JP3549222B2 - 熱可塑性樹脂チューブの同時二軸延伸方法及び得られた延伸チューブの熱セット方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂チューブの同時二軸延伸方法及び得られた延伸チューブの熱セット方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は折り目皺のない、平滑性の良好な熱可塑性樹脂延伸チューブを得るための同時二軸延伸方法及び得られた延伸チューブの熱セット方法に関するものであり、電子写真プロセス等に使用される熱可塑性樹脂チューブのように特に表面の平滑性が要求される用途に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンター等の電子写真プロセス等の感光体支持ベルトや、転写ベルト等に近年熱可塑性樹脂のベルトが多く用いられるようになっている。ところが、これらベルトの多くは押出成形されたシートの両端部を接合してベルトと成しているので、ベルト上に残留するトナーのクリーニング性や耐久性に問題があり、継ぎ目のないいわゆるシームレスベルト、特に機械的強度の優れたシームレス延伸ベルトの提供が強く望まれている。また、一般に熱可塑性樹脂のベルトを電子写真プロセス等に用いる場合には高度の表面平滑性や光学的均一性が要求されている。
【0003】
このシームレス延伸ベルトは主に熱可塑性樹脂チューブを二軸延伸した後、輪切りにして得られるが、従来の熱可塑性樹脂の二軸延伸チューブを得る方法としては、いわゆるチューブラー二軸延伸法が一般的に用いられていた。しかしながら、この方法は押出・延伸工程をインライン化して連続的に延伸を行うため、延伸チューブ内の内圧を一定に保つ目的でピンチロールによりチューブを一時偏平フラット化する必要があった。従って、偏平フラット化されたチューブを再度円筒形状にしてもピンチロールによる折り目跡が凹凸となって残存し、電子写真プロセス等の用途のシームレスベルトとして使用する際には、ベルト表面をクリーニングしても表面の凸部にトナーが残るという不都合があった。
【0004】
この問題を解消するために特開昭64−570号公報には、チューブラー二軸延伸法により得た熱可塑性樹脂の二軸延伸チューブを円筒金型に被覆し、熱収縮させることでピンチロールによる折り目跡を改善する方法が提案されている。しかしながら、この方法によって得られたチューブにおいても表面に凹凸(1〜5μm)が残存したり、スジ状に白化してしまうという欠点があり、特に感光体支持基材ベルトの内面より露光を行うような電子写真プロセスでは、光学特性の不均一により良好な画像を得ることが難しかった。
【0005】
また、従来のチューブラー二軸延伸法においては、延伸中には延伸チューブ内の内圧を制御することができないため、フイルム厚みの厚いチューブや小径チューブを延伸する場合には、ピンチロールによりピンチしても折り目部分から延伸チューブ内の空気が漏れ、内圧の低下やそれにともなう延伸チューブ径の減少が起こるという問題があった。この問題を解消するために、内部あるいは外部支持体を用いて延伸を行う方法もあるが、この場合はチューブ表面あるいは内面に擦り傷が発生し、表面平滑性や光学特性に悪影響を及ぼしてしまうという欠点があった。
【0006】
一方、ブロー成形によっても二軸延伸チューブを得ることは可能ではあるが、金型内で延伸を行うため前述の外部支持体によるチューブラー延伸と同様に、表面の擦り傷は不可避であり、また、長尺物チューブの延伸は困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、熱可塑性樹脂チューブの表面に折り目跡による凹凸やスジ状白化、また擦り傷を発生させずに、任意の延伸倍率で熱可塑性樹脂チューブの二軸延伸を行う方法、及び得られた延伸チューブを折り目を発生させずに任意の弛緩率で熱セットを行う方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、任意長に切断した熱可塑性樹脂の未延伸チューブ1の一端を、チューブ固定部21、予熱槽22a及び加熱槽22bを有する可動式加熱部22及びスライド23からなる延伸装置2のチューブ固定部21に、他端をスライド23に固定した後、チューブ固定部21とスライド23の間に位置する可動式加熱部22の加熱槽22bの温度を予熱槽22aの温度及び該未延伸チューブの熱可塑性樹脂のガラス転移点以上、かつ融点以下の温度に保持し、該未延伸チューブ1に空気を圧入しながら、スライド23はチューブ固定部21から遠ざかる方向に、可動式加熱部22はチューブ固定部21に近づく向に、可動式加熱部22の移動速度の絶対値がスライド23の移動速度の絶対値より小さい速度でそれぞれ移動させて、該未延伸チューブ1を膨張させることを特徴とする熱可塑性樹脂の同時二軸延伸方法が提供され、
更に、前記方法によって得られた延伸チューブ3の一端を、チューブ固定部41、可動式加熱部42及びスライド43からなるセット装置4のチューブ固定部41に、他端をスライド43に固定した後、チューブ固定部41とスライド43の間に位置する可動式加熱部42の温度を該延伸チューブの熱可塑性樹脂のガラス転移点以上、該延伸チューブの延伸時の加熱槽22bの温度以下にして、延伸チューブ3内の内圧を、大気圧<内圧<該延伸チューブの延伸時のチューブ内圧、に保持しながら、スライド43の移動速度を可動式加熱部42がチューブ固定部41に近づく方向に移動する速度未満で、チューブ固定部41に近づく方向に移動させ、該延伸チューブ3を収縮させることを特徴とする熱可塑性樹脂チューブの熱セット方法が提供される。
【0009】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1、図2は本発明で使用する延伸装置2及び熱セット装置4の概略図である。延伸装置2は、未延伸チューブ1の一端の固定を行うチューブ固定部21、未延伸チューブ1の他端を固定しかつ任意の速度で移動可能なスライド23、未延伸チューブ1を加熱しかつ任意の速度で移動可能でしかもチューブ固定部21とスライド23の間に位置する可動式加熱部22、および、スライド23と可動式加熱部22を移動させるためのレール24a、24bで構成されている。
【0010】
可動式加熱部22はチューブを加熱するための予熱槽22a、加熱槽22b、及び未延伸チューブ1の延伸開始箇所を規制する目的で加熱槽22b内に設置された延伸ノズル22cを有しており、予熱槽22a及び加熱槽22bは該未延伸チューブ1を包み込むような、例えば、円筒形状をしている。延伸ノズル22cの内径は未延伸チューブ1の外径よりも10〜50%程度大きくする必要があり、また、内周面はチューブ表面にキズを付け難い、例えば、テフロンのように摩擦抵抗が低くかつ耐熱性を有している材質にして、研磨等の手段により平滑性を高めておくことが望ましい。また、延伸ノズル22cの内周に多数のガイドローラーを環状に設置して該チューブ1と延伸ノズル22cとの摩擦を防止することも可能である。
【0011】
一方、熱セット装置4は、延伸チューブ3の一端の固定を行うチューブ固定部41、延伸チューブ3の他端を固定しかつ任意の速度で移動可能なスライド43、延伸チューブ3を加熱しかつ任意の速度で移動可能でしかもチューブ固定部41とスライド43の間に位置する可動式加熱部42、及びスライド43と可動式加熱部42を移動させるためのレール44a、44bで構成されている。また、可動式加熱部42は延伸チューブ3を包み込むような、例えば、円筒形状をしている。
【0012】
本発明で用いる未延伸チューブ1は、熱可塑性樹脂を所定の外径、厚みになるよう溶融押出して成形した後、引取機で引き取って製造するのであるが、この引取方法は一対のゴム製ベルトの間を摩擦力を利用して引き取るいわゆるベルト式引取機、又は断続的に二対のピンチロールによってピンチする方法、折り目を付けぬよう完全にピンチせずに引き取る方法等を用いてチューブ1に折り目をつけないことが必要である。従来のようにピンチロールを用いて連続的に引取る方法では、チューブ1の左右に折り目が付くので好ましくない。
【0013】
なお、熱可塑性樹脂としては、主としてポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの熱可塑性ポリエステル樹脂が挙げられるがこれらに限定されるものではなく、結晶性、非晶性を問わず延伸が可能な熱可塑性樹脂であれば本発明に適用することは十分可能である。
【0014】
このような、未延伸チューブ1を任意の長さに切断した後、その一端を延伸装置2のチューブ固定部21に、他端をスライド23に固定する。固定方法は十分な固定が行われれば特に限定はないが、図3(A)、(B)に示すように、例えば、エアシリンダーで固定板を押し付ける方法が挙げられる。なお、チューブ固定部21では、空気を未延伸チューブ1内に圧入する必要が有るので図3(B)で示すような固定板を用いて空気導入口を開けるように固定するのが望ましい。また、十分な固定を行って、空気が洩れないようにするために未延伸チューブ1が軟化する程度に固定部を加熱することが望ましい。
【0015】
また、可動式加熱部22の予熱槽22a及び加熱槽22bの温度を、シーズヒーター、熱風発生器による熱風あるいは赤外線ヒーター等の中から未延伸チューブの熱可塑性樹脂の特性に適合する加熱手段を用いて調節する。ここで、加熱槽22bの温度は用いる熱可塑性樹脂のガラス転移点以上、融点以下に設定する必要があり、予熱槽22aの温度は加熱槽22bの温度以下に設定する必要がある。
【0016】
次いで、チューブ固定部21の空気導入口から加圧された空気を未延伸チューブ内に導入するとともに、スライド23をチューブ固定部21から遠ざかる方向に、可動式加熱部22をチューブ固定部21に近づく方向にそれぞれ移動させて未延伸チューブの二軸延伸を行う。なお、延伸を行っている間は導入空気圧を一定に維持する。また、可動式加熱部22の移動速度の絶対値を、スライド23の移動速度の絶対値より小さくし、かつ可動式加熱部22およびスライド23の速度を一定に保つ必要がある。この時の未延伸チューブの流れ方向(以下、MDと称す。)の延伸倍率は、式1に示す計算式で表される。また、未延伸チューブの半径方向(以下、TDと称す。)の延伸倍率は、延伸後のチューブ径/未延伸チューブ径、となる。
【0017】
〔式1〕
MD延伸倍率=スライド23の移動速度の絶対値/可動式加熱部22の移動速度の絶対値
【0018】
熱可塑性樹脂は、通常、延伸倍率を大きくすればするほどヤング率、引張強度が増加し、破断伸びが低下して電子写真プロセスに使用されるシームレスベルトとして好適な物性のチューブが得られるが、延伸倍率をあまり大きくしようとすればいわゆるパンクが発生しやすくなり延伸自体ができなくなるので好ましくない。また、延伸倍率を小さくすれば延伸の効果があまり期待できないばかりか、均質な延伸が難しく、そのため厚みムラが発生しやすく好ましくない。従って、延伸倍率は使用する熱可塑性樹脂の特性にもよるが、MD、TDともに2〜6倍程度で行われることが望ましい。このような方法により機械的強度に優れ、しかも折り目跡による凹凸やスジ状白化、また擦り傷等のない本発明の同時二軸延伸チューブ3が得られる。
【0019】
更に、上記延伸チューブ3に温度変化に対する寸法安定性及び表面平滑性を付与するための熱セット方法は以下のように行う。すなわち、前述の方法により得られた延伸チューブ3の一端を熱セット装置4のチューブ固定部41に、他端をスライド43に固定する。固定の方法は二軸延伸する時と同様な方法でよく、チューブ固定部41から空気をチューブ内に圧入できるように若干の導入口を設けておく必要がある。
【0020】
また、可動式加熱部42の温度を、二軸延伸する時と同様に、延伸チューブの熱可塑性樹脂のガラス転移点以上、該延伸チューブを延伸した時の加熱槽22bの温度以下に設定する。一般に、熱収縮が開始する温度(寸法安定性が維持できる温度)は、熱セット温度に影響される。
【0021】
次いで、空気導入口より延伸チューブ3内に加圧された空気を導入するとともに、可動式加熱装置42及びスライド43を共にチューブ固定部41に近づく方向に移動させて該延伸チューブ3の熱セットを行う。ここでチューブの内圧を、大気圧<チューブ内圧<該延伸チューブの延伸時のチューブ内圧、になるようにして、一定に保つ必要がある。チューブ内圧が延伸時のチューブ内圧を越えると、チューブを収縮弛緩させて熱セットすることができないばかりか、可動式加熱部42の温度が十分高い場合は、逆に延伸状態になったり、いわゆるパンクを起こす場合があり好ましくない。また、スライド43の移動速度を可動式加熱部42の移動速度未満にして、かつ各速度を一定に保つ必要がある。この時のチューブのMD弛緩率は式2で表され、TD弛緩率は式3で表される。なお、MD、TD弛緩率はともに5〜30%程度が望ましい。弛緩率が5%未満であると、高温下での寸法安定性を向上させる効果がなく、また30%を越えると配向緩和が起こり、二軸延伸の効果であるヤング率、引張強度などが低下するため好ましくない。
【0022】
〔式2〕
MD弛緩率(%)=(スライド43の移動速度/可動式加熱部42の移動速度)×100
【0023】
〔式3〕
TD弛緩率(%)={(熱セット前のチューブ内径−熱セット後のチューブ内径)/熱セット前のチューブ内径}×100
【0024】
この様にして得た熱可塑性樹脂の二軸延伸チューブは、両端に未延伸部分や未熱セット部分を有し、また必要な外径に達していない部分も有しているので、この部分をカットして均一な外径となっている部分だけを取り出せば、本発明のチューブが得られる。なお、このチューブをシームレスベルトとして使用する場合は、チューブを所定長さに輪切りにすればよい。
【0025】
【実施例】
実施例1
ポリエチレンテレフタレート樹脂(三井ペット社製、ガラス転移点70℃、融点260℃)を口径30mmの環状ダイより290℃で溶融押出し、冷却後折り目跡を付けずに円筒形状のまま引き取るとともに一定長さに裁断し、外径27mm、厚み470μm、長さ2mのポリエチレンテレフタレートの未延伸チューブを得た。上記方法で得られた未延伸チューブを図1に示す延伸装置2に装着した。延伸装置2への装着は、未延伸チューブの一端を延伸装置2のチューブ固定部(21)に、他端をスライド(23)に固定し、スライド(23)をチューブ固定部(21)より遠ざかる方向に移動させて、未延伸チューブに弛みがなく、しかも、テンションのかかっていない状態にした。なお、可動式加熱部(22)は、スライド(23)に隣接する位置にセットした。そして、予熱槽22a(赤外線ヒーター)の雰囲気温度90℃、加熱槽22b(熱風発生器による熱風を内径120mm、隙間2mmのエアリングより吹出)の熱風温度160℃にして、チューブ内に空気を導入し、スライド23を3.0m/分の速度でチューブ固定部から遠ざかる方向に移動され、可動式加熱部22を1.0m/分の速度でチューブ固定部に近づく方向に移動させて同時二軸延伸を行い、外径95mm、厚み45μm、長さ9mmのポリエチレンテレフタレート樹脂の二軸延伸チューブを得た。この時のチューブの内圧はゲージ圧で0.8kg/cm2であった。
次いで、上記のポリエチレンテレフタレート樹脂二軸延伸チューブを図2に示す熱セット装置4に装着した。熱セット装置4への装着は、延伸チューブの一端をチューブ固定部(41)に、他端をスライド(43)に固定し、スライド(43)をチューブ固定部(41)より遠ざかる方向に移動させて、延伸チューブに弛みがなく、しかも、テンションのかかっていない状態にした。なお、可動式加熱部(42)は、スライド(43)に隣接する位置にセットした。
そして、可動式加熱部42(熱風発生器による熱風を内径150mm、隙間2mmのエアリングより吹出)の熱風温度を140℃にして、チューブ内に空気を導入し、スライド43及び可動式加熱部42をそれぞれ0.5m/分、3.0m/分の速度でチューブ固定部に近づく方向に移動さて熱セットを行い、外径85mm、厚み60μm、長さ5mmのポリエチレンテレフタレート樹脂のチューブを得た。この時のチューブの内圧はゲージ圧で0.6kg/cm2であった。得られたチューブの周方向の表面粗さを表1に示す。
【0026】
実施例2
ピンチロールで折り畳みながら引き取った以外は実施例1と同じ方法で外径27mm、厚み470μm 、長さ2mのポリエチレンテレフタレートの未延伸チューブ未延伸チューブを得た後、実施例1と同様にして同時二軸延伸を行い、外径95mm、厚み45μm 、長さ6mのポリエチレンテレフタレート樹脂の二軸延伸チューブを得た。次いで実施例1と同様にして熱セットを行い、外径85mm、厚み60μm 、長さ5mのポリエチレンテレフタレート樹脂のチューブを得た。得られたチューブの周方向の表面粗さを表1に示す。
【0027】
比較例1
ポリエチレンテレフタレート樹脂(三井ペット社製,ガラス転移点70℃,融点260℃)を口径30mmの環状ダイより290℃で溶融押出し、冷却後ピンチロールにより折り畳みながら連続的に引き取り、外径27mm、厚み470μm の未延伸チューブを得た。上記方法で得た未延伸チューブを加熱装置(熱風発生器による熱風を内径120mm、隙間2mmのエアリングより吹出)の熱風温度160℃で加熱後、チューブ内に空気を導入し、縦方向に3倍、横方向に3.5倍延伸してピンチロールにより折り畳みながら連続的に引き取り、外径95mm、厚み45μm の延伸チューブを得た。次いで熱セット温度150℃で熱セットを行い、ピンチロールにより折り畳みながら連続的に引き取り、外径85mm、厚み60μm のポリエチレンテレフタレート樹脂のチューブを得た。得られたチューブの周方向の表面粗さを表1に示す。
【0028】
比較例2
比較例1の方法により得られた熱セット前の外径95mm、厚み45μm のポリエチレンテレフタレート樹脂延伸チューブを外径85mmの円筒形の金属製ドラムに被覆し、190℃で30分間TDのみ弛緩させながら熱セットして、内径85mm、厚み50μm のチューブを得た。得られたチューブの周方向の表面粗さを表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
表1からも明かなように、本発明の方法により得られたポリエチレンテレフタレート樹脂チューブは、比較例1、2の方法で得られたチューブに比べて折り畳まずに製造しているのではるかに表面の凹凸が少ない。
【0031】
【発明の効果】
本発明の同時二軸延伸方法及び熱セット方法を用いれば、折り目や擦り傷を付けずに延伸・熱セットできるため、機械的強度と寸法安定性がよく電子写真プロセスで使用されるべきシームレス感光体の基材として必要不可欠な表面平滑性にも優れている。さらに延伸自体も内圧を制御しているので任意の延伸倍率で均一かつ安定した延伸が可能となる。また、熱セットにおいても延伸と同様に内圧を制御しているので任意の弛緩率で均一かつ安定した熱セットが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の同時二軸延伸方法で使用する延伸装置2の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の熱セット方法で使用するセット装置4の一例を示す概略図である。
【図3】(A)はチューブ固定方法の一例を示す概略図であり、(B)は空気導入口を設けるチューブ固定方法の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 未延伸チューブ
2 延伸装置
21 チューブ固定部
22 可動式加熱部
22a 予熱槽
22b 加熱槽
22c 延伸ノズル
23 スライド
24a、24b レール
3 延伸チューブ
4 セット装置
41 チューブ固定部
42 可動式加熱部
43 スライド
44a、44b レール
Claims (2)
- 任意長に切断した熱可塑性樹脂の未延伸チューブ1の一端を、チューブ固定部21、予熱槽22a及び加熱槽22bを有する可動式加熱部22及びスライド23からなる延伸装置2のチューブ固定部21に、他端をスライド23に固定した後、チューブ固定部21とスライド23の間に位置する可動式加熱部22の加熱槽22bの温度を予熱槽22aの温度及び該未延伸チューブの熱可塑性樹脂のガラス転移点以上、かつ融点以下の温度に保持し、該未延伸チューブ1に空気を圧入しながら、スライド23はチューブ固定部21から遠ざかる方向に、可動式加熱部22はチューブ固定部21に近づく方向に、可動式加熱部22の移動速度の絶対値がスライド23の移動速度の絶対値より小さい速度でそれぞれ移動させて、該未延伸チューブ1を膨張させることを特徴とする熱可塑性樹脂の同時二軸延伸方法。
- 請求項1記載の方法によって得られた延伸チューブ3の一端を、チューブ固定部41、可動式加熱部42及びスライド43からなるセット装置4のチューブ固定部41に、他端をスライド43に固定した後、チューブ固定部41とスライド43の間に位置する可動式加熱部42の温度を該延伸チューブの熱可塑性樹脂のガラス転移点以上、該延伸チューブの延伸時の加熱槽22bの温度以下にして、延伸チューブ3内の内圧を、大気圧<内圧<該延伸チューブの延伸時のチューブ内圧、に保持しながら、スライド43の移動速度を可動式加熱部42がチューブ固定部41に近づく方向に移動する速度未満で、チューブ固定部41に近づく方向に移動させ、該延伸チューブ3を収縮させることを特徴とする熱可塑性樹脂チューブの熱セット方法。
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