JP4901249B2 - ポリマーフイルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置の偏光板の保護フイルムや光学補償シートなどの光学機能性フイルムとして使用することができるポリマーフイルムの製造方法に関するものである。
ポリマーフイルム(以下、フイルムと称する)は、優れた光透過性や柔軟性および軽量薄膜化が可能であるなどの特長から光学機能性フイルムとして多岐に利用されている。中でも、セルローアシレートなどを用いたセルロースエステル系フイルムは、強靭性や低複屈折率であることから、写真感光用フイルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(LCD)の構成部材である偏光板の保護フイルムまたは光学補償フイルムとして用いられている。
主なフイルムの製造方法としては、溶融押出方法と溶液製膜方法とがある。溶融押出方法とは、ポリマーをそのまま加熱溶解させた後、押出機で押し出してフイルムを製造する方法であり、生産性が高く、設備コストも比較的低額であるなどの特徴を有する。しかし、膜厚精度を調整することが難しく、また、フイルム上に細かいスジ(ダイライン)ができるために、光学フイルムへ使用することができるような高品質のフイルムを製造することが困難である。一方、溶液製膜方法は、ポリマーと溶媒とを含んだポリマー溶液(ドープ)を支持体上に流延して形成した流延膜が自己支持性を有するものとなった後、これを支持体から剥がして湿潤フイルムとし、さらに、この湿潤フイルムを乾燥させてポリマーフイルムとする方法である。溶融押出方法と比べて、光学等方性や厚み均一性に優れるとともに、含有異物の少ないフイルムを得ることができるため、LCD用途などの光学機能性フイルムは、主に溶液製膜方法で製造されている。
また、LCDは液晶表示モードの違いにより、高コントラスト化が可能なVA(Vertically Aligned)モードや広視野角化が可能なIPS(In−Plane Switching)モード、さらには、広視野角化かつ高速対応を実現させるOCB(Optical Compensated Birefringence)モードなどが存在する。ただし、LCD用途フイルムには、そのモードの違いに関わらず、高コントラスト化や広視野角化を実現させるために、フイルムの配向度合い(配向の強さ)の差に応じた位相差(レタデーション値)が高い値であること(高レタデーション値)が必要とされる。
フイルムに高レタデーション値を付与する方法として、一般的には、フイルムの幅方向あるいは長手方向に対して張力を付与し、延伸させることにより分子配向を制御する方法が用いられている。最近では、この方法を基本として、延伸時におけるフイルムの残留溶媒量などを所定の範囲とすることで、より高レタデーション値をフイルムに発現させる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
上記いずれの方法も、高レタデーション値を有するフイルムを得ることができる。しかし、年々高まる光学機能性フイルムの高レタデーション値への要求を満足させることは困難である。また、高レタデーション値化を目指してフイルムを強延伸すると、強延伸領域において微小なボイドが発生してしまい、フイルムが白濁して透明性が低下するという問題が生じている。このような問題を解決すべく、フイルムの透明性を向上させる方法としては、溶液製膜方法においてドープを流延させる支持体や、支持体から流延膜を剥離するまでの製造条件を調整する方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。その他にも、溶液製膜方法でのドープの調製方法や流延方法や製造条件などを詳細に規定して、高レタデーション値かつ透明性に優れるなどの優れた光学特性を有するフイルムを製造する方法も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2003−170492号公報 特開2004−314529号公報 特開2005−173024号公報 特開2003−071863号公報 特開2005−104148号公報
特許文献4の方法によると、支持体としてドラムに巻き掛けられた流延バンドを使用し、このドラムを冷却し低温領域で流延膜を形成するようにし、かつ流延バンドから流延膜を剥離するまでの時間を制御することで、フイルムの白濁化を抑制して透明性に優れるフイルムを製造することができる。しかし、LCD用途フイルムなどに要求される高レタデーション値化に関しては触れられていない。また、上記のように表面温度が低温領域である冷却ドラムを使用する場合には、ドープを冷却固化させることにより流延膜を形成させるが、この流延膜を支持体から剥がし取った直後の湿潤フイルムは、非常に軟体であるために、安定性に欠け、搬送しながら乾燥させることが困難であるという新たな問題を抱える。
本発明は、上記問題を解決することを目的として、高レタデーション値であり、かつ透明性に優れるポリマーフイルムを安定して製造することができる製造方法を提供する。なお、本発明により得られるポリマーフイルムは、特に、VAモードやIPSモードならびにOCBモード用位相差フイルムとして使用することができる優れた光学特性を有する。
本発明のポリマーフイルムの製造方法は、ポリマー及び溶媒を含むドープを支持体上に流延して流延膜を形成する膜形成工程と、自己支持性を持つまで前記流延膜を冷却する冷却工程と、前記支持体より剥ぎ取られた前記流延膜をポリマーフイルムとし、このポリマーフイルムを幅方向に15%以上40%以下の延伸率で延伸する延伸工程とを有し、X線回折強度に関し、反射法により得られるX線解析チャートのうち、入射X線の延長線と反射X線とのなす角度を2θ(°)とし、0≦2θ≦10でのX線回折強度のピーク値をK1、10≦2θ≦20でのX線回折強度のピーク値をK2とするとき、前記延伸工程に供される前記ポリマーフイルムはK2≦K1であって、前記延伸工程を経た前記ポリマーフイルムの正面レタデーションReが10nm以上100nm以下であり、膜厚方向のレタデーションRthが50nm以上300nm以下であることを特徴とする。
前記膜形成工程では温度が30〜35℃の前記ドープを−10〜10℃の前記支持体へ流延することが好ましい。前記ドープにはレターでション上昇剤が含まれていることが好ましい。前記延伸工程の前に行われ、前記ポリマーフイルムを乾燥する乾燥工程を有することが好ましい。前記ポリマーフイルムの残留溶媒量が50〜150重量%になるまで前記乾燥工程を行うことが好ましい。前記乾燥工程では多数のピンからなる固定手段により前記ポリマーフイルムの両側端部を固定して搬送する間に乾燥させるピン式テンタを用いることが好ましい。前記延伸工程では、クリップからなる把持手段により前記ポリマーフイルムの両側端部を挟持して搬送する間に、前記ポリマーフイルムの幅方向に張力を付して延伸させるクリップ式テンタを用いることが好ましい。
本発明によれば、透明性を低下させずに高レタデーション値のポリマーフイルムを得ることができる。
以下に、本発明の実施態様について、図を引用しながら詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施態様に限定されるものではない。
図1に、本実施形態で用いるフイルム製造設備の概略図を示す。フイルム製造設備10は、ストックタンク11と流延室12とピンテンタ13とクリップテンタ14と乾燥室15と冷却室16と巻取室17とを有する。
ストックタンク11には、モータ22で回転する攪拌翼23とジャケット24とが備えられており、その内部にはフイルム20の原料となるドープ21が貯留されている。ストックタンク11は、常時、その外周面に設けられているジャケット24により、ドープ21の温度が略一定となるように調整されるとともに、攪拌翼23が回転されているので、ポリマーなどの凝集を抑制しながら、ドープ21の均一な品質が保持されている。また、ストックタンク11の下流には、ポンプ25と濾過装置26とが備えられている。なお、ドープ21の調製方法に関しては、後で詳細に説明する。
流延室12には、ドープ21の流延口となる流延ダイ30と、支持体である流延ドラム31と、流延ドラム31から流延膜35を剥ぎ取る剥取ローラ32と、流延室12の内部温度を調整する温調設備33と、流延室12内部に浮遊する揮発した溶媒を液化させる凝縮器(コンデンサ)34とが備えられている。さらには、流延ドラム31の表面温度を調整する伝熱媒体循環装置37と凝縮器34により液化させた溶媒を回収する回収装置38とが備えられている。また、流延ダイ30には、その背部周辺を所望の圧力に減圧させる減圧チャンバ39が取り付けられている。
流延室12の下流には、流延膜35が流延ドラム31から剥ぎ取られることにより得られる湿潤フイルム41を乾燥させてフイルム20とするピンテンタ13と、このフイルム20を乾燥させるクリップテンタ14とが設けられている。なお、ピンテンタ13は、固定手段として複数のピンを有する乾燥装置であり、クリップテンタ14は、把持手段としてクリップを有する乾燥装置である。
クリップテンタ14の下流には耳切装置45が設けられている。この耳切装置45には、クラッシャ46が備えられており、ここで、フイルム20の両側端部は切断された後、クラッシャ46に送り込まれて粉砕される。
乾燥室15には、多数のローラ47と吸着回収装置48とが備えられている。さらに、乾燥室15に併設された冷却室16の下流には、強制除電装置(除電バー)48が設けられている。また、本実施形態では、強制除電装置48の下流側に、ナーリング付与ローラ49を設けている。巻取室17の内部には、巻取ローラ50とプレスローラ51とが備えられている。
図2に、本実施形態で使用するピンテンタ13の概略図を示す。ピンテンタ13の内部には、湿潤フイルム41の搬送路に沿った両側の位置に、多数のピン60を有するピンプレート61と、この多数のピンプレート61が取り付けられた無端で走行するチェーン62と乾燥装置(図示しない)とが備えられている。
ピンテンタ13に送り込まれた湿潤フイルム41は、所定の位置に到達後、その両側端部にピン60が差し込まれて固定される。ピンプレート61はチェーン62により移動し、さらに、牽引機構63により湿潤フイルム41の幅方向に牽引される。これにより、湿潤フイルム41は幅方向に延伸される。流延バンド31から剥ぎ取った直後の湿潤フイルム41は、多量の溶媒を含んでおり非常に不安定であるために、搬送するのが困難である。ところが、本発明のように、ピンなどの固定手段を有する乾燥装置を用いて、湿潤フイルム41の両側端部を突き刺し固定すると、優れた搬送安定性を保持しながら湿潤フイルム41を搬送することができ、かつ効率よく乾燥を促進させることができる。
ピンテンタ13では、延伸時の幅方向における湿潤フイルム41への張力は、湿潤フイルム41の組成や付与する延伸率などを考慮して、適宜選択した値を用いればよく特に限定されるものではない。ただし、湿潤フイルム41の平面性を維持し、かつ傷つけることなく搬送するために、その延伸率は2〜15%であることが好ましい。延伸率が2%未満であると、湿潤フイルム41の平面性を維持しながら延伸させることが困難である。一方で、延伸率が15%を超えると、ピン孔などからフイルムが裂けてしまうため好ましくない。なお、本実施形態では、固定手段としてピンを有するピンテンタ13を示したが、搬送させるフイルムの両側端部を固定することができる固定手段を有する形態であれば、特に限定されるものではない。
次に、フイルム製造設備10によりフイルム20を製造する方法の一例を説明する(図1および図2参照)。
ストックタンク11では、ジャケット24の内部に伝熱媒体を流すことによりドープ21の温度を25〜35℃に調整するとともに、攪拌翼23の回転により常に均一化している。適宜適量のドープ21を、ポンプ25によりストックタンク11から濾過装置26に送り込み濾過することにより、ドープ21中の不純物を取り除く。そして、このドープ21を流延ダイ30から流延ビードを形成させながら、所定の表面温度になるように冷却した流延ドラム31上に流延する。
流延ドラム31は、駆動装置(図示しない)により所定の回転数で回転している。また、流延ドラム31の表面温度は所定の範囲内を満たすように調整されている。その表面温度は、−10〜10℃の範囲内で略一定とすることが好ましい。このように冷却された流延ドラム31を用いると、流延させたドープ21から形成される流延膜35を冷却固化(ゲル化)させて自己支持性を持たせることができる。なお、表面温度の管理は、伝熱媒体循環装置37により行われる。すなわち、流延ドラム31の内部に形成されている伝熱媒体流路(図示しない)の中に所定の温度の伝熱媒体を通過させ、この伝熱媒体を伝熱媒体循環装置37により循環させることで、流延ドラム31の表面温度を所定の値に保持する。流延時のドープ21の温度は、30〜35℃であることが好ましい。流延膜35の冷却が進行すると、結晶の基となる架橋点が形成されてゲル化が促進される。
流延室12の内部は、温調設備33により所定の範囲内で略一定となるように温度を調整する。このとき、10〜30℃であることが好ましい。また、流延室12の内部には、流延されるドープ21や流延膜35中の溶媒が揮発後に浮遊している。そこで、本実施形態では、この浮遊溶媒を凝縮器34により凝縮液化した後、回収装置38に回収し、さらに再生装置(図示しない)により再生して、ドープ調製用溶媒として再利用する。
流延膜35が自己支持性を有するものとなった後、剥取ローラ32により流延ドラム31から剥ぎ取って湿潤フイルム41を形成する。そして、この湿潤フイルム41をピンテンタ13に送り込む。
ピンテンタ13では、多数のピン60を湿潤フイルム41の両側端部に差し込み固定した後、この湿潤フイルム41を搬送する間に乾燥を促進させてフイルム20とする。そして、まだ溶媒を含んでいる状態のフイルム20をクリップテンタ14に送り込む。このとき、クリップテンタ14に送られる直前でのフイルム20の残留溶媒量は、50〜150重量%であることが好ましい。なお、本発明では、フイルム中に残留する溶媒量を乾量基準で示したものを残留溶媒量とする。また、その測定方法は、対象のフイルムからサンプルを採取し、このサンプルの重量をx、サンプルを乾燥した後の重量をyとするとき、{(x−y)/y}×100で算出する。
クリップテンタ14では、チェーンの動きにより無端で走行する多数のクリップによりフイルム20の両側端部を挟持した後、このフイルム20を搬送する間に、乾燥を促進させる。このとき、対面するクリップの幅を拡げてフイルム20の幅方向に張力を付与することでフイルム20を延伸する。このように、フイルム20を幅方向に延伸させると、その分子配向を調整して高レタデーション値を発現させることができる。
本発明では、クリップテンタ14に供するフイルム20として、X線回折強度に関し、反射法により得られるX線解析チャートのうち、入射X線の延長線と反射X線とのなす角度を2θ(°)とし、0≦2θ≦10でのX線回折強度の最大値をK1、10≦2θ≦20でのX線回折強度の最大値をK2とするとき、K2≦K1のポリマーフイルムを用いる。また、このポリマーフイルムをその幅方向に15%以上40%以下の延伸率で延伸することを特徴とする。これにより、フイルム20の把持部から破れたり、応力の偏りによりしわやつれなどが生じたりすることなく分子配向の制御を効果的に行って、高レタデーション値を有するフイルム製品を得ることができる。ただし、K1<K2のときには、延伸倍率を増加させると、分子配向をうまく制御することができず、完成したフイルムの透明性が低下してしまう。同様に、延伸率が15%未満の場合にも分子配向を制御する効果が弱い。一方で、延伸率が40%を超えると、延伸する割合が大きすぎるために、うまく分子配向を制御することができず、更には、搬送するフイルムが破れたりして平面性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。なお、上記のX線回折強度は、クリップテンタ14に供される前の湿潤フイルム41の一部をサンプルとして採取し、このサンプルを所定の波長強度によりX線回折を行うことにより得られた値とする。
本実施形態では、クリップテンタ14に供する前のフイルム20の一部をサンプルとして採取し、このサンプルのX線回折強度を反射法により測定する。そして、得られるX線回折チャートから、K2≦K1であることを確認する。なお、反射法を行う際には、X線源をCu−Kαモノクロメータとし、管電流が150mA、管電圧が50V、走査速度が2°/分、発散スリットが0.15mm、散乱スリットが1°である測定条件を用いて測定するものとする。ただし、反射法によるX線回折チャートの測定条件は、特に限定されるものではなく、サンプルとなるフイルムの構成材料や膜厚などを考慮して、好ましくX線回折強度を知ることができる条件を適宜選択すればよい。
フイルム20を乾燥させている間は、その膜面温度が110〜140℃の範囲を満たすようにすると、フイルム20に対する熱ダメージなどを回避することができ、かつ、搬送方向におけるポリマーの主鎖の配向を乱すことなく、フイルム20を幅方向に延伸させることができる。また、その乾燥温度は特に限定されるものではないが、フイルム20を延伸している間は、延伸具合を略同一に調整することを目的として、乾燥温度を略一定とすることが好ましい。なお、本実施形態では、把持手段としてクリップを有するクリップテンタ14を示したが、搬送させるフイルムの両側端部を把持することができる把持手段を有する形態であれば、特に限定されるものではない。
本発明では、冷却固化することにより結晶の素を生成させた流延膜35から得られる湿潤フイルム41を、優れた搬送安定性を発現させながらピンテンタ41で乾燥を促進させてフイルム20とした後、さらに、クリップテンタ14を用いてその幅方向に延伸しながら乾燥させるので、フイルム20の内部では結晶の素を基点として、ポリマーの主鎖を搬送方向に配向させつつ結晶化を進行させることができる。これにより、フイルム20の波長λnmにおける正面レタデーション値をRe(nm)とし、波長λnmにおける膜厚方向のレタデーション値をRth(nm)とするとき、10≦Re≦100であり、50≦Rth≦300である高レタデーション値のフイルム20を製造することが可能となる。なお、Reは、フイルム20の面内の遅相軸方向(搬送方向)の屈折率をnx、フイルム20の面内の進相軸方向(幅方向)の屈折率をny、フイルム20の膜厚をd(nm)とするとき、Re(λ)=(nx−ny)×dで表される数値とする。そして、Rthは、フイルム20の厚み方向での屈折率をnzとするとき、Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×dで表される数値とする。
乾燥が進行したフイルム20を耳切装置45に送り込み、その両側端部を切断する。このフイルム20の両側端部の切断処理は省略することもできるが、流延室12から巻取室17までのいずれかで行うことが好ましい。ただし、本実施形態のように、クリップテンタ14の下流側に耳切装置45を設けて切断処理を行うと、延伸させる際に固定または把持されるなどして傷付いたフイルム20の両側端部を切断して、フイルム20の傷を除去することができる。
乾燥室15では、多数のローラ47によりフイルム20を支持しながら搬送する間に、乾燥をより促進させる。乾燥室15の内部温度は、特に限定されるものではないが、フイルム20の膜面温度が100〜220℃となるように調整すると、フイルム20を構成するポリマーの熱ダメージを低減しながらも、溶媒を効果的に揮発させることができるので好ましい。なお、フイルム20に含まれる溶媒が蒸発することにより生成した溶媒ガスは吸着回収装置48により回収して溶媒成分を除去した後、再度、乾燥室15の内部に乾燥風として送風する。
十分に乾燥を促進したフイルム20を冷却室16に送り込み、略室温となるまで冷却する。なお、乾燥室15と冷却室16との間に調湿室(図示しない)を設けて、フイルム20を調湿した後、冷却室16に送り込むようにすると、しわやつれなどを矯正することができ、平面性に優れるフイルム20を得ることができるので好ましい。
強制除電装置48により、フイルム20の帯電圧を所定の範囲(例えば、−3kV〜+3kV)となるように調整する。なお、図1では、強制除電装置48の設置箇所を、冷却室16の下流側とする形態を示しているが、この位置に限定されるものではない。また、ナーリング付与ローラ49により、フイルム20の両側端部にエンボス加工を施してナーリングを付与させる。これにより、平面性に優れるフイルム20を得ることができる。
最後に、プレスローラ59により巻き取り時の張力を調整しながら、フイルム20を巻取ローラ50に巻き取る。なお、巻取り時の張力は、巻取開始時から終了時までの間で徐々に変化させることがより好ましい。巻き取るフイルム20は、搬送方向に少なくとも100m以上とすることが好ましく、幅方向が1400〜1800mmであることが好ましい。ただし、本発明は、1800mmより大きい場合にも効果を得ることができる。また、フイルム20の厚みは、特に限定はされないが、15〜100μmの薄いフイルム20を製造する際にも本発明の効果を得ることができる。
なお、ポンプ25は高精度ギアポンプを用いることが好ましいが、特に限定されるものではない。また、流延室12では、ドープ21を流延する際には、流延ドラム31の速度変動を3%以下とし、流延ドラム31が一回転する際に生じる幅方向の蛇行を3mm以下とされることが好ましい。さらに、流延ドラム31は、流延ダイ30の真下に位置し、その上下方向の位置変動が形成される流延膜35の面状に多大な影響を与える。そのため、流延ドラム31の上下方向での位置変動は、500μm以下となるように調整されることが好ましい。
流延ダイ30に関して説明する。流延ダイ30としては、コートハンガー型のものを用いることが好ましい。また、その幅は特に限定されるものではないが、ドープ21の流延幅の1.05〜1.5倍の範囲のものであり、最終製品となるフイルム20の幅に対して1.01〜1.3倍程度のものを用いることが好ましい。その表面粗さは、0.05μm以下となるように研磨したものを用いることが好ましい。そして、材質としては、ジクロロメタンやメタノールと水との混合液に3ヵ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有するものを用いることが好ましく、ステンレス製であることが好ましい。より好ましくは、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製であることであるが、電解質水溶液での強制腐食試験により、SUS316製と略同等の耐腐食性を有するものも好ましく用いることができる。なお、熱膨張率が2×10−5(℃−1)以下である素材を用いると、流延ダイ30への熱ダメージを考慮する必要が低減されるので好ましい。
また、流延ダイ30は、鋳造後1ヶ月以上経過したものを研削加工して作製することが好ましい。これにより、流延ダイ30の内部にドープ21を円滑かつ一様に流すことができるので、流延膜35にスジなどが発生することを防止することができる。くわえて、流延ダイ30の接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下のものを用いることが好ましい。そして、ドープ21の流延口となるスリットのクリアランスは、自動調整により0.5〜3.5mmの範囲で調整可能なものを用いることが好ましい。その他にも、流延ダイ30のリップ先端の接液部の角部分において、Rがスリット全巾に亘り50μm以下のものを用いることが好ましい。なお、流延ダイ30の内部の剪断速度は、1〜5000(1/秒)となるように調整されているものを用いることが好ましい。
また、流延ダイ30に温調機(図示しない)を取り付けて、その内部の温度が所定の範囲で保持されるように調整することが好ましい。さらに、流延ダイ30の幅方向に、所定の間隔で厚み調整ボルト(ヒートボルト)とこのヒートボルトによる自動厚み調整機構とを取り付けて、さらに、あらかじめ設定されるプログラムによりヒートボルトを制御することにより、ポンプ25の送液量を調整して製膜を行うことが好ましい。このとき、厚み計(例えば、赤外線厚み計)を設けて、このプロファイルに基づく調整プログラムによってフィードバック制御を行ってもよい。なお、流延エッジ部を除いて任意の2点の厚み差は1μm以内に調整し、幅方向での厚みの最小値と最大値との差が3μm以下となるように調整することが好ましく、厚み精度は±1.5μm以下に調整されているものを用いることが好ましい。
流延ダイ30のリップ先端には、耐摩耗性の向上などを目的として、硬化膜が形成されていることが好ましい。硬化膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、セラミックスコーティングやハードクロムめっき、および窒化処理方法などが挙げられる。ただし、硬化膜としてセラミックスを用いる場合には、研削加工が可能であり、低気孔率、かつ脆性および耐腐食性に優れるとともに、流延ダイ30に対しては密着性に優れるが、一方でドープ21に対しては密着性に劣るものが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC)やAl2 3 、TiN、Cr2 3 などが挙げられる。中でも、WCを用いることが好ましい。なお、WCのコーティングは、溶射法で行うことができる。
また、流延ダイ30のスリット端に流出するドープ21が、局所的に乾燥固化することを防止するために、スリット端に溶媒供給装置(図示しない)を取り付けて、ドープ21を可溶化させる溶媒(例えば、ジクロロメタン86.5質量部、アセトン13質量部、n−ブタノール0.5質量部の混合溶媒)を流延ビードの両端部及びスリットと外気との両気液界面に供給することが好ましい。このとき、この可溶化溶媒の供給量は、特に限定されるものではないが、スリット端部の片側ずつに、0.1〜1.0mL/分の範囲で供給させると、流延膜35の内部に異物が混入することを防止することができるので好ましい。なお、可溶化溶媒を供給する際には、脈動率が5%以下のポンプを用いることが好ましい。
また、流延ダイ30に取り付けられている減圧チャンバ39により、流延ビードの背面部の減圧度を調整しながらドープ21を流延させると、安定した流延ビードを形成させることができるので好ましい。これにより、しわやつれなどを発生させずに面状に優れる流延膜35を形成させることができる。このとき、流延ビードの背面は、(大気圧−2000Pa)以上(大気圧−10Pa)以下の範囲で減圧することが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。
また、減圧チャンバ39にはジャケット(図示しない)を取り付けて、その内部温度が所定の温度を保つように温度制御されることが好ましい。減圧チャンバ39の温度は特に限定されるものではないが、使用する溶媒の凝縮点以上にすることが好ましい。くわえて、流延ビードの形状を所望のものに保つため、流延ダイ30のエッジ部に吸引装置(図示しない)を取り付けることが好ましい。このエッジ吸引風量は、1〜100L/分の範囲であることが好ましい。
なお、耳切装置45と乾燥室15との間に予備乾燥室(図示しない)を設けて、フイルム20を予備乾燥すると、乾燥室15においてフイルム20の膜面温度が急激に上昇することによる形状変化などを抑制することができるので好ましい。
また、流延バンド31から流延膜35を剥ぎ取った後から巻き取るまでの間で、多数のローラを配した渡り部(図示しない)を設けて、湿潤フイルム41を乾燥させてもよい。ただし、冷却ゲル化させることにより形成した直後の流延膜35は、搬送安定性が非常に低いために、搬送安定性に優れるピンテンタ13などで、ある程度乾燥を進行させてから行うことが好ましい。
本発明に用いることができるフイルム製造設備は、図1に示す形態に限定されるものではない。図3に、別形態のフイルム製造設備を示す。フイルム製造設備70の基本構造は、フイルム製造設備10と同じであるが、ピンテンタ13とクリップテンタ14との間に、複数の巻き掛けローラ75を備える巻き掛け乾燥室76が設けられている。なお、フイルム製造設備70は、巻き掛け乾燥室76以外の構成設備ならびに製造条件や工程などはフイルム製造設備10と同じであるため、説明は省略する。
巻き掛け乾燥室76では、ピンテンタ13により乾燥されて得られるフイルム20を複数の巻き掛けローラ75に巻き掛けながら搬送する間に、乾燥装置(図示しない)により乾燥を促進させる。これにより、乾燥をより促進させたフイルム20をクリップテンタ14に送り込むことができるので、延伸による分子配向の調整もより効果的に行うことができるようになる。なお、巻き掛け乾燥室76の内部温度は特に限定されるものではないが、クリップテンタ14の内部温度に近似した値にすると、フイルム20が急激に熱変化することがないので、熱ダメージを低減して作業を行うことができるので好ましい。また、巻き掛けローラ75の本数は、特に限定されるものではなく、配置スペースなどを考慮して適宜選択すればよい。
図4に、さらに別形態のフイルム製造設備を示す。図4(a)は、第1フイルム製造設備80であり、(b)は第2フイルム製造設備81である。本形態は、図1に示すフイルム製造設備10において、ピンテンタ13とクリップテンタ14との間で一旦分離し、別々の設備とした形態である。なお、本発明では、図1に示す形態をオンライン方式とし、図4に示す形態をオフライン方式と称する。
第1フイルム製造設備80には、流延室12とピンテンタ13のほかに、湿潤フイルム41の乾燥をより促進させるための乾燥室82と巻取室85とが設けられている。この巻取室85には、巻取りローラ83とプレスローラ84とが備えられている。また、第2フイルム製造設備81には、クリップテンタ14の上流側に、送出装置86が設けられている。
オフライン方式でフイルムを形成させる場合には、第1フイルム製造設備80において図1で説明した手順と同じようにして湿潤フイルム41を形成した後、この湿潤フイルム41をピンテンタ13で乾燥する。次に、湿潤フイルム41を乾燥室82に送り込み、乾燥を促進させてフイルム20とした後、このフイルム20を巻取りロール83に巻取ってロール状のフイルムを得る。この後、ロール状のフイルム、すなわちロール87を送出装置86の所定の位置にセットしてから、クリップテンタ14へと送り出し、以後、図1を示して説明した手順と同様にしてフイルムを形成させるものである。なお、ロール87を送り出す際の送出し速度は特に限定されるものではなく、送り出すフイルムの状態を観察して、破れやつれなどが生じない程度に適宜調整すればよい。このようなオフライン方式では、装置を小型化することができるので、省スペース化を実現させることができる等の効果を得ることができる。
以下、本発明でのドープ21の製造方法について説明する。図5は、本実施形態でのドープ製造設備の概略図である。なお、本発明はこの形態に限定されるものではない。
ドープ製造設備90は、溶媒を貯留している溶媒タンク91と、溶媒とTACなどのドープ21の原料を混合する溶解タンク92と、TACを供給するホッパ93と、添加剤を貯留する添加剤タンク94とが備えられている。また、後述する膨潤液95を加熱するための加熱装置96と、調製されたドープ21の温度を調整する温調機97と、このドープ中の異物を取り除く第1濾過装置98と、調製されたドープ21を濃縮するフラッシュ装置99と、第2濾過装置100と、溶媒を回収する回収装置101と、回収された溶媒を再生する再生装置102とが備えられている。また、このドープ製造設備10は、ストックタンク11を介してフイルム製造設備10と接続されている。なお、ドープ21を構成する材料に関しては、後で説明する。
ドープ製造設備90を用いてドープ21を調製する。まず、溶解タンク92にドープ21の原料を適宜適量送り込む。このとき、溶媒タンク91からは、バルブ105を開いて溶媒を適量送り込むとともに、ホッパ93からは、TACを適量送り込む。そして、添加剤タンク94からは適量の添加剤溶液を、バルブ106の開閉操作により溶解タンク12に送り込む。
溶解タンク92には、その外面を包み込むジャケット110と、モータ111により回転する第1攪拌機112と、モータ113により回転する第2攪拌機114とが備えられている。また、ジャケット110の内部に伝熱媒体を流すことにより、溶解タンク92の内部温度が調整されている。その温度範囲は−10〜55℃であることが好ましい。
溶解タンク92の内部では、上記のように送り込まれた各原料を、第1攪拌機112および第2攪拌機114を適宜選択して回転させて攪拌することにより、TACを溶媒中に膨潤させた膨潤液95を得ることができる。なお、第1攪拌機112は、アンカー翼が備えられたものであり、第2攪拌機114は、ディゾルバータイプの偏芯型撹拌機であることが好ましい。
膨潤液95を、加熱装置96に送り込む。送り込む量等は、ポンプ115により調整する。加熱装置96は、ジャケット付き配管であることが好ましく、さらに、膨潤液95を加圧することができる構成のものが好ましい。このような加熱装置95を用いることにより、加熱条件下または加圧加熱条件下で膨潤液95中の固形分を溶解させてドープ21を得ることができる。以下、この方法を加熱溶解法と称する。なお、膨潤液95の温度は、50〜120℃であることが好ましい。ただし、膨潤液95を−100〜−30℃の温度に冷却する冷却溶解法を行うこともできる。このような加熱溶解法または冷却溶解法を、適宜選択して行うことで、TACを溶媒に充分溶解させることができる。
ドープ21を温調機97により略室温とした後に、第1濾過装置98により濾過してドープ21中に含まれる不純物を取り除く。第1濾過装置98に使用される濾過フィルタは、平均孔径が100μm以下であることが好ましい。また、濾過流量は、50L/時以上であることが好ましい。濾過後のドープ21は、バルブ116を介してストックタンク11に送り込まれ、ここで貯留される。
上記のように、膨潤液95を調製してからドープ21を作製する方法は、TACの濃度を上昇させるほど要する時間が長くなるので、製造コストの点で問題となるおそれがある。したがって、この問題を改善するために、上記のような方法を用いる場合には、目的とする濃度よりも低濃度のドープ21を調製した後、濃縮させることにより目的の濃度のドープ21を調整することが好ましい。この場合、第1濾過装置98で濾過されたドープ21を、バルブ116を介してフラッシュ装置99に送り、このフラッシュ装置99内でドープ21中の溶媒の一部を蒸発させるようにすると濃縮したドープ21を得ることができる。なお、蒸発により発生した溶媒ガスは、凝縮器(図示しない)により凝縮されて液化された後、回収装置101により回収する。回収した溶媒を、再生装置102によりドープ調製用の溶媒として再生した後、再利用すると、製造コストを低減することができるので好ましい。
濃縮したドープ21は、ポンプ117によりフラッシュ装置99から抜き出される。このとき、ドープ21中の気泡を抜くために、泡抜き処理を行うことが好ましい。続いて、ドープ21を、第2濾過装置100に送り込み濾過することで異物を除去する。濾過する際のドープ21の温度は、0〜200℃であることが好ましい。そして、濾過したドープ21は、ストックタンク11に送り込み、そこで貯留する。ストックタンク11には、モータ22により回転する攪拌機23が取り付けられており、攪拌機23を常時回転させることにより、ドープ21の品質を均一に保持している。なお、上記の泡抜き処理の方法としては、公知の種々の方法(例えば、超音波照射法)を適用することができ、特に限定はされない。
上記の方法により得られるドープ21中のTAC濃度は、5〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは、15〜30質量%であり、特に好ましくは、17〜25質量%とすることである。また、添加剤(主に可塑剤)の濃度は、ドープ21中の固形分全体を100質量%とした場合に、1〜20質量%とすることが好ましい。なお、TACフイルムを得る溶液製膜法における素材、原料、添加剤の溶解方法および添加方法、濾過方法、脱泡などのドープ27の製造方法については、特開2005−104148号の[0517]段落から[0616]段落に詳細に記載されているが、これらの記載も本発明に適用できる。
なお、溶解タンク92に添加剤を送り込む方法は、本実施形態では、溶液として送り込む方法を示したが、この形態に限定されるものではない。例えば、添加剤が常温で液体の場合には、液体状態のままで溶解タンク92に送り込んでもよいし、添加剤が固体の場合には、ホッパなどを用いて添加剤を粉砕しながら溶解タンク92に送り込んでもよい。また、添加剤を複数種類用いる場合には、添加剤タンク94の中に複数種類の添加剤を溶解させた溶液を入れておくこともできるし、添加剤が溶解している溶液を貯留した多数の添加剤タンクを用いて、それぞれ独立した配管により、別途溶解タンク92に送り込むこともできる。
また、本実施形態では、ドープ21を構成する材料を溶解タンク92に入れる順番が、溶媒(混合溶媒の場合も含めた意味で用いる)、TAC、添加剤であったが、送り込む順番は特に限定されるものではない。例えば、TACを溶解タンク92に送り込んだ後に、溶媒を送液してもよい。なお、添加剤は必ずしも、溶解タンク92に入れる必要はなく、後の工程でTACと溶媒との混合物(以下、これらの混合物もドープと称する場合がある)に混合することもできる。
以下、本発明においてドープ21を調製する際に使用する原料について説明する。
本実施形態では、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、セルロースアシレートとしては、トリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基へのアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、AおよびBは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数が3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90質量%以上が0.1〜4mmの粒子であることが好ましい。ただし、本発明に用いることができるポリマーは、セルロースアシレートに限定されるものではない。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位および6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化の場合を置換度1とする)を意味する。
全アシル化置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6の値は、2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)の値は、0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上であり、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2は、グルコース単位における2位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、2位のアシル置換度と称する)であり、DS3は、グルコース単位における3位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、3位のアシル置換度と称する)であり、DS6は、グルコース単位において、6位の水酸基の水素がアシル基によって置換されている割合(以下、6位のアシル置換度と称する)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでもよいし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていてもよい。2種類以上のアシル基を用いるときには、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位、3位および6位の水酸基がアセチル基により置換されている度合いの総和をDSAとし、2位、3位および6位の水酸基がアセチル基以外のアシル基によって置換されている度合いの総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、2.22〜2.90であることが好ましく、特に好ましくは2.40〜2.88である。
また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましく、より好ましくは25%以上であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上であることが好ましい。さらに、セルロースアシレートの6位におけるDSA+DSBの値が0.75以上であり、さらに好ましくは、0.80以上であり、特には0.85以上であるセルロースアシレートも好ましく、これらのセルロースアシレートを用いることで、より溶解性に優れた溶液(ドープ)を作製することができる。特に、非塩素系有機溶媒を使用すると、優れた溶解性を示し、低粘度で濾過性に優れるドープを作製することができる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター綿、パルプ綿のどちらから得られたものでもよいが、リンター綿から得られたものが好ましい。
本発明におけるセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定はされない。例えば、セルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステル、芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどが挙げられ、それぞれ、さらに置換された基を有していてもよい。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などが挙げられる。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、特に好ましくは、プロピオニル基、ブタノイル基である。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなど)およびエーテル(例えば、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明においてドープとは、ポリマーを溶媒に溶解または分散させることで得られるポリマー溶液または分散液を意味している。
上記のハロゲン化炭化水素の中でも、炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フイルムの機械的強度および光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対して2〜25質量%が好ましく、より好ましくは、5〜20質量%である。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール、エタノール、n−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない溶媒組成も検討されている。この場合には、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく、これらを適宜混合して用いる場合もある。例えば、酢酸メチル、アセトン、エタノール、n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン、エステルおよびアルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン、エステルおよびアルコールの官能基(すなわち、−O−、−CO−、−COO−および−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も溶媒として用いることができる。
セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。また、溶媒および可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤(UV剤)、光学異方性コントロール剤、レタデーション制御剤、染料、マット剤、剥離剤、剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
本発明の溶液製膜方法では、ドープを流延する際に、2種類以上のドープを同時に共流延させて積層させる同時積層共流延、または、複数のドープを逐次に共流延して積層させる逐次積層共流延を行うことができる。なお、両共流延を組み合わせてもよい。同時積層共流延を行う場合には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いてもよいし、マルチマニホールド型の流延ダイを用いてもよい。ただし、共流延により多層からなるフイルムは、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとの少なくともいずれか一方が、フイルム全体の厚みの0.5〜30%であることが好ましい。また、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープが低粘度ドープにより包み込まれることが好ましく、ダイスリットから支持体にかけて形成される流延ビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
流延ダイ、減圧室、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フイルム回収方法まで、特開2005−104148号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフイルムの性能及びそれらの測定法は、特開2005−104148号の[1073]段落から[1087]段落に記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
[表面処理]
前記セルロースアシレートフイルムにおいては、少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が下塗りされていてもよい。
さらに、前記セルロースアシレートフイルムをベースフイルムとして、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。前記機能性層としては、帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層および光学補償層のうち、少なくとも1層を設けることが好ましい。
前記機能性層が、少なくとも一種の界面活性剤を0.1〜1000mg/m含有することが好ましく、少なくとも一種の滑り剤を0.1〜1000mg/m含有することが好ましい。また、前記機能性層が、少なくとも一種のマット剤を0.1〜1000mg/m含有することが好ましく、少なくとも一種の帯電防止剤を1〜1000mg/m含有することが好ましい。セルロースアシレートフイルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、上記以外にも、特開2005−104148号の[0890]段落から[1072]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されており、これらの記載も本発明に適用することができる。
本発明により得られるフイルムの用途について説明する。本発明により得られるフイルムは、高レタデーション値を有し、透明性に優れている。そのため、特に、偏光板保護フイルムとして有用である。なお、このフイルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を液晶層に2枚貼ることにより作製した液晶表示装置は、液晶表示能力に優れるなどの特長を示す。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特開2005−104148号(例えば、[1088]段落から[1265]段落)には、液晶表示装置として、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型、その他の例が詳しく記載されており、この方法も本発明に適用させることができる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフイルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフイルムについての記載や、適度な光学性能を付与し二軸性セルロースアシレートフイルムとして光学補償フイルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フイルムと兼用して使用することもできる。これらの記載も、本発明に適用させることができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、製造方法および製造条件などに関しては、実施例1においてのみ詳細に説明する。
図5に示すドープ製造設備90により下記原料を混合してドープ21を調製した。
セルローストリアセテート(置換度2.84、粘度平均重合度306、含水率0.2質量%、ジクロロメタン溶液中6質量%の粘度 315mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉体) 100質量部
ジクロロメタン(第1溶媒) 320重量部メタノール(第2溶媒) 83重量部1−ブタノール(第3溶媒) 3重量部可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.6重量部可塑剤B(ジフェニルフォスフェート) 3.8重量部UV剤a:2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール 0.7重量部UV剤b:2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール 0.3重量部クエン酸エステル混合物(クエン酸、モノエチルエステル、ジエチルエステル、トリエチルエステル混合物) 0.006重量部微粒子(二酸化ケイ素(平均粒径15nm)、モース硬度 約7) 0.05重量部
化1に示すレタデーション制御剤A 8重量部
ここで、レタデーション制御剤Aは、フイルムのレタデーションを上昇させる効果を図ることを目的とした物質である。なお、化1は、(a)に示す板状化合物、及び(b)に示す棒状化合物、或いはこれらの混合物である。
Figure 0004901249
ここで使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1質量%以下であり、Ca含有率が58ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また、6位のアシル置換度は0.91であり、全アセチル基中の32.5%が6位の水酸基が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8質量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。得られたTACのイエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、DSCにより測定したTg(ガラス転移温度)は160℃、結晶化発熱量は6.4J/gであった。なお、このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これを綿原料TACと称する。
まず、4000Lのステンレス製溶解タンク92に、上記の溶媒を混合してよく攪拌し、混合溶媒とした。なお、溶媒に使用する各原料は、いずれも含水率が0.5質量%以下のものを使用した。次に、ホッパ93から溶解タンク92にTACのフレーク状粉体を徐々に添加した。TAC粉末を溶解タンク92に投入した後、アンカー翼を有する第1攪拌機112を周速1m/秒とし、ディゾルバータイプの第2攪拌機114を周速5m/秒として30分間攪拌させることにより、TAC粉末を溶媒中に分散させた。なお、分散開始時の温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。また、レタデーション制御剤Bとして、N−N−ジ−m−トルイル−N−P−メトキシフェニル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミンを使用し、フイルム形態としたときに全質量に対して6.6質量%となるように調整して、溶解タンク92内に添加し混合した。
次に、あらかじめ調製しておいた添加剤溶液を、添加剤タンク94からバルブ116により送液量を調整しながら、全体が2000kgとなるように溶解タンク92に送り込んだ。そして、添加剤溶液の分散終了後、第1攪拌機112の周速を0.5m/秒と切り替えて100分間攪拌することにより、TACフレークを膨潤させて膨潤液95を得た。なお、膨潤終了までは、窒素ガスにより溶解タンク92内を0.12MPaになるように加圧した。このとき、溶解タンク92の内部は、酸素濃度が2vol%未満であり、防爆上で問題のない状態を保った。また、膨潤液95中の水分量は0.3質量%であった。
膨潤液95を、溶解タンク92からポンプ115を用いて加熱装置96に送り込んで50℃まで加熱した。そして、膨潤液95を2MPaの加圧下で90℃まで加熱して、TACや添加剤を溶媒中に完全に溶解させた。このとき、加熱時間は15分であった。次に、この溶解液を温調機97に送り込み、36℃まで温度を下げてから、公称孔径8μmのフィルタを有する第1濾過装置98を通過させて異物を除去し、ドープ(以下、濃縮前ドープと称する)を得た。なお、第1濾過装置98における1次側圧力を1.5MPa、2次側圧力を1.2MPaとした。また、高温にさらされるフィルタや、各装置を接続する配管などは、ハステロイ(商品名)合金製のものを使用した。
この濃縮前ドープを、80℃で常圧としたフラッシュ装置99によりフラッシュ蒸発させることにより濃縮し、ドープ21とした。フラッシュ後のドープ27の固形分濃度は22.5質量%であった。このとき、蒸発した溶媒を回収装置101で回収してから、再生装置102により再生した。そして、この再生した溶媒を、溶媒タンク91に送液してドープ調製用溶媒として再利用した。なお、回収装置101や再生装置102では、蒸留や脱水処理を行った。フラッシュ装置99のフラッシュタンクには、攪拌軸にアンカー翼を備えた攪拌機(図示しない)を設け、周速を0.5m/秒としてフラッシュされたドープ21を攪拌し脱泡処理を行った。このフラッシュタンク内のドープ21の温度は、25℃であり、タンク内におけるドープ21の平均滞留時間は50分であった。また、このドープ21を採取して25℃で測定した剪断粘度は、剪断速度10(秒−1)で450Pa・sであった。
濃縮後のドープ21は、弱超音波を照射して泡抜きを行った後、ポンプ117により1.5MPaに加圧した状態で、第2濾過装置100に送り込み濾過した。第2濾過装置100では、最初公称孔径10μmの焼結繊維金属フィルタを通過させてから、公称孔径10μmの焼結繊維フィルタを通過させた。このとき、それぞれの1次側圧力は1.5MPa、1.2MPaであり、2次側圧力は1.0MPa、0.8MPaであった。濾過後、温度を36℃に調整したドープ21を、2000Lのステンレス製ストックタンク11に送液して貯留した。ストックタンク11の内部では、中心軸にアンカー翼を備えた攪拌機23により、周速0.3m/秒で常時攪拌した。
図1に示すフイルム製造設備10にドープ21を供してフイルム20を製造した。まず、ストックタンク11から、1次側を増圧する機能を有する高精度のギアポンプ25を用いて、ドープ21を濾過装置26へ送った。このとき、1次側の圧力が0.8MPaになるようにインバーターモータによりギアポンプ25の上流側に対するフィードバック制御を行った。なお、ギアポンプ25は、容積効率99.2%であり、吐出量の変動率が0.5%以下の性能を有するものを用いた。このとき、吐出圧力は1.5MPaであった。そして、濾過装置26により濾過したドープ21を流延ダイ30に送液した。
流延ダイ30は、幅が1.8mのコートハンガータイプであり、厚み調整ボルトが20mmピッチに設けられ、かつヒートボルトによる自動厚み調整機構を具備しているものを使用した。このヒートボルトは、あらかじめ設定したプログラムによりギアポンプ25の送液量に応じたプロファイルを設定することもでき、フイルム製造設備10に設置した赤外線厚み計(図示しない)のプロファイルに基づいた調整プログラムによってフィードバック制御も可能な性能を有するものを用いた。また、その材質は、熱膨張率が2×10−5(℃−1)以下の析出硬化型のステンレス鋼であり、流延ダイ30の接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であり、スリットのクリアランスは1.5mmに調整した。さらに、流延ダイ30のリップ先端には、溶射法によりWC(タングステンカーバイト)コーティングを行って硬化膜を設けた。なお、接液面の角部分については、Rはスリット全巾に亘り50μm以下になるように加工されているものを用いた。
乾燥したフイルム20の膜厚が110μmとなるようにドープ21の流量を調整しながら、ドープ21を流延ドラム31上に流延した。このとき、流延ダイ30の吐出口からのドープ21の流延幅は1700mmとした。さらに、流延ダイ30に取り付けられたジャケット(図示しない)によりドープ21の温度を36℃に調整した。なお、製膜中、流延ダイ30および流延ダイ30と濾過装置26とを結ぶ配管はすべて、36℃に保温した。さらに、流延ダイ30の支持体移動方向上流側に減圧チャンバ39を設けて、流延ビード背面の減圧が大気圧より300Pa低くなるように調整した。また、流出するドープ21が局所的に乾燥固化することを防止するために、ドープ21を可溶化する溶媒を流延ビードの両側端部および吐出口との界面部に対して、それぞれ0.5ml/分供給した。この溶媒を供給するポンプの脈動率は5%以下であった。
支持体として流延ドラム31を用いた。この流延ドラム31は、直径が3m、幅が1.5mであり、表面はクロムめっきが施され、かつ表面粗さが0.05μm以下であり表面欠陥がないように研磨されている十分な耐腐食性と強度を有するものを用いた。この流延ドラム31には液流路が備えられており、その液流路に伝熱媒体循環装置37により伝熱媒体を供給して、流延ドラム31の表面温度を−10℃以下に保持した。また、流延ドラム31は、流延ドラム31が1回転する際に生じる流延ダイ30のリップと流延ドラム31との最近接距離(通常はドープを流延する位置である)の変動が500μm以下となるように配置した。
流延室12の温度は、温調設備33により35℃に保った。流延ドラム31上に形成された流延膜35に対して、乾燥装置(図示しない)から乾燥風を送り乾燥した。この乾燥風の飽和温度は、−8℃付近であった。また、流延室12内に窒素ガスを送り込み、空気と窒素とを置換することにより、流延ドラム31上での乾燥雰囲気における酸素濃度を5vol%に保持した。さらには、凝縮器(コンデンサ)34の出口温度を−10℃に設定して、流延膜35の内部などから揮発し流延室12内に浮遊している溶媒を凝縮回収した。なお、流延後から5秒間は、乾燥風が流延ビードや流延膜35に直接当たらないように遮風板(図示しない)を設けるとともに、流延ダイ30直近の静圧変動を±1Pa以下に抑制した。
流延膜35中の残留溶媒量が280重量%になった時点で、流延ドラム31から剥取ローラ32で支持しながら流延膜35を剥ぎ取って湿潤フイルム41を形成した。また、剥取不良を抑制しながらも搬送方向に張力を付与するため、流延ドラム31の速度に対して剥取速度(剥取ローラドロー)が4%になるように調整した。
湿潤フイルム41をピンテンタ13に送り込んだ。そして、湿潤フイルム41の両側端部をピンにより固定した状態で搬送する間に乾燥させてフイルム20とした。このとき、湿潤フイルム41をその幅方向に対して延伸倍率が5%となるように延伸させた。なお、ピンテンタ13の内部の温度は、70℃〜130℃の範囲内で略一定となるように調整した。
続けて、フイルム20をクリップテンタ14に送り込んだ。クリップテンタ14としては、複数の区画を有し、各区画の温度が異なるように調整することができる形態を使用した。そして、湿潤フイルム41の両側端部をクリップにより把持し、各区画内を搬送する間に乾燥を進行させた。このとき、フイルム20の膜面温度が120℃±20℃の範囲となるように各区画の温度を調整した。また、搬送している途中で、延伸前のフイルム20の幅に対して延伸後のフイルム20の幅が25%増加するようにフイルム20を延伸させた。なお、フイルム20が延伸または緩和されている間は、乾燥風温度を略一定に保持した。
クリップテンタ14の出口から30秒以内に設けた耳切装置45によりフイルム20の両側端部を切除した。耳切装置45は、NT型カッタを備える形態を使用し、フイルム20の両側端部から内側に向かって50mmmの位置で切断した。切断した両側端部(耳)は、カッターブロワ(図示しない)によりクラッシャ46に風送し、平均80mm程度のチップに粉砕した。なお、このチップは、TACフレークと共にドープ調製用原料として再利用した。また、耳切装置45と乾燥室15との間に予備乾燥室(図示しない)を設けて、100℃の乾燥風を供給することにより乾燥室15で高温乾燥する前にフイルム20を予備加熱した。
残留溶媒量が5重量%となったフイルム20を乾燥室15に送り込んだ。乾燥室15の内部には、送風機(図示しない)を設けて、この送風機により温調した乾燥風を給気し、フイルム20の膜面温度が140℃±40℃の範囲となるように調整した。そして、フイルム20の搬送張力を100N/mとしてローラ47で支持しながら搬送する間に、最終的にフイルム20の残留溶媒量が1重量%になるまで約10分間乾燥した。このとき、乾燥室15の内部に浮遊する溶媒ガスを、吸着回収装置48により回収した。吸着回収装置48としては、吸着剤が活性炭であり、脱着剤が乾燥窒素である形態を使用し、溶媒中の水分量が0.3質量%以下になるまで水分を除去した。なお、この水分を除去した溶媒は、ドープ調製用溶媒として再利用した。
乾燥室15と冷却室16との間に第1調湿室と第2調湿室(いずれも図示しない)とを設けて、フイルム20を調湿することによりカールなどの矯正を行った。第1調湿室において、温度50℃、露点20℃の空気を給気した後、続けて第2調湿室にフイルム20を搬送して、直接フイルム20に対して90℃、湿度70%の空気をあてた。
調湿後のフイルム20を、冷却室16に送り込んで30℃以下になるまで冷却した。そして、強制除電装置(除電バー)48により、フイルム20の帯電圧が、常時−3〜+3kVの範囲となるように調整した。続けて、ナーリング付与ローラ49によりフイルム20の両側端部にナーリングの付与を行った。なお、ナーリングはフイルム20の片側からエンボス加工を行うことにより付与した。このとき、ナーリングを付与する幅は10mmであり、凹凸の高さがフイルム20の平均厚みよりも平均して12μm高くなるようにナーリング付与ローラによる押し圧を調整した。
そして、巻取室17の内部に設置されている巻取ローラ50(φ169mm)により、巻き始め張力を300N/mとし、巻き終わりを200N/mとなるように調整しながらフイルム20を巻き取って、フイルム20のロール状製品を得た。巻き取り時のフイルム20の温度は23℃であり、含水量が1.0重量%、残留溶媒量が1重量%であった。巻取室17の内部は、室内温度28℃、湿度70%に保持するとともに、イオン風除電装置(図示しない)を設けて、フイルム20の帯電圧が−1.5〜+1.5kVとなるように調整した。また、巻き取り時では、巻きズレの変動幅(オシレート幅)を±5mmとし、巻取ローラ50に対する巻きズレ周期を400mとし、巻取ローラ50に対するプレスローラ51の押し圧を50N/mに設定した。なお、フイルム製造設備10では、全工程を通して、流延膜35や湿潤フイルム41およびフイルム20の平均乾燥速度を20重量%/分とした。
実施例1では、その結果、膜厚が85μmであり、巻き緩みやシワなどの欠陥のない優れた外観を有するとともに、10Gでの衝撃テストにおいて巻きずれがおきないロール状のフイルム製品を得た。また、クリップテンタ14に搬送する直前のフイルム20のX線強度を反射法により測定したところ、K1=15000cps、K2=13500cpsであり、K2≦K1であった。なお、K1は、反射法により得られるフイルム20のX線回折チャートのうち、入射X線の延長線と反射X線とのなす角度を2θ(°)、0≦2θ≦10でのX線回折強度の最大値であり、K2は、10≦2θ≦20でのX線回折強度の最大値である。
なお、上記のX線回折強度の測定に使用した条件など下記の通りである。
測定法:反射法
X線源:Cu−Kα モノクロメータ
管電流:150mA
管電圧:50V
走査速度:2°/分
発散スリット:0.15mm
散乱スリット:1°
また、各実施例で得られるフイルム20のレタデーション値および、透明性の指標としてヘイズを、下記方法によりそれぞれ測定し、評価を行った。
[レタデーション値Re、Rthの測定]
完成したフイルム20から70mm×100mmのサイズに切り出したサンプルを、温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、自動複屈折率計(王子計測(株);KOBRA21DH)を用いて、波長(λ)=632.8nmでの垂直方向および膜厚方向からの屈折率をそれぞれ測定した。そして、各測定値を、Re(λ)=(nx−ny)×d、Rth(λ)={(nx+ny)/2−nz}×dに適用させることによりReおよびRthを算出し、これらをフイルム20のレタデーション値として求めた。なお、nxは、フイルム20の面内の遅相軸方向(搬送方向)の屈折率であり、nyはフイルム20の面内の進相軸方向(幅方向)の屈折率であり、nzはフイルム20の厚み方向での屈折率である。その結果、実施例1では、Reは60nmであり、Rthは220nmであった。
[ヘイズの測定]
フイルム20の一部をサンプルとして採取し、このサンプルの光散乱透過率を光散乱透過率測定器(スガ試験機社製 HGM−2DP)により測定してヘイズ値(%)を求めた。なお、ヘイズ値とは、試験片の光散乱透過率を全光透過率で割り百分率(%)で表したものである。その結果、実施例1では、ヘイズ値が0.5%であった。
実施例2では、実施例1と製造設備および条件は同じながら、支持体として流延バンドを使用した。なお、クリップテンタ14に搬送する直前のフイルム20のX線回折強度を測定したところ、K1′=12000cps、K2′=13200cpsであり、K1′≦K2′であった。また、得られたフイルム20の特性を評価した結果、Reは55nm、Rthは210nmであり、ヘイズ値は3.2%であった。
各実施例で得られたフイルム20の特性を評価した結果、レタデーション値および透明性ともに、実施例2よりも実施例1の方が優れた値を示した。なお、実施例1では、レタデーション値は実施例2に対して若干優れる程度であったが、透明性は、実施例2の約6倍以上も高い値を示した。したがって、この結果と製造条件の違いなどから、フイルムのレタデーション値や透明性には、支持体形態の違い、およびクリップテンタを使用する直前での湿潤フイルムのX線回折強度の違いが影響を及ぼすことを確認した。この理由としては、残留溶媒量、すなわち高揮発成分の多い湿潤フイルムを高温で加熱することにより、ポリマーの結晶化を促進させることができるためであると考えられる。また、このような高角よりも低角の方が強い結晶構造を有する湿潤フイルムをクリップテンタにより幅方向に延伸させると、レタデーション制御剤の効果により分子の配向をより促進させることができるので、結果として、高レタデーション値を示すフイルムを製造することができたと考えられる。
以上より、支持体として表面が冷却された流延ドラムを使用して流延膜を形成した後、この流延膜を冷却固化させて自己支持性を持たせるように、さらに、この流延膜を支持体から剥ぎ取ることにより得られる湿潤フイルムをピンテンタで乾燥してフイルムとしてから、クリップテンタで幅方向に延伸しながら乾燥するようにし、くわえて、クリップテンタに送り込むフイルムのX線回折強度を所定の条件を満たすようにすると、透明性を低下させることなく高レタデーション値を有するフイルムを製造することができることが分かった。
本発明で用いるフイルム製造設備の概略図である。 本発明で用いるピンテンタの概略図である。 フイルム製造設備の一例の概略図である。 フイルム製造設備の一例の概略図である。 本発明で用いるドープ製造設備の概略図である。 実施例で製造した湿潤フイルムのX線回折強度のグラフである。
符号の説明
10 フイルム製造設備
12 流延室
13 ピンテンタ
14 クリップテンタ
20 フイルム
31 流延ドラム
32 剥取ローラ
35 流延膜
41 湿潤フイルム

Claims (7)

  1. ポリマー及び溶媒を含むドープを支持体上に流延して流延膜を形成する膜形成工程と、
    自己支持性を持つまで前記流延膜を冷却する冷却工程と、
    前記支持体より剥ぎ取られた前記流延膜をポリマーフイルムとし、このポリマーフイルムを幅方向に15%以上40%以下の延伸率で延伸する延伸工程とを有し、
    X線回折強度に関し、反射法により得られるX線解析チャートのうち、入射X線の延長線と反射X線とのなす角度を2θ(°)とし、0≦2θ≦10でのX線回折強度のピーク値をK1、10≦2θ≦20でのX線回折強度のピーク値をK2とするとき、前記延伸工程に供される前記ポリマーフイルムはK2≦K1であって、
    前記延伸工程を経た前記ポリマーフイルムの正面レタデーションReが10nm以上100nm以下であり、膜厚方向のレタデーションRthが50nm以上300nm以下であることを特徴とするポリマーフイルムの製造方法。
  2. 前記膜形成工程では温度が30〜35℃の前記ドープを−10〜10℃の前記支持体へ流延することを特徴とする請求項1記載のポリマーフイルムの製造方法。
  3. 前記ドープにはレタデーション上昇剤が含まれていることを特徴とする請求項1または2記載のポリマーフイルムの製造方法。
  4. 前記延伸工程の前に行われ、前記ポリマーフイルムを乾燥する乾燥工程を有することを特徴とする請求項1ないし3のうちいずれか1項記載のポリマーフイルムの製造方法。
  5. 前記ポリマーフイルムの残留溶媒量が50〜150重量%になるまで前記乾燥工程を行うことを特徴とする請求項4記載のポリマーフイルムの製造方法。
  6. 前記乾燥工程では多数のピンからなる固定手段により前記ポリマーフイルムの両側端部を固定して搬送する間に乾燥させるピン式テンタを用いることを特徴とする請求項4または5記載のポリマーフイルムの製造方法。
  7. 前記延伸工程では、クリップからなる把持手段により前記ポリマーフイルムの両側端部を挟持して搬送する間に、前記ポリマーフイルムの幅方向に張力を付して延伸させるクリップ式テンタを用いることを特徴とする請求項1ないし6のうちいずれか1項記載のポリマーフイルムの製造方法。
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