JP4189287B2 - ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのtダイ押出製造方法 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのtダイ押出製造方法 Download PDF

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本発明は、ポリブチレンテレフタレート系樹脂に対して結晶化のコントロールを容易に行うことができて、高い透明性と寸法安定性,耐熱性を発揮させることができ、フィルム及びシートの間でのブロッキングは全ったく生じなく、且つ、収縮シワも生じなく平滑性も保持されたフィルム及びシートが得られるポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法に関する。
従来、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと呼ぶ)系フィルム及びシートの製造にあって、ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートの間にポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィンフィルムを挟み込まない場合は、PBT系フィルム及びシート単体の巻取になるため、経時により、結晶化が進むにつれて収縮が生じ、これにPBT系フィルム及びシートが一体化しているため、収縮にて面同士が一体となって追随していってしまうため、巻締りが生じてフィルムの場合はシワが発生しやすくなり、シートの場合は偏肉模様が生じやすく、従って、両者共に平滑性の乏しい状態になりやすい。
また、PBT系フィルム及びシート単体巻取りにおいて上記問題点の解決のために、成形インラインに熱ロールを設け、ヒートセット効果を期待しても、熱履歴時間も短くせざる得ないため、十分な効果が得られないのが現状である。
次に、PBT系フィルムシートの耐熱性は比較として現在、広く汎用化されている非晶性ポリエステルフィルム及びシート(APET)は、65℃程度の温水の中で軟化変形してしまう状態に対して約20℃位高く、85℃程度位迄は変形しないが、これ以上の温度ではAPETと同様の状態になる。
これはPBT系樹脂は微結晶性樹脂であるため、フィルム,シートも結晶化されている事によるもので、PBT系フィルム及びシートに100℃以上の耐熱性を付与する方法としては、より高い温度で、例えば、80℃〜160℃、好ましくは100℃〜130℃で、24時間キュアリングする事により得られる。
これはPBT系フィルム及びシートが結晶化率30%以上となる事により耐熱性が得られるものである。このキュアリングは成形インラインで行なおうとしても十分なる結晶化率を得るキュアリングが出来ないため不可能と云ってもよいものである。
従って、巻取状態で行なうことが便法であるが、本発明によるポリオレフィンフィルムを挟み込まないで、PBT単体フィルム及びシートの巻取でキュアリングすれば、フィルム及びシートの間で完全にブロッキングしてしまう。
本発明は、前記した問題点を解決するためになされたもので、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTと呼ぶ)系フィルム及びシート(PBTホモタイプ,PBT共重合タイプ,他のポリエステル系樹脂とのブレンドを含む)をTダイ押出しにより製造する際に、巻取前に、ポリエチレン,ポリプロピレン等ポリオレフィンフィルム(延伸フィルムも含み、厚みは20〜50μmが好ましい)を積層等により挿入して巻取る製造方法であり、該巻取を20℃以上、好ましくは30〜50℃で24時間以上エージングする事により、結晶化が安定して寸法が安定して、従って収縮シワも生じなくなり又カールも防げて平滑性の優れ、フィルム及びシートの間でのブロッキングは全ったく生じないポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートが得られるポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法を提供することを目的としている。
前記した目的を達成するための本発明の手段は、
ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートをTダイ押出しにより成形し巻取化する製造方法において、
前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートの間にポリエチレン,ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムを挟み込んで、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートと前記ポリオレフィンフィルムとを一体的に巻き取った後、このポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートとポリオレフィンフィルムとからなる構成の巻取を、20℃以上の温度にて24時間以上エージングを行って、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートを結晶化させたポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法にある。
ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートをTダイ押出しにより成形し巻取化する製造方法において、
前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートの間にポリエチレン,ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムを挟み込んで、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートと前記ポリオレフィンフィルムとを一体的に巻き取った後、このポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートとポリオレフィンフィルムとからなる構成の巻取を、80℃以上160℃以下の温度にて24時間以上キュアリングを行って、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートが、結晶化度30%以上を有し、100℃以上の耐熱性を有するポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法にある。
エージングされたポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートとポリオレフィンフィルムとからなる構成の巻取は、挟み込まれたポリオレフィンフィルムを離別仕上げ機にて取り除き、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム又はシートの単層体を得る。
キュアリングされたポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートとポリオレフィンフィルムとからなる構成の巻取は、挟み込まれたポリオレフィンフィルムを離別仕上げ機にて取り除き、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム又はシートの単層体を得る。
ポリブチレンテレフタレート系樹脂に対して結晶化のコントロールを容易に行うことができて、高い透明性と寸法安定性,耐熱性を発揮させることができ、フィルム及びシートの間でのブロッキングは全ったく生じなく、且つ、収縮シワも生じなく平滑性も保持されたフィルム及びシートが得られる。
次に本発明に関するポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法の実施の一例を図面に基づいて説明する。
図1はフィルムb1の成形装置S1を示すもので、Tダイ押出フィルムキャスティング例を示すものであり、押出機1においてポリブチレンテレフタレート系樹脂の加熱混練が行われ、Tダイ2を通って押し出された溶融樹脂フィルムaは、このTダイ2の近傍に設けたエアーチャンバー3により溶融樹脂フィルムaの背面からエアーを吹き付けて、該溶融樹脂フィルムaの冷却を効率よく行う。
また、この溶融樹脂フィルムaをTダイ2に近接させた冷却ロール4,5によって所定温度まで冷却を行うことで、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1が成形される。
そして、この成形されたポリブチレンテレフタレート系フィルムb1は、巻き取りロール7により順次ロール状に巻き取られるものであるが、この巻き取られる隣り合うポリブチレンテレフタレート系フィルムb1の間には、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムcが挟み込まれるもので、前記巻き取りロール7において、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1とこのポリオレフィンフィルムcとが一体的に巻き取られた積層体dが形成される。
この巻き取られた積層体dは、図3においてその一部を拡大して示すように、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1とこのポリオレフィンフィルムcとが一層ずつ交互に積層された状態となる。
すなわち、このポリオレフィンフィルムcは、ロール状に巻き込まれるポリブチレンテレフタレート系フィルムb1の間に挿入される合紙の作用を行うものである。
このポリオレフィンフィルムcの供給にあっては、ロール状に巻き取られているポリオレフィンフィルムcを繰出挿入手段6によって、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1の巻取速度に同調しつつ、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1の巻取隙間8に送り込まれる。
また、図2にあっては、シートb2の成形装置S2を示すもので、Tダイ押出フィルムシーティング例を示すものであり、押出機1においてポリブチレンテレフタレート系樹脂の加熱混練が行われ、Tダイ2を通って押し出された溶融樹脂フィルムaは、このTダイ2の近傍において該溶融樹脂フィルムaの走行するその両側に挟持するように設けた第一および第二冷却ロール4a,4b、更に、この第一および第二冷却ロール4a,4bに近接させた第三冷却ロール4cによって所定温度まで冷却を行うことで、ガイドロールを経た後ポリブチレンテレフタレート系シートb2が成形される。
そして、この成形されたポリブチレンテレフタレート系シートb2は、巻き取りロール7により順次ロール状に巻き取られるものであるが、この巻き取られる隣り合うポリブチレンテレフタレート系シートb2の間には、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムcが挟み込まれるもので、前記巻き取りロール7において、ポリブチレンテレフタレート系シートb2とこのポリオレフィンフィルムcとが一体的に巻き取られた積層体dが形成される。
この巻き取られた積層体dは、図3においてその一部を拡大して示すように、ポリブチレンテレフタレート系シートb2とこのポリオレフィンフィルムcとが一層ずつ交互に積層された状態となる。
すなわち、このポリオレフィンフィルムcは、ロール状に巻き込まれるポリブチレンテレフタレート系シートb2の間に挿入される合紙の作用を行うものである。
このポリオレフィンフィルムcの供給にあっては、ロール状に巻き取られているポリオレフィンフィルムcを繰出挿入手段6によって、ポリブチレンテレフタレート系シートb2の巻取速度に同調しつつ、ポリブチレンテレフタレート系シートb2の巻取隙間8に送り込まれる。
更に、前記した成形装置S1およびS2において成形されたポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びポリブチレンテレフタレート系シートb2とポリオレフィンフィルムcとからなる構成の巻き取られた積層体dは、エージング工程(フィルムb1やシートb2に成形時に生じた歪みを除去する)が行われるもので、このエージング工程は、20℃以上の温度に管理された温室等において、24時間以上保管しつつエージング(歪み取り)を行って、これらポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びポリブチレンテレフタレート系シートb2を結晶化(分子鎖が互いに規則正しく配列し、周期性のあるような高次構造を有するもの)させる。
なお、前記エージング工程おいて、積層体dへ与える温度が20℃未満であると、また、加温時間が24時間未満であると、エージング不足となりやすく、寸法安定性が得にくいという不都合を生ずる。
前記した「エージング(aging)」とは、一定の条件下に長時間置いて、所定の状態にする操作をいう(JIS工業用語大事典第5版による)。熟成ともいう。
また、前記した成形装置S1およびS2において成形されたポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びポリブチレンテレフタレート系シートb2とポリオレフィンフィルムcとからなる構成の巻き取られた積層体dは、キュアリング工程(加熱により硬化させる)が行われるもので、このキュアリング工程は、80℃以上160℃以下の温度にて24時間以上キュアリングを行って、これらポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びポリブチレンテレフタレート系シートb2に、結晶化度30%以上を有し、100℃以上の耐熱性を有する構成を与える。
なお、このキュアリング工程にあって、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びシートb2の結晶化度が30%未満であると、成形後にあって、100℃の耐熱性が得られない。すなわち、本発明の目的とするところは、100℃以上の耐熱性を有することである。
前記した「キュアリング(curing)」とは、硬化をいう(JIS工業用語大事典第5版による)もので、加熱・加温して、樹脂成分などを硬化させることである。
そして、前記エージング工程においてエージングされたポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びポリブチレンテレフタレート系シートb2とポリオレフィンフィルムcとからなる構成の巻き取られた積層体dは、その挟み込まれたポリオレフィンフィルムcを離別仕上げ機Eにて取り除き、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1又はシートb2の単層体を得る工程が行われる。
この単層体の形成工程にあっては、図4および図5に示すような、離別仕上げ機Eにより行われるもので、積層体dからポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びシートb2とポリオレフィンフィルムcを巻き戻し、迂回ロール10,11,12,13を経て、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びポリブチレンテレフタレート系シートb2の巻取ロール14及び15と、ポリオレフィンフィルムcの巻取ロール16とに分けて巻き取らせる。
これにより、巻取ロール14にポリブチレンテレフタレート系フィルムb1が巻取ロール15にポリブチレンテレフタレート系シートb2がそれぞれ単層体の状態で巻き取られる。
なお、前記したキュアリング工程を経たポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びシートb2とポリオレフィンフィルムcとからなる構成の巻き取られた積層体dも、前記単層体の形成工程を、図4および図5に示すような離別仕上げ機Eにより行うことができるもので、積層体dからポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びシートb2とポリオレフィンフィルムcを巻き戻し、迂回ロール10,11,12,13を経て、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1及びポリブチレンテレフタレート系シートb2の巻取ロール14及び15と、ポリオレフィンフィルムcの巻取ロール16とに分けて巻き取らせる。
これにより、巻取ロール14にポリブチレンテレフタレート系フィルムb1が巻取ロール15にポリブチレンテレフタレート系シートb2がそれぞれ単層体の状態で巻き取られる。
次に、図1に示すフィルムb1の成形挿入装置S1、及び、図4に示す離別仕上げ機Eを用いて、ポリブチレンテレフタレート系フィルムb1の単層体を得る例を実施例1に示す。
(実施例1)
三菱レーヨン(株)社製、ポリブチレンテレフタレート(PBT)ホモタイプ樹脂DN−88(IV値0.875,TG23℃)を、150PPM以下に水分量を除湿乾燥させて、90φ押出機(押出温度240℃、Tダイス温度240℃)のホッパーに投入し、十分に熱溶融混凍された樹脂を50μm厚フィルム引取速度50m/分にて、エアチャンバーにて20℃温度の冷却ロール(300φ)に押圧して、次の冷却ロール(300φ)からガイドロールを通して巻き取った積層体を得た。巻き取られる時に、図1に示すように、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)20μm厚を挟み込んだ。
この巻取状態の積層体のまま、40℃で24時間エージング工程を行なった後、さらに、25℃の常温で24時間放置し、十分冷却された前記積層体を離別仕上げ機において、PBTフィルム間に挟み込まれたOPPフィルムを除去して、PBTフィルム単体の50μm厚フィルムを得た。
該PBTフィルムは、中方向(幅方向)においても収縮はなく、流れ方向(長さ方向)においても何ら異常はなく、平滑なPBTフィルムが得られた。
(比較例1)
図1に示すようなフィルムの成形装置にて、PBTフィルム間にOPPフィルムを挟み込まない場合は、PBTフィルム成形中の巻取は異常が見られないが、PBTフィルムをカッティングして切換えが行われると、同時に収縮が生じてシワシワの巻取り外観になり、当然ながら商品価値のないPBTフィルムが得られる結果になってしまった。
次に、図2に示すシートb2の成形挿入装置S2、及び、図5に示す離別仕上げ機Eを用いてポリブチレンテレフタレート系シートb2の単層体を得る例を実施例2に示す。
(実施例2)
三菱レーヨン(株)社製PBT系樹脂BT−340(IV値1.0,TG42℃)を150PPM以下に水分量を除湿乾燥して、115φ押出機(押出温度240℃,Tダイス温度240℃)のホッパーに投入し、十分に熱溶融混練された樹脂を500μm厚に作成して、シート引取速度20m/分にて、2本の第一および第二冷却ロール(400φ)間に挿入して冷却した後、隣の第三冷却ロール(300φ)に十分ラップしかつ十分冷却を行った後、ガイドロールを通して巻き取った。巻き取られる時に、図2に示されように、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム20μm厚を挟み込んだ。
この巻取状態の積層体を外して、該巻取状態の積層体のまま、120℃、24時間のキュアリング工程を行った後、さらに、25℃の常温で24時間放置し、十分冷却されたものを離別仕上げ機において挟み込まれたOPPフィルムを除去して、500μm厚のPBT系シートを得た。
該PBTシートは120℃のレトルト熱水に30分間放置しても、収縮カールも生じなく、平滑なPBTシートが得られた。キュアリング温度と耐熱性との関係は100℃以上の耐熱性において略比例する結果も得られた。160℃以上のキュアリングは、PBTシートが白化気味になり透明感を失った。
(比較例2)
図2に示すようなシートの成形装置にて、PBTフィルム間にOPPフィルムを挟み込まない場合は、巻き取られたPBT系シート間で完全ブロッキングしてしまった。OPPフィルムを挟み込まずに巻き取り、キュアリング工程を経ないものは、徐々に収縮が生じ、かつ、巻締りとなり平滑性を失っていった。
前述したように、この実施例1,2と比較例1,2との試験にあって、PBT系フィルムb1及びシートb2間にポリオレフィンフィルムcを挟んで巻き取り、エージング工程又はキュアリング工程を行うと、どうして前述の様な優れた効果が得られるかは定かではないが、PBT系フィルムb1及びシートb2間にポリオレフィンフィルムcが挟み込れているため、少なくてもPBT系フィルムb1及びシートb2面は接しておらず、従って一体化していなく、ポリオレフィンフィルムcによってセットされたまま、すなわち、収縮が抑えられたまま結晶化が進んで行くものと推測するものである。
挟み込むポリオレフィンフィルムcは、ポリエチレンフィルム(PEフィルム),ポリプロピレンフィルム(PPフィルム),二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)等が利用出来るが、耐熱性、表面平滑性面でOPPフィルム(例えば、20μm厚)が好効果を示した。
総じて、ポリブチレンテレフタレート(PBT)系樹脂は、微結晶構造を有しており、本発明の方法により結晶化のコントロールが出来るため、透明性を有し、寸法安定性にも優れ、又、100℃以上の耐熱性も得られる事より、トレー,カップ,パウチ等100℃のレトルト殺菌を必要とする食品包装分野への利用とか屋内外の建材分野,水分除去のベーキング工程を(120℃×24時間)必要とする電子部品充填乾燥用のキャリアテープ又トレー分野(一般には導電性カーボンをはじめとする導電性物質の構成化が必要)、又、該PBT系フィルム及びシートの有する特性により、電気分野とか音響分野への利用等広範囲の分野への利用が計られる。
PBT系樹脂と比較されるポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂は、非晶性構造であるが、結晶核剤を混合してフィルム及びシート成形が出来る。
特に、シート分野では、200℃以上の耐熱性が得られるために、食品用トレー分野において、200℃以上のガスオーブン処理が出来るため利用されるが、残念ながら耐熱性が得られる代わりに脆くなり、耐寒性が低下するため広く汎用化に到っておらず、又、結晶化により真白く白化してしまうため用途が限定されてしまう。
本発明のPBT系フィルム及びシートは、結晶化したPET系樹脂フィルム及びシートほどの耐熱性(200℃以上)は得られないが、その他の特性については、上記の如く優れており、広範囲の応用・利用が出来るものである。
本発明に係るポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法におけるフィルムの成形装置を概略的に示す説明図である。 ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法におけるシートの成形装置を概略的に示す説明図である。 図1および図2における成形装置にて巻き取られた積層体の一部を拡大して示す説明図である。 図1および図2における成形装置にて巻き取られた積層体からPBTフィルム単層体を得る工程を示す説明図である。 図1および図2における成形装置にて巻き取られた積層体からPBTシート単層体を得る工程を示す説明図である。
符号の説明
b1…ポリブチレンテレフタレート系フィルム.b2…ポリブチレンテレフタレート系シート.c…ポリオレフィンフィルム.別離仕上げ機…E.

Claims (4)

  1. ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートをTダイ押出しにより成形し巻取化する製造方法において、
    前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートの間にポリエチレン,ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムを挟み込んで、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートと前記ポリオレフィンフィルムとを一体的に巻き取った後、このポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートとポリオレフィンフィルムとからなる構成の巻取を、20℃以上の温度にて24時間以上エージングを行って、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートを結晶化させたことを特徴とするポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法。
  2. ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートをTダイ押出しにより成形し巻取化する製造方法において、
    前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートの間にポリエチレン,ポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムを挟み込んで、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートと前記ポリオレフィンフィルムとを一体的に巻き取った後、このポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートとポリオレフィンフィルムとからなる構成の巻取を、80℃以上160℃以下の温度にて24時間以上キュアリングを行って、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートが、結晶化度30%以上を有し、100℃以上の耐熱性を有することを特徴とするポリチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法。
  3. エージングされたポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートとポリオレフィンフィルムとからなる構成の巻取は、挟み込まれたポリオレフィンフィルムを離別仕上げ機にて取り除き、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム又はシートの単層体を得ることを特徴とする請求項記載のポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法。
  4. キュアリングされたポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートとポリオレフィンフィルムとからなる構成の巻取は、挟み込まれたポリオレフィンフィルムを離別仕上げ機にて取り除き、前記ポリブチレンテレフタレート系フィルム又はシートの単層体を得ることを特徴とする請求項記載のポリブチレンテレフタレート系フィルム及びシートのTダイ押出製造方法。
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