JPH07110632A - 定着用ベルト - Google Patents

定着用ベルト

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JPH07110632A
JPH07110632A JP5277630A JP27763093A JPH07110632A JP H07110632 A JPH07110632 A JP H07110632A JP 5277630 A JP5277630 A JP 5277630A JP 27763093 A JP27763093 A JP 27763093A JP H07110632 A JPH07110632 A JP H07110632A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱伝導性が高く、十分な剛性と可撓性、強靭
性を有し、しかもオフセットの起こらない定着用ベルト
を提供すること。 【構成】 耐熱樹脂と平均粒子径0.5〜15μmで絶
縁性の無機フィラーを含有する樹脂組成物で形成された
内層、弗素樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物
で形成された外層、及び内層と外層の両樹脂に接着性を
有する樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物で形
成された中間層の3層構造を有することを特徴とする定
着用ベルト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機、ファ
クシミリ、プリンター等の装置において、被転写物に転
写された画像を加熱により定着する定着部に用いられる
定着用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写機、ファクシミリ、プリン
ター等において、印刷・複写の最終段階では、記録紙上
のトナーを加熱溶融して、記録紙上に定着させる。例え
ば、電子写真複写機では、感光体上に像露光を行って
静電潜像を形成する工程、静電潜像にトナーを付着さ
せて可視像(粉体像)とする工程、記録紙上に粉体像
を転写し、感光体から記録紙を分離する工程、及び未
定着の粉体像を加熱等の方法で記録紙上に定着させる工
程の諸工程を経て複写が行われる。
【0003】定着方法としては、熱定着方式が一般的で
あり、従来、図1に示すような熱ローラ定着法が汎用さ
れている。熱ローラ定着法では、内部に電熱ヒーター
(2)を持ち、外周を離型性のよいゴムまたは樹脂で被
覆したヒートローラ(1)とゴムローラ(5)からなる
一対のローラを圧接させ、そのローラ間をトナー(3)
像が形成された記録紙(4)を通過させてトナーを加熱
溶融し、トナーを記録紙上に融着させている。熱ローラ
定着法は、ヒートローラ(1)全体が所定温度に保持さ
れるため高速化に適しているが、反面、待ち時間が長い
という欠点を有している。即ち、装置の運転開始時にヒ
ートローラ(1)を所定の温度まで加熱する時間が必要
であるため、電源投入から運転可能となるまでの間に待
ち時間が発生する。また、ヒートローラ全体を加熱しな
ければならないため、消費電力も大きい。
【0004】そこで、近年、図2に示すように、フィル
ム状のエンドレスベルト(6)を介して、ヒーター
(7)により、被転写物上のトナーを加熱する定着方法
が提案されている。このエンドレスベルト定着法では、
定着用ベルト(6)とゴムローラ(10)を圧接させ、
この間にトナー(8)像が形成された記録紙(9)を通
過させ、ヒーター(7)により加熱し、トナーを記録上
に融着させる。この定着方法では、薄いフィルム状のベ
ルト(6)を介するだけで、ヒーター(7)により実質
的に直接加熱するため、加熱部が短時間で所定の温度に
達し、電源投入時の待ち時間がほぼゼロとなる。さら
に、必要部分のみを加熱するため、消費電力も少ないと
いう利点がある。
【0005】従来、エンドレスベルト定着法に用いられ
る定着用ベルトとしては、耐熱性、弾性率、強度、ベル
ト内面の絶縁性、ベルト外面の離型性等を考慮して、ポ
リイミド製のエンドレスベルトの外面に弗素樹脂のコー
ティング層を設けたものが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図2に示すようなエン
ドレスベルト定着法に用いられる定着用ベルト(6)と
しては、耐熱性、ヤング率、強度、絶縁性などに優れて
いるとともに、熱伝導性に優れていることが要求され
る。特に、定着速度を高めるためには、高い熱伝導性を
有する定着用ベルトが望ましい。ところが、従来のポリ
イミド製ベルトは、熱伝導率の低い樹脂のみで形成され
ているため、熱伝導性が不十分であり、高速化に十分適
応することができない。また、この定着方法では、定着
用ベルト自身に適度な剛性を持たせることにより、ベル
トのしわやつぶれのないスムーズな回転を可能としてい
る。
【0007】したがって、定着用ベルトには、高速化の
ために、熱伝導性と剛性とが共に優れていること、特
に、少なくとも前述のポリイミド製ベルト以上の剛性を
有することが求められる。さらに、この定着用ベルト
は、ヒーターと接する部分で変形を繰り返しながら回転
し、しかもベルト端部は、非回転部と接触して、こすれ
ながら回転するため、ベルト材には、十分な可撓性と強
靭性が要求される。また、ヒーターとの絶縁のため、ベ
ルト内周面(内層)は絶縁性であることが必要である。
【0008】しかしながら、従来、上記要求特性を満た
す定着用ベルトは、未だ得られていない。例えば、熱伝
導性を改善するためには、従来のポリイミド製ベルトを
薄くする方法が考えられるが、この場合、薄肉化により
剛性が低下するため、要求特性を満たすことはできな
い。
【0009】さらに、図2に示す定着方法では、絶縁性
の樹脂ベルトを使用しているため、ベルトの内外面が帯
電し易く、帯電によりトナーがベルト側に付着する現
象、いわゆるオフセットが起こり易いという問題があ
る。本発明の目的は、熱伝導性が高く、十分な剛性と可
撓性、強靭性を有し、しかもオフセットの起こらない定
着用ベルトを提供することにある。
【0010】本発明者らは、前記従来技術の問題点を解
決するために鋭意研究した結果、ヒーターと接する内
層をポリイミド等の耐熱樹脂に絶縁性の無機フィラーを
含有せしめた樹脂組成物で形成することにより、絶縁性
を保持しつつ、熱伝導性と剛性を向上せしめ、トナー
像と接する外層を離型性の良い弗素樹脂に導電性フィラ
ーを含有せしめた樹脂組成物で形成することにより、離
型性を確保しつつ、帯電を防止して、オフセットを防
ぎ、さらに、内層と外層を接着させ、かつ、内層の帯
電に対するシールドと外層の帯電防止効果を向上させる
ために、内層と外層を接着させる中間層を導電性フィラ
ーを含有せしめた樹脂組成物で形成することにより、前
記諸特性を満足する定着用ベルトの得られることを見出
した。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至
ったものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、耐熱樹脂と平均粒子径0.5〜15μmで絶縁性の
無機フィラーを含有する樹脂組成物で形成された内層、
弗素樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物で形成
された外層、及び内層と外層の両樹脂に接着性を有する
樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物で形成され
た中間層の3層構造を有することを特徴とする定着用ベ
ルトが提供される。
【0012】以下、本発明について詳述する。図3は、
本発明の定着用ベルトの断面図である。本発明の定着用
ベルトは、内層(11)、中間層(12)、及び外層
(13)の3層構造からなるものであって、内層(1
1)は、耐熱樹脂と絶縁性の無機フィラーを含有する樹
脂組成物で形成され、外層(13)は、弗素樹脂と導電
性フィラーを含有する樹脂組成物で形成され、そして、
中間層(12)は、導電性フィラー含有する樹脂組成物
で形成されている。
【0013】内層 定着用ベルトの内層は、ポリイミド等の耐熱樹脂に絶縁
性の無機フィラーを含有せしめた樹脂組成物で形成する
ことによって、絶縁性を保持しつつ、熱伝導性及び剛性
を向上せしめる。無機フィラーが絶縁性でない場合に
は、運転時高電圧になるヒーターとの短絡によりベルト
を破損するおそれがある。
【0014】内層に使用する耐熱樹脂としては、例え
ば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダ
ゾール、ポリベンズオキサゾール、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルイミド、液晶ポリマー等が挙げ
られる。これらの耐熱樹脂の中でも、ポリイミドやポリ
アミドイミドが特に好ましい。この樹脂層により、定着
用ベルトの絶縁性が確保される。これらの樹脂単体層
は、熱伝導率が低いため、絶縁性の無機フィラーを含有
せしめる。
【0015】絶縁性の無機フィラーとしては、例えば、
ボロンナイトライド、アルミナ、炭化ケイ素、チタン酸
カリウム、窒化アルミ、マイカ、シリカ、酸化チタン、
タルク、炭酸カルシウム、及びこれらの2種以上の混合
物を挙げることができる。これらの中でも、ボロンナイ
トライド、アルミナ、炭化ケイ素、窒化アルミが好まし
い。
【0016】絶縁性の無機フィラーの含有量は、通常、
5〜30容量%、好ましくは10〜25容量%である。
この範囲内であれば、樹脂単体層とほぼ同レベルの柔軟
性を確保した上で、熱伝導性と剛性を向上させることが
できる。この含有量が5容量%未満であると、十分な熱
伝導性向上効果が得られず、逆に、30容量%を越える
と、可撓性が不十分となり、定着機で定着用ベルトとし
て使用した場合に、比較的短期間でベルトに割れを生じ
易い。
【0017】また、絶縁性の無機フィラーの平均粒子径
は、0.5〜15μm、好ましくは1〜10μmであ
る。耐熱樹脂、特にポリイミドやポリアミドイミド等で
は、一般に樹脂(ポリアミド酸等の前駆体を含む)に溶
剤を加えたワニスを用いて成形されるが、無機フィラー
を含有せしめたワニスを用いてフィルム状物を成形する
と、表面に凹凸を生じ易い。凹凸の少ない良好な表面状
態の薄肉の内層を有するベルトを得るには、無機フィラ
ーの平均粒子径を前記範囲とすることが必要である。絶
縁性の無機フィラーの平均粒子径が15μmを越える
と、フィルムに凹凸を生じ易く、0.5μm未満である
と、熱伝導性の向上効果が小さく、かつ、フィラーの凝
集によりフィルムに凹凸を生じ易い。内層の凹凸が大き
いと、定着用ベルトの外層表面の凹凸も大きくなり、ト
ナーとの密着性が悪くなって、定着性が低下する。
【0018】絶縁性の無機フィラーの形状は、球状、鱗
片状(平板状)、繊維状のいずれでもよいが、これらの
中でも平板状のフィラーが、凹凸が少なく表面の滑らか
なフィルムが得られ、なおかつ球状のフィラーの場合よ
り高い剛性が得られるため、特に好ましい。したがっ
て、無機フィラーとしては、形状が平板状で高熱伝導性
かつ絶縁性であるボロンナイトライドが特に好適であ
る。内層の厚みは、通常、10〜70μm、好ましくは
30〜60μmである。
【0019】外層 定着用ベルトの外層は、弗素樹脂と導電性フィラーを含
有する樹脂組成物で形成される。弗素樹脂を使用するこ
とにより、離型性を確保し、導電性フィラーを含有せし
めることにより、外層に導電性を付与して帯電によるオ
フセットを防止する。
【0020】弗素樹脂としては、定着ローラを200℃
前後の高温で連続使用可能とするために、特に耐熱性に
優れたものが好ましく、例えば、四弗化エチレン樹脂
(PTFE)、四弗化エチレン−パーフロロアルコキシ
エチレン共重合体(PFA)、四弗化エチレン−六弗化
プロピレン共重合体(FEP)等が挙げられる。
【0021】導電性フィラーとしては、特に限定されな
いが、例えば、ケッチェンブラック等のカーボンブラッ
クやアルミニウム等の金属粉を挙げることができる。導
電性フィラーの平均粒子径は、安定した均一な導電性を
得るために、0.5μm以下であることが好ましい。
【0022】導電性フィラーの含有量は、通常、0.1
〜5重量%程度である。ただし、外層の導電性をあるレ
ベル以上に上げた場合には、記録紙上のトナーが定着用
ベルトの外層と接触した際に、トナーの電荷が該外層に
流れて、記録紙とトナーとの間の吸引力が失われる。こ
のため、外層の表面抵抗率を1×1012〜1×1015Ω
/□とすることにより、帯電防止効果とトナー電荷漏れ
防止を両立させるのが望ましい。外層の厚みは、通常、
1〜30μm、好ましくは5〜15μmである。
【0023】中間層 定着ベルトの中間層は、内層と外層の両樹脂に接着性を
有する樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物で形
成する。本発明では、外層のみならず、中間層に導電性
フィラーを含有せしめた樹脂を用い、さらにベルト端部
等で中間層露出部を設け接地することにより、定着用ベ
ルトの内面の摩擦帯電に対するシールド効果、及び外面
の帯電防止効果を持たせ、オフセットを防止する。即
ち、オフセットを防止するには、定着用ベルトの導電性
を上げればよいが、ヒーターと接するベルト内面は、絶
縁性とする必要があるため、中間層及び外層に導電性フ
ィラーを含有せしめることにより、ベルト内面の帯電に
対するシールド効果と外面の帯電防止効果を持たせ、オ
フセットを防止する。
【0024】中間層を構成する樹脂としては、特に限定
されないが、例えば、弗素樹脂とポリアミドイミドの混
合物、弗素樹脂とポリエーテルスルホンの混合物などが
接着性の点で好ましい。
【0025】導電性フィラーとしては、外層に使用する
のと同じものが使用できる。導電性フィラーの含有量
は、通常、0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量
%程度である。中間層の表面抵抗率は、1×106Ω/
□以下として、十分に導電性を上げることが好ましく、
これにより、内面の帯電に対するシールド効果、及び外
面の帯電防止効果を効率よく得ることができる。中間層
の厚みは、通常、0.1〜20μm、好ましくは1〜1
0μmである。
【0026】本発明の定着用ベルトを作成するには、例
えば、円柱形状の金型上に、内層を形成するワニスを塗
布し、溶媒を除去した後、中間層を形成する樹脂組成物
を含む液を塗布し、乾燥した後、さらに、外層を形成す
る樹脂組成物を含む液を塗布し、乾燥した後、ポリイミ
ドや弗素樹脂等を焼成すればよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明について、実施例及び比較例を
挙げて具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
のみに限定されるものではない。なお、実施例及び比較
例における性能評価のための試験方法は、次の通りであ
る。
【0028】<熱伝導率>内層の熱伝導率は、京都電子
工業(株)製の迅速熱伝導率計KemthermQTM
−D3で測定した。 <弾性率>内層の弾性率は、ASTM D882−90
に従い、インストロン1122引張試験機により測定し
た。 <実機装着運転時の耐久時間>ベルトを定着機に取り付
け、A4サイズの紙が1分間に6枚通紙する速度(35
mm/秒)に設定して、ベルトに亀裂等の異状がないか
を目視で観察し、耐久時間を測定した。また、別途通紙
した紙にオフセットが発生したか否かを目視で観察し
た。
【0029】[実施例1]ポリイミドワニス(宇部興産
製、品番U−ワニス−S)に、平均粒子径1.5μmの
ボロンナイトライド(昭和電工製、品番UHP−S1)
を加え、攪拌機で60分間攪拌した後、真空脱泡を行
い、絶縁性の無機フィラー入りワニスを調製した。無機
フィラーの添加量は、ワニス硬化後に16容量%となる
ように調整した。このワニスを円柱金型上にディッピン
グにより、一定厚に付着させた。次いで、100〜20
0℃の段階的加熱により溶媒除去を行った。次に、得ら
れたポリイミド層上に、導電性カーボンブラックを3重
量%配合したプライマー層(中間層)をディッピングに
より形成した。プライマー層を形成する樹脂は、ポリア
ミドイミド、PTFE、PFA等の混合物からなるディ
スパージョン(デュポンジャパンリミテッド製、品番8
55−003)であった。
【0030】さらに、その上に、弗素樹脂ディスパージ
ョン(デュポンジャパンリミテッド製、品番855−4
05)に導電性カーボンブラックを0.7重量%配合し
た弗素樹脂層を同じくディッピングにより形成した。ポ
リイミドや弗素樹脂等を焼成した後、金型を引き抜くこ
とにより、定着用ベルトを得た。各層の厚みは、内層が
50μm、中間層が5μm、及び外層が10μmであっ
た。また、中間層の表面抵抗率は5×105Ω/□、外
層の表面抵抗率は7×1013Ω/□であった。表1に示
すように、得られた定着用ベルトは、熱伝導性に優れ、
十分な耐久性を有し、なおかつ定着時にオフセットを生
じなかった。
【0031】[実施例2]内層に配合した無機フィラー
が平均粒子径3.5μmの電気化学工業製ボロンナイト
ライドBN−GPで、その含有量が22容量%であるこ
と以外、実施例1と同様の材料及び製法にて定着用ベル
トを作成した。表1に示すように、得られた定着用ベル
トは、熱伝導性及び剛性に優れ、十分な耐久性を有し、
なおかつ定着時にオフセットを生じなかった。
【0032】[実施例3]内層に配合した無機フィラー
が平均粒子径3.0μmの昭和電工製アルミナAL−4
5−Hであること以外、実施例2と同様の材料及び製法
にて定着用ベルトを作成した。表1に示すように、得ら
れた定着用ベルトは、熱伝導性に優れ、十分な耐久性を
有し、なおかつ定着時にオフセットを生じなかった。
【0033】[比較例1]プライマー層及び弗素樹脂層
に導電性カーボンブラックを含有せしめなかったこと以
外、実施例1と同様の材料及び製法にて定着用ベルトを
作成した。表1に示すように、得られた定着用ベルト
は、定着時にオフセットを生じた。
【0034】[比較例2]内層に無機フィラーを含有せ
しめなかったこと以外、実施例1と同様の材料及び製法
にて定着用ベルトを作成した。表1に示すように、得ら
れた定着用ベルトは、熱伝導性が低く、印刷速度の高速
化に不適なものであった。
【0035】[比較例3]内層に配合した無機フィラー
が平均粒子径21μmの昭和電工製アルミナAS20で
あること以外、実施例2と同様の材料及び製法にて定着
用ベルトを作成した。得られた定着用ベルトは、表面の
凹凸が激しく、トナーと密着しないため、定着性の悪い
ものであった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の定着用ベルトは、ファクシミ
リ、プリンター等に使用される定着用ベルトとして必要
な可撓性・強靭性を確保した上で、従来のポリイミド製
ベルトより高い熱伝導性と十分な剛性を有するものであ
り、ファクシミリ、プリンター等の定着速度の高速化を
可能とする効果を奏する。さらに、本発明の定着用ベル
トは、トナーの離型性に優れ、ベルトの帯電による定着
時のオフセットを防止する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒートロールを用いた従来の定着方法の説明図
である。
【図2】エンドレスベルトを用いた定着方法の説明図で
ある。
【図3】本発明の定着用ベルトの層構成図である。
【符号の説明】 1.ヒートローラ 2.ヒーター 3.トナー 4.記録紙 5.ゴムローラ 6.エンドレスベルト 7.ヒーター 8.トナー 9.記録紙 10.ゴムローラ 11.内層(絶縁性の無機フィラーを含有する耐熱樹脂
層) 12.中間層(導電性フィラーを含有する接着性樹脂
層) 13.外層(導電性フィラーを含有する弗素樹脂層)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱樹脂と平均粒子径0.5〜15μm
    で絶縁性の無機フィラーを含有する樹脂組成物で形成さ
    れた内層、弗素樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組
    成物で形成された外層、及び内層と外層の両樹脂に接着
    性を有する樹脂と導電性フィラーを含有する樹脂組成物
    で形成された中間層の3層構造を有することを特徴とす
    る定着用ベルト。
  2. 【請求項2】 内層の耐熱樹脂がポリイミドである請求
    項1に記載の定着用ベルト。
  3. 【請求項3】 内層の耐熱樹脂に含有せしめる無機フィ
    ラーがボロンナイトライドである請求項1または2に記
    載の定着用ベルト。
  4. 【請求項4】 内層の耐熱樹脂に含有せしめる無機フィ
    ラーの含有量が5〜30容量%である請求項1ないし3
    のいずれか1項に記載の定着用ベルト。
  5. 【請求項5】 中間層の表面抵抗率が1×106Ω/□
    以下で、かつ、外層の表面抵抗率が1×1012〜1×1
    15Ω/□である請求項1ないし4のいずれか1項に記
    載の定着用ベルト。
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