JP4593847B2 - シートベルト装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動車等の乗り物の座席付近に装備されるウエビング(ベルト)を着脱可能にロックするバックル装置を備えたシートベルト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車等の乗り物の座席には、乗員の安全を図るために、シートベルト装置が取り付けられている。このシートベルト装置には、乗員を拘束するためのウエビングを着脱可能にロックするバックル装置が設けられている。このバックル装置は、タングプレートと、当該タングプレートを係脱可能にロックするバックル本体を有しており、タングプレートがバックル本体に設けられたラッチ部材と係合状態(ロック状態)にある際に、例えば、車両衝突などの緊急時に作動するプリテンショナによってバックルが急激に引き込まれ、その後引込が急停止した時に、慣性力によりタングプレートがバックル内へ押し込まれた場合でも、バックルの機能を損なうことがないよう、タングプレートをバックル本体内の所定位置に保持することが必要であった。
【0003】
このようなバックル装置としては、例えば、特開平2−49605号公報に記載されたものがある。このバックル装置は、タングプレートを受容するベース部材と、当該ベース部材に回動可能に取り付けられたラッチ部材と、当該ラッチ部材に摺動可能に取り付けられ、前記ラッチ部材とタングプレートとの係合状態を保持可能なブロック部材と、前記ベース部材の幅方向(タングプレートの挿脱方向に略垂直な方向)に張り渡された固定棒と、前記ベース部材底面に、その長手方向(タングプレートの挿脱方向)に摺動可能に組み付けられたイジェクタと、前記ラッチ部材とタングプレートとの係合状態を解除する押しボタンと、を備えて構成されている。このバックル装置は、タングプレートをバックル挿入口から挿入すると、当該タングプレートによって前記イジェクタが押し込まれ、このイジェクタの端部によって前記ラッチ部材が回動させられる。ラッチ部材が所定の角度まで回動すると、前記ブロック部材がタングプレート抜脱方向に移動して、前記ラッチ部材とタングプレートとの係合状態を保持するようになっている。このバックル装置の場合、タングプレートの挿入量は、ラッチ部材がタングプレートと係合した時点でラッチ部材の回動が停止するため、最大となり、その位置がタングプレートの挿入規制位置となっている。この時、イジェクタがタングプレートとラッチ部材との間に挟まれて、タングプレートがバックル本体内に完全にロック(ラッチ)された際に、タングプレートがバックル本体内で移動することを防止し、これによって、タングプレートをバックル本体内の所定位置に保持することが可能となる。
【0004】
また、他のバックル装置では、例えば、タングプレートのラッチ部材と係合する係止穴を小さくし、当該係止穴のタングプレート挿入方向後端面と、ラッチ部材とを当接させることで、タングプレートの挿入規制を行う構成を備えたものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平2−49605号公報に記載されたバックル装置は、通常、金属からなるタングプレートとラッチ部材との間に、通常、樹脂からなるイジェクタが挟まれた状態で、タングプレートの挿入規制が行われる。この構成では、タングプレートに大きな押し荷重や衝撃が加わった際に、イジェクタが変形したり、破損することを防止する新たな工夫が必要となる。
【0006】
一方、タングプレートの係止穴とラッチ部材とを当接させる構造のバックル装置は、金属からなるタングプレートとラッチ部材とで押し荷重や衝撃を受けるため、樹脂部品によってこれらを受けるよりも大きな押し荷重や衝撃に耐えることができる。しかしながら、バックル本体にバックルプリテンショナを接続した構造等、より大きな慣性力がバックル装置に加えられた場合でも、ラッチ部材が変形したり、破損することがないよう、この慣性力を十分に受け止めることが可能な強度が必要である。特に、ラッチ部材の前記係止穴と係合する部分が折り曲げ加工によって形成された場合、この係止穴と係合する部分の強度をより強化する必要がある。
【0007】
本発明は、このような従来のバックル装置を改良することを課題とするものであり、大きな慣性力が加えられた場合であっても、部品を変形したり破損することなく、この慣性力を十分に受け止めることが可能なバックル装置を備えたシートベルト装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、タングプレートと、当該タングプレートを係脱可能にロックするバックル本体と、を有するバックル装置を備えたシートベルト装置であって、前記バックル本体は、前記タングプレートを受容するベース部材と、前記ベース部材に支持されて、当該ベース部材に挿入されたタングプレートと係合するラッチ部材と、前記ラッチ部材とタングプレートとの係合状態を保持可能なブロック部材と、前記ラッチ部材とタングプレートとの係合状態を解除するラッチ解除部材と、を備え、前記ラッチ部材とタングプレートが係合した状態で、当該タングプレートがその挿入方向にさらに移動した際に、当該タングプレートの挿入方向先端に当接する当接部を、前記ベース部材に設けたシートベルト装置を提供するものである。
【0009】
本願にかかるバックル装置は、ベース部材に前記当接部を設けた構成を備えているため、前記ラッチ部材とタングプレートが係合した状態で、当該タングプレートがその挿入方向にさらに移動した場合、当該タングプレートの挿入方向先端が前記当接部に当接することになる。したがって、タングプレートがこれ以上挿入方向に移動することが防止され、タングプレートの挿入規制を行うことができる。
【0010】
前記当接部は、前記ベース部材の底面から該ベース部材の内側に向けて突出して構成することができる。
【0011】
また、前記バックル本体は、前記ベース部材の底面に設けられ、かつ前記タングプレートの挿脱によって当該挿脱方向に移動可能なスライダを備え、前記当接部は、当該スライダと干渉しない位置に設けられてなることができる。
【0012】
そしてまた、前記スライダは、前記当接部を回避可能な空間を備えてなることができる。
【0013】
また、本発明にかかるシートベルト装置は、前記バックル本体に接続されたバックルプリテンショナをさらに備えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態にかかるシートベルト装置について図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態にかかるシートベルト装置の概要図、図2は、図1に示すシートベルト装置の構成要素であるバックル装置の平面図、図3は、図2に示すIII−III線に沿った断面図、図4は、図1に示すシートベルト装置の構成要素であるバックル装置の主要部分を示す平面図、図5は、図4に示すV−V線に沿った断面図、図6は、図4に示すVI−VI線に沿った断面図、図7は、図6に示すバックル本体の一部拡大図、図8は、図5に示す状態からタングプレートがバックル本体内に挿入された状態を示す図、図9は、図8に示すバックル装置の一部拡大図である。
【0016】
図1に示すシートベルト装置では、シート2に着座する乗員3は、ウエビング4を装着できるようになっている。このウエビング4は、一端がアンカープレート5で車両側壁6の下部に取付られ、中間部は、タングプレート7、車両側壁6の上方に取付られたスルーリング8に、移動可能に巻きかけられて折り返され、他端側が巻取り装置9に巻き取られている。タングプレート7は、車両中央部に取付けられたバックルプリテンショナ10の先端に設けられたバックル本体11に係合するようになっている。
【0017】
本願にかかるバックル装置1は、図1〜図9に示すように、タングプレート7と、このタングプレート7が挿脱されると共に、挿入されたタングプレート7を係脱可能にロックするバックル本体11と、から構成されている。
【0018】
タングプレート7としては、通常のシートベルト装置に用いられるものが使用でき、一方の先端に、後に詳述するラッチ部材17のラッチ部41が係合する係止穴12が、他方の先端にウエビング4を挿通させるための連結穴13が形成されている。
【0019】
バックル本体11は、フレームとして機能するベース部材14と、タングプレート7の挿脱に応じて移動するスライダ15と、スライダ15をバックル本体11開口側へ付勢するコイルスプリング16と、タングプレート7をロックするラッチ部材17と、ラッチ部材17のロック状態を保持する補助ロックピン19と、補助ロックピン19の位置を制御するホルダ部材20と、ホルダ部材20を付勢するコイルスプリング18と、タングプレート7のロックを解除する解除ボタン21と、解除ボタン21をタングプレート7の抜脱方向に付勢するコイルスプリング22と、このコイルスプリング22の一端を支持するスプリングホルダー23と、これらの部材を収容するロアカバー24及びアッパーカバー25と、を備えて構成されている。
【0020】
ベース部材14は、底面14Aと、これの両側に立設された一対の対向した側壁14B及び14Cとを備えた略コ字状を有している。底面14Aには、スライダ15をタングプレート7の挿脱方向にスライド可能にするための開口部29が設けられている。この開口部29のタング挿入方向(図2〜図5の右側方向、以下、この方向を「右」とする)端部の略中央部には、コイルスプリング16の右方向端部を係止する係止凸部26が形成されている。また、底面14Aの、開口部29の左右方向(長手方向)略中央部両側には、開口部29の開口端面に沿って、ベース部材14の内側に向けて突出した当接部27B及び27Cが形成されている。この当接部27B及び27Cは、後に詳述するが、ラッチ部材17とタングプレート7とが係合した状態で、タングプレート7がその挿入方向(右側)にさらに移動した際に、タングプレート7の右側先端(挿入方向先端)に当接可能となる位置に形成されている。
【0021】
側壁14B及び14Cの略中央部には、補助ロックピン19の両端を、左右方向に移動可能に支持する水平方向に長い窓33B及び33Cが開口されている。また、窓33B及び33Cの下方には、後に詳述する解除ボタン21のアーム62B及び62Cの内側に形成された爪63B及び63Cを移動可能に支持する支持穴34B及び34Cが形成されている。さらにまた、窓33B及び33Cの右側には、後に詳述するラッチ部材17の右側端部の両側に形成された支持部46B及び46Cが揺動可能に挿入・支持される挿入穴36B及び36Cが形成されている。
【0022】
スライダ15は、断面略コ字状を備えており、略平板状の上板37と、上板37の下面に設けられた断面L字状の下部38との間に形成された凹部39に、コイルスプリング16の左端を保持する構成となっている。なお、コイルスプリング16の右端は、底面14Aの係止凸部26に固定される。また、下部38の左側には、ラッチ部材17とタングプレート7とが係合し、スライダ15が右側へ押し込まれた際に、当接部27B及び27Cに干渉しないよう当接部27B及び27Cが収納される溝35B及び35C(図4、図6及び図7参照)が形成されている。
【0023】
このスライダ15は、下部38がベース部材14の開口部29に嵌められて、左右方向(タングプレート7の抜脱方向)にスライド自在に支持される。そして、タングプレート7をバックル本体11に挿入した際に、タングプレート7の先端に押され、コイルスプリング16の付勢力に逆らって、右方向にスライドされ、後に詳述するラッチ部材17の両端部下端に設けられた脚44B及び44Cを押圧してラッチ部材17を反時計回り(タングプレート7をロックする方向)に回転させる。一方、タングプレート7が抜脱された際には、コイルスプリング16の付勢力によって、スライダ15は左方向に戻される。
【0024】
ラッチ部材17の左側には、タングプレート7がバックル本体11に挿入された際に、タングプレート7のラッチ穴12に挿入されてタングプレート7をロックするラッチ部41が、下方に向けて延出形成されている。ラッチ部材17の右端部には、上方に向けて突出した当接部43が形成されており、この当接部43の略中央部には、後に詳述するシャフト47が貫通可能な開口部49が形成されている。
【0025】
ラッチ部41の後方側(右側)には、後に詳述する補助ロックピン19に当接可能な支持面42が形成されている。また、ラッチ部材17の右側端部の両側には、側壁14B及び14Cの挿入穴36B及び36Cに揺動(回転)自在に支持される支持部46B及び46Cが突設されている。すなわち、ラッチ部材17は、支持部46B及び46Cを支点として揺動し、タングプレート7をロックするロック位置あるいはロックを解除する非ロック位置への移動を行う。また、ラッチ部材17の右側端部の両側には、下方に向けて延出された脚44B及び44Cが設けられており、この脚44B及び44Cには、前述したように、スライダ15が押圧可能である。
【0026】
ホルダ部材20は、本体51と、本体51の右側端部の略中央部に形成されたシャフト47と、を備えて構成されている。
【0027】
本体51は、左側が湾曲面54となっており、本体51の右側幅方向両端面には、下方に向けて突出した爪部58B及び58Cが、それぞれ形成されている。そして、この両爪部58B及び58Cが、ラッチ部材17の底面に摺動可能に係合するようになっている。すなわち、ホルダ部材20は、この両爪部58B及び58Cによって、ラッチ部材17を抱え込むように配置されている。この本体51は、下方が解放されており、両側には、後に詳述する補助ロックピン19が移動可能に挿入される支持穴57B及び57Cが開口されている。この支持穴57B及び57Cを貫通した補助ロックピン19の両端部は、窓33B及び33Cに、左右方向に移動可能に挿入される。
【0028】
ここで、支持穴57B及び57Cは、タングプレート7が挿入されていない段階では、ホルダ部材20がコイルスプリング18によって左側に付勢されているため、補助ロックピン19は、支持穴57B及び57Cと、窓33B及び33Cの右側端部に位置し、支持穴57B及び57Cは、窓33B及び33Cに対し、傾斜した状態、すなわち所定の角度を持って配置されることになる。
【0029】
シャフト47は、右側先端が、左側先端より径が細くなるよう構成されている。シャフト47には、コイルスプリング18が挿入され、このシャフト47の存在によって、コイルスプリング18は、伸縮する際に、曲がったり、折れたりすることが防止される。シャフト47の径が小さい部分は、ラッチ部材17の当接部43に形成された開口部49を進退自在に貫通することができるようになっている。また、シャフト47の径の大きい部分は、開口部49の径より大きい径を有している。このように、ホルダ部材20は、シャフト47が、ラッチ部材17の開口部49を進退可能に貫通し、爪部58B及び58Cが、ラッチ部材17を抱え込むように摺動可能にラッチ部材17に係合しているため、ラッチ部材17の移動に応じて、ラッチ部材17上を摺動することができる。
【0030】
スプリングホルダ23は、その両側が側壁14B及び14Cに固定され、その略中央部には、コイルスプリング22の右側端部を固定する固定凸部28が形成されている。
【0031】
解除ボタン21は、使用者が押圧可能な操作部61と、操作部61の両側に右方向に向けて水平に延出されたアーム62B及び62Cを備えている。この解除ボタン21は、アーム62B及び62Cが、側壁14B及び14Cにスライド可能に支持されて、左右方向に移動する。
【0032】
操作部61の内側の面であって、その略中央部には、コイルスプリング22を保持する保持部64が形成されている。この保持部64に保持されたコイルスプリング22の右端は、スプリングホルダ23の固定凸部28に固定されているため、解除ボタン21は、コイルスプリング22によって、常に左方向に付勢されている。
【0033】
次に、本実施の形態1にかかるシートベルト装置の構成要素であるバックル装置1の具体的動作について説明する。
【0034】
タングプレート7がバックル本体11に挿入されておらず、ラッチ部材17が非ロック位置にある際は、図2及び図3に示すように、スライダ15は、コイルスプリング16の付勢力により左側に置かれている。
【0035】
また、ホルダ部材20は、コイルスプリング18により左側斜め上方向に付勢され、ホルダ部材20の支持穴57B及び57Cと、側壁14B及び14Cの窓33B及び33Cは、互いにある角度をもって配置されている。
【0036】
そしてまた、補助ロックピン19は、支持穴57B及び57Cの右側端、並びに窓33B及び33Cの右側端に位置している。この時、ラッチ部材17は、コイルスプリング18の付勢力により、ラッチ部41が上方に位置する状態を維持可能となっており、補助ロックピン19は、ラッチ部材17には接触していない。
【0037】
タングプレート7をバックル本体11にロックするには、先ず、タングプレート7をバックル本体11内に挿入させる。この時、タングプレート7の先端がスライダ15を右側に移動させ、コイルスプリング16を押し縮める。スライダ15がラッチ部材17の脚44B及び44Cに当接すると、ラッチ部材17は、支持部46B及び46Cを支点としてロック位置方向(図に示す反時計方向)に回転し始める。この動作に伴って、ホルダ部材20は、コイルスプリング18の付勢力によって、左側に移動する。また、補助ロックピン19は、支持穴57B及び57Cの上部面に押されて、側壁14B及び14Cの窓33B及び33C内を左側に移動し始める。すなわち、補助ロックピン19は、支持穴57B及び57Cと、窓33B及び33Cとのカム作用によって前記移動を行う。その後、補助ロックピン19は、ホルダ部材20の支持穴57B及び57Cの左側端、並びに窓33B及び33Cの左側端に移動し、ラッチ部材17はロック位置に移動してタングプレート7をロックする。(図8及び図9参照)この右側に移動したスライダ15は、溝35B及び35Cの存在によって、当接部27B及び27Cに干渉することがない。
【0038】
この通常のロック状態から、例えば、車両衝突などによって、衝撃が加えられると、バックルプリテンショナ10が作動し、バックル本体11を引き込む。このバックル本体11の引込が停止した際に、バックル装置1に慣性力が働き、タングプレート7がバックル本体11に対し相対的に移動してバックル本体11内に押し込まれようとするが、タングプレート7の右側先端が、ベース部材14に形成された当接部27B及び27Cに当接するため、タングプレート7がこれ以上、挿入方向(右側)に挿入されることが阻止される。これにより、タングプレート7の挿入規制を行うことができる。
【0039】
ここで、当接部27B及び27Cは、ベース部材14と同様に、金属部材から構成されており、変形、破損することなく、安定したタングプレート7の挿入規制を行うことができる。
【0040】
なお、バックル本体11からタングプレート7を抜き取る際には、解除ボタン21を右側に押し込めば、ホルダ部材20が右側に移動し、このホルダ部材20を介して補助ロックピン19が押されて右側に移動する。これと同時に、ラッチ部材17は、コイルスプリング18の付勢力によって、支持部46B及び46Cを支点として、非ロック位置方向(時計方向)に回転して、非ロック位置に移動し、タングプレート7のロックを解除する。
【0041】
なお、本実施の形態では、当接部27B及び27Cをベース部材14の底面14Aからベース部材14の内側に向けて突出させて形成した場合について説明したが、これに限らず、バックル装置としての機能に支障がなく、かつラッチ部材17とタングプレート7が係合した状態で、このタングプレート7がその挿入方向にさらに移動した際に、タングプレート7の挿入方向先端に当接して、タングプレート7の挿入規制を行うことが可能であれば、当接部は他の部分に設けてもよい。また、その形状や突出状態等も任意に決定してよい。
【0042】
また、本実施の形態では、バックル本体11に接続されたバックルプリテンショナ10を備えたシートベルト装置について説明したが、これに限らず、バックルプリテンショナを備えていないシートベルト装置にも適用可能であることは勿論である。
【0043】
また、前述した実施の形態は一例であり、本発明は、例えば、特公昭63−59681号公報等に記載されているような、形状の異なるラッチ部材を備えたバックル装置等にも適用できることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかるシートベルト装置は、バックル装置において、ラッチ部材とタングプレートが係合した状態で、当該タングプレートがその挿入方向にさらに移動した際に、当該タングプレートの挿入方向先端に当接する当接部をベース部材に設けた構造を有している。このため、バックル装置に大きな衝撃力や押し荷重等が加えられた場合であっても、タングプレートがこれ以上挿入方向に移動することが防止することができる。この結果、バックル装置としての機能を損なうことなく、かつバックル装置構成部品の変形や破損が生じることなく、タングプレートの挿入規制を安定して行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の本実施の形態にかかるシートベルト装置の概要図である。
【図2】図1に示すシートベルト装置の構成要素であるバックル装置の平面図である。
【図3】図2に示すIII−III線に沿った断面図である。
【図4】図1に示すシートベルト装置の構成要素であるバックル装置の主要部分を示す平面図である。
【図5】図4に示すV−V線に沿った断面図である。
【図6】図4に示すVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図6に示すバックル本体の一部拡大図である。
【図8】図5に示す状態からタングプレートがバックル本体内に挿入された状態を示す図である。
【図9】図8に示すバックル装置の一部拡大図である。
【符号の説明】
1 バックル装置
10 バックルプリテンショナ
11 バックル本体
14 ベース部材
15 スライダ
17 ラッチ部材
19 補助ロックピン
21 解除ボタン
27B、27C 当接部
35B、35C 溝

Claims (4)

  1. タングプレートと、当該タングプレートを係脱可能にロックするバックル本体と、を有するバックル装置を備えたシートベルト装置であって、
    前記バックル本体は、
    前記タングプレートを受容するベース部材と、
    前記ベース部材に支持されて、当該ベース部材に挿入されたタングプレートと係合するラッチ部材と、
    前記ラッチ部材とタングプレートとの係合状態を保持可能なブロック部材と、
    前記ラッチ部材とタングプレートとの係合状態を解除するラッチ解除部材と、
    前記バックル本体に接続されバックルプリテンショナと、
    を備え、
    前記ラッチ部材とタングプレートが係合した状態で、前記バックルプリテンショナが作動して前記バックル本体を引き込み、この引き込みが停止し、慣性力により当該タングプレートがその挿入方向にさらに移動した際に、当該タングプレートの挿入方向先端に当接する当接部を、前記ベース部材に設けたシートベルト装置。
  2. 前記当接部は、前記ベース部材の底面から該ベース部材の内側に向けて突出してなる請求項1記載のシートベルト装置。
  3. 前記バックル本体は、前記ベース部材の底面に設けられ、かつ前記タングプレートの挿脱によって当該挿脱方向に移動可能なスライダを備え、前記当接部は、当該スライダと干渉しない位置に設けられてなる請求項1または請求項2記載のシートベルト装置。
  4. 前記スライダは、前記当接部を回避可能な空間を備えてなる請求項3記載のシートベルト装置。
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