JP4250494B2 - フィルムの延伸装置及びこれを用いた溶液製膜方法 - Google Patents
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Description
前記第1把持部は、前記クリップ本体に取り付けられ、前記クリップ本体への前記ポリマーフィルムの側縁部の進入時に退避する退避位置と、前記フラッパによる前記ポリマーフィルムの内側縁部の把持前に前記クリップ本体に設けられたフィルム接触面との間で前記ポリマーフィルムの側縁部のカールを押えるカール押え位置との間で変位するカール押え部材を備えることを特徴とする。
[溶媒]
本発明に用いられるドープを調製するための溶媒は、公知のいずれの溶媒をも用いることができる。特には、メチレンクロライド(ジクロロメタン)などのハロゲン化炭化水素類、酢酸メチルなどのエステル類、エーテル類、アルコール類(例えば、メタノール,エタノール,n−ブタノールなど)、ケトン類(例えば、アセトンなど)などが好ましく用いられるが、これらに限定されるものではない。また、これら溶媒を複数混合させた溶媒からドープを調製し、そのドープから形成されたフィルムを搬送することもできる。
本発明に用いられるポリマーは特に限定されるものではない。しかしながら、セルロースアシレートを用いることが好ましく、特に酢化度59.0%〜62.5%のセルローストリアセテート(TAC)を用いることがより好ましい。製膜されたTACフィルムを用いて構成された光学用フィルム、偏光板、液晶表示板は、光学特性の機能、寸法の安定性に特に優れている。
ドープには、公知の添加剤のいずれをも添加させることが可能である。添加剤としては、可塑剤(トリフェニルホスフェート(以下、TPPと称する),ビフェニルジフェニルホスフェート(以下、BDPと称する)など)、紫外線吸収剤(例えば、オキシベンゾフェノン系化合物,ベンゾトリアゾール系化合物など)、マット剤、増粘剤、オイルゲル化剤(例えば、シクロヘキサンジアミン誘導体など)、フッ素系界面活性剤、剥離促進剤、劣化防止剤(例えば、酸化防止剤, 過酸化物分解剤, ラジカル禁止剤,金属不活性化剤,酸捕獲剤,アミンなど)、Rth制御剤などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。Rth制御剤は、上昇させるためのRth上昇剤と下降させるためのRth下降剤とを含めたものである。これらの添加剤は、ドープを調製する際にポリマーと共に混合しても良い。また、ドープを調製した後、移送する際に静止型混合器などを用いてインライン混合することも可能である。なお、本発明において前記ポリマーと添加剤とを併せて固形分と称する。また、本発明に用いられる添加剤については、特願2003−319673号のセルロースアシレートフイルム及び溶液製膜方法や、特願2003−319811号のセルロースアシレートフイルム及びその溶液製膜方法並びにフイルム製品に詳しく記載されており、これらの明細書に記載された添加剤を本発明に用いてもよい。
図1は、本発明を実施した溶液製膜設備10の概略図である。ミキンシングタンク11内には、前述した方法で調製されたドープ12が仕込まれて、図示しないモータで回転する撹拌翼13で撹拌されて均一になっている。ドープ12は、ポンプ14により濾過装置15に送られて不純物が除去される。その後に、一定流量で流延ダイ21に送られる。流延ダイ21は、支持体である回転ドラム22上に配置している。回転ドラム22は、図示しない駆動装置により無端で回転駆動する。回転ドラム22上に流延ダイ21からドープ12を流延して流延ビード23が形成される。流延ビード23は、回転ドラム22上でゲル化が進行してゲル膜24となる。ゲル膜24が回転ドラム22の走行に伴って移動すると、さらにゲル化が進行して自己支持性を有するものになる。このゲル膜24が剥取位置に達すると、剥取ローラ25により回転ドラム22から剥ぎ取られ、フィルム26となる。剥ぎ取られたフィルム26は、渡り部30を経て、テンター装置31へ送られる。テンター装置31においては、フィルム26は、幅を規制され、かつ、延伸されながら乾燥される。
図2に示すように、テンター装置31は、左レール41と、右レール42と、これらレール41,42に案内されるエンドレス部材としての無端チェーン43,44とから構成されている。無端チェーン43,44には、クリップ45が所定ピッチで多数取り付けられている。このクリップ45はフィルム26の側縁部を把持しながら、各レール41,42に沿って移動することで、フィルム26を延伸する。
(製膜方法)
図1に示す溶液製膜設備10にて、押えレバー116のないテンター装置111により、セルローストリアセテートフィルムを作製した。その他の条件は実施例1と同様とした。
(製膜方法)
図1に示す溶液製膜設備10にて、コイルバネ118のないテンター装置111により、セルローストリアセテートフィルムを作製した。その他の条件は実施例1と同様とした。
(製膜方法)
図1に示す溶液製膜設備10にて、押えレバー116のないテンター装置111により、製膜速度を40m/minとして、セルローストリアセテートフィルムを作製した。その他の条件は実施例1と同様とした。
12 ドープ
21 流延ダイ
22 回転ドラム22
26 フィルム
30、111 テンター装置
45、115 クリップ
61 クリップ本体
61c フィルム把持面
62 フラッパ
62a 係合頭部
62b フラッパ下面
63 押えスライダ
71,72 入口部開放部材
73,74 出口部開放部材
80 位置調整部
112 クリップクローザ
116 押えレバー
118 コイルバネ
Claims (14)
- エンドレス部材に取り付けた複数のクリップによりポリマーフィルムの両側縁部を把持して搬送し、前記ポリマーフィルムをフィルム搬送方向に交差する方向に延伸するフィルムの延伸装置において、
前記クリップは、前記ポリマーフィルムの側縁部を押える第1把持部と、前記第1把持部で押えた前記ポリマーフィルムの側縁部よりも内側の前記ポリマーフィルムの内側縁部を押えて把持する第2把持部とを備え、
前記第2把持部は、前記ポリマーフィルムの内側縁部の一方の面に接触するクリップ本体と、このクリップ本体に取り付けられ、前記ポリマーフィルムの内側縁部の進入時に退避する退避位置と、前記クリップ本体に設けられたフィルム接触面との間で前記ポリマーフィルムの内側縁部を把持する把持位置との間で変位するフラッパとを備え、
前記第1把持部は、前記クリップ本体に取り付けられ、前記クリップ本体への前記ポリマーフィルムの側縁部の進入時に退避する退避位置と、前記フラッパによる前記ポリマーフィルムの内側縁部の把持前に前記クリップ本体に設けられたフィルム接触面との間で前記ポリマーフィルムの側縁部のカールを押えるカール押え位置との間で変位するカール押え部材を備えることを特徴とするフィルムの延伸装置。 - 前記クリップは、前記フラッパを把持位置に付勢するフラッパ把持付勢手段を備えることを特徴とする請求項1記載のフィルムの延伸装置。
- 前記フラッパ及びカール押え部材に係合してこのフラッパ及びカール押え部材を退避位置と把持位置との間で個別に変位させる開閉部材を備えることを特徴とする請求項1または2記載のフィルムの延伸装置。
- 前記開閉部材は前記エンドレス部材の移動方向に位置調整が可能であることを特徴とする請求項3記載のフィルムの延伸装置。
- 前記クリップは、前記フラッパが把持位置に位置したときに前記フラッパを把持位置に付勢し、前記フラッパが退避位置に位置したときに前記フラッパを退避位置に付勢するフラッパ付勢手段を備え、前記カール押え部材に係合してこのカール押え部材を退避位置と把持位置との間で変位させる係合部材と、前記フラッパに係合してこのフラッパを退避位置から把持位置へと変位させるフラッパ把持部材とを設けたことを特徴とする請求項1記載のフィルムの延伸装置。
- 前記フラッパ把持部材は前記エンドレス部材の移動方向に位置調整が可能であることを特徴とする請求項5記載のフィルムの延伸装置。
- 高分子溶液を支持体上に流延してポリマーフィルムとして剥ぎ取り、このポリマーフィルムの両側縁部を把持して搬送し、前記ポリマーフィルムをフィルム搬送方向に交差する方向に延伸する溶液製膜方法において、
前記延伸の際に、請求項1ないし6いずれか一つ記載のフィルムの延伸装置を用いることを特徴とする溶液製膜方法。 - 前記フィルム搬送方向に交差する方向はフィルム幅方向であって、前記支持体の搬送速度に対して前記エンドレス部材の搬送速度を1倍を超えて1.5倍以下の範囲にして、前記支持体から剥ぎ取った前記ポリマーフィルムを延伸装置の上流側で前記フィルム搬送方向に延伸することを特徴とする請求項7記載の溶液製膜方法。
- 前記延伸では、ポリマーフィルムの溶液揮発分を3Wt%以上300Wt%以下とし、延伸後のポリマーフィルムの幅を1000mm以上2000mm以下とすることを特徴とする請求項7または8記載の溶液製膜方法。
- 前記ポリマーフィルムがセルロースアシレートフィルムであることを特徴とする請求項7ないし9いずれか一つ記載の溶液製膜方法。
- 前記高分子溶液の各種添加剤が、Rth制御剤、UV剤、可塑剤、疎水化剤、マット剤等の微粒子のいずれか一つを含むことを特徴とする請求項7ないし10いずれか一つ記載の溶液製膜方法。
- 前記高分子溶液として2種類以上を用い、共流延または逐次流延することを特徴とする請求項7ないし11いずれか一つ記載の溶液製膜方法。
- 前記共流延または逐次流延による多層フィルムを、その溶液揮発分を3Wt%以上300Wt%以下の範囲で、少なくとも送り方向または幅方向に1倍を超えて3倍以下の範囲で延伸することを特徴とする請求項12記載の溶液製膜方法。
- 前記多層フィルムを40℃以上140℃以下の温度履歴を与えながら延伸することを特徴とする請求項12記載の溶液製膜方法。
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