JP4528231B2 - 溶液製膜設備及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶液製膜設備及び方法に関するものであり、特に電子材料の機能性膜として用いるポリマーフィルムを製造するための溶液製膜設備及び方法に関する。
セルロースアシレートフィルム等のポリマーフィルムは、偏光板や電子ディスプレイに広く用いられており、溶液製膜方法または溶融製膜方法により製造される。溶液製膜方法によると、溶融製膜よりも平滑性や透明性等がより優れたフィルムを製造することができるために、光学特性がより優れた光学製品をつくることができる。
溶液製膜方法では、複数の回転ドラムに掛け渡されて連続走行する支持体上にドープを流延し、そのドープを剥ぎ取って乾燥することによりフィルムを製造する。ここで、厚みが不均一な支持体、あるいは、厚みは均一であってもうねり、つまり波状変形がある支持体を使用すると、平面性及び平滑性に欠けるフィルムが製造されてしまう。図4には、うねりがある流延支持体の断面図、図5には図4の流延支持体を用いて流延を実施した場合に得られるフィルムの平面図を示す。図4において、矢線Xは流延支持体201の幅方向を示し、図5において、矢線Xはフィルム203の幅方向、矢線Yは長手方向を示す。従来の流延支持体201は、図4に示すように厚みが不均一、あるいは、厚みが略一定であってもうねりがある。そして、幅方向に厚み不均一性やうねりがある流延支持体201を用いると、得られるフィルム203には、長手方向にスジ状の変形204が発生する。また、流延支持体における厚み不均一性やうねりが長手方向にある場合には、得られるフィルムには幅方向にスジ状変形が発生する。
したがって、流延支持体に対しては、厚みの均一性と平面性との両方が要求される。そして、その両方を満たすためには、支持体の裏面、つまり、ドープとは非接触であって回転ドラムに接する面も平滑である必要がある。
ところで、フィルムの変形を抑制したり、厚みを均一にする溶液製膜方法や装置として様々な提案がなされている。例えば、支持体としてのベルトを蛇行させることなく安定走行させて、高品質なフィルムを製造するために、一対のドラム間の上部に位置するベルトの表面にドープを流延し、ベルトの長さ変化量と温度とが所定の関係を満たすようにする製膜方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ベルトの振動を抑制するために、一対のドラムの間にベルトを支持するローラを複数配してそのローラ間の距離を5m以内とする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。そして、ドープが流延されるエンドレスベルトの微小振動の発生を防止してフィルムの厚み変動を防止するために、エンドレスベルトの裏面に接触してエンドレスベルトを支持するバックロールの、回転時における、エンドレスベルトに対する接触部の上下方向の変動量を100μm以下とするフィルム製造方法(例えば、特許文献3参照)や、エンドレスベルトが掛け渡された1対のドラム同士の中間に配置されかつエンドレスベルトの上部及び下部移行部をそれぞれ裏側より支えているロールが、テンデンシー駆動ロールにより構成されるフィルム製造装置が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2002−273747号公報 特開2002−307460号公報 特開2003−1654号公報 特開2003−25352号公報
しかしながら、流延支持体は長期使用により変質し、その変質を抑えることにより品質が良好なフィルムを長期間安定製造する設備及び方法については提案されていない。特に、フィルムの長手方向にのびたスジ状の変形の発生を、支持体の変質抑制から解決するものは従来なかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、支持体の長期使用による変質を抑制して、フィルムのスジ状変形やその他の変形の発生を長期間に渡り抑えるための溶液製膜設備及び方法を提供することを目的とする。
本発明では、上記課題を解決するために、ステンレス鋼からなる流延支持体にドープを流延し、流延されたドープを剥ぎ取る剥取位置からドープが流延される流延位置に戻るように前記流延支持体が循環して連続走行する溶液製膜設備において、前記ステンレス鋼はオーステナイト系の結晶構造を有し、流延支持体の流延面は、互いに10mm離れた任意の2点を結ぶ直線に沿って凹凸が測定されたときに、その凹凸の深さの最大値DEが40μm以内であることを特徴として構成されている。
流延支持体は、予め、圧縮残留応力が500MPa以下とされたことが好ましい。また、溶液製膜設備は、流延支持体が巻き掛けられて回転するローラ対を有し、このローラ対の一方のローラには、流延支持体の搬送方向における張力を調整するように変位するためのシフト機構が備えられることが好ましい。
また、本発明は、流延ダイから流出されたドープを、ステンレス鋼からなり循環して連続走行する流延支持体上に流延してフィルムとして剥がし、このフィルムを乾燥させ、前記ドープを剥がした前記流延支持体にドープを再び流延する溶液製膜方法において、前記ステンレス鋼はオーステナイト系の結晶構造を有し、前記流延支持体の流延面は、互いに10mm離れた任意の2点を結ぶ直線に沿って凹凸が測定されたときに、その凹凸の深さの最大値DEが40μm以内であることを特徴として含んで構成されている。
圧縮残留応力が500MPa以下とされた流延支持体を用いることが好ましく、流延支持体の走行方向における張力を50N/mm以上200N/mm以下とすることが好ましい。
本発明により、支持体の長期使用による変質を抑制することができ、このため、フィルムのスジ状変形やその他の変形の発生を長期間に渡り抑えることができる。
以下に、本発明の実施態様について詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施態様に限定されるものではない。
[原料]
セルロースアシレートとしてはトリアセチルセルロース(TAC)が特に好ましい。そして、セルロースアシレートの中でも、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものがより好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、セルロースの水酸基の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACを用いる場合には、その90質量%以上は0.1mm〜4mmの粒子であることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を炭素数2以上のアシル基によりエステル化した重合体である。アシル基置換度は、2位、3位および6位それぞれについて、セルロースの水酸基がエステル化している割合を意味する。したがって、2,3,6位の各水酸基がどれも100%エステル化している場合には、アシル基置換度は3となる。
全アシル基置換度、すなわち、DS2+DS3+DS6は2.00〜3.00が好ましく、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、D6S/(DS2+DS3+DS6)は0.28以上が好ましく、より好ましくは0.30以上、特に好ましくは0.31〜0.34である。ここで、DS2はグルコース単位の2位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「2位のアシル基置換度」と称する)であり、DS3は3位の水酸基のアシル基による置換度(以下、「3位のアシル基置換度」と称する)であり、DS6は6位の水酸基のアシル基による置換度である(以下、「6位のアシル基置換度」と称する)。
セルロースアシレート中のアシル基は1種類だけでもよいし、あるいは2種類以上であってもよい。アシル基を2種類以上とするときは、そのひとつがアセチル基であることが好ましい。2位、3位及び6位の水酸基のアセチル基による置換度の総和をDSAとし、2位、3位及び6位の水酸基のアセチル基以外のアシル基による置換度の総和をDSBとすると、DSA+DSBの値は、より好ましくは2.22〜2.90であり、特に好ましくは2.40〜2.88である。また、DSBは0.30以上であることが好ましく、特に好ましくは0.7以上である。さらに、DSBは、その20%以上が6位水酸基の置換基であって、より好ましくは25%以上が6位水酸基の置換基であり、30%以上がさらに好ましく、特には33%以上が6位水酸基の置換基であることが好ましい。さらに、6位のアシル基置換度が0.75以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.8以上であり、特に好ましくは0.85以上である。このようなセルロースアシレートにより溶解性の好ましい溶液(ドープ)をつくることができ、特に、非塩素系有機溶媒を使用して良好な溶液をつくることができる。さらに、粘度が低くてろ過性の良い溶液をつくることができる。
セルロースアシレートの原料であるセルロースは、リンター綿,パルプ綿のどちらから得られたものでもよいが、リンター綿から得られたものがより好ましい。
炭素数2以上のアシル基としては、脂肪族基でもアリール基でもよく、特に限定されない。それらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カルボニルエステル、芳香族アルキルカルボニルエステルなどであり、それぞれさらに置換された基を有していても良い。これらの好ましい例としては、プロピオニル、ブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、iso−ブタノイル、t−ブタノイル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイル基などを挙げることができる。これらの中でも、プロピオニル、ブタノイル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t−ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどがより好ましく、特に好ましくはプロピオニル、ブタノイルである。
ドープの溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン,トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン,クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール,エタノール,n−プロパノール,n−ブタノール,ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン,メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸プロピルなど)及びエーテル(例えば、テトラヒドロフラン,メチルセロソルブなど)などが挙げられる。なお、ドープは、必ずしも溶液でなくてもよく、分散液であってもよい。
上記溶媒の中でも炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フィルムの機械的強度及び光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンに炭素原子数1〜5のアルコールを1種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールを混合する場合には、アルコールの配合率は、溶媒全体に対し2質量%〜25質量%が好ましく、5質量%〜20質量%がより好ましい。混合するアルコールの具体例としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,イソプロパノール,n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール,エタノール,n−ブタノールあるいはこれらの混合物が好ましい。
ところで、最近、環境に対する影響を最小限に抑えることを目的に、ジクロロメタンを使用しない溶媒組成についても検討が進み、この目的に対しては、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステル、炭素数1〜12のアルコールが好ましく用いられる。これらは、互いに混合して用いられることもある。例えば、酢酸メチル,アセトン,エタノール,n−ブタノールの混合溶媒が挙げられる。これらのエーテル、ケトン、エステル、アルコールは、環状構造を有するものであってもよい。また、エーテル、ケトン、エステル、アルコールの官能基(すなわち、−O−,−CO−,−COO−,−OH)のいずれかを2つ以上有する化合物も、溶媒として用いることができる。
なお、セルロースアシレートの詳細については、特開2005−104148号公報の[0140]段落から[0195]段落に記載されている。これらの記載も本発明に適用することができる。また、溶媒及び可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤、光学異方性コントロール剤、レターデーション制御剤、染料、マット剤、剥離剤、剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号公報の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。
[ドープ製造方法]
セルロースアシレートドープの製造設備及び製造方法について以下に説明する。ただし、以下の実施様態は本発明の一例として挙げるものであって、本発明はこの実施様態に限定されるものではない。図1はドープ製造設備の概略図である。ドープ製造設備10には、溶剤を貯留するための第1タンク11と、添加剤を貯留するための第2タンク12と、TACを供給するためのホッパ15と、溶剤とTACと添加剤とを混合するための第3タンク16と、第3タンク16で撹拌されて得られた混合物17を加熱するための加熱装置21と、加熱された混合物17の温度を調整してドープ22が得られる温調装置23と、第1及び第2のろ過装置24,25と、ドープ22の濃度を調整するためのフラッシュ装置27とが備えられている。
さらに、ドープ製造設備10には、溶剤を回収するための回収装置31と、回収された溶剤を再生するための再生装置32とが備えられているとともに、ドープ22を貯留するための第4タンク33とが備えられ、このドープ製造設備10は溶液製膜設備40に接続されている。
第3タンク16には、その外周を包み込んで伝熱媒体を流すためのジャケット16aと、モータ41により回転する第1攪拌機42とが備えられている。さらに、この第3タンク16には、モータ44により回転する第2攪拌機45が取り付けられている。なお、第1攪拌機42はアンカー翼が備えられたものであることが好ましく、第2攪拌機45はディゾルバータイプの偏芯型攪拌機であることが好ましい。また、このドープ製造設備10には、送液用の第1及び第2ポンプ51,52とバルブ55〜57とが備えられており、また、バルブ57は三方バルブであるが、ポンプ及びバルブを設ける位置や設置数、形態等は適宜変更される。
次に、このドープ製造設備10を用いた場合のドープ製造方法について説明する。第1タンク11の中の溶媒とホッパ15に供給されるTACとは、第3タンク16に送られる。
第2タンク12の中の添加剤は、溶剤に溶解した溶液状態あるいは分散した分散状態で、バルブ56の開閉操作により必要量が第3タンク16に送り込まれる。添加剤の溶剤は、通常は第1タンク11の溶剤と同一のものとされるが、添加剤の種類等に応じて適宜代えることができる。添加剤が固体の場合には、第2タンク12に代えてホッパ等を用い、第3溶解タンク16に送り込むことも可能である。複数種類の添加剤を添加する場合には、それら複数の添加剤を溶解させた溶液を予め作っておき、それを第2タンク12から第3タンク16へ送液する方法、あるいは、各添加剤の溶液を複数のタンクにそれぞれ入れて、それぞれ独立した送液管により第3タンク16に送り込む方法等もある。また、添加剤が常温で液体の場合には、溶剤を使用せずに溶解タンク13に送り込むことが可能である。
第3タンク16に入れる各原料の順番は特に限定されるものではない。例えば、溶媒、TAC、添加剤の順であっても、TAC、溶媒、添加剤の順等でもよい。なお、添加剤は、本実施形態におけるタイミングでTAC及び溶剤と混合されずともよく、添加剤の種類及び性質とを考慮して、後の工程でTAC及び溶剤と混合してもよい。
第3タンク16の内部温度は、ジャケット16aの中の伝熱媒体により制御されており、その好ましい温度範囲は−10℃〜55℃である。第1攪拌機42,第2攪拌機45のタイプやセルロースアシレートの種類、溶媒の種類等に応じて、セルロースアシレートの溶解性を調整することができる。したがって、本実施形態においては、混合物17はTACが溶媒中で膨潤した膨潤液として得られるが、本発明はこの様態に限定されるものではない。
次に、混合液17は、ポンプP1により加熱装置21に送られる。加熱装置21は、ジャケット付き配管であることが好ましく、加熱により、膨潤液状態の混合液17における固形分の溶解を進めることができる。この加熱装置21での溶解における温度は、0℃〜97℃であることが好ましい。したがって、ここでの加熱とは、室温以上の温度に加熱するという意味ではなく、第3タンク16から送られてきた混合液17の温度を上昇させる意味であり、例えば、送られてきた混合液の温度が−7℃であるときにこれを0℃にする場合等も含められる。さらに、この加熱装置21には、混合液17を加圧するための加圧手段が備えられることがより好ましく、この加圧手段により、溶解をより効率的に進めることができる。
なお、加熱装置21による加熱溶解に代えて、膨潤液である混合液17をさらに冷却して−100℃〜−10℃とする周知の冷却溶解法を適用することもでき、これらの加熱溶解法、冷却溶解法を、各原料の性状等に応じて適宜選択して実施することにより、溶解性を制御することができる。
そして加熱された混合液17を、温調装置23により略室温としてポリマーが溶剤に溶解されたドープ22が得られる。ここでは温調装置23をでたときの液をドープと称しているものの、TACは加熱装置22を経た段階で既に溶剤に溶解していることが多い。このドープ22は、第1ろ過装置24によりろ過されて未溶解物や不溶解物等が取り除かれる。この第1ろ過装置24に使用されるフィルタは、その平均孔径が100μm以下のものであることが好ましい。第1ろ過装置24でのろ過流量は50リットル/hr.以上であることが好ましい。ろ過後のドープ22は、バルブ57を介して、第4タンク33に送られて貯留される。
ところで、上記のように一旦混合液17をつくってからドープ22とする方法は、高い濃度のドープをつくる場合ほど要する時間が長くなり、そのため製造コストの点で問題となる場合がある。そこで、目的とする濃度よりも低濃度のドープをつくってから、その後に目的の濃度とするための濃縮工程を行うことが好ましい。その方法としては、図1に示すように、所定の濃度よりも低濃度につくられたドープ22を、第1ろ過装置24でろ過した後に、バルブ57を介してフラッシュ装置27に送り、このフラッシュ装置27でドープ22の溶媒の一部を蒸発させる方法がある。蒸発により発生した溶媒ガスは、凝縮器(図示せず)により凝縮されて液体となり回収装置31により回収される。回収された溶媒は、再生装置32により再生されて再利用される。この方法により、上記の製造効率の向上と溶媒の再利用によるコストダウンとが図られる。
上記のように濃縮されたドープ22は、ポンプ52によりフラッシュ装置27から下流側工程へ送られる。フラッシュ装置27から出てきたドープ22の気泡を抜くために、泡抜き処理が行われることが好ましい。この泡抜き方法としては、公知の種々の方法が適用され、例えば超音波照射法が挙げられる。ドープ22は、続いて第2ろ過装置25に送られ、未溶解物や不溶解物等がさらに除去される。なお、第2ろ過装置25におけるドープ22の温度は0℃〜200℃であることが好ましい。そして、ドープ22は第4タンク33に送られて貯蔵される。
ドープ22は、TAC濃度が5質量%〜40質量%であることが好ましい。より好ましくはTAC濃度が15質量%以上30質量%以下であり、最も好ましくは17質量%以上25質量%以下である。また、添加剤(主として可塑剤)の濃度は、ドープ22における固形分全体を100質量%としたときに1質量%以上20質量%以下の範囲とすることが好ましい。また、TACフィルムを得る溶液製膜法における素材、原料、添加剤の溶解方法及び添加方法、ろ過方法、脱泡などのドープの製造方法については、特開2005−104148号公報の[0517]段落から[0616]段落が詳しい。これらの記載も本発明に適用することができる。
[溶液製膜方法]
次に、ドープ22を用いてフィルム製造をする方法について説明する。図2は溶液製膜設備40を示す概略図であり、図3は流延支持体の幅方向に沿った断面図である。ただし、本発明は、図2に示すような溶液製膜設備に限定されるものではない。溶液製膜設備40は、ドープ22を流延するための流延部81と、流延部81から送られてきたフィルムを乾燥するための乾燥部82と、乾燥されたフィルムを巻き取るための巻取部83とを有している。しかし、これらは設備内で明確に区画されているわけではない。
流延部81には、バックアップローラ84,85の回転により連続走行する流延支持体86としてのバンドと、流延支持体86の張力を制御するためにバックアップローラ85を変位させるシフト装置88と、流延支持体86の上にドープ61を流延して流延膜87を形成するための流延ダイ89と、流延ダイ89から流延膜87を剥がす際にフィルム90を支持するローラ91とが備えられ、バックアップローラ84,85にはその表面温度を制御するための伝熱媒体循環装置92が取り付けられている。流延部81には、さらに、流延ダイ89から流延支持体86にかけて形成されるビードの背面部を圧力制御するための減圧チャンバ93と、流延支持体86を加熱する加熱装置94とが配される。
流延ダイ89、流延支持体86等の流延用機器は流延室95に収められ、この流延室95には、その内部温度を制御する温度コントローラ96と、揮発した有機溶媒を凝縮するための凝縮器(コンデンサ)98とが設けられている。そして、流延室95の外部には、凝縮液化した有機溶媒を回収するための回収装置101が設けられている。
また、流延室95には、流延膜87に送風するための送風装置105〜107が設けてある。送風装置105,106の取り付け位置は、バックアップローラ84,85に巻き掛けられた流延支持体86のうち上方側とされ、また送風装置107は流延支持体のうち下方側とされている。また、流延ダイ89の下流であって流延支持体86の近傍には、流延支持体86の走行に伴って発生する風が流延膜87の近傍に巻き込まれることを防ぐための遮風部材109が備えられている。
流延ダイ89は、送液路を通ってきたドープ61が供給されるフィードブロック110を備える。流延ダイ89の材質としては、オーステナイト相とフェライト相との混合組成をもつ2相系ステンレス鋼が好ましく、その熱膨張率が2×10−5(℃−1)以下であることが好ましい。そして、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316と略同等の耐腐食性を有するものもこの流延ダイ89の材質として用いることができ、さらに、ジクロロメタン、メタノール、水の混合液に3ヵ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有するものが好ましい。流延ダイ89は、さらに、鋳造後1ヶ月以上経過したものを研削加工して作製されたものであることが好ましく、これにより流延ダイ89内を流れるドープの面状が一定に保たれる。流延ダイ89と後述するフィードブロック110との接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であることが好ましい。流延ダイ89のスリットのクリアランスは、自動調整により0.5mm〜3.5mmの範囲で調整可能とされている。流延ダイ89のリップ先端の接液部の角部分について、その面取り半径Rは全巾にわたり50μm以下とされている。また、流延ダイ89の内部における剪断速度は、1(1/秒)〜5000(1/秒)となるように調整されていることが好ましい。
流延ダイ89の幅は特に限定されるものではないが、最終製品となるフィルムの幅の1.1倍〜2.0倍程度であることが好ましい。また、製膜中の温度が所定温度に保持されるように、この流延ダイ89に温度コントローラ(図示なし)を取り付けることが好ましい。また、流延ダイ89としてはコートハンガー型ダイが好ましい。さらに、フィルムの厚みを調整するために、例えば流延ダイ89の幅方向に所定の間隔で設ける厚み調整ボルト(ヒートボルト)等の自動厚み調整機構が、この流延ダイ89に備えられていることがより好ましい。ここでのフィルム厚みとは、厚み変動と、幅方向における平坦性とを含めて意味している。ヒートボルトの使用に関しては、予め設定されるプログラムによりポンプ(高精度ギアポンプが好ましい)43の送液量に応じてプロファイルが設定されることが好ましい。また、赤外線厚み計等の厚み計(図示せず)のプロファイルに基づく調整プログラムによってヒートボルトの調整量をフィードバック制御してもよい。リップクリアランスは、流延エッジ部を除いて幅方向の最小値と最大値との差が3μm以下となるように調整されることが好ましく、2μm以下に調整されることがより好ましい。また、リップクリアランスの調整精度は±1.5μm以下とされているものを用いることが好ましい。
流延ダイ89のリップ先端には硬化膜が形成されていることがより好ましい。硬化膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、セラミックスコーティング、ハードクロムメッキ、窒化処理方法などが挙げられる。硬化膜の素材としてセラミックスを用いる場合には、研削でき気孔率が低く脆くなく耐腐食性が良いものが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC),Al,TiN,Crなどが挙げられるが、中でも特に好ましくはWCである。WCコーティングは、溶射法で行うことができる。
また、流延ダイ89のスリット端に流出するドープ61が、局所的に乾燥固化することを防止するために、そのスリット端には溶媒供給装置(図示せず)を取り付けることが好ましい。この場合には、ドープを可溶化する溶媒(例えば、ジクロロメタン86.5質量部,アセトン13質量部,n−ブタノール0.5質量部の混合溶媒)が、ビードの両端部と外気との気液界面、及びスリットにおけるドープと外気との気液界面に供給されることが好ましい。そしてこの供給速度は、片端部のそれぞれに0.1mL/分〜1.0mL/分であることが好ましく、これにより、ビード両端部の固化を防止して流延膜中への固化物混入を防止することができる。なお、この溶媒供給のためのポンプとしては、脈動率が5%以下のものが好ましい。
流延支持体86については、その幅は特に限定されるものではないが流延幅の1.1倍〜2.0倍であることが好ましく、長さは20〜200m、厚みは0.5〜2.5mmが好ましい。流延支持体86の材質は一般的にはステンレス鋼とされる。ステンレス鋼は、基質としての鉄(Fe)にクロム(Cr)が添加された合金であり、Crの不動態被膜によって耐食性を得ている。そして、オーステナイト系の結晶構造をもつステンレス鋼が流延支持体86の素材として好ましい。しかし、X線回折装置を使った金属組織解析を基にした本発明者らの検討によると、流延を連続的に行っているうちに、部分的にオーステナイトがマルテンサイトになる、つまりマルタンサイト変態が起きることがある。これは、流延支持体86の凹凸が大きい、あるいは残留応力が大きいことに原因がある。そして、マルテンサイトはオーステナイトと比べると硬く、耐食性が低いので、削れやすい。このため、部分的にマルテンサイトになった流延支持体を流延に用いると、フィルムにキズがつく。そこで、本発明では、以下のような流延支持体を用いる。
図3において、矢線Xで示される方向は、流延支持体86の幅方向である。図3においては、流延支持体86の流延膜が形成される側の面、つまり流延面には符号86aを付し、バックアップローラに接触する側の面、つまり反流延面には符号86bを付す。10mmの間隔Lをもつ任意の2点P1,P2を結ぶ直線に沿って連続的に流延面86aの凹凸の深さを測定する。本発明では、凹凸の深さの最大値DEを40μm以内としている。これにより、フィルムの長手方向に伸びたキズが微小間隔で多数発生するということを抑制することができる。流延面86aの凹凸について、L=10mmである2点P1,P2の間の凹凸深さの最大値DEが40μmよりも大きいと、オーステナイトの一部がマルテンサイトとなり、フィルムに対し長手方向に長いキズを負わせることが多い。流延支持体86の流延面は、平滑であること、つまり前記2点P1,P2間の凹凸深さの最大値DEがゼロに近いほど好ましい。なお、マルテンサイトの有無は、市販のフェライトメータにより簡便に検知することができる。
しかし、流延面86aが平滑であっても、反流延面86bが粗いとバックアップローラやその他のローラ等との接触で、走行時における流延面の高さが変化する。そこで、流延支持体86は、反流延面も平滑であることが好ましく、厚みTの最大値と最小値との差が20μm以内であることがより好ましい。
流延支持体86は、バックアップローラ84,85と硬さが異なる素材で構成されることが好ましい。流延支持体86がバックアップローラ84,85と略同等の硬さであると、両者の摩擦により流延支持体86が削れて削り粉が発生してしまうことがあるからである。
流延支持体86の圧縮残留応力は小さいほど好ましい。しかし、圧縮残留応力がゼロとなるように流延支持体86を製造することは困難であるので、これを500MPa以下とする。これにより、マルテンサイト変態を抑制する効果がより向上して、フィルムのキズをより抑制することができる。なお、圧縮残留応力の測定は、公知のX線回折装置や中性子回折装置等を用いて測定することができる。
上記のような流延支持体86は、例えば、ステンレス鋼を長尺状に圧延して、その先端と後端とをつなげて両面を研磨することにより得られる。研磨は、先端と後端とをつなげられたステンレス鋼を1対のバックアップローラで連続走行しながら片面ずつグラインダ等で行い、その後に流延面が鏡面となるように砥石等で行うとよい。そして、圧縮残留応力を500MPaとするために、やきなましをする。ステンレス鋼の中でも、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製、SUS304製が好ましく、SUS316が特に好ましい。
なお、流延支持体86についてはその表面欠陥を最小限に抑制することが好ましい。具体的には、30μm以上のピンホールが無く、10μm以上30μm未満のピンホールは1個/m以下であり、10μm未満のピンホールは2個/m以下であることが好ましい。
乾燥部82は、図2に示すように、フィルム90を所定方向に延伸しながら乾燥するテンタ122と、テンタ122の下流に備えられてフィルム90の両側端部を切断する切断装置123とを備えるとともに、側端部を切断除去されたフィルム90をローラ126で搬送しながら乾燥する乾燥装置127と、フィルム90を冷却する冷却装置128とを備える。そして、乾燥装置127には溶媒ガスを吸着回収するための吸着回収装置131が取り付けられている。なお、前記切断装置123には、切断されたフィルム側端部を細かく切断するためのクラッシャ132が接続されている。また、フィルム90がテンタ122へ導入される前の渡り部133には、送風装置134が備えられている。
巻取部83には、フィルム90の帯電圧値を所定の値となるように調整するための強制除電装置(除電バー)137と、フィルム90の両側端部にエンボス加工をするためのナーリング付与ローラ138と、フィルム90を巻き取るための巻取ローラ141とが備えられ、巻取ローラ141は巻き取り時のフィルム張力を制御するためのプレスローラ142を備える。なお、巻取ローラ141とプレスローラ142とは、巻取室143の内部に配される。
また、流延支持体86の反フィルム側に備えられる加熱装置94は、流延膜の裏面を乾燥するために設けられた熱風を吹き付ける送風装置である。ただし、加熱装置94は、熱風吹き付けの装置に限定されず、例えば周面が所定温度に加熱可能なヒートローラ等に代えてもよい。この加熱装置94は温度コントローラ166を備え、また、流延支持体86の近傍には非接触で流延支持体86の温度を検知する温度センサ(図示なし)が備えられており、この温度センサの検知結果に応じて、温度コントローラ166は加熱装置94の温度制御を行う。
次に、溶液製膜設備40によるフィルム製造方法を以下に説明する。流延ダイ89の下方のバックアップローラ84,85は駆動装置(図示せず)により回転し、この回転に伴い流延支持体86は無端走行する。そして、10m/分〜200m/分の流延速度とされることが好ましい。バックアップローラ84,85は、流延支持体86にかかる走行方向におけるテンションが好ましくは25N/mm〜200N/mm、さらに好ましくは50N/mm〜100N/mmとなるようにシフト装置88により位置を調整される。このテンションが25N/mmよりも小さいと、流延支持体86が緩すぎて蛇行してしまうことがあり、一方200Nよりも大きいとバックアップローラ84,85との接触による摩耗が促進されてしまうことがある。回転支持体86が一周する際に生じる幅方向の蛇行は、1.5mm以内に抑制することが好ましい。流延支持体86の両側縁の位置を検出する検出器(図示せず)を設け、その測定値に基づきバンドの位置をフィードバック制御することがより好ましく、例えば、シフト装置88に検出結果を伝えることにより上記テンションの制御を行うことが好ましい。流延支持体86とバックアップローラ84,85との相対速度差は0.01m/分以下であることが好ましい。そして、流延支持体86については、その速度変動を0.5%以下とするとともに、流延ダイ89直下における流延支持体86について、バックアップローラ86の回転に伴う上下方向の位置変動は、200μm以下とされることが好ましい。
ドープ61が流延ダイ89から流延支持体86の上に流出することにより、流延膜87は形成される。流延ダイ89から流延支持体86にかけて形成されるビードの上流側のエリアは減圧チャンバ93により圧力制御される。これによりビード形成が安定化するとともに、ビードの揺れ等を抑制することができる。ビードより上流側のエリアは、下流側のエリアよりも5〜1000Pa減圧されることが好ましい。減圧チャンバ93の内部温度は特に限定されるものではないが、25〜55℃に調整されていることが好ましく、この内部温度制御のために減圧チャンバ93にジャケット等を設けることができる。また、減圧チャンバ93には、ドープの流出口の両側端近傍に吸引装置(図示なし)をさらに設ける場合がある。これにより、ビードの両側端部を吸引してビードの形状をより安定化することができる。この場合には、吸引風力を1〜100L/分とすることが好ましい。
伝熱媒体循環装置92によりバックアップローラ84,85は温度調整される。バックアップローラ84,85からの伝熱により流延支持体86の表面温度が−20℃〜40℃に調整されることが好ましい。なお、バックアップローラ84,85には伝熱媒体の流路(図示せず)が形成されており、その流路を、伝熱媒体循環装置92により所定温度に制御されている伝熱媒体が通過することにより、バックアップローラ84,85の温度が所定の値に保持される。
流延膜87から揮発した有機溶媒は、コンデンサ98により凝縮され、回収装置101により凝縮された有機溶媒が回収されドープ製造用溶媒として再利用される。
流延室95の内部温度は、温度コントローラ96により−10℃〜57℃とされることが好ましい。
フィルム90は、送風装置134から所定温度の乾燥風を必要に応じて吹き付けられることにより乾燥を進行されてテンタ122へ搬送される。送風装置134からの乾燥風の温度は20℃〜250℃であることが好ましい。なお、渡り部133では、所定のローラの回転速度を、そのローラよりも上流側のローラの回転速度よりも大きくすることによりフィルム90に搬送方向における張力を付与させることが可能となっている。
テンタ122に送られたフィルム90は、その両端部がクリップ等の保持部材で把持されて搬送されながら乾燥される。本実施形態におけるテンタ122は、フィルム90を幅方向に延伸させることができる。このように、渡り部133とテンタ122との少なくともいずれかひとつにおいては、フィルム90の流延方向と幅方向との少なくとも1方向について0.5%〜300%延伸することが好ましい。なお、テンタ122の区画することにより、その区画毎に温度等の乾燥条件を適宜調整することが好ましい。
フィルム90は、テンタ122で所定の残留溶媒量となるまで乾燥された後、切断装置123により両側端部を切断除去される。切断された両側端部は、カッターブロワ(図示なし)によりクラッシャ132に送られ、このクラッシャ132により粉砕されてチップとなる。このチップはドープ製造用として再利用されるので、製造コストの改善という観点から有効である。なお、この両側端部の切断工程については省略することもできるが、前記流延工程から巻取部83による巻き取り工程までのいずれかの工程で行うことが好ましい。
両側端部を切断除去されたフィルム90は、乾燥装置127に送られてさらに乾燥される。乾燥装置127においては、フィルム90は、ローラ126に巻き掛けられながら搬送されており、乾燥装置127の内部温度は、特に限定されるものではないが、60〜145℃の範囲であることが好ましい。乾燥装置127によりフィルム90から蒸発して発生した溶媒ガスは、吸着回収装置131により吸着回収される。そして溶媒成分が除去された空気は乾燥風として乾燥装置127で再利用される。なお、乾燥装置127は、乾燥温度を変えるために複数の区画に分割されていることがより好ましい。また、切断装置123と乾燥装置127との間に予備乾燥装置(図示せず)を設けて、この予備乾燥装置によりフィルム90を予備乾燥すると、フィルム90の温度が乾燥装置127で急激に上昇してしまうことを防止することができるので、フィルム90の形状変化をより抑制することができる。
フィルム90は、冷却装置128において略室温にまで冷却される。なお、乾燥装置127と冷却装置128との間に調節手段としての調湿室(図示しない)等を設けてもよく、この調湿手段ではフィルム90に所望の湿度及び温度に調整された空気を吹き付けられることが好ましい。これにより、フィルム90のカール発生や巻き取り工程における巻き取り不良の発生を抑制することができる。
続いてフィルム90は、除電バー137により所定の帯電圧値(例えば、−3kV〜+3kV)とされる。ただし、この除電の工程位置は、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、乾燥部82の内部の所定位置やナーリング付与ローラ138の下流位置等であってもよく、また、複数箇所であってもよい。そしてフィルム81は、図4に示すように、その両側端部がナーリング付与ローラ138によりエンボス加工されてナーリングを付与されることが好ましく、施されたエンボスの凹凸差が1〜200μmであることが好ましい。
最後に、フィルム90を巻取ローラ141で巻き取る。巻き取り時のフィルム90は、プレスローラ142により所望のテンションを付与されながら巻き取られる。このテンションは、巻取開始時から終了時にかけて徐々に変化されることがより好ましい。本実施形態におけるフィルム90は、長手方向の長さが100m以上、幅が600mm以上とされている。本発明は、フィルム90の幅が1400mm以上1800mm以下であるときにより効果があり、1800mmよりも大きい場合にも効果がある。また、フィルムが15μm以上100μm以下の薄いものであるときにも本発明を適用することができる。
流延膜87及びフィルム90は、単層構造であっても複層構造であってもよい。つまり、2種類以上のドープを同時複層共流延又は逐次積層共流延させることもできる。さらに両共流延を組み合わせても良い。同時複層共流延を行う際には、フィードブロックを取り付けた流延ダイを用いても良いし、マルチマニホールド型流延ダイを用いても良い。フィルムが多層構造である場合には、空気面側の層の厚さと支持体側の層の厚さとの少なくともいずれか一方が、フィルム全体の厚みの0.5%〜30%であることが好ましい。さらに、同時複層共流延を行う場合には、流延する際に、高粘度ドープが低粘度ドープにより包み込まれるようにダイスリットからドープを流出することが好ましい。また、同時複層共流延を行なう場合には、ダイスリットから支持体にかけて形成される流延ビードのうち、外界と接するドープが内部のドープよりもアルコールの組成比が大きいことが好ましい。
複層構造のフィルムを製造する際には、流延すべき複数のドープのうち、流延支持体に接するひとつには、剥離促進剤を添加することが好ましい。この剥離促進剤とは、流延支持体から流延膜を剥がしやすくするために添加するものであり、公知の種々の剥離促進剤を用いてよい。また、フィルムが単層構造、複層構造のいずれであっても、可塑剤はフィルム全重量の3〜20重量%、紫外線吸収剤はフィルム全重量の0.001から5重量%、微粒子粉体はフィルム全重量の0.001から5重量%とされることが好ましい。
流延ダイ、減圧チャンバ、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取り方法から、溶媒回収方法、フィルム回収方法まで、特開2005−104148号公報の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記述されている。これらの記載も本発明に適用できる。
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフィルムの性能及びそれらの測定法は、特開2005−104148号公報の[0112]段落から[0139]段落に記載されている。これらの性能及び測定法は本発明に適用することができる。
[表面処理]
得られるセルロースアシレートフィルムは、その少なくとも一方の面が表面処理されてから、種々の用途に用いられることが好ましい。表面処理としては、真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種が好ましい。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
得られるセルロースアシレートフィルムは、その少なくとも一面に下塗り層がさらに設けられて各種用途に用いられても良い。
さらに、得られるセルロースアシレートフィルムは、これをベースフィルムとし、このベースフィルムに他の機能性層を付与することにより、多種の機能性材料を得ることができる。前記機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層及び光学補償層から選択される少なくとも1層であることが好ましい。
前記機能性層が、少なくとも一種の界面活性剤を0.1〜1000mg/mの比率で含有すること、少なくとも一種の滑り剤を0.1〜1000mg/mの比率で含有すること、少なくとも一種のマット剤を0.1〜1000mg/mの比率で含有すること、少なくとも一種の帯電防止剤を1〜1000mg/mの比率で含有すること、がさらに好ましい。このような機能性層の付与方法としては、特開2005−104148号公報の[0890]段落から[1087]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されていれており、本発明に適用することができる。
(用途)
製造されるセルロースアシレートフィルムは、特に偏光板保護フィルムとして有用である。セルロースアシレートフィルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、液晶層に通常は2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、周知の各種配置とすることができる。特開2005−104148号公報には、液晶表示装置として、TN型,STN型,VA型,OCB型,反射型、その他の例が詳しく記載されている。この方法は、本発明にも適用することができる。また、同出願には光学的異方性層を付与したセルロースアシレートフィルムや、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフィルムについての記載もある。更には、適度な光学性能を付与した二軸性セルロースアシレートフィルムとして光学補償フィルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フィルムと兼用して使用することもできる。これらの記載内容は、本発明にも適用することができる。特開2005−104148号公報の[1088]段落から[1265]段落に詳細が記載されている。
また、本発明の製造方法により光学特性に優れるセルローストリアセテートフィルム(TACフィルム)を得ることができる。前記TACフィルムは、偏光板保護フィルムや写真感光材料のベースフィルムとして用いることができる。さらにテレビ用途などの液晶表示装置の視野角依存性を改良するための光学補償フィルムとしても使用可能である。特に偏光板の保護膜を兼ねる用途に効果的である。そのため、従来のTNモードだけでなくIPSモード、OCBモード、VAモードなどにも用いられる。また、前記偏光板保護膜用フィルムを用いて偏光板を構成しても良い。
以下に、実施例をもって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ドープ原料の配合]
セルローストリアセテート(置換度2.84、粘度平均重合度306、含水率0.2質量%、ジクロロメタン溶液中6質量%の粘度 315mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉体) 100質量部
ジクロロメタン(第1溶媒) 320質量部
メタノール(第2溶媒) 83質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート 7.6質量部
可塑剤B(ジフェニルフォスフェート) 3.8質量部
UV剤a:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール 0.7質量部
UV剤b:2(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール 0.3質量部
クエン酸エステル混合物(クエン酸、モノエチルエステル、ジエチルエステル、トリエチルエステル混合物) 0.006質量部
微粒子(二酸化ケイ素(平均粒径15nm)、モース硬度 約7) 0.05質量部
[セルローストリアセテート]
セルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1質量%以下であり、Ca含有率が58ppm、Mg含有率が42ppm、Fe含有率が0.5ppmであり、遊離酢酸40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また6位水酸基の水素に対するアセチル基の置換度は0.91であった。また、全アセチル基中の32.5%が6位の水酸基の水素が置換されたアセチル基であった。また、このTACをアセトンで抽出したアセトン抽出分は8質量%であり、その重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。また、得られたTACのイエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、Tg(ガラス転移温度;DSCにより測定)は160℃、結晶化発熱量は6.4J/gであった。このTACは、綿から採取したセルロースを原料として合成されたものである。以下の説明において、これを綿原料TACと称する。
(1−1)ドープ仕込み
図1に示すドープ製造設備10を用いてドープ22を調製した。攪拌羽根を有する4000Lのステンレス製第1タンク11で前記複数の溶媒を混合してよく攪拌し、混合溶媒とした。なお、溶媒の各原料としては、すべてその含水率が0.5質量%以下のものを使用した。次に、TACのフレーク状粉体をホッパ15から徐々に添加した。TAC粉末は、第3タンク16に投入されて、最初は5m/secの周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯型の第1攪拌機42と中心軸にアンカー翼を有する第2攪拌機45とにより撹拌し、その後、周速1m/secで30分間撹拌して固形分を分散させた。分散開始時の温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。さらに、予め調製された添加剤溶液を、第2タンク12からバルブ56で送液量を調整して、第3タンク16の内容量全体が2000kgとなるようにした。添加剤溶液の分散を終了した後に、高速攪拌を停止した。そして、第1攪拌機42のアンカー翼の周速を0.5m/secとしてさらに100分間攪拌し、TACフレークを膨潤させて膨潤液である混合物17を得た。膨潤終了までは窒素ガスにより第3タンク16内を0.12MPaになるように加圧した。この際の第3タンク16の内部は、酸素濃度が2vol%未満であり、防爆上で問題のない状態とされた。また混合物17中の水分量は0.3質量%であった。
(1−2)溶解・濾過
ポンプ51により混合物17を第3タンク16から加熱装置21としてのジャケット付配管に送液した。加熱装置21で混合物17を50℃まで加熱して、更に2MPaの加圧下で90℃まで加熱し、膨潤物質を完全溶解した。このときの加熱時間は15分であった。次に溶解された液を温調同値23で36℃まで温度を下げ、公称孔径8μmの濾材を有する第1ろ過装置24を通過させた。この際、第1ろ過装置24における1次側圧力が1.5MPa、2次側圧力が1.2MPaとなるようにした。高温にさらされるフィルタ、ハウジング及び配管はハステロイ(商品名)合金製で耐食性の優れたものを利用し保温加熱用の伝熱媒体を流通させるジャケットを備えたものを使用した。
(1−3)濃縮・濾過・脱泡・添加剤
このようにして得られたドープ22を80℃で常圧とされたフラッシュ装置27内でフラッシュ蒸発させて、蒸発した溶媒を凝縮器で回収した。フラッシュ後のドープ22の固形分濃度は、21.8質量%となった。凝縮された溶媒は、ドープ製造用の溶媒として再利用すべく回収装置31で回収された。凝縮溶媒は、その後、再生装置32で再生した後に第1タンク11に送液される。回収装置31,再生装置32では、蒸留や脱水を行った。フラッシュ装置27のタンクには攪拌軸にアンカー翼を備えた攪拌機(図示しない)が設けられ、フラッシュされたドープ22をその攪拌機により周速0.5m/secで攪拌して脱泡した。このタンク内のドープ22の温度は25℃であり、タンク内におけるドープ22の平均滞留時間は50分であった。このドープ22を採取して25℃で測定した剪断粘度は、剪断速度10(sec−1)で450Pa・sであった。
次に、このドープ22に弱い超音波を照射することにより泡抜きを実施した。その後、ドープ22を、第2ポンプ52により1.5MPaに加圧した状態で、第2ろ過装置25を通過させた。第2ろ過装置25では、ドープ22は、最初公称孔径10μmの焼結繊維金属フィルタを通過され、ついで同じく10μmの焼結繊維フィルタを通過された。それぞれの1次側圧力は1.5MPa,1.2MPaであり、2次側圧力は1.0MPa,0.8MPaであった。ろ過後のドープ温度を36℃に調整して2000Lのステンレス製第4タンク33内にドープ22を送液して貯蔵した。第4タンク33は、中心軸にアンカー翼を備えた攪拌機42を有しており、周速0.3m/secで常時攪拌を行った。なお、ドープ製造設備10では、ドープが接触する部位に腐食などの問題は全く生じなかった。
また、ジクロロメタンが86.5質量部、アセトンが13質量部、1−ブタノールが0.5質量部の混合溶媒Aを作製した。
(1−4)吐出・直前添加・流延・ビード減圧
図2に示すフィルム製造設備40を用いてフィルム90を製造した。第4タンク33内のドープ22を高精度のギアポンプでろ過装置(図示せず)へ送った。このギアポンプは、ポンプの1次側を増圧する機能を有している。そして、1次側の圧力が0.8MPaになるようにインバーターモータによりギアポンプの上流側に対するフィードバック制御を行い送液した。ギアポンプは容積効率99.2%、吐出量の変動率0.5%以下の性能であるものを用いた。また、吐出圧力は1.5MPaであった。そして、ろ過装置を通ったドープ22を流延ダイ89に送液した。
流延ダイ89は、幅が1.8mであり乾燥されたフィルム90の膜厚が80μmとなるように、流延ダイ89の吐出口のドープ22の流量を調整して流延を行った。また流延ダイ89の吐出口からのドープ22の流延幅を1700mmとした。ドープ22の温度を36℃に調整するために、流延ダイ89にジャケット(図示しない)を設けてジャケット内に供給する伝熱媒体の入口温度を36℃とした。
流延ダイ89と配管とはすべて、製膜中には36℃に保温した。流延ダイ89は、コートハンガータイプのダイを用いた。流延ダイ89には、厚み調整ボルトが20mmピッチに設けられており、ヒートボルトによる自動厚み調整機構を具備しているものを使用した。このヒートボルトは、予め設定したプログラムによりギアポンプの送液量に応じたプロファイルを設定することができ、フィルム製造設備40に設置した赤外線厚み計(図示しない)のプロファイルに基づいた調整プログラムによってフィードバック制御も可能な性能を有するものである。また、幅方向におけるリップクリアランスは±1.5%以下とした。
また、流延ダイ89の1次側を減圧するための減圧チャンバ93の減圧度は、流延ビードの前後で1Pa〜5000Paの圧力差が生じるように調整され、この調整は流延速度に応じてなされる。その際に、流延ビードの長さが20mm〜50mmとなるように流延ビードの両面側の圧力差を設定した。また、減圧チャンバ93は、流延部周囲のガスの凝縮温度よりも高い温度に設定できる機構を具備したものを用いた。ダイ吐出口におけるビードの前面部、背面部にはラビリンスパッキン(図示しない)を設けた。また、流延ダイ89のドープ流出口の両端には開口部を設けた。さらに、流延ダイ89には、流延ビードの両縁の乱れを調整するためのエッジ吸引装置(図示しない)を取り付けた。
(1−5)流延ダイ
流延ダイ89の材質は、熱膨張率が2×10−5(℃−1)以下の2層ステンレス鋼である。そしてこれは、電解質水溶液での強制腐食試験においてSUS316製と略同等の耐腐食性を有する素材であり、また、ジクロロメタン,メタノール,水の混合液に3ヶ月浸漬しても気液界面にピッティング(孔開き)が生じない耐腐食性を有する。流延ダイ89の接液面の仕上げ精度は表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であり、スリットのクリアランスは1.5mmに調整した。ダイ89のリップ先端の接液部の角部分については、面取り半径Rがスリット全巾に亘り50μm以下になるように加工されている。ダイ89の内部での剪断速度は1(1/sec)〜5000(1/sec)の範囲であった。また、流延ダイ89のリップ先端には、溶射法によりWC(タングステンカーバイド)コーティングをおこない硬化膜を設けた。
さらに流延ダイ89の吐出口には、流出するドープ22が局所的に乾燥固化することを防止するために、ドープ22を可溶化するための前記混合溶媒Aを、流延ビードの両側端部と吐出口との界面部に対してそれぞれ0.5ml/min.ずつ供給した。この混合溶媒Aを供給するポンプの脈動率は5%以下であった。また、減圧チャンバ93によりビード背面側の圧力を前面部よりも150Pa低くした。また、減圧チャンバ93の内部温度を所定の温度で一定にするためにジャケット(図示しない)を取り付けた。そのジャケット内には35℃に調整された伝熱媒体を供給した。前記エッジ吸引装置は、1L/min.〜100L/min.の範囲となるようにエッジ吸引風量を調整することができるものであり、本実施例ではこれを30L/min.〜40L/min.の範囲となるように適宜調整した。
(1−6)金属支持体
流延支持体86として、幅2.1mで長さ70mのSUS316のエンドレスバンド83を用いた。流延支持体86は、互いに10mm離れた、つまりL=10mmである任意の2点P1,P2を直線で結んだときに、その直線に沿って測定される流延面86aの凹凸の最大値DEが20μmとなるように研磨され、圧縮残留応力が100MPaとなるように熱処理されたものである。2点P1,P2間の凹凸深さの最大値DEは、形状測定機(CONTRACER、(株)ミツトヨ製)またはプロファイルスキャナ((株)東京精密製)にて測定し、残留応力測定及び金属組織解析はX線回折装置にて実施し、また、幅方向における厚みのばらつき測定は超音波厚み計にて実施した。
流延支持体86は2つのバックアップローラ84,85により搬送され、バックアップローラ84,85の間の支持体86の走行路には支持体86を支持するためのローラが適宜配される。走行時における流延支持体86の搬送方向におけるテンションを50N/mmとなるように調整した。テンションの調整は、バックアップローラ84の変位と、流延支持体86とバックアップローラ81,82との相対速度差とにより行い、テンション測定は、ロードセルで行い、その1/2を流延支持体86にかかるテンションとした。また、流延支持体86の速度変動は0.5%以下であった。また1回転の幅方向の蛇行が1.5mm以下に制限されるように、流延支持体86の両端位置を検出しながら制御した。また、流延ダイ89のリップ先端と流延支持体86との上下方向におけるすきま変動は200μm以下とした。なお、流延支持体86は、風圧変動抑制手段(図示しない)を有した流延室95内に設置されている。この流延支持体86上に流延ダイ89からドープ22を流延した。
(1−7)流延乾燥
流延室95の内部を35℃に保った。流延膜87には、最初に、膜面に対し平行に流れる乾燥風を送り、流延膜87を乾燥した。この乾燥風からの流延膜87への総括伝熱係数は24kcal/(m・hr・℃)であった。乾燥風の温度は、流延支持体86上部の上流側の送風装置105からは135℃の乾燥風、下流側の送風装置106からは140℃の乾燥風を送風し、流延支持体86下部の送風装置107からは65℃の乾燥風を送風した。それぞれの乾燥風の飽和温度は、いずれも−8℃付近であった。流延支持体86上での乾燥雰囲気における酸素濃度については、これを5vol%に保持した。なお、酸素濃度を5vol%に保持するために、空気を窒素ガスで置換した。また、流延室95内の溶媒を凝縮回収するために、凝縮器(コンデンサ)98を設け、その出口温度を−10℃に設定した。
流延後5秒間は乾燥風が直接流延ビード及び流延膜87に当たらないように遮風部材109を設置して、流延ダイ89近傍の静圧変動を±1Pa以下とした。流延膜87中の溶媒比率が乾量基準で50質量%になった時点で流延支持体86から剥取ローラ91で支持しながらフィルム90として剥ぎ取った。なお、この乾量基準による溶媒含有率は、サンプリング時におけるフィルム重量をx、そのサンプリングフィルムを乾燥した後の重量をyとするとき{(x−y)/y}×100で算出される値である。剥取テンションは1×10N/mとした。剥取不良を抑制するために、流延支持体86の速度に対する剥取速度、つまり剥取ローラドローは100.1%〜110%の範囲とした。剥ぎ取ったフィルム90の表面温度は15℃であった。流延支持体86上での乾燥速度は、乾量基準で平均60質量%/minであった。乾燥により発生した溶媒ガスは−10℃の凝縮器98で凝縮液化して回収装置101で回収した。回収された溶媒は、水分量が0.5%以下となるように調整した。また、溶媒が除去された乾燥風は、再度加熱して乾燥風として再利用した。フィルム90を渡り部133のローラを介して搬送し、テンタ122に送った。この渡り部133では、送風装置134から40℃の乾燥風をフィルム90に送風した。なお、渡り部133のローラで搬送している際に、フィルム90には約30Nのテンションを付与した。
(1−8)テンタ搬送・乾燥・耳切
テンタ122に送られたフィルム90は、クリップでその両端を固定されながらテンタ122の乾燥ゾーン内を搬送され、この間、乾燥風により乾燥される。クリップは、20℃の伝熱媒体の供給により冷却した。テンタ122におけるクリップの搬送はチェーンで行い、そのスプロケットの速度変動は0.5%以下であった。乾燥風のガス組成は−10℃における飽和ガス濃度とした。テンタ122内での平均乾燥速度は120質量%(乾量基準)/min.であった。テンタ122の出口におけるフィルム90の残留溶媒量が7質量%となるように、乾燥ゾーンの条件を調整した。テンタ122内ではフィルム90を搬送しつつ幅方向における延伸も行った。なお、この延伸前のフィルム90の幅を100%としたとき、延伸後の幅が延伸前の110%となるように延伸した。剥取用のローラからテンタ122の入口に至るまでの延伸率(テンタ駆動ドロー)は102%とした。また、テンタ入口から出口までの長さに対する、クリップ狭持開始位置から狭持解除位置までの長さの割合は90%とした。テンタ122内で蒸発した溶媒は−10℃の温度で凝縮させ液化して回収した。凝縮回収用に凝縮器(コンデンサ)を設け、その出口温度は−8℃に設定した。そして凝縮溶媒は、含まれる水分量が0.5質量%以下に調整されて再使用された。
そして、テンタ122の出口から30秒以内にフィルム90の耳切りを耳切装置123により実施した。NT型カッターにより両側50mmの耳をカットし、カットした耳はカッターブロワ(図示しない)によりクラッシャ132に風送して平均80mm程度のチップに粉砕した。このチップは、ドープ製造用の原料としてTACフレークと共に利用した。テンタ122の乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、酸素濃度を5vol%に保持するため空気を窒素ガスで置換した。後述する乾燥室51で高温乾燥させる前に、100℃の乾燥風が供給されている予備乾燥室(図示しない)でフィルム82を予備加熱した。
(1−9)後乾燥・除電
フィルム90を乾燥室127で高温乾燥した。乾燥室127を搬送方向に4区画に分割して、上流側から120℃,130℃,130℃,130℃の乾燥風を送風機(図示しない)から給気した。フィルム90のローラ126による搬送テンションを100N/mとして、最終的に残留溶媒量が0.3質量%になるまで約10分間乾燥した。ローラ126におけるラップ角(フィルムの巻き掛け中心角)は、90度および180度とした。ローラ126の材質はアルミもしくは炭素鋼であり、表面にはハードクロムメッキが施されてある。ローラ126は、その表面がフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。ローラ126の回転によるフィルム位置の振れは、全て50μm以下であった。また、テンション100N/mでのローラたわみは0.5mm以下となるように選定した。
乾燥室127での乾燥風に含まれる溶媒ガスは、吸着回収装置(図示せず)を用いて吸着回収除去した。ここに使用した吸着剤は活性炭であり、脱着は乾燥窒素を用いて行った。回収した溶媒は水分量0.3質量%以下に調整してドープ調製用溶媒として再利用した。乾燥風には溶媒ガスの他、可塑剤,UV吸収剤,その他の高沸点物が含まれるので、これを冷却除去する冷却器およびプレアドソーバーでこれらを除去して再生循環使用した。そして、最終的に屋外排出ガス中のVOC(揮発性有機化合物)が10ppm以下となるよう、吸脱着条件を設定した。また、全蒸発溶媒の内、凝縮法で回収する溶媒量は90質量%であり、残りのものの大部分は吸着回収により回収した。
乾燥されたフィルム90を第1調湿室(図示せず)に搬送した。乾燥室127と第1調湿室との間の渡り部には、110℃の乾燥風を給気した。第1調湿室には、温度50℃、露点が20℃の空気を給気した。さらに、フィルム90のカールの発生を抑制するための第2調湿室(図示しない)にフィルム90を搬送した。第2調湿室では、フィルム90に直接90℃,湿度70%の空気をあてた。
(1−10)ナーリング、巻取条件
調湿後のフィルム90は、冷却室で30℃以下に冷却した後に、第2耳切装置137により耳切りを行った。搬送中のフィルム90の帯電圧を、常時−3kV〜+3kVの範囲とするために強制除電装置を搬送路に設置した。さらにフィルム90の両端にナーリング付与ローラ138でナーリングの付与を実施した。ナーリングはエンボス加工による。ナーリングを付与する幅は10mmであり、凹凸の高さがフィルム90の平均厚みよりも平均12μm高くなるようにナーリング付与ローラ119による押し圧を設定した。
そして、フィルム90を巻取室143に搬送した。巻取室143は、内部温度28℃,湿度70%に保持されている。さらに、巻取室143の内部にはフィルム90の帯電圧が−1.5kV〜+1.5kVになるようにイオン風除電装置(図示なし)を設置した。このようにして得られたフィルム90の製品幅は、1475mmである。巻取室143の巻き取りローラの径は169mmである。巻き始めと巻き終わりとの各テンションが所定の値となるように制御した。巻き取ったフィルム90の全長は3940mであった。巻き取りの際の巻きズレの変動幅(オシレート幅と称することもある。)を±5mmとし、その巻き軸に対する巻きズレ周期を400mとした。また、巻取軸に対するプレスローラを押し圧については所定の値となるように設定された。巻き取り時のフィルム90の温度は25℃、含水量は1.4質量%、残留溶媒量は0.3質量%であった。全工程を通しても平均乾燥速度は20質量%(乾量基準溶媒)/minであった。また巻き緩み、シワもなく、10Gでの衝撃テストにおいても巻きずれが生じなかった。また、フィルムロールの外観も良好であった。
フィルムロールを25℃、相対湿度55%(以降、55%RHと記す)の貯蔵ラックに1ヶ月保管して、さらに上記と同様に検査した結果、いずれも変化は認められなかった。さらにフィルムロール内においてもフィルムの接着は認められなかった。また、フィルム90を製膜した後に、流延支持体86上には流延膜87の剥げ残りは全く見られなかった。
得られたフィルム90について、1000時間製造を行い、1000時間製造時のフィルムのスジ状変形の発生の有無及びその程度を評価した。評価結果については以下の実施例2〜6とともに表1に示す。表1の評価結果の欄において、○はスジ状変形が全く確認されないことを示し、△はスジ状変形が認められたが実用上問題がない程度であることを示し、×はスジ状変形が多発あるいは顕著に表れて実用的に問題があることを示す。
2点P1,P2の間の凹凸の深さの最大値DEが30μmとされた流延支持体86を用いた他は、実施例1と同じ条件とした。
流延支持体86の走行方向におけるテンションを150N/mmとした他は、実施例1と同じ条件とした。
流延支持体の圧縮残留応力を600MPaとした他は、実施例1と同じ条件とした。
流延支持体の走行方向におけるテンションを250N/mmとした他は、実施例1と同じ条件とした。
2点P1,P2の流延面凹凸の深さの最大値DEが50μm、圧縮残留応力が600MPa、走行方向におけるテンションを150N/mmとした他は、実施例1と同じ条件とした。
Figure 0004528231
本実施例の結果、流延面の互いに10mm離れた2点P1,P2間における凹凸の深さの最大値DEが40μm以内とされた支持体を用いて流延をすると、支持体の長期使用による変質が抑制されて、フィルムのスジ状変形やその他変形を長期間に渡り抑制することができることがわかる。
本発明の実施形態であるドープ製造設備の概略図である。 本発明の実施形態であるフィルム製造設備の概略図である。 流延支持体の幅方向に沿った断面図である。 従来の流延支持体の幅方向における断面図である。 従来の溶液製膜設備により製造されたフィルムの説明図である。
符号の説明
22 ドープ
84,85 バックアップローラ
86 流延支持体
87 流延膜
88 シフト装置
90 フィルム
DE 流延支持体上の2点P1,P2の流延面の高さの差
L 2点P1,P2の距離

Claims (6)

  1. ステンレス鋼からなる流延支持体にドープを流延し、流延されたドープを剥ぎ取る剥取位置からドープが流延される流延位置に戻るように前記流延支持体が循環して連続走行する溶液製膜設備において、
    前記ステンレス鋼はオーステナイト系の結晶構造を有し、前記流延支持体の流延面は、互いに10mm離れた任意の2点を結ぶ直線に沿って凹凸が測定されたときに、その凹凸の深さの最大値DEが40μm以内であることを特徴とする溶液製膜設備。
  2. 前記流延支持体は、予め、圧縮残留応力が500MPa以下とされたことを特徴とする請求項1記載の溶液製膜設備。
  3. 前記流延支持体が巻き掛けられて回転するローラ対を有し、
    前記ローラ対の一方のローラには、前記流延支持体の搬送方向における張力を調整するように変位するためのシフト機構が備えられることを特徴とする請求項1または2記載の溶液製膜設備。
  4. 流延ダイから流出されたドープを、ステンレス鋼からなり循環して連続走行する流延支持体上に流延してフィルムとして剥がし、前記フィルムを乾燥させ、前記ドープを剥がした前記流延支持体にドープを再び流延する溶液製膜方法において、
    前記ステンレス鋼はオーステナイト系の結晶構造を有し、前記流延支持体の流延面は、互いに10mm離れた任意の2点を結ぶ直線に沿って凹凸が測定されたときに、その凹凸の深さの最大値DEが40μm以内であることを特徴とする溶液製膜方法。
  5. 圧縮残留応力が500MPa以下とされた前記流延支持体を用いることを特徴とする請求項4記載の溶液製膜方法。
  6. 前記流延支持体の走行方向における張力を50N/mm以上200N/mm以下とすることを特徴とする請求項4または5記載の溶液製膜方法。
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