JP2023019045A - 定着部材及び加熱定着装置 - Google Patents

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康弘 宮原
Yasuhiro Miyahara
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Abstract

【課題】 用紙との耐摩耗性を維持しつつ、裂け(クラック)耐性を向上させ、良好な定着性能を安定的に発揮しうる離型層を備えた定着フィルム及び加熱定着装置を提供する。【解決手段】 円筒状基体と、円筒状基体上の外周面に設けられた弾性層と、弾性層の外周面に設けられた離型層とを有する定着フィルムであって、該離型層のX線回折法による配向度が40%以上59%以下かつ170℃における膜厚方向の熱拡散率が5.9×10-8m2/s以上である。【選択図】 図3

Description

本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置の加熱定着装置に用いられる定着部材に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、記録材(以下、用紙と記す)に形成されたトナー画像を加熱、加圧することによって当該用紙にトナー画像を定着させる定着装置を備えている。この定着装置には、加熱ローラ(加熱フィルム)や加圧ローラ(加圧フィルム)などの定着用部材を備えており、これらが互いに圧接した位置(定着ニップ部)で定着処理を行う構成となっている。
定着装置の一例として、フィルム加熱方式の装置がある。この装置は、セラミックス製の基板上に抵抗発熱体を有する加熱部材(加熱源)としてのヒータを有する。このヒータを内包接触しつつ回転走行する加熱部材としての無端状の定着フィルムを有する。その定着フィルムと圧接してニップ部を形成し、かつ定着フィルムを回転駆動させるニップ部形成部材としての加圧ローラ(加圧用回転体)を有する。このフィルム加熱方式では、定着フィルムの低熱容量化及び小型化が可能となることから、定着装置を省エネルギー化できるとともに、定着フィルムの温度がトナー画像を加熱定着するのに十分な所定温度に達するまでにかかる時間(ウォームアップタイム)を短縮することが可能となる。
フィルム基材には、ポリイミドなどの耐熱樹脂材料あるいはニッケル電鋳やSUSなどの金属材料等々が用いられる。かかるフィルム形状の基材上には、シリコーンゴム等の耐熱ゴムからなる弾性層が設けられる。弾性層を設けることにより、トナーが転写された用紙がニップ部を通過する際に、かかる弾性層ゴムの柔軟性によって、定着部材表面が用紙上のトナー画像に沿って変形するようになり、接触面積が広がることで接触熱抵抗が低減される。これによりトナーを一様に溶融して用紙上に定着させることができ、定着ムラが無く高光沢で良質な画像を得ることができる。
かかる定着用部材においては、トナーに対する離型性を付与するため表面に離型層を設ける。離型層を構成する材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、及びテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)といったフッ素樹脂が使用される。上述した弾性層の表面に離型層をもうけた定着フィルムにおける離型層の形成手段としては、その弾性層の表面に前述したフッ素樹脂を主成分とする分散液(水系分散塗料)または粉体塗料を塗装し、これを融点以上に加熱して成膜する方法、あるいは、別途押出成形にて製造されたフッ素樹脂(主にPFA)チューブを弾性層の表面に被覆する等といった方法が使用されている。
しかしながら、離型性を確保するために必須のフッ素樹脂は熱伝導率が低いため、加熱効率の低下すなわち省エネ性の悪化を招くとともに、弾性層に比べて硬いフッ素樹脂の影響により、前述した用紙との接触熱抵抗の低減に必要な特性である柔軟性が損なわれてしまうことから、定着ムラ等の画像品質の低下を招いてしまう。したがって、省エネ性や画質の低下を極力抑えるためには、離型層の厚みは極力薄く形成するのが望ましい。ただし、薄くしすぎてしまうと今度は、用紙との摺擦に伴う削れによって離型層が欠損するまでの耐久寿命の悪化を招いてしまう。また、押出チューブの場合には押出時の分子配向に伴う配向方向(押出方向)への裂け(クラック)が発生しやすくなる。これは、定着温度域での弾性層ゴムとの膨張率の違いや、フィルムが回転駆動される際にニップ部近傍で繰り返しかかる屈曲応力によって生じるものであり、離型層に裂け(クラック)が生じると定着後のトナー画像にも転写されてしまい、画像品質の悪化を招いてしまう。
特許文献1では、PFAチューブを被覆した後の定着フィルムを融点以上に再加熱して急冷することにより、配向性を低減させる手法が示されている。この手法では、PFAが再溶融することで分子運動が発生し、チューブ押出時の配向履歴をなくすことができる。
特開2011-197507号公報
しかし、PFAを再溶融させて配向を大きく低減させた場合、配向によって維持されていた用紙に対する耐摩耗性が大きく低減されてしまう。そのため、裂け(クラック)に対する耐性は向上するが、前述した用紙との摺擦に対する耐摩耗性(耐久寿命)との両立ができないといった課題がある。
そこで、本発明の目的は、用紙との耐摩耗性を維持しつつ、裂け(クラック)耐性を向上させ、良好な定着性能を安定的に発揮しうる離型層を備えた定着フィルム及び加熱定着装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る定着フィルムは、円筒状基体と、円筒状基体上の外周面に設けられた弾性層と、弾性層の外周面に設けられた離型層とを有し、該離型層のX線回折法による配向度が40%以上59%以下かつ170℃における膜厚方向の熱拡散率が5.9×10-8/s以上であることを特徴とする。
本発明によれば、用紙との耐摩耗性と裂け(クラック)耐性を有し、良好な定着性能を安定的に発揮しうる離型層を備えた定着フィルム及び加熱定着装置を提供することができる。
電子写真画像形成装置の一例の概略構成図である。 実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略断面図である。 定着フィルムの構成を説明する図である。 実施の形態における離型層の配向度測定結果の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
[画像形成装置]
図1は画像形成装置の一例の概略構成模式図である。この画像形成装置は電子写真方式の画像形成装置であり、回転する電子写真感光体101を有する。感光体101に対する静電潜像形成手段としての帯電装置102と像露光手段103、感光体101上の静電潜像をトナー像(現像剤像)として現像する現像手段104を有する。感光体101上のトナー像をシート状の記録材(以下、紙または用紙と記す)Pに転写する転写手段105を有する。トナー像転写後の感光体101面を清掃するクリーニング手段106、用紙P上のトナー像Tを定着する定着手段としての定着装置10(図2)、等を有する。
[定着装置]
図2は本実施形態における定着装置10の概略構成を示す横断面模式図である。以下の説明において、定着装置及びこの定着装置を構成する部材に関し、軸方向とは用紙の面において用紙搬送方向と直交する方向である。長さとは軸方向の寸法である。この定着装置10はベルト(フィルム)加熱方式の定着装置である。加熱体としてのセラミックスヒータ(以下、ヒータと記す)1と、加熱体支持部材を兼ねるフィルムガイド2を備える。また、加熱部材(定着部材)としての、エンドレス(円筒状)で可撓性・耐熱性の定着フィルム20を備える。また、定着フィルム20と圧接してニップ部(定着ニップ部)Nを形成するニップ部形成部材としての加圧ローラ30を備える。
ヒータ1は定着フィルム20の長手方向(図面に垂直方向)に沿って細長い板状部材であり、不図示の給電手段によって通電されることで発熱する抵抗発熱体などの発熱源を有しており、給電により急峻に昇温する。ヒータ1の温度は不図示の温度検知手段で検知され、その検知温度情報が不図示の制御手段に入力する。制御手段は温度検知手段から入力する検知温度が所定の定着温度に維持されるように給電手段から発熱源への供給電力を制御してヒータ1の温度を所定の温度に温調する。
ヒータ1は、剛性を有する耐熱性材料によって横断面略半円弧状の樋型に形成されているフィルムガイド2に支持されている。より具体的には、フィルムガイド2の外面にガイド長手に沿って溝部2aが設けられており、ヒータ1はこの溝部2aに嵌入されている。
後述するように、定着フィルム20は内側から外側に、環状(筒状)の基材21、弾性層22、離型層24等を含む(図3)。定着フィルム20は使用状態で内周面がヒータ1及びフィルムガイド2に摺擦されるエンドレスフィルムであり、ヒータ1を支持したフィルムガイド2の外周に周長に余裕を持たせて外嵌されている。
ヒータ1と加圧ローラ30は定着フィルム20を挟んで圧接しており、定着フィルム20と加圧ローラ30との間にニップ部Nが形成されている。加圧ローラ30は例えばモータなどの回転駆動装置Mによって矢印R30の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動に従動して定着フィルム20がその内面がヒータ1の面に密着して摺動しながらフィルムガイド2の外回りを矢印R20の時計方向に回転する。定着フィルム20の長手方向両端部は、定着装置10に固定された規制部材であるフランジ(不図示)によって回転自在に支持されている。
フィルムガイド2はヒータ1の支持部材として機能すると共に定着フィルム20の回転ガイド部材としても機能する。定着フィルム20の内周面には、ヒータ1及びフィルムガイド2との摺動性を確保するために潤滑剤(グリス)が塗られている。
加圧ローラ30は、内側から外側に、中実丸棒状或いは円筒状(パイプ状)等の基体31、弾性層32、離型層33を備える。加圧ローラ30は、例えばモータなどの回転駆動装置Mによって使用時に回転駆動される。このため基体31の軸方向両端部は、定着装置10のフレームなどの不図示の固定部分に軸受部材を介して回転自在に支持されている。
また、加圧ローラ30は、フィルムガイド2に支持されたヒータ1と定着フィルム20を挟んで対向する位置に配置されている。そして、加圧機構(不図示)によって加圧ローラ30と定着フィルム20とに所定の圧力が付与されることで、加圧ローラ30と定着フィルム20とが圧接してそれぞれの弾性層(22、32)は弾性変形する。これによって、加圧ローラ30と定着フィルム20との間には用紙搬送方向に関して所定の幅のニップ部Nが形成される。
加熱部材としての定着フィルム20とニップ形成部材としての加圧ローラ30の両者の圧接は、加圧ローラ30を定着フィルム20に所定の圧力で圧接させる構成でも、定着フィルム20側を加圧ローラ30に圧接させる構成でもよい。また定着フィルム20側と加圧ローラ30の両方を互いに所定の圧力で圧接させる構成でもよい。
加圧ローラ30は回転駆動装置Mによって回転駆動されると、従動回転する定着フィルム20との間のニップ部Nにおいて用紙Pを挟持しつつ搬送する。また、定着フィルム20は、ヒータ1により表面が所定温度(例えば200℃)に達するまで加熱される。この状態で、未定着トナー像Tを担持した用紙Pがニップ部Nに導入されて挟持搬送されることで、用紙P上の未定着トナーTが加熱、加圧される。すると、未定着トナーTは溶融/混色するので、その後、これが冷却することによって、トナー像が定着画像として用紙Pに定着される。
[定着フィルム]
次に、本実施例における定着フィルム20の詳細について説明する。
図3は従来例(a)および本実施例(b)における定着部材である定着フィルム20の層構成を示す断面模式図である。21は定着フィルム20の基材(円筒状基体)、25はその基材21の内周面に配された内面摺動僧、26は基材21の外周面を被覆したプライマー層、22はプライマー層26上に配された弾性層である。24は離型層としてのフッ素樹脂チューブであり、23は弾性層22上に離型層24を固定するための接着剤層である。
以下に各構成層について具体的に説明する。
(3-1)基材21
定着フィルム20の基材21は、耐熱性及び耐屈曲性を必要とすることに鑑みて、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の耐熱性樹脂、あるいは熱伝導性も考慮して、耐熱性樹脂に比べ熱伝導率のより高いステンレス(SUS)、ニッケル、ニッケル合金等の金属が好適に用いられる。基材21は熱容量を小さくする一方で機械的強度を高くする必要があることから、厚みは5~100μm好ましくは20~85μmとするのが望ましい。本実施例においては、内径が24mmで、厚みが30μmのSUSを基材として用いている。
(3-2)内面摺動層25
内面摺動層25としては、ポリイミド樹脂のような高耐久性、高耐熱性を併せ持つ樹脂が適している。本実施例では、芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体と、芳香族ジアミンとの略等モル有機極性溶媒中で反応させて得られるポリイミド前駆体溶液を基材21の内周面に塗布し、溶媒を乾燥後、加熱により脱水閉環反応(イミド化反応)させることで内面摺動層25を形成している。内面摺動層25は前記ヒータ1と摺擦されて徐々に摩耗していくことから、使用耐久を通じて摺動層として働くことが十分可能な厚みを設けなければならない。一方で厚くしすぎてしまうとヒータ1からの熱供給を妨げる熱抵抗層として働いてしまう。そのため、厚みは5~20μm好ましくは10~15μmとするのが望ましい。本実施例における内面摺動層25の厚みは12μmとした。
(3-3)弾性層22
基材21の外周面にはプライマー層26を介して弾性層22が設けられている。弾性層22は用紙Pがニップ部Nを通過する際に、用紙P上の未定着トナーTを包み込むようにして未定着トナーTに対し均一に熱を与える。弾性層22がこのように機能することで、高光沢で定着ムラのない良質な画像が得られる。弾性層22の材料としては、加工が容易である、高い寸法精度で加工できる、加熱硬化時に反応副生成物が発生しないなどの理由から、付加反応架橋型の液状シリコーンゴムを用いるのが好ましい。付加反応架橋型の液状シリコーンゴムは、例えばオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含み、さらには触媒や他の添加物を含んでいてもよい。オルガノポリシロキサンはシリコーンゴムを原料とするベースポリマーであり、数平均分子量が5千~10万、重量平均分子量が1万~50万であるものを用いるとよい。
液状シリコーンゴムは室温で流動性を持つポリマーであるが、加熱によって硬化し、硬化後は適度に低硬度であり、また十分な耐熱性と変形回復力を有する。そのため、液状シリコーンゴムはベルト弾性層22だけでなく、後述する加圧ローラ30の弾性層32に用いるのにも好適である。ところで、弾性層22がシリコーンゴム単体で形成されるならば、弾性層22の熱伝導率は低くなる。弾性層22の熱伝導率が低いとヒータ1で発生した熱が定着フィルム20を介して用紙Pに伝わり難くなるので、用紙Pにトナーを定着させる際に加熱不足となって定着ムラなどの画像不良を生じ得る。
そこで、弾性層22の熱伝導率を上げるために、弾性層22には高い熱伝導性を持つ例えば粒状の高熱伝導性フィラーが混入、分散されている。粒状の高熱伝導性フィラーとしては、炭化ケイ素(SiC)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化マグネシウム(MgO)、カーボン等が用いられる。これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。高熱伝導性フィラーの平均粒径は取り扱い上、および分散性の観点から1μm以上50μm以下が好ましい。
また、形状は球状、粉砕状、針状、板状、ウィスカ状などが用いられるが、分散性の観点から球状のものが好ましい。弾性層22の厚みは、十分な弾性により良質な画像を得るため、及び加熱によって所定温度に達するまでに時間が熱容量が大きくなることによって遅まるのを抑えるために、30~500μm好ましくは100~300μmとするのが望ましい。本実施例においては、高熱伝導性フィラーとしてアルミナを使用し、弾性層22の熱伝導率は1.0W/mK、厚みは250μmとした。
(3-4)接着剤層23
弾性層22であるところの硬化シリコーンゴム上に離型層24であるフッ素樹脂チューブを固定する接着剤層23は、弾性層22の表面に1~10μmの厚みで塗布した(円筒弾性層の外周面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程)。本実施例において接着剤層23は付加硬化型シリコーンゴム接着剤の硬化物からなっている。付加硬化型シリコーンゴム接着剤23は、自己接着成分が配合された付加硬化型シリコーンゴムを含む。具体的には、ビニル基に代表される不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンと、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンおよび架橋触媒としての白金化合物を含有する。そして、付加反応により硬化する。このような接着剤としては、既知のものを使用することができる。
(3-5)離型層24
定着用部材の表層(トナー離型層)としては、成形性やトナー離型性の観点から押し出し成形によるフッ素樹脂チューブ24が使用される。フッ素樹脂としては、耐熱性に優れたテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適に用いられる(PFAチューブ)。原料となるPFAの共重合の形式は特に限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などが挙げられる。また、原料となるPFAにおけるテトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)の含有モル比は特に限定されるものではない。例えば、TFE/PAVEの含有モル比が、94/6~99/1のものを好適に用いることができる。
この他のフッ素樹脂として、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)が挙げられる。また、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。そして、それらのフッ素樹脂を1種あるいは複数種組み合わせて用いることもできる。離型層24の厚みは、用紙との摺擦による摩耗を考慮し、耐久を通じて離型層としての機能を維持するために10μm以上とすることが望ましい。一方で厚くしすぎてしまうと、熱抵抗の増大に伴う加熱効率の低下や、柔軟性の欠如に伴う用紙との接触熱抵抗の増大によって省エネ性や画質の低下を招いてしまうことから、厚みは30μm以下であることが望ましい。本実施例においては、押し出し成形で得られた厚み15~25μmのPFAチューブを使用した。
以下、上記を積層することにより構成される定着フィルム20、およびその離型層24の評価について、後述する実施例1乃至実施例4、比較例1乃至比較例4を用いて説明する。
[離型層の配向度]
離型層24の配向度は、X線回折装置(リガク社製MiniFlex)を用いて回折強度のβ回転角度分布からの算出により求めた。定着フィルムより単離した離型層としてのPFAを繊維試料台にセットし、2θを18°付近のピークに固定した状態で、透過法により360°回転(β回転)させたときのデバイ環に沿った強度分布を測定し、下記式からその配向度を算出した。
H=〔(360-ΣW/360)〕×100
ここで、H:配向度[%]、W:半値幅である。
図4に測定結果の例を示す。
[離型層の熱拡散率]
離型層24の厚み方向の熱拡散率は、周期加熱法熱拡散率測定装置(アドバンス理工社製FTC-1)を用いて測定した。本実施例および比較例に使用した離型層の測定においては、測定温度170℃、測定周波数60~100Hzにて測定を行った。
[定着フィルムの耐久性評価]
定着フィルム20の耐久性評価は、実施例乃至比較例の定着フィルムを組み込んでなる図2に記載のフィルム加熱方式の定着装置10を用いて行った。加圧力を一端側が約156.8N、総加圧力が約313.6N(32kgf)となるようにした状態で、加圧ローラ表面の移動スピード(周速)が246mm/secになるように回転駆動させ、定着フィルムの通紙部表面温度が170℃に温調された状態で同一サイズの紙(A4横)を連続通紙した。
通紙寿命は用紙端部が削れずに50万枚以上通紙で来た場合を○、耐久途中で用紙端部が削れて消失してしまった場合を×とした。
また、10万枚ごとにコート紙OKトップコート128g/m2(王子製紙製)のA4横よりも幅が大きい紙(SRA3や13×19インチ紙)に、ブルーの全ベタ画像を形成した。この画像上に、定着フィルム軸方向(PFAチューブ押出方向)への離型層の裂け(クラック)起因の傷やシャープなスジが見えた場合を×、見えなかった場合を○とした。
[トナー溶融ムラ評価]
用紙上に形成されたトナー像を定着させたあとの、トナーの溶融状態を観察することで定着フィルムの用紙凹凸への追従性の指標とすることができる。
耐久性評価と同様に、定着フィルムを組み込んだ定着装置10を用いて、温度10℃相対湿度50%の環境下、入力電圧100Vにて、溶融ムラ評価画像を10枚連続して定着する。紙は、A4サイズの再生紙(商品名:リサイクルペーパー GF-R100;キヤノン株式会社製、厚さ92μm、坪量66g/m、古紙配合率70%、ベック平滑度23秒(JIS P8119準拠した方法で計測))を用いる。溶融ムラ評価画像とは、シアントナーとマゼンタトナーを100%濃度で形成した10mm×10mmのパッチ画像を、紙面中央部付近に配置した画像である。
溶融ムラの目安としては、2色が形成された画像部で十分に熱と圧力が加わることでトナーが溶融し混色する。特に紙凹凸の凹部において、熱が加わっていても圧力が加わっていない場合には、トナーの粒界が定着後に残存するため、十分に混色しない状態で溶融ムラを生ずる。定着部材が凹凸に十分追従できない場合には、凸部は圧力が加わり混色するものの、凹部においては混色が不十分となる。そのため凹凸への追従性の判定は画像形成域の溶融状態を観察することで確認した。
溶融ムラ評価画像を10枚連続して印刷した後、10枚目のサンプルを抜き取り、画像形成部を光学顕微鏡で観察し溶融ムラを評価した。評価基準は以下のとおりである(表1の「溶融ムラ」参照)。
評価ランク
A:紙繊維の凹部においてもトナー粒界がほぼ見えず、凹部凸部共に混色している状態。
B:紙繊維の凹部において一部トナー粒界が観察されるものの、凹部凸部共におおむね混色している状態。
C:紙繊維の凸部のみが混色され、凹部ではトナー粒界が多く観察される状態。
実施例乃至比較例の定着フィルムの離型層としてのPFAチューブは、それぞれ押出成形条件を変更することで成形後の配向度と熱拡散率が異なっている。
Figure 2023019045000002
上記実施例により、離型層の配向度が40~59%の範囲内であれば、トナー溶融ムラが生じない良好な定着性能と、用紙摩耗性に対する十分な通紙寿命を有し、かつ寿命を通じて裂け(クラック)に伴う画像不良を生じさせることのない定着フィルムを得ることができる。
一方で、比較例1は離型層の配向度が40未満(38%)であるために、用紙との耐摩耗性が不足し所望の通紙寿命を全うできない。また、比較例2~4は離型層の配向度が60%以上であるために、使用耐久中に離型層に裂け(クラック)が生じ、画像にスジとなって見えてしまう。比較例2と4に至っては、配向度が大きいことに加え離型層の厚みも20μm以上と厚めであるために、離型層の柔軟性が損なわれて用紙凹凸に対する追従性が不足してしまいトナー溶融ムラも目立つようになる。
1 セラミックスヒータ
2 フィルムガイド
10 定着装置
20 定着フィルム
21 基材
22 弾性層
23 接着剤層
24 離型層
25 内面摺動層
26 プライマー層
30 加圧ローラ
31 基体
32 弾性層
33 離型層

Claims (4)

  1. 少なくとも、円筒状基体と、
    前記円筒状基体の外周面に形成された弾性層と、
    前記弾性層の外周面に形成された離型層と、
    を有し、
    前記離型層がフッ素樹脂からなり、X線回折法による配向度が40%以上59%以下であり、かつ170℃における膜厚方向の熱拡散率が5.9×10-8/s以上であることを特徴とする定着フィルム。
  2. 前記離型層のフッ素樹脂が四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂(PFA)からなることを特徴とする請求項1に記載の定着フィルム。
  3. 前記離型層としてのPFAが押出成形により製造されたPFAチューブであることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着フィルム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の定着フィルムを有することを特徴とする加熱定着装置。

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