JP2010069982A - シートベルト装置 - Google Patents

シートベルト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010069982A
JP2010069982A JP2008237683A JP2008237683A JP2010069982A JP 2010069982 A JP2010069982 A JP 2010069982A JP 2008237683 A JP2008237683 A JP 2008237683A JP 2008237683 A JP2008237683 A JP 2008237683A JP 2010069982 A JP2010069982 A JP 2010069982A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spring
seat belt
seat
door
belt device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008237683A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Nozu
弘志 野津
Koji Inuzuka
浩二 犬塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takata Corp
Original Assignee
Takata Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takata Corp filed Critical Takata Corp
Priority to JP2008237683A priority Critical patent/JP2010069982A/ja
Publication of JP2010069982A publication Critical patent/JP2010069982A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 後席シート等に乗員が着座し、シートベルトを装着する際に、シートベルトのトング位置をシートバック面から前方側に移動させることで、バックルが容易に装着できるようにする。
【解決手段】 シートバック3の一部に収容され、シートバック3に沿って掛け渡された状態にあるシートベルト8を、張り出しアーム33の回動に応じてシートバック3の表面から前方に向けて張り出して保持可能な張り出しアーム駆動部30と、張り出しアーム駆動部30に接続された線材を介して回動動作を付与するバネを有するバネ駆動部40と、ドアの一部に設けられ、ドアの開放動作に伴ってバネに付勢力を付与する駆動力入力部50とを備え、ドアを開閉して着座した乗員を検知して、乗員の側方位置で張り出しアーム33を動作させてシートベルト8の一部が前方に張り出すようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明はシートベルト装置に係り、特に後席ベンチシート等において、乗員が着座し、シートベルトを装着する際に、簡易な駆動機構により、シートベルトのトング位置をシートバック面から前方側に移動させ、バックルの装着が容易にできるようにしたシートベルト装置に関する。
通常のシートベルト装置では、乗員はシートに着座してシートベルトを装着する際に、シートベルトに挿通されたトングを掴み、シート脇に位置するバックル装置のトング挿入口に挿入し、トングをバックル装置に定着した状態で、シートベルトの腰ベルト、肩ベルトが乗員を適正に拘束するようになっている。その際、前席シートの乗員は、シートバックの脇に位置するセンターピラーに沿ってほぼ垂直に張った状態にあるシートベルトの所定位置に保持されているトングを掴んで、体を捻るようにしてシートの車内側に位置するバックル装置に、そのトングを装着する動作を行っている。この乗員のシートベルト装着動作を補助する機構として、特許文献1に記載された発明が提案されている。特許文献1に記載された発明は、前席シートに用いられるシートベルト装置において、シートバックの肩部近傍の車体側壁に取り付けられた揺動可能なアーム21が設けられている。このアーム21を前方に旋回させることで、シートベルトおよびトング位置を乗員前方まで移動させることで、シートベルトの装着を容易にしている。
ガイド筒に類似した機構として、伸縮自在なテレスコピック機構のロッドの先端にシートベルトを挿通したベルトハンガーを設けたシートベルトプレゼンタ装置も提案されている(特許文献2)。このシートベルトプレゼンタ装置ではロッド根元部に備えられた駆動装置の運転により、テレスコピック機構のロッドを伸長させて、乗員が着座しているシート側方位置にベルトハンガーを位置させて、シートベルトの取り扱いを容易に行えるようになっている。
特開平6−211104号公報 実開昭61−176047号公報
ところで、特許文献1で開示されたシートベルト装置は、前席シートのように、アームをセンターピラーに設けることを前提として、そのアームをモータ駆動により前方へスイングさせてシートベルトの装着を容易にしている。したがって、後席シート等のベンチシートに対応するシートベルトの掛け渡し形式と異なる。後席シートによっては、シートベルト巻取装置がリアシェルフの下方等に設置されているものもあり、そのようなタイプのシートベルト装置では、特許文献1に開示されたような揺動タイプのアームは適用することができない。
また、特許文献1、特許文献2に開示されたシートベルト装着補助装置では、アームの揺動およびテレスコピック機構のロッド伸縮を、モータの正逆回転動作により実現している。このため、アームの揺動やロッドの伸縮のためのモータ制御のためにECU等を搭載する必要があり、シートベルト装置の補助装置としては駆動システムが複雑になるとともに、大型化、重量増となる。
そこで、本発明の目的は、上述した問題を解消し、後席シートのようにシートバックに沿ってシートベルトが装備されたシートベルト装置において、ドアの開閉によって得られたバネ付勢力を駆動源としてシートベルトを前方に向けて張り出すようにして、シートベルト装着を容易にするようにしたシートベルト装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、シートバックの一部に収容され、シートバックに沿って掛け渡された状態にあるシートベルトを、張り出しアームの回動に応じて前記シートバック面から前方に向けて張り出して保持可能な張り出しアーム駆動部と、
該張り出しアーム駆動部に接続された線材を介して回動動作を付与するバネを有するバネ駆動部と、ドアの一部に設けられ、前記ドアの開放動作に伴って前記バネに付勢力を付与する駆動力入力部とを備え、前記ドアを開閉し乗車し着座した乗員の側方位置にシートベルトの一部が張り出し、乗員のシートベルト装着を補助することを特徴とする。
前記張り出しアーム駆動部は、前記シートバックに形成された切欠内に収容され、捻りコイルバネの付勢力により、前記切欠内に常時収容されており、前記バネ駆動部と接続された線材が前記バネ駆動部のバネの付勢力を伝達して前記張り出しアームを前記捻りコイルバネの付勢力に抗して前方に向けて張り出させることが好ましい。
前記バネ駆動部のバネ付勢力は、前記ドアの一部に設けられた前記駆動力入力部と接続された線材が、ドア開放によって引き出されることで付与されることが好ましい。これにより、ドアの開動作により前記バネに駆動エネルギーを蓄積させることができ、外部動力源を用いずに駆動力を蓄えることができる。
前記バネ駆動部のバネの付勢力は、バネ両端に設けられた定着部の移動がラッチ手段との係止・解除により制御されて前記バネに付与されることが好ましい。これにより、前記バネに付与されたエネルギーを、簡単な構造で効率よく、前記張り出しアームの駆動エネルギーに変換させることができる。
前記ラッチ手段の係止・解除はソレノイドの入切動作で実現させることが好ましい。これにより、コンパクトで確実な動作を行う機構を実現することができる。
前記バネ駆動部のバネは、引張コイルバネとすることが好ましい。これにより、簡単な構造の駆動力源を実現することができる。
前記バネ駆動部のバネは、ぜんまいバネとすることが好ましい。コンパクトで省電力な駆動源を実現することができる。
前記張り出しアーム駆動部と前記バネ駆動部との間に増速機構を設け、前記バネ駆動部と前記駆動力入力部との間に減速機構を備えることが好ましい。これにより、バネ駆動部のバネに作用する力を軽減することで、バネの制御部材を小型化することができる。
前記張り出しアームの軸部にダンパー機構を備えることで、前記張り出しアームを滑らかに張り出させることで、装備に高級感をもたらすことができる。
以上に述べたように、本発明によれば、後席シートにおいて、乗員が着座する際に、シートバックに沿って配置されていたシートベルトが、ドアの開閉により駆動機構に蓄えられた駆動力により、トングが乗員の手にしやすい前方に向けて張り出し、シートベルト装着の補助を果たす。また、シートベルト装着直後には、張り出し機構が再びシートバック側に戻るので、乗員の降車時の支障とならず、乗員のシートベルト装着を容易にすることで装着率の向上を図ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態に係るシートベルト装置の複数の実施例について、添付図を参照して説明する。
図1は、後席ベンチシートのうち左側座席の座部2とシートバック3と、リアウインド4の間のリアシェルフ7の一部と、左側座席に着座する乗員が使用するシートベルト装置の初期状態(乗員が着座していない状態)とを示している。シートベルト装置は、同図に示すように、リトラクタ6がリアシェルフ7下のフレーム(図示せず)上に固定され、リトラクタ6から引き出されたシートベルト8は、シートバック3に沿ってシートバック3下端まで引き出され、さらにシート端はシートバック3の下端と座部2との間の奥部に位置し、シートフレーム面に固定されたアンカー部(図示せず)に定着されている。シートベルト8には、トング9が挿通されており、シートベルト8に設けられた図示しないスナップ部材により、乗員が手にとりやすい高さに配置されている。
また、図1,図2には、車両の3人掛けの後席シートの座部2のうち、左側乗員及び中央乗員の用いられるバックル装置20が示されている。これらバックル装置20は、左側座席の座部2と、中央座席のシートバック3とにそれぞれ収容されている。バックル装置20は、座部2内に装備された着座検知センサ22が左座席に乗員が着座したことを検知すると、図示しない起立機構等により、座部2の切欠2a内に収容されたバックル21が起立し、使用状態となる。一方、中央に乗員が着座する場合には、乗員が着座しシートバック3にもたれかかった状態でシートバック3の一部に設けられた切欠3a内に収容されたバックル21が前方に倒れるように突出し、使用状態になる。すなわち、中央乗員(図示せず)は着座した状態で、シートベルト8の中間位置にあるトング9を手がかりとして、リトラクタ6からシートベルト8を引き出し、トング9を着座した左脇の座面から起立した状態にあるバックル21の挿入口にトング9を挿入し、容易にシートベルト8を装着することができる。
また、図2は、図示しない乗員が着座した状態における左側座席2のシートベルト装置1の張り出し状態を示している。このように、左側座席では、シートバック3の表面から突出したシートベルト張り出しアーム(後述する)により、シートベルト8が所定量だけ折れ曲がるように前方に張り出し、そのシートベルト8の屈曲した先端付近にトング9が位置する。このため、乗員は着座した状態で、側方で前方に突き出た状態のシートベルト8の屈曲した先端付近にあるトング9を手にとり、容易にシートベルト8を装着することができる。
以下、このシートベルト装置1のうち、巻き取り状態のシートベルトを乗員着座時に所定量だけ張り出すシートベルト張り出し装置の構成について、複数の実施例を示して説明する。
[シートベルト張り出し装置の構成]
シートベルト張り出し装置の第1実施例の概略構成について、図3を参照して説明する。本実施例のシートベルト張り出し装置10は、図1,図2に示したような動作を実現する張り出しアーム機構30と、張り出しアーム機構30の張り出しアーム33の揺動の駆動源となるバネ駆動部40と、ドアの開閉を利用してバネ駆動部40内に収容されたバネに所定の付勢力を付与する駆動力入力部50とから構成されている。図3各図は、これら張り出しアーム機構30と、バネ駆動部40と、駆動力入力部50と、それぞれの関係と各検知部の構成を模式的に示した構成図と部分構成における動作説明図である。
図3(a)の構成図に示した張り出しアーム機構30は、常時(乗員が着座していない状態:図1)に示したように、シートバック3表面に形成された切欠内に、その全体が収容されている。張り出しアーム機構30は、図3(a)に示したように、シートバック3内の図示しないフレームに支持された回転軸32と、回転軸32が下端に位置するような逆L字形状をなした張り出しアーム33と、張り出しアーム33の上端に取り付けられたベルトホルダ34とからなる。張り出しアーム33の前面側には後述するワイヤ定着端33aが形成されている。このワイヤ定着端33aには、バネ駆動部40と接続されたアーム駆動ワイヤの端部が定着されている。また張り出しアーム33の回転軸32には、コイルバネ保持軸36が同軸的に形成されており、このコイルバネ保持軸36に、捻りコイルバネ37のコイル部37aが保持されている。捻りコイルバネ37は、図3(a)に示したように、コイル部37aにおいて、所定の捻りバネ係数が設定されたバネからなり、コイル部37aの両端から延長された直線部のうち、一端は図示しない固定フレームに定着され、他端は張り出しアーム33の所定位置に形成された定着孔に定着されている。この捻りコイルバネ37の初期付勢力(図3(a)中、時計回り方向)の作用により、図3(a)に示したように、張り出しアーム33と先端のベルトホルダ34とはシートバック3の切欠3b内に収容された状態にある。このとき、図3に示したように張り出しアーム33の前面側に形成されたワイヤ定着端にはワイヤ駆動源からのアーム駆動ワイヤ35が回転軸32を跨いで配線されている。したがって、図3(b)に示したように、ワイヤ駆動源の動作によりアーム駆動ワイヤ35が所定量だけ引き込まれることで、張り出しアーム33を、回転軸32を中心として所定角度だけ回動させることができ、張り出しアーム33はシートバック3内から座席前方に向けてその一部が張り出すことができる。
図3(a)にはバネ駆動部40の模式構成が示されている。同図に示したように、バネ駆動部40は、主駆動源となる引張コイルバネ41がコイルバネ41の軸線方向に直線状に伸縮できるように図示しないホルダに保持されている。コイルバネ41の両端には前述のホルダ(図示せず)に沿ってスライド可能なバネ定着具42が取り付けられている。図中、左側のバネ定着具42Lには張り出しアーム機構30から延長されたアーム駆動ワイヤ35が接続されている。右側のバネ定着具42Rには後述する駆動力入力部50から延長された駆動力入力ワイヤ45が接続されている。さらにバネ両端のバネ定着具42には、図3(a)に示したように、それぞれヒンジ回りに揺動可能なラッチ部材43,44が係止され、このラッチ部材43,44の動作により、コイルバネ41の伸縮およびコイルバネ41自体の軸線方向への規制が制御されるようになっている。このラッチ部材43,44は制御部26からの動作指令により駆動するソレノイド46,47のロッドの伸縮動作により係止位置と退避位置とを往復動することができる。また、ラッチ部材43,44の作用としては、図3(c)に示したように、ラッチ部材44のヒンジ側からバネ定着具42Rがスライドすると、ラッチ部材44は係止することなくバネ定着部42Rを図中、右側にスライドさせることができる。このとき、左側のバネ定着具42Lは左側ラッチ部材43でスライドが抑止されているため、コイルバネ41は自由長から定着具42Rの移動距離だけの長さ伸長する。その後、右側のバネ定着具42Rが右側のラッチ部材44を越えてスライドし、その後右方向への引張力が作用しなくなると、コイルバネ41の付勢力により、図3(d)に示したように、コイルバネ41に付勢力が保持された状態で両端のバネ定着具42L,42Rはそれぞれのラッチ部材43,44に係止される。このとき後述するように、例えば左側のソレノイド46が入(ON)となると左側ラッチ部材43がバネ定着具42Lとの係止位置から退避するので、コイルバネ付勢力(縮み方向力)により、バネ長は自由長まで短縮される(図3(e))。
本発明において、駆動力入力部50はこのシートベルト張り出し装置10が装備されたシートの直近のドア53内に組み込まれている。すなわち、図3(a)に示したバネ駆動部40のコイルバネ41の右側定着具42Rから延長された駆動力入力ワイヤ45は、ドアヒンジ近傍を経由してドアフレーム(図示せず)の一部に形成された駆動子保持フレーム51に保持されたワイヤ端の駆動子52まで延長されている。駆動子保持フレーム51は、ドアフレームに取り付けられているため、ドアの開閉角度に応じて駆動子保持フレーム51に保持された駆動子52が駆動力入力ワイヤ45を所定量だけバネ駆動部40から引き出す。実施例では、バネ駆動部40のコイルバネ41の最大長は図3(a)に示した両端のラッチ位置で規定されている。
本発明のシートベルト張り出し装置10を動作させるその他の構成として、図3(a)に示したように、検知部として、シートの座面に埋設された着座検知センサ22、バックル21内に収容され、トング9の適正装着を検知するシートベルト装着検知センサ25、及びこれらのセンサからの乗員の動作情報を収集するとともに、その動作状態に応じてバネ駆動部40のソレノイド46,47を作動させてシートベルト張り出し装置10の適正な位置を設定する制御部26が設けられている。
シートベルト張り出し装置10は、図3および上述したような各構成からなるため、ドアの開閉動作によってシートバック3内に収容された張り出しアーム33の回動動作のためのバネ付勢力をバネ駆動部40内のコイルバネ41に蓄積することができ、蓄積されたバネ付勢力をドア開の状態からドア閉の状態や、乗員着座時のシートベルト装着動作前に張り出しアーム33の回動動作に利用することができる。
以下、シートベルト張り出し装置10の乗員の昇降に応じた動作について、図4(a)〜図5(f)を参照して説明する。
図4(a)は、シートベルト張り出し装置10の主構成である、張り出しアーム機構30とバネ駆動部40と駆動力入力部50とをワイヤ35,45で接続した初期状態を示した概略構成図である。このとき張り出しアーム機構30は、捻りコイルバネ37の付勢力により、シートバック3内に収容された状態にある。このときバネ駆動部40のコイルバネ41は自由長であり、付勢力は作用していない。張り出しアーム33とバネ駆動部40との間のアーム駆動ワイヤ35およびドア53内の駆動力入力部50からバネ駆動部40に延長された駆動力入力ワイヤ45には、ともに張力は生じていない。この状態から図4(b)に示したように、乗員が乗車するために、ドアを開けると、ドアの回動に伴い、ドアフレームに取り付けてある駆動子保持フレーム51と、この駆動子保持フレーム51内に保持された駆動子52とが初期位置から移動する。駆動子52にはバネ駆動部40から延長された駆動力入力ワイヤ45が接続されているため、バネ駆動部40内のコイルバネ41の定着具42Rが駆動力入力ワイヤ45により、ラッチ部材44を越えてスライドさせてコイルバネ41を伸長させる。ドア53がある角度まで回動すると、定着具42Rがラッチ部材44に係止する。ここまでのワイヤ引張力によりコイルバネ41に付勢力が蓄積保持される。この状態から乗員が乗車し、着座状態でドア53を閉めると、図4(c)に示したように、制御部26(図3(a))がドア閉の信号を受けてソレノイド46をON状態にする。ソレノイド46がON状態になるとラッチ部材43が定着具42Lの係止を解除するように退避する。これにより、引張付勢された状態にあるコイルバネ41は、係止が解除されて付勢力が解放され、駆動ワイヤ35をバネ駆動部40内に引き込むように自由長まで短縮する。この駆動ワイヤ35の引き込み力は、張り出しアーム33の捻りコイルバネ37の付勢力より大きいため、張り出しアーム33は捻りコイルバネ37の付勢力に抗してシートバック3内から回動してシート外に張り出す。そのとき張り出しアーム33の先端に設けられたベルトホルダ34により、シートベルト8は前方に向けてく字形をなすように張り出す。これにより、着座した乗員は、左側方に位置するシートベルト8のトング(図示せず)を容易に手に取ることができ、乗員右側に位置するバックル21(図2)に装着することができる(図4(c))。このとき乗員が適正にバックル21を装着した信号を制御部26が受けて、制御部26はソレノイド47をON状態にする。この状態では、バネ駆動部40のコイルバネ41はフリーな状態にあるため、張り出しアーム機構30の押し出しを保持していたアーム駆動ワイヤ35もフリー状態になっている。そして張り出しアーム33内の捻りコイルバネ37の付勢力による張り出しアーム33のシートバック3内の収容位置へ回動が生じ、アーム駆動ワイヤ35は張り出しアーム33側に引き戻され、張力が解放された状態となる。その後、図5(d)に示した状態から制御部26のタイマーにより所定時間経過後に、両側のソレノイド46,47がOFF状態になる。このとき、張り出しアーム33は自己の捻りコイルバネ37の付勢力によりシートバック3内に収容状態が保持されているため、以後は、乗員Pがシートベルト8のバックル21をはずすまで、シートベルト張り出し装置10自体の駆動用の消費電力は発生しない状態が保持される。
図6は、図3(a)に示したバネ駆動部40に用いられる引張コイルバネ41に代えて、ぜんまいバネ41Sを用いた第2実施例を示した模式構成図である。同図に示したように、ぜんまいバネ41Sは外観が扁平な円板状となるため、バネ両端の定着部を半割状のケーシング形状とすることが可能である。ぜんまいバネ41Sは、その中心端側定着部を貫通するようにして中心側端部を定着する軸受部材Aと半割のケーシング48とを一体化した部材と、同形で反対面を覆うケーシング49の端部でぜんまいバネ41Sの外周端側定着部を保持するようになっている。そして、各ケーシング48,49の内面側にはぜんまいバネ41Sの巻き取り、巻き解きに応じて所定方向に係止可能なラッチ受け48a,49aと螺旋状ガイド面48b,49bとが形成されている。そして各ケーシング48,49のラッチ受け48a,49aの外側位置にはラッチ部材43,44とソレノイド46,47とが配置されている。
この実施例によれば、バネ駆動部40を、ぜんまいバネ41Sを挟んだケーシング48,49で覆うような形状とすることができるため、バネ駆動部40の小型化が図れる。また、ぜんまいバネのバネ係数が小さく設定できるため、必要なバネ付勢力下限値に対して、バネ付勢力保持時のバネ付勢力の増加量が小さく、バネ付勢力を解放する際のラッチ部材を動作させるソレノイドの能力も小さくすることができる。このため、ソレノイドを小型化でき、駆動電力も小さくすることができる。
[第1実施例の変形例]
図7は、図3(a)に示したシートベルト張り出し装置10の構成に加え、張り出しアーム機構30とバネ駆動部40との間に増速機構(減力機構)61を、バネ駆動部40と駆動力入力部50との間に減速機構(増力機構)62を介装させた概略構成図である。同図に示した構成とすることにより、バネ駆動部40でのコイルバネ41に発生させる付勢力を小さくすることが可能になる。そのため、コイルバネ41の定着具に係止させるラッチ部材を操作するソレノイドの小型化、省電力化を図ることができる。増速機構61としては変速比1:3程度とすることで、張り出しアーム機構30側の負荷を大きくさせることなく、バネ駆動部40への付勢力を軽減することができる。同様に、減速機構62としては、変速比3:1程度とすることで、駆動力入力部50の変位量(ドア開放量)を適正な値とすることができる。
[第1実施例の他の変形例]
図8は、図3(a)に示したシートベルト張り出し装置10の構成に加え、張り出しアーム機構30内にダンパー機構63を備えた変形例を示している。図3(a)他に示した張り出しアーム機構30は捻りコイルバネ37の付勢力でシートバック3内に収容されており、この張り出しアーム機構30をシートバック3から張り出すためには、捻りコイルバネ37の付勢力を上回る駆動ワイヤ35の引き込み力を付与する必要がある。このときバネ駆動部40のコイルバネ41の付勢力が利用されるが、バネ端部の定着具42Lとラッチ部材43の係止が解除されると同時に、駆動ワイヤ35による引き込み動作が起こるため、瞬間的に張り出しアーム機構30が突出する。そこで、張り出しアーム機構30の滑らかな回動動作を実現するために、張り出しアーム機構30の回転軸に、ダンパー機構としてのロータリーダンパー63を取り付けた。これにより張り出しアーム機構30の回動をスムーズに行え、高級感のある動作が実現する。なお、ダンパー機構はバネ駆動部40に設けて、ソレノイドによるラッチ部材の係止解除を滑らかに行えるようにすることもできる。
本発明のシートベルト装置を装備した後席シートを示した概略斜視図。 シートベルト張り出し装置の動作状態を示した概略斜視図。 シートベルト張り出し装置の構成とその動作例を示した概略構成図。 シートベルト張り出し装置の動作手順を示した動作説明図(その1)。 シートベルト張り出し装置の動作手順を示した動作説明図(その2)。 シートベルト張り出し装置の他の実施例の構成を示した概略斜視図。 図3(a)に示したシートベルト張り出し装置の変形例を示した概略構成図。 図3(a)に示したシートベルト張り出し装置の他の変形例を示した概略構成図。
符号の説明
1 シートベルト装置
2 座部
6 リトラクタ
8 シートベルト
9 トング
10 シートベルト張り出し装置
20 バックル装置
21 バックル
22 着座検知センサ
26 制御部
30 張り出しアーム機構
33 張り出しアーム
34 ベルトホルダ
35 アーム駆動ワイヤ
37 捻りコイルバネ
40 バネ駆動部
41 コイルバネ
41S ぜんまいバネ
42,42L,42R バネ定着具
43,44 ラッチ部材
45 駆動力入力ワイヤ
46,47 ソレノイド
50 駆動力入力部
53 ドア

Claims (9)

  1. シートバックの一部に収容され、シートバックに沿って掛け渡された状態にあるシートベルトを、張り出しアームの回動に応じて前記シートバック面から前方に向けて張り出して保持可能な張り出しアーム駆動部と、
    該張り出しアーム駆動部に接続された線材を介して回動動作を付与するバネを有するバネ駆動部と、
    ドアの一部に設けられ、前記ドアの開放動作に伴って前記バネに付勢力を付与する駆動力入力部とを備え、
    前記ドアを開閉して着座した乗員の側方位置にシートベルトの一部が張り出し、乗員のシートベルト装着を補助することを特徴とするシートベルト装置。
  2. 前記張り出しアーム駆動部は、前記シートバックに形成された切欠内に収容され、捻りコイルバネの付勢力により、前記切欠内に常時収容されており、前記バネ駆動部と接続された線材が前記バネ駆動部のバネの付勢力を伝達して前記張り出しアームを前記捻りコイルバネの付勢力に抗して前方に向けて張り出させることを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  3. 前記バネ駆動部のバネ付勢力は、前記ドアの一部に設けられた前記駆動力入力部と接続された線材が、ドア開放によって引き出されることで付与されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシートベルト装置。
  4. 前記バネ駆動部のバネの付勢力は、バネ両端に設けられた定着部の移動がラッチ手段との係止・解除により制御されて前記バネに付与されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシートベルト装置。
  5. 前記ラッチ手段の係止・解除はソレノイドの入切動作で実現することを特徴とする請求項4項に記載のシートベルト装置。
  6. 前記バネ駆動部のバネは、引張コイルバネであることを特徴とする請求項1項に記載のシートベルト装置。
  7. 前記バネ駆動部のバネは、ぜんまいバネであることを特徴とする請求項1項に記載のシートベルト装置。
  8. 前記張り出しアーム駆動部と前記バネ駆動部との間に増速機構を設け、前記バネ駆動部と前記駆動力入力部との間に減速機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
  9. 前記張り出しアームの軸部にダンパー機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のシートベルト装置。
JP2008237683A 2008-09-17 2008-09-17 シートベルト装置 Withdrawn JP2010069982A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008237683A JP2010069982A (ja) 2008-09-17 2008-09-17 シートベルト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008237683A JP2010069982A (ja) 2008-09-17 2008-09-17 シートベルト装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010069982A true JP2010069982A (ja) 2010-04-02

Family

ID=42202172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008237683A Withdrawn JP2010069982A (ja) 2008-09-17 2008-09-17 シートベルト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010069982A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101261207B1 (ko) 2011-11-29 2013-05-10 쌍용자동차 주식회사 자동차용 시트벨트의 버클구조
WO2016021622A1 (ja) * 2014-08-06 2016-02-11 テイ・エス テック株式会社 シートベルトアシスト装置及び乗り物用シート
JP2016037142A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 テイ・エス テック株式会社 シートベルトアシスト装置及び乗り物用シート
US10449926B2 (en) 2014-08-06 2019-10-22 Ts Tech Co., Ltd. Seatbelt assist device and vehicle seat
CN111616537A (zh) * 2019-05-20 2020-09-04 恒林家居股份有限公司 座椅装置及其星形底座

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101261207B1 (ko) 2011-11-29 2013-05-10 쌍용자동차 주식회사 자동차용 시트벨트의 버클구조
WO2016021622A1 (ja) * 2014-08-06 2016-02-11 テイ・エス テック株式会社 シートベルトアシスト装置及び乗り物用シート
JP2016037142A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 テイ・エス テック株式会社 シートベルトアシスト装置及び乗り物用シート
US10449926B2 (en) 2014-08-06 2019-10-22 Ts Tech Co., Ltd. Seatbelt assist device and vehicle seat
US10668893B2 (en) 2014-08-06 2020-06-02 Ts Tech Co., Ltd. Seatbelt assist device and vehicle seat
US10933840B2 (en) 2014-08-06 2021-03-02 Ts Tech Co., Ltd. Seatbelt assist device and vehicle seat
US11639152B2 (en) 2014-08-06 2023-05-02 Ts Tech Co., Ltd. Seatbelt assist device and vehicle seat
CN111616537A (zh) * 2019-05-20 2020-09-04 恒林家居股份有限公司 座椅装置及其星形底座
CN111616537B (zh) * 2019-05-20 2023-09-15 恒林家居股份有限公司 座椅装置及其星形底座

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3061657B1 (en) Webbing take-up device and seatbelt device
JP5215549B2 (ja) シートベルト巻き取り装置
KR100979324B1 (ko) 시트벨트장치
US20080100115A1 (en) Seat apparatus
JP4069688B2 (ja) シートバーチカル装置
JP4432591B2 (ja) ヘッドレスト高さ調整装置
JP2007030528A (ja) タング取出し補助装置およびこれを用いたシートベルト装置
JP2010069982A (ja) シートベルト装置
RU2008113166A (ru) Многофункциональное устройство регулировки положения сиденья и способ регулоровки положения сиденья
EP1655186B1 (en) Tongue retrieval system and a seatbelt apparatus using the same
US20060113785A1 (en) Seatbelt apparatus and tongue retrieval assisting device
JP2007045189A (ja) シートベルト装着補助装置
JP5523856B2 (ja) シートベルト装置
JP5638788B2 (ja) シートベルト装置
JP2009096233A (ja) シートベルト装置
JP2005335704A (ja) バックル装置およびこれを用いたシートベルト装置
JP5203881B2 (ja) ウエビング巻取装置
CN105438021B (zh) 一种儿童安全座椅
JP2006137232A (ja) シートベルト装置
JP5687145B2 (ja) シートベルト装置
JPS62210152A (ja) ウエビング中間部駆動装置
JP5230356B2 (ja) シートベルト装着補助装置
JP4081349B2 (ja) シートベルト装置及びベルト装着補助方法
JP6243082B1 (ja) 自動シートベルト牽引装置、およびその制御方法
JP2006056424A (ja) 車両のサイドドア構造

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20111206