JP3020786B2 - 無端ベルトの精度矯正方法及び装置 - Google Patents

無端ベルトの精度矯正方法及び装置

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JP3020786B2
JP3020786B2 JP5317261A JP31726193A JP3020786B2 JP 3020786 B2 JP3020786 B2 JP 3020786B2 JP 5317261 A JP5317261 A JP 5317261A JP 31726193 A JP31726193 A JP 31726193A JP 3020786 B2 JP3020786 B2 JP 3020786B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、予め形成された表面層
に熱可塑性樹脂層を有する無端ベルトの表面と厚みとを
同時に矯正加工し、高精度に改良する無端ベルトの精度
矯正方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、例えば、電子写真複写機は感光体
上に形成されたトナー画像をコピー用紙に描写する前段
階で、一旦熱可塑性樹脂製等の無端ベルト上に中間転写
する手段をとっている。ここで使用される中間転写用の
前記無端ベルトは、原稿画像を正確に高画質で再現する
ために重要なものである。従って、品質、性能において
極めて高いレベルが要求されている。最近のカラー化と
ともに、その要求はますます高度化している。その要求
特性は、主として次のA〜Dの項目である。即ち、A.
前記無端ベルトの転写表面は極めて平滑でなければなら
ない。つまり、表面に局部的凹凸や縦横に筋やシワの全
くない平滑面であること。B.前記無端ベルト自身の厚
みが一定でバラツキがないこと。C.前記無端ベルトの
周長が一定であり、使用中に伸縮しないものであるこ
と。D.前記無端ベルトは、良好な転写性を発現するに
必要な一定(バラツキのない)の半導性領域にあり、特
にA〜Cは厳しい要求がされている。
【0003】従来、熱可塑性樹脂からなる無端ベルト
は、ブロー成形、インフレーション成形、インサイドマ
ンドレル成形、又はコーティング法等の成形法によって
製造されているが、前記のA,B,C,Dの要求を全て
満たすにはいずれも充分な成形法ではないのが実状であ
る。これら従来の成形法を改良する方法として、予めこ
れら従来法にて成形した前記ベルトを更に別法で改良加
工する方法が提案されている。例えば、特開平4−30
3628号公報、特開平4−303629号公報、特開
平4−303630号公報には、従来の方法で成形され
た熱可塑性樹脂製の無端ベルトを鋼管の外周又は内周と
対峙して配置し、鋼管の外周又は内周に別途配置したロ
ーラで前記無端ベルトを挾持しつつ、加熱加圧してロー
リングプレスするものが記載されており、鋼管と無端ベ
ルトの表面層、あるいはコールドローラ又はホットロー
ラと無端ベルトの表面層等の接触方式は、何れもローラ
と鋼管との接触、即ち線接触により行われているので、
無端ベルトの表面の仕上がり精度が満足できないもので
あった。
【0004】また、特開平4−303631号公報に記
載されたものは、無端ベルトの表面に耐熱シートを介し
てホットローラ等を接触させているが、何れの場合で
も、ローラの押圧力が充分とはいえず無端ベルトの厚み
のバラツキ、表面アラサのバラツキが大きく不充分であ
った。これらの方法は、前記従来法より前記ベルトの表
面と厚みの精度を矯正する改良された方法であるが、厳
しい品質性能要求に対して満足されるものではなく、更
に改良の必要なものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記熱可塑性樹脂製無端ベルトに対する前記A,
B,C,Dの品質、性能要求に対して、極めて高精度で
加工する技術の開発について鋭意検討した結果、前記従
来技術よりも無端ベルトの表面アラサと厚みの精度を矯
正する改良された方法とその装置を開発し、本発明に到
達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の手段を提
供することによって達成される。まず、その方法とし
て、主回転ローラと従回転ローラとの組合せからなる1
組のニップローラの主回転ローラと、少なくとも1本の
補助ローラとに装着された薄肉鏡面金属回転ドラムの外
周に沿って、表面層に熱可塑性樹脂層を有する無端ベル
トを、前記ニップローラの従回転ローラと回転ローラと
に巻回装着し、両ローラ間で前記薄肉鏡面金属回転ドラ
ムの表面に押圧により面接触させ、同ドラムと同調回転
させることにより、該無端ベルトの表面層を加熱溶融
後、冷却する工程を繰り返し行うことを特徴とする。
【0007】そして、前記方法を達成するために次の装
置が提供される。即ち、主回転ローラと従回転ローラと
の組合せからなる1組のニップローラの主回転ローラ
と、少なくとも1本の補助ローラとを備え、同主回転ロ
ーラと補助ローラとに装着された薄肉鏡面金属回転ドラ
ムと、前記従回転ローラを含む複数本の回転ローラに巻
回装着される表面層に熱可塑性樹脂層を有する無端ベル
トを備え、前記回転ローラは、前記無端ベルトが両ロー
ラ間で押圧により前記薄肉鏡面金属回転ドラムの表面に
面接触する配置となるよう着脱自在に設けられ、前記回
転ドラムの表面を加熱できる位置に加熱手段を備えたこ
とを特徴とし、主回転ローラが少なくとも2本の支持ロ
ーラにより支持されていることを特徴とする。
【0008】本発明において、加熱溶融の加熱とは、少
なくとも熱可塑性樹脂層のもつ軟化点温度以上に加熱す
ることであり、好ましくは融点以上での加熱である。熱
可塑性樹脂層とは、加熱によって軟化ないし溶融し、成
形することが可能となる樹脂層で一般に知られているも
のである。例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、A
BS樹脂等の汎用性樹脂、各種脂肪族ポリアミド、又は
これらポリアミドをN−メトキシメチル化して得たアル
コール可溶性ポリアミド、各種ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリエーテルサルフォン、フッ素系樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリ
アミドイミド、ポリエーテルニトリル、ポリウレタン等
の機能性樹脂からなる層であり、これらを2種以上適宜
混合したものでも良い。これらの樹脂は例示であり、こ
れに制限されるものでない。
【0009】表面層に熱可塑性樹脂層を有する無端ベル
トとは、前記したような熱可塑性樹脂、あるいはその混
合樹脂から一般に知られている前記樹脂の成形法により
無端状に円筒成形されたもの、あるいは他の成分が複合
された複合ベルトであっても良い。例えば、前記熱可塑
性樹脂間での複合、あるいは熱硬化性の樹脂、例えば芳
香族ポリイミド、芳香族ポリアミド等によるフィルム
状、もしくは布状の無端ベルト、又これらと脂肪族系ポ
リアミドとの複合布状無端ベルト等を基体ベルトとし
て、その表面に前記熱可塑性樹脂を溶融コーティングす
るとか、溶融状としてとしてこれを塗布し複合化したベ
ルトであっても適用可能である。表面層の厚みは少なく
とも無端ベルトの表面が平滑になるのに必要な厚み、大
きくてもベルト厚みの1/2以下が好ましい。
【0010】熱可塑性樹脂を無端状に円筒成形する際に
は、他成分を混合し成形することも可能であり、粉末状
の導電性物質を混合することにより半導電性を有する無
端ベルトを得ることができる。この導電性物質として
は、例えば、カーボンブラック、酸化第2錫、酸化イン
ジウム、チタン酸カリウム、チタン酸ブラック、チタン
酸ウイスカー等が例示でき、これらを二種以上混合して
も良い。ここでカーボンブラックは天然ガス、油あるい
はアセチレンガス等を適宜燃焼させたもので、粒径約5
〜500μmのもので、ケッチンブラック、アセチレン
ブラック等の名称で呼ばれている。これらの混合量は、
本来の機械的物性が低下しないことを前提に要求される
半導電性を得るのに必要な量が決められ、好ましいのは
前記熱可塑性樹脂に対して約5〜20%(重量)であ
る。
【0011】また、樹脂の相溶性あるいは成形性をより
改善するための他の成分として、例えばワックス、シリ
コンオイル、各種樹脂の低分子オリゴマー等も混合する
こともできる。これらの場合も混合量は、対樹脂の数%
(重量)以下の少量が好ましい。更に前記無端ベルトの
耐クリープ性等を改良するために、タルク、マイカ等の
無機充填剤、液晶ポリマー、アラミド繊維等の有機充填
剤を添加しても良い。これらの混合量は前記熱可塑性樹
脂に対して約5〜20%(重量)である。以上の例示を
含めて他成分の添加は必要に応じて行われるもので、混
合されない場合もある。
【0012】次に本発明の方法を、その装置の一実施例
と共に詳述する。図1は本発明の方法を具体化した一実
施例の全体を示す側面図、図2は本発明の装置の一実施
例の側面図である。
【0013】鏡面金属回転ドラム1は、外周面が鏡面仕
上げされた金属製薄肉ドラムであり、好ましい肉厚は1
〜5mm、鏡面加工精度は表面アラサRz(10点平均
粗さ)が約2μm以下であることが好ましい。同ドラム
1の外径は充分に大きいこと、即ち、後述する複数本か
らなる回転ローラ3,4に装着された無端ベルト5が同
ドラム1に押圧により面接触する際、同ドラム1の円周
の半分以下に納まることが好ましい。そして、同ドラム
1の幅方向の寸法は少なくとも無端ベルト5の幅以上で
あることが好ましい。
【0014】回転ドラム1の鏡面加工精度は、直接無端
ベルト5の表面の粗さに影響を与えるもので、重要なフ
ァクターである。更に、同ドラム1の肉厚は、加熱冷却
サイクルの関係から薄い程好ましいが、1mm以下で
は、製作技術の面で困難さが倍増し、5mm以上では、
加熱冷却のサイクルにおいて時間が長くなり好ましくな
い。
【0015】回転ドラム1は、図3に示すように、中心
軸の両端に回転軸1aを設けた円筒状回転ローラとした
直接回転方式でも可能であるが、図2に示すように、同
ドラム1を円筒状筒体のみとし、その内側に配置した主
回転ローラ2と少なくとも1本の補助ローラ2aに装着
し、主回転ローラ2と従回転ローラ4からなるニップロ
ーラ7の押圧力と回転により同調回転させられる間接回
転方式が好ましい。何故ならば間接回転方式は、回転ド
ラム1の肉厚が薄くても歪が発生することがないし、装
置的にもコンパクトになるという利点を有する。ここで
回転ドラム1の内側に予備的に同ドラム1を加熱する加
熱部及び/又は冷却部が付設されても良い。
【0016】ニップローラ7は、前記のように、主回転
ローラ2と従回転ローラ4との1組からなり、従回転ロ
ーラ4は主回転ローラ2に対して押圧ニップ可能に設け
られるとともに、無端ベルト5の巻回装着ができる脱着
自在な機構を具備している。主回転ローラ2には回転ド
ラム1が装着し、従回転ローラ4には無端ベルト5が装
着し、ニップローラ7として押圧ニップし、主回転ロー
ラ2が駆動回転するので、回転ドラム1、無端ベルト
5、従回転ローラ4がともに同調回転する。
【0017】無端ベル15は、従回転ローラ4を含む複
数本からなる回転ローラ3等に巻回装着され、回転ロー
ラ3が回転ドラム1に接触する位置に接離自在に配置さ
れているので、同ベルト5は、従回転ローラ4と回転ロ
ーラ3との間で回転ドラム1の表面に押圧接触し面接触
しながら同調回転するとともに、操作完了後は、脱着さ
れる。
【0018】この時、従回転ローラ4と回転ローラ3と
の間の距離は一定に固定して良いが、必要に応じて調節
可能な機構を設けても良い。更に、無端ベルト5の周長
との関係で、必要ならば図4に示すように、回転ローラ
3aを位置調節可能に設け、無端ベルト5の張力を調節
可能としても良いし、図5に示すように、無端ベルト5
と回転ドラム1との押圧を補助する位置に回転ローラ3
b等を設けても良い。少なくとも回転ドラム1に押圧す
る回転ローラ3,3b等は、同ドラム1の表面に対して
着脱自在であり、無端ベルト5の巻回装着、脱着が可能
となっている。そして、前記従回転ローラ4と回転ロー
ラ3との間の距離は、回転ドラム1の周長よりも短か
く、最長でも回転ドラム1の周長の半分であるのが好ま
しい。しかし、この距離は、無端ベルト5の表面層を構
成する樹脂ベルトの物性である、軟化点、融点、結晶
性、厚み等により決定されるもので、加熱により軟化な
いし溶融した樹脂層が回転ドラム1の表面に押圧接触
し、成形されるのに充分な距離が必要である。
【0019】従回転ローラ4、回転ローラ3等は、表面
が平滑な金属ローラが好ましいが、プラスチック製であ
っても良い。そして従回転ローラ4の直径は、主回転ロ
ーラ2の直径と同等ないしそれ以下であることが好まし
い。また、回転ローラ3、従回転ローラ4の幅寸法は、
回転ドラム1の幅と同等であることが好ましい。回転ロ
ーラ3、従回転ローラ4の表面は平滑であることが好ま
しいが、無端ベルト5を巻回装着した場合、回転ローラ
3,4と無端ベルト5との間でスリップが発生すること
は好ましくないので、回転ローラ3,4の表面にシリコ
ーンゴム等をコーティングして不滑性にすることも可能
である。
【0020】前記した主回転ローラ2の直径は、少なく
とも回転ドラム1の内径よりも小さく、好ましくは、実
施例のように2本の補助ローラ2a,2bとともに回転
ドラム1の内側に配置可能である寸法が好ましい。同ロ
ーラ2は表面平滑な金属ローラからなり、従回転ローラ
4の押圧ニップ力(約1000kg)に対応可能な構造
とする。
【0021】補助ローラ2a,2bは、回転ドラム1を
支持する構造であれば充分であり、単なるガイドローラ
であればよい。支持ローラ2c,2dは、主回転ローラ
2を支持するもので、同ローラ2の強度的な補強を行う
ものであり、これによってその直径は、主回転ローラ2
の直径をより小さなものにすることが可能となる。
【0022】加熱装置6は、特に制限されるものではな
いが、無端ベルト5の表面層を間接的に加熱し軟化ない
し溶融させるために、鏡面金属回転ドラム1を加熱する
物であれば適用可能である。例えば、遠赤外線等を直接
用いるものでも良いが、遠赤外線、ニクロム線、セラミ
ック等の熱源を利用して空気を加熱し、この熱風をスリ
ット状のノズルから放出するタイプが好ましい。加熱装
置6の配置は、鏡面金属回転ドラム1表面を加熱できる
位置ならば特に制限はないが、実施例ではニップロール
7の前方に設けている。加熱温度は、無端ベルト5の加
工樹脂の融点ないし軟化点等によって適宜変更される。
加熱に際しては、無端ベルト全体を溶融ないし軟化して
はならず、無端ベルトの表層のみ溶融ないし軟化するこ
とが重要であるので、加熱条件については熱可塑性樹脂
の種類に応じて適宜変更する必要がある。
【0023】更に、図面には記載してないが、回転ドラ
ム1の内部、主回転ローラ2、従回転ローラ4等の内部
に、冷却装置又は冷却用の水配管等を設けても良いが、
特に冷却装置がなくても、室温、自然冷却であっても可
能である。
【0024】以上の装置を用いた無端ベルトの精度矯正
方法について説明する。図1に示すように、無端ベルト
5は、従回転ローラ4と回転ローラ3に巻回装着され、
従回転ローラ4は鏡面金属回転ドラム1を介して主回転
ローラ2に押圧ニップし、回転ローラ3は回転ドラム1
に押圧接触するので、同ベルト5の表面層の熱可塑性樹
脂層が回転ドラム1の表面に面接触する。
【0025】次に、主回転ローラ2が駆動され回転する
ので、鏡面金属回転ドラム1、従回転ローラ4、無端ベ
ルト5が同調回転するとともに、加熱装置6が作動し、
無端ベルト5の表面層を加熱し、軟化ないし溶融状態に
する。この際、ニップロール7は強くニップされている
ので、無端ベルト5の厚みは最小値に規制されるととも
に、無端ベルト5の表面は鏡面金属回転ドラム1の表面
に押圧接触して同調回転しながら冷却された後、該ドラ
ムから剥離するため、同ベルト5の表面粗さのバラツキ
が改善される。
【0026】所定時間経過後、加熱装置6を停止し、適
宜冷却後、無端ベルト5を脱着すれば良い。この時、冷
却中も無端ベルト5は回転させておくことが好ましい。
ここで、所定時間とは、実験的に定めれば良いものであ
り、無端ベルト5の厚さと表面の粗さが充分矯正され、
安定するまでの時間であり、多くの場合、約60分以内
で達成されているが、これに限定されるものでない。
【0027】冷却とは、表面層の熱可塑性樹脂層が固形
化する温度であり、同樹脂の軟化点又は融点以下の温度
まで冷却するものである。冷却完了後、従回転ローラ
4、回転ローラ3等の押圧ニップあるいは押圧接触を開
放し、無端ベルト5を脱着すれば良い。
【0028】
【作用】無端ベルトの熱可塑性樹脂層からなる表面層
を、鏡面金属回転ドラム1の外表面に押圧し、面接触さ
せながら表面層を加熱し、軟化ないし溶融せしめ、表面
層が冷却固形化された後に該ドラムから剥離するので、
無端ベルトの表面粗さが矯正されるとともに、ニップロ
ーラにより最小寸法に規制されるので、無端ベルトの厚
みのバラツキも減少し安定する。
【0029】
【実施例】本発明を実施例によって、比較例と共に詳述
する。 (実施例1)ナイロン6繊維糸とアラミド繊維糸(芳香
族ポリアミド、デュポン社製)とによってフライス変化
編組織にて編成した、幅400mm、周長603mmの
無端円筒編物の外面に、N−メトキシメチル化したポリ
アミド6を80%(重量)の濃度でメチルアルコールに
溶解し、この中に7%(重量)(対ポリアミド6)のケ
ッチンブラックを添加し、ボールミルを用いて均一に混
合して得た液状物を均一にコーティングする。コーティ
ング後、60℃で3時間乾燥させて無端のベルトを製造
する。このものは、幅400mm、周長603mm、厚
さ0.3mm±0.025mm、表面粗度Rz20ミク
ロンであった。これを以下Aベルトと称する。なお、表
面粗度Rzは十点平均的粗さである。
【0030】一方、図1に示す無端ベルトの精度矯正装
置Bを準備する。即ち、表面粗度Rz1.0ミクロン以
下、幅500mm、周長900mmで厚さ3.0mmの
鏡面金属回転ドラム1を使用して、その内面の主回転ロ
ーラ2として、直径75mm、幅500mmの金属ロー
ラを配設する。ほかに副ローラとして、補助ローラ2
a,2b、支持ローラ2c,2dを図1に示す状態に4
本配設する。そして、この鏡面金属回転ドラム1の外周
に沿って無端ベルト5装着用の回転ローラ3、従回転ロ
ーラ4を図1のように配設するが、この2本のローラ
3,4は、エヤーシリンダー機構により着脱自在となっ
ている。従回転ローラ4は直径75mm、幅500m
m、回転ローラ3は直径35mm、幅500mmであ
る。そして回転ローラ3と従回転ローラ4との距離は、
自由に変更しうる長短調節可能の機構を有している。
又、従回転ローラ4には、冷水等の冷媒がそのローラ中
を通るように冷却できる機構を備えている。加熱装置6
は、最高350℃(±2℃)まで昇温できる熱風発生装
置からなり、幅500mmのスリット状出口を有してい
る。
【0031】次に無端ベルト5の精度を矯正する装置B
にて表面粗さと厚さを一定に均一に加工する方法につい
て詳述する。
【0032】まず、装置Bの回転ローラ3と従回転ロー
ラ4を鏡面金属回転ドラム1から離して、無端ベルト5
を装着する。無端ベルト5を、従回転ローラ4に装着し
て回転ドラム1の外周に沿ってエヤーシリンダーを回転
ローラ3に使用して接圧する。そして、ニップロール7
の幅400mmで接触圧力が1000kgとなるように
回転ローラ3を押圧する。
【0033】次に1分間に100mmの速度で鏡面金属
回転ドラム1、回転ローラ3、従回転ローラ4、無端ベ
ルト5全体を同調回転開始した後、回転ドラム1の表面
を5分間で160℃になる昇温速度で熱風を供給し、こ
の温度で25分間回転を続ける。25分経過後、熱風供
給を停止し、70℃まで冷却する。無端ベルト5を矯正
加工ベルトとして取出し作業は終了する。以上により矯
正加工されたベルトの品質特性は、表面粗度Rz1.5
ミクロン以下(全面)、厚み精度0.27mm±0.0
10mmであり、未加工の無端ベルトAに対して顕著な
改良がみられ、ユーザーの要求特性を十分クリヤした。
【0034】(実施例2)ポリフッ化ビニリデンをチュ
ーブ状に押出して成形し、幅400mm、周長628m
m、厚さ0.2mm±0.015mm、表面粗度Rz2
ミクロン(全表面)のベルトCを成形した。このベルト
Cを前記装置Bに装着し、実施例1と同様の操作を行い
矯正加工した。但し、加熱方法において、加熱装置6の
スリット出口に予備加熱用の棒状のセラミックヒーター
を付設し、175℃に加熱した。25分間の矯正加工
後、ベルトを70℃に冷却し取出した。矯正加工後のベ
ルトの品質は、厚み0.18mm±0.006mmで、
表面粗度Rzは1.5ミクロン以下(全表面)であり、
未加工ベルトCに対して大幅に改良されていた。
【0035】(実施例3)芳香族ポリアミド酸溶液を遠
心成形して加熱乾燥後取り出し、更に350℃に加熱
し、閉環反応せしめて熱硬化性のポリイミドチューブを
成形する。このチューブの片面にポリウレタン樹脂溶液
を表面コーティングする。コーティングはポリイミドチ
ューブを周方向に回転せしめ、スプレーコーティングに
より全表面に均一塗布した。
【0036】得られた二層の無端ベルトDの品質は、幅
400mm、周長610mm、表面粗度Rz3ミクロ
ン、厚み0.12mm±0.020mmであった。次
に、このベルトDを、前記装置Bにて同様に回転ローラ
3、従回転ローラ4に装着し、加熱し矯正加工する。但
し、この場合の加熱温度は150℃であった。25分間
の矯正加工後、70度に冷却し、取り出し矯正加工ベル
トを得た。この加工ベルトの品質は、厚み0.11mm
±0.008mm、表面粗度Rz1.5ミクロン以下
(全表面)であり、矯正加工前のベルトDに対して大幅
な改善が見られた。
【0037】(比較例)前記装置Bにおいて、回転ロー
ラ3の位置を従回転ローラ4の位置よりも上方に配置
し、従回転ローラ4のみが鏡面金属回転ドラム1と押圧
接触する構成に変更した。この装置を装置Eとし、図6
に示す。位置を変更した回転ローラ3は3Cと表示す
る。次に、前記実施例1と同様にして作製した無端ベル
トAを装置Eに装着し、従回転ローラ4のみに、即ち、
ニップロール7のみを押圧ニップし100mm/分の速
度で同調回転した。この時ニップロール7には1000
kg/400mmのニップ力を加えた。次に、鏡面金属
回転ドラム1の表面を5分間加熱し、160℃としてこ
の温度を維持して25分間回転し続けた後、加熱を停止
し、70℃に冷却して回転を停止し、無端ベルトAを取
り出した。
【0038】このベルトの品質は、厚み0.026mm
±0.065mm、表面粗さRz5〜25μmであっ
た。本比較例は、従来技術の代表的なものとして鏡面金
属回転ドラムと無端ベルトの線接触方式を採用し、矯正
加工を試みたものであったが、本発明に比較して効果の
差が明白であることが理解できる。
【0039】
【発明の効果】本発明方法においては、表面層に熱可塑
性樹脂層を有する無端ベルトの精度、即ちベルトの厚み
とバラツキとベルトの表面粗さを高精度に矯正可能とな
る。また、本発明装置にあっては、加熱冷却のサイクル
の短い効率的な矯正装置を提供するとともに構造の簡単
な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の全体を示す側面図である。
【図2】本発明の装置の1実施例を示す側面図である。
【図3】鏡面金属回転ドラムの他の実施例を示す斜視図
である。
【図4】回転ローラ3aを設けた実施例を示す側面図で
ある。
【図5】回転ローラ3bを設けた実施例を示す側面図で
ある。
【図6】従来の無端ベルトの精度矯正装置を示す側面図
である。
【符号の説明】
1 鏡面金属回転ドラム 2 主回転ローラ 2a 補助ローラ 2b 補助ローラ 2c 支持ローラ 2d 支持ローラ 3 回転ローラ 4 従回転ローラ 5 無端ベルト 6 加熱装置 7 ニップローラ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主回転ローラと従回転ローラとの組合せ
    からなる1組のニップローラの主回転ローラと、少なく
    とも1本の補助ローラとに装着された薄肉鏡面金属回転
    ドラムの外周に沿って、表面層に熱可塑性樹脂層を有す
    る無端ベルトを、前記ニップローラの従回転ローラと回
    転ローラとに巻回装着し、両ローラ間で前記薄肉鏡面金
    属回転ドラムの表面に押圧により面接触させ、同ドラム
    と同調回転させることにより、該無端ベルトの表面層を
    加熱溶融後、冷却する工程を繰り返し行うことを特徴と
    する無端ベルトの精度矯正方法。
  2. 【請求項2】 主回転ローラと従回転ローラとの組合せ
    からなる1組のニップローラの主回転ローラと、少なく
    とも1本の補助ローラとを備え、同主回転ローラと補助
    ローラとに装着された薄肉鏡面金属回転ドラムと、前記
    従回転ローラを含む複数本の回転ローラに巻回装着され
    る表面層に熱可塑性樹脂層を有する無端ベルトを備え、
    前記回転ローラは、前記無端ベルトが両ローラ間で押圧
    により前記薄肉鏡面金属回転ドラムの表面に面接触する
    配置となるよう着脱自在に設けられ、前記回転ドラムの
    表面を加熱できる位置に加熱手段を備えたことを特徴と
    する無端ベルトの精度矯正装置。
  3. 【請求項3】 主回転ローラが少なくとも2本の支持ロ
    ーラにより支持されている請求項2に記載の無端ベルト
    の精度矯正装置。
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