JP2022119248A - 樹脂フィルム延伸装置用リンク機構、樹脂フィルム延伸装置および樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

樹脂フィルム延伸装置用リンク機構、樹脂フィルム延伸装置および樹脂フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リンク装置の性能を向上する。【解決手段】リンク装置に含まれるリンク機構11Cは、例えば、ブラケット100Aを介してリンク軸40Aに固定されたローラ110Aであって、リンク押さえ70と接触可能なローラ110Aを備える。【選択図】図10

Description

本発明は、樹脂フィルム延伸装置用リンク機構、樹脂フィルム延伸装置および樹脂フィルムの製造技術に関する。
延伸装置には、互いに直交する方向の縦延伸と横延伸とを行うことができるように構成されている延伸装置がある。この延伸装置を使用して、縦延伸と横延伸とを順番に行う方法は逐次二軸延伸法と呼ばれる。一方、縦延伸と横延伸とを一度に行う方法は同時二軸延伸法と呼ばれる。同時二軸延伸法は、逐次延伸法に比べて、スクラッチが発生しにくい点、原料の適応範囲が広い点、結晶化速度が速くても延伸可能である点および物性の縦横均一性が高い点などの利点がある。
例えば、特開2004-155138号公報(特許文献1)には、折尺状に形成された複数個の等長リンク装置よりシート状物の両側端に配置された無端リンク装置を、シート状物の入口側および出口側のスプロケットにより駆動するとともに、進行方向に末広がり状に配置されたガイドで形成されるガイドレールによって案内することにより、シート状物を横方向に延伸させるシート状物の延伸装置が記載されている。
特開2004-155138号公報
例えば、フィルムを延伸する延伸装置は、フィルムを把持して引き延ばすためのリンク機構を有するリンク装置を備えている。このリンク機構は、フィルムを把持するためのフィルム把持部を有している。そして、フィルム把持部にガイド板を押し当てて、フィルム把持部を開放することにより、解放されたフィルム把持部にフィルムを挟み込む。この結果、リンク機構に備わるフィルム把持部でフィルムを把持することができる。
この点に関し、フィルム把持部にガイド板を押し当ててフィルム把持部を開放する際、リンク機構にモーメントが発生して、このモーメントに起因するリンク機構の浮き上がりが生じるおそれがある。このことから、リンク機構の浮き上がりを抑制する対策が採られているが、現状の対策では、改善の余地がある。すなわち、リンク機構の浮き上がりを抑制する対策として、さらなる工夫が望まれている。
一実施の形態における樹脂フィルム延伸装置用リンク機構は、ブラケットを介してリンク軸に固定されたローラであって、リンク押さえと接触可能なローラを備える。
一実施の形態における樹脂フィルム延伸装置は、ローラを有するリンク装置を備える。
一実施の形態における樹脂フィルムの製造方法は、リンク機構に発生するモーメントに対して、ローラがリンク押さえに接触することにより、モーメントに起因するリンク機構の浮き上がりを抑制することができるリンク装置を使用して、樹脂フィルムを製造する。
一実施の形態によれば、リンク装置の性能向上を図ることができる。
延伸装置を含むフィルム製造システムの構成を示す模式図である。 延伸装置の構造を模式的に示す平面図である。 延伸装置の構造を模式的に示す平面図である。 フィルムを把持しているリンク機構を模式的に示す図である。 リンク機構でフィルムを把持する動作やリンク機構からフィルムを外す動作で行われるフィルム把持部の開放動作を示す図である。 関連技術におけるリンク機構の構成を説明する図である。 本発明者が新規に見出した知見を説明する図である。 (a)は、リンク機構の閉状態を示す図であり、(b)は、リンク機構の開状態を示す図である。 (a)は、実施の形態1におけるリンク機構の「閉状態」を示す斜視図であり、(b)は、実施の形態1におけるリンク機構の「開状態」を示す斜視図である。 実施の形態1におけるリンク機構を説明する図である。 (a)は、リンク機構の閉状態を示す図であり、(b)は、リンク機構の開状態を示す図である。 フィルムの製造工程を示すフローチャートである。 フィルムを把持する工程の一例を示すフローチャートである。 リンク機構の一構成例を示す図である。 (a)は、リンク機構の閉状態を示す図であり、(b)は、リンク機構の開状態を示す図である。 実施の形態2におけるリンク機構を示す図である。 (a)は、リンク機構の閉状態を示す図であり、(b)は、リンク機構の開状態を示す図である。
実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
<フィルム製造システム>
図1は、延伸装置を含むフィルム製造システムの構成を示す模式図である。
図1において、フィルム製造システム1は、押出装置2と、Tダイ3と、原反冷却装置4と、延伸装置5と、引き取り装置6と、巻き取り装置7を有する。
フィルム製造システム1では、例えば、以下のようにして、フィルムが製造される。
まず、押出装置2の原料供給部2aに原料が供給される。押出装置2に供給される原料は、樹脂材料(例えば、ペレット状の熱可塑性樹脂材料)や添加剤などからなる。押出装置2に供給された原料は、混練されながら輸送される。具体的に、押出装置2に供給された原料は、押出装置2の内部で、スクリュの回転によって前方へ送られながら溶融され、かつ、混練される。押出装置2によって混練された原料(混練物)は、Tダイ3に供給される。Tダイ3に供給された混練物は、Tダイ3のスリットから原反冷却装置4に向けて押し出される。押出装置2からTダイ3に供給された混練物は、Tダイ3を通過することにより、所定の形状(ここでは、フィルム状)に成形される。
Tダイ3から押し出された混練物は、原反冷却装置4において冷却されてフィルム8になる。フィルム8は、固化状態の樹脂膜である。より具体的に、フィルム8は、熱可塑性樹脂膜である。Tダイ3からは、フィルム8が連続的に押し出される。この結果、延伸装置5にフィルム8が連続的に供給される。
延伸装置5に供給されたフィルム8は、延伸装置5によってMD方向およびTD方向に延伸される。延伸装置5によって延伸処理(引き伸ばし処理)が施されたフィルム8は、引き取り装置6を介して巻き取り装置7に搬送されて、巻き取り装置7に巻き取られる。巻き取り装置7に巻き取られたフィルム8は、必要に応じて切断される。
図1に示すフィルム製造システム1は、上述したようにしてフィルムを製造する。ただし、フィルム製造システム1は、製造するフィルムの特性などに応じて種々の変更が可能である。例えば、図1に示されている引き取り装置6の近傍に抽出槽が設置され、フィルム8に含まれる可塑剤(例えば、パラフィンなど)が除去される場合もある。
フィルム製造システム1の構成要素である延伸装置5は、フィルム8をMD方向に搬送しながら、そのフィルム8をMD方向およびTD方向に引き延ばす。ここで、MD(Machine Direction)方向は、フィルム8の搬送方向である。また、TD(Transverse Direction)方向は、フィルム8の搬送方向と交差する方向である。
そこで、以下の説明では、MD方向を「搬送方向」または「縦方向」と呼び、TD方向を「横方向」と呼ぶ場合がある。MD方向とTD方向とは、互いに交差する方向であり、より特定的には、互いに直交する方向である。つまり、図1に示す延伸装置5は、フィルム8を搬送しながら、そのフィルム8を互いに交差する二方向に同時に延伸させることが可能な延伸装置であり、「同時二軸延伸装置」と呼ばれる。
<延伸装置の構成>
次に、フィルム製造システム1の構成要素である延伸装置5の構成を説明する。
図2および図3は、延伸装置の構造を模式的に示す平面図である。
図2および図3において、延伸装置5は、一対のリンク装置10を有している。一対のリンク装置10は、平面視において互いに離間している。以下の説明では、一対のリンク装置10の一方を「リンク装置10R」と呼び、一対のリンク装置10の他方を「リンク装置10L」と呼んで区別する場合がある。
図2および図3において、リンク装置10Rは、搬送方向(MD方向)に対して右側(R側)に配置されており、リンク装置10Lは、搬送方向(MD方向)に対して左側(L側)に配置されている。リンク装置10Rとリンク装置10Lとは、TD方向に離間しており、フィルム8を挟んでTD方向に対向している。フィルム8は、リンク装置10Rとリンク装置10Lとの間のスペースに配置されてMD方向に搬送される。言い換えれば、対向するリンク装置10Rとリンク装置10Lとの間のスペースは、フィルム8を搬送するための搬送部として機能する。
図3において、延伸装置5は、搬送方向(MD方向)に沿って3つの領域20Aと領域20Bと領域20Cに分けられる。領域20Aは、予熱領域(プレヒート領域)であり、領域20Bは、延伸領域であり、領域20Cは、熱固定領域である。領域20Aと領域20Bと領域20Cは、この順で搬送方向(MD方向)に並んでいる。
延伸装置5において、フィルム8を搬入する入口(図2および図3中に「IN」と示されている部分)は、領域20Aの左側に存在している。また、延伸装置5において、フィルム8を搬出する出口(図2および図3中に「OUT」と示されている部分)は、領域20Cの右側に存在している。そして、入口がある領域20Aと出口がある領域20Cとの間に、延伸処理が行われる領域20Bが存在している。
図2に示す熱処理部9は、領域20Aの一部と領域20Bの全部と領域20Cの一部を覆っている。また、熱処理部9は、リンク装置10Rおよびリンク装置10Lの中央部を覆っており、リンク装置10Rとリンク装置10Lによって搬送されるフィルム8を加熱する。本実施の形態における熱処理部9は、例えば、フィルム8を所望の温度に加熱可能なオーブンから構成されている。フィルム8は、リンク装置10Rとリンク装置10Lによって把持された状態で、熱処理部9としてのオーブンの内部を通過する。
図2および図3に示すように、リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれは、無端チェーンを構成するように連結された複数のリンク機構11を有しており、それぞれのリンク機構11は、フィルム8を把持する治具であるクリップと呼ばれるフィルム把持部21を備えている。フィルム8は、リンク装置10Rを構成しているリンク機構11に備わるフィルム把持部21と、リンク装置10Lを構成しているリンク機構11に備わるフィルム把持部21と、によって保持される。すなわち、フィルム8の一側(R側/右側)は、リンク装置10Rに備わる複数のフィルム把持部21によって把持され、フィルム8の他側(L側/左側)は、リンク装置10Lに備わる複数のフィルム把持部21によって把持される。
リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれは、複数のリンク機構11に加えて、支持台(ベッド)の上に配置された一対のレールであるレール13とレール14をさらに有している。それぞれのリンク装置10とリンク装置10Lにおいて、レール13は内周側に配置され、レール14は外周側に配置される。
そこで、レール13は「内側レール」と呼ばれ、レール14は「外側レール」と呼ばれることもある。また、レール13は「基準レール」や「SPレール」と呼ばれ、レール14は「MDレール」と呼ばれることもある。
リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれに備わるレール13とレール14は、領域20Aと領域20Bと領域20Cに亘って環状に配置されている。例えば、レール13およびレール14は、フィルム8を搬入する入口がある領域20Aで折り返されるとともに、フィルム8を搬出する出口がある領域20Cで折り返されて、領域20Aと領域20Bと領域20Cとに亘って環状に配置されている。
リンク装置10Rのレール13の内側に、3つのスプロケット15、スプロケット16およびスプロケット17が設けられている。同様に、リンク装置10Lのレール13の内側に、3つのスプロケット15、スプロケット16およびスプロケット17が設けられている。リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれにおけるスプロケット15およびスプロケット16は、領域20Aの外側に配置されており、リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれにおけるスプロケット17は、領域20Cの外側に配置されている。もっとも、スプロケット15およびスプロケット16は、領域20Aの一部を覆っている熱処理部9の外に配置されている。また、スプロケット17は、領域20Cの一部を覆っている熱処理部9の外に配置されている。つまり、リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれのスプロケット15、スプロケット16およびスプロケット17は、熱処理部9としてのオーブンの庫外に配置されている。
リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれに備わる複数のリンク機構11は、レール13およびレール14に沿って移動可能な状態で、レール13とレール14上に配置されている。図3に示されているリンク装置10Rのスプロケット15、スプロケット16およびスプロケット17は、リンク装置10Rの複数のリンク機構11と係合する。したがって、スプロケット15、スプロケット16およびスプロケット17が回転すると、リンク装置10Rに備わる複数のリンク機構11に駆動力が働き、これらのリンク機構11がリンク装置10Rのレール13およびレール14に沿って移動(走行)する。図3に示されているリンク装置10Lのスプロケット15、スプロケット16およびスプロケット17は、リンク装置10Lに備わる複数のリンク機構11と係合する。したがって、スプロケット15、スプロケット16およびスプロケット17が回転すると、リンク装置10Lに備わる複数のリンク機構11に駆動力が働き、これらのリンク機構11がリンク装置10Lのレール13およびレール14に沿って移動(走行)する。つまり、それぞれのリンク装置10R,10Lに備わるレール13およびレール14は、複数のリンク機構11を所定方向に移動(走行)させるためのガイドレールである。
以下の説明では、図3に示されているリンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれについて、フィルム8と対向する側を「フィルム側」と呼び、フィルム側と反対側を「リターン側」と呼ぶ場合がある。つまり、フィルム把持部21がフィルム8を把持した状態で、複数のリンク機構11が入口(IN)から出口(OUT)に向かって移動する側(サイド)が「フィルム側」であり、フィルム側の反対に位置し、フィルム把持部21がフィルム8を把持しない状態で、複数のリンク機構11が出口(OUT)から入口(IN)に向かって移動する側(サイド)が「リターン側」である。
複数のリンク機構11のうち、互いに隣り合うリンク機構11間のピッチP(「リンクピッチ」と呼ばれることもある。)は、レール13とレール14との間の間隔L1に応じて変化する。言い換えれば、レール13とレール14との間の間隔L1を調節することにより、隣り合うリンク機構11間のピッチPを調節することができる。
例えば、詳細は後述するが、レール13とレール14との間の間隔L1を小さくするほど、互いに隣り合うリンク機構11のピッチPは大きくなる。言い換えれば、レール13とレール14との間の間隔L1を大きくするほど、互いに隣り合うリンク機構11のピッチPは小さくなる。以下では、このことを踏まえて、延伸装置5の動作を説明する。
<延伸装置の動作>
原反冷却装置4から延伸装置5に供給されたフィルム8は、延伸装置5の入口でリンク装置10Rおよびリンク装置10Lにより把持される。具体的に、フィルム8は、図2および図3に示されるリンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれのリンク機構11に備わるフィルム把持部21によって把持される。より具体的には、フィルム8の幅方向一側がリンク装置10Rのリンク機構11に備わるフィルム把持部21によって把持され、フィルム8の幅方向他側がリンク装置10Lのリンク機構11に備わるフィルム把持部21によって把持される。
幅方向両側がフィルム把持部21によって把持されたフィルム8は、フィルム把持部21を含むリンク機構11の移動に伴って、延伸装置5の入口から出口に向かって搬送され、領域20A(予熱領域)と領域20B(延伸領域)と領域20C(熱固定領域)をこの順で通過する。フィルム8は、領域20B(延伸領域)を通過する過程でMD方向およびTD方向に引き伸ばされる。その後、フィルム8は、領域20C(熱固定領域)を経て出口に到達して、フィルム把持部21から外される。フィルム把持部21から外されたフィルム8は、引き取り装置6に搬送され、引き取り装置6から巻き取り装置7に搬送される。
図3に示すように、領域20A(予熱領域)では、リンク装置10Rとリンク装置10Lとの間の間隔(TD方向の離間距離)Lは、ほぼ一定である。このため、領域20Aにおいては、フィルム8に対するTD方向の延伸処理は行われない。したがって、領域20Aでは、搬送されるフィルム8の幅(TD方向の寸法)は変化せず、一定のままである。
また、領域20Aでは、リンク装置10Rのフィルム側におけるレール13とレール14との間の間隔L1は、ほぼ一定である。このため、領域20Aにおいては、リンク装置10Rのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPはほぼ一定であり、したがって、リンク装置10Rのフィルム側におけるフィルム把持部21のピッチもほぼ一定である。また、領域20Aにおいては、リンク装置10Lのフィルム側おけるレール13とレール14との間の間隔L1は、ほぼ一定である。このため、領域20Aにおいては、リンク装置10Lのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPはほぼ一定であり、したがって、リンク装置10Lのフィルム側におけるフィルム把持部21のピッチもほぼ一定である。この結果、領域20Aにおいては、フィルム8に対するMD方向の延伸処理は行われない。つまり、領域20Aにおいては、TD方向にもMD方向にも、フィルム8に対する延伸処理は行われない。
次に、領域20Bにおける延伸装置5の動作について説明する。
領域20Bにおいては、搬送方向(MD方向)に進むにしたがって、リンク装置10Rとリンク装置10Lとの間の間隔(TD方向の間隔)Lが徐々に大きくなっている。このため、領域20Bにおいて、フィルム8は、搬送方向(MD方向)に進むに従ってTD方向に引っ張られて引き伸ばされる。言い換えれば、領域20Bにおいては、搬送方向(MD方向)に進むにしたがって、フィルム8の幅(TD方向の寸法)が徐々に大きくなる。
また、領域20Bにおいては、搬送方向(MD方向)に進むにしたがって、リンク装置10Rのフィルム側におけるレール13とレール14との間の間隔L1は、徐々に小さくなっており、また、リンク装置10Lのフィルム側におけるレール13とレール14との間の間隔L1も、徐々に小さくなっている。このため、領域20Bにおいては、搬送方向(MD方向)に進むにしたがって、リンク装置10Rのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPが徐々に大きくなり、それにしたがってリンク装置10Rのフィルム側におけるフィルム把持部21のピッチも徐々に大きくなる。また、領域20Bにおいては、搬送方向(MD方向)に進むにしたがって、リンク装置10Lのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPが徐々に大きくなり、それにしたがってリンク装置10Lのフィルム側におけるフィルム把持部21のピッチも徐々に大きくなる。この結果、領域20Bにおいて、搬送方向(MD方向)に進むにしたがって、フィルム8は、MD方向に引っ張られて引き伸ばされる。
このことから、領域20Bにおいて、搬送方向(MD方向)に進むにしたがって、フィルム8は、TD方向およびMD方向に引き伸ばされる(延伸される)。すなわち、領域20Bにおいては、TD方向およびMD方向の延伸処理が、フィルム8に対して施される。
続いて、領域20Cにおける延伸装置5の動作について説明する。
領域20Cにおいて、リンク装置10Rとリンク装置10Lとの間の間隔(TD方向の間隔)Lは、ほぼ一定である。このため、領域20Cにおいては、フィルム8に対するTD方向の延伸処理は行われない。したがって、領域20Cにおいては、搬送されるフィルム8の幅(TD方向の寸法)は変化せず、一定のままである。
また、領域20Cにおいては、リンク装置10Rのフィルム側におけるレール13とレール14との間の間隔L1は、ほぼ一定である。このため、領域20Cにおいては、リンク装置10Rのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPはほぼ一定であり、したがって、リンク装置10Rのフィルム側におけるフィルム把持部21のピッチもほぼ一定である。また、領域20Cにおいては、リンク装置10Lのフィルム側おけるレール13とレール14との間の間隔L1は、ほぼ一定である。このため、領域20Cにおいては、リンク装置10Lのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPはほぼ一定であり、したがって、リンク装置10Lのフィルム側におけるフィルム把持部21のピッチもほぼ一定である。この結果、領域20Cにおいては、フィルム8に対するMD方向の延伸処理は行われない。つまり、領域20Cにおいては、TD方向にもMD方向にも、フィルム8に対する延伸処理は行われない。
上述したように、領域20Aでは、リンク装置10Rのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPは一定に維持され、かつ、リンク装置10Lのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPも一定に維持される。その後、領域20Bでは、リンク装置10Rのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPおよびリンク装置10Lのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPが徐々に拡大される。そして、領域20Cでは、リンク装置10Rのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPは、一定に維持され、リンク装置10Lのフィルム側におけるリンク機構11のピッチPも一定に維持される。
このため、リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれのフィルム側では、領域20Cにおけるリンク機構11のピッチPは、領域20Aにおけるリンク機構11のピッチPよりも大きい。別の見方をすると、リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれのフィルム側では、領域20Cにおけるフィルム把持部21のピッチは、領域20Aにおけるフィルム把持部21のピッチよりも大きい。さらに別の見方をすると、リンク装置10Rとリンク装置10Lのそれぞれのフィルム側では、領域20Cにおけるレール13とレール14との間の間隔L1は、領域20Aにおけるレール13とレール14との間の間隔L1よりも小さい。このようにして、延伸装置5の延伸動作が行われる。
<改善の検討>
例えば、図3に示す領域20Aと領域20Bと領域20Cにおいては、リンク機構11に備わるフィルム把持部21によってフィルム8が把持されている。
図4は、フィルムを把持しているリンク機構を模式的に示す図である。
図4において、リンク機構11は、フィルム8を把持するフィルム把持部21を有し、このフィルム把持部21には、ガイド板受用ローラ25が設けられている。また、リンク機構11は、リンク機構11が走行する一対のレール13およびレール14上に配置されており、レール13に接触する回転可能な走行ガイド用ローラ30Aおよび走行ガイド用ローラ30Bと、レール14に接触する回転可能な走行ガイド用ローラ30Cおよび走行ガイド用ローラ30Dを有している。そして、リンク機構11は、フィルム把持部21と連結されたリンク軸40Bと、このリンク軸40Bと連結されたリンク軸40Aとを有している。特に、リンク軸40Aとリンク軸40Bは、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50(50A、50B)によって連結されている。
このように構成されているリンク機構11は、例えば、図3に示す領域20Aの左側に位置するフィルム8の搬入口(入口)で、フィルム8を把持する動作を行うとともに、図3に示す領域20Cの右側に位置するフィルム8の搬出口(出口)で、把持されているフィルム8をリンク機構11から外す動作を行う。
図5は、リンク機構でフィルムを把持する動作やリンク機構からフィルムを外す動作で行われるフィルム把持部の開放動作を示す図である。
図5に示すように、リンク機構11では、例えば、フィルム把持部21に設けられているガイド板受用ローラ25にガイド板60を押し当てることにより、フィルム把持部21を開放させる。そして、リンク機構11でフィルムを把持する場合は、解放されたフィルム把持部21にフィルムを挟み込む動作を行うことにより、フィルム把持部21でフィルムを把持する。一方、リンク機構11からフィルムを取り外す場合は、フィルム把持部21を開放することにより、フィルム把持部21によるフィルムの挟み込みを解除して、フィルム把持部21からフィルムを取り出す。
ここで、図5に示すように、フィルム把持部21に設けられているガイド板受用ローラ25にガイド板60を押し当てると、フィルム把持部21が解放される。ところが、ガイド板60による押し当て力は、リンク機構11の中心線から離れた位置に加わるため、リンク機構11には、ガイド板60による押し当て力に起因するモーメントが発生する。この結果、図5に示すように、モーメントに起因して、中心線に対してフィルム把持部21とは反対側のリンク機構11の部位側(リンク軸40A側)に浮き上がりが生じる。
このようなリンク機構11の浮き上がりが生じると、リンク機構11が一対のレール13およびレール14から外れて脱線するおそれが生じる。したがって、リンク機構11の脱線を未然に防止するため、リンク機構11の浮き上がりを抑制する対策が望まれる。
<関連技術の説明>
そこで、ガイド板60によってフィルム把持部21を開放する際に生じるリンク機構11の浮き上がりを抑制する技術として、例えば、以下に示す関連技術がある。
本明細書でいう「関連技術」とは、公知技術ではないが、本発明者が見出した課題を有する技術であって、本願発明の前提となる技術である。
図6は、関連技術におけるリンク機構の構成を説明する図である。
図6において、リンク機構11Aの上側リンクプレート50の上方には、リンク押さえ70が配置されている。このリンク押さえ70は、例えば、図3に示す領域20Aの左側に位置するフィルム8の搬入口から、領域20A、領域20B、領域20Cおよび領域20Cの右側に位置するフィルム8の搬出口にわたって配置されている。そして、図6に示すように、リンク機構11Aには、上側リンクプレート50に固定された摺動部品80が設けられている。これにより、リンク機構11Aでは、ガイド板による押し当て力に起因するモーメントが発生しても、モーメントに起因して摺動部品80がリンク押さえ70に接触する。この結果、ガイド板によってフィルム把持部21を開放する際に生じるリンク機構11の浮き上がりが抑制される。
特に、領域20Aの左側に位置するフィルム8の搬入口や領域20Cの右側に位置するフィルム8の搬出口においては、摺動部品80がリンク押さえ70に接触することによって、フィルム把持部21を開放する際に生じるモーメントに起因するリンク機構11の浮き上がりが抑制される。一方、領域20A、領域20Bおよび領域20Cにおいては、摺動部品80がリンク押さえ70に接触することによって、一対のレール13およびレール14上を走行するリンク機構11Aの脱線が抑制される。なお、リンク機構11Aが通常走行している際には、走行抵抗を低減するために、摺動部品80とリンク押さえ70との間にわずかな隙間が存在している。
このように構成されている関連技術によれば、リンク機構11Aの浮き上がりを抑制することができる一方、以下に示す改善の余地が存在する。すなわち、関連技術では、リンク機構11Aの浮き上がりを抑制するために、摺動部品80を設けている。この摺動部品80は、一般的には、黄銅やカーボンなどの材料から構成されるが、これらの材料は、リンク装置に対する使用禁止物質となることがある。さらには、リンク機構11Aの走行中に摺動部品80がリンク押さえ70に接触するが、関連技術では、摺動部品とリンク押さえの接触態様が「摺動」であることから、摩耗粉の発生リスクが高くなる。つまり、関連技術では、リンク機構11Aを含むリンク装置の性能を向上する観点から改善の余地がある。そこで、本実施の形態1では、関連技術に存在する改善の余地に対する工夫を施している。この点に関し、まず、関連技術に存在する改善の余地に対する対策として本発明者が新規に見出した知見について説明する。
<本発明者が新規に見出した知見>
図7は、本発明者が新規に見出した知見を説明する図である。
図7において、本発明者が新規に見出した知見とは、関連技術における「摺動部品80」の替わりに、上側リンクプレート50に回転可能なローラ90を設けるという知見である。この知見によれば、ローラ90がリンク押さえ70に接触することにより、リンク機構11Bの浮き上がりが抑制される。ここで、ローラ90は、例えば、使用禁止物質外である軸受鋼から構成することができる。また、リンク機構11Bの走行中にローラ90がリンク押さえ70に接触するが、ローラ90とリンク押さえ70の接触態様が「転動(回転するローラ90とリンク押さえ70との接触態様)」であることから、「摺動部品80」を使用する関連技術に比べて、摩耗粉の発生リスクを小さくすることができる。つまり、この知見によれば、リンク機構11Bを含むリンク装置の性能を向上できると考えられる。
ところが、本発明者の検討によると、リンク押さえ70と接触させる部品としてローラ90を採用する場合、克服すべき事項が存在することが明らかになったので、この克服すべき事項について説明することにする。
<克服すべき事項>
図8(a)は、リンク機構の閉状態を示す図である。
図8(a)において、リンク機構11Bの「閉状態」とは、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50とが折り畳まれた状態であり、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50との間のなす角度が0度に近い鋭角である状態として定義される。言い換えれば、リンク機構11Bの「閉状態」とは、リンク軸40Aとリンク軸40Bとの配置方向がレール13およびレール14の延在方向と交差している状態である。
このリンク機構11Bの「閉状態」では、互いに隣り合うリンク機構11Bのフィルム把持部21の間のピッチが最も小さくなる。
そして、上述したリンク機構11Bの「閉状態」では、図8(a)に示すように、ローラ90の回転軸は、レール13およびレール14の延在方向と直交する。
この結果、リンク機構11Bがレール13およびレール14上を走行する際、たとえ、ローラ90とリンク押さえ(図示せず)が接触したとしても、ローラ90とリンク押さえとの接触が「転動」となることから、摩耗粉の発生リスクを低減することができる。
次に、図8(b)は、リンク機構の開状態を示す図である。
図8(b)において、リンク機構11Bの「開状態」とは、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50とが開かれた状態であり、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50との間のなす角度が180度に近い状態として定義される。言い換えれば、リンク機構11Bの「開状態」とは、リンク軸40Aとリンク軸40Bとの配置方向がレール13およびレール14の延在方向と平行している状態である。
このリンク機構11Bの「開状態」では、互いに隣り合うリンク機構11Bのフィルム把持部21の間のピッチが最も大きくなる。
ところが、上述したリンク機構11Bの「開状態」では、図8(b)に示すように、ローラ90の回転軸は、レール13およびレール14の延在方向と直交しない。すなわち、図8(a)に示すように、リンク機構11Bの「閉状態」においてローラ90の回転軸をレール13およびレール14の延在方向と直交するように、ローラ90を上側リンクプレート50に固定すると、リンク機構11Bの「開状態」においては、上側リンクプレート50と下側リンクプレート50Cのなす角度が変化することに起因して、ローラ90の回転軸は、レール13およびレール14の延在方向と直交しなくなるのである。
このため、リンク機構11Bの「開状態」においては、リンク機構11Bがレール13およびレール14上を走行する際に、ローラ90とリンク押さえ(図示せず)が接触すると、ローラ90とリンク押さえとの接触態様が「転動」ではなく「摺動」となることから、摩耗粉の発生リスクを低減することができなくなる。
したがって、上側リンクプレート50に回転可能なローラ90を設けるという構成では、リンク機構11Bの「閉状態」と「開状態」のいずれの状態においても、ローラ90の回転軸がレール13およびレール14の延在方向と直交することにならないため、リンク機構11Bの「閉状態」と「開状態」にわたって、ローラ90とリンク押さえとの接触態様を「転動」とすることができなくなるのである。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、上側リンクプレート50に回転可能なローラ90を固定するのではなく、ローラの固定方法に工夫を施すことにより、リンク機構の「閉状態」と「開状態」にわたって、ローラとリンク押さえとの接触態様を「転動」とすることができる技術的思想を想到している。
以下では、この工夫を施した本実施の形態1における技術的思想を説明する。
<実施の形態1におけるリンク機構の構成>
図9は、本実施の形態1におけるリンク機構の構成を模式的に示す斜視図である。特に、図9(a)は、本実施の形態1におけるリンク機構の「閉状態」を示す斜視図であり、図9(b)は、本実施の形態1におけるリンク機構の「開状態」を示す斜視図である。
図10は、本実施の形態1におけるリンク機構を説明する図である。
図10において、リンク機構11Cは、フィルムを把持するフィルム把持部21を有し、このフィルム把持部21には、ガイド板受用ローラ25が設けられている。また、リンク機構11Cは、リンク機構11Cが走行する一対のレール13およびレール14上に配置されており、レール13に接触する回転可能な走行ガイド用ローラ30Aおよび走行ガイド用ローラ30Bと、レール14に接触する回転可能な走行ガイド用ローラ30Cおよび走行ガイド用ローラ30Dを有している。そして、リンク機構11は、フィルム把持部21と連結されたリンク軸40Bと、このリンク軸40Bと連結されたリンク軸40Aとを有している。特に、リンク軸40Aとリンク軸40Bは、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50によって連結されている。
そして、上側リンクプレート50上には、リンク軸40Aに固定された「L字形状」のブラケット100Aが配置されており、このブラケット100Aには、リンク押さえ70と接触可能なローラ110Aが取り付けられている。
同様に、上側リンクプレート50上には、リンク軸40Bに固定された「L字形状」のブラケット100Bが配置されており、このブラケット100Bには、リンク押さえ70と接触可能なローラ110Bが取り付けられている。
以上のようにして、本実施の形態1におけるリンク機構11Cが構成されている。
<実施の形態1における特徴>
続いて、本実施の形態1における特徴点について説明する。
本実施の形態1における特徴点は、例えば、図10に示すように、リンク機構11Cが、リンク軸40Aに固定されたブラケット100Aに取り付けられたローラ110Aを有するとともに、リンク軸40Bに固定されたブラケット100Bに取り付けられたローラ110Bを有する点にある。すなわち、本実施の形態1における特徴点は、例えば、図7に示すように、上側リンクプレート50にリンク押さえ70と接触可能なローラ90を設けるのではなく、リンク軸(40A、40B)に固定されたブラケット(100A、100B)にリンク押さえ70と接触可能なローラ(110A、110B)を設ける点にある。これにより、本実施の形態1によれば、リンク機構11Cの「閉状態」と「開状態」のいずれの状態においても、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸がレール13およびレール14の延在方向と直交するように構成することができる。
この結果、リンク機構11Cの「閉状態」と「開状態」にわたって、ローラ110Aおよびローラ110Bとリンク押さえ70との接触態様を「転動」とすることができる。したがって、本実施の形態によれば、摩耗粉の発生を低減できる。
以下では、リンク機構11Cの構成によれば、リンク機構11Cの「閉状態」と「開状態」のいずれの状態においても、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸をレール13およびレール14の延在方向と直交するようにできることを説明する。
図11(a)は、リンク機構の閉状態を示す図である。
図11(a)において、リンク機構11Cの「閉状態」とは、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50とが折り畳まれた状態であり、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50との間のなす角度が0度に近い鋭角である状態として定義される。言い換えれば、リンク機構11Cの「閉状態」とは、互いに隣り合うリンク軸40Aとリンク軸40Bとの配置方向がレール13およびレール14の延在方向と交差している状態である。さらに、リンク機構11Cの「閉状態」では、図11(a)に示すように、リンク軸40Aは、レール13の上方に配置される一方、リンク軸40Bは、レール13およびレール14のいずれの上方からもずれた位置に配置される。
このように構成されているリンク機構11Cの「閉状態」では、互いに隣り合うリンク機構11Bのフィルム把持部21の間のピッチが最も小さくなる。
そして、上述したリンク機構11Cの「閉状態」では、図11(a)に示すように、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸は、レール13およびレール14の延在方向(一対のレールの延在方向)と直交する。
この結果、リンク機構11Cがレール13およびレール14上を走行する際、たとえ、ローラ(110A、110B)とリンク押さえ(図示せず)が接触したとしても、ローラ(110A、110B)とリンク押さえとの接触が「転動」となることから、摩耗粉の発生リスクを低減することができる。
次に、図11(b)は、リンク機構の開状態を示す図である。
図11(b)において、リンク機構11Cの「開状態」とは、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50とが開かれた状態であり、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50との間のなす角度が180度に近い状態として定義される。言い換えれば、リンク機構11Cの「開状態」とは、互いに隣り合うリンク軸40Aとリンク軸40Bとの配置方向がレール13およびレール14の延在方向と平行している状態である。さらに、リンク機構11Cの「閉状態」では、図11(b)に示すように、リンク軸40Aおよびリンク軸40Bのそれぞれは、レール13の上方に配置される。
このように構成されているリンク機構11Cの「開状態」では、互いに隣り合うリンク機構11Cのフィルム把持部21の間のピッチが最も大きくなる。
そして、上述したリンク機構11Cの「開状態」においても、図11(b)に示すように、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸は、レール13およびレール14の延在方向(一対のレールの延在方向)と直交する。なぜなら、本実施の形態1におけるリンク機構11Cでは、上側リンクプレート50にローラ110Aおよびローラ110Bが固定されているのではなく、リンク軸40Aにブラケット100Aを介してローラ110Aが固定されているとともに、リンク軸40Bにブラケット100Bを介してローラ110Bが固定されているからである。
例えば、ローラ110Aおよびローラ110Bを上側リンクプレート50に固定すると、リンク機構11Cの「開状態」においては、上側リンクプレート50と下側リンクプレート50Cのなす角度が変化することに起因して、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれ回転軸は、レール13およびレール14の延在方向と直交しなくなる。
これに対し、本実施の形態1では、上側リンクプレート50にローラ110Aおよびローラ110Bを固定するのではなく、リンク軸40Aに固定されたブラケット100Aにリンク押さえ70と接触可能なローラ110Aを固定しているとともに、リンク軸40Bに固定されたブラケット100Bにリンク押さえ70と接触可能なローラ110Bを固定している。このことから、リンク機構11Cによれば、上側リンクプレート50と下側リンクプレート50Cのなす角度の変化に影響を受けることなく、リンク機構11Cの「閉状態」だけでなく、「開状態」においても、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸をレール13およびレール14の延在方向と直交するように構成することができるのである。したがって、本実施の形態1における特徴点によれば、リンク機構11Cの「閉状態」と「開状態」にわたって、ローラ110Aおよびローラ110Bとリンク押さえ70との接触態様を「転動」とすることができる。このことから、本実施の形態1によれば、摩耗粉の発生を低減することができる。
<リンク機構11Cの利点>
リンク機構11Cは、以下に示す利点を有する。
ずなわち、例えば、図11(a)および図11(b)に示すように、リンク機構11Cに備わるフィルム把持部21は、リンク機構11Cの「閉状態」と「開状態」のいずれの状態においても、レール13およびレール13のそれぞれとのなす角度が直角である。このことから、リンク機構11Cによれば、リンク機構11Cで把持されるフィルムに「ひねり」が加わることが抑制される。つまり、リンク機構11Cによれば、リンク機構11Cの「閉状態」と「開状態」の両方にわたってフィルムに「ひねり」が加わらないことから、「ひねり」に起因してフィルムが裂けてしまうことを抑制できる利点が得られる。
したがって、リンク機構11Cは、「ひねり」に起因してフィルムが裂けてしまうことを効果的に抑制することができるため、フィルムが裂けやすいアクリルフィルムやナイロンフィルムの延伸に適用して有効である。
<フィルムの製造方法>
続いて、リンク機構11Cを有する延伸装置を使用したフィルムの製造方法を説明する。具体的に、リンク機構11Cは、例えば、図10に示すように、一対のレール(レール13およびレール14)上を移動可能に構成され、フィルムを把持するフィルム把持部21と、フィルム把持部21と連結されたリンク軸(40A、40B)と、リンク軸(40A、40B)に固定されたブラケット(100A、100B)と、ブラケット(100A、100B)に取り付けられ、リンク押さえ70と接触可能なローラ(110A、110B)とを備えている。そして、このように構成されているリンク機構11Cを有する延伸装置を使用して、フィルムを把持しながらフィルムを延伸する。
図12は、フィルムの製造工程を示すフローチャートである。
図12において、まず、リンク機構11Cに備わるフィルム把持部21でフィルムを把持した後(S101)、フィルムを把持したリンク機構11Cを一対のレール(レール13およびレール14)に沿って図3に示す領域20A、領域20Bおよび領域20Cを走行させることにより、フィルムを延伸させる(S102)。
ここで、図13は、フィルムを把持する工程の一例を示すフローチャートである。
図13において、まず、リンク機構11Cに備わるフィルム把持部21のガイド板受用ローラ25にガイド板60を押し当てる(図5参照)(S201)。これにより、例えば、図5に示すように、フィルム把持部21が解放される(S202)。この状態で、解放されたフィルム把持部21にフィルムを挟み込む(S203)。この結果、リンク機構11Cのフィルム把持部21でフィルムを把持することができる。
このとき、ガイド板60をフィルム把持部21に押し当てることに起因して(S201およびS202)、リンク機構11Cにはモーメントが発生する。このことから、リンク機構11Cには浮き上がり力が加わるが、本実施の形態におけるリンク機構11Cには、ブラケット(100A、100B)を介してリンク軸(40A、40B)に固定されたローラ(110A、110B)が設けられており、このローラ110Aおよびローラ110Bがリンク押さえ70に接触することにより、モーメントに起因するリンク機構11Cの浮き上がりが抑制される。そして、リンク機構11Cが図3に示す領域20A、領域20Bおよび領域20Cにわたって一対のレール上を走行しても、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸は、レール13およびレール14の延在方向と直交する状態を維持する。したがって、たとえ、リンク機構11Cの走行中にローラ110Aおよびローラ110Bがリンク押さえ70に接触したとしても、「閉状態」と「開状態」にわたって、ローラ110Aおよびローラ110Bとリンク押さえ70との接触態様を「転動」とすることができる。このことから、本実施の形態におけるフィルムの製造方法によれば、摩耗粉の発生を低減することができる。
このように、本実施の形態における特徴点を備えるリンク機構11Cを採用することによって、リンク装置引いては延伸装置の性能向上を図ることができ、さらには、この延伸装置を使用して製造されたフィルムの品質を向上することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、前記実施の形態1で説明したリンク機構11Cとは異なる構造のリンク機構に前記実施の形態1における技術的思想を適用する例について説明する。
<改善の余地>
図14は、リンク機構の一構成例を示す図である。
図14において、リンク機構11Dでは、リンク軸40Aがレール13の上方に配置され、かつ、リンク軸40Bがレール14の上方に配置されている点で、例えば、図7に示すリンク機構11Bと相違する。すなわち、このリンク機構11Dでは、リンク機構11Dの「閉状態」と「開状態」のいずれの状態においても、リンク軸40Aがレール13上に配置され、かつ、リンク軸40Bがレール14上に配置されている。この点で、リンク機構11Dは、例えば、図7に示すように、リンク軸40Bがレール13の上方およびレール14の上方からずれた位置に配置されているリンク機構11Bと相違する。
ここで、図14に示すリンク機構11Dにおいても、図7に示すリンク機構11Bと同様に、上側リンクプレート50に回転可能なローラ90を固定することを考える。この場合も、ローラ90とリンク押さえ70の接触態様が「転動」であることから、「摺動部品80」を使用する関連技術に比べて、摩耗粉の発生リスクを小さくすることができる。
ところが、リンク機構11Dにおいても、「克服すべき事項」で説明した改善の余地が存在するので、以下では、この点について説明する。
図15(a)は、リンク機構の閉状態を示す図である。
図15(a)において、リンク機構11Dの「閉状態」とは、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50とが折り畳まれた状態であり、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50との間のなす角度が0度に近い鋭角である状態として定義される。リンク機構11Dの「閉状態」では、リンク軸40Aがレール13の上方に配置され、かつ、リンク軸40Bがレール14の上方に配置される。
このリンク機構11Dの「閉状態」では、互いに隣り合うリンク機構11Dのフィルム把持部21の間のピッチが最も小さくなる。
そして、上述したリンク機構11Dの「閉状態」では、図11(a)に示すように、ローラ90の回転軸は、レール13およびレール14の延在方向と直交する。
この結果、リンク機構11Dがレール13およびレール14上を走行する際、たとえ、ローラ90とリンク押さえ(図示せず)が接触したとしても、ローラ90とリンク押さえとの接触が「転動」となることから、摩耗粉の発生リスクを低減することができる。
次に、図15(b)は、リンク機構の開状態を示す図である。
図15(b)において、リンク機構11Dの「開状態」とは、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50とが開かれた状態であり、下側リンクプレート50Cと上側リンクプレート50との間のなす角度が90度に近い状態として定義される。
図15(b)に示すように、リンク機構11Dにおいては、「閉状態」だけでなく「開状態」でも、リンク軸40Aがレール13の上方に配置され、かつ、リンク軸40Bがレール14の上方に配置されている。
このリンク機構11Dの「開状態」では、互いに隣り合うリンク機構11Bのフィルム把持部21の間のピッチが最も大きくなる。
ところが、上述したリンク機構11Dの「開状態」では、図15(b)に示すように、ローラ90の回転軸は、レール13およびレール14の延在方向と直交しない。すなわち、図15(a)に示すように、リンク機構11Dの「閉状態」においてローラ90の回転軸をレール13およびレール14の延在方向と直交するように、ローラ90を上側リンクプレート50に固定すると、リンク機構11Dの「開状態」においては、上側リンクプレート50と下側リンクプレート50Cのなす角度が変化することに起因して、ローラ90の回転軸は、レール13およびレール14の延在方向と直交しなくなるのである。
このため、リンク機構11Dの「開状態」においては、リンク機構11Dがレール13およびレール14上を走行する際に、ローラ90とリンク押さえ(図示せず)が接触すると、ローラ90とリンク押さえとの接触態様が「転動」ではなく「摺動」となることから、摩耗粉の発生リスクを低減することができなくなる。
したがって、リンク機構11Dにおいても、上側リンクプレート50に回転可能なローラ90を固定するという構成では、リンク機構11Dの「閉状態」と「開状態」のいずれの状態においても、ローラ90の回転軸がレール13およびレール14の延在方向と直交することにならないため、リンク機構11Dの「閉状態」と「開状態」にわたって、ローラ90とリンク押さえとの接触態様を「転動」とすることができなくなるのである。
そこで、本実施の形態2においても、前記実施の形態1と同様の工夫を施している。
<実施の形態2における特徴>
本実施の形態2における特徴点は、例えば、図16に示すように、リンク機構11Eが、リンク軸40Aに固定されたブラケット100Aに取り付けられたローラ110Aを有するとともに、リンク軸40Bに固定されたブラケット100Bに取り付けられたローラ110Bを有する点にある。
これにより、本実施の形態2でも、リンク機構11Eの「閉状態」と「開状態」のいずれの状態においても、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸がレール13およびレール14の延在方向と直交するように構成することができる。
以下では、リンク機構11Eの構成によれば、リンク機構11Eの「閉状態」と「開状態」のいずれの状態においても、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸をレール13およびレール14の延在方向と直交するようにできることを説明する。
図17(a)は、リンク機構の閉状態を示す図である。
図17(a)において、リンク機構11Eの「閉状態」では、互いに隣り合うリンク機構11Eのフィルム把持部21の間のピッチが最も小さくなる。
そして、リンク機構11Eの「閉状態」では、図17(a)に示すように、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸は、レール13およびレール14の延在方向(一対のレールの延在方向)と直交する。
この結果、リンク機構11Eがレール13およびレール14上を走行する際、たとえ、ローラ(110A、110B)とリンク押さえ(図示せず)が接触したとしても、ローラ(110A、110B)とリンク押さえとの接触が「転動」となることから、摩耗粉の発生リスクを低減することができる。
次に、図17(b)は、リンク機構の開状態を示す図である。
図17(b)において、リンク機構11Eの「開状態」では、互いに隣り合うリンク機構11Cのフィルム把持部21の間のピッチが最も大きくなる。
そして、リンク機構11Eの「開状態」においても、図17(b)に示すように、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸は、レール13およびレール14の延在方向(一対のレールの延在方向)と直交する。なぜなら、本実施の形態2におけるリンク機構11Eでも、上側リンクプレート50にローラ110Aおよびローラ110Bが固定されているのではなく、リンク軸40Aにブラケット100Aを介してローラ110Aが固定されているとともに、リンク軸40Bにブラケット100Bを介してローラ110Bが固定されているからである。
例えば、ローラ110Aおよびローラ110Bを上側リンクプレート50に固定すると、リンク機構11Eの「開状態」においては、上側リンクプレート50と下側リンクプレート50Cのなす角度が変化することに起因して、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれ回転軸は、レール13およびレール14の延在方向と直交しなくなる。
これに対し、本実施の形態2では、上側リンクプレート50にローラ110Aおよびローラ110Bを固定するのではなく、リンク軸40Aに固定されたブラケット100Aにリンク押さえ70と接触可能なローラ110Aを固定しているとともに、リンク軸40Bに固定されたブラケット100Bにリンク押さえ70と接触可能なローラ110Bを固定している。このことから、リンク機構11Eによれば、上側リンクプレート50と下側リンクプレート50Cのなす角度の変化に影響を受けることなく、リンク機構11Eの「閉状態」だけでなく、「開状態」においても、ローラ110Aおよびローラ110Bのそれぞれの回転軸をレール13およびレール14の延在方向と直交するように構成することができるのである。したがって、本実施の形態2においても、リンク機構11Eの「閉状態」と「開状態」にわたって、ローラ110Aおよびローラ110Bとリンク押さえ70との接触態様を「転動」とすることができる。このことから、本実施の形態2によれば、摩耗粉の発生を低減することができる。
<リンク機構11Eの利点>
リンク機構11Eは、以下に示す利点を有する。
例えば、図17(a)および図17(b)に示すように、リンク機構11Eにおいては、「閉状態」における互いに隣り合うリンク機構11Eの間のピッチと、「開状態」における互いに隣り合うリンク機構11Eの間のピッチとの差を大きくとることができる。すなわち、リンク機構11Eは、「閉状態」のピッチと「開状態」のピッチとの比(倍率)を大きくすることができる利点を有する。さらに、リンク機構11Eの構成は、コストが安価であるという利点もある。このような利点を有するリンク機構11Eは、例えば、リチウムイオン電池のセパレータの製造工程で使用される。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1 フィルム製造システム
2 押出装置
2a 原料供給部
3 Tダイ
4 原反冷却装置
5 延伸装置
6 引き取り装置
7 巻き取り装置
8 フィルム
9 熱処理部
10 リンク装置
10L リンク装置
10R リンク装置
11 リンク機構
11A リンク機構
11B リンク機構
11C リンク機構
11D リンク機構
11E リンク機構
13 レール
14 レール
15 スプロケット
16 スプロケット
17 スプロケット
20A 領域
20B 領域
20C 領域
21 フィルム把持部
25 ガイド板受用ローラ
30A 走行ガイド用ローラ
30B 走行ガイド用ローラ
30C 走行ガイド用ローラ
30D 走行ガイド用ローラ
40A リンク軸
40B リンク軸
50 上側リンクプレート
50A 上側リンクプレート
50B 上側リンクプレート
50C 下側リンクプレート
60 ガイド板
70 リンク押さえ
80 摺動部品
90 ローラ
100A ブラケット
100B ブラケット
110A ローラ
110B ローラ

Claims (15)

  1. 以下を含む、樹脂フィルム延伸装置用リンク機構:
    樹脂フィルムを把持するフィルム把持部;
    前記フィルム把持部と連結されたリンク軸;
    前記リンク軸に固定されたブラケット;および
    前記ブラケットに取り付けられ、リンク押さえと接触可能なローラ。
  2. 請求項1に記載の樹脂フィルム延伸装置用リンク機構において、
    前記リンク機構の開閉のいずれの状態においても、
    前記ローラの回転軸と前記一対のレールの延在方向とは直交している。
  3. 以下を含む、樹脂フィルム延伸装置用リンク機構:
    樹脂フィルムを把持するフィルム把持部;
    前記フィルム把持部と連結された第1リンク軸;
    前記第1リンク軸と連結された第2リンク軸;
    前記第1リンク軸と前記第2リンク軸とを連結する下側リンクプレート;
    前記第1リンク軸と前記第2リンク軸とを連結する上側リンクプレート;
    前記第1リンク軸に固定された第1ブラケット;
    前記第2リンク軸に固定された第2ブラケット;
    前記第1ブラケットに取り付けられ、リンク押さえと接触可能な第1ローラ;および
    前記第2ブラケットに取り付けられ、前記リンク押さえと接触可能な第2ローラ。
  4. 請求項3に記載の樹脂フィルム延伸装置用リンク機構において、
    前記リンク機構の開状態とは、前記第1リンク軸と前記第2リンク軸とが一対のレールの延在方向に並行するように配置される状態であり、
    前記リンク機構の閉状態とは、前記第1リンク軸と前記第2リンク軸とが一対のレールの延在方向に交差するように配置される状態である。
  5. 請求項4に記載の樹脂フィルム延伸装置用リンク機構において、
    前記リンク機構の開閉のいずれの状態においても、
    前記第1ローラの回転軸と前記一対のレールの延在方向とは直交し、
    前記第2ローラの回転軸と前記一対のレールの延在方向とは直交している。
  6. 請求項3に記載の樹脂フィルム延伸装置用リンク機構において、
    前記第1リンク軸と前記第2リンク軸のいずれか一方は、前記リンク機構の開状態および閉状態のいずれの状態においても、一対のレールのいずれか一方の上方に配置され、
    前記第1リンク軸と前記第2リンク軸の他方は、前記リンク機構の閉状態において、一対のレールの上方からずれた位置に配置されている。
  7. 請求項3に記載の樹脂フィルム延伸装置用リンク機構において、
    前記第1リンク軸は、前記リンク機構の開状態および閉状態のいずれの状態においても、一方のレールの上方に配置され、
    前記第2リンク軸は、前記リンク機構の開状態および閉状態のいずれの状態においても、
    他方のレールの上方に配置されている。
  8. 以下を含む、樹脂フィルム延伸装置:
    一対のレール;
    前記一対のレール上を移動可能で、樹脂フィルムを把持するためのリンク機構;
    ここで、
    前記リンク機構は、
    フィルムを把持するフィルム把持部と、
    前記フィルム把持部と連結された第1リンク軸と、
    前記第1リンク軸と連結された第2リンク軸と、
    前記第1リンク軸と前記第2リンク軸とを連結する下側リンクプレートと、
    前記第1リンク軸と前記第2リンク軸とを連結する上側リンクプレートと、
    前記第1リンク軸に固定された第1ブラケットと、
    前記第2リンク軸に固定された第2ブラケットと、
    前記第1ブラケットに取り付けられ、リンク押さえと接触可能な第1ローラと、
    前記第2ブラケットに取り付けられ、前記リンク押さえと接触可能な第2ローラと、
    を備える。
  9. 請求項8に記載の樹脂フィルム延伸装置において、
    前記リンク機構の開状態とは、前記第1リンク軸と前記第2リンク軸とが前記一対のレールの延在方向に並行するように配置される状態であり、
    前記リンク機構の閉状態とは、前記第1リンク軸と前記第2リンク軸とが前記一対のレールの延在方向に交差するように配置される状態である。
  10. 請求項9に記載の樹脂フィルム延伸装置において、
    前記リンク機構の開閉のいずれの状態においても、
    前記第1ローラの回転軸と前記一対のレールの延在方向とは直交し、
    前記第2ローラの回転軸と前記一対のレールの延在方向とは直交している。
  11. 請求項8に記載の樹脂フィルム延伸装置において、
    前記第1リンク軸と前記第2リンク軸のいずれか一方は、前記リンク機構の開状態および閉状態のいずれの状態においても、前記一対のレールのいずれか一方の上方に配置され、
    前記第1リンク軸と前記第2リンク軸の他方は、前記リンク機構の閉状態において、前記一対のレールの上方からずれた位置に配置されている。
  12. 請求項8に記載の樹脂フィルム延伸装置において、
    前記第1リンク軸は、前記リンク機構の開状態および閉状態のいずれの状態においても、一方のレールの上方に配置され、
    前記第2リンク軸は、前記リンク機構の開状態および閉状態のいずれの状態においても、他方のレールの上方に配置されている。
  13. 請求項8~12のいずれか1項に記載の樹脂フィルム延伸装置において、
    前記延伸装置は、同時二軸延伸装置である。
  14. 以下の工程を含む、樹脂フィルムの製造方法:
    (a)樹脂フィルムを、複数のリンク機構を含むリンク装置によって把持する工程;
    (b)工程(a)の後、前記樹脂フィルムを一対のレールに沿って移動する工程;および(c)前記樹脂フィルムに対して熱処理を加えながら延伸する工程、
    ここで、
    前記リンク装置は、
    前記フィルムを把持するフィルム把持部と、
    前記フィルム把持部と連結されたリンク軸と、
    前記リンク軸に固定されたブラケットと、
    前記ブラケットに取り付けられ、リンク押さえと接触可能なローラと、
    を含む。
  15. 請求項14に記載の樹脂フィルムの製造方法において、
    前記樹脂フィルムを把持する工程は、
    (a1)ガイド板を前記フィルム把持部に押し当てる工程、
    (a2)前記フィルム把持部を開放する工程、
    (a3)開放された前記フィルム保持部に前記フィルムを挟み込む工程、
    を有し、
    前記(a1)工程および前記(a2)工程に起因して前記リンク装置に発生するモーメントに対して、前記ローラが前記リンク押さえに接触することにより、前記モーメントに起因する前記リンク装置の浮き上がりが抑制される。
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