JPH10111613A - 画像定着フィルム - Google Patents

画像定着フィルム

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JPH10111613A
JPH10111613A JP26565496A JP26565496A JPH10111613A JP H10111613 A JPH10111613 A JP H10111613A JP 26565496 A JP26565496 A JP 26565496A JP 26565496 A JP26565496 A JP 26565496A JP H10111613 A JPH10111613 A JP H10111613A
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JP
Japan
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fixing film
image fixing
rubber elastic
film
layer
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JP26565496A
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English (en)
Inventor
Yuji Suzuki
祐司 鈴木
Shuji Kon
修二 今
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SWCC Corp
Original Assignee
Showa Electric Wire and Cable Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱定着フィルムとして用いられるポリイミド
フィルムにおいて、熱応答性を損なわずに高画質の画像
が得られるようにする。 【解決手段】 基層となるポリイミドフィルムの上に、
中間層としてシリコーンゴムなどからなるゴム弾性体層
を設け、その上にフッ素樹脂のような離型性表層とを順
に設ける。ゴム弾性体層は、JIS−A硬度1〜70
°、厚さ0.1〜3mmが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子複写機やプリ
ンタなどの熱定着部での使用に適した画像定着フィルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式による普通紙複
写機、いわゆる電子複写機としては、光により電荷を発
生する感光体を利用して静電潜像を形成し、その静電潜
像に着色荷電粉体であるトナーを付着させて現像すなわ
ち可視像化し、これを熱により記録紙上に定着させる方
式のものが知られている。定着にあたっては、内部にヒ
ータを備えた熱定着ローラを用いる方式が一般的であ
る。これは、熱定着ローラに圧接して加圧ローラを設
け、この2つのローラ間に、トナー像が形成された記録
紙を順次送りこむことによってトナーの加熱溶融を行
い、トナー像を記録紙上に定着させるという方法であ
る。
【0003】熱定着ローラとしては、中空状の金属製ロ
ーラ芯軸上にゴム弾性体を被覆し、さらにそのゴム弾性
体層の表面に、トナーとの離型性を付与するためにフッ
素樹脂などの離型性樹脂を被覆した構造のものが、広く
使用されている。このような熱定着ローラは、金属面と
樹脂層との間に設けたゴム弾性層がトナーを包み込むよ
うに作用するため、トナーの飛散が防止され定着性も良
好でにじみのない高画質の画像が得られている。熱定着
ローラを用いる定着方式は、このような特長を有するも
のの、定着の開始にあたってはローラ表面が定着温度に
達するまで予備加熱する時間を必要とするという難点も
有していた。また、強度条件を満たすため中空芯軸の肉
厚は通常3mm以上あるので、熱容量が大きく、定着温
度は通常約200℃もの高温であるため、ローラ加熱に
要する電力消費も大きいという難点もあった。
【0004】ところで、近年の複写機のめざましい普及
に伴い、機器の簡易化・小型化、そして高速化・省エネ
ルギー化の要求がさらに高まっている。そのような要求
に応えるべく、熱定着ローラを使用しない熱定着方式が
開発されている。そのような方式の一つとして、熱定着
ローラの代わりに、ポリイミドあるいはポリイミド系樹
脂フィルムからなるシームレス管状物、すなわちポリイ
ミドチューブを使用するようにした、フィルム定着方式
とよばれるものがある。
【0005】この方式による定着装置は、薄膜ポリイミ
ドフィルムからなるチューブの内側にヒータと駆動ロー
ルとを備え、ヒータに圧接した部分の外側に加圧ロール
を備えた構造を有しており、さらにポリイミドチューブ
の内側には、フィルムのエンドレス走行を安定させるた
めのテンションローラや、ヒータのホルダーなどが必要
に応じて設けられる。定着にあたっては、トナー像を形
成した記録紙をポリイミドチューブと加圧ロールとの間
に供給しつつ、ポリイミドチューブ内側のヒータからの
加熱により、順次トナー像を定着させる機構となってい
る。
【0006】なお、使用されるポリイミドチューブとし
ては、その表面を、トナーとの離型性にすぐれたフッ素
樹脂により被覆したものが一般的である。通常、このよ
うなフッ素樹脂被覆ポリイミドチューブの場合、要求さ
れる熱伝導性や機械的強度を満たすため、ポリイミド層
の厚さは30〜100μm程度、フッ素樹脂層の厚さは
5〜30μm程度とされている。
【0007】このようなポリイミドチューブにおいて、
厚みにバラツキがあるとトナーの溶融が均一にできなく
なり、オフセット現象が発生する。また、チューブの周
長差、すなわち管状物の長さ方向における内径のバラツ
キは、薄膜チューブを2軸又は3軸間で回転させる場合
に、チューブの長さ方向への蛇行を発生させることにな
る。したがって、ポリイミドチューブの熱定着用シーム
レスベルトとしての使途に対しては、精度の高い円筒度
が要求される。また、駆動プーリーからの駆動力をチュ
ーブにスムーズに伝達するためには、チューブの内面の
粗さも用途に応じて一定の粗度が必要である。
【0008】そこで、熱定着フィルムとしての使用に適
して厚みの一様なポリイミドシームレスチューブを得る
ため、これまでにも様々な方法が提案されている。な
お、ポリイミドチューブの製造に際しては、熱可塑性樹
脂で作るチューブのように押出成形やインフレーション
または真空成形ができないという問題がある。そのた
め、たとえば特開平3−180309号公報や特開平3
−261518号公報に開示されているように、芯体と
なる金型の外面にポリアミド酸溶液のようなポリイミド
前駆体溶液を均一な厚さで付着させ、加熱により乾燥お
よびイミド化した後、チューブ状物を芯体から分離する
という方法が、その代表的な製造方法として開発されて
いる。
【0009】この熱定着フィルムを用いた定着装置は、
薄いポリイミドフィルムの内側に設置されたヒータが、
外表面上を通過する記録紙上のトナーを加熱し溶融させ
ることによって熱定着を行なうため、熱定着ローラのよ
うに予め定着ローラを予備加熱する時間を必要とせず、
電源スイッチを入れるとすぐに熱定着を開始できる、い
わゆるクィックスタートが可能であり、連続通紙の場合
でも温度低下が小さく高速化も可能という特長を有して
いる。また、熱容量の大きいローラを加熱する必要がな
いことから、ヒータの電気容量も小さくて済み消費電力
も少ないという省エネルギー効果もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱定着
フィルムを用いた定着方式は、記録紙上のトナーが薄い
熱定着フィルムを介してヒータの硬い表面に圧接される
ことになるため、トナーの飛散防止が不十分であり、ゴ
ム弾性体層を備えた従来の熱定着ローラの場合と比較し
て、得られる画像の画質が劣るという難点があった。そ
のため、フルカラー機や高画質が要求される機器に対し
ては適用が困難であった。
【0011】本発明は、このような従来の事情に対処し
て成されたものであり、高画質の画像が得られフルカラ
ー機にも適用可能で熱応答性にすぐれた画像定着フィル
ムを提供することを、その目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】鋭意研究の結果、フッ素
樹脂被覆ポリイミドフィルムに熱応答性を損なうことな
く弾性を付与することによって、上記目的が達成し得る
ことが見出だされた。図1は、本発明の画像定着フィル
ムの断面構造を示す模式図である。すなわち、本発明の
画像定着フィルムは、ポリイミドフィルムからなる基層
1の上に、ゴム弾性体からなる中間層2と離型性表層3
とが順に設けられてなることを特徴としている。
【0013】本発明において、ポリイミド樹脂を主体と
してなる基層1は、定着フィルムとして必要な熱伝導性
や機械的強度などの条件を満たすため、その厚さが30
〜100μmの範囲内であることが好ましい。さらに、
定着フィルムの熱応答性を向上させるために、ポリイミ
ド樹脂基層の熱伝導率は1.0×10-3cal/cm・
sec・℃以上5×10-3cal/cm・sec・℃以
下であることが好ましい。通常、ポリイミド樹脂の熱伝
導率は0.6×10-3cal/cm・sec・℃以下で
あるが、樹脂材料に添加剤としてたとえばBN、Al
N、あるいはSiCなどを配合することにより、基層の
熱伝導率を上記範囲にまで高めることができる。
【0014】本発明において、中間層2を構成するゴム
弾性体としてはゴム硬度の低い柔らかいものが好まし
く、たとえばJIS−A硬度1〜70°、さらに好まし
くは5〜40°のシリコーンゴムなどが好適に使用可能
である。中間層の厚さは0.1〜3mmの範囲が好まし
く、さらに好ましくは0.2〜1mmの範囲である。中
間層の厚さが0.1mmより薄い場合には、フィルムに
十分な弾性が付与されないためトナーを包み込むように
定着させることができず、したがってトナーの飛散防止
効果が得られなくなる。一方、3mmより厚い場合には
定着フィルムの熱応答性が損なわれるようになるので、
ともに好ましくない。
【0015】本発明において、離型性表層3の構成材料
としては、たとえばPTFE、PFA、あるいはFEP
などのフッ素樹脂が好適であり、あるいは必要に応じて
これらの2種以上を混合したものも同様に使用可能であ
る。離型性表層の厚さは5〜50μmが好ましいが、さ
らに好ましくは10〜20μmの範囲である。離型性表
層の厚さが5μmより薄い場合には耐久性が低下し、5
0μmより厚い場合にはゴム弾性体層を設けた効果が得
られなくなるため、ともに好ましくない。
【0016】本発明の画像定着フィルムは、たとえば以
下のようにして製造することができる。まず、基層であ
るポリイミドフィルムを製造するにあたって、芯体とな
る金型の外面にポリアミド酸溶液のようなポリイミド前
駆体溶液を均一な厚さで付着させ、加熱により乾燥およ
びイミド化してポリイミドフィルムのチューブ状物を形
成する。
【0017】このポリイミド前駆体溶液を均一な厚さで
芯体に付着させる方法はどのような方法であってもよい
が、たとえば浸漬や塗布などの一般的な塗装方法により
芯体の外周上部に所定量付着させた後、その長手方向を
鉛直に保持した金属芯体の外側に、所定のクリアランス
を有する『通しダイス』状の外金型を嵌め、その自重に
よって外金型を降下させる、いわゆるダイスコート法な
どはとくに好適である。
【0018】ダイスコート法などにより形成されたチュ
ーブ状のポリイミドフィルムの表面に、さらにLTVシ
リコーンゴムをダイスコートし硬化させる方法や、ある
いはHTVシリコーンゴムをプレス成型する方法などに
よって、ゴム弾性体層を設けることができる。そして離
型性表層も、フッ素樹脂のディスパージョン塗装などの
常法にしたがって、容易に形成することができる。そし
てその後、複層構造のチューブ状物を芯体から分離する
ことによって、本発明の画像定着フィルムが得られる。
【0019】なお、本発明においてポリイミドフィルム
原料として使用可能なポリイミド前駆体にはとくに制限
はないが、たとえば芳香族ジアミンと芳香族テトラカル
ボン酸とを反応させて得られるものなどがあげられ、芳
香族ジアミンとしては、たとえば3,3´−ジメトキシ
−4,4´−ジアミノジフェニルエーテルや3,3´−
ジアミノフェニルエーテルなど、芳香族テトラカルボン
酸としては、たとえば3,3´,4,4´−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物やピロメリット酸二無水物な
どがあげられる。これらの芳香族ジアミンと芳香族テト
ラカルボン酸との反応は、たとえばジメチルアセトアミ
ド、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリド
ンなどの有機極性溶剤中で行なわれる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細を実施例にし
たがって説明する。
【0021】実施例1 外径30mm、長さ400mmのアルミニウム製芯体の
表面に、ポリアミド酸(宇部興産社製、商品名uワニス
S)を溶剤ジメチルアセトアミド/ナフサ(9/1)中
に溶解させて得た粘度1500ポアズのポリイミド前駆
体溶液を、ダイスコートした。そしてコートされたこの
芯体を、温度250℃で25分間の熱処理を行って基層
となる厚さ50μmのチューブ状のポリイミドフィルム
を形成した。
【0022】次いで芯体上のこのポリイミドチューブの
表面に、Hs20°のLTVシリコーンゴム(東芝シリ
コーン社製、商品名XE15−751)をダイスコート
したのち、120℃で30分熱処理を行って厚さ0.2
mmのゴム弾性体層を形成した。そして得られたゴム弾
性体層の表面に、フッ素樹脂としてFEPディスパージ
ョン(ダイキン工業社製、商品名ND−1)をスプレー
コートしたのち300℃で30分間の熱処理を行って、
厚さ10μmの離型性表層を形成した。その後、アルミ
ニウム製芯体を引抜いて、複層構造の本発明の画像定着
フィルムを得た。
【0023】実施例2 外径40mm、長さ420mmのアルミニウム製芯体を
用いた他は実施例1と同様にして、基層となる厚さ60
μmのチューブ状のポリイミドフィルムを形成した。
【0024】次いで芯体上のこのポリイミドチューブの
表面に、Hs40°のHTVシリコーンゴム(信越化学
社製、商品名KE70184)を160℃で30分間プ
レス成型したのち、200℃で4時間の2次加硫を行っ
た。その後、円筒研削盤を用いて研削し、厚さ0.3m
mのゴム弾性体層を形成した。そして得られたゴム弾性
体層の表面に、フッ素樹脂としてPTFEディスパージ
ョン(旭硝子社製、商品名AD−1)をスプレーコート
したのち380℃で30分間の熱処理を行って、厚さ1
5μmの離型性表層を形成した。その後、アルミニウム
製芯体を引抜いて、複層構造の本発明の画像定着フィル
ムを得た。
【0025】比較例1 外径30mm、長さ380mm、肉厚3mmのアルミニ
ウム製の中空状芯軸上に、実施例2で使用したものと同
様のゴム材料を使用し、同様の方法により厚さ0.3m
mのゴム弾性体層を形成した。さらに実施例2と同様に
して離型性表層を形成し、熱定着ローラを得た。
【0026】比較例2 ゴム弾性体からなる中間層を設けないようにした他は実
施例1と同様にして、画像定着フィルムを得た。
【0027】次いでこのようにして得られた本発明の実
施例と比較例の画像定着フィルム、および比較例の熱定
着ローラを実機に組込んで複写を行い、本発明の効果を
調べた。その結果を次の表1に示す。
【0028】
【表1】 表1からも明らかなように、本発明の画像定着フィルム
を用いて定着を行った場合には、トナーの飛散もみられ
ず予備加熱所要時間も短かった。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高画質の画像が得られ熱応答性にすぐれた画像定着フィ
ルムを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の画像定着フィルムの断面構造
を示す模式図である。
【符号の説明】
1………ポリイミドフィルム基層 2………ゴム弾性体中間層 3………離型性表層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/34 B32B 27/34 // B29C 41/00 B29C 41/00 B29K 79:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイミドフィルムからなる基層の上
    に、ゴム弾性体からなる中間層と離型性表層とが順に設
    けられてなることを特徴とする画像定着フィルム。
  2. 【請求項2】 前記離型性表層がフッ素樹脂からなるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲請求項1記載の画像定着
    フィルム。
  3. 【請求項3】 前記ポリイミドフィルムからなる基層
    が、熱伝導率1.0×10-3cal/cm・sec・℃
    以上5×10-3cal/cm・sec・℃以下であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲請求項1あるいは2記載
    の画像定着フィルム。
  4. 【請求項4】 前記ゴム弾性体が、JIS−A硬度1〜
    70°のシリコーンゴムであることを特徴とする特許請
    求の範囲請求項1、2あるいは3記載の画像定着フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 前記離型性表層の厚さが、5〜50μm
    の範囲内であることを特徴とする特許請求の範囲請求項
    1あるいは2記載の画像定着フィルム。
  6. 【請求項6】 前記ポリイミドフィルムからなる基層の
    厚さが、30〜100μmの範囲内であることを特徴と
    する特許請求の範囲請求項3記載の画像定着フィルム。
  7. 【請求項7】 前記ゴム弾性体からなる中間層の厚さ
    が、0.1〜3mmの範囲内であることを特徴とする特
    許請求の範囲請求項1、2、あるいは4記載の画像定着
    フィルム。
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