JP2003063353A - バックル装置 - Google Patents

バックル装置

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JP2003063353A JP2001256789A JP2001256789A JP2003063353A JP 2003063353 A JP2003063353 A JP 2003063353A JP 2001256789 A JP2001256789 A JP 2001256789A JP 2001256789 A JP2001256789 A JP 2001256789A JP 2003063353 A JP2003063353 A JP 2003063353A
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晃幸 神川
Takayuki Hara
貴之 原
Taiji Nishibe
泰司 西部
Katsuya Ogiso
克也 小木曽
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャイルドシートが取り付けられたか否かを
容易に且つ確実に判定できる機構を有したバックル装置
を得る。 【解決手段】 本バックル装置212では、ラッチ25
0に永久磁石358が取り付けられており、チャイルド
シートが取り付けられた際にウエビングベルトに作用す
る比較的に大きなテンションでタングプレート330が
引っ張られ、これに伴い、ラッチ250が移動すると永
久磁石358が共に変位する。永久磁石358の変位は
MRE素子360により検出され、これにより、チャイ
ルドシートが取り付けられたことを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のシートベル
ト装置に用いられるタングプレート固定用のバックル装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の座席に着座した乗員の身体を拘束
するためのシートベルト装置を構成するウエビングベル
トは、その長手方向一方の端部が例えば座席側方に設け
られた巻取装置の巻取軸に係止されており、他端がこの
巻取装置の近傍に設けられたアンカプレートに固定され
ている。また、ウエビングベルトの長手方向中間部は巻
取装置の上方、例えば、車両のセンタピラーの上端側に
てスルーアンカに形成された挿通孔を貫通して下方側へ
折り返されている。
【0003】このスルーアンカでの折り返し部分と他端
との間でウエビングベルトはタングプレートの挿通孔を
貫通しており、タングプレートを引っ張ることで巻取装
置の巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出さ
れ、座席を介して巻取装置とは反対側に設けられたバッ
クル装置へタングプレートを連結させることで、ウエビ
ングベルトの装着状態となる構成である。
【0004】一方で、一定年齢に満たない幼児や子供を
車両に乗せる場合には、車両に所謂チャイルドシートを
取り付け、このチャイルドシートに幼児や子供を乗せる
ことが義務付けられている。
【0005】この種のチャイルドシートの車両への取付
構造としては、チャイルドシートを座席に搭載すると共
に、上述したウエビングベルトをチャイルドシートに係
合させて連結し、上記のようにバックル装置へタングプ
レートを連結させることで、チャイルドシートを固定す
る構造がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の車両
には、上述したシートベルト装置に加え、車両急減速時
に袋体を車両乗員の前方側へ膨張展開させて、車両急減
速時における慣性で車両前方側へ移動しようとする乗員
を袋体で受け止める所謂エアバッグ装置が搭載されてい
る。この種のエアバッグ装置が搭載されている車両にお
いては、上記のように車両座席にチャイルドシートを取
り付けた場合には、当該座席に対応したエアバッグ装置
を作動させないことが好ましい。
【0007】チャイルドシートが取り付けられた際にエ
アバッグ装置を作動させない機構としては、車両座席に
荷重センサを取り付けて座席に作用する荷重に基づいて
一般の乗員が座席に着座したか、チャイルドシートが取
り付けられたかを判定し、この判定結果に基づいてエア
バッグ装置を制御する方法がある。
【0008】しかしながら、座席に着座する乗員の体重
には大きなばらつきがあることを考えると、上述したよ
うな座席に作用する荷重に基づいてチャイルドシートが
取り付けられたか否かを判定する方法では、その判定基
準となる閾値を設定することが困難である。
【0009】本発明は、上記事実を考慮して、チャイル
ドシートが取り付けられたか否かを容易に且つ確実に判
定できる機構を有したバックル装置を得ることが目的で
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のバックル
装置は、乗員の身体に装着されることで前記乗員の身体
を保持するウエビングベルトに取り付けられたタングプ
レートを挿入可能な装置本体と、前記装置本体の内部に
挿入された前記タングプレートに対して接離移動可能で
且つ前記装置本体への前記タングプレートの挿入方向及
びその反対の抜取方向へ所定範囲変位可能に前記装置本
体に支持され、前記タングプレートに対する接近移動に
より前記タングプレートへ係合して前記抜取方向への前
記タングプレートの移動を制限するラッチと、前記ラッ
チに一体的若しくは前記ラッチの移動に連動して変位す
る移動体と、所定の大きさの付勢力で前記挿入方向に前
記ラッチを付勢する付勢手段と、前記装置本体に設けら
れ、前記移動体の変位量を直接或いは間接的に検出する
移動体検出手段と、前記移動体検出手段が検出した前記
移動体の変位量に基づき、前記ウエビングベルトに作用
するテンションを算出して、算出した前記テンションに
基づき前記ウエビングベルトによって前記チャイルドシ
ートが取り付けられたか否かを判定する判定手段と、を
備えている。
【0011】上記構成のバックル装置によれば、車両乗
員が例えば自らの身体の前方側へウエビングベルトを掛
け回した状態でタングプレートを装置本体内に挿入し、
更に、この状態で装置本体内のラッチがタングプレート
に係合すると装置本体から抜け出る抜取方向へのタング
プレートの移動がラッチによって規制され、これによ
り、ウエビングベルトの装着状態となり、乗員の身体が
ウエビングベルトにより拘束(保持)される。
【0012】一方、チャイルドシートを座席上に載置
し、チャイルドシートの所定位置に設けられた係合部に
ウエビングベルトを係合させた状態でタングプレートを
装置本体に挿入し、ラッチによって抜取方向へのタング
プレートの移動を制限させることにより、チャイルドシ
ートがウエビングベルトにより座席に固定される(すな
わち、ウエビングベルトによってチャイルドシートが保
持される)。
【0013】ところで、ウエビングベルトは、通常、そ
の基端側がウエビング巻取装置の巻取軸に巻き取られて
いる。また、ウエビング巻取装置を構成する巻取軸は、
ばね等の付勢手段によってウエビングベルトを巻き取る
方向へ付勢されている。
【0014】したがって、ウエビングベルトには常時テ
ンションが作用し、このテンションによって装置本体内
に挿入されたタングプレートは、装置本体内から抜き取
られる際の抜取方向への外力を受け、更に、この外力
(テンション)を受けたタングプレートは、タングプレ
ートに係合しているラッチを伴おうとする。
【0015】なお、ラッチは抜取方向へ所定量移動可能
であるため、この所定量の範囲ならばラッチはタングプ
レートに伴われて移動できる。
【0016】但し、ラッチは付勢手段の付勢力によって
タングプレートの挿入方向へ付勢されているため、上記
のテンション及びテンションと同じ方向に作用するテン
ション以外の外力の総和と、付勢手段の付勢力とがバラ
ンスする位置までしかラッチは移動できない。
【0017】ここで、一般的にウエビングベルトにより
座席に直接着座した乗員を拘束する場合と、ウエビング
ベルトによりチャイルドシートを座席に取り付けた場合
とでは、上述したテンションの大きさには明確な差異が
生じる。したがって、テンションが大きければタングプ
レートに伴われてのラッチの移動量は大きくなり、テン
ションが小さければタングプレートに伴われてのラッチ
の移動量は小さくなる。
【0018】このようにしてテンションの作用でラッチ
が移動すると、ラッチと一体若しくは連動して移動体が
変位する。この移動体の変位量は移動体検出手段により
検出される。
【0019】この移動体検出手段が検出した移動体の変
位量に基づき、判定手段ではウエビングベルトに作用す
るテンション、すなわち、タングプレートに作用するテ
ンションが算出され、算出したテンションに基いてウエ
ビングベルトによりチャイルドシートが取り付けられた
か否かが判定される。
【0020】このように、本発明では、チャイルドシー
トが取り付けられた場合と、直接座席に着座した乗員を
拘束する場合とで明確に差異が生じるウエビングベルト
に作用するテンションに基づいてチャイルドシートが座
席に取り付けられたか否かが判定されるため、確実にチ
ャイルドシートが座席に取り付けられたか否かを判定で
きる。
【0021】請求項2記載のバックル装置は、請求項1
記載の本発明において、前記ラッチの移動に一体的若し
くは前記ラッチの移動に連動して変位する永久磁石を前
記移動体とし、前記永久磁石が形成する磁界の変動を検
出する磁気センサを前記移動体検出手段とする、ことを
特徴としている。
【0022】上記構成のバックル装置では、ラッチの移
動に一体若しくは連動して移動体としての永久磁石が変
位する。この永久磁石は、その周囲に磁界を形成する
が、ラッチの移動に一体若しくは連動して永久磁石が変
位することで磁界に変動が生じる。この磁界の変動は、
移動体検出手段としての磁気センサにより検出され、こ
の磁界の変動の検出に基づいて永久磁石の変位が検出さ
れる。
【0023】ここで、本発明では、永久磁石が変位する
際の磁界の変動を検出する構成であるが、このように、
磁界の変動を検出する構成とすることで、移動体検出手
段と移動体とを直接接触させなくてもよくなる。これに
より、移動体や移動体検出手段の磨耗等による検出精度
の低下等のおそれがなく、長期に亘り安定してチャイル
ドシートが取り付けられたか否かを正確に検出できる。
【0024】
【発明の実施の形態】<第1の実施の形態の構成>図1
には本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置21
2の構造が分解斜視図により示されており、図4には本
バックル装置212の構造が断面図により示されてい
る。
【0025】(バックル装置212の全体構成)図4に
示されるように、バックル装置212はケース214を
備えている。ケース214は長手方向両端が開口した箱
形の筒状部材とされており、その長手方向一端側の開口
はアンカ挿入口216とされ、長手方向他端側の開口は
タング挿入口218とされている。また、このケース2
14の内側には装置本体を構成するベース220が収容
されている。
【0026】ベース220は底壁222を備えている。
底壁222はケース214の長手方向に沿って長手とさ
れた平板状に形成されている。底壁222の長手方向一
端側には略板状のアンカプレート224が重ね合わされ
ており、底壁222に形成された透孔226とアンカプ
レート224に形成された透孔228とを貫通するリベ
ット230により底壁222とアンカプレート224と
が機械的に連結されている。アンカプレート224はそ
の他端側が車両の座席の側方で車体(何れも図示省略)
に固定されており、これにより本バックル装置212が
車両に取り付けられている。
【0027】一方、底壁222の幅方向両端部からは底
壁222の厚さ方向に側壁232が立設されており、こ
れらの側壁232の間にはイジェクタ234が配置され
ている。イジェクタ234の一部は底壁222に形成さ
れたガイド孔236に係合しており、ガイド孔236に
沿って底壁222の長手方向に所定範囲スライド可能と
されている。
【0028】また、図2に示されるように、底壁222
の一方の側でのガイド孔236の端部からは係合突起2
38が突出形成されており、圧縮コイルスプリング24
0の一端が係止されている。圧縮コイルスプリング24
0の他端はイジェクタ234の一端へ圧接されており、
圧縮コイルスプリング240の付勢力によりイジェクタ
234は底壁222の長手方向他端側へ付勢されてい
る。
【0029】一方、図1及び図4に示されるように、バ
ックル装置212はラッチ250を備えている。ラッチ
250は基部252を備えている。ラッチ250の姿勢
にもよるが、概ね基部252は両側壁232の対向方向
に沿って長手方向とされ、底壁222の長手方向に沿っ
て厚さ方向とされた平板状に形成されており、その長手
方向両端部は両側壁232に形成された孔部254に入
り込んでいる。孔部254は底壁222とは反対側へ向
けて漸次内幅が広くなるテーパ状に形成されており、基
部252(すなわち、ラッチ250)は孔部254の内
周部に干渉されるまで基部252の長手方向に移動可能
で且つ基部252の長手方向を軸方向として所定角度回
動可能に支持されている。
【0030】また、基部252の長手方向中間部側の幅
方向一端からは、基部252の幅方向一方へ向けて平板
状の連結部256が延出されており、更に、連結部25
6の基部252とは反対側からは、底壁222側へ向け
て係合片258が延出されている。係合片258の先端
部(より詳細に言えば、連結部256との連結部分側と
は反対側の端部)は、底壁222に形成された貫通孔2
60に対応しており、ラッチ250が変位することによ
り係合片258が貫通孔260に入り込むことができ
る。
【0031】また、ラッチ250の係合片258の先端
部に対応して上述したイジェクタ234厚さ方向一方
(底壁222とは反対側)の面には載置片262が一体
的に設けられている。上述したように、イジェクタ23
4は圧縮コイルスプリング240の付勢力が作用してい
る。但し、基本的に圧縮コイルスプリング240の付勢
力以外の外力が作用していない状態での到達位置にイジ
ェクタ234が位置している状態(図4参照)で、概
ね、底壁222の厚さ方向に沿って係合片258の先端
部と対向するように載置片262が設けられており、係
合片258の先端部との対向状態で載置片262は係合
片258の先端部に干渉して底壁222へ接近する方向
への係合片258の移動(すなわち、ラッチ250の移
動)を規制する。
【0032】さらに、基部252の長手方向両端側から
はストッパ264が延出されている。ストッパ264
は、先端側が圧縮コイルスプリング240の付勢力に抗
したイジェクタ234のスライド軌跡上に位置するよう
に形成されており、圧縮コイルスプリング240の付勢
力に抗してイジェクタ234が所定距離スライドする
と、イジェクタ234がストッパ264に当接する。
【0033】一方、連結部256を介して底壁222と
は反対側にはロック部材270が配置されている。ロッ
ク部材270は基部272を備えている。基部272は
両側壁232の対向方向に沿って長手方向とされた略角
棒状とされている。
【0034】基部272の両端部は両側壁232に形成
された係合孔274に入り込んでいる。係合孔274は
貫通孔260よりも側壁232の長手方向他端側に形成
されており、基部272は自らの長手方向を軸周りに回
動可能に側壁232に支持されている。基部252の長
手方向両端側には一対の略扇状のロック片276が形成
されている。ロック片276はラッチ250の連結部2
56の幅方向両端部から延出された当接片278に対応
しており、ロック片276は当接片278に当接してい
る。
【0035】また、基部272の長手方向中間部には当
接部280が形成されている。当接部280はラッチ2
50の係合片258が底壁222から離間した状態(図
4参照)で係合片258に当接する。
【0036】一方、図1及び図4に示されるように、バ
ックル装置212は解除ボタン290を備えている。解
除ボタン290は操作用の押圧部292を備えている。
押圧部292は押圧面が底壁222の長手方向他端側へ
向いた板状で、両側壁232の対向方向に沿って長手方
向とされている。
【0037】押圧部292の長手方向両端近傍からは底
壁222の長手方向一端側へ向けて側壁294が延出さ
れている。これらの側壁294は上述した側壁232の
対向方向に沿って互いに対向していると共に、側壁29
4は底壁222とは反対側の端部が上壁296により連
結されており、全体的には底壁222へ向けて開口した
凹形状とされている。
【0038】両側壁294の押圧部292とは反対側の
端部からはそれぞれアーム298が側壁294の対向方
向に沿って互いに対向するように延出されている。両ア
ーム298の先端部には他方のアーム298へ向けて係
合突起300が形成されている。
【0039】これらの係合突起300は側壁232に形
成されたガイド孔302に入り込んでいる。ガイド孔3
02は底壁222の長手方向に沿って長手の長孔とされ
ている。この係合突起300はガイド孔302の内周部
によって底壁222の長手方向に沿って所定範囲変位可
能とされており、これにより、このガイド孔302によ
り解除ボタン290の移動方向が底壁222の長手方向
に規制されている。
【0040】また、押圧部292とロック部材270と
の間には、ストッパ310が配置されている。このスト
ッパ310は、側壁294の対向方向に沿って長手方向
とされた板状の基部312を備えている。
【0041】基部312の長手方向両端側には、基部3
12の長手方向に沿ってみた場合に底壁222へ向けて
開口した凹形状の一対の係合片314が形成されてお
り、これらの係合片314が上述したロック部材270
の基部272に係合することでストッパ310がロック
部材270に支持されている。
【0042】さらに、ストッパ310の両係合片314
の近傍には上述した解除ボタン290の係合突起300
へ干渉可能に干渉部316が形成されている。
【0043】また、ストッパ310と解除ボタン290
の押圧部292との間には、圧縮コイルスプリング31
8が配置されている。圧縮コイルスプリング318の一
端は押圧部292の押圧面とは反対側へ当接している。
これに対して圧縮コイルスプリング318の他端はスト
ッパ310の基部312に当接している。ストッパ31
0を押圧部292から離間させる方向へ付勢している。
【0044】(タングプレート330の構成)一方、上
述した側壁232の間には底壁222の長手方向他端側
からタングプレート330が挿入される。図1に示され
るように、タングプレート330は金属板材により形成
された基部332を備えている。基部332にはタング
プレート330が側壁232の間に挿入された状態で側
壁232の対向方向に沿って長手となるスリット孔33
4が形成されており、図示しない長尺帯状のウエビング
ベルトの長手方向中間部が挿通される。
【0045】また、基部332には挿入板部336が形
成されている。挿入板部336は幅寸法が側壁232の
間隔よりも小さく、実際にはタングプレート330のう
ち、この挿入板部336が側壁232の間に挿入され
る。
【0046】挿入板部336には厚さ方向に貫通した貫
通孔338が形成されており、挿入板部336が側壁2
32の間で底壁222の長手方向一端側の所定位置に達
した状態では、上述した係合片258が貫通可能とな
り、貫通孔338に係合片258が貫通することで、バ
ックル装置212からのタングプレート330の抜き取
りが規制されるようになっている。
【0047】ところで、図1に示されるように、上述し
たラッチ250の連結部256及び係合片258には底
壁222の長手方向他端側へ向けて開口したガイド孔3
40が形成されており、このガイド孔340の内側に
は、連結部256及び係合片258に対応した側面視略
L字形状のチャイルドシート検出装置210を構成する
スライダ350が配置されている。
【0048】図3に示されるように、スライダ350の
幅方向両端部からはスライダ350の本体部分よりも薄
肉の突出部352が突出形成されており、ガイド孔34
0の内側に形成されたガイド溝354に入り込んでい
る。これにより、スライダ350は連結部256の長手
方向に沿って所定量スライド可能とされている。
【0049】また、図1及び図5に示されるように、ガ
イド孔340の底壁356とスライダ350との間には
圧縮コイルスプリング370が配置されており、連結部
256の長手方向に沿ってスライダ350をガイド孔3
40の底壁356から離間させる方向へ付勢している。
このため、通常はこの圧縮コイルスプリング370の付
勢力によってスライダ350が係合片258よりも底壁
222の長手方向他端側へ突出している。
【0050】さらに、図4に示されるように、連結部2
56の裏面(底壁222と対向する側の面)には移動体
としての永久磁石358が一体的に固着されており、そ
の周囲に所定の磁界を形成している。
【0051】一方、図1及び図4に示されるように底壁
222の裏面側には、磁気センサ若しくは移動体検出手
段としてのMRE素子(磁気抵抗素子)360が固定さ
れている。図7に示されるように、このMRE素子36
0は車両の適宜位置に取り付けられた判定手段としての
コンピュータ362へ電気的に接続されており、MRE
素子360から出力された信号をコンピュータ362へ
入力できるようになっている。
【0052】また、コンピュータ362はエアバッグ装
置364へ電気的に接続されており、コンピュータ36
2からの制御によりエアバッグ装置364は作動可能若
しくは作動不能の何れかな状態とされる。
【0053】<第1の実施の形態の作用、効果>次に、
本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
【0054】(バックル装置212の基本動作)本バッ
クル装置212では図4に示される非装着状態でタング
プレート330の挿入板部336をケース214のタン
グ挿入口218から挿入すると、挿入板部336の先端
部がイジェクタ234の端部に当接して押圧し、圧縮コ
イルスプリング240の付勢力に抗してイジェクタ23
4を底壁222の長手方向一端側へスライドさせる。
【0055】イジェクタ234が底壁222の長手方向
一端側へ所定量スライドすると、イジェクタ234の載
置片262とラッチ250の係合片258との対向状態
が解除されると共に、イジェクタ234がラッチ250
のストッパ264を押圧して、ラッチ250を回動させ
る。これにより、係合片258の先端部が底壁222へ
接近移動する。
【0056】また、この状態では、挿入板部336の貫
通孔338と、底壁222に形成された貫通孔260と
が重なり合う。したがって、この状態では図5に示され
るように回動した係合片258が挿入板部336の貫通
孔338と底壁222の貫通孔260を貫通する。
【0057】さらに、ラッチ250が回動することで、
ラッチ250のガイド孔340に設けられたスライダ3
50も回動し、スライダ350の先端部が挿入板部33
6の貫通孔338と底壁222の貫通孔260を貫通す
る。
【0058】また、ラッチ250が回動することで、ラ
ッチ250の係合片258とロック部材270の当接部
280との当接状態が解除される。ここで、ロック片2
76はストッパ310を介して圧縮コイルスプリング3
18の付勢力を受けるため、ラッチ250の回動に連動
するように圧縮コイルスプリング318の付勢力でロッ
ク部材270が回動し、ロック片276がラッチ250
の当接片278に当接し、これにより、係合片258が
底壁222から離間する方向へのラッチ250の回動が
規制され、バックル装置212に対するタングプレート
330の装着状態となる。
【0059】このタングプレート330の装着状態で
は、イジェクタ234を介して圧縮コイルスプリング2
40の付勢力がタングプレート330に作用するため、
この圧縮コイルスプリング240の付勢力はタングプレ
ート330を本バックル装置212から抜き取る抜取方
向に作用するため、貫通孔338の内周部のうち、イジ
ェクタ234側の端部が係合片258に当接する。
【0060】また、イジェクタ234は、底壁222の
長手方向に沿っても所定量変位可能であるため、イジェ
クタ234及びタングプレート330を介して圧縮コイ
ルスプリング240の付勢力を受けることにより、底壁
222の長手方向他端側へ変位する。これにより、圧縮
コイルスプリング370の付勢力で係合片258よりも
底壁222の長手方向他端側へ突出しているスライダ3
50が貫通孔260の内周部のうち、底壁222の長手
方向他端側の部分へ当接する。
【0061】ここで、スライダ350が貫通孔260の
内周部へ当接した状態では、係合片258と貫通孔26
0の内周部のうち、底壁222の長手方向他端側の部分
との間に隙間が形成され、この隙間分だけラッチ250
は底壁222の長手方向他端側へ移動可能である。
【0062】しかしながら、スライダ350が貫通孔2
60の内周部に当接した状態では、スライダ350を付
勢する圧縮コイルスプリング370の付勢力が圧縮コイ
ルスプリング240の付勢力とは反対方向にラッチ25
0の連結部256に作用するため、基本的には、ラッチ
250は一定の位置から底壁222の長手方向他端側へ
は移動せず、圧縮コイルスプリング370の付勢力と圧
縮コイルスプリング240の付勢力とがバランスする位
置で停止する。
【0063】このタングプレート330の装着状態が、
座席に着座した乗員の前方にウエビングベルトが位置す
るようにウエビングベルトを引っ張ってからのタングプ
レート330の装着状態であれば、これはウエビングベ
ルトによる「身体拘束状態」となり、ウエビングベルト
が乗員を拘束する。
【0064】これに対して、ウエビングベルトを引っ張
り図示しないチャイルドシートの所定の係合部位にウエ
ビングベルトを係合させてからのタングプレート330
の装着状態であれば、これは「チャイルドシート取付状
態」となり、ウエビングベルトによってチャイルドシー
トが座席に固定される。
【0065】(本実施の形態の特徴的な作用、効果)以
上のように、ラッチ250が回動して係合片258が貫
通孔260、338を貫通することでタングプレート3
30の装着状態になるが、係合片258が底壁222へ
接近する方向へラッチ250が回動することで、ラッチ
250の連結部256に取り付けられた永久磁石358
も一体的に回動する。これにより、ケース214内にお
ける永久磁石358が形成する磁界が変動する。磁界が
変動することで磁界を構成する磁力線のうち、MRE素
子360を横切る磁力線の向きも変わる。
【0066】MRE素子360は自らを横切る磁力線の
向きが変わると、これに伴い電気抵抗値が変化する。上
記のように、MRE素子360はコンピュータ362に
接続されているため、MRE素子360の電気抵抗値が
変化したことはコンピュータ362により検出される。
このときのMRE素子360の電気抵抗値が変化したこ
とを検出することでコンピュータ362はタングプレー
ト330の装着状態であると判定する。
【0067】ところで、一般的に、上記の身体拘束状態
とチャイルドシート取付状態とでは、ウエビングベルト
を巻き取るウエビングベルト巻取装置からのウエビング
ベルトの引出量が異なり、身体拘束状態に比べてチャイ
ルドシート取付状態の方が引出量は多い。上記のウエビ
ングベルト巻取装置は一般的にばねの付勢力でウエビン
グベルトを巻き取るため、引出量が多い方がウエビング
ベルトに作用するテンション、すなわち、タングプレー
ト330をバックル装置212から抜き取ろうとする力
が大きい。
【0068】このように、大小の差異はあるものの、ウ
エビングベルトには上記のテンションが作用し、これに
より、タングプレート330はバックル装置212から
抜き出ようとして係合片258を底壁222の長手方向
他端側へ引っ張る。
【0069】ここで、上述したように、タングプレート
330の貫通孔338の内周部が係合片258に当接し
ているが、係合片258は貫通孔260の内周部へ当接
していないため、係合片258が貫通孔260の内周部
へ当接するまでタングプレート330は移動可能であ
る。但し、上記のように、圧縮コイルスプリング370
の付勢力が作用していることで、圧縮コイルスプリング
240の付勢力とテンションとの合力と、圧縮コイルス
プリング370の付勢力とがバランスする位置までしか
タングプレート330及びラッチ250は移動できな
い。
【0070】しかしながら、上述したように、ウエビン
グベルト装着状態に比べてチャイルドシート取付状態の
方が作用するテンションが大きいため、このテンション
の差だけ、タングプレート330はラッチ250を底壁
222の長手方向他端側へ移動させる(図6参照)。こ
のようにラッチ250が底壁222の長手方向他端側へ
移動することで、ラッチ250の連結部256に固定さ
れた永久磁石358が移動する。永久磁石358の移動
による磁界の変動は、自らを横切る磁力線の向きの変化
としてMRE素子360に検出される。
【0071】このときの磁力線の向きの変化に伴うMR
E素子360の内部抵抗値はコンピュータ362により
検出され、このときのMRE素子360の内部抵抗値の
変化を検出したコンピュータ362はチャイルドシート
の取付状態と判定してエアバッグ装置364を作動不能
状態とする。これにより、チャイルドシートを座席に取
り付けた状態でのエアバッグ装置364の作動を停止さ
せることができる。
【0072】ここで、本実施の形態では、チャイルドシ
ート取り付け状態でウエビングベルトに作用するテンシ
ョンと、通常のウエビングベルト装着状態でウエビング
ベルトに作用するテンションの差異を利用しているた
め、比較的その差異が顕著に表れるこのため、従来の荷
重センサを用いた場合よりも信頼性が高い。
【0073】<第2の実施の形態の構成>次に、本発明
の第2の実施の形態について説明する。なお、本第2の
実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態
と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与し
てその説明を省略する。
【0074】図8には本発明の第2の実施の形態に係る
チャイルドシート検出装置410を有するバックル装置
412のラッチ414の構造が裏面図により示されてい
る。
【0075】この図に示されるように、本バックル装置
412におけるラッチ414の裏面側には、永久磁石3
58は固定されておらず、代わりに移動体としての永久
磁石416が配置されている。
【0076】永久磁石416は基本的に連結部256の
幅方向(すなわち、側壁294の対向方向)に沿って長
手とされた板状若しくはブロック状とされており、その
長手方向一端側はリベット418によって連結部256
に対して回動自在に連結されている。
【0077】また、永久磁石416の他端側には永久磁
石416の長手方向に沿って長手とされた長孔420が
形成されており、リベット422が貫通して永久磁石4
16をスライダ350へ連結している。
【0078】<第2の実施の形態の作用、効果>すなわ
ち、前記第1の実施の形態の場合と同様に、チャイルド
シート装着時における大きなテンションと圧縮コイルス
プリング240の付勢力との合力が圧縮コイルスプリン
グ370の付勢力に勝り、これにより、スライダ350
が移動すると、永久磁石416がリベット418周りに
回動する。
【0079】この永久磁石416の回動により永久磁石
416が形成する磁界に変動が生じ、磁界を構成する磁
力線の向きが変わる。この磁力線の向きの変化をMRE
素子360が検出し、その結果、コンピュータ362に
よりチャイルドシートの取付状態と判定される。
【0080】ここで、本実施の形態では、スライダ35
0の移動で永久磁石416がリベット418周りに回転
するため、スライダ350の移動量が小さくとも、永久
磁石416の磁界を構成する磁力線の向きは大きく変わ
る。これにより、検出精度が高まり、チャイルドシート
の装着状態であるか否かをより一層確実に判定できる。
【0081】なお、本実施の形態では、永久磁石35
8、416をラッチ250、414に取り付けた構成で
あったが、永久磁石358、416の取付部位はラッチ
250、414に限定されるものではない。すなわち、
永久磁石358、416の取付部位はチャイルドシート
装着時における底壁222の長手方向他端側へのラッチ
250、414の移動に連動する部位であればよく、ロ
ック部材270やストッパ310等に永久磁石358、
416を取り付けてもよい。
【0082】また、上記の各実施の形態では、チャイル
ドシート装着時における底壁222の長手方向他端側へ
のラッチ250、414の移動を、これに伴う永久磁石
358、416の変位(回動を含む)による磁界の変動
をMRE素子360で検出する構成とした。しかしなが
ら、本発明は上記のような構成に限定されるものではな
く、例えば、ラッチ250、414に可動接点を設ける
と共に底壁222に固定接点を設け、ラッチ250、4
14が移動したすることで可動接点が固定接点に接触
し、或いは、可動接点が固定接点から離間する構成とし
て、この固定接点に対する可動接点の接離を電気的な導
通で検出する構成としてもよい。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、タング
プレートを介してウエビングベルトに作用したテンショ
ンの差異に基づきチャイルドシートが取りつけられたか
否かを判定するため、容易で且つ確実にチャイルドシー
トが取りつけられたか否かを検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置
の分解斜視図である。
【図2】バックル装置のベースの平面図である。
【図3】バックル装置のラッチの正面図である。
【図4】バックル装置の側断面図である。
【図5】ラッチがタングプレートに係合した状態を示す
図4に対応した側断面図である。
【図6】タングプレートに伴われてラッチが移動した状
態を示す図4に対応した側断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るバックル装置
ととエアバッグ装置との関係を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るバックル装置
のラッチの底面図である。
【符号の説明】
212 バックル装置 220 ベース(装置本体) 250 ラッチ 330 タングプレート 358 永久磁石(移動体) 360 MRE素子(磁気センサ、移動体検出手段) 362 コンピュータ(判定手段) 410 チャイルドシート検出装置 412 バックル装置 414 ラッチ 416 永久磁石(移動体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 貴之 愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 西部 泰司 愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内 (72)発明者 小木曽 克也 愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 株式会社東海理化電機製作所内 Fターム(参考) 3D054 EE09 EE31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乗員の身体に装着されることで前記乗員
    の身体を保持するウエビングベルトに取り付けられたタ
    ングプレートを挿入可能な装置本体と、 前記装置本体の内部に挿入された前記タングプレートに
    対して接離移動可能で且つ前記装置本体への前記タング
    プレートの挿入方向及びその反対の抜取方向へ所定範囲
    変位可能に前記装置本体に支持され、前記タングプレー
    トに対する接近移動により前記タングプレートへ係合し
    て前記抜取方向への前記タングプレートの移動を制限す
    るラッチと、 前記ラッチに一体的若しくは前記ラッチの移動に連動し
    て変位する移動体と、 所定の大きさの付勢力で前記挿入方向に前記ラッチを付
    勢する付勢手段と、 前記装置本体に設けられ、前記移動体の変位量を直接或
    いは間接的に検出する移動体検出手段と、 前記移動体検出手段が検出した前記移動体の変位量に基
    づき、前記ウエビングベルトに作用するテンションを算
    出して、算出した前記テンションに基づき前記ウエビン
    グベルトによって前記チャイルドシートが取り付けられ
    たか否かを判定する判定手段と、 を備えるバックル装置。
  2. 【請求項2】 前記ラッチの移動に一体的若しくは前記
    ラッチの移動に連動して変位する永久磁石を前記移動体
    とし、 前記永久磁石が形成する磁界の変動を検出する磁気セン
    サを前記移動体検出手段とする、 ことを特徴とする請求項1記載のバックル装置。
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