JP2003102517A - バックル装置 - Google Patents

バックル装置

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JP2003102517A
JP2003102517A JP2001303550A JP2001303550A JP2003102517A JP 2003102517 A JP2003102517 A JP 2003102517A JP 2001303550 A JP2001303550 A JP 2001303550A JP 2001303550 A JP2001303550 A JP 2001303550A JP 2003102517 A JP2003102517 A JP 2003102517A
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信二 森
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一定量以上のウエビングベルトの引き出しを
確実に検出でき、しかも、感度調整が容易な検出機構を
有するバックル装置を得る。 【解決手段】 チャイルドシートを座席へ取り付けるた
めに必要なだけウエビングベルトを引き出し、これによ
りアンカプレート224に対してベース220と共にケ
ース352が移動すると、ケース352から外部に突出
した係合ピン398にアンカプレート224の係合孔の
内周部が干渉し、係合ピン398と一体のレバー364
が回動する。これにより、レバー364の押圧片368
がマイクロスイッチ376の揺動片378を押圧して揺
動させる。ここで、レバー364の回動中心から係合ピ
ン398までの長さより、レバー364の回動中心から
押圧片378の先端部までの方が長いため、押圧片37
8の回動量が大きくなる。これにより、感度調整が容易
になる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両のシートベル
ト装置に用いられるタングプレート固定用のバックル装
置に関する。 【0002】 【従来の技術】車両の座席に着座した乗員の身体を拘束
するためのシートベルト装置を構成するウエビングベル
トは、その長手方向一方の端部が例えば座席側方に設け
られた巻取装置の巻取軸に係止されており、他端がこの
巻取装置の近傍に設けられたアンカプレートに固定され
ている。また、ウエビングベルトの長手方向中間部は巻
取装置の上方、例えば、車両のセンタピラーの上端側に
設けられたスルーアンカの挿通孔を貫通して下方側へ折
り返されている。 【0003】このスルーアンカでの折り返し部分と他端
との間でウエビングベルトはタングプレートの挿通孔を
貫通しており、タングプレートを引っ張ることで巻取装
置の巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出さ
れ、座席を介して巻取装置とは反対側に設けられたバッ
クル装置へタングプレートを連結させることで、ウエビ
ングベルトの装着状態となる構成である。 【0004】一方で、一定年齢に満たない幼児や子供を
車両に乗せる場合には、車両に所謂チャイルドシートを
取り付け、このチャイルドシートに幼児や子供を乗せる
ことが義務付けられた。 【0005】この種のチャイルドシートの車両への取付
構造としては、チャイルドシートを座席に搭載すると共
に、上述したウエビングベルトをチャイルドシートに係
合させて連結し、上記のようにバックル装置へタングプ
レートを連結させることで、チャイルドシートを固定す
る構造がある。 【0006】ところで、近年の車両には、上述したシー
トベルト装置に加え、車両急減速時に袋体を車両乗員の
前方側へ膨張展開させて、車両急減速時における慣性で
車両前方側へ移動しようとする乗員を袋体で受け止める
所謂エアバッグ装置が搭載されている。この種のエアバ
ッグ装置が搭載されている車両においては、上記のよう
に車両座席にチャイルドシートを取り付けた場合には、
当該座席に対応したエアバッグ装置を作動させないこと
が好ましい。 【0007】このため、チャイルドシートが座席に取り
付けられたか否かを検出するためのチャイルドシート検
出機構並びにこのチャイルドシート検出機構での検出結
果に基づいてエアバッグ装置を制御する制御装置が考案
されている。 【0008】このようなエアバッグ装置を制御するため
のチャイルドシート検出機構の一例としては、上述した
巻取装置の巻取軸が渦巻きコイルばね等の付勢手段によ
ってウエビングベルトを巻き取る方向へ付勢され、しか
も、この付勢力がウエビングベルトの引出量に応じて増
加することに着目し、乗員の身体を拘束させる場合より
もウエビングベルトが長く引き出されるチャイルドシー
トの固定時を、ウエビングベルトに作用する張力の大き
さからチャイルドシートが固定されたか否かを判定する
機構がある。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】この種のチャイルドシ
ート検出機構においてウエビングベルトに作用する張力
を検出するための構成として、例えば、歪ゲージをラッ
チ等に設け、タングプレートを介してラッチに作用する
ウエビングベルトの張力を、歪ゲージで検出する構成が
考えられる。 【0010】しかしながら、歪ゲージには個々の感度差
があり、歪ゲージの取付位置において個々に感度調整を
施さなくてはならない。 【0011】しかも、歪ゲージは環境、特に、周囲の温
度の影響を受けやすいため、感度調整が煩雑になること
が予想される。 【0012】本発明は、上記事実を考慮して、一定量以
上のウエビングベルトの引き出しを確実に検出でき、し
かも、感度調整が容易な検出機構を有するバックル装置
を得ることが目的である。 【0013】 【課題を解決するための手段】請求項1記載のバックル
装置は、所定の収納部位から引き出されて車両乗員の身
体に装着されることで前記車両乗員の身体を保持すると
共に、前記収納部位からの引出量に応じて増減する収納
付勢力によって前記収納部位への収納方向へ付勢された
ウエビングベルトに取り付けられたタングプレートを挿
入可能な装置本体と、車両室内の所定位置に取り付けら
れると共に、前記装置本体への前記タングプレートの挿
入方向及び当該挿入方向とは反対の抜取方向に沿って前
記装置本体を所定範囲変位可能に支持するアンカ部材
と、前記装置本体の内部に挿入された前記タングプレー
トに対して接離移動可能で、前記タングプレートに対す
る接近移動により前記タングプレートへ係合して前記抜
取方向への前記タングプレートの移動を制限するラッチ
と、前記ウエビングベルトを一定長さ引き出した際に前
記ウエビングベルトに付与される前記収納付勢力と同じ
付勢力を有し、当該付勢力により前記アンカ部材に対し
て前記装置本体を相対的に前記挿入方向へ付勢する付勢
手段と、支点から一端までの距離よりも支点から他端ま
での距離が長く、前記支点が直接或いは間接的に前記ア
ンカ部材に回転可能に支持されると共に、前記アンカ部
材に対する前記装置本体の相対変位量に応じて前記一端
が前記支点周りに回動する変位増幅部材と、前記変位増
幅部材の前記他端部近傍に配置されて、前記変位増幅部
材の前記回転に伴う前記他端部の自らに対する接離を検
出する検出手段と、を備えている。 【0014】上記構成のバックル装置によれば、車両乗
員が例えば自らの身体の前方側へウエビングベルトを掛
け回した状態でタングプレートを装置本体内に挿入し、
更に、この状態で装置本体内のラッチがタングプレート
に係合すると装置本体から抜け出る抜取方向へのタング
プレートの移動がラッチによって規制され、これによ
り、ウエビングベルトの装着状態となり、乗員の身体が
ウエビングベルトにより拘束(保持)される。 【0015】ところで、ウエビングベルトには収納部位
からの引出量に応じて増減する収納付勢力によって収納
部位への収納方向(すなわち、ウエビングベルトの引出
方向とは反対方向)へ付勢される。この収納付勢力はウ
エビングベルトを介してタングプレートにも作用するた
め、タングプレートに係合したラッチはタングプレート
によって抜取方向へ引っ張られ、更に、ラッチを支持す
る装置本体が抜取方向へ引っ張られる。 【0016】一方、本バックル装置では、ラッチを支持
する装置本体がアンカ部材に対して挿入方向及び抜取方
向へ所定範囲変位可能であるが、付勢手段の付勢力によ
って装置本体と共にラッチが挿入方向へ付勢される。 【0017】このように、装置本体には相反する方向の
付勢力(付勢手段の付勢力と収納付勢力)が作用する。 【0018】但し、付勢手段の付勢力は、ウエビングベ
ルトを一定長さ(一例としては、乗員の身体を拘束して
する際のウエビングベルトの引出量)に応じた収納付勢
力と同じ大きさである。したがって、ウエビングベルト
を一定長さ以上引き出すまでは収納付勢力に抗し、付勢
手段の付勢力が装置本体をアンカ部材に対して挿入方向
側へ相対変位させている。 【0019】この状態で、ウエビングベルトを一定長さ
よりも長く引き出すと、収納付勢力が付勢手段の付勢力
に抗して装置本体をアンカ部材に対して抜取方向側へ相
対変位させる。 【0020】このように、装置本体が抜取方向側へアン
カ部材に対して相対変位すると、この相対変位量に応じ
て変位増幅部材の一端が支点周りに回転する。 【0021】一方で、装置本体からの押圧力で変位増幅
部材が支点周りに回転すると、変位増幅部材の他端もま
た一体的に回転し、検出手段に対して接近若しくは離間
する。 【0022】検出手段では、この変位増幅部材の接離を
検出することで、装置本体の変位(相対変位)したこ
と、すなわち、一定長さよりも長くウエビングベルトが
引き出されたことが検出される。 【0023】したがって、例えば、付勢手段の付勢力の
大きさを、乗員の身体を拘束するために必要な長さのウ
エビングベルトの引出量に応じた収納付勢力よりも大き
く、且つ、ウエビングベルトでチャイルドシートを座席
に固定する際に必要な長さのウエビングベルトの引出量
に応じた収納付勢力よりも小さくなるように設定すれ
ば、チャイルドシートを座席固定するためにウエビング
ベルトを引き出したことが検出手段によって検出され
る。 【0024】ここで、変位増幅部材は、支点から一端ま
での寸法よりも支点から他端までの寸法の方が長い。こ
のため、装置本体の相対変位に連動した際の他端の変位
量は一端の変位量よりも大きくなる。このため、一定長
さよりも長くウエビングベルトが引き出された否かを判
定するうえでの変位増幅部材の判定位置の設定が容易に
なる。 【0025】 【発明の実施の形態】<第1の実施の形態の構成>図1
には本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置21
0の構造が分解斜視図により示されており、図5には本
バックル装置210の構造が断面図により示されてい
る。 【0026】(バックル装置210の全体構成)図5に
示されるように、バックル装置210はケース214を
備えている。ケース214は長手方向両端が開口した箱
形の筒状部材とされており、その長手方向一端側の開口
はアンカ挿入口216とされ、長手方向他端側の開口は
タング挿入口218とされている。また、ケース214
の内側には装置本体を構成するベース220が収容され
ている。 【0027】図1及び図5に示されるように、ベース2
20はケース214の長手方向に沿って長手とされた平
板状の底板222を備えている。底板222の長手方向
一端側にはアンカ部材としての略板状のアンカプレート
224が重ね合わされており、底板222に形成された
透孔226と底板222の長手方向に沿って長手とされ
たアンカプレート224に形成された長孔228とを貫
通するリベット230により底板222とアンカプレー
ト224とが機械的に連結されている。アンカプレート
224はその他端側が車両の座席の側方で車体(何れも
図示省略)に固定されており、これにより本バックル装
置210が車両に取り付けられている。 【0028】一方、底板222の幅方向両端部からは底
板222の厚さ方向に側壁232が立設されており、側
壁232の間にはイジェクタ234が配置されている。
イジェクタ234の一部は底板222に形成されたガイ
ド孔236に係合しており、ガイド孔236に沿って底
板222の長手方向に所定範囲スライド可能とされてい
る。 【0029】また、図2に示されるように、底板222
の長手方向一方の側でのガイド孔236の端部からは、
係合突起238が突出形成されており、圧縮コイルスプ
リング240の一端が係止されている。圧縮コイルスプ
リング240の他端はイジェクタ234の一端へ圧接さ
れており、圧縮コイルスプリング240の付勢力により
イジェクタ234は底板222の長手方向他端側へ付勢
されている。 【0030】一方、図1及び図5に示されるように、バ
ックル装置210はラッチ250を備えている。ラッチ
250は基部252を備えている。ラッチ250の姿勢
にもよるが、基部252は概ね両側壁232の対向方向
に沿って長手方向で、底板222の長手方向に沿って厚
さ方向とされた平板状に形成されており、その長手方向
両端部は両側壁232に形成された支持部としての支持
孔254に入り込んでいる。基部252(すなわち、ラ
ッチ250)は支持孔254の内周部に干渉されるまで
基部252の長手方向を軸方向として所定角度回動可能
に支持されている。 【0031】また、基部252の長手方向中間部側の幅
方向一端からは、基部252の幅方向一方へ向けて平板
状の連結部256が延出されており、更に、連結部25
6の基部252とは反対側からは、底板222側へ向け
て係合片258が延出されている。 【0032】係合片258の先端部(より詳細に言え
ば、連結部256との連結部分側とは反対側の端部)
は、底板222に形成された貫通孔260に対応してお
り、ラッチ250が変位することにより、係合片258
が貫通孔260に入り込むことができる。 【0033】ラッチ250の係合片258の先端部に対
応して上述したイジェクタ234の厚さ方向一方(底板
222とは反対側)の面には、載置片262が一体的に
設けられている。上述したように、イジェクタ234に
は圧縮コイルスプリング240の付勢力が作用してい
る。 【0034】但し、基本的に圧縮コイルスプリング24
0の付勢力以外の外力が作用していない状態での到達位
置にイジェクタ234が位置している状態で、概ね、底
板222の厚さ方向に沿って係合片258の先端部と対
向するように載置片262が設けられており、係合片2
58の先端部との対向状態で載置片262は係合片25
8の先端部に干渉して底板222へ接近する方向への係
合片258の移動(すなわち、ラッチ250の移動)を
規制する。 【0035】また、基部252の長手方向両端側からは
ストッパ264が延出されている。ストッパ264は、
先端側が圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗した
イジェクタ234のスライド軌跡上に位置するように形
成されており、圧縮コイルスプリング240の付勢力に
抗してイジェクタ234が所定距離スライドすると、イ
ジェクタ234がストッパ264に当接する。 【0036】さらに、ラッチ250の連結部256を介
してベース220の底板222とは反対側にはロック部
材270が配置されている。ロック部材270は基部2
72を備えている。基部272は両側壁232の対向方
向に沿って長手方向とされた略角棒状とされている。 【0037】基部272の両端部は両側壁232に形成
された係合孔274に入り込んでいる。係合孔274は
貫通孔260よりも側壁232の長手方向他端側に形成
されており、基部272は自らの長手方向を軸周りに回
動可能に側壁232に支持されている。基部252の長
手方向両端側には一対の略扇状のロック片276が形成
されている。ロック片276は連結部256(ラッチ2
50)の幅方向両端部から延出された当接片278に対
応しており、ロック片276は当接片278に当接して
いる。 【0038】また、基部272の長手方向中間部には当
接部280が形成されている。当接部280は、ラッチ
250の係合片258が底板222から離間した状態で
係合片258に当接する。 【0039】一方、図1及び図5に示されるように、バ
ックル装置210は解除ボタン290を備えている。解
除ボタン290は操作用の押圧部292を備えている。
押圧部292は押圧面が底板222の長手方向他端側へ
向いた板状で、両側壁232の対向方向に沿って長手方
向とされている。 【0040】押圧部292の長手方向両端近傍からは底
板222の長手方向一端側へ向けて側壁294が延出さ
れている。これらの側壁294は上述した側壁232の
対向方向に沿って互いに対向していると共に、底板22
2とは反対側の端部が上壁296により連結され、全体
的には底板222へ向けて開口した凹形状とされてい
る。 【0041】両側壁294の押圧部292とは反対側の
端部からは、それぞれアーム298が側壁294の対向
方向に沿って互いに対向するように延出されている。両
アーム298の先端部には、他方のアーム298へ向け
て係合突起300が形成されており、側壁232に形成
されたガイド孔302に入り込んでいる。ガイド孔30
2は底板222の長手方向に沿って長手の長孔とされて
いる。係合突起300はガイド孔302の内周部によっ
て底板222の長手方向に沿って所定範囲変位可能とさ
れており、これにより、ガイド孔302によって解除ボ
タン290の移動方向が底板222の長手方向に規制さ
れている。 【0042】また、押圧部292とロック部材270と
の間には、ストッパ310が配置されている。ストッパ
310は、側壁294の対向方向に沿って長手方向とさ
れた板状の基部312を備えている。基部312の長手
方向両端側には、基部312の長手方向に沿ってみた場
合に底板222へ向けて開口した凹形状の一対の係合片
314が形成されており、これらの係合片314が上述
したロック部材270の基部272に係合することでス
トッパ310がロック部材270に支持されている。 【0043】さらに、ストッパ310の両係合片314
の近傍には、上述した解除ボタン290の係合突起30
0へ干渉可能に干渉部316が形成されている。 【0044】また、ストッパ310と解除ボタン290
の押圧部292との間には、圧縮コイルスプリング31
8が配置されており、その一端は押圧部292の押圧面
とは反対側へ当接している。これに対して圧縮コイルス
プリング318の他端はストッパ310の基部312に
当接しており、これによって、ストッパ310を押圧部
292から離間させる方向へ付勢している。 【0045】(タングプレート330の構成)一方、上
述した側壁232の間には底板222の長手方向他端側
からタングプレート330が挿入される。図1に示され
るように、タングプレート330は金属板材により形成
された基部332を備えている。基部332にはタング
プレート330が側壁232の間に挿入された状態で側
壁232の対向方向に沿って長手となるスリット孔33
4が形成されており、長尺帯状のウエビングベルト34
0の長手方向中間部が挿通される。 【0046】ウエビングベルト340はその基端部が図
示しないウエビング巻取装置の巻取軸に係止されてお
り、ウエビングベルト340を巻き取る方向へ巻取軸を
付勢するための渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の
収納付勢力がウエビングベルト340に作用している。 【0047】また、基部332には挿入板部336が形
成されている。挿入板部336は幅寸法が側壁232の
間隔よりも小さく、実際にはタングプレート330のう
ち、挿入板部336が側壁232の間に挿入されること
になる(図6参照)。 【0048】挿入板部336には厚さ方向に貫通した貫
通孔338が形成されており、挿入板部336が側壁2
32の間で底板222の長手方向一端側の所定位置に達
した状態では、上述した係合片258が貫通可能とな
り、貫通孔338に係合片258が貫通することで、バ
ックル装置210からのタングプレート330の抜き出
しが規制されるようになっている。 【0049】(検出部350の構成)一方、図1及び図
5に示されるように、本バックル装置210は検出部3
50を備えている。ここで、図3には検出部350の構
成が分解斜視図によって示されており、図4には検出部
350の構成が平面図によって示されている。 【0050】これらの図に示されるように、検出部35
0はケース352を備えている。ケース352は全体的
に略箱形状に形成されており、底板222のアンカ挿入
口216側にてアンカプレート224を介してベース2
20の底板222とは反対側に配置されている。 【0051】ケース352を構成する底壁354には、
底板222の長手方向に沿った方向の中間部よりもアン
カ挿入口216側に段部356が形成されており、図2
に示されるように、底壁354を底板222上に載置し
た状態では段部356の部分にて底板222との間に空
隙が形成される。この空隙の高さ(段部356と底板2
22との間隔)は、リベット230の頭部の厚さ寸法に
対応しており、底板222上にケース352を配置した
際に底壁354にリベット230の頭部が干渉しないよ
うになっている。 【0052】また、図3及び図4に示されるように、ベ
ース220の側壁232の対向方向に沿って互いに対向
するように底壁354の外周部から立設された側壁35
8には、それぞれ嵌合爪360(図3では一方の側壁3
58に形成された嵌合爪360のみを図示)が突出形成
されている。これらの嵌合爪360に対応してベース2
20の両側壁232には嵌合孔362が形成されてい
る。これらの嵌合孔362に嵌合爪360が嵌合するこ
とで、ケース352とベース220とが機械的に略一体
的に連結されている。 【0053】一方、ケース352の内側には、変位増幅
部材としてのレバー364が収容されている。レバー3
64は係合片366並びにと押圧片368とにより構成
されている。係合片366の長手方向先端側(特許請求
の範囲で言うところの変位増幅部材の一端)には雌ねじ
部370が形成されており、後述するアジャストスクリ
ュー372の雄ねじ部374が螺合している。 【0054】また、係合片366の基端部(すなわち、
レバー364の回動中心で、特許請求の範囲で言うとこ
ろの変位増幅部材の支点)は、係合片366の厚さ方向
を軸方向として回動可能に底壁354に軸支されてい
る。さらに、係合片366の基端部から係合片366の
長手方向に対して所定角度傾斜した方向へ向けて上述し
た押圧片368が延出されている。 【0055】押圧片368は、先端から係合片366の
基端部(すなわち、レバー364の回動中心)までの長
さが係合片366の基端部から先端(厳密には、係合片
366の先端側に形成された雌ねじ部370)までの長
さよりも長くなるようにレバー364の形状が設定され
ている。 【0056】レバー364の側方には、検出手段として
のマイクロスイッチ376のスイッチ本体378が配置
されている。スイッチ本体378は、固定ねじ等の締結
手段によってケース352の側壁358や底壁354等
に一体的に固定されている。 【0057】また、スイッチ本体378には揺動片38
0が設けられている。揺動片380は、その基端部がス
イッチ本体378に支持されており、この基端部周りに
レバー364の厚さ方向と略同じ方向を軸方向として揺
動可能とされている。 【0058】揺動片380は、図示しない捩じりコイル
スプリング等の復元付勢手段によって先端側(特許請求
の範囲で言うところの変位増幅部材の他端)がスイッチ
本体378から離間する方向へ付勢されており、揺動片
380が揺動して先端側が所定位置までスイッチ本体3
78に接近することでスイッチ本体378内の電気回路
が閉塞(通電状態)され、所定位置から先端側が離間す
ることでスイッチ本体378内の電気回路が開放(通電
解除状態)される。 【0059】上述した押圧片368の先端部は、係合片
366の基端部周りの回動方向(すなわち、係合片36
6が基端部周りに回動した際の押圧片368の回動方
向)一方の側で揺動片380の先端側が対向しており、
この一方の側に押圧片368が回動することで押圧片3
68の先端が揺動片380の先端を押圧して、スイッチ
本体378に接近させるようになっている。 【0060】また、図4に示されるように、スイッチ本
体378の接点には、一対のコード382の一端が機械
的且つ電気的に接続されている。コード382は車両の
適宜位置に設けられたエアバッグ装置制御手段を構成す
るコンピュータ384(図8参照)へ接続されており、
スイッチ本体378内の電気回路が閉塞されたか否かを
コンピュータ384で判定できるようになっている。 【0061】さらに、図8に示されるように、コンピュ
ータ384は車両が所定の加速度(減速度)で減速した
場合に、助手席前方側等で袋体を膨張、展開させるエア
バッグ装置386へ接続されており、スイッチ本体37
8内の電気回路から送られた電気信号に基づいてエアバ
ッグ装置386を制御する。 【0062】また、図4に示されるように、底板222
の長手方向に沿って対向するように底壁354から立設
された一対の側壁388のうちの一方(相対的にアンカ
挿入口216側に位置する方)には、スプリング収納部
390が形成されており、リターンスプリング392が
収容されている。リターンスプリング392は一種のコ
イルスプリングで、その先端部は係合片366の側部に
圧接し、押圧片368が揺動片380から離間する方向
へのレバー364の回転方向へ係合片366を付勢して
いる。 【0063】一方、図3に示されるように、ケース35
2には蓋394が設けられており、側壁358を介して
底壁354とは反対側のケース352の開口端が蓋39
4によって閉止されている。 【0064】蓋394には厚さ方向に貫通した透孔39
6が形成されている。透孔396の内径寸法は、この透
孔396を貫通するアジャストスクリュー372が蓋3
94に対して相対回転可能で且つ雄ねじ部374の軸方
向に対して直交する方向へ変位可能に貫通している。ア
ジャストスクリュー372は、蓋394に対して自らの
軸周りに相対回転可能であると共に、雄ねじ部374が
透孔396の内周部に干渉するまで自らの軸方向に対し
て直交する方向へ変位可能である。 【0065】透孔396を貫通したアジャストスクリュ
ー372の雄ねじ部374は、係合片366の先端側に
形成された雌ねじ部370に螺合している。さらに、雄
ねじ部374の先端部には係合ピン398が突出形成さ
れている。図4に示されるように、係合ピン398は、
外径寸法が雄ねじ部374の外径寸法よりも充分に小さ
く、且つ、雄ねじ部374の軸心から偏心している。 【0066】また、係合ピン398には、内径寸法が係
合ピン398の外径寸法よりも充分に大きな底壁354
の透孔400を貫通してケース352の外部に突出して
いる。さらに、図5に示されるように、ケース352の
外部に突出した係合ピン398は、アンカプレート22
4に形成された係合孔402に遊嵌している。 【0067】係合孔402は、例えば、ベース220の
側壁232の対向方向に沿って長手とされ、且つ、内幅
寸法が係合ピン398の外径寸法よりも充分に大きな長
孔とされており、ケース352がアンカプレート224
に対して相対的にタング挿入口218側へ変位して係合
孔402の内周部が係合ピン398の外周部に干渉、押
圧することによろ、アジャストスクリュー372がレバ
ー364を回動させる構成となっている(図7参照)。 【0068】一方、図3乃至図5に示されるように、ケ
ース352を構成する一対の側壁388の他方を介して
一方とは反対側には、付勢手段としての板ばね404が
設けられている。板ばね404は板状のプレート部40
6と、プレート部406の側壁388側に設けられたプ
レート部408とを備えている。 【0069】これらの一対のプレート部406、408
は、外周一部にて互いに連結されており、この連結部分
周りにプレート部406に対してプレート部408が接
離する方向へ相対的に回動可能であると共に、プレート
部408がプレート部406に対して相対的に元の位置
へ復元する方向へ付勢力が生ずる。 【0070】ここで、本実施の形態において板ばね40
4の付勢力の大きさは、ウエビングベルト340で乗員
の身体を拘束する際に必要なウエビングベルト340の
引出量よりも長く、且つ、ウエビングベルト340でチ
ャイルドシートを固定する際に必要なウエビングベルト
340の引出量よりも短い所定長さだけウエビングベル
ト340を引き出した際の収納付勢力と同じ大きさに設
定されている。 【0071】また、プレート部406のプレート部40
8との連結部分とは反対側の端部からは、取付片410
が延出されている。取付片410のプレート部406と
は反対側には一対の係合爪412が形成されており、ア
ンカプレート224の幅方向側端部に形成された一対の
係合凹部414に係合している。 【0072】さらに、取付片410にはアンカプレート
224に形成された長孔228に対応した長孔416が
形成されており底板222の透孔226とアンカプレー
ト224の長孔228を貫通したリベット230が長孔
416を貫通している。 【0073】板ばね404は、係合爪412が係合凹部
414に係合し、且つ、長孔416にリベット230が
貫通した状態でアンカプレート224への取付状態とさ
れており、この取付状態では、板ばね404とアンカプ
レート224とが一体的に連結されると共に、板ばね4
04のプレート部408が側壁388へ圧接し、リベッ
ト230が長孔228、416のアンカ挿入口216側
の端部へ当接するまでケース352を介してベース22
0を付勢している。 【0074】<第1の実施の形態の作用、効果>次に、
本実施の形態の作用並びに効果について説明する。 【0075】(バックル装置210の動作)本バックル
装置210では図5に示される非装着状態でタングプレ
ート330の挿入板部336をケース214のタング挿
入口218から挿入すると、図6に示されるように、挿
入板部336の先端部がイジェクタ234の端部に当接
して押圧し、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗
してイジェクタ234を底板222の長手方向一端側へ
スライドさせる。 【0076】イジェクタ234が底板222の長手方向
一端側へ所定量スライドすると、イジェクタ234の載
置片262とラッチ250の係合片258との対向状態
が解除されると共に、イジェクタ234がラッチ250
のストッパ264を押圧して、ラッチ250を回動させ
る。 【0077】これにより、係合片258の先端部が底板
222へ接近移動する。また、この状態では、挿入板部
336の貫通孔338と、底板222に形成された貫通
孔260とが重なり合う。したがって、この状態では図
3に示されるように、回動した係合片258が挿入板部
336の貫通孔338と底板222の貫通孔260を貫
通する。 【0078】また、ラッチ250が回動することで、ラ
ッチ250の係合片258とロック部材270の当接部
280との当接状態が解除される。ここで、ロック片2
76はストッパ310を介して圧縮コイルスプリング3
18の付勢力を受けるため、ラッチ250の回動に連動
するように圧縮コイルスプリング318の付勢力でロッ
ク部材270が回動し、ロック片276がラッチ250
の当接片278に当接する。このため、係合片258が
底板222から離間する方向へのラッチ250の回動が
規制され、これにより、バックル装置210に対するタ
ングプレート330の装着状態となる。 【0079】このタングプレート330の装着状態が、
座席に着座した乗員の前方にウエビングベルト340が
位置するように巻取軸を付勢する渦巻きコイルばね等の
巻取軸付勢手段の収納付勢力に抗してウエビングベルト
340を引っ張ってからのタングプレート330の装着
状態であれば、これはウエビングベルト340による
「身体拘束状態」となり、ウエビングベルト340が乗
員を拘束する。 【0080】これに対して、巻取軸を付勢する渦巻きコ
イルばね等の巻取軸付勢手段の収納付勢力に抗しウエビ
ングベルト340を引っ張り図示しないチャイルドシー
トの所定の係合部位にウエビングベルト340を係合さ
せてからのタングプレート330の装着状態であれば、
これは「チャイルドシート取付状態」となり、ウエビン
グベルト340によってチャイルドシートが座席に固定
される。 【0081】(本実施の形態の特徴的な作用、効果)と
ころで、上述したように、ウエビングベルト340の基
端部は図示しないウエビング巻取装置の巻取軸に係止さ
れており、ウエビングベルト340を巻き取る方向へ巻
取軸を付勢する渦巻きコイルばね等の巻取軸付勢手段の
収納付勢力がウエビングベルト340に張力として作用
している。 【0082】したがって、バックル装置210に対する
タングプレート330の装着状態では、この張力(収納
付勢力)がタングプレート330をバックル装置210
から抜き取る方向(抜取方向)に作用する。さらに、こ
の張力はタングプレート330及びラッチ250を介し
てベース220をタング挿入口218側(すなわち、抜
取方向側)へ引っ張っているため、リベット230が長
孔228、416の抜取方向側の端部に接するまで、収
納付勢力によってベース220は抜取方向側へ変位でき
る。 【0083】しかしながら、本バックル装置210で
は、板ばね404がベース220をアンカプレート22
4に対してアンカ挿入口216側へ付勢しているため、
板ばね404の付勢力が収納付勢力を上回っている限
り、板ばね404の付勢力によってベース220はリベ
ット230が長孔228、416の挿入方向側の端部に
接する位置で保持される。 【0084】ここで、上述した身体拘束状態とチャイル
ドシート取付状態とでは、ウエビングベルト340の引
出量が異なり、一般的には、身体拘束状態に比べてチャ
イルドシート取付状態の方がウエビングベルト340は
大きく(長く)の引き出される。 【0085】このため、身体拘束状態とチャイルドシー
ト取付状態とを比べると、チャイルドシート取付状態の
方が収納付勢力は大きくなり、この状態での収納付勢力
は板ばね404の付勢力を上回る。したがって、この状
態では、図7に示されるように、収納付勢力が板ばね4
04の付勢力に抗してリベット230が長孔228、4
16の抜取方向側の端部に接するまでベース220を抜
取方向側へ変位させる。 【0086】このようにベース220が変位すると、検
出部350のケース352もまた一体的に変位し、所定
量以上アンカプレート224に対してケース352が抜
取方向側へ相対変位すると、係合孔402の内周部が係
合ピン398に干渉して係合ピン398を抜取方向側へ
押圧する。 【0087】係合ピン398が係合孔402の内周部か
らの押圧力を受けることで、アジャストスクリュー37
2がレバー364の係合片366をその基端部周りに図
4の左周り方向へ回転させる。係合片366が図4の左
周り方向へ回転させられることで、押圧片368が一体
的に回転して、その先端部がスイッチ本体378に接近
し、揺動片380の先端部をスイッチ本体378へ接近
させる方向へ回動させる(すなわち、図4の一点鎖線状
態)。 【0088】この揺動片380の回動によりスイッチ本
体378内では電気回路が閉塞され、電気回路が閉塞さ
れた際の電気信号がコンピュータ384に送られる。こ
の電気信号を受けたコンピュータ384は、チャイルド
シートを座席に固定するために必要なだけウエビングベ
ルト340が引き出された、すなわち、チャイルドシー
ト取付状態であると判定し、エアバッグ装置386に対
してキャンセル信号を送り、仮に、所定の加速度(減速
度)で車両が急減速したことをエアバッグ装置386の
加速度センサが検出しても、エアバッグ装置386を作
動させない(すなわち、エアバッグ装置386の袋体を
膨張、展開させない)。 【0089】これにより、本バックル装置210では、
車両の座席にチャイルドシートが取り付けられている場
合におけるエアバッグ装置386の袋体の膨張、展開を
規制できる。 【0090】ここで、レバー364は、その回転中心で
ある係合片366の基端部から雌ねじ部370までの長
さよりも、係合片366の基端部から押圧片368の先
端までの長さの方が長い。このため、係合孔402の内
周部が係合ピン398の外周部を押圧してレバー364
を回動させた際の雌ねじ部370が形成された部分での
係合片366の回転量よりも、押圧片368の先端部の
回転量の方が大きくなる。これにより、係合孔402の
内周部が係合ピン398を押圧させするまでに要するス
トローク寸法等の各種設定が容易になり、検出部350
を取り付けるに当たっての初期調整が容易になる。 【0091】また、本バックル装置210では、アジャ
ストスクリュー372を回転させることで、係合ピン3
98を雄ねじ部374の軸心周りに回転させることがで
きる。この回転位置を適宜に変更することで、アンカプ
レート224にケース352を取り付けた状態であって
も係合孔402の内周部が係合ピン398を押圧させす
るまでに要するストローク寸法の設定が可能となり、こ
の意味でも初期調整が容易になる。 【0092】<第2の実施の形態>次に、本発明のその
他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施
の形態を説明するうえで、前記第1の実施の形態を含め
て説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基
本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してそ
の説明を省略する。 【0093】図9には本発明の第2の実施の形態に係る
バックル装置440の構成の概略が平面図によって示さ
れている。この図に示されるように、本バックル装置4
40は、検出部350を備えておらず、代わりに検出部
442を備えている。この検出部442は、レバー36
4を構成する押圧片368の先端部に一体的に固定され
た第1磁界形成手段としてのマグネット(永久磁石)4
44を備えており、その周囲に所定の磁界を形成してい
る。 【0094】また、検出部442は、マイクロスイッチ
376を備えておらず、代わり検出手段としての磁気抵
抗素子(MRE素子)446を備えている。MRE素子
446は自らを横切る磁力線の向きに応じて自らの電気
抵抗値が変化する素子であり、レバー364が係合片3
66の基端部周りに回動した際の上述したマグネット4
44の回動方向の延長上に位置するようにケース352
内に設けられたセンサハウジング448に固定されてい
る。 【0095】センサハウジング448の内部には、MR
E素子446を可変抵抗とする電気回路450(図10
参照)が設けられている。電気回路450には、一定の
電圧で電流が流されていると共に、電流検出手段として
の電流検出素子452が設けられており、電気回路45
0を流れる電流値に対応した電気信号を発信する。さら
に、上述したコード382を介して電流検出素子452
はコンピュータ384へ接続されており、電流検出素子
452からの電気信号を受けている。 【0096】すなわち、本バックル装置440では、チ
ャイルドシートを座席に取り付けるためにウエビングベ
ルト340を引き出し、このときの収納付勢力によって
レバー364が回転すると、マグネット444がMRE
素子446に接近する。このMRE素子446に対する
マグネット444の接近によりマグネット444が形成
する磁界の磁力線がMRE素子446を横切る際の角度
が変わる。 【0097】このように、MRE素子446を横切る磁
力線の角度が変わると、MRE素子446の電気抵抗値
が変化し、これにより電気回路450を流れる電流値が
変化する。電気回路450を流れる電流値の変化は電流
検出素子452により検出され、このときの電流値の変
化に応じた電気信号がコンピュータ384へ送られる。 【0098】この電流検出素子452からの電気信号を
受けたコンピュータ384は、電気信号のレベルが所定
値以上若しくは所定値未満であるか否かを判定し、その
判定結果に基づいてチャイルドシートを座席に取り付け
るために必要なだけウエビングベルト340が引き出さ
れたか否かを判定する。 【0099】さらに、コンピュータ384では、この判
定結果に基づき、エアバッグ装置386を制御し、チャ
イルドシートを座席に取り付けるために必要なだけウエ
ビングベルト340が引き出されたとコンピュータ38
4が判定した場合、すなわち、チャイルドシート取付状
態であると判定した場合には、エアバッグ装置386に
対してキャンセル信号を送り、仮に、所定の加速度(減
速度)で車両が急減速したことをエアバッグ装置386
の加速度センサが検出しても、エアバッグ装置386を
作動させない(すなわち、エアバッグ装置386の袋体
を膨張、展開させない)。 【0100】ところで、マグネット444が形成し、且
つ、MRE素子446を横切るの磁力線の変化は、MR
E素子446に対するマグネット444の相対移動量
(すなわち、接近ストローク)が大きいほど顕著にな
る。 【0101】ここで、本バックル装置440は、前記第
1の実施の形態に係るバックル装置210と同様にレバ
ー364の係合片366における雌ねじ部370の回転
量よりも押圧片368の先端部、すなわち、マグネット
444の回転量の方が大きくなるため、磁力線の変化を
顕著にできる。これにより、レバー364が回動した際
のMRE素子446の電気抵抗値の変化率を大きくで
き、電流検出素子452からコンピュータ384へ送ら
れる電気信号のレベル差を大きくできる。このため、チ
ャイルドシートを座席に取り付けるために必要なだけウ
エビングベルト340が引き出されたとコンピュータ3
84が判定する際の電気信号の閾値を容易に明確にでき
る。 【0102】なお、本実施の形態では、押圧片368の
先端部に第1磁界形成手段としてのマグネット444を
一体的に固定した構成であったが、例えば、押圧片36
9の先端側の一部を着磁して押圧片368自体を第1磁
界形成手段としてもよい。 【0103】<第3の実施の形態>次に、本発明の第3
の実施の形態について説明する。 【0104】図11には本実施の形態に係るバックル装
置470の構成の概略が側面断面図によって示されてい
る。この図に示されるように、本バックル装置470
は、イジェクタ234のアンカ挿入口216側に一体的
に設けられた第2磁界形成手段としてのマグネット(永
久磁石)472を備えており、検出部442の第1磁界
形成手段としてのマグネット444(図11では図示省
略、図9参照)とは別にその周囲に所定の磁界を形成し
ている。 【0105】本バックル装置470では、図11に示さ
れるように、タングプレート330の挿入板部336を
ケース214のタング挿入口218から挿入して挿入板
部336の先端部がイジェクタ234の端部に当接して
押圧し、圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗して
イジェクタ234を底板222の長手方向一端側へスラ
イドさせると、マグネット472が検出部442に接近
移動する。 【0106】これにより、マグネット472が形成する
磁界の磁力線がMRE素子446を横切る際の角度が変
わる。このように、MRE素子446を横切る磁力線の
角度が変わると、MRE素子446の電気抵抗値が変化
し、これにより電気回路450を流れる電流値が変化す
る。電気回路450を流れる電流値の変化は電流検出素
子452により検出され、このときの電流値の変化に応
じた電気信号がコンピュータ384へ送られる。 【0107】コンピュータ384では、マグネット47
2の磁界(磁力線)が変化した際の電気回路450の電
気抵抗値の変化に応じた電気信号を受けることで、タン
グプレート330がケース214に挿入されてイジェク
タ234がスライドした、すなわち、タングプレート3
30がバックル装置470に装着されて、身体拘束状態
若しくはチャイルドシート取付状態になったと判定す
る。 【0108】さらに、コンピュータ384では、電流検
出素子452からの電気信号のレベルが、マグネット4
72のみならずマグネット444の回動によるMRE素
子446の電気抵抗値の変化に対応していないと判定す
れば、身体拘束状態であると判定し、例えば、車両のイ
ンスツルメントパネルに設けられたウエビングベルト3
40の装着確認用のインジケータ(図示省略)を消灯さ
せる。 【0109】一方、マグネット472のみならずマグネ
ット444の回動によるMRE素子446の電気抵抗値
の変化に対応していると判定すれば、前記第2の実施の
形態に係るバックル装置440と同様に、エアバッグ装
置386に対してキャンセル信号を送り、仮に、所定の
加速度(減速度)で車両が急減速したことをエアバッグ
装置386の加速度センサが検出しても、エアバッグ装
置386を作動させない(すなわち、エアバッグ装置3
86の袋体を膨張、展開させない)。 【0110】このように、本バックル装置470では、
マグネット472を設けるだけでMRE素子446に対
するマグネット472の変位に基づいてウエビングベル
ト装着状態であるか否かの判定も行なえる。これによ
り、ウエビングベルト装着状態を検出するための機構を
別に設ける必要がなくなり、バックル装置470の小型
化、軽量化を図ることができる。しかも、基本的にウエ
ビングベルト装着状態を検出するために必要な構成はマ
グネット472だけであるため、安価なコストでウエビ
ングベルト装着状態を検出するための機構をも得ること
ができる。 【0111】なお、本実施の形態では、イジェクタ23
4に第2磁界形成手段としてのマグネット472を一体
的に固定した構成であったが、例えば、イジェクタ23
4の先端側の一部を着磁してイジェクタ234自体を第
2磁界形成手段としてもよい。 【0112】また、本実施の形態では、イジェクタ23
4に第2磁界形成手段としてのマグネット472を直接
固定した構成であったが、第2磁界形成手段としてのマ
グネット472をイジェクタ234に間接的に固定して
もよい。このように第2磁界形成手段としてのマグネッ
ト472をイジェクタ234に間接的に固定した構成の
一例が図12に示されている。 【0113】この図に示されるように、この変形例で
は、イジェクタ234に連結部材としてのレバー492
が設けられている。レバー492は、タングプレート3
30(図12では図示省略)に押圧された際のイジェク
タ234の移動方向(すなわち、底板222の長手方向
に)に長手方向とされ、両側壁232の対向方向に沿っ
て厚さ方向とされた細幅薄肉の板状に形成されている。
レバー492の長手方向一端部には、固定部494が形
成されており、ねじ等の締結手段や接着剤等の固着手段
によりイジェクタ234に一体的に固定されている。 【0114】一方、ラッチ250の連結部256とスト
ッパ264との間には、下方(すなわち、底板222
側)へ向けて開口した凹形状で且つ基部252の厚さ方
向に貫通した切欠部496が形成されている。上述した
レバー492は、その長手方向に沿って切欠部496に
対応してイジェクタ234に取り付けられている。ま
た、切欠部496の開口幅寸法はレバー492の厚さ寸
法よりも大きく、レバー492の他端側は切欠部496
を貫通して基部252の裏面側(すなわち、連結部25
6とは反対側)へ延出されている。 【0115】さらに、レバー492の長手方向他端部に
は、上述した第2磁界形成手段としてのマグネット47
2が固定されている。 【0116】このように、この変形例では、マグネット
472がレバー492を介してイジェクタ234に固定
されることで、マグネット472がイジェクタ234よ
りも充分に検出部442に接近した位置に設けられる。
これにより、検出部442のMRE素子446を横切る
磁力線が増加するため、イジェクタ234の移動、すな
わち、タングプレート330が挿入されたか否かをより
一層確実に検出できる。 【0117】また、上記の各実施の形態は、付勢手段と
しての板ばね404の付勢力の大きさを、ウエビングベ
ルト340で乗員の身体を拘束するために必要なウエビ
ングベルト340の引出量に対応した収納付勢力よりも
大きく、ウエビングベルト340でチャイルドシートを
固定するために必要なウエビングベルト340の引出量
に対応した収納付勢力よりも小さく設定し、これによ
り、検出手段としてのマイクロスイッチ376やMRE
素子446でチャイルドシートが固定されたか否かを検
出できるようにした。 【0118】しかしながら、本発明がこのような検出手
段でチャイルドシートが固定されたか否かを検出する構
成に限定されるものではない。すなわち、上述した板ば
ね404等の付勢手段の付勢力を適宜に設定すれば、設
定した付勢力に応じて一定量以上ウエビングベルト34
0が引き出された否かを検出できることは言うまでもな
い。 【0119】したがって、本発明は、上述したチャイル
ドシートが固定されたか否かを検出以外にも、例えば、
ウエビングベルト340の張力が必要以上(一定値以
上)に大きくなったか否かを検出手段で検出し、ウエビ
ングベルト340の張力が必要以上に大きくなった場合
には所謂テンションリデューサを作動させてウエビング
ベルト340の張力を適宜に調整させる構成としてもよ
い。 【0120】 【発明の効果】以上説明したように、本発明では、ウエ
ビングベルトが一定量以上引き出された際のウエビング
ベルトの張力による装置本体の変位が変位増幅部材の他
端では増幅され、この増幅状態での変位増幅部材の変位
を検出手段が検出するため、検出手段の感度調整を容易
にできる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置
の分解斜視図である。 【図2】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置
の装置本体を構成するベースの平面図である。 【図3】検出部の分解斜視図である。 【図4】検出部の配置部分を拡大したバックル装置の平
面断面図である。 【図5】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置
の側面断面図である。 【図6】ラッチが下降した状態での図5に対応した側面
断面図である。 【図7】装置本体が変位した状態を部分的な側面断面図
である。 【図8】エアバッグ装置と検出手段(マイクロスイッ
チ)の関係を示すブロック図である。 【図9】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置
の図4に対応した平面断面図である。 【図10】エアバッグ装置と検出手段(MRE素子)の
関係を示す回路図とブロック図の混合図である。 【図11】本発明の第3の実施の形態に係るバックル装
置の図5に対応した側面断面図である。 【図12】本発明の第3の実施の形態に係るバックル装
置の変形例の要部を示す分解斜視図である。 【符号の説明】 210 バックル装置 220 ベース(装置本体) 224 アンカプレート(アンカ部材) 330 タングプレート 340 ウエビングベルト 364 レバー(変位増幅部材) 376 マイクロスイッチ(検出手段) 404 板ばね(付勢手段) 440 バックル装置 376 磁気抵抗素子(検出手段) 470 バックル装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 信二 愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 藤本 宰 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3B090 BC05 BC12 BC22

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 所定の収納部位から引き出されて車両乗
    員の身体に装着されることで前記車両乗員の身体を保持
    すると共に、前記収納部位からの引出量に応じて増減す
    る収納付勢力によって前記収納部位への収納方向へ付勢
    されたウエビングベルトに取り付けられたタングプレー
    トを挿入可能な装置本体と、 車両室内の所定位置に取り付けられると共に、前記装置
    本体への前記タングプレートの挿入方向及び当該挿入方
    向とは反対の抜取方向に沿って前記装置本体を所定範囲
    変位可能に支持するアンカ部材と、 前記装置本体の内部に挿入された前記タングプレートに
    対して接離移動可能で、前記タングプレートに対する接
    近移動により前記タングプレートへ係合して前記抜取方
    向への前記タングプレートの移動を制限するラッチと、 前記ウエビングベルトを一定長さ引き出した際に前記ウ
    エビングベルトに付与される前記収納付勢力と同じ付勢
    力を有し、当該付勢力により前記アンカ部材に対して前
    記装置本体を相対的に前記挿入方向へ付勢する付勢手段
    と、 支点から一端までの距離よりも支点から他端までの距離
    が長く、前記支点が直接或いは間接的に前記アンカ部材
    に回転可能に支持されると共に、前記アンカ部材に対す
    る前記装置本体の相対変位量に応じて前記一端が前記支
    点周りに回動する変位増幅部材と、 前記変位増幅部材の前記他端部近傍に配置されて、前記
    変位増幅部材の前記回転に伴う前記他端部の自らに対す
    る接離を検出する検出手段と、 を備えるバックル装置。
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