JP2008221760A - 溶液製膜方法及び溶液製膜設備 - Google Patents

溶液製膜方法及び溶液製膜設備 Download PDF

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Abstract

【課題】面状故障を抑えつつ、効率よくフイルムを製造する。
【解決手段】減圧チャンバ150は、各シール板152〜158により、中空部150aを有する箱型状に形成される。中空部150a内には、仕切り板160〜163が略左右対称に配置されている。前方シール板165は、減圧チャンバ150と流延ダイ70との間に配される。遮風ブロック170は、前面170aと底面170bと背面170cとを有し、ブロック状に形成される。遮風ブロック170は、背面170cと各シール板157、160〜163の前端とが固定するように設けられる。流路180は、遮風ブロック170の前面170aと前方シール板165の内面165aとから形成され、流延ビード200の背面200a近傍から中空部150aとを連通する。背面170cは、前面170よりも走行方向Z1上流側で、周面72aに対して起立するように設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、溶液製膜方法及び溶液製膜設備に関する。
ポリマフイルム(以下、フイルムと称する)は、優れた光透過性や柔軟性および軽量薄膜化が可能であるなどの特長から光学機能性フイルムとして多岐に利用されている。中でも、セルロースアシレートなどを用いたセルロースエステル系フイルムは、強靭性を有し、低複屈折率であることから、写真感光用フイルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(以下、LCDと称する)などの表示装置の構成部材である偏光板の保護フイルム、光学補償フイルムや視野角拡大フイルムなどの光学機能性フイルムとして用いられている。
主なフイルムの製造方法としては、溶融押出方法と溶液製膜方法とがある。溶融押出方法とは、ポリマをそのまま加熱溶解させた後、押出機で押し出してフイルムを製造する方法であり、生産性が高く、設備コストも比較的低額であるなどの特徴を有する。しかし、膜厚精度を調整することが難しく、また、フイルム上に細かいスジ(ダイライン)ができるために、光学機能性フイルムへ使用することができるような高品質のフイルムを製造することが困難である。一方、溶液製膜方法は、溶融押出方法と比べて、光学等方性や厚み均一性に優れるとともに、含有異物の少ないフイルムを得ることができるため、表示装置などに用いられる光学機能性フイルムは、主に溶液製膜方法で製造されている。
この溶液製膜方法の概要について説明する。まず、セルローストリアセテートなどのポリマをメチレンクロライドや酢酸メチルを主溶媒とする混合溶媒に溶解し、ドープを調製する。次に、このドープに所定の添加剤を混合し、流延ドープを調製する。第3に、流延ドープを流延ダイの流出口から走行する支持体(キャスティングドラムやエンドレスバンドなど)上に流延する(以下、流延工程と称する)。このとき、流延ダイの流出口と支持体との間の流延ドープは、流延ビードを形成する。こうして、流延工程において、支持体上に流延膜が形成される。第4に、この支持体が所定の走行速度で流延膜を搬送する。そして、支持体上での冷却、或いは乾燥により自己支持性を有するものとなった流延膜を、支持体から湿潤フイルムとして剥ぎ取り、この湿潤フイルムを乾燥させる(以下、乾燥工程と称する)。最後に、湿潤フイルムを乾燥させたものをフイルムとして巻き取る。
流延工程において、支持体の走行により、支持体の表面近傍には、同伴風が発生する。同伴風とは、支持体の走行により生じ、支持体表面近傍の空気の流れをいう。この同伴風が流延膜と支持体の表面との間に入り込む、或いは同伴風が流延ビードにあたることにより、フイルムの厚さムラ故障や、長手方向のスジ状のムラ等がフイルム表面に発生する面状故障が発生していた。
フイルムの厚さムラ故障や面状故障の発生を防ぐための方法として、流延工程において、減圧チャンバを用いる方法(例えば、特許文献1)や、いわゆる共流延を用いる方法(例えば、特許文献2)などが挙げられる。
減圧チャンバは、支持体の走行方向からみて上流側の流延ビードの面(以下、背面と称する)側を減圧する。この減圧チャンバを用いることにより、流延ビードの背面側の空気を吸引するため、同伴風の流延膜と支持体の表面との間への流入、或いは同伴風が流延ビードにあたることを防止することができる。
いわゆる共流延は、ポリマ含有濃度が高い内層用ドープを包み込むように、粘性が低い、すなわちポリマ含有濃度が低い表面層用ドープ及び裏面層用ドープ(以下、これらをまとめて、外層ドープと称する)をそれぞれ内層用ドープの一面側及び他面側に流延する方法である。この共流延を用いると、内層用ドープからなる内層と、内層の両側に層状に形成され、外層用ドープからなる外層を有する流延膜をつくることができ、この流延膜を剥ぎ取り乾燥することにより層構造を有するフイルムをつくることができる。この共流延により、例えば、光学特性に優れたドープからなる内層と、流延膜の成形性、剥ぎ取り性やフイルムのハンドリングに優れたドープからなる外層とを有する層構造のフイルムを製造することができる。このように各層を形成するドープの組成などを適宜調節することにより、製造容易性や優れたハンドリング性とともに、優れた光学特性を発揮する層構造のフイルムを製造することができる。
特開平3−193316号公報 特開昭56−162617号公報
ところで、近年の液晶表示装置等の需要の著しい伸長に応えるため、生産効率の高い溶液製膜方法の確立が求められている。溶液製膜方法の製膜速度は、流延工程が律速であることは周知である。したがって、流延工程における支持体の走行速度の向上を図ることにより、製膜速度の高速化を行うことができる。
しかしながら、支持体の走行速度の高速化(50m/分以上)に伴って、同伴風の発生量が増加する。同伴風の発生量増加に伴い、減圧チャンバによる減圧の度合い(以下、減圧度と称する)を増大し、同伴風が流延ビード近傍へ流入することを防ぐ必要がある。しかしながら、減圧度の増加により、流延ビードの背面近傍には、流延ビードの背面から減圧チャンバに向かって流れる減圧風の発生量が増加する。その結果、厚さムラ故障及び長手方向のスジ状のムラの他、斜めムラやハの字ムラなどがフイルム表面上に発生する面状故障が多発した。
この厚さムラ故障や、面状故障の発生を抑えるために、外層用ドープの粘性を更に下げるアプローチも考えられる。外層用ドープの粘性を下げるためには、現状よりもポリマ含有濃度が低いドープを外層用ドープとして用いればよい。
しかしながら、外層用ドープのポリマ含有濃度を更に低下させると、以下のような問題が生じる。
(1)フイルムの厚みムラ故障を誘発する、流延ビードの振動が発生しやすくなる。
(2)支持体上における冷却或いは乾燥により流延膜がゲル化しにくくなり、剥ぎ取りに十分な自己支持性が短時間で流延膜に発現しなくなる。
(3)回り込み現象がより顕著に発生し、製膜工程における流延膜の剥ぎ取りや湿潤フイルムの搬送が行えなくなる。
回りこみ現象とは、粘度が異なるドープが合流するフィードブロックや流延ダイ内部にて起こる現象であり、共流延に特有の現象である。粘度が異なるドープが合流すると、粘度の差異に起因する圧力損失を低減するように、粘度が低いドープが粘度の高いドープへ回り込んでしまう。その結果、流延膜の断面構造が、内層と外層との層構造とならずに、内層の周囲を外層が囲むような構造となってしまう。流延膜の表層は、ドープ含有濃度が低い外層用ドープから形成される。外層用ドープのドープ含有濃度が低くなると、ゲル化が起こりにくくなるため、流延膜の両側端部近傍の自己支持性が低くなる。したがって、外層ドープのドープ含有濃度をより低くすると、回り込み現象が発生しやすくなり、結果として、流延膜の剥ぎ取り性や湿潤フイルムの搬送が困難になる。
そして、複数のドープの粘度差が大きくなるほど、回り込み現象はより顕著に現れること、更に、現時点では、この回り込み現象を効果的に抑えるような手法も確立していないことから、共流延が、高速製膜下における厚みムラ故障や面状故障を抑えるための手段として十分ではない。
発明者らは、空気流動の可視化実験を行い、減圧チャンバ内部の空気流動と厚みムラ故障や面状故障との相関を調べたところ、以下を見出した。
(a)厚みムラ故障や面状故障が、減圧チャンバの内部における空気の流動の乱れに起因にすること。
(b)流延ビードの背面近傍における空気の過流や滞留が、斜めムラやハの字ムラの発生を誘発すること。
(c)減圧チャンバ内の空気の流れを整えることにより、厚さムラ故障や面状故障を抑えることが可能となり、特に、斜めムラやハの字ムラの発生を抑制する効果が顕著に現れること。
本発明は、フイルムの面状故障や厚さムラ故障を回避しつつ、高速製膜を可能にする溶液製膜設備及び溶液製膜方法を提供することを目的とする。
本発明は、走行するエンドレスの支持体と、前記支持体上に、ポリマと溶媒とを含むドープを流延する流延ダイと、前記ドープにより前記流延ダイと前記支持体との間に形成される流延ビードの背面側の空気を内部に吸引する減圧チャンバと、前記支持体上に流延膜を形成した後に前記支持体から前記流延膜を湿潤フイルムとして剥ぎ取る剥取ローラと、前記湿潤フイルムを乾燥してフイルムとする乾燥手段とを備える溶液製膜設備において、前記流延ビードの背面側と前記内部とを連通し、幅W1が、0.1mm以上2mm以下である流路を備えることを特徴とする。
前記流延ビードの幅方向に伸びるように形成される遮風部材が、前記支持体に対して起立するように、前記流路に対し前記支持体の走行方向上流側に設けられることが好ましい。前記遮風部材と前記支持体との間隔CL1が0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。前記流路が、前記遮風部材と一体に形成されることが好ましい。
前記流路または前記遮風部材の温度をT1(℃)とし、前記流延ビードの近傍の雰囲気から前記溶媒が凝縮する温度をT2(℃)とし、前記溶媒の沸点をBP(℃)とするときに、T2<T1<BPとなるように温度T1を調節する温度調節装置を備えることが好ましい。前記減圧チャンバの減圧度が、−350Pa以上−2000Pa以下であることが好ましい。前記流路が、前記流延ダイまたは前記減圧チャンバに取り付けられていることが好ましい。
また、本発明は、走行するエンドレスの支持体上に、流延ダイを用いてポリマと溶媒とを含むドープを前記支持体に流延する流延工程と、前記ドープにより前記流延ダイと前記支持体との間に形成される流延ビードの背面側の空気を減圧チャンバの開口部から吸引する吸引工程と、前記支持体上に流延膜を形成した後に前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取り乾燥させて、フイルムを製造する乾燥工程とを備える溶液製膜方法において、前記流延ビードの背面側と前記内部とを連通し、幅W1が、0.1mm以上2mm以下である流路を設けて、前記吸引工程を行うことを特徴とする。
前記流延ビードの幅方向に伸びるように形成される遮風部材を、前記支持体に対して起立するように、前記流路に対し前記支持体の走行方向上流側に設けることが好ましい。前記遮風部材と前記支持体との間隔CL1が0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。
前記流路または遮風部材の温度をT1(℃)とし、前記流延ビード近傍の雰囲気から前記溶媒が凝縮する温度をT2(℃)とし、前記溶媒の沸点をBP(℃)とするときに、T2<T1<BPとなるように温度T1を調節することが好ましい。前記減圧チャンバの減圧度が、−350Pa以上−2000Pa以下であることが好ましい。
本発明によれば、流延ビードの背面側の空気を内部に吸引する減圧チャンバと、前記流延ビードの背面側と前記内部とを連通し、幅W1が、0.1mm以上2mm以下である流路とを備えるため、高速製膜下においても同伴風の流延ビードの背面近傍への流入や流延ビードの背面近傍における空気の渦流や滞留を抑えることができる。したがって、本発明によれば、厚さムラ故障や面状故障の発生を抑えながら、効率よくフイルムを製造することができる。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施形態に限定されるものではない。
[原料]
セルロースアシレートは、セルロースの水酸基への置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートを用いることが好ましい。以下、下記式を満たすセルロースアシレートをTACと称する。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
但し、式中A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはセルロースの水酸基の水素原子に対するアセチル基の置換度、またBはセルロースの水酸基の水素原子に対する炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90重量%以上が0.1mm〜4mmの粒子を用いることが好ましい。なお、本発明に用いられるポリマはTACに限定されるものではない。
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位,3位及び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位,3位及び6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1)を意味する。
全アシル置換度、即ち、DS2+DS3+DS6は2.00上〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DS6/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル置換度」とも言う)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル置換度」とも言う)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「6位のアシル置換度」とも言う)である。
本発明のセルロースアシレートに用いられるアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基が使用されていても良い。2種類以上のアシル基を用いるときは、その1つがアセチル基であることが好ましい。2位,3位及び6位の水酸基のアセチル基による置換度の総和をDSAとし、2位,3位及び6位の水酸基のアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは2.2〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.7以上である。さらにDSBはその20%以上が6位水酸基の置換基であるが、より好ましくは25%以上が6位水酸基の置換基であり、特には33%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。また更に、セルロースアシレートの6位の置換度が0.75以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.80以上であり特に好ましくは0.85以上であるセルロースアシレートを用いることである。これらのセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液(ドープ)が作製できる。特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。更に粘度が低く濾過性の良い溶液の作製が可能となる。
セルロースアシレートは、リンター,パルプのどちらから得られたものでも良い。
本発明のセルロースアシレートの炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でも良く特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル基、ブタノイル基、ケプタノイル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基、iso−ブタノイル基、t−ブタノイル基、シクロヘキサンカルボニル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル基、ブタノイル基、ドデカノイル基、オクタデカノイル基、t−ブタノイル基、オレオイル基、ベンゾイル基、ナフチルカルボニル基、シンナモイル基などがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル基、ブタノイル基である。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、本発明において、ドープとはポリマを溶媒に溶解または分散して得られるポリマ溶液または分散液を意味している。
炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フイルムの機械的強度など及びフイルムの光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを一種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2重量%〜25重量%が好ましく、5重量%〜20重量%がより好ましい。アルコールの具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
最近、環境に対する影響を最小限に抑えるため、ジクロロメタンを用いない溶媒組成も提案されている。この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルが好ましく、特に酢酸メチルが好ましく用いられる。また、これらを適宜混合して用いる。これらのエーテル、ケトン及びエステルは、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトン及びエステルの官能基(すなわち、−O−,−CO−及び−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を有する溶媒の場合、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であれば良い。
セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号の[0141]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載は本発明にも適用できる。また、溶媒及び可塑剤,劣化防止剤,紫外線吸収剤,光学異方性コントロール剤,レターデーション制御剤,染料,マット剤,剥離剤などの添加剤、同じく特開2005−104148号の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。
[ドープ製造方法]
図1にドープ製造ライン10を示す。ドープ製造ライン10には、溶媒を貯留するための溶媒タンク11と、溶媒とTACなどとを混合するための溶解タンク13と、TACを供給するためのホッパ14、添加剤液を貯留するための添加剤タンク15とが備えられている。さらに、後述する膨潤液を加熱するための加熱装置26と、調製されたドープの温度を調整する温調機27と、濾過装置28とを備えている。さらに、調製されたドープを濃縮するフラッシュ装置31,濾過装置35なども備えられている。また、溶媒を回収するための回収装置32と、回収された溶媒を再生するための再生装置33とが備えられている。そして、ドープ製造ライン10には、ストックタンク30を介してフイルム製造ライン40が接続されている。
初めに、溶媒タンク11と溶解タンク13とを接続する配管に設けられたバルブ12を開き、溶媒を溶媒タンク11から溶解タンク13に送る。次に、ホッパ14に入れられているTACを計量しながら溶解タンク13に送り込む。添加剤タンク15と溶解タンク13とを接続する配管に設けられたバルブ16の開閉操作を行って、必要量の添加剤溶液を添加剤タンク15から溶解タンク13に送り込む。なお、添加剤は溶液として送り込む方法以外にも、例えば添加剤が常温で液体の場合には、その液体の状態で溶解タンク13に送り込むことも可能である。また、添加剤が固体の場合には、ホッパを用いて溶解タンク13に送り込むことも可能である。添加剤を複数種類添加する場合には、添加剤タンク15中に複数種類の添加剤を溶解させた溶液を入れておくこともできる。または、多数の添加剤タンクを用いてそれぞれに添加剤が溶解している溶液を入れて、それぞれ独立した配管により溶解タンク13に送り込むこともできる。
前述した説明においては、溶解タンク13に入れる順番が、溶媒(混合溶媒の場合も含めた意味で用いる)、TAC、添加剤であったが、この順番に限定されるものではない。TACを計量しながら溶解タンク13に送り込んだ後に、好ましい量の溶媒を送液することもできる。また、添加剤は必ずしも溶解タンク13に予め入れる必要はなく、後の工程でTACと溶媒との混合物(以下、これらの混合物もドープと称する場合がある)に混合させることもできる。
溶解タンク13には、その外面を包み込むジャケット17と、モータ18により回転する第1攪拌機19とが備えられている。さらに、溶解タンク13には、モータ20により回転する第2攪拌機21が取り付けられていることが好ましい。なお、第1攪拌翼19は、アンカー翼であることが好ましく、第2攪拌翼21は、ディゾルバータイプのものを用いることが好ましい。ジャケット17に伝熱媒体を流して溶解タンク13内を−10℃〜55℃の範囲に温度調整することが好ましい。第1攪拌翼19,第2攪拌翼21を適宜選択して回転させることでTACが溶媒中で膨潤した膨潤液22を得ることができる。
膨潤液22をポンプ25により加熱装置26に送液する。加熱装置26は、ジャケット付き配管を用いることが好ましく、更に膨潤液22を加圧できる構成であることが好ましい。膨潤液22を加熱または加圧加熱条件下でTACなどを溶媒に溶解させてドープを得る。なお、この場合に膨潤液22の温度は、0℃〜97℃であることが好ましい。加熱溶解法及び冷却溶解法を適宜選択して行うことでTACを溶媒に十分溶解させることが可能となる。温調機27によりドープの温度を略室温とした後に、濾過装置28により濾過を行いドープ中の不純物を取り除く。濾過装置28の濾過フィルタの平均孔径が100μm以下であることが好ましい。また、濾過流量は、50L/時以上であることが好ましい。濾過後のドープは、バルブ29を介してストックタンク30に入れられる。
前記ドープは、後述する原料ドープとして用いることが可能である。しかしながら、膨潤液22を調製した後にTACを溶解させる方法は、TACの濃度を上昇させるほど時間がかかりコストの点で問題が生じる場合がある。その場合には、目的とするTAC濃度より低濃度のドープを調製した後に目的とする濃度のドープを調製する濃縮工程を行うことが好ましい。濾過装置28で濾過されたドープを、バルブ29を介してフラッシュ装置31に送液する。フラッシュ装置31内でドープ中の溶媒の一部を蒸発させる。蒸発した溶媒は、凝縮器(図示しない)により液体とした後に回収装置32で回収する。その溶媒は再生装置33によりドープ調製用の溶媒として再生を行い再利用することがコストの点から有利である。
濃縮されたドープをフラッシュ装置31からポンプ34を用いて抜き出す。さらに、ドープ中の泡抜きを行うことが好ましい。泡抜きは、公知のいずれの方法により行っても良く、例えば超音波照射法が挙げられる。その後に濾過装置35に送液して異物の除去を行う。なお、この際にドープの温度が0℃〜200℃であることが好ましい。そして、ストックタンク30にドープを入れる。
これらの方法により、TAC濃度が5重量%〜40重量%のドープを製造することができる。なお、製造されたドープ(以下、原料ドープと称する)36は、ストックタンク30に貯蔵される。
上述したドープ製造ライン10での、素材、原料、添加剤の溶解方法、濾過方法、脱泡、添加方法については、特開2005−104148号の[0517]段落から[0616]段落が詳しい。これらの記載も本発明に適用できる。
[溶液製膜方法]
図2にフイルム製造ライン40を示す。ストックタンク30には、モータ41で回転する攪拌翼42が取り付けられている。攪拌翼42を回転させることで原料ドープ36を攪拌して常に濃度等を均一にしている。ストックタンク30と後述するフィードブロックとの間には、中間層用ドープ流路43と裏面用ドープ流路44と表面層用ドープ流路45とが接続されている。原料ドープ36は、それぞれの流路43,44,45に設けられているポンプ46,47,48により送液される。ポンプ46,47,48は、図示しない制御部に接続する。この制御部により、ポンプ46,47,48は、所定の流量で各ドープを送り出す。
(ポンプ)
ポンプ46〜48は、中間層用ドープ54,裏面層用ドープ59,表面層用ドープ64を所定の流量でフィードブロック69に送液する。このポンプ46〜48としては、ギアポンプを用いることが好ましい。このギアポンプとしては、公知のギアポンプであればいずれでもよい。
中間層用ドープ流路43には、配管を介してストックタンク50が接続する。ストックタンク50には、中間層用添加液51が貯留する。流路43とストックタンク50とを接続する配管には、ポンプ52が設けられる。ストックタンク50中の中間層用添加液51は、ポンプ52により中間層用ドープ流路43に送液され、中間層用ドープ流路43中の原料ドープ36に添加される。その後、原料ドープ36と中間層用添加液51とは、中間層用ドープ流路43に設けられる静止型混合器(スタティックミキサ)53により攪拌混合されて均一となる。以下、このドープを中間層用ドープ54と称する。中間層用添加液51には、例えば紫外線吸収剤,レターデーション制御剤や可塑剤などの添加剤が予め含まれた溶液(または分散液)が入れられている。
裏面用ドープ流路44には、配管を介してストックタンク55が接続する。ストックタンク55には、裏面用添加液56が貯留する。流路44とストックタンク55とを接続する配管には、ポンプ57が設けられる。ストックタンク55中の裏面用添加液56は、ポンプ57により裏面用ドープ流路44に送液され、裏面用ドープ流路44中の原料ドープ36に添加される。その後、原料ドープ36と裏面用添加液56とは、裏面用ドープ流路44に設けられる静止型混合器58により攪拌混合されて均一となる。以下、このドープを裏面層用ドープ59と称する。裏面用添加液56には、支持体である流延ドラムからの剥離を容易とする剥離促進剤(例えば、クエン酸エステルなど)、フイルムをロール状に巻き取った際にフイルム面間での密着を抑制するマット剤(例えば、二酸化ケイ素など)や劣化防止剤などの添加剤が予め含有されている。なお、裏面用添加液56には、可塑剤,紫外線吸収剤やレターデーション制御剤などの光学特性制御剤などの添加剤が含まれていても良い。
表面層用ドープ流路45には、配管を介してストックタンク60が接続される。ストックタンク60には、表面層用添加液61が貯留する。流路45とストックタンク60とを接続する配管には、ポンプ62が設けられる。ストックタンク60中の表面層用添加液61は、ポンプ62により表面層用ドープ流路45に送液され、表面層用ドープ流路45中の原料ドープ36に添加される。その後、原料ドープ36と表面層用添加液61とは、表面層用ドープ流路45に設けられる静止型混合器63により攪拌混合されて均一となる。以下、このドープを表面層用ドープ64と称する。表面層用添加液61には、フイルムをロール状に巻き取った際にフイルム面間での密着を抑制するマット剤(例えば、二酸化ケイ素など)や劣化防止剤などの添加剤が予め含有されている。なお、表面層用添加液61には、剥離促進剤,可塑剤,紫外線吸収剤やレターデーション制御剤などの光学特性制御剤などの添加剤が含まれていても良い。
(ドープの粘性)
本実施形態では、基層を形成するドープ(以下、基層形成用ドープと称する)として中間層用ドープ54を用い、表層を形成するドープ(以下、表層形成用ドープと称する)として、裏面層用ドープ59,表面層用ドープ64を用いる。基層形成用ドープとしては、製造する光学機能性フイルムの強度や光学的機能に適するドープを用い、表層形成用ドープとしては、光学機能性フイルムの平面性や滑り性を良くするためのドープを用いる。また、上記に加え、表層形成用ドープとして、基層形成用ドープよりも粘性が低いものを用いることが好ましい。これにより、後述する乾燥工程などにおいて、後述する積層流延膜や湿潤フイルムの表面におけるスジやムラの生成や、厚さムラなどを防ぐことができる。
流延室68には、各ドープ54、59、64とから積層ドープをつくるフィードブロック69と、積層ドープを流延する流延ダイ70と、積層ドープから積層流延膜71をつくる支持体であるキャスティングドラム(以下、流延ドラムと称する)72と、流延ドラム72から積層流延膜71を剥ぎ取って、湿潤フイルム73とする剥取ローラ74と、流延室68内の温度を所定の範囲で略一定に保つ温調設備77と、流延室68内に蒸発している有機溶媒を凝縮回収するための凝縮器(コンデンサ)78とが備えられている。流延室68の温度が−10℃以上57℃以下の範囲で略一定に保たれていることが好ましい。凝縮器78によって凝縮液化した有機溶媒は、回収装置79により回収され再生させた後に、ドープ調製用溶媒として再利用される。
流延ダイ70は、フィードブロック69の下流側に配される。流延ダイ70の下流には流延ドラム72が設けられている。中間層用ドープ54,裏面層用ドープ59,表面層用ドープ64は、ポンプ46〜48により、フィードブロック69にそれぞれ所望の流量で送液される。各ドープ54、59、64は、フィードブロック69内で合流し、積層ドープとなって流延ダイ70へ送られる。
(フィードブロック)
フィードブロック69は、1つのドープ出口(図示しない)を有する。フィードブロック69の内部には、第1〜第3流路(図示しない)が設けられている。第1流路は、フィードブロック69を貫通するように鉛直下向きに延びるように、配管43とドープ出口とを連通する。第2流路は、配管44と第1流路の途中に設けられる合流部と連通する。第3流路は、配管45と第1流路の途中に設けられる合流部と連通する。また、合流部近傍の第2流路及び第3流路には、適宜、ディストリビューションピンが設けられる。このディストリビューションピン及びポンプ46〜48などにより、第1〜第3流路を通過する各ドープ54、49、64の流量を独立に調節することができる。
(流延ダイ)
流延ダイ70は、フィードブロック69のドープ出口と連通するドープ入口を有する。また、流延ダイ70の先端には、積層ドープを流出する流出口70a(図3参照)を備える。また、流延ダイ70の内部に形成されるダイ流路は、ドープ入口と流出口70aとを連通する。
流延ダイ70及びフィードブロック69の材質としては、析出硬化型のステンレス鋼が好ましく、その熱膨張率が2×10−5(℃−1)以下であることが好ましい。そして、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316製と略同等の耐腐食性を有するものも、この流延ダイ70の材質として用いることができ、さらに、ジクロロメタン、メタノール、水の混合液に3ヵ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有するものを用いられる。さらに、鋳造後1ヶ月以上経過したものを研削加工して流延ダイ70を作製することが好ましい。これにより流延ダイ70及びフィードブロック69内を積層ドープが一様に流れ、後述する積層流延膜71にスジなどが生じることが防止される。流延ダイ70及びフィードブロック69の接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であることが好ましい。
流出口70a(図3参照)のスリットのクリアランスは、自動調整により0.5mm〜3.5mmの範囲で調整可能とされている。流延ダイ70のリップ先端の接液部の角部分について、そのRは全巾にわたり50μm以下とされている。また、流延ダイ70内部における剪断速度が1(1/秒)〜5000(1/秒)となるように調整されていることが好ましい。このような流延ダイ70を用いることにより、表面にスジが形成されず、厚さムラのない積層流延膜71を流延ドラム72の周面72a上に形成することができる
流延ダイ70の幅は、特に限定されるものではないが、最終製品となるフイルムの幅の1.1倍〜2.0倍であることが好ましい。また、製膜中の温度が所定温度に保持されるように、この流延ダイ70に温調機(図示しない)を取り付けることが好ましい。また、流延ダイ70にはコートハンガー型のものを用いることが好ましい。さらに、厚み調整ボルト(ヒートボルト)を流延ダイ70の幅方向において所定の間隔で設け、ヒートボルトによる自動厚み調整機構が流延ダイ70に備えられていることがより好ましい。ヒートボルトは予め設定されるプログラムによりポンプ(高精度ギアポンプが好ましい)46〜48の送液量に応じてプロファイルを設定し製膜を行うことが好ましい。また、フイルム製造ライン40中に図示しない厚み計(例えば、赤外線厚み計)のプロファイルに基づく調整プログラムによってフィードバック制御を行っても良い。流延エッジ部を除いて製品フイルムの幅方向の任意の2点の厚み差は1μm以内に調整し、幅方向厚みの最小値と最大値との差が3μm以下となるように調整することが好ましく、2μm以下に調整することがより好ましい。また、厚み精度は±1.5μm以下に調整されているものを用いることが好ましい。
流延ダイ70のリップ先端には、硬化膜が形成されていることがより好ましい。硬化膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、セラミックスコーティング、ハードクロムメッキ、窒化処理方法などが挙げられる。硬化膜としてセラミックスを用いる場合には、研削でき気孔率が低く脆くなく耐腐食性が良く、かつ流延ダイ70と密着性が良いものが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC),Al23,TiN,Cr23などが挙げられるが、なかでも特に好ましくはWCである。WCコーティングは、溶射法で行うことができる。
(流延ドラム)
略円筒状または円柱形状に形成される流延ドラム72は、駆動装置によりその軸32bを中心に回転する。この駆動装置によって、流延ドラム72は、その周面72aは所定の走行方向Z1に所定速度(10m/分以上300m/分以下)で回転する。流延ドラム72の周面72aは、クロムメッキ処理が施され、十分な耐腐食性と強度を有する。また、流延ドラム72の周面72aの温度を所望の温度に保つために、流延ドラム72に伝熱媒体循環装置75が取り付けられている。この伝熱媒体循環装置75にて所望の温度に保持されている伝熱媒体が、流延ドラム72内の伝熱媒体流路を通過することにより、流延ドラム72の周面72aの温度を所望の温度に保持できる。
流延室68の下流には、湿潤フイルム73を乾燥させてフイルム85とするピンテンタ86と、このフイルム85を乾燥させながら延伸するクリップテンタ87とが設けられている。フイルム85は、クリップテンタ87の所定条件下の延伸処理によって、所望の光学特性が付与される。なお、ピンテンタ86は、固定手段として複数のピンを有する乾燥装置であり、クリップテンタ87は、把持手段としてクリップを有する乾燥装置である。なお、クリップテンタ87は省略しても良い。
クリップテンタ87の下流には耳切装置88が設けられている。この耳切装置88には、クラッシャ89が備えられており、ここで、フイルム85の両側端部は切断された後、クラッシャ89に送り込まれて粉砕される。粉砕されたフイルム細片は、原料ドープとして再利用される。
耳切装置88の下流には乾燥室105が設けられている。乾燥室105には、多数のローラ104と吸着回収装置106とが備えられている。さらに、乾燥室105に併設された冷却室107の下流には、強制除電装置(除電バー)108が設けられている。また、本実施形態では、強制除電装置108の下流側に、ナーリング付与ローラ109を設けている。
ナーリング付与ローラ109の下流には巻取り室110が設けられている。巻取室110の内部には、巻取ローラ111とプレスローラ112とが備えられている。十分に乾燥したフイルム85は、プレスローラ112により所望のテンションを付与されながら、巻取ローラ111に巻き取られる。なお、テンションは巻取開始時から終了時まで徐々に変化させることがより好ましい。巻き取られるフイルム85は、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。
また、フイルム85の幅は、600mm以上であることが好ましく、1400mm以上2500mm以下であることがより好ましい。また、フイルム85の幅が2500mmより大きい場合にも効果がある。フイルム85の厚みは、15μm以上100μm以下の薄いフイルムを製造する際にも適用できる。
(減圧チャンバ)
次に、図3及び図4を用いて、減圧チャンバ150及び減圧チャンバ150の近傍の詳細について説明する。流延工程において、流延ダイ70は流出口70aから流延ドラム72の周面72aへ積層ドープを流延する。このとき、積層ドープは、流出口70aから流延ドラム72の周面72aにかけて、流延ビード200を形成する。
減圧チャンバ150は、流延ダイ70と剥取ローラ74との間の、周面72aの近傍に配される(図2参照)。減圧チャンバ150は、−10Pa〜−2000Paの範囲で背面200a側を減圧することができる。背面200a側を−350Pa以上−2000Pa以下に減圧することが好ましい。この減圧チャンバ150による減圧度は、周面72aの走行速度など、製造条件に応じて適宜決定されることが好ましい。
なお、本明細書において、「流延ビード200の背面200a側を−X(Pa)以下に減圧する」とは、前面側よりもX(Pa)以上低くなるように、背面200a側を減圧することをいう。背面200aとは、周面72aの走行方向Z1からみて上流側の流延ビード200の面をいい、前面とは、走行方向Z1からみて下流側の流延ビード200の面をいう。
減圧チャンバ150は、図示しない吸引装置と接続する。減圧チャンバ150は、上部シール板152、フロントシール板153、左右で一対のサイドシール板157、エンドシール板158により、中空部150aを有する箱型状に形成され、1つの側面の下部に開口部150b、底面に開口部150cを有する。
中空部150a内には、サイドシール板157と平行になるように、サイドシール板157側から中央側に向かって、複数の仕切り板160、161、162、163が略左右対称に配置されている。これら仕切り板160〜163は、上部シール板152に固定されて取り付けられている。また、仕切り板162、163の後端には、これら仕切り板162、163の間隔を保持する保持板165を固定してもよい。保持板165は、周面72aに対して起立するように設けられることが好ましい。保持板165の両側端部は、一対の仕切り板161にそれぞれ固定する。これら仕切り板160〜163によって、中空部150a内の幅方向両端部における気流は、周面72aの走行方向Z1と略逆向きになる。なお、仕切り板162、163の数や配置ピッチは、流延ビード200の幅に応じて、適宜増減することが好ましい。
前方シール板165は、減圧チャンバ150と流延ダイ70との間に配され、上部シール板152の前端と固定するように設けられる。また、流延ダイ70と当接する前方シール板165には、パッキン(図示しない)が設けられることが好ましい。
また、遮風ブロック170は、ブロック状に形成され、前方シール板165の内面165aと対向する前面170aと、周面72aと対向する底面170bと、前面170aに対し走行方向Z1上流側で、周面72aに対して起立するように設けられる背面170cとを有する。周面72aとの角度は、特に限定されないが、例えば、略90°であることが好ましい。遮風ブロック170は、サイドシール157及び仕切り板160〜163の前端と背面170cとが固定するように設けられる。こうして、開口部150bの一部は、後述する流路180と連通し、残りの開口部150bは背面170cにより塞がれる。
遮風ブロック170は、流延ビード200の幅方向に伸びるように形成され、一方のサイドシール板157から他方のサイドシール板157までの開口部150bを塞ぐように形成されることが好ましい。なお、流延ビード200の幅方向における遮風ブロック170の長さは、幅方向における開口部150bの一部(両端や中央部)を塞ぐようなものでもよく、例えば、サイドシール板157から仕切り板160〜162までの開口部150bを塞ぐ程度の長さとしても。また、一対の仕切り板160〜162の間の開口部150bを塞ぐように遮風ブロック170を設けても良い。
流路180は、遮風ブロック170の前面170aと前方シール板165の内面165aとから形成され、流延ビード200の背面200a近傍と中空部150aとを連通する。また、遮風ブロック170は、流路180の幅がW1に、そして、遮風ブロック170の底面170bと周面72aとの間隔がCL1になるように配される。
遮風ブロック170は、配管185により、温調機(図示しない)と接続する。温調機は、伝熱媒体の温度を調節する温度調節部と、温度が調節された伝熱媒体を、遮風ブロック170に設けられる伝熱媒体流路186に送り、この伝熱媒体流路186を流れた伝熱媒体を温度調節部へ送る循環部とを有する。この配管185により、遮風ブロック170と温調機との間で伝熱媒体が循環し、遮風ブロック170の温度T1を所望の範囲で略一定に保持することができる。
さらに、減圧チャンバ150の温度を所定の温度に保つため、ジャケット(図示しない)を取り付けることが好ましい。減圧チャンバ150の温度は特に限定されるものではないが、10℃以上50℃以下の範囲であることが好ましい。また、流延ビード200の形状を所望のものにたもつため流延ダイ70のエッジ部に吸引装置(図示しない)を取り付けることが好ましい。エッジ吸引風量は、1L/分〜100L/分の範囲であることが好ましい。
流延ダイ70の流出口70aから流出する積層ドープが、局所的に乾燥固化することを防止するために溶媒供給装置(図示しない)を流出口の端部近傍に取り付けることが好ましい。積層ドープを可溶化する溶媒(例えば、ジクロロメタン86.5重量部,メタノール13重量部,n−ブタノール0.5重量部の混合溶媒)を流延ビード200の端部とスリットとの気液界面に供給することが好ましい。なお、この液を供給するポンプの脈動率は5%以下のものを用いることが好ましい。
次に、図2を用いて、フイルム製造ライン40によりフイルム85を製造する方法の一例を説明する。ストックタンク30では、ジャケット30cの内部に伝熱媒体を流すことにより原料ドープ36の温度を25以上35℃以下の範囲で略一定に調整するとともに、攪拌翼30bの回転により常に均一化している。
原料ドープ36は、ポンプ46〜48により、各配管44〜46に送られる。配管44〜46では、適宜添加剤などが添加され、原料ドープ36が、それぞれ、中間層用ドープ54、裏面層用ドープ59、表面層用ドープ64となる。そして、各ドープ54、59、64は、フィードブロック69へ送られる。フィードブロック69は、各ドープ54、59、64から積層ドープをつくり、流延ダイ70におくる。
流延ドラム72の周面72aは、駆動装置により走行方向Z1へ所定の走行速度(50m/分以上300m/分以下)で走行する。また、伝熱媒体循環装置75により、流延ドラム72の周面72aの温度は−20℃以上10℃以下の範囲内で略一定となるように調整されている。また、30℃以上35℃以下の範囲で保持されている積層ドープを、流延ダイ70から流延ドラム72の周面72a上に流延する。原料ドープ36は、流延ドラム72の周面72a上で積層流延膜71を形成する。こうして、流延ドラム72の周面72a上では、積層流延膜71が冷却固化(ゲル化)され、積層流延膜71に自己支持性を持たせることができる。積層流延膜71の冷却が進行すると、結晶の基となる架橋点が形成されて積層流延膜71のゲル化が促進される。剥取ローラ74を用いて、ゲル化、及びゲル化の進行により自己支持性を有するものとなった積層流延膜71を、流延ドラム72から剥ぎ取って湿潤フイルム73とする。そして、剥取ローラ74はこの湿潤フイルム73をピンテンタ86に案内する。
ピンテンタ86では、多数のピンを湿潤フイルム73の両側端部に差し込み固定した後、この湿潤フイルム73を搬送する間に乾燥を促進させてフイルム85とする。そして、まだ溶媒を含んでいる状態のフイルム85をクリップテンタ87に送り込む。
クリップテンタ87では、チェーンの動きにより無端で走行する多数のクリップによりフイルム85の両側端部を挟持した後、このフイルム85を搬送する間に、乾燥を促進させる。このとき、対面するクリップの幅を拡げてフイルム85の幅方向に張力を付与することでフイルム85を延伸する。このように、フイルム85の幅方向への延伸処理により、フイルム85中の分子が配向し、フイルム85に所望のレターデーションを付与、或いは、フイルム85のレターデーションを調節することができる。
クリップテンタ87から送り出されたフイルム85は、耳切装置88によりの両側端部が切断される。両側端部が切断されたフイルム85は、乾燥室105と冷却室107とを経由し、巻取室110内の巻取ローラ111で巻き取られる。なお、耳切装置88によって切断された両側端部は、クラッシャ89により粉砕されて、ドープ調製用チップとなり再利用される。
図3のように、流延工程において、流延ダイ70は流出口70aから流延ドラム72の周面72aへ積層ドープを流延する。このとき、積層ドープは、流出口70aから流延ドラム72の周面72aにかけて、流延ビード200を形成する。そして、周面72a上に流延された積層ドープは積層流延膜71となる。この積層流延膜71は、周面72aの走行によって走行方向Z1に所定の走行速度で搬送される。
周面72aの走行により、周面72aの近傍には、同伴風が発生する。この同伴風は、周面72a近傍において、走行方向Z1の上流側から下流側へ流れる。同伴風は、エンドシール板158と周面72aとの隙間から、開口部150cと周面72aとの間の範囲(以下、減圧ゾーンと称する)に流入する。減圧ゾーンに流入した同伴風は、走行方向Z1、すなわち、流延ビード200の背面200aへ向かって流れる。減圧チャンバ150は、流路180、中空部150a又は開口部150c、或いは、これらの近傍にある空気を吸引する。
流路180は、流延ビード200の背面200a近傍から中空部150aとを連通するため、減圧チャンバ150の減圧により、背面200a近傍にある空気は、滞留や渦を発生せずに、流路180を介して、中空部150aへ送られる。この結果、斜めムラやハの字ムラの発生を誘発する、背面200a近傍の空気の滞留や渦の発生を抑えることができる。
流路180の幅W1は、減圧チャンバ150の減圧によって、流路180を通過する空気が、渦流や滞留などを起こさずに流れるような寸法であり、流路180を通過する空気が層流を成すような寸法であることが好ましい。この幅W1としては、周面72aの走行速度や減圧チャンバ150の減圧度などによって適宜決定すればよいが、0.1mm以上2mm以下であることが好ましい。
周面72aに起立するように設けられる保持板165や背面170aは、同伴風の背面200a近傍への流入を遮る。この結果、同伴風が、流延ビード200にあたる、或いは、周面72aと積層流延膜71との間に流入することがなくなるため、フイルムの厚みムラ故障や長手方向のスジ状のムラの発生を防ぐことができる。なお、上記同伴風の遮風効果を発揮させるためには、保持板165と背面170aとのうち少なくとも1ついずれかがあればよい。また、製造条件に応じて、保持板165と同様の保持板を複数設けても良い。
更に、遮風ブロック170が、ブロック状に形成されるため、回り込みによる同伴風の背面200a近傍への流入が遮られる。この結果、流路180或いは、背面200a近傍において、同伴風が、流路180中を流れる空気と合流しなくなるため、流路180或いは、背面200a近傍における空気の渦流や滞留の発生を防ぐことができる。
また、同伴風の背面200a近傍への遮風効果を発揮させるため、底面170bと周面72aとの間隔CL1は0.1mm以上3mm以下であることが好ましい。間隔CL1が3mmを超えると、遮風効果が発揮されなくなり、厚さムラ故障や面状故障が発生するため好ましくない。間隔CL1が0.1mm未満であると、遮風ブロック170と周面72aとの接触が生じるおそれがあるため好ましくない。接触によって生じた損傷を有する周面72aを用いて、流延工程を行うと、損傷跡が積層流延膜に転写される結果、フイルムの面状故障となるからである。
遮風ブロック170の温度T1(℃)は、T2<T1<BPとなるように調節することが好ましい。ここで、T2(℃)は、流延ビード200と遮風ブロック170との間の雰囲気から溶媒が凝縮する温度であり、BP(℃)は溶媒の沸点である。温度T1が、T2以下になると、流延ビード200と遮風ブロック170との間の雰囲気で気化している溶媒が、遮風ブロック170上に凝縮し、周面72aに滴下するおそれがある。この溶媒が周面72a上に滴下した状態のまま、流延工程を行うと、液滴が積層流延膜に転写され、結果として、フイルムの表面に凹凸が生じ、面状故障となるため好ましくない。温度T1が、BP(℃)以上になると、面状故障やフイルム85の変形故障を誘発する流延ビード200の発泡が発生するおそれがあるため、好ましくない。
したがって、遮風ブロック170を減圧チャンバ150に設けることにより、高速製膜下においても、背面200a近傍における同伴風の遮風作用とともに背面200a近傍の空気の整流作用を発揮することができるため、厚みムラ故障や面状故障を避けつつ、効率よく、フイルムを製造することができる。
上記実施形態では、遮風ブロック170の温度を所望の範囲になるように調節したが、本発明はこれに限らず、前方シール板165に配管185と接続する流路を設け、前方シール板165の温度が所望の範囲になるように調節してもよい。前方シール板165の温度T3は、遮風ブロック170の温度と略同一であることが好ましいが、遮風ブロック170の場合と同様、T2<T3<BPとなるように調節することが好ましい。
上記実施形態では、前方シール板165の内面165aと遮風ブロック170の前面170aとにより流路180を設けたが、本発明はこれに限られず、流延ダイ70のリップ部側面と遮風ブロック170の前面170aとにより流路を設けても良い。
上記実施形態では、遮風ブロック170を減圧チャンバ150に取り付けたが、本発明はこれに限らず、遮風ブロック170を流延ダイ70に取り付けても良い。この場合には、例えば、前面170a上に空気が通過する溝を設ける、或いは、前面170近傍に空気が通過する流路を設けてもよい。この一例として、図5に遮風ブロック270を示す。
図5のように、遮風ブロック270は、ブロック状に形成され、前方シール板165の内面165a(図3参照)と対向する前面270aと、周面72a(図3参照)と対向する底面270bと、前面270aよりも走行方向Z1上流側(図3参照)で、周面72a(図3参照)に対して起立するように設けられる背面270cとを有する。前面270aには、底面270b側の端部から、背面270cの端部へ伸びるように形成される溝271が設けられる。また、溝271は、前面270aからの切り込み深さがW1になるように、幅がW2となるように形成される。溝271の幅W2や形成ピッチは、製造条件や、溝271の幅W1に応じて、適宜決定すればよい。なお、遮風ブロック270に、配管185と接続し、伝熱媒体流路186と同様の伝熱媒体流路272を設けても良い。
遮風ブロック170に代えて、図6に示す遮風ブロック280や図7に示す遮風ブロック290を用いても良い。遮風ブロック280は、ブロック状に形成され、前方シール板165の内面165aと対向する前面280aと、周面72aと対向する底面280bと、前面280aよりも走行方向Z1上流側で、周面72aに対して起立するように設けられる背面280cとを有する。遮風ブロック280は、各面280a〜280cが形成する稜280d〜280fが面取りされている。稜280d〜280fの面取り加工条件は、製造条件などに応じて適宜決定すればよい。また、稜280d〜280f全てに面取りを施さずに、稜280d〜280fのうち1つまたは2つの稜に面取りを施してもよい。なお、遮風ブロック280に、配管185と接続し、伝熱媒体流路186と同様の伝熱媒体流路281を設けても良い。
図7のように、遮風ブロック290は、ブロック状に形成され、前方シール板165の内面165aと対向する前面290aと、周面72aと対向する底面290bと、前面290aよりも走行方向Z1上流側で、走行方向Z1の下流側にかけて傾くように起立する背面290cとを有する。背面290cと周面72aとのなす角度は、特に限定されず、同伴風の遮風効果が発現する範囲の中で、製造条件に応じて適宜決定すればよい。なお、遮風ブロック290に、配管185と接続し、伝熱媒体流路186と同様の伝熱媒体流路291を設けても良い。
また、遮風ブロックの背面は、走行方向Z1に凹むように形成されてもよい。このような背面を有する遮風ブロックを用いることにより、流路を介して送られた空気と遮風ブロックの背面によって送られる空気とを、渦流などを発生させずに、減圧チャンバの中空部で合流させることができるためである。
上記実施形態では、いわゆる共流延により積層構造を有するフイルム85を製造したが、本発明はこれに限らず、単一のドープからなる単層のフイルムを製造する場合にも適用可能である。
上記実施形態では、支持体として流延ドラムを用いたが、本発明はこれに限らず、流延バンドを用いても良い。
流延ダイ、減圧チャンバ、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フイルム回収方法まで、特開2005−104148号の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用できる。
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフイルムの性能及びそれらの測定法は、特開2005−104148号の[0112]段落から[0139]段落に記載されている。これらも本発明にも適用できる。
[表面処理]
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が下塗りされていても良い。
さらに前記セルロースアシレートフイルムをベースフイルムとして、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。前記機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選択される少なくとも1層を設けることが好ましい。
前記機能性層が、少なくとも一種の界面活性剤を0.1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。また、前記機能性層が、少なくとも一種の滑り剤を0.1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。さらに、前記機能性層が、少なくとも一種のマット剤を0.1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。さらには、前記機能性層が、少なくとも一種の帯電防止剤を1mg/m〜1000mg/m含有することが好ましい。セルロースアシレートフイルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、上記以外にも、特開2005−104148号の[0890]段落から[1087]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されている。これらも本発明に適用できる。
(用途)
前記セルロースアシレートフイルムは、特に偏光板保護フイルムとして有用である。セルロースアシレートフイルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、液晶層に通常は2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすることができる。特開2005−104148号には、液晶表示装置として、TN型,STN型,VA型,OCB型,反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用できる。また、同出願には光学的異方性層を付与した、セルロースアシレートフイルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフイルムについての記載もある。更には適度な光学性能を付与し二軸性セルロースアシレートフイルムとして光学補償フイルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フイルムと兼用して使用することもできる。これらの記載は、本発明にも適用できる。特開2005−104148号の[1088]段落から[1265]段落に詳細が記載されている。
また、本発明の製造方法により光学特性に優れるセルローストリアセテートフイルム(TACフイルム)を得ることができる。前記TACフイルムは、偏光板保護フイルムや写真感光材料のベースフイルムとして用いることができる。さらにテレビ用途などの液晶表示装置の視野角依存性を改良するための光学補償フイルムとしても使用可能である。特に偏光板の保護膜を兼ねる用途に効果的である。そのため、従来のTNモードだけでなくIPSモード、OCBモード、VAモードなどにも用いられる。また、前記偏光板保護膜用フイルムを用いて偏光板を構成しても良い。
次に、本発明の実施例を説明する。以下の各実施例では、詳細を実施例1で説明し、実施例2〜4、比較例1,2については、実施例1と異なる条件のみを説明する。
[ドープ組成]
セルローストリアセテートを混合溶媒に溶解し、適量の可塑剤を添加したものをドープAとした。混合溶媒としては、ジクロロメタン、メタノール及び1−ブタノールとからなる混合溶媒を用いた。可塑剤としては、トリフェニルフォスフェート、及びビフェニルジフェニルフォスフェートを用いた。このドープAに適量の紫外線吸収剤を添加したものを中間層用ドープ54とした。中間層用ドープ54の粘度は、700ポイズであった。
また、このドープAと同一の組成であり、セルローストリアセテートの含有濃度が低いドープに、紫外線吸収剤、コロイダルシリカ及び劣化防止剤を適度に添加したものを、裏面層用ドープ59及び表面層用ドープ64とした。裏面層用ドープ59及び表面層用ドープ64の粘度は、それぞれ200ポイズであった。
流延ダイ70、フィードブロック69及び配管にジャケット(図示しない)を設けてジャケット内に供給する伝熱媒体の入口温度を36℃とし、流延ダイ70、フィードブロック69、配管は製膜時にはすべて略36℃に保温した。流延ダイ70はコートハンガータイプのものを用い、厚み調整ボルト(ヒートボルト)が20mmピッチに設けられており、ヒートボルトによる自動厚み調整機構を具備しているものを使用した。ヒートボルトは予め設定したプログラムにより高精度ギアポンプの送液量に応じたプロファイルを設定することもでき、フイルム製造ライン40内に設置した赤外線厚み計(図示しない)のプロファイルに基づいた調整プログラムによってフィードバック制御も可能な性能を有するものである。流延エッジ部20mmを除いたフイルムで50mm離れた任意の2点の厚み差は1μm以内であり、幅方向厚みの最小値で最も大きな差が3μm/m以下となるように調整した。また、各層の平均厚み精度は両外層が±2%以下、主流が±1%以下に制御され、全体厚みは±1.5%以下となるように調整した。
流延ダイ70の材質は析出硬化型のステンレス鋼であり、熱膨張率が2×10-5(℃−1)以下の素材であり、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316製と略同等の耐腐食性を有する素材を使用した。また、ジクロロメタン,メタノール,水の混合液に3ヶ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有する素材を使用した。流延ダイ70及びフィードブロック69の接液面の仕上げ精度は表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であり、スリットのクリアランスは1.5mmに調整した。ダイリップ先端の接液部の角部分について、Rはスリット全巾に亘り50μm以下になるように加工した。ダイ内部での剪断速度は1(1/秒)〜5000(1/秒)の範囲であった。また、流延ダイ70のリップ先端には、溶射法によりWCコーティングをおこない硬化膜を設けた。
さらに流延ダイ70のスリット端には流出するドープが、局所的に乾燥固化することを防止するために、ドープを可溶化する前記混合溶媒を流延ビード端部とスリット気液界面に片側で0.5ml/分で供給した。この液を供給するポンプの脈動率は5%以下のものを用いた。
支持体として円筒状の流延ドラム72として利用した。流延ドラム72の周面72aにはクロムメッキ及び鏡面加工処理が施され、周面72aの表面粗さは0.05μm以下であった。その材質はSUS316製であり、十分な耐腐食性と強度を有するものを用いた。流延ドラム72は、図示しない制御部の制御の下、軸72bの駆動により回転した。流延速度、すなわち、周面72aの走行方向における速度は、50m/分以上200m/分とした。このときに、流延ドラム72の速度変動を0.5%以下とした。また1回転の幅方向の蛇行が、1.5mm以下に制限されるように流延ドラム72の両端位置を検出して制御した。流延ダイ70の直下におけるダイリップ先端と流延ドラム72との上下方向の位置変動は200μm以下にした。流延ドラム72は、風圧変動抑制手段(図示しない)を有した流延室68内に設置した。
流延ドラム72は、周面72aの温度の調整を行うことができるように、内部に伝熱媒体を送液できるものを用いた。伝熱媒体循環装置75は、流延ドラム72に伝熱媒体を流した。流延直前の周面72a中央部の温度は略0℃であった。なお、流延ドラム72には、表面欠陥がないものが好ましく、30μm以上のピンホールは皆無であり、10μm〜30μmのピンホールは1個/m2以下、10μm未満のピンホールは2個/m2以下であるものを用いた。
流延室68の温度は、温調設備77を用いて35℃に保った。流延バンド72上の乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、酸素濃度を5vol%に保持するため空気を窒素ガスで置換した。また、流延室68内の溶媒を凝縮回収するために、凝縮器(コンデンサ)78を設け、その出口温度は、−10℃に設定した。
そして、各ドープ54、59、64を、フィードブロック69へ所定の流量で送った。フィードブロック69及び流延ダイ70は、目的とするTACフイルムの膜厚(表面層,中間層,裏面層)がそれぞれ4μm,73μm,3μmであり、製品厚みが80μm、流延幅を1700mmとなるように、各ドープ54、59、64の流量を調整して、積層ドープの流延を行った。
積層ドープは、流出口70aから周面72aにかけて、流延ビードを形成した。また、周面72a上の積層ドープは、積層流延膜71となった。積層流延膜71は、流延ドラム72により冷却ゲル化し、その結果、積層流延膜71に自己支持性が発現した。
流延ダイ70の1次側には、遮風ブロック170を有する減圧チャンバ150を設置した。流路180の幅W1は、0.7mmであった。周面32aと底面170bとの間隔CL1は、0.7mmであった。流延ビード200の長さが、ビードの長さが4mm±20mmとなるように減圧度を設定した。そのときの、減圧チャンバ150の減圧度P1は−900Paであった。
剥取ローラ74により、流延ドラム72から積層流延膜71を湿潤フイルム73として剥ぎ取った。このときの剥取テンションは10kgf/mであり、剥取不良を抑制するために流延バンド72の速度に対して剥取速度(剥取ローラドロー)は、100.1%〜110%の範囲で適切に調整した。
湿潤フイルム73をピンテンタ86に送り、湿潤フイルム73に乾燥風をあてて、湿潤フイルム73を乾燥した。この乾燥処理が施された湿潤フイルム73をフイルム85として、耳切装置88で行った。NT型カッターにより両側50mmの耳をカットし、カットした耳はカッターブロワ(図示しない)によりクラッシャ89に風送して平均80mm程度のチップに粉砕した。このチップは、再度ドープ調製用原料としてTACフレークと共にドープ製造の際に原料として利用した。クリップテンタ87の乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、酸素濃度を5vol%に保持するため空気を窒素ガスで置換した。後述する乾燥室105で高温乾燥させる前に、100℃の乾燥風が供給されている予備乾燥室(図示しない)でフイルム85を予備加熱した。
フイルム85を乾燥室105で高温乾燥した。乾燥室105を4区画に分割して、上流側から120℃,130℃,130℃,130℃の乾燥風を送風機(図示しない)から給気した。フイルム85のローラ104による搬送テンションは100N/巾として、最終的に残留溶媒量が、0.3重量%になるまでの約10分間乾燥した。前記ローラ104のラップ角度は、90度および180度とした。前記ローラ104の材質はアルミ製もしくは炭素鋼製であり、表面にはハードクロム鍍金を施した。ローラ104の表面形状はフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。ローラ104の回転による振れは全て50μm以下であった。また、テンション100N/巾でのローラ撓みは0.5mm以下となるように選定した。
乾燥風に含まれる溶媒ガスは、吸着回収装置106を用いて吸着回収除去した。吸着剤は活性炭であり、脱着は乾燥窒素を用いて行った。回収した溶媒は、水分量0.3重量%以下に調整してドープ調製用溶媒として再利用した。乾燥風には溶媒ガスの他、可塑剤,UV吸収剤,その他の高沸点物が含まれるので冷却除去する冷却器およびプレアドソーバーでこれらを除去して再生循環使用した。そして、最終的に屋外排出ガス中のVOC(揮発性有機化合物)は10ppm以下となるよう、吸脱着条件を設定した。また、全蒸発溶媒のうち凝縮法で回収する溶媒量は90重量%であり、残りの大部分は吸着回収により回収した。
乾燥されたフイルム85を第1調湿室(図示しない)に搬送した。乾燥室105と第1調湿室との間の渡り部には、110℃の乾燥風を給気した。第1調湿室には、温度50℃、露点が20℃の空気を給気した。さらに、フイルム85のカールの発生を抑制する第2調湿室(図示しない)にフイルム85を搬送した。第2調湿室では、フイルム85に直接90℃,湿度70%の空気をあてた。
調湿後のフイルム85は、冷却室107で30℃以下に冷却して両端耳切りを行った。搬送中のフイルム帯電圧は、常時−3kV〜+3kVの範囲となるように強制除電装置(除電バー)108を設置した。さらにフイルム85の両端にナーリング付与ローラ109でナーリングを行った。ナーリングは片側からエンボス加工を行うことで付与し、ナーリングする幅は10mmであり、最大高さは平均厚みよりも平均12μm高くなるように押し圧を設定した。
そして、フイルム85を巻取室110に搬送した。巻取室110は、室内温度28℃,湿度70%に保持した。さらに、フイルム帯電圧が−1.5kV〜+1.5kVになるようにイオン風除電装置(図示しない)も設置した。全工程を通しても平均乾燥速度は20重量%(乾量基準溶媒)/分であった。また巻き緩み、シワもなく、10Gでの衝撃テストにおいても巻きずれが生じなかった。また、ロール外観も良好であった。
フイルム85のフイルムロールを25℃、55%RHの貯蔵ラックに1ヶ月保管して、さらに上記と同様に検査した結果、いずれも有意な変化は認められなかった。さらにロール内においても接着も認められなかった。また、フイルム85を製膜した後に、流延バンド72上にはドープから形成された積層流延膜71の剥げ残りは全く見られなかった。
本実施例では、幅W1を1.0mmとし、間隔CL1を1.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてフイルム85をつくった。
本実施例では、幅W1を0.2mmとし、間隔CL1を1mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてフイルム85をつくった。
本実施例では、幅W1を2mmとし、間隔CL1を3mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてフイルム85をつくった。
[比較例1]
本実施例では、幅W1を4mmとし、間隔CL1を1mmとしたこと以外は実施例1と同様にしてフイルムをつくった。
[比較例2]
本実施例では、遮風ブロック170を取り外したこと以外は実施例1と同様にしてフイルムをつくった。
実施例1〜4、比較例1,2で得られたフイルムについて、面状評価を行った。面状評価は、製造したフイルムの表面を目視で観察し、以下基準で評価した。
○:フイルム表面は平滑であり、フイルム表面の凹凸(長手方向のスジ状のムラ、斜めムラ、ハの字ムラ)を確認することができなかった。
△:フイルム表面の凹凸を確認することができた。
×:フイルム表面の凹凸をはっきりと確認することができた。
表1に、実施例1〜4、比較例1,2における遮風ブロック170の有無、幅W1、間隔CL1、減圧チャンバ150による減圧度P1、及び、面状評価の結果を示す。
Figure 2008221760
実施例1〜4、比較例1,2における面状評価結果より、遮風ブロック170を減圧チャンバ150に設けることにより、高速製膜下においても、背面200a近傍における同伴風の遮風作用とともに背面200a近傍の空気の整流作用を発揮することができることがわかった。特に、遮風ブロック170を用いて幅W1の流路180を形成することにより、背面200a近傍の空気の流れを整えるため、空気の過流などにより誘発する斜めムラやハの字ムラの発生を抑えることができることがわかった。
ドープ製造ラインの概要を示す説明図である。 フイルム製造ラインの概要を示す説明図である。 流延工程における流延ダイの流出口近傍を拡大した側面図である。 減圧チャンバ及び第1の遮風ブロックの概要を示す斜視図である。 第2の遮風ブロックの概要を示す斜視図である。 第3の遮風ブロックの概要を示す断面図である。 第4の遮風ブロックの概要を示す断面図である。
符号の説明
40 フイルム製造ライン
70 流延ダイ
70a 流出口
71 積層流延膜
72 流延ドラム
72a 周面
73 湿潤フイルム
74 剥取ローラ
86 ピンテンタ
150 減圧チャンバ
150a 中空部
151 前方シール
151a 内面
170 遮風ブロック
170a 前面
170b 底面
170c 背面
180 流路
185 配管
186 伝熱媒体流路
200 流延ビード
200a 背面

Claims (12)

  1. 走行するエンドレスの支持体と、
    前記支持体上に、ポリマと溶媒とを含むドープを流延する流延ダイと、
    前記ドープにより前記流延ダイと前記支持体との間に形成される流延ビードの背面側の空気を内部に吸引する減圧チャンバと、
    前記支持体上に流延膜を形成した後に前記支持体から前記流延膜を湿潤フイルムとして剥ぎ取る剥取ローラと、
    前記湿潤フイルムを乾燥してフイルムとする乾燥手段とを備える溶液製膜設備において、
    前記流延ビードの背面側と前記内部とを連通し、幅W1が、0.1mm以上2mm以下である流路を備えることを特徴とする溶液製膜設備。
  2. 前記流延ビードの幅方向に伸びるように形成される遮風部材が、前記支持体に対して起立するように、前記流路に対し前記支持体の走行方向上流側に設けられることを特徴とする請求項1記載の溶液製膜設備。
  3. 前記遮風部材と前記支持体との間隔CL1が0.1mm以上3mm以下であることを特徴とする請求項2記載の溶液製膜設備。
  4. 前記流路が、前記遮風部材と一体に形成されることを特徴とする請求項2または3項記載の溶液製膜設備。
  5. 前記流路または前記遮風部材の温度をT1(℃)とし、前記流延ビードの近傍の雰囲気から前記溶媒が凝縮する温度をT2(℃)とし、前記溶媒の沸点をBP(℃)とするときに、T2<T1<BPとなるように温度T1を調節する温度調節装置を備えることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の溶液製膜設備。
  6. 前記減圧チャンバの減圧度が、−350Pa以上−2000Pa以下であることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載の溶液製膜設備。
  7. 前記流路が、前記流延ダイまたは前記減圧チャンバに取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の溶液製膜設備。
  8. 走行するエンドレスの支持体上に、流延ダイを用いてポリマと溶媒とを含むドープを前記支持体に流延する流延工程と、
    前記ドープにより前記流延ダイと前記支持体との間に形成される流延ビードの背面側の空気を減圧チャンバの開口部から吸引する吸引工程と、
    前記支持体上に流延膜を形成した後に前記支持体から前記流延膜を剥ぎ取り乾燥させて、フイルムを製造する乾燥工程とを備える溶液製膜方法において、
    前記流延ビードの背面側と前記内部とを連通し、幅W1が、0.1mm以上2mm以下である流路を設けて、前記吸引工程を行うことを特徴とする溶液製膜方法。
  9. 前記流延ビードの幅方向に伸びるように形成される遮風部材を、前記支持体に対して起立するように、前記流路に対し前記支持体の走行方向上流側に設けることを特徴とする請求項8記載の溶液製膜方法。
  10. 前記遮風部材と前記支持体との間隔CL1が0.1mm以上3mm以下であることを特徴とする請求項9記載の溶液製膜方法。
  11. 前記流路または遮風部材の温度をT1(℃)とし、前記流延ビード近傍の雰囲気から前記溶媒が凝縮する温度をT2(℃)とし、前記溶媒の沸点をBP(℃)とするときに、T2<T1<BPとなるように温度T1を調節することを特徴とする請求項8ないし10いずれか1項記載の溶液製膜方法。
  12. 前記減圧チャンバの減圧度が、−350Pa以上−2000Pa以下であることを特徴とする請求項8ないし11いずれか1項記載の溶液製膜方法。
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