JP2003122164A - トナー定着用部材 - Google Patents

トナー定着用部材

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JP2003122164A JP2001316791A JP2001316791A JP2003122164A JP 2003122164 A JP2003122164 A JP 2003122164A JP 2001316791 A JP2001316791 A JP 2001316791A JP 2001316791 A JP2001316791 A JP 2001316791A JP 2003122164 A JP2003122164 A JP 2003122164A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリコーンオイルの抑制と、より優れた発色性
(色は硬いよりも、柔らかい感じの色彩で)をもって、
高画質で複写印刷できる手段の提供。 【解決手段】E硬度15〜65度のシリコーンゴム弾性
層が、連続成形後、アルカリ金属溶液にて内表面をケミ
カルエッチング処理して得られた薄厚フッ素樹脂チュー
ブの有するに凹状折り目の深さ又は凸状折り目の高さが
2μm以下に規制された薄厚フッ素樹脂チューブでもっ
て表面被着されてなるトナー定着用の回転ローラ(R)
又は回転ベルト(B)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の薄厚フッ素
樹脂チューブを表面層に、より低硬度シリコーンゴムを
下層に有してなるトナー定着用のローラ又はベルトに関
する。例えばカラー複写機の加熱定着部材に使用するこ
とで、シリコーンオイルの削減を図りつつ、より光沢の
ある柔らかい画質でもって安定した複写が可能になる。
【0002】
【従来の技術】加熱源を内蔵した芯ロールを基体とし、
これにシリコーンゴム弾性層、フッ素樹脂表面層を順次
積層してつくられたフッ素樹脂弾性ローラが、例えば、
カラー複写機の加熱定着部材の一つとして使用されるこ
とは知られている。又、この加熱定着に際して、複写紙
上のトナー画像を圧して発色させる直前に、該ローラの
表面にシリコーンオイルが、連続塗布されることも知ら
れ、実用もされている。これは加熱定着後の複写紙と該
ローラとの離型を確実に行う為であるが、より迅速に確
実に定着させることにもよる。より迅速、確実に定着を
行う為には、トナー画像をより強い線圧で圧する必要が
あるが、その為には、より硬質の該ローラを使って、よ
り強い線圧で圧しつつ高速回転をする必要がある。しか
しこのような状況になると、ますます該オイルの使用が
必要になる。本来該オイルを使用することは、トナー画
像の発色性(画質)とか、定着性(強固に定着)とか、
装置の複雑化等により好ましいものではない。該オイル
の使用を削減しより迅速に複写することが課題となる
が、現状では両方を満足させる技術はない。現在の傾向
としては、迅速性よりも、該オイルは可能な限り使わず
に、より優れた発色(色は硬いよりも、柔らかい感じの
色彩)をもって、確実に定着できることも求められるよ
うになってきている。
【0003】ところで、前記フッ素樹脂を表面層とする
弾性ローラにおいて、該表面層の形成手段には、フッ素
樹脂エマルジョンを直接塗布して形成する直接法もあれ
ば、予め成形して得たフッ素樹脂チューブを嵌着して形
成する間接法もある。該間接法は、形成自体が容易で、
高い厚み精度をもって所望する層厚が自由に得られ、取
り扱いも容易等の点で有利である。
【0004】前記間接法は、基本的には、フッ素樹脂を
薄厚のチューブ状に連続押出成形して、これを一旦ロー
ラに巻き取り、そしてこの巻き取られたチューブを所定
サイズ(幅)にカットして、前記シリコーンゴム弾性層
に嵌着するものである。ここで、フッ素樹脂は、本来接
着性が悪いので、その使用形態(チューブ状、か、ウェ
ッブフィルム)がどうであろうと、被着体との組み合わ
せで使用する場合は、一般に接着性改善の為に別途表面
前処理が施される。この表面前処理は、一般に知られて
いる手段の中で適宜選ばれるが、その方法としては、大
きくは化学薬品によるケミカルエッチングと呼ばれてい
る化学的方法と、電気的方法とがある。本発明はチュー
ブを対象とし、これの内表面を連続的に前処理すること
を主眼とすることから、該化学的方法が有効である。
【0005】前記チューブは、薄厚の為にウェッブフィ
ルムに取り扱えることで、該チューブ成形から前記内面
前処理に至るまで連続化が容易になる。その連続化とな
ると、該チューブは、必然的に押しつぶされて、フラッ
トの状態で、多くの単ローラとニッピングローラを介し
て誘導搬送され、最後にローラに巻かれて引き取られる
工程が採られることになる。しかしながら、このような
製造工程が採られる限り、一般には、最終的に得られる
チューブにはどうしても折り目がつき避けられないのが
実状である。特にこの折り目は、一般に前記化学的内面
前処理法と組み合わせる場合に、より強く発現する傾向
にある。
【0006】前記折り目のあるチューブよりも、折り目
のないチューブの方が好ましいことは勿論のことではあ
るが、前記一連の工程を採る限り、(その程度の差はあ
るにしても)その折り目の付くのは避けられず、現状で
はそのまま使用されてきている。この折り目のあるチュ
ーブが、現状で許容され使用されているのは、トナー定
着が、一般に硬い硬度のシリコーンゴム弾性層をもって
なるフッ素樹脂ローラによって高速で行われる為であ
る。つまり加熱定着を強い線圧で圧して行うからであ
る。強い線圧で押すことで、折り目による画像カスレと
か、筋模様のような画像不良はあまり顕在化しないから
である。このような強い線圧での加熱定着は、紙離れが
より悪くなり、より一層シリコーンオイルが使用される
という悪循環にもなる。尚、前記の連続的成形と内面処
理により連続製造されるチューブにできる折り目深さ
は、一般的に3〜10μm程度とされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】現在の傾向としては、
複写迅速性よりも寧ろシリコーンオイルの抑制と、より
優れた発色性(色は硬いよりも、柔らかい感じの色彩
で)をもって、高画質で複写印刷できることにある。と
ころが、このような要求に対して、これまで使用されて
きた前記フッ素樹脂チューブでは、十分な解決が図れ
ず、前記折り目の問題もより大きく顕在化されるように
なってきた。本発明は、かかる課題に対して鋭意検討し
た結果、新たに見出されたもので、それは、特定のフッ
素樹脂チューブを特定のローラ又はベルトと組み合わせ
ることで解決することができたのである。
【0008】
【課題を解決する為の手段】即ち本発明は、請求項1、
2に記載するもので、それはE硬度15〜65度のシリ
コーンゴム弾性層が、連続成形後、アルカリ金属溶液に
て内表面をケミカルエッチング処理して得られた薄厚フ
ッ素樹脂チューブの有する凹状折り目の深さ又は凸状折
り目の高さが2μm以下に規制された薄厚フッ素樹脂チ
ューブでもって表面被着されてなることを特徴とするト
ナー定着用の回転ローラ、回転ベルトである。
【0009】そして、請求項1、2のそれぞれの従属発
明として、請求項3、4も提供される。以下に本発明を
詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、薄厚チューブの成形原料で
あるフッ素樹脂から説明する。これは、一般に知られて
いるフッ素系樹脂の中で、該チューブへの成形性と耐熱
性(例えば約170℃以上に加熱しても一切の変化のな
い)に優れる熱可塑性樹脂である。この両特性に好まし
く対応するものは、融点約200〜310℃の範囲にあ
るものである。具体的には、例えば塩化三フッ化エチレ
ン、四フッ化エチレンと六フッ化プロピレンとの二元コ
ポリマ(FEP)、エチレンと四フッ化エチレンとの二
元コポリマ、塩化三フッ化エチレンとエチレンとの二元
コポリマ、四フッ化エチレンとパーフルオロアルキルビ
ニルエーテルとの二元コポリマ(PFA)、四フッ化エ
チレンと六フッ化プロピレンとパーフルオロアルキルビ
ニルエーテルとの三元コポリマ等が挙げられる。この中
でもより好ましいものは、請求項3、4でも提供するよ
うに、二元コポリマである。尚、このフッ素樹脂は、基
本的にはこれ単独で使用されるが、加熱定着性により有
効に作用するものであればそれの添加を避けるものでは
ない。例えば若干の電気抵抗制御の為に導電性カーボン
ブラック、熱伝導性付与の為に(一般的な)熱伝導性材
が考えられる。勿論これら添加剤の使用に際しては、成
形性等、前記課題解決に支障のある条件下であってはな
らない。
【0011】そして、前記フッ素樹脂は、薄厚のチュー
ブ状で連続成形され、その後アルカリ金属溶液にて内表
面がケミカルエッチングされて新たなチューブへと変え
られる。しかし、この新たなチューブには、この2つの
成形工程と内面処理工程から必然的に賦形される折り目
に基づく少なくとも(両端)2本の連続した凹状又は凸
状のスジがついている。これが、本発明が問題とするも
のであるが、このスジの賦形は、該チューブが、単ロー
ラとニッピングローラによる作用ローラ(チューブのガ
イド、搬送、巻き取り)を介して、フラット状のチュー
ブで搬送され、最後にローラに巻き取られるからであ
る。
【0012】参考までに前記凹状折り目又は凸状折り目
を図解すると、図1又は図2に例示するものである。図
1は凹状折り目の例で、まず前記全工程を経てローラに
巻き取られたフラット状チューブ1を横断面で示したも
のが(1A)で、そしてこれを芯円状に開口した断面が
(1B)で示されている。ここで1aは、凹状折り目の
部分でS、Saの深さを持っている。該チューブでの深
さSが芯円状に開口すると、その深さはSaで示す如く
若干浅くなる。一方、図2は凸状折り目の例で、フラッ
ト状チューブ2の横断面を(2A)で、これを芯円状に
開口した場合の断面を(2B)で示している。ここで2
aは、凸状折り目の部分で、M、Maの高さを持ってい
る。該チューブでの高さMが、芯円状に開口すると、M
aで示す如く若干低くなる。
【0013】一般にプラスチックチューブがフラット状
に押しつぶされた場合の折り目は、図2のような凸状折
り目になる。しかしながら、前記二つの工程を得て得ら
れる薄厚フッ素樹脂チューブは、図1で例示するよう
な、凹状折り目部分の形状が鋸歯状で賦形されている場
合もある。特にこの鋸歯状折り目で現れるのは、該チュ
ーブ自身の成形工程よりも、アルカリ金属溶液による内
表面のケミカルエッチング工程で賦形される場合が多
い。尚、本発明は、この凹状又は凸状の折り目を規制す
るものであるが、これにスポット的な凹みとか、突起が
併存する場合もこの規制は必要である。
【0014】そして、前記工程を経て巻き取られた、薄
厚フッ素樹脂チューブ(以下T・Fチューブと呼ぶ。)
の有する凹状又は凸状の折り目の有する深さ又は高さ
は、2μm以下、好ましくは1.5μm以下、更には
1.0μm以下に規制しなけねばならない。つまり、こ
の条件を満たす該T・Fチューブしか前記課題は解決さ
れない。ここで、該深さ又は高さの意味は、T・Fチュ
ーブを芯円状に開口した場合に測定されるものであり、
図1、2で示すとSa又はMaである。従って、仮にフ
ラット状での深さ又は高さ(該図ではS又はM)が2μ
mを越えていても、芯円状で測定して2μmになれば、
それは本発明の範囲である。尚、該深さ又は高さは、0
μmが理想ではあるが、本発明にいうT・Fチューブ
が、前記特定の2つの連続工程によって製造されるもの
を対象とする限り、0μmの該チューブは不可能に近
い。少なくても0.3μm程度の深さ又は高さの凹状又
は凸状の折り目は残っている。
【0015】つまり、本発明は、前記凹状又は凸状の折
り目深さ又は高さが、0μmでなくても2μm以下のT
・Fチューブであれば、前記課題が解決されるというも
のであるが、しかしながら決してこれ単独で達成される
ものではない。後述する、特定範囲のE硬度でもってな
る低硬度シリコーンゴム弾性層との組合せによって初め
て、2μm迄の折り目を吸収し、前記課題を解決してく
れるというものである。従って、仮にこの弾性層が非弾
性層であれば勿論の事、この特定範囲を外れる該弾性層
との組み合わせであれば、該2μm以下のフッ素樹脂チ
ューブでも、本課題の解決は図れない。
【0016】前記シリコーンゴム弾性層のE硬度は、具
体的には最大で65度、好ましくは55度迄に抑え、で
きる限り低硬度層とする。ここで上限を65度とするの
は、これを越えると前記の吸収作用も悪くなり、そのこ
とが定着ムラ(スジ、ピンホール等)の発生とか、シリ
コーンオイル抑制効果も小さくなり、ソフト感をもった
画質でもっての安定印刷の持続も困難になることによ
る。一方、下限硬度は15度、好ましくは20度迄とす
るのが良い。これは、より低硬度が良いとはいっても、
余りにも低硬度であると全体としての回復弾性が低下
し、その結果表面に微妙な変形が生じ、定着ムラ(特に
濃淡)等の発生原因に繋がり良くないからである。尚、
ここでいうE硬度は、基本的にはJIS K 6253
(1997)にて記載されるタイプEのデュロメータに
て測定されたものである。しかしながら、仮にこのE硬
度での測定ができ難いとか、精度的に良くない場合に
は、同JISに記載されるタイプDデュロメータ又はゴ
ム業界等で従来から使用されてきているアスカーCS型
デュロメータとか、アスカーC型デュロメータにて測定
した硬度に変えても良い。
【0017】尚、前記シリコーンゴム弾性層を形成する
シリコーンゴムは、一般に知られている加熱加硫硬化型
(パーオキサイド等での加硫、又は白金触媒による加
硫)か、又は室温硬化型(ポリアルコキシシランに代表
される多官能シラン化合物の水との反応による常温架
橋)のゴム性シリコーンのいずれかにより製造される。
この中でも、本発明にとって有効(耐熱性、加工性等)
なものとなると、白金触媒により加熱加硫しゴムに変え
る液状シリコーンである。
【0018】そして、前記問題になる凹状又は凸状の折
り目の出き易さは、T・Fチューブの厚さにも関係し、
厚い方よりも薄い方が出き易い。本発明が、特に該チュ
ーブを薄厚と形容しているのはそのためである。この薄
い方の厚さは、例えばフッ素樹脂二元コポリマによる該
チューブの場合では、20〜110μm(請求項3、
4)、より薄く90μm以下である。つまり、本発明の
T・Fチューブは、(この出き易い)薄い方の厚さのも
のが対象であり、それの有する凹状又は凸状折り目の深
さ又は高さが2μm以下のものになる。尚、該チューブ
の厚さ、内径、幅の選択は、ローラ定着か、ベルト定着
か更には使用機種等により適宜選択される。
【0019】T・Fチューブの有する凹状又は凸状の折
り目深さ又は高さは、2μm以下であるが、前記2つの
工程を経て得られる該チューブは、(前記するように)
一般には2μmを越えるものが多い。従って、該チュー
ブの製造に際しては2μm以下、可能な限り小さいもの
が得られるように、何らかの対策が求められる。
【0020】本発明では、次に例示するような製造手段
を採ることで、2μm以下のT・Fチューブが安定して
得られるようにしている。つまり、まず所定のフッ素樹
脂を単軸押出機に供給して溶融しつつ環状ダイスを経由
して、チューブ状に押し出し室温冷却しながらフラット
状で巻き取りローラに巻き取る。このローラに巻き取る
迄の工程は、40〜60℃程度に温度調整された環状マ
ンドレルを該ダイスに近接し、インナーサイジングしな
から引き取る。この時に引き取りをより容易に誘導する
為に、キャタピラーとか、狭幅のニッピングローラの介
在は折り目抑制のために有効である。延伸は行う場合も
あれば、行わない場合もある。前記するように、この成
形工程では、折り目はできるにしても前記問題になるよ
うな凹状又は凸状の折り目はつきにくい。
【0021】次に、巻き取られた前記成形チューブは、
アルカリ金属溶液による内表面のケミカルエッチング工
程に送られる。前記するように、問題になるいずれかの
折り目は、前記成形工程よりも、この工程で賦形される
確率が高い。これの根本的原因は、内表面層が化学的に
変化し、且つ種々ガイドローラとニッピングローラとに
よって誘導され引き取られることにあるものと考えられ
る。従って、本工程での折り目抑制の為の格別の配慮が
求められる。
【0022】前記ケミカルエッチング工程で問題になる
折り目(2μm以下)抑制の為の格別の配慮としては、
種々考えられるが、本発明では次のような手段が好まし
く提供できるので、それを図3(概略側面図)を参照し
ながら説明する。尚、ケミカルエッチングを行うアルカ
リ金属溶液は、例えばナトリウム、カリウム等のアルカ
リ金属を液体アンモニアと反応して得たアルカリ金属ア
ミドを含有するナトリウム金属液体アンモニア溶液と
か、該アルカリ金属をナフタレンと反応して得たナフタ
レンアルカリ金属のテトラヒドロフラン溶液が挙げら
れ、このアルカリ金属イオンがフッ素樹脂のフッ素と反
応(ケミカルエッチング)するものである。該アルカリ
金属溶液のいずれかが選ばれるが、ここでは該液体アン
モニア溶液の方が、前記問題の折り目の発生はし易い
が、ケミカルエッチングの作用面からはより有効である
ので、ここでは該液体アンモニア溶液による工程につい
て説明する。
【0023】まず、事前準備として次の操作が行われ
る。前記成形工程を経て巻き取られた成形チューブ3
は、ガイドローラR1から張架単ローラR2→同ローラ
R3と順次通される。この通す作業に際しては、事前に
成形チューブ3自身は−50℃前後に冷却されている。
これは該液体アンモニア溶液自身の液化温度が−40℃
以下であるためである。そしてローラR3を通って出た
時点で、成形チューブ3の一端開口部から所定量の該液
体アンモニア溶液が注入される。注入された状態が5で
示されている。該注入が終わったら引き続き引き出して
ニッピングローラR4(狭幅のローラを対峙して成形チ
ューブ3の中央部分をニッピングするローラ構成)を介
して張架単ローラR5→同ローラR6へと続く。そして
ローラR6を通って出た時点で、今度は所定量の洗浄液
(該液体アンモニア溶液の洗浄液で、水の場合もあれ
ば、有機溶剤の場合もある)が注入される。この状態は
6で示す。洗浄液6の注入が終わったらガイドローラR
7を通して巻き取りローラ4で巻き取られる状態にして
おく。ここで該液体アンモニア溶液5と洗浄液6の注入
量は、少なくとも巻き取られた成形チューブ3の一バッ
チ分に相当する量である。
【0024】前記事前準備が終了したら、成形チューブ
3は所定速度で連続供給され、張架単ローラR2と同ロ
ーラR3間で、まずケミカルエッチングされ、次に張架
単ローラR5と同ローラR6間で内面洗浄が行われて巻
き上げローラ4にて巻き取られ終了する。ここで該速度
は基本的には、該エッチングにより所望するレベル(接
着性付与)になるのに必要最小限(必要以上は問題の凹
状又は凸状の折り目が逆に出き易くもなる)の速度とい
うことであるが、これは一般に15m/分以下が目安で
ある。尚、該ローラR2とローラR3間に存在する該液
体アンモニア溶液5は、この連続処理中、外部から約−
50℃〜−60℃に冷却され続けられる。
【0025】本工程で特に重要なことは、まず該液体ア
ンモニア溶液によるケミカルエッチングが、張架単ロー
ラR2と同ローラR3のローラ配置で判るように、成形
チューブ3が水平状態になるようにして処理されること
である。そして該ローラR2とローラR3間の成形チュ
ーブ3は、両サイドのガイドローラR1とニッピングロ
ーラR4とによって垂直的に吊り下げられる状態になる
ことである。これらの条件が設けられることで、成形チ
ューブ3と該液体アンモニア溶液5との内面接触ムラが
より少なくなり、常に内面均一に接触を続けることがで
きること、そして該液体アンモニア溶液5が次の洗浄工
程に持ち込まれなくなり、洗浄効率が持続する効果があ
る。このことは、例えば図4に例示するようなローラ構
成を採る装置、つまり該液体アンモニア溶液5による処
理ゾーン(広幅のニッピングローラR9と同R10間)
が傾斜して次の洗浄工程(張架単ローラR11と同R1
2間)に搬送されるような装置での処理では、前記図3
による装置による処理とは逆の状況が生まれる。つまり
該液体アンモニア溶液5とに接触ムラが出易くなり、そ
して該液体アンモニア溶液5が次の洗浄工程に持ち込ま
れ易くなり、エッチングに均一性を欠くことになる。こ
のケミカルエッチングの不均一性と広幅のニッピングロ
ーラR9と同R10とで両サイドを挟持していること
が、より一層前記問題となる折り目の発生を助長する結
果にもなっていると考えられる。尚、広幅のニッピング
ローラR9と同R10とが必要であるのは、内面処理ゾ
ーン内で該液体アンモニア溶液5をしっかりと保持する
ためである。しかし、どうしても次工程への若干の持ち
込みは避けられない状況にある。
【0026】そして、前記の如く規制されたT・Fチュ
ーブはトナー定着用の回転ローラ(R)又は回転ベルト
(B)に加工されるが、その手段には特に制限はない。
例えば次のような方法で加工される。
【0027】まず、トナー定着用回転ローラ(R)から
説明する。加熱源内設のアルミニウム製芯ロール7の外
側に、(所望する厚さのシリコーンゴム弾性層8を周設
する為に)その層厚を得るに相当する隙間をもって管状
金属製金型を該ロールに(同芯円で)被せる。この際に
該ロール表面は、接着性向上の為に洗浄、マット化する
とか、(シリコーン系)プライマーを塗布しておくと良
い。次にこの隙間に加熱加硫タイプで、適正なE硬度の
得られる液状シリコーン(A液とB液との混合液に白金
系触媒添加)を注入する。そして、全体を例えば150
℃前後で1分前後加熱することで所望する硬度のゴムに
変わり、(耐熱、高強度の)シリコーンゴム弾性層8が
密着形成される。次に該弾性層面又はロール用T・Fチ
ューブ10の内面に接着層9としての(シリコーン系)
プライマーを塗布する。硬化しない間に該チューブを被
せて固着して終了する。尚、以上の構成を図解し、それ
を図5(断面図)で示しておく。10aは深さ2μm以
下に規制されている凹状折り目部分を示す。
【0028】又、前記の2工程に変えて、1工程で行っ
てしまうこともできる。つまり、前記管状金属金型の内
面に、(予め内面に該プライマーの塗布された)該チュ
ーブを装着(真空吸引等による)しておき、これを該芯
ロールに対して、一定の隙間をもって(同芯円で)被せ
る。そしてこの隙間に該液状シリコーンを注入して、同
様に加熱加硫する。最後に前記管状金属金型のみを脱着
するといった方法である。尚、例えば該芯ロール7とシ
リコーン弾性層8との間に更に他の層が介在してもよ
い。
【0029】一方、回転ベルト(B)については、次の
通りである。基本的には前記回転ローラ(R)の場合と
同じような要領で行われる。つまり、まずベルト用T・
Fチューブ13の内面に、接着層12としての(シリコ
ーン系)プライマーを塗布し、これを管状金型(外管)
の内面に装着(真空吸引等による)しておく。そして該
金型の中央に、該金型の内径よりも小さい外径の管状金
型(内管)を配置する。ここで該金型の表面には、予め
離型のためフッ素樹脂コーティングを施しておく。そし
て両金型の隙間に、前記液状シリコーンを注入し加熱硬
化してゴム弾性層11を密着固定する。最後に両金型を
脱着し終了する。以上の構成を断面図で示したものが図
6である。13aは高さ2μm以下に規制されている凸
状折り目部分を示す。14、14aは該ベルトを回転駆
動する駆動ロールで、加熱源は駆動ロール14の方に内
設されている。尚、この回転ベルト(B)に関しては、
これを回転駆動させる少なくとも2個の駆動ロールを必
要とするが、この駆動ロール自身(胴仕立て)は特定さ
れるものはない。つまり該ロールの表面が金属層でも、
プラスチック層でも、硬質又は軟質ゴム層でも、そして
これらからなる多層でも良い。但し、少なくとも該ロー
ルの1個には、前記回転ローラ(R)と同じように、加
熱源が内設される必要がある。
【0030】尚、前記ベルト(B)は、(そのままでは
なくて)シリコーンゴム弾性層11の下層として、更に
支持的作用をする層を積層して3層ベルトとして使用す
るのが一般的である。これは弾性層11を補強してより
耐久性を付与するためである。この支持層としては、例
えばチューブ状の柔軟な金属層とか、チューブ状のポリ
イミド層である。この3層の場合も、前記と同じ要領で
管状金型を使って、接着層を介して製造される。
【0031】前記ローラ(R)、ベルト(B)における
シリコーンゴム弾性層8、11の層厚は、種々の要因を
考慮して決められるが、多くの場合約1〜5mmの範囲
内である。尚、該要因の一つとして、該弾性層の有する
見掛けE硬度(実際に該ロール(R)又はベルト(B)
上で測定される硬度)なるものもある。これは、シリコ
ーンゴム自身の有するE硬度が、下層硬度に影響されて
変わるためであり、特に薄い層厚サイドで変わる。本発
明の基本はシリコーンゴム自身のE硬度を変えることに
あるが、この見掛けE硬度を変える(つまりこの層厚を
変える)ことでも、前記課題の解決に有効に作用するの
であれば、それも二次的E硬度として合わせ考慮する。
又、該シリコーンゴム自身のE硬度を変える手段には、
例えば原料の種類(構造、分子量)を変えるとか、硬化
密度をコントロールするとか、シリカ等の添加剤を添加
するとか、気泡化する等の方法がある(これらいずれか
の方法でコントロールされた原料製品も上市されてい
る)。適宜駆使され、最適なシリコーンゴム弾性層が形
成されることになる。
【0032】前記得られたロール(R)又はベルト
(B)は、カラー複写機等トナーを使う電子写真複写装
置の定着デバイスとして有効に使用されるが、その使用
形態で特に配慮するものはなく、該装置にそのまま組み
込めばよい。従って、その組み込み構造については割愛
する。
【0033】
【実施例】以下に比較例と共に実施例によって更に詳述
する。
【0034】(実施例1) トナー定着用回転ローラ
(R)での例 まず、次の条件でフッ素樹脂チューブを連続押出成形し
て、フラット状でロールに巻き取った。 ●原料・・・PFA粉体(融点約305℃、三井デュポ
ン株式会社製)、 ●成形装置・・・ダイス径80mm、リップ幅1.5m
mの環状ダイスを有するスクリュー押出機(一軸)、 ●成形温度・・・環状ダイス400℃、バレル温度27
0〜380℃、 ●サイジング・・・40℃に温調したクーリングマンド
レルによるインナーサイジング、 ●引取速度・・・2500mm/分。 尚、クーリングマンドレルを通過後、ロールに巻き取る
間にはチューブの中央部分のみを押して引き取り誘導す
る狭幅のニッピングゴムロールを設けた。以上により5
0m巻きのロール2本を取得したところで終了した。得
られた各ロールのチューブの厚さは50.0μm、内径
は49.3mmであった。
【0035】次に、まず前記チューブを巻き取ったロー
ルの1本を使って、前記図3で示す内面処理装置に連動
できるように配置した。ここで張架単ローラR2と同R
3との間隔は250mmとし、ニッピングローラR4
は、幅50mmの狭幅ローラを対峙して、該チューブの
中央部分をニッピングしながら、次の洗浄工程に送り出
すようにし、そして、該ローラR2と同R3間の全体は
外部冷却手段によって約−50℃に冷却されているよう
にした。
【0036】そして、前記ロールに巻き取られたチュー
ブ3を手動で引き出しつつ、順次ローラR1→R2→R
3に架けながらそこで一旦停止し、該チューブの先端を
開口して約−50℃のナトリウム金属液体アンモニア溶
液(固形分濃度1.0重量%)を注入した。そして引き
続き引き出して順次ニッピングローラ4→ローラR5→
ローラR6に架けながらそこで一旦停止し、今度は該チ
ューブの先端から洗浄水を注入し、ローラR7を通して
最後の巻き上げローラ4に巻きつけ、連続供給できる前
準備を終了した。尚、ここで注入したナトリウム金属液
体アンモニア溶液と洗浄水の注入量は、水平配置の該ロ
ーラR2とR3間、該ローラR5とローラR6間に架か
る該チューブの有する容積にほぼ匹敵する量とした。
【0037】前記準備が終了したら、直ちに7m/分の
速度で前記巻き取りチューブ(フラット状)の自動供給
を開始した。内面処理と水洗浄とが順調に行われ、30
m供給した時点で停止した。そして、巻き上げられたT
・Fチューブの中央部分から幅500mmを切り出し
て、これを芯円状に拡口し、両サイド折り目部分の断面
を拡大顕微鏡で観察したところ、図2で示すような凸状
の微細膨らみ(高さ)をもっていた。そして、この膨ら
みを粗さ測定器(株式会社東京精密製のHANDY S
URF E−30A)にて測定したところ、0.2〜
0.6μm(幅500mm間)であった。
【0038】次に、前記T・Fチューブを使って、次の
通りトナー定着用回転ローラを製造した。まず該チュー
ブを幅300mmにカットし、その内面に(接着層とし
ての)シリコーン系プライマーを塗布した。一方幅30
0mm、外径46.3mmの加熱源内設のアルミニウム
製芯ロール(表面アルマイト処理)と幅300mm、内
径50.0mmの円筒状ステンレス金型とを準備した。
そして該ステンレス金型の内面に該チューブを装着(真
空吸引装着)し、これを該芯ロールに(同芯円状で)外
嵌、配置した。次に、ここで形成された隙間(約3.7
mm)に、液状シリコーン(信越化学工業株式会社、製
品“KE2000−20(A・B)”)を注入し、15
0℃で30分間熱風により加熱加硫した。最後に該ステ
ンレス金型を脱着して相当するローラを得た。
【0039】前記得られた回転ローラ(R)に形成され
たシリコーンゴム弾性層の厚さは、3.5mmで、そし
て前記液状シリコーンのみを同様条件で加熱加硫して成
形したシート自身の硬度Eを測定すると50度であっ
た。
【0040】(実施例2) トナー定着用回転ベルト
(B)での例 まず、次の条件でフッ素樹脂チューブを連続押出成形し
てフラット状でロールに巻き取った。 ●原料・・・FEP粉体(融点約270℃、三井デュポ
ン株式会社製)、 ●成形装置・・・ダイス径80mm、リップ幅1.5m
mの環状ダイスを有するスクリュー押出機(一軸)、 ●成形温度・・・環状ダイス375℃、バレル温度24
0〜370℃、 ●サイジング・・・40℃に温調したクーリングマンド
レルによるインナーサイジング、 ●引取速度・・・3500mm/分。 以上により50m巻き取ったところで終了した。得られ
チューブの厚さは50.0μm、内径は67.5mmで
あった。
【0041】次に、前記チューブの巻き取られたチュー
ブ3を実施例1と同じナトリウム金属液体アンモニア溶
液による内面処理装置を使用し、同じ手順で該チューブ
を引き出し各ローラに通しながら、途中で同様にナトリ
ウム金属液体アンモニア溶液と洗浄水を注入して、最後
に巻き上げるローラ4に止めて連続供給できる状態にし
た。そして、今度は供給速度6m/分で連続供給しなが
らケミカルエッチングと洗浄を行い、30m供給した時
点で停止した。この巻き上げられたT・Fチューブの中
央部分から幅500mmを切り出して、これを芯円状に
拡口し、両サイド折り目部分の断面を拡大顕微鏡で観察
したところ、図2で示すような凸状の微細膨らみ(高
さ)をもっていた。この膨らみを前記粗さ測定器にて同
様に測定したところ、0.7〜1.0μm(幅500m
m間)であった。
【0042】次に、前記得られたT・Fチューブを使っ
て、次の方法でトナー定着用回転ベルトを製造した。ま
ず該チューブを幅300mmにカットし、その内面に
(接着層としての)シリコーン系プライマーを塗布し
た。一方、幅300mmに対して、内径68.2mmと
外径65.7mmの2個の円筒状ステンレス金型(外径
65.7mmの該金型は外面にフッ素樹脂コーティング
済み)を準備した。ここで、内径68.2mmの該金型
は外管、外径65.7mmのそれは内管と呼ぶことにす
る。次に該チューブは外管の内面に真空吸引で装着し、
そして該内管は該外管の中央に同芯円状に位置して配置
した。
【0043】次に、前記配置により形成された約2.5
mmの隙間に液状シリコーン(信越化学工業株式会社、
製品“KE1950−10(A・B)”)を注入し、1
50℃で30分間加熱し加硫した。冷却して外管と内管
とを脱着した。ここで積層されたシリコーンゴム弾性層
の厚さは2.4mm、そして前記液状シリコーンのみを
同様条件で加熱加硫して成形したシート自身の硬度Eを
測定すると28度であった。
【0044】尚、前記得た回転ベルト(B)は、実用に
際しては、この弾性層の裏面に、更に例えばチューブ状
のポリイミドを積層して補強して使用する。その積層法
は、シリコーンプライマー等による接着層を介して、前
記管状金型を使用して行うのと同じ要領で行なうことが
できる。
【0045】(比較例1)実施例1で成形して得た残る
1本のロール巻きを使って、次の方法でナトリウム金属
液体アンモニア溶液(実施例1と同じ)による内面処理
と水洗浄とを行った。まず、ここで使用した内面処理装
置は概略図4に例示するもので、ナトリウム金属液体ア
ンモニア溶液による内面処理が、右肩上がりの傾斜状態
に配置されている張架単ローラR9と広幅ニッピングロ
ーラ10との間で行うようにして、この内面処理後の水
洗浄工程は実施例1と同じとした。尚、該ローラR9と
該ローラ10間の外部冷却手段は、実施例1と同じ条件
で行うようにした。
【0046】まず、連続供給できるように前準備を行っ
た。これは実施例1と同じ要領で前記巻かれたチューブ
を手動で引き出し各ローラに順次架けながら、途中でナ
トリウム金属液体アンモニア溶液と洗浄水の注入を行
い、T・Fチューブを巻き上げローラ4に止めておくこ
とで終了した。
【0047】そして、前記成形チューブは7m/分の速
度で連続供給しつつ、内面ケミカルエッチングと水洗と
を行って、30m供給した時点で停止した。
【0048】そして、巻き上げられたT・Fチューブの
中央部分から幅500mmを切り出して、これを芯円状
に拡口し両サイド折り目部分の断面を拡大顕微鏡で観察
したところ、図1で示すような鋸歯状の微細凹みをもっ
ていた。この凹みを前記粗さ測定器にて測定したとこ
ろ、深さ3〜6μm(幅500mmの間)であった。
【0049】次に、前記得られたチューブを使って、実
施例1で製造したのと同一条件で比較用のトナー定着用
回転ローラを製造した。
【0050】(比較例2)(E硬度65度を越えるシリ
コーンゴム弾性層との組み合わせ) 実施例1で得たT・Fチューブを使って、次の条件で比
較用のトナー定着用回転ローラを製造した。つまり実施
例1において、液状シリコーンとして信越化学工業株式
会社、製品“KE2000−40(A・B)”を使用
し、加熱硬化を140℃/45分で行う以外は同一条件
で製造した。尚、該液状シリコーンのみを同様条件で加
熱加硫して成形したシート自身のE硬度を測定すると6
9度であった。
【0051】(参考例1)(効果の確認) 一般に使用されているカラー複写機をテスト用に改造し
た複写機を用いて、実施例1及び比較例1、2で得られ
た各定着用ローラを装着し、次の条件でコピーを行い画
像品質をチエックした。 ●トナー(市販)色・・・・黒、 ●原稿・・・・・・・・・・A4コート紙にA5サイズ
の黒ベタ画像、 ●コピー用紙・・・・・・・A4中性紙、 ●該用紙に対する定着圧力・該ローラのニップ幅を4m
mに調整、 ●定着温度・・・・・・・・該ローラの表面温度を15
5℃に調整、 ●コピー速度・・・・・・・25枚/分。 尚、シリコーンオイルの供給は一切行わなかった。
【0052】前記条件により得られた結果は次の通りで
あった。まず実施例1によるローラでは、終始定着ムラ
等の画質に影響するような不良は一切見られず、原稿と
ほぼ同一濃度で黒ベタが再現され、5000枚コピーを
行いストップした。尚、ここでの複写された黒色は、比
較例1、2に比較して全体に柔らかい感じの色でもあっ
た(画像表面が平滑的に見られる)。一方、比較例1に
よるローラでは、終始スジ状の定着ムラが見られ、その
ムラも濃淡があり、一定でない状態で現れた。5000
枚コピーを行いストップした。他方比較例2によるロー
ラでは、比較例1よりも極めて微細で薄いがスジ状で定
着ムラが見られた。そして、コピー枚数が多くなるに伴
ってそのスジムラは、より薄くなる傾向が見られた。こ
れは、より硬い弾性層を介してチューブ層で押され続け
られる事で、凸状線が徐々に平面的になって行く結果で
はないかとも考えられる。但し、定着後の紙離れが実施
例1、比較例1に比べてあまり良くなかった。
【0053】
【発明の効果】本発明は、前記の通り構成されているの
で、次のような効果を奏する。
【0054】一般に有効な手段として製造(連続チュー
ブ成形とアルカリ金属溶液による内面処理)されている
T・Fチューブが、トナー定着用ローラ又は同ベルトと
して使用されるのに際して、最近より一層問題視される
ようになってきたスジ状の印刷ムラとか、シリコーンオ
イル抑制とか、柔らかい色での複写とかが、前記の通り
T・Fチューブを特定化し、これを特定化されたシリコ
ーンゴム弾性層と組み合わせることでも解決できるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】凹状折り目を有する薄厚フッ素樹脂チューブ
(断面図)。
【図2】凸状折り目を有する薄厚フッ素樹脂チューブ
(断面図)。
【図3】アルカリ金属溶液による連続内面処理と洗浄の
為の装置例(側面図)。
【図4】比較の為のアルカリ金属溶液による連続内面処
理と洗浄の為の装置例(側面図)。
【図5】トナー定着用回転ローラ(R)(断面図)。
【図6】トナー定着用回転ベルト(B)(断面図)。
【符号の説明】
1、2 フラット状チューブ(T・Fチューブ) 1a 凹状折り目 2a 凸状折り目 3 成形チューブ 5 アルカリ金属溶液(ナトリウム金属液体ア
ンモニア溶液) 6 洗浄水 7、14 加熱源内設芯ロール 8、11 シリコーンゴム弾性層 9.12 接着層 10、13 T・Fチューブ(層) 10a 凹状折り目部分 13a 凸状折り目部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 27:12 B29K 27:12 Fターム(参考) 2H033 AA11 AA32 BA11 BA12 BB05 BB06 BB14 BB15 BB17 3J103 AA02 AA13 AA32 AA51 BA41 EA02 EA07 EA11 FA18 GA02 GA57 HA04 HA12 HA43 HA54 4F213 AA16 AA45 AG16 AH33 AR20 WA02 WA06 WA36 WA43 WA53 WA87 WB01 WB13 WC01 WF01 WF27 WK03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 E硬度15〜65度のシリコーンゴム弾
    性層が、連続成形後、アルカリ金属溶液にて内表面をケ
    ミカルエッチング処理して得られた薄厚フッ素樹脂チュ
    ーブの有する凹状折り目の深さ又は凸状折り目の高さが
    2μm以下に規制された薄厚フッ素樹脂チューブでもっ
    て表面被着されてなることを特徴とするトナー定着用の
    回転ローラ。
  2. 【請求項2】E硬度15〜65度のシリコーンゴム弾性
    層が、連続成形後、アルカリ金属溶液にて内表面をケミ
    カルエッチング処理して得られた薄厚フッ素樹脂チュー
    ブの有する凹状折り目の深さ又は凸状折り目の高さが2
    μm以下に規制された薄厚フッ素樹脂チューブでもって
    表面被着されてなることを特徴とするトナー定着用の回
    転ベルト。
  3. 【請求項3】 前記薄厚フッ素樹脂チューブが、フッ素
    樹脂二元コポリマによる厚さ20〜110μmである請
    求項1に記載のトナー定着用の回転ローラ。
  4. 【請求項4】 前記薄厚フッ素樹脂チューブが、フッ素
    樹脂二元コポリマによる厚さ20〜110μmである請
    求項2に記載のトナー定着用の回転ベルト。
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