JP6478702B2 - 電子写真用部材および定着装置 - Google Patents

電子写真用部材および定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6478702B2
JP6478702B2 JP2015035661A JP2015035661A JP6478702B2 JP 6478702 B2 JP6478702 B2 JP 6478702B2 JP 2015035661 A JP2015035661 A JP 2015035661A JP 2015035661 A JP2015035661 A JP 2015035661A JP 6478702 B2 JP6478702 B2 JP 6478702B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrophotographic member
fixing
fluororesin tube
fluororesin
electrophotographic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015035661A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015179263A (ja
Inventor
潤 三浦
潤 三浦
直紀 秋山
直紀 秋山
勝久 松中
勝久 松中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015035661A priority Critical patent/JP6478702B2/ja
Publication of JP2015179263A publication Critical patent/JP2015179263A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6478702B2 publication Critical patent/JP6478702B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • G03G15/2014Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat using contact heat
    • G03G15/2053Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating
    • G03G15/2057Structural details of heat elements, e.g. structure of roller or belt, eddy current, induction heating relating to the chemical composition of the heat element and layers thereof
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2009Pressure belt
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2016Heating belt
    • G03G2215/2025Heating belt the fixing nip having a rotating belt support member opposing a pressure member
    • G03G2215/2029Heating belt the fixing nip having a rotating belt support member opposing a pressure member the belt further entrained around one or more stationary belt support members, the latter not being a cooling device
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G2215/00Apparatus for electrophotographic processes
    • G03G2215/20Details of the fixing device or porcess
    • G03G2215/2003Structural features of the fixing device
    • G03G2215/2016Heating belt
    • G03G2215/2025Heating belt the fixing nip having a rotating belt support member opposing a pressure member
    • G03G2215/2032Heating belt the fixing nip having a rotating belt support member opposing a pressure member the belt further entrained around additional rotating belt support members

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Delivering By Means Of Belts And Rollers (AREA)

Description

本発明は、電子写真装置に用いる電子写真用部材および定着装置に関する。
一般に、レーザープリンターや複写機等の電子写真方式に用いられる定着装置においては、記録材上の未定着トナー像を加熱するための定着部材と、該定着部材に対向配置された加圧部材とを有する。そして、定着部材と加圧部材とで形成された定着ニップに、未定着トナー像が形成された記録材を導入し、該未定着トナーを加熱することで、該記録材上にトナー像が定着される。
ここで、定着部材や加圧部材に用いられる電子写真用部材は、ローラ形状やベルト形状を有するものが一般的である。また、このような電子写真用部材の代表的な構成として、円筒状または円柱状の基体、該基体上に形成された弾性層及び該弾性層上に形成された表面層を有する構成がある。
表面層は、電子写真用部材の表面へのトナーや紙粉等の付着を抑制するためのものである。そして、特許文献1は、このような構成を有する電子写真用部材の形成方法として、基体周面に形成された弾性層の周面を、フッ素樹脂チューブで被覆する方法を開示している。
ここで、フッ素樹脂チューブを用いて形成された電子写真用部材においては、フッ素樹脂チューブの表面に、電子写真用部材の長手方向に沿う方向に亀裂が生じやすいという課題があった。
これは、フッ素樹脂チューブは、一般的には、環状ダイスからフッ素樹脂を押出し成形することによって形成され、押出方向に平行にフッ素樹脂の分子が配向していることに起因するものである。押出し成形によって形成されたフッ素樹脂チューブは、通常、押出し方向に平行な方向の配向度は35〜75%程度である。
ところで、電子写真用部材の表面層には導電性が求められることがある。具体的には、定着ニップに導入された記録材(紙)の後端部分が定着部材から剥離する際に、記録材と定着部材や加圧部材との摩擦によって定着部材や加圧部材の表面が局所的に帯電されることがある。定着部材や加圧部材の表面が局所的に帯電した状態の定着ニップに、次の記録材が導入されたとき、当該記録材上の未定着トナー像が、定着部材や加圧部材の表面電荷により乱れ、電子写真画像に欠陥を生じさせることがある。以下、かかる現象を「剥離オフセット」と称することがある。
剥離オフセットを抑制するためには、定着部材や加圧部材の表面の電荷を除去することが有効である。そして、そのためには、定着部材及びこれに対向配置されている加圧部材のいずれか一方または両方の表面層を導電化し、表面層を除電することが有効である。
そこで、本発明者らは、電子写真用部材の表面層を構成するフッ素樹脂チューブとして、導電粒子であるカーボンブラックを分散させたフッ素樹脂チューブを用いることを検討した。その結果、カーボンブラックを分散させて導電化したフッ素樹脂チューブは、電子写真用部材の長手方向への亀裂が特に生じ易いという新たな課題を見出した。この課題は、電子写真用部材が、柔軟性を求められる薄いエンドレスベルト形状を有する定着ベルトや加圧ベルトの場合には特に顕著であった。
特開2010−143118号公報
そこで、本発明は、カーボンブラックを含む導電性のフッ素樹脂チューブで構成された表面層を有する電子写真用部材において、表面層への亀裂が生じ難い電子写真用部材を提供することを目的とする。
また、本発明は、高品位な電子写真画像の形成に資する定着装置を提供することを他の目的とする。
本発明の一態様によれば、エンドレスベルト形状を有し、基体、該基体の周面を被覆しているゴム弾性層、及び該ゴム弾性層の周面を被覆しているフッ素樹脂チューブを有し、該フッ素樹脂チューブは、該基体の略軸方向に結晶配向しており、フッ素樹脂および該フッ素樹脂中に分散しているカーボンブラックを含み、かつ、該カーボンブラックの一次平均粒子径が50nm以上、100nm以下である電子写真用部材が提供される。
また、本発明の他の態様によれば、定着部材と、該定着部材に対向配置されており、該定着部材と定着ニップを形成している加圧部材とを備え、該定着部材及び該加圧部材のいずれか一方または両方が、上記の電子写真用部材である定着装置が提供される。
フッ素樹脂チューブの結晶状態模式図である。 本発明に係る定着装置の一態様の断面図である。 本発明に係る定着装置の他の態様の断面図である。 本発明に係る電子写真用部材の概略断面図である。
本発明者らは、カーボンブラックを分散させたフッ素樹脂チューブへの亀裂の発生の原因について検討を行った。その結果、フッ素樹脂チューブ内のカーボンブラックの凝集塊の部分が起点となって亀裂が生じていることを見出した。
図1に示すように、電子写真用部材に用いられるフッ素樹脂の代表例であるテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体(以下、「PFA」と記すことがある)においては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)骨格が整列して結晶化した結晶部分と、側鎖の存在により結晶化しにくいパーフルオロアルキルビニルエーテル骨格部分とがある。ここで、パーフルオロアルキルビニルエーテルの具体例としては、例えば、パーフルオロメチルビニルエーテル[CF=C(F)−O−CF]、パーフルオロエチルビニルエーテル[CF=C(F)−O−CFCF]及びパーフルオロプロピルビニルエーテル[CF=C(F)−O−CFCFCF]が挙げられる。
そして、カーボンブラックは、分子鎖が緻密に配列している結晶部には存在し難く、非晶部分に偏在する傾向にある。このため、カーボンブラック同士の粒子間距離が近くなりやすい。そのため、非晶部において、フッ素樹脂チューブの亀裂の発生の起点となるカーボンブラックの凝集塊が形成されやすくなるものと考えられる。
そこで、フッ素樹脂チューブへの亀裂の発生を抑制するためには、カーボンブラックがフッ素樹脂の非晶部に偏在した場合においても、カーボンブラックの凝集塊が形成され難くすることが重要であると認識した。このような認識に基づき、本発明者らは、フッ素樹脂チューブに分散させるカーボンブラックについて検討を重ね、カーボンブラックとして、その一次平均粒子径が、50nm以上、100nm以下のものを用いることが有効であることを見出した。
一般に、粒子間の凝集力は一次平均粒子径が小さいほど大きく、粒子径が大きくなるほど凝集力は小さくなり、凝集しにくくなる。
そして、カーボンブラックとして、一次平均粒子径が50nm以上、100nm以下のものを用いた場合、PFAの非晶部にこれらのカーボンブラックが偏在した場合にも、粒子間の相互作用が弱いため、凝集塊が形成されにくくなっている。そのため、カーボンブラックの凝集部分を起点とした亀裂の発生を抑制することができると考えられる。
本発明に係る電子写真用部材とその電子写真用部材を備えた定着装置について、以下に一例を用いて具体的に示す。
(1)定着装置
図2は、定着ベルトと、該定着ベルトに対向配置された加圧ベルトとを備えた、いわゆるツインベルト方式の定着装置の断面図である。定着ベルト及び加圧ベルトは、互いに圧接されており、定着ニップを構成している。
なお、ここで、定着装置Aまたはこれを構成している部材について、長手または長手方向とは電子写真用部材の基体軸方向、すなわち、図2の紙面に垂直な方向をいう。定着装置について正面とは記録材導入側の面である。左右とは装置を正面から見て左または右である。ベルトの幅とはベルト基体軸方向のベルト寸法(=ベルト長手方向の寸法)である。また記録材の幅とは記録材面において長手方向の記録材寸法である。また上流または下流とは記録材の搬送方向に関して上流または下流である。
この定着装置Aは、詳しくは後述するが第1のエンドレスベルトとしての定着ベルト20と、第2のエンドレスベルトとしての電子写真用部材30とを備えている。
定着ベルト20の加熱手段として、エネルギー効率の高い電磁誘導加熱方式の加熱源(誘導加熱部材、励磁コイル)を採用している。誘導加熱部材57は、誘導コイル57aと、励磁コア57bと、それらを保持するコイルホルダー57cと、から構成される。誘導コイル57aは、長円状に扁平巻きされたリッツ線を用い、誘導コイルの中心と両脇に突起した横E型の励磁コア57bの中に配置されている。励磁コア57bはフェライト、パーマロイといった高透磁率で残留磁束密度の低いものを用いるので、誘導コイル57aや励磁コア57bでの損失を抑えられ、効率的に定着ベルト20を加熱する事ができる。
励磁回路64から誘導加熱部材57の誘導コイル57aに高周波電流が流されると、定着ベルト20の金属層が誘導発熱して定着ベルト20が加熱される。定着ベルト20の表面温度がサーミスタ等の温度検知素子62により検知される。この温度検知素子62で検知される定着ベルト20の温度に関する信号が制御回路部63に入力する。制御回路部63は温度検知素子62から入力する温度情報が所定の定着温度に維持されるように、励磁回路64から誘導コイル57aに対する供給電力を制御して、定着ベルト20の温度を所定の定着温度に温調する。
定着ベルト20は、ベルト懸架部材であるローラ51及びローラ52との間に張架されている。ローラ51とローラ52はそれぞれ装置の不図示の左右の側板間に回転自由に軸受させて支持させてある。
ローラ51は、外径が20mmで、内径が18mmである厚さ1mmの鉄製の中空ローラであり、定着ベルト20に張りを与えるテンションローラとして機能している。
ローラ52は、外径が20mmで、内径が18mmである鉄合金製の芯金に、弾性層としてのシリコーンゴム層が設けられた高摺動性の弾性ローラである。このローラ52は駆動ローラとして駆動源(モータ)Mから不図示の駆動ギア列を介して駆動力が入力されて、矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。このローラ52に上記のように弾性層を設けることで、ローラ52に入力された駆動力を定着ベルト20へ良好に伝達することができるとともに、定着ベルト20からの記録材の分離性を確保するための定着ニップを形成できる。シリコーンゴム層によって、内部への熱伝導も少なくなるためウォーミングアップタイムの短縮にも効果がある。
定着ベルト20は、ローラ52が回転駆動されると、ローラ52のシリコーンゴム表面と定着ベルト20の内面ポリイミド層との摩擦によってローラ52と共に回転する。定着ベルトの外径は55mmである。
電子写真用部材30は、ベルト懸架部材としてのテンションローラ54と加圧ローラ55によって張架されている。電子写真用部材の外径は55mmである。この張架テンションは、電子写真用部材30の基体回転方向に力が加わることとなり、長時間使用時に電子写真用部材が長手方向へ亀裂が入りやすくなる。テンションローラ54と加圧ローラ55はそれぞれ装置の不図示の左右の側板間に回転自由に軸受させて支持させてある。
テンションローラ54は、外径が20mmで、内径が16mmである鉄合金製の芯金に、熱伝導率を小さくして電子写真用部材30からの熱伝導を少なくするためにシリコーンスポンジ層を設けてある。
加圧ローラ55は、外径が20mmで、内径が16mmである厚さ2mmの鉄合金製の低摺動性の剛性ローラである。
ここで、定着ベルト20と電子写真用部材30との間にニップ部60を形成するために、加圧ローラ55は、回転軸の左右両端側が不図示の加圧機構により矢印Fの方向に所定の加圧力にてローラ52に向けて加圧されている。
また、装置を大型化することなく幅広いニップ部60を得るために、加圧パッドを採用している。すなわち、定着ベルト20を電子写真用部材30に向けて加圧する第1の加圧パッドとしての定着パッド53と、電子写真用部材30を定着ベルト20に向けて加圧する第2の加圧パッドとしての加圧パッド56である。定着パッド53及び加圧パッド56は装置の不図示の左右の側板間に支持させて配設してある。加圧パッド56は、不図示の加圧機構により矢印Gの方向に所定の加圧力にて定着パッド53に向けて加圧されている。第1の加圧パッドである定着パッド53はパッド基体とベルトに接する摺動シート(低摩擦シート)58を有する。第2の加圧パッドである加圧パッド56もパッド基体とベルトに接する摺動シート59を有する。ベルトとパッド基体の間に、摺動シート58と59を介在させることで、パッドの削れを防止し、摺動抵抗も低減できるので、良好なベルト走行性、ベルト耐久性を確保できる。
なお、定着ベルトには非接触の除電ブラシ(不図示)、電子写真用部材には接触の除電ブラシ(不図示)を各々設けている。
制御回路部63は、少なくとも画像形成実行時にはモータMを駆動する。これによりローラ52が回転駆動され、定着ベルト20が同じ方向に回転駆動される。電子写真用部材30は、定着ベルト20に従動して回転する。ここで、定着ニップ最下流の部分をローラ対52・55により定着ベルト20と電子写真用部材30を挟んで搬送する構成としたことで、ベルトのスリップを抑制することができる。定着ニップ最下流の部分は定着ニップでの圧分布(記録材搬送方向)が最大となる部分である。
定着ベルト20が所定の定着温度に立ち上がって温調された状態において、定着ベルト20と電子写真用部材30との間の定着ニップ60に、未定着トナー画像tを有する記録材Sが矢印方向に搬送される。記録材Sは、未定着トナー画像tを担持した面を、定着ベルト20側に向けて導入される。
そして、記録材Sの未定着トナー画像tが定着ベルト20の外周面に密着したまま挟持搬送されていくことにより、定着ベルト20から熱が付与され、また加圧力を受けて記録材Sの表面に定着される。その後、記録材Sは、分離部材61によって、定着ベルトと分離して、搬送される。
図3は一対の加熱された定着ローラと電子写真用部材を有する定着装置の一例であり、本発明に係る電子写真用部材を備えた定着装置の別の一例の横断面模式図である。
図3に示すように、定着ローラ101には、中央部に配置されるメインサーミスタ102が当接している。電子写真用部材103には、ベルトサーミスタ104が当接される。エンドレスベルト形状の電子写真用部材103は、複数のローラ105〜107にて回転自在に支持張架されている。この電子写真用部材103は、定着ローラ101に当接される。また、電子写真用部材103の内側から摺動部材(不図示)を介して、加圧パッド108および加圧パッド支持部109を有する加圧部材で、電子写真用部材103を定着ローラ101に加圧して定着ニップ部を形成したベルト定着方式の定着装置となっている。また、定着ローラ101は矢印の時計方向に回転駆動される。電子写真用部材103は定着ローラ101の回転に従動して矢印の方向に回転する。定着ローラ101の内部には、加熱源であるハロゲンヒータ110が配設されている。
また、定着ローラ101には通紙部(定着ローラの長手方向略中央部)にメインサーミスタ102が接触配設されており、温度調節回路(CPU)を介してヒータへの供給電圧を制御することによって、定着ローラ101の表面の温度が180℃となるように温度調整が行われる。また、定着ローラ101の長手方向端部の非通紙部(使用可能な最大幅の記録材が通過する領域よりも端部側の領域)には、サブサーミスタ(不図示)が当接している。電子写真用部材103を懸回させたローラ105〜107のうちの、ローラ106は、金属からなる分離ローラである。ローラ106は、電子写真用部材103を介して定着ローラ101に食い込むように加圧することにより、定着ローラ101の弾性体を変形させて、記録材Pを定着ローラ101表面から分離している。
また、ローラ106は、ローラ105を回動中心にして矢印X方向へ回動自在とされている。ローラ105の内部には電子写真用部材を加熱するためのヒータが内蔵されており、ベルトサーミスタ104により検出された電子写真用部材の温度に応じて温度調節回路(CPU)を介してこのヒータへの供給電圧が制御される。加圧パッド108は金属の台座の上にシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性体を配置した構成をとり、電子写真用部材103を介して定着ローラ101を加圧している。
なお、加圧パッド108と電子写真用部材103との間の摺動抵抗を軽減させるためには、加圧パッドと電子写真用部材との間に樹脂シートを設け、電子写真用部材103の内面に潤滑材を塗布するのが好ましい。以上のように、定着ローラ101と、エンドレスベルト形状の電子写真用部材103および加圧パッド108とによって定着ニップ部を形成することにより、電子写真用部材103によって定着ローラ101の外周に巻きつくように幅広い定着ニップ部を形成することが可能となり、高速化を実現可能になるとともに、厚紙などの定着に対して有利になる。冷却ファン111は、電子写真用部材103を冷却する位置に配置され、制御回路(CPU)によりその動作が制御される。
(2)電子写真用部材
図4は本発明に係る電子写真用部材の概略断面図である。本発明に係る電子写真用部材はエンドレスベルト形状であり、構成として少なくとも、円筒状の基体1、ゴム弾性層2、フッ素樹脂チューブ3を有している。各層同士の接着については、適宜接着層を設けても良い。また、基体の内面には摺動性を付与する目的で摺動層を設けても良い。以下に詳細を示す。
(2−1)基体
基体1は、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、電鋳ニッケルなどの金属やポリイミドなどの耐熱性に優れた樹脂からなるエンドレスベルト形状の基体が用いられる。基体1の厚みは30μm以上70μm以下が好ましい。
(2−2)ゴム弾性層
ゴム弾性層2は、定着時にトナーを過度に押しつぶすことがないように、弾性を定着部材に担持させるものである。このような機能を発現させる上で、ゴム弾性層2は、付加硬化型シリコーンゴムの硬化物で構成することが好ましい。シリカおよびアルミナなどのフィラーの種類や添加量に応じて、弾性を調整することができるからである。また、その架橋度を調整することで、弾性を調整することもできる。ゴム弾性層2の厚みは、100μm以上1000μm以下、特には200μm以上400μm以下が好ましい。層形成の方法は、特に限定されないが、一般的なリングコート法の後に、架橋硬化する方法が挙げられる。
(2−3)フッ素樹脂チューブ
フッ素樹脂チューブ3の厚みについては、フッ素樹脂チューブの柔軟性の観点から、35μm以上55μm以下とすることが好ましい。
(2−3−1)フッ素樹脂材料
フッ素樹脂チューブを構成するフッ素樹脂としては、耐熱性に優れたテトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適に用いられる。PFAチューブは、押し出し成形により成形するものを用いる。原料となるPFAの共重合の形式は特に限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などが挙げられる。また、原料となるPFAにおけるテトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)の含有モル比は特に限定されるものではない。PFAは19F‐NMRで確認することができる。
(2−3−2)カーボンブラック
フッ素樹脂に導電性を付与し、電子写真用部材の表面抵抗を低下させるために、フッ素樹脂チューブ3はカーボンブラックを含有している。カーボンブラックの種類は特に限定されず、例としてアセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック等を挙げることができる。カーボンブラックはラマン分光法で確認することができる。
フッ素樹脂チューブ3に含有するカーボンブラックの平均粒子径は50nm以上100nm以下である。本発明に係るカーボンブラックの平均粒子径とは後述する測定で得ることができる一次粒子の平均粒子径、すなわち、一次平均粒子径のことである。平均粒子径が50nmより小さい場合、カーボンブラックが凝集しやすくなるため、これを起点として亀裂を生じやすくなる。平均粒子径が100nmより大きい場合、電子写真用部材のフッ素樹脂チューブ3の表面性の悪化に伴い、両面印刷時の二面目定着の際に、既定着画像面が電子写真用部材に接触するので画像のグロスの低下が懸念される。
カーボンブラックの一次平均粒子径は以下の様な方法で測定することができる。
まず本発明の電子写真用部材を切り出し、断面が出るように樹脂に包埋した後、この試料を粗機械研磨から鏡面機械研磨により鏡面状の断面を作成する。次にフラットミリング装置(例えば(株)日立ハイテクノロジーズ社製E−3200型)を用いてアルゴンイオンビームでエッチングすることによりカーボンブラック粒子を必要最小限露出させる。この試料の表面に電子顕微鏡観察時の帯電防止のため、必要に応じてスパッタリングや蒸着により金、白金等の薄膜を付与する。ここまでの前処理を行った試料を電子顕微鏡(製品名:XL-30、FEI社製)で倍率500倍の観察を行い、フッ素樹脂チューブ断面の観察画像をデジタルデータとして記録する。画像解析では、当該画像から、任意の50個のカーボンブラックの一次粒子を選択し、その粒径を測定した。なお、ここで、粒径とは、当該画像における一次粒子の面積と等しい面積を有する円の直径、すなわち、円相当径をいう。
同様の操作を電子写真用部材の任意の計10カ所の断面について測定し、平均した値を一次平均粒子径とする。画像解析には市販の種々の解析ソフトを使うことが可能であり、必要な解析が可能であれば限定されるものではない。本実施例ではImage−Pro Plus 5.0J(Media Cybernetics社製)を使用した。
(2−3−3)フッ素樹脂チューブの結晶配向度
押し出し成形方法により形成されたフッ素樹脂チューブは、通常、押し出し方向(電子写真用部材の基体の長手方向)に沿う方向の結晶配向度が35%以上75%以下の範囲にある。
本発明に係るフッ素樹脂チューブとしては、押し出し方向に沿う方向の結晶配向度が50%以下のフッ素樹脂チューブを用いることが好ましい。
押出し方向に沿う方向の結晶配向度が50%以下のフッ素樹脂チューブは、フッ素樹脂分子の押出し方向に沿う方向の配向が過度に進んでいない。そのため、押出方向に直交する方向、すなわち、フッ素樹脂チューブの周方向への亀裂が相対的に生じ難い。一方、上記したように、押し出し成型により成形されたフッ素樹脂チューブの押出し方向に沿う方向の結晶配向度は、通常35%以上となる。そのため、本発明に係るフッ素樹脂チューブとしては、押出方向に沿う方向の結晶配向度が、35%以上、50%以下のものを好適に用いることができる。
なお、フッ素樹脂チューブの結晶配向度は、以下のように広角X線回折法による結晶配向度の算出で求めることができる。すなわち、結晶配向試料ではデバイ環に沿って強度分布があり、結晶配向度の測定にはX線回折像を利用する。繊維用試料台を用いて、2θを18°付近のPTFE結晶由来のピークに固定し、360°回転(β回転)させ、デバイ環に沿っての強度分布を測定し、下記数式(1)でその結晶配向度を求めた。なお、X線回折装置はリガク社製回転対陰極型X線回折装置RINT2500型(X線:CuKα)を用いた。
数式(1)
H=〔(360−ΣW/360)〕×100
上記数式(1)中、Hは、結晶配向度を表し、Wは、半値幅を表す。
(2−3−4)表面抵抗
フッ素樹脂チューブ3の表面抵抗については、1×10Ω/m以上1×1012Ω/m以下が適している。表面抵抗を上記範囲内とすることによって、剥離オフセットを有効に抑制することができる。
なお、表面抵抗値はハイレスタUP MCP−HT450(三菱化学製、プローブ:UA)にて印加電圧500V、測定時間25秒、測定温度20℃、湿度50%での表面抵抗率を測定した。測定はベルト外周面に関して16点測定し、この平均値をベルトの表面抵抗率とした。
(2−3−5)フッ素樹脂チューブの製法
フッ素樹脂チューブ3は、押し出し成形によって形成することができる。すなわち、フッ素樹脂及びカーボンブラックを含むフッ素樹脂混合物を、押し出し機に供給して加熱溶融させ、所定のサイズのリング形状を持った金型(ダイス)を通して押し出し、冷却させることにより成形品を得るものである。
例えば、直径が30mmのフッ素樹脂チューブを押出し成形で製造する場合、まず、ペレット状の材料は押し出し機シリンダー部(押し出しスクリュー部)に供給され、押し出し速度40〜60g/minで加熱しながら練りを加えて押し出される。この時、シリンダー部の温度は徐々に上げられる。そして、押し出し機のサイズ、滞留時間にもよるが通常320℃〜400℃で完全に溶融した状態で内径50mmギャップ5mmのリング状吐出口を通してチューブ状に押し出され、引き取られながらサイジングダイを通して冷却、内径が整えられる。
フッ素樹脂チューブの膜厚は、引落率(型の吐出口面積/成形チューブの断面積)で制御され、押出し速度と、引き取り速度で調整される。引き取り速度は2.0m/min〜8.0m/min、引落率130〜450で膜厚20〜70μmのチューブが得られる。成形温度が高い方が、或いは、引き取り速度が遅いほうが冷却時間が長くなり、結晶化度は高くなる。また、配向度は押出し速度が遅く、引き取り速度が高い方が高くなる。
上記したような押し出し成形方法により形成されたフッ素樹脂チューブは、結晶化度が20〜55、長手方向の配向度が35〜75%の範囲にあるのが通常である。フッ素樹脂チューブの厚みは、先に述べたように、定着効率を向上させるために、50μm以下が好ましい。その理由は積層した際に下層のシリコーンゴム層の弾性を維持し、定着部材としての表面硬度が高くなりすぎることを抑制できるからである。一方、フッ素樹脂チューブの強度を維持する観点から、その厚みは、10μm以上が好ましい。
フッ素樹脂チューブの内径は、後述する改質工程に供するために、円筒状弾性層の外径よりも小さくすることが好ましい。具体的には、円筒状弾性層を挿入後の該フッ素樹脂チューブの内径と挿入前の内径との差が、挿入前の内径を基準として、4%以上7%以下の範囲となるような内径となるように成形することが好ましい。
また、フッ素樹脂チューブの内面は、予め、ナトリウム処理やエキシマレーザ処理、アンモニア処理等を施すことで、接着性を向上させることが出来る。
以下に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、これら実施例は、本発明を適用できる実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の変形が可能である。
[実施例1]
<フッ素樹脂チューブの作製>
以下の方法に従って、本実施例に用いるフッ素樹脂チューブを作製した。
まず、PFA(商品名:AP201、ダイキン工業社製)100質量部、およびカーボンブラック(製品名:デンカブラック、電気化学工業社製、一次平均粒径95nm)8.5質量部を混合、熔融混練して、次いで、ペレット化した。得られたペレットを、内径が75mm、ダイギャップが0.8mmのリング形状を有するダイを取り付けた押出成形機に導入した。該押出成形機にて、該ペレットを390℃で加熱し、該ダイから押出し速度53g/分で押し出して、カーボンブラックが分散されたPFAのチューブを得た。押し出されたPFAのチューブを、引き取り速度2.5m/分で引き取って、厚みが56μm、内径が53mmの、導電性のフッ素樹脂チューブを得た。
得られたフッ素樹脂チューブについて、カーボンブラックの一次平均粒子径、結晶配向度および表面抵抗の各々を前記した方法により測定した。また、該フッ素樹脂チューブの厚みも測定した。それらの結果を表1に示す。
次いで、上記の方法で得られたフッ素樹脂チューブの内周面を、表面処理剤(商品名:テトラエッチ、潤工社製)で処理した。
<電子写真用部材の作製>
次いで、電鋳ニッケルベルト外面にプライマー(製品名:DY39−051、東レ・ダウコーニング社製)を塗布し、加熱処理した。その上に、付加硬化型シリコーンゴムをリングコート法を用いて塗布し、加熱、硬化させてゴム弾性層を形成した。次いで、接着剤(製品名:SE1819CV、東レ・ダウコーニング社製)を塗布したゴム弾性層上に上記で作製した導電性のフッ素樹脂チューブを被せて、該接着剤を硬化させて、本実施例に係る電子写真用部材を得た。
[実施例2〜9]
実施例2〜9に係る電子写真用部材の製造に用いるフッ素樹脂チューブを作製した。作製方法としては、リング形状を有するダイを、表2に示す内径およびダイギャップを有するものに変更し、また、PFAの押し出し速度および押出されたPFAチューブの引き取り速度を表2に示したように変更した。また、カーボンブラックを、以下に示したものに変更した。それら以外は、実施例1に係るフッ素樹脂チューブの製造方法と同様とした。
得られた各実施例に用いるフッ素樹脂チューブについて、カーボンブラックの一次平均粒子径、結晶配向度および表面抵抗の各々を前記した方法により測定した。また、それの厚みを測定した。それらの結果を表1に示す。
また、得られた各実施例に係るフッ素樹脂チューブを用いて、実施例1と同様にして各実施例に係る電子写真用部材を得た。
<実施例2のカーボンブラック>
製品名:「シーストFM FEF‐HS」(東海カーボン社製)
一次平均粒径50nm
<実施例3、5、6、7、8、9のカーボンブラック>
製品名:「シーストFY SRF‐HS」(東海カーボン社製)
一次平均粒径72nm
<実施例4のカーボンブラック>
製品名:「♯3030B」(三菱化学社製)
一次平均粒径55nm
[比較例1]
比較例1に係る電子写真用部材の製造に用いるフッ素樹脂チューブを作製した。作製方法としては、リング形状を有するダイを、表2に示す内径およびダイギャップを有するものに変更し、また、PFAの押し出し速度および押出されたPFAチューブの引き取り速度を表2に示したように変更した。
また、カーボンブラックを、平均粒子径が小さいカーボンブラックとして、一次平均粒径が、35nmである、電気化学工業社製の「デンカブラック」(商品名)、)を使用した。それら以外は、実施例1に係るフッ素樹脂チューブの製造方法と同様とした。
得られた本比較例に用いるフッ素樹脂チューブについて、カーボンブラックの一次平均粒子径、結晶配向度および表面抵抗の各々を前記した方法により測定した。また、その厚みを測定した。それらの結果を表1に示す。
次いで、本比較例に係るフッ素樹脂チューブを用いて、実施例1と同様にして本比較例に係る電子写真用部材を得た。
[比較例2]
比較例2に係る電子写真用部材の製造に用いるフッ素樹脂チューブを作製した。作製方法としては、リング形状を有するダイを、表2に示す内径およびダイギャップを有するものに変更し、また、PFAの押し出し速度および押出されたPFAチューブの引き取り速度を表2に示したように変更した。また、カーボンブラックは、添加しなかった、それら以外は、実施例1に係るフッ素樹脂チューブの製造方法と同様とした。
そして、得られた本比較例に用いるフッ素樹脂チューブについて、結晶配向度および表面抵抗の各々を前記した方法により測定した。また、その厚みを測定した。それらの結果を表1に示す。
次いで、本比較例に係る素樹脂チューブを用いて、実施例1と同様にして本比較例に係る電子写真用部材を得た。
(評価)
実施例1〜9、比較例1〜2の電子写真用部材を上記ツインベルト方式の定着装置に搭載し、その定着装置をIMAGE RUNNER ADVANCE C7065(商品名、キヤノン株式会社製)に設置して、以下のように、耐亀裂性の評価、剥離オフセットの評価を行った。
(評価1:耐亀裂性の評価方法)
各実施例及び各比較例で作製した電子写真用部材を上記定着装置に搭載した。プロセススピードは348mm/secとした。A4サイズの上質カラーレーザーコピア用紙(キヤノン社製;坪量:80g/m)を、印刷面の短辺を記録材搬送方向にした向きで連続して、毎分70枚供給した。該上質カラーレーザーコピア用紙を300万枚通紙した。引き続いて、長さ450mm幅320mmのコート紙(商品名:OKトップコート;王子製紙製、坪量=128g/m)を1枚供給し、該コート紙に、シアンのハーフトーン画像を形成した。このハーフトーン画像を第1のハーフトーン画像と称する。そして、第1のハーフトーン画像を目視で観察し、傷、スジ、ムラの如き画像欠陥の有無を観察した。また、第1のハーフトーン画像を形成した時点における電子写真用部材の表面の亀裂の有無を目視で観察した。
第1のハーフトーン画像に欠陥が認められず、また、フッ素樹脂チューブへの亀裂が発生していなかった場合には、該上質カラーレーザーコピア用紙を、さらに100万枚通紙し、引き続いて、コート紙((商品名:OKトップコート)を1枚供給して、該コート紙にシアンのハーフトーン画像を形成した。このハーフトーン画像を第2のハーフトーン画像と称する。そして、第2のハーフトーン画像を目視で観察し、傷、スジ、ムラの如き欠陥の有無を観察した。また、第2のハーフトーン画像を形成した時点における電子写真用部材の表面の亀裂の有無を目視で観察した。
第2のハーフトーン画像に欠陥が認められず、また、フッ素樹脂チューブへの亀裂が発生していなかった場合には、該上質カラーレーザーコピア用紙を、さらに100万枚通紙し、引き続いて、コート紙((商品名:OKトップコート)を1枚供給して、該コート紙にシアンのハーフトーン画像を形成した。このハーフトーン画像を第3のハーフトーン画像と称する。そして、第3のハーフトーン画像を目視で観察し、傷、スジ、ムラの如き欠陥の有無を観察した。また、第3のハーフトーン画像を形成した時点における電子写真用部材の表面の亀裂の有無を目視で観察した。
こうして、第1〜第3のハーフトーン画像の欠陥の有無、及び各ハーフトーン画像を形成した時点における電子写真用部材のフッ素樹脂チューブへの亀裂の発生の有無を、下記の基準に基づき評価した。
なお、評価ランクDを、本発明においては、耐亀裂性が不十分と判定した。
Figure 0006478702
(評価2:剥離オフセットの評価方法)
各実施例及び各比較例で作製した電子写真用部材を上記定着装置に搭載した。プロセススピードは348mm/secとした。
記録材としては、坪量が209g/mの長さ450mm幅320mmサイズのカット紙(以降、「第1のカット紙」と称する)と、坪量が220g/mのA3サイズのカット紙(以降、「第2のカット紙」と称する)を用意した。
評価は、室温23℃、相対湿度15%で行った。
まず、画像形成装置と記録材を、室温23℃、相対湿度15%の環境下に24時間置いた。その後に、第1のカット紙を連続して100枚通紙して、電子写真用部材の紙が接する領域の電位を一定とした。引き続いて、第2のカット紙を連続して5枚供給し、該第2のカット紙の各々にハーフトーン画像を形成した。5枚目の第2のカット紙上のハーフトーン画像について、スジ、グロスムラの如き画像不良の有無を、5人が目視で観察した。そして、下記の基準で評価した。
ランクA:5人とも画像不良の存在を確認できない。
ランクB:1人が、画像不良の存在を認めた。
ランクC:2人が画像不良の存在を認めた。
ランクD:3人以上が、画像不良の存在を認めた。
ランクDは、明らかに画像不良が発生していると見做し、剥離オフセットによる画像不良が起きていると判断した。
(結果)
耐亀裂性の評価、剥離オフセットの評価結果を以下の表1に示した。
Figure 0006478702
Figure 0006478702
以上説明したように、エンドレスベルト形状の電子写真用部材であって、円筒状または円柱状の基体、該基体の周面を被覆しているゴム弾性層、及び該ゴム弾性層の周面を被覆しているフッ素樹脂チューブを有し、該フッ素樹脂チューブは、該基体の略軸方向に結晶配向しており、フッ素樹脂および該フッ素樹脂中に分散しているカーボンブラックを含み、かつ、該カーボンブラックの一次平均粒子径が50nm以上、100nm以下であることを特徴とする電子写真用部材を得ることができた。
これにより、剥離オフセットを抑制しつつ、高い耐亀裂性を高度に両立する電子写真用部材、及び、該電子写真用部材を具備する定着装置を提供できる。
1 基体
2 ゴム弾性層
3 フッ素樹脂チューブ

Claims (7)

  1. エンドレスベルト形状の電子写真用部材であって、
    基体、
    該基体の周面を被覆しているゴム弾性層、及び
    該ゴム弾性層の周面を被覆しているフッ素樹脂チューブを有し、
    該フッ素樹脂チューブは、
    該基体の略軸方向に結晶配向しており、
    フッ素樹脂および該フッ素樹脂中に分散しているカーボンブラックを含み、かつ、
    該カーボンブラックの一次平均粒子径が50nm以上、100nm以下であることを特徴とする電子写真用部材。
  2. 前記フッ素樹脂チューブの前記基体の略軸方向の結晶配向度が、35%以上、50%以下である請求項1に記載の電子写真用部材。
  3. 前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体である請求項1または2に記載の電子写真用部材。
  4. 前記フッ素樹脂チューブの厚みが35μm以上55μm以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  5. 前記電子写真用部材の表面抵抗が1×10Ω/m以上1×1012Ω/m以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真用部材。
  6. 加熱部材と、
    該加熱部材に対向配置されており、該加熱部材と共にニップを形成しているエンドレスベルト形状の電子写真用部材とを備えている定着装置であって、
    該電子写真用部材が、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子写真用部材であることを特徴とする定着装置。
  7. 前記電子写真用部材が、少なくとも2つのローラの間に張架されている請求項6に記載の定着装置。
JP2015035661A 2014-02-27 2015-02-25 電子写真用部材および定着装置 Active JP6478702B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015035661A JP6478702B2 (ja) 2014-02-27 2015-02-25 電子写真用部材および定着装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014036781 2014-02-27
JP2014036781 2014-02-27
JP2015035661A JP6478702B2 (ja) 2014-02-27 2015-02-25 電子写真用部材および定着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015179263A JP2015179263A (ja) 2015-10-08
JP6478702B2 true JP6478702B2 (ja) 2019-03-06

Family

ID=53882112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015035661A Active JP6478702B2 (ja) 2014-02-27 2015-02-25 電子写真用部材および定着装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9354571B2 (ja)
JP (1) JP6478702B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017111242A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 キヤノン株式会社 搬送回転体およびこれを備える画像形成装置、搬送回転体の製造方法
KR102236963B1 (ko) 2017-03-28 2021-04-07 캐논 가부시끼가이샤 전자사진용 회전가능 가압체 및 그 제조 방법, 및 정착 장치
JP7098388B2 (ja) 2017-04-28 2022-07-11 キヤノン株式会社 液状シリコーンゴム混合物、及び電子写真用部材の製造方法
JP2019133006A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 コニカミノルタ株式会社 定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP7114351B2 (ja) * 2018-06-07 2022-08-08 キヤノン株式会社 定着部材および熱定着装置
JP2023019045A (ja) * 2021-07-28 2023-02-09 キヤノン株式会社 定着部材及び加熱定着装置
US20240045359A1 (en) * 2022-06-21 2024-02-08 Canon Kabushiki Kaisha Fixing film, heat fixing apparatus, and electrophotographic image forming apparatus

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008106285A (ja) * 2001-07-02 2008-05-08 Du Pont Mitsui Fluorochem Co Ltd 導電性フッ素樹脂組成物及びその製法
JP3970002B2 (ja) * 2001-11-20 2007-09-05 三菱化学株式会社 フッ素系シームレス機能ベルト
JP2004271888A (ja) * 2003-03-07 2004-09-30 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 導電性ローラ
JP2005157173A (ja) * 2003-11-28 2005-06-16 Canon Inc 定着装置
JP4819539B2 (ja) * 2006-03-20 2011-11-24 昭和電線デバイステクノロジー株式会社 導電性ゴムローラ
KR101052089B1 (ko) * 2007-05-10 2011-07-27 군제 가부시키가이샤 불소 수지 튜브 및 그 제조방법
JP2009003223A (ja) * 2007-06-22 2009-01-08 Konica Minolta Business Technologies Inc 定着装置およびそれを構成する部材の製造方法、並びに画像形成装置
JP5171216B2 (ja) * 2007-11-09 2013-03-27 キヤノン株式会社 像加熱装置
US8463167B2 (en) * 2007-11-09 2013-06-11 Canon Kabushiki Kaisha Image heating apparatus and image heating rotational body to be mounted on the image heating apparatus
JP4790002B2 (ja) 2008-12-19 2011-10-12 キヤノン株式会社 定着部材の製造方法
JP5812837B2 (ja) * 2011-12-09 2015-11-17 キヤノン株式会社 導電性部材、プロセスカートリッジ、および電子写真装置
US8962133B2 (en) * 2011-12-12 2015-02-24 Canon Kabushiki Kaisha Electrophotographic member, intermediate transfer member, image forming apparatus, and method for manufacturing electrophotographic member
JP5901278B2 (ja) * 2011-12-21 2016-04-06 キヤノン株式会社 定着装置及び定着装置で用いるフィルム
KR20140055117A (ko) * 2012-10-30 2014-05-09 삼성전자주식회사 정착장치와 이를 가지는 화상형성장치
JP6036469B2 (ja) * 2013-03-26 2016-11-30 富士ゼロックス株式会社 表面保護膜

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015179263A (ja) 2015-10-08
US9354571B2 (en) 2016-05-31
US20150241825A1 (en) 2015-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6478702B2 (ja) 電子写真用部材および定着装置
JP5414450B2 (ja) 加圧部材、像加熱装置、及び画像形成装置
JP4911674B2 (ja) 加熱定着部材および加熱定着装置
JP2005189322A (ja) 画像形成装置
JP2009109952A (ja) 加圧部材、及びその加圧部材を有する像加熱装置
JP2009258517A (ja) 定着装置およびそれを備える画像形成装置
JP2010026516A (ja) 定着装置
JP6201726B2 (ja) 樹脂基材、無端ベルト、定着装置及び画像形成装置
JP5974909B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2018028658A (ja) 電子写真用部材、定着部材、定着装置及び画像形成装置、並びに電子写真用ベルトの製造方法
JP2011150230A (ja) 無端ベルト、定着装置及び画像形成装置
JP6456165B2 (ja) 画像形成装置
US20130078470A1 (en) Fixing belt, method of manufacturing fixing belt, fixing device, and image forming apparatus
CN106842865B (zh) 定影部件
JP2014191023A (ja) 無端ベルト、定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP6111929B2 (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP2014153659A (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
CN111722504A (zh) 滑动构件、定影装置、处理盒和图像形成设备
JP2007171280A (ja) シームレス円筒部材及び定着装置
CN104076662B (zh) 定影装置及图像形成装置
JP2015055657A (ja) 加圧部材、それを用いた画像加熱装置、画像形成装置、および加圧部材の製造方法
JP5853557B2 (ja) 定着部材、定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP2019133006A (ja) 定着ベルト、定着装置および画像形成装置
US8644750B2 (en) Fixing device including resistor layers having volume resistivity and image forming apparatus having fixing device
JP2024000979A (ja) 定着フィルムとその製造方法、加熱定着装置及び電子写真画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20171214

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171219

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20180126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190205

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6478702

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151