JP4724481B2 - 二軸延伸フィルムの製造方法及び二軸延伸フィルム製造装置 - Google Patents
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Description
このような二軸延伸フィルムを製造する際は、延伸後の基材フィルムに熱処理(熱固定)を施すことが一般的である。熱処理により、基材フィルムの耐熱性等が飛躍的に向上して、実用上優れた二軸延伸フィルムとなる。熱処理方法としては、一般に、テンター方式が用いられる。具体的には、二軸延伸後の基材フィルムの両端をクリップ等で固定しながら、熱処理装置の中を走行させて熱処理を行う。
本発明の二軸延伸フィルムの製造方法によれば、基材フィルムを熱処理工程に導入するに際し、基材フィルムの両端部を、各々基材フィルムの幅方向外部に付勢する一対の付勢手段を有する付勢工程を備えているので、基材フィルムの両端部がカールしていたり、たるんでいたり、あるいは基材フィルム全体が左右にぶれても確実に基材フィルムを熱処理工程に導入させることができる。
それ故、この付勢工程の位置は熱処理工程に近いほうがよい。例えば、熱処理工程がテンター方式を採用している場合、付勢工程の位置は、テンター内のクリップによる基材フィルムの挟み込み開始点より1m以内であることが好ましく、より好ましくは50cm以内である。
なお、付勢工程には、上述の一対の付勢手段が複数存在してもよい。例えば、一対の付勢手段が基材フィルムの進行方向に数段配置されていると、基材フィルムに対する付勢効果により優れる。
なお、この付勢ロールの回転部は、自由回転するいわゆるフリーロールであることが好ましい。基材フィルム自体の進行によりフリーロールが自動的に回転し、基材フィルムをその幅方向外部に付勢する力が働くので、基材フィルムに不自然な力が働くことがない。すなわち、基材フイルムの進行速度に合った自然な回転速度で、付勢ロールによる付勢効果が発揮できる。
本発明によれば、円筒状の回転部により基材フィルムに加えられる線圧が、6〜500gf/cmと所定の範囲にあるので、基材フィルムへの付勢効果が十分働くとともに、フィルム切れ等の原因となるおそれも少ない。
ここで、L1とL2は、回転部の基部(基材フィルム端部側)から頂部(基材フィルム中央部側)までの長さであり、両回転部の基部は上下方向で互いに略同一位置にある。
本発明によれば、基材フィルムの上側に位置する回転部の長手方向長さL1と、基材フィルムの下側に位置する回転部の長手方向長さL2との比L1/L2が1.5〜3であるので、基材フィルムが進行中に、いわゆるフィルム切れを起こすことが少ない。すなわち、付勢ロール相互の回転部の長さは同じでもよいが、長さを変える場合には、上述のようにL1(上側)のほうをL2(下側)より長くしたほうがよい。
L1(上側)より、L2(下側)が長いと、基材フィルムの上側に位置する付勢ロールの回転部先端が運転時の振動によりが基材フィルム表面に傷をつけるおそれがある。
本発明によれば、付勢のロールの長手方向と、基材フィルムの幅方向とにより形成される角度が20〜70度と特定の範囲にあるので、基材フィルムの両端部を幅方向外部に効果的に付勢できる。この角度が20度未満であると、基材フィルムの幅方向への引っ張り力が乏しくなり、基材フィルムを熱処理装置内へ円滑に導入することが困難となる。例えば、熱処理装置としてテンター方式を用いた場合、基材フィルムがクリップからはずれやすくなる。逆に、この角度が70度を超えると、基材フィルムを流れ方向の左右に引っ張る力が強すぎて、左右のぶれを引き起こし、安定性が乏しくなる。
この角度は、好ましくは、30〜60度であり、より好ましくは30〜50度である。
なお、付勢ロールの回転部がフリーロールである場合は、基材フィルムの流れにより、フリーロール自体が回転力を得て、その回転力により、付勢効果が発揮されるため、この角度設定はより重要である。
本発明によれば、二軸延伸がチューブラー方式であるので、MD方向(フィルムの移動方向)とTD方向(フィルムの移動方向に直交する方向)の同時二軸延伸を行うことができ、得られた二軸延伸フィルムがMD方向とTD方向の強度バランスに優れる。
本発明の二軸延伸フィルム製造装置によれば、基材フィルムを熱処理装置に導入する際し、基材フィルムの両端部を、各々基材フィルムの幅方向外部に付勢する一対の付勢手段を有する付勢装置を備えているので、基材フィルムの両端部がカールしていたり、たるんでいたり、あるいは基材フィルム全体が左右にぶれても確実に基材フィルムを熱処理装置に導入させることができる。
〔二軸延伸フィルム製造装置の概要〕
図1は、本発明の一例として、チューブラー方式の二軸延伸フィルム製造装置100を示した概略図である。
この二軸延伸フィルム製造装置100により製造される二軸延伸フィルムの原料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン、PET、PBT等のポリエステル、あるいは、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂等が好適に用いられる。この中でも、二軸延伸後の基材フィルムのカールが問題となりやすいポリアミド樹脂への適用が好ましい。
トリミング装置32は、ブレード321を有しており、ガイドロール31を介して送られた扁平なフィルム2の両端部を切開して2枚の基材フィルム2A、2Bに分離する。そして、上下に離れて位置する一対の分離ロール33A、33Bにより、ガイドロール31を介して送られた両フィルム2A、2B間に空気を介在させながらこれらを分離する。この扁平なフィルム2の切開は、両端部から若干内側にブレード321を位置させることにより、一部分耳部が生じるように行ってもよく、又はフィルム2の折り目部分にブレード321を位置させることにより、耳部が生じないように行ってもよい。
次に、両フィルム2A、2Bの進行方向に順に位置する3個の溝付きロール34A〜34Cにより両フィルム2A、2Bは、再び重ねられる。なお、これらの溝付きロール34A〜34Cは、溝付き加工後、表面にめっき処理を施したものである。この溝を介してフィルム2A、2Bと空気との良好な接触状態が得られる。
熱処理装置40は、2枚のフィルム2A、2Bの両端部を把持する手段であるテンター41と、両端部が把持された2枚のフィルム2A、2Bを熱処理するための加熱手段である加熱炉42とを備えている。この加熱炉42は、ここでは熱風炉である。
重なった状態のフィルム2(2A、2B)は、テンター41のクリップ411(図2)で両端部を把持されながら、フィルム2を構成する樹脂の融点以下であって、融点から約30℃低い温度以上で熱処理(熱固定)され、物性の安定した二軸延伸フィルム3(以後、フィルム3ともいう)となる。
クリップ411は金属製であり、基台部411Aと、基台部411Aから伸びるアーム部411Bと、アーム部411Bの先端に位置する支軸411Cと、支軸411Cの回りに所定方向にのみ連動して一定の角度だけ自由回転できる羽根411D及び羽根411Eとを備えて構成される。基台部411Aの上面は、一部がシリコーンラバー製のプレート411A1となっている。
クリップ411は、羽根411Dに対して、所定の開閉動作を行わせることで、連動する羽根411Eが開閉動作を行い、羽根411Eとプレート411A1とでフィルム2の端部を強く挟持する。フィルム2が熱処理を受け収縮しようとすると、この挟持力はより強まるように構成されている。
熱処理装置40から送出されたフィルム3は、フリーロール51A、ダンサーロール52を経由した後、フリーロール51Bから巻取装置60に送出される。
フリーロール51A、51Bは、熱処理装置40からのフィルム3の進行に合わせて自由回転するだけであるが、ダンサーロール52は、上下に変位可能となっている。それ故、ダンサーロール52を下方に変位させるとフィルム3の張力が上がり、逆にダンサーロール52を上方に変位させるとフィルム3の張力が下がる。すなわち、ダンサーロール52の上下への変位により、上流に位置する熱処理装置40内部で熱処理を受けているフィルム2への張力制御が可能となる。
図3は、付勢装置80を水平方向から見た概略図である。
付勢装置80は、折り畳まれたフィルム2(2A、2B)の両端部を各々の幅方向外部に付勢する一対の付勢手段として付勢ロール81を有している。本実施形態ではこの一対の付勢ロールはその形状、配置ともに左右対称となっている。また、付勢ロール81は、図3に示すように、フィルム2(2A、2B)の上下に1本づつ配設され、上側の付勢ロール81Aと下側の付勢ロール81Bとで一組になっている。
回転部812Aは、例えば、直径が1〜5cm程度、長手方向長さ(L1)が10〜30cm程度の円筒状の構造であり、また、回転部812Bは、例えば、直径が1〜5cm程度、長手方向長さ(L2)が3〜20cm程度の円筒状の構造である。回転部812A、812Bの長手方向長さ(L1、L2)が長すぎると、熱処理装置40内を流れるフィルム2の幅にもよるが、流れに対する抵抗が過大となるおそれがある。また、回転部812A、812Bの長手方向長さ(L1、L2)が短すぎるとフィルム2への付勢効果が十分でなく、フィルム2両端部のカール等を抑えきれず、さらには、フィルム2端部が熱処理装置40内でクリップ411(図5)からはずれやすくなる。
L1とL2が同じ長さであると、運転時の振動で付勢ロール先端部同士がフィルム2を介して互いに接触することがあり、刃物効果(エッジ効果)によりフィルム2表面に傷がつく可能性がある。また、図4(A)に示すように回転部812A(上側)より、回転部812B(下側)が長い場合も、フィルム2の上側に位置する回転部812A先端が運転時の振動によりがフィルム2A表面に傷をつけるおそれがある。例えば、図3において、L2が20cmより長い場合は、L1を、30〜60cm程度にする必要がある。ただし、その場合は、熱処理装置40内を流れるフィルム2への抵抗が過大となる。
なお、回転部812A、812Bの材料として、耐久性の観点からは、双方とも金属でもよいが、いずれか一方が金属より柔らかい耐熱性プラスチックであることが望ましい。回転部812A、812Bの材料がともに金属の場合、長期間の連続運転を行うと、微細な傷が回転部表面に生じてしまうことがあり、その傷がフィルム2に対して破断の原因(ノッチ発生)となる可能性がある。
また、耐熱性プラスチックはフィルム2表面へ傷つきにくさの点から、フィルム2の下側に位置する回転部812Bの材料として用いることが好ましい。
それ故、この角度φは、10度以下であることが好ましい。角度φは、より好ましくは5度以下である。
なお、回転部812A、812Bはいわゆるフリーロールであるため、フィルム2の進行(流れ)に伴ってフィルム2に線圧を加えながら互いに逆方向に回転する。
付勢ロール81は、付勢ロール81の長手方向と、フィルム2の幅方向とにより下流側に形成される角度θに設定される。ここで角度θは20〜70度であることが好ましい。
この角度が20度未満であると、基材フィルムの幅方向への引っ張り力が乏しくなり、基材フィルムを熱処理装置内へ円滑に導入することが困難となる。例えば、本実施形態では、熱処理装置としてテンター方式を用いているので、フィルム2がクリップ411からはずれやすくなる。逆に、この角度が70度を超えると、基材フィルムを流れ方向の左右に引っ張る力が強すぎて、左右のぶれを引き起こし、安定性が乏しくなる。
この角度θは、好ましくは、30〜60度であり、より好ましくは30〜50度である。なお、この付勢ロール81は水平方向及び垂直方向の角度を自由に変えられるようになっている。
(1)二軸延伸フィルム製造装置100は、フィルム2の両端部を、フィルム2の幅方向外部に付勢する一対の付勢ロール81を有する付勢装置80を備えているので、フィルム2の両端部がカールしていたり、あるいはフィルム2全体が左右にぶれても、熱処理装置40における熱処理工程が安定し、二軸延伸フィルムの長時間連続成形が可能となる。
したがって、上記に開示した構造、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの構造などの限定の一部若しくは全部の限定を外した名称での記載は、本発明に含まれるものである
また、本実施形態では、一対の付勢ロール81はフィルム2の流れ方向に対して左右対称としたが、必ずしも左右対称である必要はない。フィルムの性質が流れ方向に対して左右対称でなければ、それに応じて、付勢ロールの形状を左右で異なるように変更してもよい。
付勢ロール81の回転部812A、812Bは円筒状である必要はなく、例えば円錐状、円錐台状であってもよい。
また、本実施形態では、二軸延伸方法としてチューブラー方式を採用したが、テンター方式でもよい。さらに、延伸方法としては同時二軸延伸でも逐次二軸延伸でもよい。
さらに、本実施形態では、熱処理装置40として熱風炉を用いたが、赤外線加熱あるいはロール加熱等、公知の加熱方式が採用できる。
[実施例1]
前記した実施形態(図1、図5)において、具体的条件を設定して二軸延伸ナイロンフィルム3を製造した。
結晶性熱可塑性樹脂として、ポリアミド系のナイロン6(相対粘度3.7)を使用し、直径60mmの環状ダイから押し出しした後、15℃の冷却水中で急冷し、直径90mm、厚さ120μmの原反フィルム1(チューブ状ナイロンフィルム、収縮開始温度45℃、融点215℃)を作製した。この原反フィルム1をチューブラー延伸装置10において赤外線ヒータを使用して加熱しながら、延伸倍率MD(フィルムの移動方向)/TD(直交方向)=3.0/3.2で同時二軸延伸して厚さ15μmのフィルム2を得た。
次に、このフィルム2を案内板11とピンチロール12に連続的に供給して折り畳むことにより、扁平なチューブ状のフィルム2とした。
次に、扁平のフィルム2の両端部を、分離装置30に付属するトリミング装置32で切開して2枚のフィルム2A、2Bに分離した後、それらのフィルム2A、2Bを分離ロール33A、33Bで離隔して内面を空気と接触させ、引き続き溝無しロール34A〜34C間を通すことにより再び重ね合わせた。次に、後述する諸元を有する付勢装置80を介して、フィルム2A、2Bを熱処理装置40に80m/minで導入した。
そして、フィルム2の熱処理(フィルム3の製造)における連続成形時間を測定した。具体的には、巻取装置60によるフィルム3の巻き取りが安定した時点から、クリップ411からのフィルム2、3のはずれやフィルム2、3の破断により二軸延伸フィルムの製造が停止されるまでの時間を測定して連続成形時間とした。
・回転部812Aの形状・材質:
L1=20cm、直径 4cm、ステンレス製(表面はクロムメッキ)
・回転部812Bの形状・材質:
L2=15cm、直径 4cm、ステンレス製(表面はクロムメッキ)
・回転部812A、812B間の線圧T:
T=134gf/cm
・付勢ロール81の長手方向とフィルム2の幅方向とがなす角度(鋭角)θ:
θ=40度
・付勢ロール81の長手方向が水平面(フィルム2の表面)とのなす角度(鋭角)φ:
φ=0度(付勢ロール81A、81Bとも)
実施例1において、付勢装置80の諸元を以下のように変更した以外は、実施例1と同様に行った。
・回転部812Bの形状・材質:
L2=10cm、直径 4cm、ベークライト製
・付勢ロール81の長手方向とフィルム2の幅方向とがなす角度(鋭角)θ:
θ=20度
・回転部812A、812B間の線圧T:
T=200gf/cm
実施例1において、付勢装置80の諸元を以下のように変更した以外は、実施例1と同様に行った。
・回転部812Bの形状・材質:
L2=10cm、直径 4cm、ベークライト製
・付勢ロール81の長手方向とフィルム2の幅方向とがなす角度(鋭角)θ:
θ=60度
・回転部812A、812B間の線圧T:
T=200gf/cm
実施例1において、付勢装置80の諸元を以下のように変更した以外は、実施例1と同様に行った。
・回転部812Bの形状・材質:
L2=10cm、直径 4cm、ベークライト製
・回転部812A、812B間の線圧T:
T=200gf/cm
実施例1において、付勢装置80の諸元を以下のように変更した以外は、実施例1と同様に行った。
・回転部812Bの形状・材質:
L2=10cm、直径 4cm、ベークライト製
・付勢ロール81の長手方向が水平面とのなす角度(鋭角)φ:
φ=10度(付勢ロール81Aのみ)
実施例1において、付勢装置80の諸元を以下のように変更した以外は、実施例1と同様に行った。
・回転部812Aの形状・材質:
L1=10cm、直径 5cm、ステンレス製(表面はクロムメッキ)
・回転部812Bの形状・材質:
L2=10cm、直径 4cm、ベークライト製
・付勢ロール81の長手方向とフィルム2の幅方向とがなす角度(鋭角)θ:
θ=30度
・回転部812A、812B間の線圧T:
T=160gf/cm
実施例1において、付勢装置80を設置しなかった以外は実施例1と同様に行った。
[比較例2]
実施例1において、付勢装置80から付勢ロール81A(上側のロール)を取り除いた以外は、実施例1と同様に行った。
表1及び図3に示すように、各実施例では、所定の条件を満たした付勢装置80(付勢ロール81)により、フィルム2の熱処理装置への導入が円滑であるため、フィルム2や熱処理後のフィルム3の破断等が起こりにくく、二軸延伸フィルム製造装置が停止するまでの連続成形時間がどれも十分に長い。すなわち、付勢ロール81が、フィルム2の両端部に対して、優れた付勢効果(幅方向外部への引っ張り効果)を発揮するため、フィルム2は、熱処理装置40の入り口でクリップ411に円滑に引き渡される。
一方、比較例1は、付勢ロールが全く設置されていないため、フィルム2の両端部(耳部)が不安定となり、フィルム2、3がテンター41のクリップ411からのはずれやすく、連続成形時間が極めて短い。
また、比較例2のようにフィルム2の下部側にのみ付勢ロール81Bを設置しても、フィルム2への付勢効果がほとんど働かず、連続成形時間は向上していない。
2 基材フィルム
3 二軸延伸フィルム(二軸延伸ナイロンフィルム)
10 二軸延伸装置(チューブラー延伸装置)
20 予備熱処理装置(予熱炉)
30 分離装置
40 熱処理装置
50 張力制御装置
60 巻取装置
80 付勢装置
81 付勢ロール
100 二軸延伸フィルム製造装置
Claims (6)
- 二軸延伸工程と、二軸延伸後の基材フィルムを熱処理する熱処理工程とを含む二軸延伸フィルムの製造方法であって、
前記熱処理工程の上流側に、前記基材フィルムの両端部を前記基材フィルムの幅方向外部に付勢する一対の付勢手段を有する付勢工程を備え、
前記付勢手段は、前記基材フィルムを両面から挟んで線圧を加えるとともに、基材フィルムの進行に伴い互いに逆回転可能な円筒状の回転部を有する2本一組の付勢ロールであり、
前記熱処理工程に略水平に送通された前記基材フィルムの上側に位置する回転部の長手方向長さL1は、前記基材フィルムの下側に位置する回転部の長手方向長さL2より大きいことを特徴とする二軸延伸フィルムの製造方法。 - 請求項1に記載の二軸延伸フィルムの製造方法において、
前記基材フィルムの上側に位置する回転部の長手方向長さL1と、前記基材フィルムの下側に位置する回転部の長手方向長さL2との比L1/L2が1.5〜3であることを特徴とする二軸延伸フィルムの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載の二軸延伸フィルムの製造方法において、
前記円筒状の回転部により前記基材フィルムに加えられる線圧が、6〜500gf/cmであることを特徴とする二軸延伸フィルムの製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の二軸延伸フィルムの製造方法において、
前記付勢ロールの長手方向と、前記基材フィルムの幅方向とにより下流側に形成される角度が20〜70度であることを特徴とする二軸延伸フィルムの製造方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の二軸延伸フィルムの製造方法において、
二軸延伸がチューブラー方式であることを特徴とする二軸延伸フィルムの製造方法。 - 二軸延伸装置と、二軸延伸後の基材フィルムを熱処理する熱処理装置とを含む二軸延伸フィルム製造装置であって、
前記熱処理装置の上流側に、前記基材フィルムの両端部を前記基材フィルムの幅方向外部に付勢する一対の付勢手段を有する付勢装置を備え、
前記付勢手段は、前記基材フィルムを両面から挟んで線圧を加えるとともに、基材フィルムの進行に伴い互いに逆回転可能な円筒状の回転部を有する2本一組の付勢ロールであり、前記熱処理装置に略水平に送通された前記基材フィルムの上側に位置する回転部の長手方向長さL1は、前記基材フィルムの下側に位置する回転部の長手方向長さL2より大きいことを特徴とする二軸延伸フィルム製造装置。
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