JP4081349B2 - シートベルト装置及びベルト装着補助方法 - Google Patents

シートベルト装置及びベルト装着補助方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4081349B2
JP4081349B2 JP2002314328A JP2002314328A JP4081349B2 JP 4081349 B2 JP4081349 B2 JP 4081349B2 JP 2002314328 A JP2002314328 A JP 2002314328A JP 2002314328 A JP2002314328 A JP 2002314328A JP 4081349 B2 JP4081349 B2 JP 4081349B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
belt
webbing belt
occupant
webbing
seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002314328A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004148916A (ja
Inventor
輝彦 小出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Rika Co Ltd
Original Assignee
Tokai Rika Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Rika Co Ltd filed Critical Tokai Rika Co Ltd
Priority to JP2002314328A priority Critical patent/JP4081349B2/ja
Publication of JP2004148916A publication Critical patent/JP2004148916A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4081349B2 publication Critical patent/JP4081349B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の座席に着席した乗員の身体を長尺帯状のウエビングベルトで拘束するためのシートベルト装置及びウエビングベルトの装着を容易にするためのベルト装着補助方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の座席に着席した乗員の身体を長尺帯状のウエビングベルトで拘束する3点式のシートベルト装置は、座席の側方で車体に固定されたウエビング巻取装置を備えており、このウエビング巻取装置のスプールに長尺帯状のウエビングベルトの基端部が係止されている。
【0003】
ウエビングベルトの先端は、ウエビング巻取装置の近傍で車体に固定されたアンカ部材に係止されている。また、ウエビング巻取装置の上方では、スルーアンカがセンターピラー等に取り付けられており、ウエビングベルトの巻取軸よりも先端側は上方へ引き出されてスルーアンカに形成されたスリット孔を貫通して下方へ折り返されている。
【0004】
また、座席を介してウエビング巻取装置の反対側にはバックル装置が車体に固定されている。バックル装置は、スルーアンカとアンカ部材との間でウエビングベルトに設けられたタングプレートの係合が可能とされており、座席に着席した乗員がタングプレートを引っ張って巻取軸からウエビングベルトを引き出しつつ自らの身体にウエビングベルトを掛け回し、この状態でタングプレートをバックル装置に係合させてバックル装置にタングプレートを保持させることでウエビングベルトが乗員の身体に装着される構成となっている。
【0005】
一方で、ウエビングベルトを装着する際には、座席に着席した状態でタングプレートを掴んで引っ張り、ウエビングベルトを引き出してバックル装置にタングプレートを装着する。しかしながら、ウエビング巻取装置やアンカ部材はセンターピラーの下方に設けられており、また、バックル装置は座席を構成するシートクッションの側端の後部に設けられている。このため、ウエビングベルトを装着する際には、乗員は上体を右後方及び左後方に捩じるような姿勢をとらなくてはならなかった。
【0006】
ここで、このような不具合を解消して、乗員が比較的自然な姿勢でウエビングベルトの装着を行なえるシートベルト装置やシートベルトの着装補助装置が下記特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0007】
特許文献1に開示されたシートベルト装置は、軸方向(長手方向)が略車両前後方向に沿ったねじ軸が螺合状態で貫通した移動ブロックの側壁に、バックル装置を支持するアンカプレートが取り付けられている。ねじ軸の長手方向一端近傍にはギヤが同軸的且つ一体的に取り付けられている。また、このねじ軸のギヤには、モータの駆動軸に設けられたギヤが噛み合っており、モータの駆動力でねじ軸が回転すると、移動ブロックがねじ軸の軸方向に沿ってスライドし、これにより、バックル装置が略車両前後方向にスライドする構成となっている。
【0008】
ウエビングベルトを装着する際には、モータを駆動させてバックル装置を略車両前方側へスライドさせる。これにより、乗員は身体を大きく捩じることなくバックル装置にタングプレートを装着できる構成となっている。
【0009】
一方、特許文献2に開示されたシートベルトの着装補助装置では、固定部に係止されたウエビングベルトの先端と、センターピラーの上端近傍に設けられた金具で折り返されたウエビングベルトの中間部との間で、揺動レバーの先端(フック部)がウエビングベルトに係合している。揺動レバーの基端部は、トルクリミッタのケーシングに固定されている。トルクリミッタは駆動モータの出力軸に機械的に連結されており、駆動モータの駆動力で出力軸が回転すると揺動レバーの先端が略車両前後方向に揺動する構造となっている。
【0010】
このように、駆動モータの駆動力で揺動レバーの先端が略車両前方に揺動することで、ウエビングベルトの揺動レバーに係合した部分が略車両前方側へ移動する。これにより、乗員は身体を大きく捩じることなくタングプレートを把持できる。
【0011】
【特許文献1】
実開平5-56684号公報
【特許文献2】
特開平5−147498号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような特許文献1や特許文献2に開示されている構造の場合、バックル装置をスライドさせるためや、揺動レバーを揺動させるための特別なモータを用いている。このように、特別なモータを用いることで、このモータの設置スペースを車両室内と言う狭い空間に確保しなくてはならず、様々な設計変更が必要となってコスト高になる。しかも、このように特別なモータを用いることで、部品コストも高くなる。
【0013】
本発明は、上記事実を考慮して、安価なコストで容易にタングを把持でき、しかも、車両への乗降を円滑にできるシートベルト装置及びベルト装着補助方法を得ることが目的である。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、長手方向基端部がウエビング巻取装置の巻取軸の外周部に係止された状態で先端側が所定方向に引き出されると共に、長手方向中間部で折り返されて、更に、長手方向先端部がアンカ部材に係止された長尺帯状のウエビングベルトを有し、当該ウエビングベルトが車両乗員の身体に装着されることで前記乗員の身体を拘束するシートベルト装置であって、前記ウエビングベルトの折返部分と前記ウエビングベルトの先端部との間の所定部位で前記ウエビングベルトに係合すると共に、座席に着席した前記乗員に対して接離移動可能に設けられ、前記乗員に接近移動することで前記乗員側へ前記ウエビングベルトの所定部位を前記乗員の近傍へ変位させるガイド手段と、前記乗員に接近する方向へ前記ガイド手段を付勢し、前記ガイド手段を介して前記ウエビングベルトを引っ張る付勢手段と、前記巻取軸に直接或いは間接的に接続され、正転駆動力で前記付勢手段の付勢力に抗して前記巻取軸を巻取方向に回転させて前記巻取軸の外周部に前記ウエビングベルトを基端側から巻き取らせると共に、前記乗員が前記ウエビングベルトを装着する際に逆転駆動力で前記巻取方向とは反対方向に前記巻取軸を回転させる駆動手段と、を備えることを特徴としている。
【0015】
請求項1に記載のシートベルト装置では、座席に着席した乗員がウエビングベルトを引っ張って巻取軸に巻き取られたウエビングベルトを引き出し、自らの身体にウエビングベルトを掛け回すことでウエビングベルトの装着状態となる。これにより、乗員の身体が拘束される。また、本シートベルト装置では、駆動手段が巻取軸に接続されており、駆動手段の正転駆動力が巻取軸に伝達されると、巻取軸が巻取方向に回転し、ウエビングベルトが基端側から巻取軸の外周部に巻き取られて収納される。
【0016】
ところで、本シートベルト装置では、ガイド手段がウエビング巻取装置よりもウエビングベルトの長手方向先端側での折返部分とウエビングベルトの長手方向先端との間でウエビングベルトに係合している。このガイド手段は座席に着席した乗員に対して接離移動可能である。
【0017】
このため、ガイド手段が乗員に接近移動することでウエビングベルトのガイド手段との係合部分が乗員に接近する。しかも、ガイド手段は付勢手段の付勢力により座席に着席した乗員に接近する方向へ付勢される。このため、この付勢手段の付勢力以外の外力がガイド手段に作用していなければ、ガイド手段はウエビングベルトを伴って乗員側へ移動している。
【0018】
しかしながら、上記のように巻取軸にウエビングベルトが巻き取られて収納される際には、駆動手段の正転駆動力が付勢手段の付勢力に抗して巻取軸を回転させる。このため、巻取軸にウエビングベルトが収納された状態では、ガイド手段が乗員から離間しており、この状態でウエビングベルトの張力と付勢手段の付勢力がバランスし、或いは、ウエビングベルトの張力が付勢手段の付勢力を上回っている。
【0019】
ここで、ウエビングベルトが巻取軸に収納されている状態で、乗員がウエビングベルトを装着する際には駆動手段が逆転駆動する。このように駆動手段が逆転駆動すると、この逆転駆動力が巻取軸に伝達されて巻取軸が巻取方向とは反対の引出方向に回転させられる。
【0020】
このようにして巻取軸が引出方向に回転することで付勢手段の付勢力がウエビングベルトの張力を上回ると、付勢手段の付勢力によってガイド手段がウエビングベルトを伴って乗員側へ移動する。ガイド手段が乗員側へ移動することで、ウエビングベルトの少なくともガイド手段との係合部分が乗員に接近する。このため、乗員の側からウエビングベルトを掴み易くなり、ウエビングベルトの装着が容易になる。
【0021】
しかも、本シートベルト装置では、上記のように、ウエビング巻取装置の巻取軸に連結された駆動手段の駆動力で巻取軸を引出方向に回転させ、ウエビングベルトの張力を減少させることで付勢手段の付勢力によりガイド手段を移動させる構成であり、しかも、基本的に駆動手段の正転駆動力はウエビングベルトの巻き取り用に供される。したがって、ガイド手段を移動させるためだけの(ガイド手段を移動させることのみを目的とした)モータ等が不要である。このため、コストを安価にできると共にガイド手段の近傍にモータ等の設置スペースを設ける必要もなく、ガイド手段の形状や取付構造等の設計の自由度が向上する。
【0022】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載のシートベルト装置において、前記座席に前記乗員が着席したことを検知すると共に、当該検知状態で所定の乗員検知信号を出力する乗員検知手段と、前記所定の乗員検知信号に基づいて前記駆動手段を逆転駆動させ、前記引出方向へ前記巻取軸を所定量回転させる制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0023】
請求項2に記載のシートベルト装置では、車両の座席に乗員が着席したことが乗員検知手段に検知されると、乗員検知手段から所定の乗員検知信号が出力される。乗員検知手段から出力された乗員検知信号は制御手段に入力される。所定の乗員検知信号(座席に乗員が着席した際に乗員検知手段から出力される乗員検知信号)が制御手段に入力されると、制御手段によって直接或いは間接的に制御され、駆動手段が逆転駆動される。
【0024】
これにより、巻取軸が引出方向に回転させられ、付勢手段の付勢力でガイド手段が乗員側へ移動させられる。
【0025】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は請求項2に記載のシートベルト装置において、前記車両に回動可能に支持された取付部と、前記取付部に一体とされ、前記取付部の前記回動中心から離間した位置で前記ウエビングベルトの所定部位を支持し、前記回動により前記乗員に対して接離するガイド部と、を含めて前記ガイド手段を構成した、ことを特徴としている。
【0026】
請求項3に記載のシートベルト装置によれば、ガイド手段は取付部が車両に回動可能に支持されており、この取付部と一体のガイド部にウエビングベルトが支持されている。ガイド部は取付部の回動中心から離間している。このため、取付部が回動中心周りに回動することでガイド部がウエビングベルトを伴って乗員(座席に着席した乗員)に対して接離する方向へ回動する。
【0027】
このように、本シートベルト装置のガイド手段は、乗員に対する接離移動が取付部の車両への支持部周りの回動となっている。このため、基本的には軸部材等により取付部を回動可能に支持させるだけでよく、ガイド手段をガイドレール等に沿わせて直線的にスライドさせることで乗員に対して接離移動する構成に比べて、構造が簡素となりコストも安価になる。
【0028】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載のシートベルト装置において、前記取付部と前記ガイド部との間で前記取付部及び前記ガイド部に一体に設けられ、前記ウエビングベルトの前記ガイド部に支持された部分よりも基端側で前記ウエビングベルトを支持して前記ウエビングベルトを折り返す折返支持部を含めて前記ガイド手段を構成した、ことを特徴としている。
【0029】
請求項4に記載のシートベルト装置によれば、ウエビングベルトはガイド手段のガイド部よりも基端側でガイド手段の取付部及びガイド部と一体の折返支持部により支持されて折り返される。
【0030】
ところで、一般的なシートベルト装置では、例えば車両のセンターピラー等にスルーアンカと称される部材が設けられており、ウエビング巻取装置の巻取軸から引き出されたウエビングベルトはスルーアンカに形成されたスリット孔を通過し、且つ、スリット孔の内周一部に支持された状態で折り返される構造となっている。
【0031】
これに対し、本シートベルト装置では、上記のようにガイド手段の折返支持部にてウエビングベルトが折り返されるため、従来のスルーアンカが不要となる。これにより、ガイド手段等を設けることによる全体的な部品点数の増加を抑制でき、コストを安価にできる。
【0032】
請求項5に記載の本発明は、長手方向基端部がウエビング巻取装置の巻取軸の外周部に係止された状態で先端側が所定方向に引き出されると共に、長手方向中間部で折り返されて、更に、長手方向先端部がアンカ部材に係止された長尺帯状のウエビングベルトを、車両の座席に着席した乗員が身体に装着する際のベルト装着補助方法であって、前記ウエビングベルトの折返部分と先端部との間の所定部位を、前記座席に着席した前記乗員に対して接近する方向へ付勢手段の付勢力により付勢すると共に、前記巻取軸に直接或いは間接的に接続された駆動手段の正転駆動力で前記巻取軸に前記ウエビングベルトを所定量巻き取らせ、前記ウエビングベルトの張力で前記付勢力に抗して前記ウエビングベルトの前記所定部位を前記乗員から離間させ、前記座席に前記乗員が着席したことを検知して前記駆動手段を逆転駆動させることで前記巻取軸に巻き取られた前記ウエビングベルトを緩め、前記張力を前記付勢手段の付勢力よりも小さくして前記付勢手段の付勢力で前記所定部位を前記乗員に接近させ、前記ウエビングベルトの折返部分と前記ウエビングベルトの先端部との間に設けられたタング部材がバックル装置に保持されたことを検知して前記駆動手段の正転駆動力で前記巻取軸に前記ウエビングベルトを巻き取らせ、前記張力で前記付勢力に抗して前記所定部位を前記座席に着席した前記乗員から離間させる、ことを特徴としている。
【0033】
請求項5に記載のベルト装着補助方法では、ウエビングベルトの折返部分と先端部との間の所定部位が、座席に着席した乗員に対して接近する方向へ付勢手段の付勢力により付勢されている。また、ウエビングベルトの基端部が係止されているウエビング巻取装置の巻取軸には駆動手段が直接或いは間接的に接続されている。
【0034】
ウエビングベルトが装着されていない状態では、駆動手段が正転駆動して巻取軸がウエビングベルトを巻き取ることでウエビングベルトに付与された張力により、付勢手段の付勢力に抗してウエビングベルトの所定部位が座席に着席した乗員から離間している。
【0035】
座席に乗員が着席したことが、乗員検知手段等によって検知されると、駆動手段が作動し、このときの逆転駆動力により巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが緩められる。これにより、ウエビングベルトに付与される張力が減少して付勢手段の付勢力がウエビングベルトの張力よりも大きくなると、付勢手段の付勢力によってウエビングベルトの所定部位が座席に着席した乗員に接近移動する。
【0036】
このように、ウエビングベルトの所定部位が乗員に接近することで、乗員はウエビングベルトの折り返し部分と先端部との間に設けられたタング部材を容易に掴み取ることができる。
【0037】
また、タング部材を掴んだ乗員によってタング部材が引っ張られると、ウエビングベルトが引っ張られ、巻取軸に巻き取られたウエビングベルトが引き出される。このようにして引き出されたウエビングベルトが乗員の身体に掛け回され、更に、タング部材がバックル装置に装着され、タング部材がバックル装置に保持されることで乗員の身体に対するウエビングベルトの装着状態となる。
【0038】
さらに、上記のように、バックル装置にタング部材が装着されると、例えば、バックルスイッチ等のタング検出手段により検知されると駆動手段が作動し、駆動手段の正転駆動力によってウエビングベルトが巻取軸に所定量巻き取られる。このようにウエビングベルトが巻取軸に巻き取られることでウエビングベルトの張力が上昇すると、張力が付勢手段の付勢力に抗してウエビングベルトの所定部位(折り返し部分と先端部との間の所定部位)が座席に着席した乗員から離間する。
【0039】
上記のように、本ベルト装着補助方法では、座席に乗員が着席した際、すなわち、ウエビングベルトを装着する際にウエビングベルトの所定部位が乗員に接近するため、乗員の側からウエビングベルトを掴み易くなる。これにより、ウエビングベルトの装着が容易になる。
【0040】
しかも、本ベルト装着補助方法では、上記のように、駆動手段の駆動力で巻取軸を回転させることでウエビングベルトの張力と付勢手段の付勢力とのバランスを変化させ、これにより、ウエビングベルトの所定部位を移動させる。このため、ウエビングベルトの所定部位を移動させることのみを目的としたモータ等が不要である。
【0041】
【発明の実施の形態】
<本実施の形態の構成>
図1には本発明の一実施の形態に係るシートベルト装置10の全体構成の概略とシステムのブロック図との併合図が示されている。
【0042】
この図に示されるように、本シートベルト装置10はウエビング巻取装置12を備えている。ウエビング巻取装置12は略車両前後方向に沿って互いに対向した一対の脚板14を含めて構成されたフレーム16を備えている。フレーム16は、車両の座席18の下側で座席18と車両の車体を構成するセンターピラー20との間でボルト等の締結手段により車体に一体的に固定されている。
【0043】
フレーム16には、巻取軸としてのスプール22が設けられている。スプール22は略車両前後方向に沿って軸方向とされて、軸方向両端が直接或いは間接的に上記の脚板14に回転自在に支持されている。
【0044】
また、上記の脚板14の間で且つスプール22の軸方向中間部には、長尺帯状に形成されたウエビングベルト24の長手方向基端部が係止されている。ウエビングベルト24はその長手方向中間部よりも基端側がスプール22に略層状に巻き取られた状態で収納されている。この収納状態のウエビングベルト24をその先端側へ引っ張ると、スプール22に巻き取られたウエビングベルト24が引き出されると共に、スプール22がその軸周り一方の引出方向へ回転する。また、このようにウエビングベルト24が引き出された状態で、スプール22を引出方向とは反対の巻取方向に回転させると、ウエビングベルト24がその基端側からスプール22に巻き取られて収納される構成となっている。
【0045】
一方、ウエビング巻取装置12の略車両上方側には、ガイド手段としてのガイド筒26が設けられている。ガイド筒26は、略車幅方向に沿って厚さ方向とされ、且つ、幅方向寸法に対して厚さ方向寸法が充分に短い偏平で、内幅寸法がウエビングベルト24の幅寸法よりも大きな筒形状に形成されている。
【0046】
図4に示されるように、ガイド筒26の長手方向基端側は取付部27とされ、取付部27よりも先端側はガイド部として筒部29とされている。筒部29は略車幅方向に沿って互いに対向する壁部28、32を有しており、相対的に略車幅方向外側に位置する壁部28の取付部27側には折返支持部としての開口部30が形成されている。図1に示されるように、基端部がスプール22に係止されたウエビングベルト24は、センターピラー20に沿って上方へ引き出されており、開口部30から筒部29の縁部で下方へ折り返されつつ筒部29の内側に入り込み、筒部29の内側を通過している。
【0047】
また、図4に示されるように、壁部32の幅方向略中央には円孔34が形成されている。さらに、壁部32の壁部28側の面には略円筒形状のボス36が形成されている。ボス36はその内径寸法が円孔34の内径寸法に略等しい。しかも、ボス36は円孔34に対して同軸的に形成されており、円孔34の内周部とボス36の内周部とが円孔34及びボス36の軸方向に沿って連続している。
【0048】
また、円孔34及びボス36の内側には円筒形状のスリーブ38が嵌め込まれていると共に、円孔34を介してボス36とは反対側から支持部材としての段付きボルト40がスリーブ38を貫通している。段付きボルト40の先端側は、センターピラー20に一体的に設けられた図示しない雌ねじ部に螺合しており、これにより、ガイド筒26はスリーブ38周りに回動可能にセンターピラー20に支持されている。
【0049】
さらに、図5に示されるように、ボス36には付勢手段としての捩じりコイルスプリング42が取り付けられている。捩じりコイルスプリング42は、その環状部分にボス36が貫通するようにボス36に取り付けられている。また、捩じりコイルスプリング42は、その一端がセンターピラー20に形成された係合ピン44に当接していると共に、他端が壁部32から突出形成された係合ピン46に当接しており、係合ピン44に対して係合ピン46を図1乃至図3及び図5の右周り方向に付勢している。
【0050】
一方、図1に示されるように、上述したウエビング巻取装置12の近傍にはアンカ部材48が設けられている。アンカ部材48は、ウエビング巻取装置12のフレーム16と同様にセンターピラー20の下端部近傍でボルト等の締結手段によって車体に一体的に固定されている。このアンカ部材48には、ガイド筒26(筒部29)を通過したウエビングベルト24の先端部が固定されている。
【0051】
アンカ部材48と上記のガイド筒26との間でウエビングベルト24にはタング部材としてのタングプレート50が設けられている。タングプレート50には、スリット孔52が形成されており、スリット孔52をウエビングベルト24が通過している。また、タングプレート50とアンカ部材48との間でウエビングベルト24には図示しないストッパが設けられている。上記のタングプレート50は、基本的にスリット孔52にウエビングベルト24が貫通しているだけである。このため、ウエビングベルト24に沿ってタングプレート50は上下に移動できる。しかしながら、上記のストッパがスリット孔52の内周部近傍でタングプレート50に干渉することにより、タングプレート50がそれ以上下降しない構成となっている。
【0052】
一方、座席18を介してウエビング巻取装置12及びアンカ部材48とは反対側では、車体にバックル装置54が固定されている。バックル装置54は、タングプレート50の先端側を挿入可能に形成されていると共に、内部には図示しないラッチ等のロック部材が設けられている。ロック部材はバックル装置54に挿入されたタングプレート50に対して接離移動可能に設けられている。ロック部材はバックル装置54へのタングプレート50の挿入状態で接近移動してタングプレート50に係合することでタングプレート50をロックして、バックル装置54からのタングプレート50の抜き取りを規制する。
【0053】
また、バックル装置54には、タング検知手段としてのバックルセンサ56が設けられている。バックルセンサ56は、例えば、磁気抵抗素子や巨大磁気抵抗素子、或いはホール素子等の磁気センサにより構成されている。バックルセンサ56は、バックル装置54へのタングプレート50の挿入時及びバックル装置54からのタングプレート50の抜き取り時におけるバックル装置54内でのタングプレート50の移動に連動する図示しない永久磁石の磁気を検出する構造となっている。
【0054】
さらに、このバックルセンサ56は、制御手段としてのECU58に電気的に接続されている。バックルセンサ56は、通常、電気的なLowレベルのタング検知信号Ts(以下、便宜上、タング検知信号Tsを「信号Ts」と称する)を出力しており、バックルセンサ56から出力されたLowレベルの信号TsがECU58に入力される構造となっている。但し、バックル装置54内の所定位置(より詳細には、上記のロック部材の係合が可能な位置)までタングプレート50がバックル装置54内に挿入された状態での永久磁石の磁気の変化をバックルセンサ56が検出すると、バックルセンサ56からはHighレベルの信号Tsが出力され、このHighレベルの信号TsがECU58に入力される。
【0055】
なお、本実施の形態では、タング検出手段としてのバックルセンサ56に上記のような磁気センサを適用したが、バックル装置54内にタングプレート50が挿入されたか否かを検出できる構成であれば、タング検出手段の構成が磁気センサに限定されるものではない。
【0056】
したがって、例えば、摺動接点を有すると共にバックル装置54内に挿入されたタングプレート50の移動に連動して移動する摺動部と、タングプレート50バックル装置54内のが所定位置まで挿入されることにより摺動部の摺動接点が接触して電気的に導通する機械式スイッチをタング検出手段としてもよいし、バックル装置54内にタングプレート50が挿入されることで、タングプレート50により直接或いは間接的に押圧されて移動する移動部と、押圧されて移動した移動部に更に押圧され、移動部からの押圧力を検出する感圧センサとでタング検出手段を構成してもよい。
【0057】
一方、図1に示されるように、本シートベルト装置10は、乗員検知手段としての荷重センサ60を備えている。荷重センサ60は、座席18のシートクッション62に設けられており、シートクッション62に対して略車両上方から作用する荷重を検出している。
【0058】
また、荷重センサ60は、上記のECU58に電気的に接続されている。荷重センサ60は、通常、乗員検知信号としての電気的なLowレベルの荷重検出信号Ws(以下、便宜上、荷重検出信号Wsを「信号Ws」と称する)を出力しており、荷重センサ60から出力されたLowレベルの信号WsがECU58に入力される構造となっている。
【0059】
但し、所定の大きさ以上の荷重、より詳細には、乗員が座席に着席した際にシートクッション62を介して荷重センサ60に作用する荷重と同等の荷重を荷重センサ60が検出すると、荷重センサ60からはHighレベルの信号Wsが出力され、このHighレベルの信号WsがECU58に入力される。
【0060】
また、上記のECU58は、ドライバ64を介して駆動手段としてのモータ66に電気的に接続されている。モータ66は、上述したウエビング巻取装置12のフレーム16に取り付けられており、その出力軸はギヤ等の減速手段を介してスプール22に機械的に連結されている。モータ66は、ドライバ64を介して車両に搭載されたバッテリー68に接続されており、通電されて正転駆動されることにより、スプール22を巻取方向に回転させ、正転駆動時とは逆向きの電流が流されることで、スプール22を引出方向に回転させる構成となっている。
【0061】
<本実施の形態の作用、効果>
次に、本シートベルト装置10により実現される本発明の一実施の形態に係るベルト装着補助方法について、図6のフローチャートと図7のタイムチャートに基づき説明する。
【0062】
本シートベルト装置10のウエビング巻取装置12は、ウエビングベルト24の収納状態では、図1に示されるように、スプール22とアンカ部材48との間でウエビングベルト24の長手方向が概ね略車両上下方向に沿うまで捩じりコイルスプリング42の付勢力に抗してモータ66の正転駆動力により巻き取られている。
【0063】
また、図6に示されるように、本シートベルト装置10では、ステップ200でECU58での制御が開始されると、ステップ202で初期設定が行なわれ、例えば、フラグFがリセットされる(すなわち、フラグFに0が代入される)。
【0064】
次いで、ステップ204では、Highレベルの信号Wsが入力されたか否か、すなわち、信号WsがLowレベルからHighレベルに切り替わったかた否かが判定される。ここで、乗員70等が座席に着席していなければ、シートクッション62に格別な荷重が作用することはないため、信号WsはLowレベルで維持される。
【0065】
これに対して、図7のタイムチャートに示されるように、時間T1が経過した状態で乗員70が座席18に着席して、シートクッション62に乗員70の体重が作用すると、それまでLowレベルの信号Wsを出力していた荷重センサ60は信号Wsの信号レベルをHighレベルに切り替えて出力する。このHighレベルの信号WsがECU58に入力されるとステップ206に進み、装着前制御が行なわれる。
【0066】
装着前制御では、ECU58から所定の操作信号が出力される。ECU58から出力された操作信号はドライバ64に入力され、ドライバ64ではこの操作信号が入力されることで、モータ66に所定時間dTAだけモータ66を正転駆動させる際とは逆向きの電流−Imを流す。これにより、モータ66が逆転駆動されると、モータ66の逆転駆動力は、図示しないギヤ等の減速手段を介してスプール22に伝えられ、スプール22が引出方向に回転させられる。
【0067】
ここで、スプール22が引出方向に回転させられると、ウエビングベルト24の張力が弱められるため、それまでの捩じりコイルスプリング42の付勢力とウエビングベルト24の張力とのバランスが崩れる。このように、捩じりコイルスプリング42の付勢力とウエビングベルト24の張力とのバランスが崩れると、捩じりコイルスプリング42はその付勢力でガイド筒26を図1乃至図3及び図5の右周り方向へ回動させる。
【0068】
このガイド筒26の回動により、ガイド筒26の先端が、それまでよりも略車両前方側に変位させられる。ガイド筒26の先端の略車両前方側への変位により、ガイド筒26の先端はウエビングベルト24に干渉してウエビングベルト24を略車両前方側へ押圧する。
【0069】
これにより、ガイド筒26の先端部では、ウエビングベルト24がそれまでよりも略車両前方側へ変位し、図2に示されるように、ガイド筒26の先端とアンカ部材48との間におけるウエビングベルト24の長手方向上方が、それまでよりも略車両前方側へ傾く。
【0070】
このように、ウエビングベルト24の長手方向上方が略車両前方側へ傾くことで、ウエビングベルト24に設けられたストッパによる移動規制を受けて、ガイド筒26の先端とアンカ部材48との間におけるウエビングベルト24の長手方向中間部に位置していたタングプレート50が略車両前方側へ変位する。
【0071】
この状態から、図7における一定時間dTAが経過して時間T2に達すると、ECU58はドライバ64を介してモータ66への電力の供給を停止し、ステップ206における装着前制御が終了する。
【0072】
次いで、ステップ208では、信号Tsの信号レベルがHighレベルであるか否か、すなわち、バックルセンサ56から出力される信号Tsの信号レベルがLowレベルからHighレベルに切り替わったか否かが判定される。
【0073】
図7における時間T3に到達するまでは、バックルセンサ56から出力される信号Tsの信号レベルはLowレベルで維持されるため、この状態では、ステップ210に進み、フラグFに1が代入されているか否かが判定される。但し、図6に示されるように、フラグFに1が代入されるのは後述するステップ216であり、この状態ではフラグFはリセットされたままの状態であるため、再び、ステップ208に戻り、言わば、信号Tsの信号レベルがLowレベルからHighレベルに切り替わるまで待機状態となる。
【0074】
一方、座席18に着席した乗員70が、タングプレート50を引っ張ることでウエビングベルト24を引き出しながら自らの身体にウエビングベルト24を掛け回し、更に、タングプレート50の先端側をバックル装置54に挿入して、バックル装置54のロック部材がタングプレート50に係合してロックすることで、乗員70の身体に対するウエビングベルト24の装着状態となる。
【0075】
このように、タングプレート50の先端がバックル装置54に挿入されると、バックル装置54にタングプレート50が挿入されたことがバックルセンサ56により検出される。これにより、バックルセンサ56から出力される信号Tsの信号レベルがLowレベルからHighレベルに切り替わる(図7の時間T3に到達した状態)。
【0076】
信号Tsの信号レベルがLowレベルからHighレベルに切り替わると、ステップ212進み、フラグFに1が代入されているか否かが判定される。但し、上述したように、この状態では、未だフラグFはリセットされたままの状態であるため、そのままステップ214へ進んで装着後制御が行なわれる。
【0077】
装着後制御では、ECU58から装着前制御時とは異なる操作信号が出力される。ECU58から出力された操作信号はドライバ64に入力され、ドライバ64ではこの操作信号が入力されることで、モータ66に所定時間dTAだけモータ66を正転駆動させる際の電流Imを流す。これにより、モータ66が正転駆動されると、モータ66の正転駆動力は、図示しないギヤ等の減速手段を介してスプール22に伝えられ、スプール22が巻取方向に回転させられる。
【0078】
スプール22が巻取方向に回転させられると、ウエビングベルト24はその基端側からスプール22に巻き取られる。このように、ウエビングベルト24が巻き取られることで、スプール22よりも先端側ではウエビングベルト24の張力が漸次増加する。
【0079】
ウエビングベルト24は張力が増加することで開口部30におけるウエビングベルト24の折返部分よりも先端側が伸直しようとする。ここで、ガイド筒26の先端部においてウエビングベルト24の屈曲させて、ウエビングベルト24の折返部分とアンカ部材48での係止部分との間におけるウエビングベルト24の伸直を妨げる外力は、捩じりコイルスプリング42の付勢力である。したがって、伸直するためのウエビングベルト24の張力は、捩じりコイルスプリング42の付勢力に抗することになる。
【0080】
このため、モータ66が正転駆動することでウエビングベルト24の張力が増加すると、この張力は捩じりコイルスプリング42の付勢力に抗して図1乃至図3及び図5の左周り方向にガイド筒26を回動させる。また、このように、モータ66が正転駆動することで増加したウエビングベルト24の張力は、ウエビングベルト24を装着した乗員70に対する拘束力となり、これにより、乗員70の身体がウエビングベルト24によって拘束される。
【0081】
この状態で、所定時間dTAが経過して時間T4に達すると、図3に示されるように、ウエビングベルト24の開口部30での接触部分と乗員70の身体に接触した部分とが最短となる状態(例えば、伸直状態)となる回転位置にガイド筒26が戻ると共に、ECU58はドライバ64を介してモータ66への電力の供給を停止し、ステップ214における装着後制御が終了する。
【0082】
次いで、ステップ216に進み、フラグFに1が代入されて再びステップ208に戻り、信号Tsの信号レベルがHighレベルであるか否かが判定される。ウエビングベルト24の装着状態では当然バックル装置54にタングプレート50が挿入されているため、バックルセンサ56から出力される信号Tsの信号レベルはHighレベルである。したがって、ステップ212に進む。但し、この状態では既にフラグFに1が代入されている。このため、再びステップ208に戻る。
【0083】
以上の状態から、例えば、経過時間が図7における時間T5に達し、乗員70が降車するためにバックル装置54からタングプレート50を抜き取ると、バックルセンサ56から出力されていた信号TsがHighレベルからLowレベルに切り替わる。ステップ208で信号TsがLowレベルであると判定される(すなわち、信号TsがHighレベルではないと判定される)と、ステップ210でフラグFに1が代入されているか否かが判定される。この状態では、既にステップ216でフラグFに1が代入されているため、ステップ218へ進み取外制御が行なわれる。
【0084】
取外制御では、ECU58から基本的に装着後制御時と同じ操作信号が出力される。これにより、所定時間dTBだけモータ66を正転駆動させる際の電流Imがモータ66に流され、スプール22が巻取方向に回転させられる。
【0085】
ここで、上記のようにバックル装置54からタングプレート50が抜き取られると、それまでウエビングベルト24に作用していた張力が急激に減少して、捩じりコイルスプリング42の付勢力がウエビングベルト24の張力を上回り、ガイド筒26を図1乃至図3及び図5に右周り方向に回動させる。
【0086】
しかしながら、上記のように、取外制御が行なわれている状態では、モータ66の正転駆動力によってスプール22が巻取方向に回転する。このため、上記のように一旦は減少したウエビングベルト24の張力が、巻取方向へのスプール22の回転に伴い漸次増加する。したがって、巻取方向へのスプール22の回転量が所定量以上になると、捩じりコイルスプリング42の付勢力に抗してウエビングベルト24の張力がガイド筒26を図1乃至図3及び図5の左周り方向へ回動させる。
【0087】
次いで、バックル装置54からタングプレート50が抜き取られてから(すなわち、時間T5から)所定時間dTBが経過して時間T6に達すると、ガイド筒26は上記の装着前制御が行なわれる前の回動位置に戻ると共に、ECU58はドライバ64を介してモータ66への電力の供給を停止し、ステップ218における取外制御が終了する。
【0088】
ここで、上述したように、本シートベルト装置10では、乗員70が座席18に着席すると、ガイド筒26が図1乃至図3及び図5の右周り方向に回動し、これにより、タングプレート50が略車両前方側に変位する。このため、座席18に着席した乗員70は、無理な姿勢を取とらなくても、自然な姿勢で簡単にタングプレート50を把持することができ、簡単にウエビングベルト24を装着することができる。
【0089】
また、上記のように、取外制御時にモータ66の駆動力でウエビングベルト24の張力を増加させて、ガイド筒26を図1乃至図3及び図5の左周り方向へ回動させて装着前制御が行なわれる以前の状態に戻しているため、乗員70が車両に乗降する際にガイド筒26等が邪魔になることがない。
【0090】
しかも、本シートベルト装置10では、ウエビング巻取装置12のモータ66を逆転駆動させることでウエビングベルト24の張力を減少させ、ガイド筒26に設けられた捩じりコイルスプリング42の付勢力でガイド筒26を回動させてタングプレート50を略車両前方側に変位させている。このため、ガイド筒26の近傍に別途モータを設け、このモータの駆動力でガイド筒26を回動させる構造に比べてガイド筒26及びその近傍部分の構造を簡素化できる。しかも、センターピラー20にモータの設置スペースを確保しなくてもよい。このことから、ガイド筒26やその取り付け等に関する設計の自由度が向上し、コストも安価にできる。
【0091】
また、本実施の形態では、ガイド筒26がセンターピラー20に回動可能に取り付けられ、ガイド筒26が回動することでガイド筒26の先端部、ひいては、ウエビングベルト24のうちガイド筒26の先端部に係合した部分が略車両前後方向、すなわち、乗員70に対して接離する方向に移動する構成であった。しかしながら、請求項1記載の本発明の観点からすれば、ガイド手段の乗員70に対する接離方向が回動でなくてもよく、例えば、ガイド手段が略車両前後方向にスライドすることでガイド手段が乗員70に対して接離する構成であってもよい。
【0092】
しかしながら、ガイド手段を略車両前後方向にスライドする構成とする場合には、ガイドレール等を車両に取り付けなくてはならない。これに対して、本実施の形態のようにガイド手段が車両への取付部分を中心に回動することで乗員に対して接離する構成では、段付きボルト40等の軸部材でガイド筒26等のガイド手段を支持する構成すればよく、ガイド手段を車両に取り付けるために必要なスペースを小さくできる。
【0093】
さらに、通常のシートベルト装置では、センターピラー20の上端部近傍にスルーアンカを取り付け、このスルーアンカに形成されたスリット孔にウエビングベルト24を通過させる構造とすることでセンターピラー20の上端部近傍でウエビングベルト24が折り返される構造となっている。
【0094】
ここで、本実施の形態では、ガイド手段としてのガイド筒26の開口部30でウエビングベルト24が折り返される。すなわち、本実施の形態では、ガイド筒26がスルーアンカを兼ねている。このため、シートベルト装置10の全体的な部員点数を増加を抑制でき、コストを安価にできる
なお、本実施の形態では、ガイド手段に偏平筒形状のガイド筒26を採用した。しかしながら、ガイド手段はガイド筒26のような筒形状に限定されるものではなく、少なくとも、ガイド手段の回動半径中心側と先端側とでウエビングベルト24を支持でき、ガイド手段の回動によりガイド手段の先端側に対応した部分でウエビングベルト24を略車両前方側へ変位させることができる構造であればよい。
【0095】
また、本実施の形態では、センターピラー20の上端部近傍にガイド手段としてのガイド筒26を設けた構成であったが、ガイド手段の取付部位がセンターピラー20の上端部近傍に限定されるものではない。例えば、ガイド筒26の先端が略上方に向くようにガイド筒26をアンカ部材48に回動可能に取り付け、ガイド筒26を回動させることでガイド筒26の上端(先端部)を略車両前方側へ傾斜させ、ガイド筒26の上端近傍でウエビングベルト24をそれまでよりも略車両前方側へ変位させる構成としてもよい。
【0096】
さらに、本実施の形態では、乗員検知手段に荷重センサ60を用いたが、乗員検知手段が荷重センサ60に限定されるものではなく、例えば、座席18に着席した乗員70の身体から発せられる赤外線を検出する赤外線センサを以って乗員検知手段を構成してもよいし、車両室内に設けられて座席18近傍を撮像するCCDカメラと、このCCDカメラの画像データを解析し、座席18に乗員70が着席しているか否かを判定するコンピュータ等の解析手段と、を含めて乗員検知手段を構成してもよい。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、安価なコストで容易にウエビングベルトを装着できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシートベルト装置を車両側方から見た場合の全体構成の概略図とシステムのブロック図との併合図である。
【図2】乗員が座席に着席した状態を示す図1に対応した図である。
【図3】バックル装置にタングが装着されてウエビングベルトが乗員の身体に装着された状態を示す図1に対応した図である。
【図4】ガイド手段の要部を拡大した側面断面図である。
【図5】ガイド手段の要部を拡大した正面断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るシートベルト装置のシステムの概略を示すフローチャートである。
【図7】駆動手段への通電タイミングと、着席検出手段及びタング検出手段からの各信号の関係を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 シートベルト装置
12 ウエビング巻取装置
18 座席
22 スプール
24 ウエビングベルト
26 ガイド筒(ガイド手段)
27 取付部
29 筒部(ガイド部)
30 開口部(折返支持部)
42 捩じりコイルスプリング(付勢手段)
48 アンカ部材
50 タングプレート(タング部材)
54 バックル装置
56 バックルセンサ(タング検知手段)
58 ECU(制御手段)
60 荷重センサ(乗員検知手段)
64 ドライバ(制御手段)
66 モータ(駆動手段)

Claims (5)

  1. 長手方向基端部がウエビング巻取装置の巻取軸の外周部に係止された状態で先端側が所定方向に引き出されると共に、長手方向中間部で折り返されて、更に、長手方向先端部がアンカ部材に係止された長尺帯状のウエビングベルトを有し、当該ウエビングベルトが車両乗員の身体に装着されることで前記乗員の身体を拘束するシートベルト装置であって、
    前記ウエビングベルトの折返部分と前記ウエビングベルトの先端部との間の所定部位で前記ウエビングベルトに係合すると共に、座席に着席した前記乗員に対して接離移動可能に設けられ、前記乗員に接近移動することで前記乗員側へ前記ウエビングベルトの所定部位を前記乗員の近傍へ変位させるガイド手段と、
    前記乗員に接近する方向へ前記ガイド手段を付勢し、前記ガイド手段を介して前記ウエビングベルトを引っ張る付勢手段と、
    前記巻取軸に直接或いは間接的に接続され、正転駆動力で前記付勢手段の付勢力に抗して前記巻取軸を巻取方向に回転させて前記巻取軸の外周部に前記ウエビングベルトを基端側から巻き取らせると共に、前記乗員が前記ウエビングベルトを装着する際に逆転駆動力で前記巻取方向とは反対方向に前記巻取軸を回転させる駆動手段と、
    を備えることを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記座席に前記乗員が着席したことを検知すると共に、当該検知状態で所定の乗員検知信号を出力する乗員検知手段と、
    前記所定の乗員検知信号に基づいて前記駆動手段を逆転駆動させ、前記引出方向へ前記巻取軸を所定量回転させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記車両に回動可能に支持された取付部と、
    前記取付部に一体とされ、前記取付部の前記回動中心から離間した位置で前記ウエビングベルトの所定部位を支持し、前記回動により前記乗員に対して接離するガイド部と、
    を含めて前記ガイド手段を構成した、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシートベルト装置。
  4. 前記取付部と前記ガイド部との間で前記取付部及び前記ガイド部に一体に設けられ、前記ウエビングベルトの前記ガイド部に支持された部分よりも基端側で前記ウエビングベルトを支持して前記ウエビングベルトを折り返す折返支持部を含めて前記ガイド手段を構成した、
    ことを特徴とする請求項3に記載のシートベルト装置。
  5. 長手方向基端部がウエビング巻取装置の巻取軸の外周部に係止された状態で先端側が所定方向に引き出されると共に、長手方向中間部で折り返されて、更に、長手方向先端部がアンカ部材に係止された長尺帯状のウエビングベルトを、車両の座席に着席した乗員が身体に装着する際のベルト装着補助方法であって、
    前記ウエビングベルトの折返部分と先端部との間の所定部位を、前記座席に着席した前記乗員に対して接近する方向へ付勢手段の付勢力により付勢すると共に、前記巻取軸に直接或いは間接的に接続された駆動手段の正転駆動力で前記巻取軸に前記ウエビングベルトを所定量巻き取らせ、前記ウエビングベルトの張力で前記付勢力に抗して前記ウエビングベルトの前記所定部位を前記乗員から離間させ、
    前記座席に前記乗員が着席したことを検知して前記駆動手段を逆転駆動させることで前記巻取軸に巻き取られた前記ウエビングベルトを緩め、前記張力を前記付勢手段の付勢力よりも小さくして前記付勢手段の付勢力で前記所定部位を前記乗員に接近させ、
    前記ウエビングベルトの折返部分と前記ウエビングベルトの先端部との間に設けられたタング部材がバックル装置に保持されたことを検知して前記駆動手段の正転駆動力で前記巻取軸に前記ウエビングベルトを巻き取らせ、前記張力で前記付勢力に抗して前記所定部位を前記座席に着席した前記乗員から離間させる、
    ことを特徴とするベルト装着補助方法。
JP2002314328A 2002-10-29 2002-10-29 シートベルト装置及びベルト装着補助方法 Expired - Fee Related JP4081349B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002314328A JP4081349B2 (ja) 2002-10-29 2002-10-29 シートベルト装置及びベルト装着補助方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002314328A JP4081349B2 (ja) 2002-10-29 2002-10-29 シートベルト装置及びベルト装着補助方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004148916A JP2004148916A (ja) 2004-05-27
JP4081349B2 true JP4081349B2 (ja) 2008-04-23

Family

ID=32458667

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002314328A Expired - Fee Related JP4081349B2 (ja) 2002-10-29 2002-10-29 シートベルト装置及びベルト装着補助方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4081349B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4391308B2 (ja) 2004-04-28 2009-12-24 タカタ株式会社 エアバッグ装置
JP4679125B2 (ja) 2004-12-06 2011-04-27 タカタ株式会社 シートベルト装置
JP5121213B2 (ja) 2006-11-22 2013-01-16 タカタ株式会社 シートベルト装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004148916A (ja) 2004-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9598048B2 (en) Webbing take-up device and seatbelt device
JP4772692B2 (ja) シートベルト装置
JP4679125B2 (ja) シートベルト装置
US8590658B2 (en) Occupant protection device
US20070040058A1 (en) Motor retractor and drive control thereof
JP2006199116A (ja) ウエビング巻取装置
JP2007045189A (ja) シートベルト装着補助装置
JP2010058679A (ja) 乗員拘束装置
JP4081349B2 (ja) シートベルト装置及びベルト装着補助方法
JP4845805B2 (ja) 車両のシートベルト装置
JP2010069982A (ja) シートベルト装置
JP4252854B2 (ja) モータリトラクタの制御装置
JP4498075B2 (ja) モータリトラクタ
JP6497969B2 (ja) ウェビング巻取装置
JP4291747B2 (ja) モータリトラクタ
JP2006188087A (ja) ウエビング巻取装置
JP2009073278A (ja) アームレスト構造
JP5253983B2 (ja) シートベルト装着補助装置およびその制御方法
JP5620321B2 (ja) ウェビング巻取装置
JPH0730165U (ja) ウエビング装着補助装置
JPH07323815A (ja) シートバック組込み用シートベルト巻取装置
JP2007084021A (ja) ウエビング巻取装置
JP2006159956A (ja) ウエビング巻取装置
JPH0556684U (ja) シートベルト装置
JP2004255994A (ja) 車両用シートベルト装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080208

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110215

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120215

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130215

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140215

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees