JPH06106620A - 易裂性フィルムの製造方法 - Google Patents

易裂性フィルムの製造方法

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JPH06106620A
JPH06106620A JP25489692A JP25489692A JPH06106620A JP H06106620 A JPH06106620 A JP H06106620A JP 25489692 A JP25489692 A JP 25489692A JP 25489692 A JP25489692 A JP 25489692A JP H06106620 A JPH06106620 A JP H06106620A
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真男 高重
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武夫 林
Masahiro Iwamoto
壮弘 岩本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 直線カット性の場所的不均一さを解消するこ
とができ、これにより安定な直線カット性が得られるよ
うにした易裂性フィルムの製造方法を提供する。 【構成】 二軸延伸において原反フィルムを加熱する
際、バブル2を折畳んだ際に耳部となる部分2A,2B の加
熱温度を、バブル2の製品に相当する部分2C,2D の加熱
温度より低くなるように、バブル2の耳部となる部分2
A,2B 側に配置された一方の一対のヒータ12A,12B の温
度を、全ヒータの平均温度( 300℃)より10〜100℃低
く設定すると共に、バブル2の製品に相当する部分2C,2
D 側に配置された他方の一対のヒータ12C,12D の温度
を、全ヒータの平均温度より10〜 100℃高く設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チューブラー法で二軸
延伸する易裂性フィルムの製造方法に関し、例えば食
品、薬品、工業製品等の包装袋の基材フィルムとして使
用できる。
【0002】
【背景技術】従来のプラスチックの製造方法において
は、プラスチックフィルムを例えばチューブラー法で二
軸延伸した後、フィルム分子の配向を固定させて寸法安
定性を得るために熱処理を施している。この熱処理の
際、チューブ状の例えばナイロン6フィルムを偏平に折
り畳んだ状態でテンター方式により、 200℃近傍の熱処
理を施すと、上下のフィルム同士が融着するため処理後
に2枚に分離することができず、製品として使用するこ
とができないという問題点が生じていた。このような問
題点は、特にプラスチックフィルムがポリアミド系のよ
うな熱可塑性樹脂フィルムの場合に顕著となる。
【0003】そこで、この問題を解決するために、従
来、例えば二軸延伸された偏平チューブ状フィルムの耳
部を切開して2枚のフィルムに分離した後、エンドレス
のベルト状物により両フィルム間に空隙を保った状態で
テンターに導入し、フィルムの両端をクリップで保持し
ながら熱処理を施す改良テンター方式が提案されている
(特公昭46−15439 号公報参照)。また、この改良テン
ター方式以外にも、チューブ状フィルムに圧縮空気を入
れてバブルを形成した状態で熱処理を施すチューブラー
方式を採用した場合にも、熱溶着の問題は回避できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した改良テンター
方式による熱処理によれば、熱融着は発生しないが、ボ
ーイング現象(フィルムの延伸に伴ってフィルム両端に
比べて中央部の延伸がフィルムの移動方向に遅れを生じ
る現象)が発生していた。この際、熱処理温度を下げれ
ば、ボーイング率は低くなるが、ボイル、レトルト等の
熱処理を施す場合には、収縮率が大きくなりすぎて問題
がある。
【0005】また、上述したチューブラー法による熱処
理によれば、高い寸法安定性を得ようとして 180℃以上
の温度で熱処理すると、バブルが揺れて安定した熱処理
が困難になるという問題が生じる。この問題を回避する
ために、低い温度で熱処理すれば、逆に良好な寸法安定
性が得られなくなる。一方、本出願人は、特願平3−30
8427において、ナイロン6(Ny6)を40〜85重量部及
びメタキシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60重量
部(但し、Ny6+MXD6= 100重量部)含有する易
裂性フィルムを提案した。
【0006】この易裂性フィルムは、易裂性と共に良好
な直線カット性も有している。しかし、この直線カット
性は、フィルムの幅方向の中央部と端部において若干の
差があり、このような直線カット性の場所的不均一さが
問題であった。そこで、本発明は、直線カット性の場所
的不均一さを解消することができ、これによって安定な
直線カット性が得られるようにした易裂性フィルムの製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、チュ
ーブラー法により原反フィルムを加熱して二軸延伸した
後、バブル状フィルムを偏平に折畳む易裂性フィルムの
製造方法において、ナイロン6(Ny6)を40〜85重量
部及びメタキシリレンアジパミド(MXD6)を15〜60
重量部(但し、Ny6+MXD6= 100重量部)含有
し、延伸時におけるMD方向(フィルムの移動方向)及
びTD方向(フィルムの幅方向)における倍率を共に2.
8 倍以上として構成された原反フィルムを使用し、前記
原反フィルムを加熱する際、前記バブル状フィルムを折
畳んだ際に耳部となる部分の加熱温度を、前記バブル状
フィルムの製品に相当する部分の加熱温度より低くなる
ようにバブル状フィルムの円周方向に温度制御すること
を特徴とする。
【0008】このように、二軸延伸時の加熱状態を制御
することにより、後の熱処理工程で発生するボーイング
現象とは逆方向のボーイング現象を生じさせることがで
き、これによって両ボーイング現象が相殺し合い、最終
的にボーイング率の低減を図ることができるようにな
る。このためには、具体的には前記バブル状フィルムを
折畳んだ際に耳部となる部分を加熱するヒータと、前記
バブル状フィルムの製品に相当する部分を加熱するヒー
タとをそれぞれ温度制御すると共に、前記バブル状フィ
ルムの耳部となる部分を加熱するヒータの温度を、全ヒ
ータ平均温度より10〜 100℃、好ましくは20〜90℃低く
するのがよい。
【0009】10℃未満の温度範囲で低くしても本発明に
よる効果、即ち前記逆方向のボーイング現象が充分に得
られず、また 100℃を越えて低くすると延伸途上のバブ
ルが不安定になりやすい。また、本製造方法において
は、前記バブル状フィルムを折畳んだ際に耳部となる部
分を加熱するヒータと、前記バブル状フィルムの製品に
相当する部分を加熱するヒータとをそれぞれ温度制御す
ると共に、前記バブル状フィルムの製品に相当する部分
を加熱するヒータの温度を、全ヒータ平均温度より10〜
100℃、好ましくは20〜90℃高くするのがよい。
【0010】10℃未満の温度範囲で高くしても本発明に
よる効果、即ち前記逆方向のボーイング現象が充分に得
られず、また 100℃を越えて高くすると延伸途上のバブ
ルが不安定になりやすい。上述したように、前記フィル
ムを折畳んだ際に耳部となる部分を加熱するヒータと、
前記フィルムの製品に相当する部分を加熱するヒータと
をそれぞれ温度制御するためには、例えばバブル状フィ
ルムの耳部となる部分を加熱するための2個のヒータ
と、バブル状フィルムの製品に相当する部分を加熱する
ための2個のヒータの合計少なくとも4個のヒータを設
ける。
【0011】また、フィルムの加熱状態の制御性を向上
させてフィルム全周にわたってその温度勾配をなだらか
にするためには、加熱装置に例えば4個以上のヒータを
設ける構成にするのが好ましく、この場合には、前記フ
ィルムの耳部となる部分の最端部の加熱温度を最低にす
ると共に、前記フィルムの製品に相当する部分の略中央
部の加熱温度を最高となるように加熱するのが好まし
い。また、本発明においては、上記製造方法により折畳
んだ前記易裂性フィルムを、前記フイルムの融点( 220
℃)以下の温度で熱処理する。
【0012】この場合の熱処理は、第1段目及び第2段
目をテンター方式で行う2段熱処理を施すのがよい。こ
の際、第1段目のテンター方式による熱処理は、易裂性
フィルムの融点から30℃以上低い温度で行うのがよい。
また、第2段目のテンター方式による熱処理は、融点か
ら30℃低い温度以上であって、融点以下の温度で行うの
がよい。なお、それぞれの熱処理時間は、1〜30秒程度
が好ましい。前記易裂性フィルムを構成するMXD6の
化学式を下記の化1に示す。
【0013】
【化1】
【0014】前記Ny6及びMXD6の含有割合は、N
y6を40〜85重量部、MXD6を15〜60重量部(但し、
Ny6+MXD6=100 重量部)とするが、好ましくは
Ny6を50〜70重量部、MXD6を30〜50重量部とす
る。前記MXD6が15重量部より少ない場合には、易裂
性と直線カット性が劣るようになる。また、前記MXD
6が60重量部より多い場合には、衝撃強度が大幅に低下
して実用性に乏しくなる。
【0015】前記原反フィルムは、MD方向及びTD方
向共に 2.8倍以上で延伸するが、好ましくは3.0 倍以上
とする。延伸倍率が 2.8倍より小さい場合には、易裂性
と直線カット性が劣るようになる。また、衝撃強度が低
下して実用性に問題が生ずる。前記易裂性フィルムに
は、必要な添加剤を適宜添加することができる。このよ
うな添加剤として、例えばアンチブロッキング剤(無機
フィラー等)、はっ水剤(エチレンビスステアリン酸エ
ステル等)、滑剤(ステアリン酸カルシウム等)を挙げ
ることができる。
【0016】
【実施例】実施例1 先ず、図面を参照して実施例で使用する製造装置を説明
する。図1,2に示すように、本製造装置は、原反フィ
ルム1をチューブラー法により二軸延伸する装置10と、
テンター方式でこのフィルム1を熱処理するための第1
の加熱装置20と、このフィルム1の両耳部を切開して2
枚のフィルム1A,1B に分離するためのトリミング装置30
と、両フィルム1A,1B 間に空気を介在させるための装置
40と、テンター方式で両フィルム1A,1B の両端部を把持
して熱処理するための第2の加熱装置50と、熱処理を施
したフィルム1A,1B の巻取り機60とを備える。
【0017】前記二軸延伸装置10には、上方に配置され
た一対の第1のピンチロール11と、原反フィルム1を加
熱するためのヒータ12が設けられた加熱装置13と、フィ
ルム1を偏平に折り畳むためのV字形の案内板14と、案
内板14の下端に配置された一対の第2のピンチロール15
が設けられる。
【0018】図3に示すように、この加熱装置13のヒー
タ12は、バブル2の外周面に沿って近接して設けられた
4個のヒータ12A 〜12D より成る。これらのヒータ12A
〜12D で、対向する一方の一対のヒータ12A,12B を、バ
ブル2を偏平に折り畳んだ際にフィルム1の耳部3A,3B
となる部分2A,2B を加熱するためのヒータとする(図4
参照)。また、対向する他方の一対のヒータ12C,12D を
バブル2の製品に相当する部分2C,2D を加熱するための
ヒータとする。これらのヒータ12A 〜12D としては、赤
外線ヒータ等任意に選ぶことができる。
【0019】前記第1の加熱装置20には、偏平に折り畳
まれたフィルム1の両耳部3A,3B を把持するためのテン
ター21と、フィルム1を加熱するための熱風炉22とが設
けられる。前記トリミング装置30は、チューブ状フィル
ム1を2枚のフィルム1A,1B に分離するためのブレード
31を有する。このトリミング装置30と第1の加熱装置20
との間には、複数のガイドロール5が設けられている。
前記空気介在装置40は、上下に離れて配置された一対の
ロール41A,41B を備えて構成される。
【0020】前記第2の加熱装置50は、その内部に易裂
性フィルム1の両端部を把持するためのテンター51と、
フィルム1を加熱するための熱風炉52とが設けられる。
この第2の加熱装置50と空気介在装置40との間には、螺
線状に溝41が形成された複数のガイドロール42(図5参
照)が設けられている。これらの溝付きガイドロール42
は、溝付き加工後、表面にクロム等のめっき処理が施さ
れたものである。
【0021】この製造装置を使用し、次のようにして二
軸延伸及び熱処理を行った。先ず、ナイロン6(Ny
6)及びメタキシリレンアジパミド(MXD6)をそれ
ぞれ60重量部及び40重量部の割合で混合したものを押出
機中、 270℃で溶融混練した後、溶融物を直径90mmのダ
イスから円筒状のフィルムとして押出し、引き続き水で
急冷して原反フィルムを作製した。前記Ny6として使
用したものは、宇部興産(株)製ナイロン6〔UBEナ
イロン 1023 FD(商品名)、相対粘度ηr =3.6 〕であ
り、MXD6として使用したものは、三菱ガス化学
(株)製メタキシリレンアジパミド〔MXナイロン 60
07(商品名)、相対粘度ηr =2.7 〕である。
【0022】次に、図1,2に示すように、チューブラ
ー法による二軸延伸装置10において、加熱装置13で加熱
されたチューブ状のフィルム1を、所定の内圧によって
バブル2に膨張させることによりTD方向に延伸させる
と共に、上下のピンチロール11,15 の引取り速度の差に
よりMD方向に延伸させて、二軸延伸を行った。二軸延
伸されたバブル2を、案内板14及び第2のピンチロール
15により偏平に折り畳んで本実施例の易裂性フィルム1
を作製した。なお、チューブラー法にするためのフィル
ム1内への空気の注入法は任意である(例えば、特開昭
64−71727 号公報参照)。
【0023】この加熱装置13による加熱の際、バブル2
の耳部3A,3B となる部分2A,2B 側に配置されたヒータ12
A,12B の温度を 280℃に設定し、一方、バブル2の製品
に相当する部分2C,2D 側に配置されたヒータ12C,12D の
温度を 320℃に設定した。この場合、全ヒータ平均温度
は 300℃である。このような条件で加熱・延伸すること
により、図6と図7に示すように、延伸前にフィルム1
のTD方向に引いた直線X1 が、延伸時にバブル2の製
品に相当する部分2C,2D を中心としてMD方向にずれて
曲線X2 となるボーイング現象が生じる。
【0024】次に、第1の加熱装置20による第1段目の
熱処理において、テンター21で易裂性フィルム1の両耳
部3A,3B を把持しながら、熱風炉22により 150℃の熱処
理を施した。この熱処理において、前記二軸延伸時にお
けるボーイング現象を打ち消すような逆方向のボーイン
グ現象が生じる。この熱処理の際、フィルム1の弛緩率
は、5%(TD方向)に設定した。フィルム1を若干弛
緩させた状態で熱処理を施すことにより、フィルム1の
結晶化度を増加させて収縮率を低減させることができ、
これによって寸法安定性の良好なフィルム1が得られ
る。
【0025】次に、トリミング装置30において、この易
裂性フィルム1の両耳部3A,3B をブレード31で切開して
2枚のフィルム1A,1B に分離した。なお、この易裂性フ
ィルム1の切開は、折り目部分から若干内側にブレード
31を位置させることにより、一部分耳部片が生じるよう
に行ってもよく、又はフィルム1の折り目部分にブレー
ド31を位置させることにより、耳部片が生じないように
行ってもよい。この段階におけるトリミングによって、
後工程におけるトリミングロスを小さくすることができ
る。
【0026】次に、空気介在装置40において、ロール41
A,41B の上下にそれぞれフィルム1A,1B を分離して送通
することにより、各フィルム1A,1B の内面に空気を接触
させた。次に、図5に示す溝付きロール42に順に送通す
ることにより、両フィルム1A,1B 間に空気を介在させな
がら、両フィルム1A,1B を重ね合わせた。このように溝
付きロール42を使用することにより、これらの溝41を介
してフィルム1A,1B と空気との良好な接触状態が得ら
れ、フィルム1A,1B 同士の融着を効果的に防止すること
ができる。
【0027】次に、第2の加熱装置50による第2段目の
熱処理において、重なった状態のフィルム1A,1B をテン
ター51で両耳部3A,3B を把持しながら、 210℃でこれら
2枚のフィルム1A,1B を熱処理した。この熱処理におい
ても、前記二軸延伸時におけるボーイング現象を更に打
ち消すような逆方向のボーイング現象が生じ、結果とし
て両方向のボーイングが相殺し合ってフイルム1A,1B の
ボーイング率が小さくなる。この第2段目の熱処理にお
いて、フィルム1A,1B の弛緩率を5%(TD方向)に設
定した。
【0028】最後に、巻取り機60により易裂性フィルム
1A,1B を巻き取った。本実施例において、二軸延伸時の
バブル2の成形安定性を評価し、また延伸後のフィルム
1と第2段目の熱処理後のフィルム1A,1B のボーイング
率を測定した。そして、第2段目熱処理後のフィルム1
A,1B の幅方向の中央部と端部における直線カット性を
測定、評価した。それらの結果を表1,2に示す。
【0029】前記ボーイング率は、図8に示すように、
フィルム1にその移動方向に対して垂直な方向に所定幅
の標線S1 を描き〔図8(A)参照〕、第2段目の熱処
理後における標線S2 の遅れ量Δbと幅lを測定し〔図
8(B)参照〕、(Δb/l)× 100%より算出した値
である。なお、本実施例においては、先ず二軸延伸工程
におけるボーイング現象により−Δb1 分のボーイング
が生じ、次に第1段目及び第2段目の熱処理工程におい
て合計+Δb2 分の逆方向のボーイングが発生するた
め、第2段目の熱処理後のΔbは、結局|Δb2 −Δb
1 |に相当する。
【0030】前記直線カット性は、次のようにして評価
した。即ち、図9に示すように、20cm幅のフィルム71に
2cm間隔Ws で切れ目72を入れ、これらの切れ目72に沿
ってフィルム71を引き裂いた後、フィルム片73の他端74
の幅We を測定し、元の間隔Ws との偏差αを下記の通
り求める。 α=〔(Ws −We )/Ws 〕×100
【0031】この測定を10枚のフィルム片73に対して行
った。表2の直線カット性の欄で、その平均値のα
(%)が±10%未満のものを◎(直線カット性が非常に
良好)、±10%≦α≦±30%のものを○(直線カット性
が良好)、α(%)が±30%を越えるものを×(直線カ
ット性が不良)として評価した。α(%)が±30%を越
えるとフィルム18を真っ直ぐに切ることが困難になる。
また、カット性評価の欄で、◎は直線カット性が中央部
と端部のいずれも○以上の場合、△は直線カット性が中
央部又は端部のいずれかで×の場合、×は直線カット性
が中央部と端部のいずれも×の場合を示す。
【0032】なお、バブルの成形安定性の欄で、○はバ
ブルの折径変動が±1%以下で、バブルの破袋、不安定
現象(上下動、横揺れ等)が発生しない、×はバブルの
破袋又は不安定現象(上下動、横揺れ等)が生じるた
め、連続安定成形が困難、を示す。また、総合評価の欄
で、◎はバブルの成形安定性が○で、第2段目熱処理後
のボーイング率が5%未満の場合、×はバブルの成形安
定性が×の場合又は第2段目熱処理後のボーイング率が
5%以上の場合をそれぞれ示す。
【0033】実施例2〜7 上記実施例1と同様に、表1に示す組成の原反フィルム
を押出機で作製した後、このフィルムを二軸延伸して各
実施例の易裂性フィルム1を作製した。この延伸時にお
いて、加熱装置13のバブル2の耳部3A,3B となる部分2
A,2B 側に配置されたヒータ12A,12B の温度及びバブル
2の製品に相当する部分2C,2D 側に配置されたヒータ12
C,12D の温度を表1に示すように設定した。
【0034】次に、これらの易裂性フィルム1に対して
表1に示す温度及び弛緩率で第1段目及び第2段目の熱
処理を施し、その他は上記実施例と同様にして各実施例
に係る易裂性フィルム1A,1B を得た。これらの各実施例
に係る易裂性フィルム1A,1B についても、実施例1と同
様に、二軸延伸時のバブル2の成形安定性を評価し、ま
た延伸後のフィルム1と第2段目の熱処理後の易裂性フ
ィルム1A,1B のボーイング率を測定し、またフィルム1
A,1B の中央部と端部における直線カット性を測定、評
価した。それらの結果を表1,2に示す。
【0035】比較例1〜6 上記実施例1と同様に、表1に示す組成の原反フィルム
を押出機で作製した後、このフィルムを二軸延伸して各
比較例のフィルムを作製した。この延伸時において、加
熱装置13のバブル2の耳部3A,3B となる部分2A,2B 側に
配置されたヒータ12A,12B の温度及びバブル2の製品に
相当する部分2C,2D 側に配置されたヒータ12C,12D の温
度を表1に示すように設定した。次に、これらのフィル
ムに対して表1に示す温度及び弛緩率で第1段目及び第
2段目の熱処理を施し、その他は上記実施例と同様にし
て各比較例に係るフィルムを得た。
【0036】これらの比較例に係るフィルムについて
も、実施例1と同様に、二軸延伸時のバブルの成形安定
性を評価し、また延伸後のフィルムと第2段目の熱処理
後のフィルムのボーイング率を測定し、またフィルムの
中央部と端部における直線カット性を測定、評価した。
それらの結果を表1,2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例及び比較例の考察 表1,2より、本実施例によれば、二軸延伸において原
反フィルム1を加熱する際、バブル2を折畳んだ際に耳
部3A,3B となる部分2A,2B の加熱温度を、易裂性フィル
ム1の製品に相当する部分2C,2D の加熱温度より低くな
るように、バブル2の耳部3A,3B となる部分2A,2B 側に
配置された一方の一対のヒータ12A,12Bの温度を、全ヒ
ータの平均温度( 300℃)より10〜 100℃低く設定する
と共に、バブル2の製品に相当する部分2C,2D 側に配置
された他方の一対のヒータ12C,12D の温度を、全ヒータ
の平均温度より10〜 100℃高く設定したことにより、二
軸延伸時のバブル2が安定であり、しかも第2段目の熱
処理後の最終的なボーイング率が低くなっていることが
わかる。従って、本実施例によれば、ボーイング率を小
さく抑えることができるため、フィルム1の幅方向の中
央部と端部のいずれにおいても良好な直線カット性が得
られる。
【0040】これに対して、比較例1,2によれば、本
発明とは逆に、バブル2を折畳んだ際に耳部3A,3B とな
る部分2A,2B の加熱温度を、フィルムの製品に相当する
部分2C,2D の加熱温度より高くなるようにしたため、第
2段目の熱処理後の最終的なボーイング率が高くなっ
て、特にフィルムの端部における直線カット性が不良で
あることがわかる。比較例3によれば、バブル2の耳部
3A,3B となる部分2A,2B 側に配置された一方の一対のヒ
ータ12A,12B の温度が全ヒータの平均温度( 300℃)よ
り 100℃以上低く設定され、一方バブル2の製品に相当
する部分2C,2D 側に配置された他方の一対のヒータ12C,
12D の温度が全ヒータの平均温度より 100℃以上高く設
定されているため、バブル2の安定性が不良であった。
【0041】比較例4,5によれば、フィルムが本発明
に係る易裂性フィルムの構成とはなっていないため、直
線カット性がフィルムの中央部と端部のいずれにおいて
も不良であった。比較例6によれば、フィルムが本発明
に係る易裂性フィルムの構成とはなっていないことに加
えて、二軸延伸においてフィルムを加熱する際、バブル
2を折畳んだ際に耳部3A,3B となる部分2A,2B の加熱温
度が、フィルムの製品に相当する部分2C,2D の加熱温度
と同じであるため、最終的なボーイング率が高くなっ
て、フィルムの中央部と端部のいずれにおいても直線カ
ット性が不良であることがわかる。
【0042】なお、上記実施例では、ヒータ12を4つに
分割して一方の一対のヒータ12A,12B 及び他方の一対の
ヒータ12C,12D を別々に温度制御するようにしたが、よ
り多数のヒータ、例えばバブル2の耳部3A,3B となる部
分2A,2B 側にそれぞれ2個、バブル2の製品に相当する
部分2C,2D 側にそれぞれ3個の合計10個のヒータを配置
して加熱装置13を構成すれば、バブル2の加熱状態の温
度制御性がより向上してフィルム全周にわたってその温
度勾配をなだらかにすることができる。
【0043】また、上記実施例では、ヒータ12を分割す
る構成としたが、例えば赤外線ヒータのコイルの巻線密
度を調整することによっても、バブル2の耳部3A,3B と
なる部分2A,2B とバブル2の製品に相当する部分2C,2D
との加熱温度をそれぞれ制御することができる。更に、
上記実施例においては、第1及び第2の加熱装置20,50
に熱風炉22,52を設けたが、例えば赤外線ヒータ等を設
けてもよい。
【0044】
【発明の効果】本発明に係る易裂性フィルムの製造方法
によれば、直線カット性の場所的不均一さを解消するこ
とができ、これによって安定な直線カット性が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る易裂性フィルムの製造方
法において使用する製造装置の一部の概略図である。
【図2】同じ実施例において使用する製造装置の一部の
概略図である。
【図3】ヒータによるバブルの加熱状態を示す平断面図
である。
【図4】バブルを折り畳んだ状態を示す断面図である。
【図5】溝付きロールの斜視図である。
【図6】二軸延伸時における逆方向のボーイング現象を
示す側面図である。
【図7】二軸延伸時における逆方向のボーイング現象を
示す正面図である。
【図8】ボーイング率の測定法を示す図である。
【図9】直線カット性の評価方法を示す図である。
【符号の説明】
1 フィルム 2 バブル 2A,2B バブルのフィルムの耳部となる部分 2C,2D バブルの製品に相当する部分 3A,3B フィルムの耳部 10 二軸延伸装置 13 二軸延伸装置の加熱装置 20 第1の加熱装置 21 テンター 30 トリミング装置 40 空気介在装置 50 第2の加熱装置 51 テンター

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チューブラー法により原反フィルムを加
    熱して二軸延伸した後、バブル状フィルムを偏平に折畳
    む易裂性フィルムの製造方法において、 ナイロン6(Ny6)を40〜85重量部及びメタキシリレ
    ンアジパミド(MXD6)を15〜60重量部(但し、Ny
    6+MXD6= 100重量部)含有し、延伸時におけるM
    D方向(フィルムの移動方向)及びTD方向(フィルム
    の幅方向)における倍率を共に2.8 倍以上として構成さ
    れた易裂性フィルムを使用し、 前記原反フィルムを加熱する際、前記バブル状フィルム
    を折畳んだ際に耳部となる部分の加熱温度を、前記バブ
    ル状フィルムの製品に相当する部分の加熱温度より低く
    なるようにバブル状フィルムの円周方向に温度制御する
    ことを特徴とする易裂性フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記バブル状フィルムを折畳んだ際に耳
    部となる部分を加熱するヒータと、前記バブル状フィル
    ムの製品に相当する部分を加熱するヒータとをそれぞれ
    温度制御すると共に、前記バブル状フィルムの耳部とな
    る部分を加熱するヒータの温度を、全ヒータ平均温度よ
    り10〜 100℃低くすることを特徴とする請求項1に記載
    の易裂性フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記バブル状フィルムを折畳んだ際に耳
    部となる部分を加熱するヒータと、前記バブル状フィル
    ムの製品に相当する部分を加熱するヒータとをそれぞれ
    温度制御すると共に、前記バブル状フィルムの製品に相
    当する部分を加熱するヒータの温度を、全ヒータ平均温
    度より10〜 100℃高くすることを特徴とする請求項1に
    記載の易裂性フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記バブル状フィルムの耳部となる部分
    の最端部の加熱温度を最低にすると共に、前記バブル状
    フィルムの製品に相当する部分の略中央部の加熱温度を
    最高にすることを特徴とする請求項3又は4に記載の易
    裂性フィルムの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4項のいずれか1項に記載の
    易裂性フィルムの製造方法により折畳んだ前記フィルム
    を、前記フイルムの融点以下の温度で熱処理することを
    特徴とする易裂性フィルムの製造方法。
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