検出される。
【0024】
ここで、変位増幅部材は、支点から一端までの寸法よりも支点から他端までの寸法の方が長い。このため、装置本体の相対変位に連動した際の他端の変位量は一端の変位量よりも大きくなる。このため、一定長さよりも長くウエビングベルトが引き出された否かを判定するうえでの変位増幅部材の判定位置の設定が容易になる。
【0025】
【発明の実施の形態】
<第1の実施の形態の構成>
図1には本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置210の構造が分解斜視図により示されており、図5には本バックル装置210の構造が断面図により示されている。
【0026】
(バックル装置210の全体構成)
図5に示されるように、バックル装置210はケース214を備えている。ケース214は長手方向両端が開口した箱形の筒状部材とされており、その長手方向一端側の開口はアンカ挿入口216とされ、長手方向他端側の開口はタング挿入口218とされている。また、ケース214の内側には装置本体を構成するベース220が収容されている。
【0027】
図1及び図5に示されるように、ベース220はケース214の長手方向に沿って長手とされた平板状の底板222を備えている。底板222の長手方向一端側にはアンカ部材としての略板状のアンカプレート224が重ね合わされており、底板222に形成された透孔226と底板222の長手方向に沿って長手とされたアンカプレート224に形成された長孔228とを貫通するリベット230により底板222とアンカプレート224とが機械的に連結されている。アンカプレート224はその他端側が車両の座席の側方で車体(何れも図示省略)に固定されており、これにより本バックル装置210が車両に取り付けられている。
【0028】
一方、底板222の幅方向両端部からは底板222の厚さ方向に側壁232が立設されており、側壁232の間にはイジェクタ234が配置されている。イジェクタ234の一部は底板222に形成されたガイド孔236に係合しており、ガイド孔236に沿って底板222の長手方向に所定範囲スライド可能とされている。
【0029】
また、図2に示されるように、底板222の長手方向一方の側でのガイド孔236の端部からは、係合突起238が突出形成されており、圧縮コイルスプリング240の一端が係止されている。圧縮コイルスプリング240の他端はイジェクタ234の一端へ圧接されており、圧縮コイルスプリング240の付勢力によりイジェクタ234は底板222の長手方向他端側へ付勢されている。
【0030】
一方、図1及び図5に示されるように、バックル装置210はラッチ250を備えている。ラッチ250は基部252を備えている。ラッチ250の姿勢にもよるが、基部252は概ね両側壁232の対向方向に沿って長手方向で、底板222の長手方向に沿って厚さ方向とされた平板状に形成されており、その長手方向両端部は両側壁232に形成された支持部としての支持孔254に入り込んでいる。基部252(すなわち、ラッチ250)は支持孔254の内周部に干渉されるまで基部252の長手方向を軸方向として所定角度回動可能に支持されている。
【0031】
また、基部252の長手方向中間部側の幅方向一端からは、基部252の幅方向一方へ向けて平板状の連結部256が延出されており、更に、連結部256の基部252とは反対側からは、底板222側へ向けて係合片258が延出されている。
【0032】
係合片258の先端部(より詳細に言えば、連結部256との連結部分側とは反対側の端部)は、底板222に形成された貫通孔260に対応しており、ラッチ250が変位することにより、係合片258が貫通孔260に入り込むことができる。
【0033】
ラッチ250の係合片258の先端部に対応して上述したイジェクタ234の厚さ方向一方(底板222とは反対側)の面には、載置片262が一体的に設けられている。上述したように、イジェクタ234には圧縮コイルスプリング240の付勢力が作用している。
【0034】
但し、基本的に圧縮コイルスプリング240の付勢力以外の外力が作用していない状態での到達位置にイジェクタ234が位置している状態で、概ね、底板222の厚さ方向に沿って係合片258の先端部と対向するように載置片262が設けられており、係合片258の先端部との対向状態で載置片262は係合片258の先端部に干渉して底板222へ接近する方向への係合片258の移動(すなわち、ラッチ250の移動)を規制する。
【0035】
また、基部252の長手方向両端側からはストッパ264が延出されている。ストッパ264は、先端側が圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗したイジェクタ234のスライド軌跡上に位置するように形成されており、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗してイジェクタ234が所定距離スライドすると、イジェクタ234がストッパ264に当接する。
【0036】
さらに、ラッチ250の連結部256を介してベース220の底板222とは反対側にはロック部材270が配置されている。ロック部材270は基部272を備えている。基部272は両側壁232の対向方向に沿って長手方向とされた略角棒状とされている。
【0037】
基部272の両端部は両側壁232に形成された係合孔274に入り込んでいる。係合孔274は貫通孔260よりも側壁232の長手方向他端側に形成されており、基部272は自らの長手方向を軸周りに回動可能に側壁232に支持されている。基部252の長手方向両端側には一対の略扇状のロック片276が形成されている。ロック片276は連結部256(ラッチ250)の幅方向両端部から延出された当接片278に対応しており、ロック片276は当接片278に当接している。
【0038】
また、基部272の長手方向中間部には当接部280が形成されている。当接部280は、ラッチ250の係合片258が底板222から離間した状態で係合片258に当接する。
【0039】
一方、図1及び図5に示されるように、バックル装置210は解除ボタン290を備えている。解除ボタン290は操作用の押圧部292を備えている。押圧部292は押圧面が底板222の長手方向他端側へ向いた板状で、両側壁232の対向方向に沿って長手方向とされている。
【0040】
押圧部292の長手方向両端近傍からは底板222の長手方向一端側へ向けて側壁294が延出されている。これらの側壁294は上述した側壁232の対向方向に沿って互いに対向していると共に、底板222とは反対側の端部が上壁296により連結され、全体的には底板222へ向けて開口した凹形状とされている。
【0041】
両側壁294の押圧部292とは反対側の端部からは、それぞれアーム298が側壁294の対向方向に沿って互いに対向するように延出されている。両アーム298の先端部には、他方のアーム298へ向けて係合突起300が形成されており、側壁232に形成されたガイド孔302に入り込んでいる。ガイド孔302は底板222の長手方向に沿って長手の長孔とされている。係合突起300はガイド孔302の内周部によって底板222の長手方向に沿って所定範囲変位可能とされており、これにより、ガイド孔302によって解除ボタン290の移動方向が底板222の長手方向に規制されている。
【0042】
また、押圧部292とロック部材270との間には、ストッパ310が配置されている。ストッパ310は、側壁294の対向方向に沿って長手方向とされた板状の基部312を備えている。基部312の長手方向両端側には、基部312の長手方向に沿ってみた場合に底板222へ向けて開口した凹形状の一対の係合片314が形成されており、これらの係合片314が上述したロック部材270の基部272に係合することでストッパ310がロック部材270に支持されている。
【0043】
さらに、ストッパ310の両係合片314の近傍には、上述した解除ボタン290の係合突起300へ干渉可能に干渉部316が形成されている。
【0044】
また、ストッパ310と解除ボタン290の押圧部292との間には、圧縮コイルスプリング318が配置されており、その一端は押圧部292の押圧面とは反対側へ当接している。これに対して圧縮コイルスプリング318の他端はストッパ310の基部312に当接しており、これによって、ストッパ310を押圧部292から離間させる方向へ付勢している。
【0045】
(タングプレート330の構成)
一方、上述した側壁232の間には底板222の長手方向他端側からタングプレート330が挿入される。図1に示されるように、タングプレート330は金属板材により形成された基部332を備えている。基部332にはタングプレート330が側壁232の間に挿入された状態で側壁232の対向方向に沿って長手となるスリット孔334が形成されており、長尺帯状のウエビングベルト340の長手方向中間部が挿通される。
【0046】
ウエビングベルト340はその基端部が図示しないウエビング巻取装置の巻取軸に係止されており、ウエビングベルト340を巻き取る方向へ巻取軸を付勢するための渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力がウエビングベルト340に作用している。
【0047】
また、基部332には挿入板部336が形成されている。挿入板部336は幅寸法が側壁232の間隔よりも小さく、実際にはタングプレート330のうち、挿入板部336が側壁232の間に挿入されることになる(図6参照)。
【0048】
挿入板部336には厚さ方向に貫通した貫通孔338が形成されており、挿入板部336が側壁232の間で底板222の長手方向一端側の所定位置に達した状態では、上述した係合片258が貫通可能となり、貫通孔338に係合片258が貫通することで、バックル装置210からのタングプレート330の抜き出しが規制されるようになっている。
【0049】
(検出部350の構成)
一方、図1及び図5に示されるように、本バックル装置210は検出部350を備えている。ここで、図3には検出部350の構成が分解斜視図によって示されており、図4には検出部350の構成が平面図によって示されている。
【0050】
これらの図に示されるように、検出部350はケース352を備えている。ケース352は全体的に略箱形状に形成されており、底板222のアンカ挿入口216側にてアンカプレート224を介してベース220の底板222とは反対側に配置されている。
【0051】
ケース352を構成する底壁354には、底板222の長手方向に沿った方向の中間部よりもアンカ挿入口216側に段部356が形成されており、図2に示されるように、底壁354を底板222上に載置した状態では段部356の部分にて底板222との間に空隙が形成される。この空隙の高さ(段部356と底板222との間隔)は、リベット230の頭部の厚さ寸法に対応しており、底板222上にケース352を配置した際に底壁354にリベット230の頭部が干渉しないようになっている。
【0052】
また、図3及び図4に示されるように、ベース220の側壁232の対向方向に沿って互いに対向するように底壁354の外周部から立設された側壁358には、それぞれ嵌合爪360(図3では一方の側壁358に形成された嵌合爪360のみを図示)が突出形成されている。これらの嵌合爪360に対応してベース220の両側壁232には嵌合孔362が形成されている。これらの嵌合孔362に嵌合爪360が嵌合することで、ケース352とベース220とが機械的に略一体的に連結されている。
【0053】
一方、ケース352の内側には、変位増幅部材としてのレバー364が収容されている。レバー364は係合片366並びにと押圧片368とにより構成されている。係合片366の長手方向先端側(特許請求の範囲で言うところの変位増幅部材の一端)には雌ねじ部370が形成されており、後述するアジャストスクリュー372の雄ねじ部374が螺合している。
【0054】
また、係合片366の基端部(すなわち、レバー364の回動中心で、特許請求の範囲で言うところの変位増幅部材の支点)は、係合片366の厚さ方向を軸方向として回動可能に底壁354に軸支されている。さらに、係合片366の基端部から係合片366の長手方向に対して所定角度傾斜した方向へ向けて上述した押圧片368が延出されている。
【0055】
押圧片368は、先端から係合片366の基端部(すなわち、レバー364の回動中心)までの長さが係合片366の基端部から先端(厳密には、係合片366の先端側に形成された雌ねじ部370)までの長さよりも長くなるようにレバー364の形状が設定されている。
【0056】
レバー364の側方には、検出手段としてのマイクロスイッチ376のスイッチ本体378が配置されている。スイッチ本体378は、固定ねじ等の締結手段によってケース352の側壁358や底壁354等に一体的に固定されている。
【0057】
また、スイッチ本体378には揺動片380が設けられている。揺動片380は、その基端部がスイッチ本体378に支持されており、この基端部周りにレバー364の厚さ方向と略同じ方向を軸方向として揺動可能とされている。
【0058】
揺動片380は、図示しない捩じりコイルスプリング等の復元付勢手段によって先端側(特許請求の範囲で言うところの変位増幅部材の他端)がスイッチ本体378から離間する方向へ付勢されており、揺動片380が揺動して先端側が所定位置までスイッチ本体378に接近することでスイッチ本体378内の電気回路が閉塞(通電状態)され、所定位置から先端側が離間することでスイッチ本体378内の電気回路が開放(通電解除状態)される。
【0059】
上述した押圧片368の先端部は、係合片366の基端部周りの回動方向(すなわち、係合片366が基端部周りに回動した際の押圧片368の回動方向)一方の側で揺動片380の先端側が対向しており、この一方の側に押圧片368が回動することで押圧片368の先端が揺動片380の先端を押圧して、スイッチ本体378に接近させるようになっている。
【0060】
また、図4に示されるように、スイッチ本体378の接点には、一対のコード382の一端が機械的且つ電気的に接続されている。コード382は車両の適宜位置に設けられたエアバッグ装置制御手段を構成するコンピュータ384(図8参照)へ接続されており、スイッチ本体378内の電気回路が閉塞されたか否かをコンピュータ384で判定できるようになっている。
【0061】
さらに、図8に示されるように、コンピュータ384は車両が所定の加速度(減速度)で減速した場合に、助手席前方側等で袋体を膨張、展開させるエアバッグ装置386へ接続されており、スイッチ本体378内の電気回路から送られた電気信号に基づいてエアバッグ装置386を制御する。
【0062】
また、図4に示されるように、底板222の長手方向に沿って対向するように底壁354から立設された一対の側壁388のうちの一方(相対的にアンカ挿入口216側に位置する方)には、スプリング収納部390が形成されており、リターンスプリング392が収容されている。リターンスプリング392は一種のコイルスプリングで、その先端部は係合片366の側部に圧接し、押圧片368が揺動片380から離間する方向へのレバー364の回転方向へ係合片366を付勢している。
【0063】
一方、図3に示されるように、ケース352には蓋394が設けられており、側壁358を介して底壁354とは反対側のケース352の開口端が蓋394によって閉止されている。
【0064】
蓋394には厚さ方向に貫通した透孔396が形成されている。透孔396の内径寸法は、この透孔396を貫通するアジャストスクリュー372が蓋394に対して相対回転可能で且つ雄ねじ部374の軸方向に対して直交する方向へ変位可能に貫通している。アジャストスクリュー372は、蓋394に対して自らの軸周りに相対回転可能であると共に、雄ねじ部374が透孔396の内周部に干渉するまで自らの軸方向に対して直交する方向へ変位可能である。
【0065】
透孔396を貫通したアジャストスクリュー372の雄ねじ部374は、係合片366の先端側に形成された雌ねじ部370に螺合している。さらに、雄ねじ部374の先端部には係合ピン398が突出形成されている。図4に示されるように、係合ピン398は、外径寸法が雄ねじ部374の外径寸法よりも充分に小さく、且つ、雄ねじ部374の軸心から偏心している。
【0066】
また、係合ピン398には、内径寸法が係合ピン398の外径寸法よりも充分に大きな底壁354の透孔400を貫通してケース352の外部に突出している。さらに、図5に示されるように、ケース352の外部に突出した係合ピン398は、アンカプレート224に形成された係合孔402に遊嵌している。
【0067】
係合孔402は、例えば、ベース220の側壁232の対向方向に沿って長手とされ、且つ、内幅寸法が係合ピン398の外径寸法よりも充分に大きな長孔とされており、ケース352がアンカプレート224に対して相対的にタング挿入口218側へ変位して係合孔402の内周部が係合ピン398の外周部に干渉、押圧することによろ、アジャストスクリュー372がレバー364を回動させる構成となっている(図7参照)。
【0068】
一方、図3乃至図5に示されるように、ケース352を構成する一対の側壁388の他方を介して一方とは反対側には、付勢手段としての板ばね404が設けられている。板ばね404は板状のプレート部406と、プレート部406の側壁388側に設けられたプレート部408とを備えている。
【0069】
これらの一対のプレート部406、408は、外周一部にて互いに連結されており、この連結部分周りにプレート部406に対してプレート部408が接離する方向へ相対的に回動可能であると共に、プレート部408がプレート部406に対して相対的に元の位置へ復元する方向へ付勢力が生ずる。
【0070】
ここで、本実施の形態において板ばね404の付勢力の大きさは、ウエビングベルト340で乗員の身体を拘束する際に必要なウエビングベルト340の引出量よりも長く、且つ、ウエビングベルト340でチャイルドシートを固定する際に必要なウエビングベルト340の引出量よりも短い所定長さだけウエビングベルト340を引き出した際の収納付勢力と同じ大きさに設定されている。
【0071】
また、プレート部406のプレート部408との連結部分とは反対側の端部からは、取付片410が延出されている。取付片410のプレート部406とは反対側には一対の係合爪412が形成されており、アンカプレート224の幅方向側端部に形成された一対の係合凹部414に係合している。
【0072】
さらに、取付片410にはアンカプレート224に形成された長孔228に対応した長孔416が形成されており底板222の透孔226とアンカプレート224の長孔228を貫通したリベット230が長孔416を貫通している。
【0073】
板ばね404は、係合爪412が係合凹部414に係合し、且つ、長孔416にリベット230が貫通した状態でアンカプレート224への取付状態とされており、この取付状態では、板ばね404とアンカプレート224とが一体的に連結されると共に、板ばね404のプレート部408が側壁388へ圧接し、リベット230が長孔228、416のアンカ挿入口216側の端部へ当接するまでケース352を介してベース220を付勢している。
【0074】
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0075】
(バックル装置210の動作)
本バックル装置210では図5に示される非装着状態でタングプレート330の挿入板部336をケース214のタング挿入口218から挿入すると、図6に示されるように、挿入板部336の先端部がイジェクタ234の端部に当接して押圧し、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗してイジェクタ234を底板222の長手方向一端側へスライドさせる。
【0076】
イジェクタ234が底板222の長手方向一端側へ所定量スライドすると、イジェクタ234の載置片262とラッチ250の係合片258との対向状態が解除されると共に、イジェクタ234がラッチ250のストッパ264を押圧して、ラッチ250を回動させる。
【0077】
これにより、係合片258の先端部が底板222へ接近移動する。また、この状態では、挿入板部336の貫通孔338と、底板222に形成された貫通孔260とが重なり合う。したがって、この状態では図3に示されるように、回動した係合片258が挿入板部336の貫通孔338と底板222の貫通孔260を貫通する。
【0078】
また、ラッチ250が回動することで、ラッチ250の係合片258とロック部材270の当接部280との当接状態が解除される。ここで、ロック片276はストッパ310を介して圧縮コイルスプリング318の付勢力を受けるため、ラッチ250の回動に連動するように圧縮コイルスプリング318の付勢力でロック部材270が回動し、ロック片276がラッチ250の当接片278に当接する。このため、係合片258が底板222から離間する方向へのラッチ250の回動が規制され、これにより、バックル装置210に対するタングプレート330の装着状態となる。
【0079】
このタングプレート330の装着状態が、座席に着座した乗員の前方にウエビングベルト340が位置するように巻取軸を付勢する渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力に抗してウエビングベルト340を引っ張ってからのタングプレート330の装着状態であれば、これはウエビングベルト340による「身体拘束状態」となり、ウエビングベルト340が乗員を拘束する。
【0080】
これに対して、巻取軸を付勢する渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力に抗しウエビングベルト340を引っ張り図示しないチャイルドシートの所定の係合部位にウエビングベルト340を係合させてからのタングプレート330の装着状態であれば、これは「チャイルドシート取付状態」となり、ウエビングベルト340によってチャイルドシートが座席に固定される。
【0081】
(本実施の形態の特徴的な作用、効果)
ところで、上述したように、ウエビングベルト340の基端部は図示しないウエビング巻取装置の巻取軸に係止されており、ウエビングベルト340を巻き取る方向へ巻取軸を付勢する渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力がウエビングベルト340に張力として作用している。
【0082】
したがって、バックル装置210に対するタングプレート330の装着状態では、この張力(収納付勢力)がタングプレート330をバックル装置210から抜き取る方向(抜取方向)に作用する。さらに、この張力はタングプレート330及びラッチ250を介してベース220をタング挿入口218側(すなわち、抜取方向側)へ引っ張っているため、リベット230が長孔228、416の抜取方向側の端部に接するまで、収納付勢力によってベース220は抜取方向側へ変位できる。
【0083】
しかしながら、本バックル装置210では、板ばね404がベース220をアンカプレート224に対してアンカ挿入口216側へ付勢しているため、板ばね404の付勢力が収納付勢力を上回っている限り、板ばね404の付勢力によってベース220はリベット230が長孔228、416の挿入方向側の端部に接する位置で保持される。
【0084】
ここで、上述した身体拘束状態とチャイルドシート取付状態とでは、ウエビングベルト340の引出量が異なり、一般的には、身体拘束状態に比べてチャイルドシート取付状態の方がウエビングベルト340は大きく(長く)の引き出される。
【0085】
このため、身体拘束状態とチャイルドシート取付状態とを比べると、チャイルドシート取付状態の方が収納付勢力は大きくなり、この状態での収納付勢力は板ばね404の付勢力を上回る。したがって、この状態では、図7に示されるように、収納付勢力が板ばね404の付勢力に抗してリベット230が長孔228、416の抜取方向側の端部に接するまでベース220を抜取方向側へ変位させる。
【0086】
このようにベース220が変位すると、検出部350のケース352もまた一体的に変位し、所定量以上アンカプレート224に対してケース352が抜取方向側へ相対変位すると、係合孔402の内周部が係合ピン398に干渉して係合ピン398を抜取方向側へ押圧する。
【0087】
係合ピン398が係合孔402の内周部からの押圧力を受けることで、アジャストスクリュー372がレバー364の係合片366をその基端部周りに図4の左周り方向へ回転させる。係合片366が図4の左周り方向へ回転させられることで、押圧片368が一体的に回転して、その先端部がスイッチ本体378に接近し、揺動片380の先端部をスイッチ本体378へ接近させる方向へ回動させる(すなわち、図4の一点鎖線状態)。
【0088】
この揺動片380の回動によりスイッチ本体378内では電気回路が閉塞され、電気回路が閉塞された際の電気信号がコンピュータ384に送られる。この電気信号を受けたコンピュータ384は、チャイルドシートを座席に固定するために必要なだけウエビングベルト340が引き出された、すなわち、チャイルドシート取付状態であると判定し、エアバッグ装置386に対してキャンセル信号を送り、仮に、所定の加速度(減速度)で車両が急減速したことをエアバッグ装置386の加速度センサが検出しても、エアバッグ装置386を作動させない(すなわち、エアバッグ装置386の袋体を膨張、展開させない)。
【0089】
これにより、本バックル装置210では、車両の座席にチャイルドシートが取り付けられている場合におけるエアバッグ装置386の袋体の膨張、展開を規制できる。
【0090】
ここで、レバー364は、その回転中心である係合片366の基端部から雌ねじ部370までの長さよりも、係合片366の基端部から押圧片368の先端までの長さの方が長い。このため、係合孔402の内周部が係合ピン398の外周部を押圧してレバー364を回動させた際の雌ねじ部370が形成された部分での係合片366の回転量よりも、押圧片368の先端部の回転量の方が大きくなる。これにより、係合孔402の内周部が係合ピン398を押圧させするまでに要するストローク寸法等の各種設定が容易になり、検出部350を取り付けるに当たっての初期調整が容易になる。
【0091】
また、本バックル装置210では、アジャストスクリュー372を回転させることで、係合ピン398を雄ねじ部374の軸心周りに回転させることができる。この回転位置を適宜に変更することで、アンカプレート224にケース352を取り付けた状態であっても係合孔402の内周部が係合ピン398を押圧させするまでに要するストローク寸法の設定が可能となり、この意味でも初期調整が容易になる。
【0092】
<第2の実施の形態>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するうえで、前記第1の実施の形態を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0093】
図9には本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置440の構成の概略が平面図によって示されている。この図に示されるように、本バックル装置440は、検出部350を備えておらず、代わりに検出部442を備えている。この検出部442は、レバー364を構成する押圧片368の先端部に一体的に固定された第1磁界形成手段としてのマグネット(永久磁石)444を備えており、その周囲に所定の磁界を形成している。
【0094】
また、検出部442は、マイクロスイッチ376を備えておらず、代わり検出手段としての磁気抵抗素子(MRE素子)446を備えている。MRE素子446は自らを横切る磁力線の向きに応じて自らの電気抵抗値が変化する素子であり、レバー364が係合片366の基端部周りに回動した際の上述したマグネット444の回動方向の延長上に位置するようにケース352内に設けられたセンサハウジング448に固定されている。
【0095】
センサハウジング448の内部には、MRE素子446を可変抵抗とする電気回路450(図10参照)が設けられている。電気回路450には、一定の電圧で電流が流されていると共に、電流検出手段としての電流検出素子452が設けられており、電気回路450を流れる電流値に対応した電気信号を発信する。さらに、上述したコード382を介して電流検出素子452はコンピュータ384へ接続されており、電流検出素子452からの電気信号を受けている。
【0096】
すなわち、本バックル装置440では、チャイルドシートを座席に取り付けるためにウエビングベルト340を引き出し、このときの収納付勢力によってレバー364が回転すると、マグネット444がMRE素子446に接近する。このMRE素子446に対するマグネット444の接近によりマグネット444が形成する磁界の磁力線がMRE素子446を横切る際の角度が変わる。
【0097】
このように、MRE素子446を横切る磁力線の角度が変わると、MRE素子446の電気抵抗値が変化し、これにより電気回路450を流れる電流値が変化する。電気回路450を流れる電流値の変化は電流検出素子452により検出され、このときの電流値の変化に応じた電気信号がコンピュータ384へ送られる。
【0098】
この電流検出素子452からの電気信号を受けたコンピュータ384は、電気信号のレベルが所定値以上若しくは所定値未満であるか否かを判定し、その判定結果に基づいてチャイルドシートを座席に取り付けるために必要なだけウエビングベルト340が引き出されたか否かを判定する。
【0099】
さらに、コンピュータ384では、この判定結果に基づき、エアバッグ装置386を制御し、チャイルドシートを座席に取り付けるために必要なだけウエビングベルト340が引き出されたとコンピュータ384が判定した場合、すなわち、チャイルドシート取付状態であると判定した場合には、エアバッグ装置386に対してキャンセル信号を送り、仮に、所定の加速度(減速度)で車両が急減速したことをエアバッグ装置386の加速度センサが検出しても、エアバッグ装置386を作動させない(すなわち、エアバッグ装置386の袋体を膨張、展開させない)。
【0100】
ところで、マグネット444が形成し、且つ、MRE素子446を横切るの磁力線の変化は、MRE素子446に対するマグネット444の相対移動量(すなわち、接近ストローク)が大きいほど顕著になる。
【0101】
ここで、本バックル装置440は、前記第1の実施の形態に係るバックル装置210と同様にレバー364の係合片366における雌ねじ部370の回転量よりも押圧片368の先端部、すなわち、マグネット444の回転量の方が大きくなるため、磁力線の変化を顕著にできる。これにより、レバー364が回動した際のMRE素子446の電気抵抗値の変化率を大きくでき、電流検出素子452からコンピュータ384へ送られる電気信号のレベル差を大きくできる。このため、チャイルドシートを座席に取り付けるために必要なだけウエビングベルト340が引き出されたとコンピュータ384が判定する際の電気信号の閾値を容易に明確にできる。
【0102】
なお、本実施の形態では、押圧片368の先端部に第1磁界形成手段としてのマグネット444を一体的に固定した構成であったが、例えば、押圧片369の先端側の一部を着磁して押圧片368自体を第1磁界形成手段としてもよい。
【0103】
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0104】
図11には本実施の形態に係るバックル装置470の構成の概略が側面断面図によって示されている。この図に示されるように、本バックル装置470は、イジェクタ234のアンカ挿入口216側に一体的に設けられた第2磁界形成手段としてのマグネット(永久磁石)472を備えており、検出部442の第1磁界形成手段としてのマグネット444(図11では図示省略、図9参照)とは別にその周囲に所定の磁界を形成している。
【0105】
本バックル装置470では、図11に示されるように、タングプレート330の挿入板部336をケース214のタング挿入口218から挿入して挿入板部336の先端部がイジェクタ234の端部に当接して押圧し、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗してイジェクタ234を底板222の長手方向一端側へスライドさせると、マグネット472が検出部442に接近移動する。
【0106】
これにより、マグネット472が形成する磁界の磁力線がMRE素子446を横切る際の角度が変わる。このように、MRE素子446を横切る磁力線の角度が変わると、MRE素子446の電気抵抗値が変化し、これにより電気回路450を流れる電流値が変化する。電気回路450を流れる電流値の変化は電流検出素子452により検出され、このときの電流値の変化に応じた電気信号がコンピュータ384へ送られる。
【0107】
コンピュータ384では、マグネット472の磁界(磁力線)が変化した際の電気回路450の電気抵抗値の変化に応じた電気信号を受けることで、タングプレート330がケース214に挿入されてイジェクタ234がスライドした、すなわち、タングプレート330がバックル装置470に装着されて、身体拘束状態若しくはチャイルドシート取付状態になったと判定する。
【0108】
さらに、コンピュータ384では、電流検出素子452からの電気信号のレベルが、マグネット472のみならずマグネット444の回動によるMRE素子446の電気抵抗値の変化に対応していないと判定すれば、身体拘束状態であると判定し、例えば、車両のインスツルメントパネルに設けられたウエビングベルト340の装着確認用のインジケータ(図示省略)を消灯させる。
【0109】
一方、マグネット472のみならずマグネット444の回動によるMRE素子446の電気抵抗値の変化に対応していると判定すれば、前記第2の実施の形態に係るバックル装置440と同様に、エアバッグ装置386に対してキャンセル信号を送り、仮に、所定の加速度(減速度)で車両が急減速したことをエアバッグ装置386の加速度センサが検出しても、エアバッグ装置386を作動させない(すなわち、エアバッグ装置386の袋体を膨張、展開させない)。
【0110】
このように、本バックル装置470では、マグネット472を設けるだけでMRE素子446に対するマグネット472の変位に基づいてウエビングベルト装着状態であるか否かの判定も行なえる。これにより、ウエビングベルト装着状態を検出するための機構を別に設ける必要がなくなり、バックル装置470の小型化、軽量化を図ることができる。しかも、基本的にウエビングベルト装着状態を検出するために必要な構成はマグネット472だけであるため、安価なコストでウエビングベルト装着状態を検出するための機構をも得ることができる。
【0111】
なお、本実施の形態では、イジェクタ234に第2磁界形成手段としてのマグネット472を一体的に固定した構成であったが、例えば、イジェクタ234の先端側の一部を着磁してイジェクタ234自体を第2磁界形成手段としてもよい。
【0112】
また、本実施の形態では、イジェクタ234に第2磁界形成手段としてのマグネット472を直接固定した構成であったが、第2磁界形成手段としてのマグネット472をイジェクタ234に間接的に固定してもよい。このように第2磁界形成手段としてのマグネット472をイジェクタ234に間接的に固定した構成の一例が図12に示されている。
【0113】
この図に示されるように、この変形例では、イジェクタ234に連結部材としてのレバー492が設けられている。レバー492は、タングプレート330(図12では図示省略)に押圧された際のイジェクタ234の移動方向(すなわち、底板222の長手方向に)に長手方向とされ、両側壁232の対向方向に沿って厚さ方向とされた細幅薄肉の板状に形成されている。レバー492の長手方向一端部には、固定部494が形成されており、ねじ等の締結手段や接着剤等の固着手段によりイジェクタ234に一体的に固定されている。
【0114】
一方、ラッチ250の連結部256とストッパ264との間には、下方(すなわち、底板222側)へ向けて開口した凹形状で且つ基部252の厚さ方向に貫通した切欠部496が形成されている。上述したレバー492は、その長手方向に沿って切欠部496に対応してイジェクタ234に取り付けられている。また、切欠部496の開口幅寸法はレバー492の厚さ寸法よりも大きく、レバー492の他端側は切欠部496を貫通して基部252の裏面側(すなわち、連結部256とは反対側)へ延出されている。
【0115】
さらに、レバー492の長手方向他端部には、上述した第2磁界形成手段としてのマグネット472が固定されている。
【0116】
このように、この変形例では、マグネット472がレバー492を介してイジェクタ234に固定されることで、マグネット472がイジェクタ234よりも充分に検出部442に接近した位置に設けられる。これにより、検出部442のMRE素子446を横切る磁力線が増加するため、イジェクタ234の移動、すなわち、タングプレート330が挿入されたか否かをより一層確実に検出できる。
【0117】
また、上記の各実施の形態は、付勢手段としての板ばね404の付勢力の大きさを、ウエビングベルト340で乗員の身体を拘束するために必要なウエビングベルト340の引出量に対応した収納付勢力よりも大きく、ウエビングベルト340でチャイルドシートを固定するために必要なウエビングベルト340の引出量に対応した収納付勢力よりも小さく設定し、これにより、検出手段としてのマイクロスイッチ376やMRE素子446でチャイルドシートが固定されたか否かを検出できるようにした。
【0118】
しかしながら、本発明がこのような検出手段でチャイルドシートが固定されたか否かを検出する構成に限定されるものではない。すなわち、上述した板ばね404等の付勢手段の付勢力を適宜に設定すれば、設定した付勢力に応じて一定量以上ウエビングベルト340が引き出された否かを検出できることは言うまでもない。
【0119】
したがって、本発明は、上述したチャイルドシートが固定されたか否かを検出以外にも、例えば、ウエビングベルト340の張力が必要以上(一定値以上)に大きくなったか否かを検出手段で検出し、ウエビングベルト340の張力が必要以上に大きくなった場合には所謂テンションリデューサを作動させてウエビングベルト340の張力を適宜に調整させる構成としてもよい。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ウエビングベルトが一定量以上引き出された際のウエビングベルトの張力による装置本体の変位が変位増幅部材の他端では増幅され、この増幅状態での変位増幅部材の変位を検出手段が検出するため、検出手段の感度調整を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置の分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置の装置本体を構成するベースの平面図である。
【図3】検出部の分解斜視図である。
【図4】検出部の配置部分を拡大したバックル装置の平面断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置の側面断面図である。
【図6】ラッチが下降した状態での図5に対応した側面断面図である。
【図7】装置本体が変位した状態を部分的な側面断面図である。
【図8】エアバッグ装置と検出手段(マイクロスイッチ)の関係を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置の図4に対応した平面断面図である。
【図10】エアバッグ装置と検出手段(MRE素子)の関係を示す回路図とブロック図の混合図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係るバックル装置の図5に対応した側面断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係るバックル装置の変形例の要部を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
210 バックル装置
220 ベース(装置本体)
224 アンカプレート(アンカ部材)
330 タングプレート
340 ウエビングベルト
364 レバー(変位増幅部材)
376 マイクロスイッチ(検出手段)
404 板ばね(付勢手段)
440 バックル装置
376 磁気抵抗素子(検出手段)
470 バックル装置

Claims (1)

  1. 所定の収納部位から引き出されて車両乗員の身体に装着されることで前記車両乗員の身体を保持すると共に、前記収納部位からの引出量に応じて増減する収納付勢力によって前記収納部位への収納方向へ付勢されたウエビングベルトに取り付けられたタングプレートを挿入可能な装置本体と、
    車両室内の所定位置に取り付けられると共に、前記装置本体への前記タングプレートの挿入方向及び当該挿入方向とは反対の抜取方向に沿って前記装置本体を所定範囲変位可能に支持するアンカ部材と、
    前記装置本体の内部に挿入された前記タングプレートに対して接離移動可能で、前記タングプレートに対する接近移動により前記タングプレートへ係合して前記抜取方向への前記タングプレートの移動を制限するラッチと、
    前記ウエビングベルトを一定長さ引き出した際に前記ウエビングベルトに付与される前記収納付勢力と同じ付勢力を有し、当該付勢力により前記アンカ部材に対して前記装置本体を相対的に前記挿入方向へ付勢する付勢手段と、
    支点から一端までの距離よりも支点から他端までの距離が長く、前記支点が直接或いは間接的に前記アンカ部材に回転可能に支持されると共に、前記アンカ部材に対する前記装置本体の相対変位量に応じて前記一端が前記支点周りに回動する変位増幅部材と、
    前記変位増幅部材の前記他端部近傍に配置されて、前記変位増幅部材の前記回転に伴う前記他端部の自らに対する接離を検出する検出手段と、
    を備えるバックル装置。
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