JP7207994B2 - 定着部材、加熱定着装置、及び定着部材の製造方法 - Google Patents

定着部材、加熱定着装置、及び定着部材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真方式を用いた画像形成装置の加熱定着装置に用いられる定着部材とその製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、記録材(以下、用紙と記す)に形成されたトナー画像を加熱、加圧することによって当該用紙にトナー画像を定着させる定着装置を備えている。この定着装置には、加熱ローラ(加熱ベルト)や加圧ローラ(加圧ベルト)などの定着用部材を備えており、これらが互いに圧接した位置(定着ニップ部)で定着処理を行う構成となっている。
定着装置の一例として、ベルト(フィルム)加熱方式の装置がある。この装置は、セラミックス製の基板上に発熱抵抗体を有する加熱部材(加熱源)としてのヒータを有する。このヒータを内包接触しつつ回転走行する加熱部材としての無端状の定着ベルトを有する。その定着ベルトと圧接してニップ部を形成し、かつ定着ベルトを回転駆動させるニップ部形成部材としての加圧ローラ(加圧用回転体)を有する。このベルト加熱方式では、定着ベルトの低熱容量化及び小型化が可能となることから、定着装置を省エネルギー化できるとともに、定着ベルトの温度がトナー画像を加熱定着するのに十分な所定温度に達するまでにかかる時間(ウォームアップタイム)を短縮することが可能となる。
ベルト基材には、ポリイミドなどの耐熱樹脂材料あるいはニッケル電鋳やSUSなどの金属材料等々が用いられる。かかるベルトあるいはローラ形状の基材上には、シリコーンゴム等の耐熱ゴムからなる弾性層が設けられる。弾性層を設けることにより、トナーが転写された紙等の記録材が、相対向する二つの定着部材、すなわち加熱部材と加圧部材が圧接されて形成されたニップ部を通過する際に、かかる弾性層ゴムの柔軟性によって、定着部材表面が記録材上のトナー画像に沿って変形するようになり、接触面積が広がることで接触熱抵抗が低減される。これによりトナーを一様に溶融して記録材上に定着させることができ、定着ムラが無く高光沢で良質な画像を得ることができる。
かかる定着用部材においては、トナーに対する離型性を出すために、上記弾性層表面にシリコーンオイルを含浸させる方法がとられてきた。しかしこの方法では、離型性を持続させるためにシリコーンオイルを補充しなければならず、それにかかるユーザーメンテナンスの負荷やシステムコストの増大等の問題により、シリコーンオイル不使用の定着部材が必要とされていた。そこで、シリコーンオイル不使用の定着部材として、上記弾性層の表面に離型層を形成した構成が現在の主流となっている。このような離型層を構成する材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、及びテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)といったフッ素樹脂が使用されている。
上述した弾性層の表面に離型層を設けた定着部材、すなわち定着ベルト及び定着ローラにおける離型層の形成手段としては、その弾性層の表面に前述したフッ素樹脂を主成分とする分散液(水系分散塗料)または粉体塗料を塗装し、これを融点以上に加熱して成膜する方法、あるいは、別途押出成形にて製造されたフッ素樹脂(主にPFA)チューブを弾性層の表面に被覆する等といった方法が使用されている。
フッ素樹脂チューブを弾性層の表面に被覆する場合には、フッ素樹脂チューブの内面を予め、ナトリウム処理やエキシマレーザ処理、液体アンモニア処理等を施すことで濡れ性(表面エネルギー)を向上させておき、接着剤を介して弾性層の表面と接着させる。より具体的には、ベルト基材上に付加硬化型シリコーンゴム弾性層を硬化された状態で設けておき、弾性層の外表面に付加硬化型シリコーンゴム接着剤を塗布する。この外面に、フッ素樹脂チューブを被覆し、接着剤を加熱硬化させることにより接着して積層させる。被覆方法は特に限定されないが、付加型シリコーンゴム接着剤を潤滑材として被覆する方法や、フッ素樹脂チューブを外側から拡張して被覆する方法等を用いることができる。シリコーンゴム弾性層とフッ素樹脂チューブとの間にある付加硬化型シリコーンゴム接着剤は、加熱硬化させる前に余剰な分を扱き出して除去した後、硬化させることで弾性層と離型層の間にほぼ均一な厚みの接着層として形成される。
弾性層はシリコーンゴム単体では熱伝導率が低い。熱伝導率が低いとヒータから記録材に対して効果的に熱を伝えることが困難になり、加熱不足による定着ムラなどの画像不良を生じるおそれがある。そのため、シリコーンゴム弾性層には熱伝導率を上げるために、適度な柔軟性と強度を保てる範囲の量で高熱伝導性フィラーを混入させるのが一般的である。
一方、フッ素樹脂離型層やシリコーンゴム接着層も熱伝導率が低いことから高熱伝導性フィラーを混入させる試みが行われてきたが、主目的とする機能(離型性や接着性)への弊害が大きいためにフィラーの混入は困難である。また、離型層や接着層はそれらの厚みが厚くなるほど、積層された定着ベルトの柔軟性も損なわれるため、自身の熱抵抗に加え前述した記録材との接触熱抵抗の点でも好ましくない。したがって、離型層と接着層は主目的とする機能が耐久寿命を通じて保てる範囲内で極力薄く形成するのが、加熱効率上望ましい。
接着層を極力薄く形成させる点において、付加型シリコーンゴム弾性層とフッ素樹脂チューブを接着剤(プライマー)を介することなく直接接着させる方法として、フッ素樹脂チューブの内面をビニルアルコキシシランを導入したプラズマ励起ガスを用いてプラズマ処理する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2016-37597号公報
しかしながら、接着剤を介することなくシリコーンゴム弾性層とフッ素樹脂チューブを積層した定着ベルトを加熱定着装置に用いた場合、特に同一サイズの記録材(紙)が連続通紙されたときの非通紙部において、離型層(フッ素樹脂チューブ)にベルト円周状のしわが発生してしまう。しわが残った状態の領域でトナーを溶融して紙上に定着させると、紙上の定着トナー画像にもしわ起因の定着ムラが生じてしまい、画像品質を低下させてしまう。
そこで、本発明の目的は、接着剤を介することなくシリコーンゴム弾性層とフッ素樹脂チューブを積層した定着ベルトを用いる場合においても、離型層(フッ素樹脂チューブ)にしわが発生しない定着部材とその製造方法を提供することにある。また、そのような定着部材を用いることで、定着ムラのない高品位な電子写真画像を安定して形成することができる定着装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る定着部材は、
基材と、該基材上に設けられたシリコーンゴム弾性層と、該弾性層上に設けられたフッ素樹脂チューブからなる離型層と、を有する定着ベルトであって、
該シリコーンゴム弾性層が平均粒子径5μm以上の熱伝導性フィラーを含有し、
該フッ素樹脂チューブからなる離型層が、該シリコーンゴム弾性層上に直接接するように設けられており、
該フッ素樹脂チューブの200℃における回転軸方向の熱収縮率が3%以上であることを特徴とする。
本発明によれば、シリコーンゴム弾性層とフッ素樹脂チューブ離型層を接着剤を介することなく積層させることで、加熱効率と柔軟性を向上させるとともに、長期の使用によっても離型層にしわが生じず、定着ムラのない高品位な電子写真画像を安定して形成することができる定着部材を提供することができる。
電子写真画像形成装置の一例の概略構成図である。 実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略断面図である。 定着ベルトの構成を説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置]
図1は画像形成装置の一例の概略構成模式図である。
この画像形成装置は電子写真方式の画像形成装置であり、回転する電子写真感光体101を有する。感光体101に対する静電潜像形成手段としての帯電装置102と像露光手段103、感光体101上の静電潜像をトナー像(現像剤像)として現像する現像手段104を有する。感光体101上のトナー像をシート状の記録材(以下、紙または用紙と記す)Pに転写する転写手段105を有する。トナー像転写後の感光体101面を清掃するクリーニング手段106、用紙P上のトナー像Tを定着する定着手段としての定着装置10(図2)、等を有する。
[定着装置]
図2は本実施形態における定着装置10の概略構成を示す横断面模式図である。
以下の説明において、定着装置及びこの定着装置を構成する部材に関し、軸方向とは用紙の面において用紙搬送方向と直交する方向である。長さとは軸方向の寸法である。
この定着装置10はベルト(フィルム)加熱方式の定着装置である。加熱体としてのセラミックスヒータ(以下、ヒータと記す)1と、加熱体支持部材を兼ねるフィルムガイド2を備える。また、加熱部材(定着部材)としての、エンドレス(円筒状)で可撓性・耐熱性の定着ベルト20を備える。また、定着ベルト20と圧接してニップ部(定着ニップ部)Nを形成するニップ部形成部材としての加圧ローラ30を備える。
ヒータ1は定着ベルト20の長手方向(図面に垂直方向)に沿って細長い板状部材であり、不図示の給電手段によって通電されることで発熱する抵抗発熱体などの発熱源を有しており、給電により急峻に昇温する。ヒータ1の温度は不図示の温度検知手段で検知され、その検知温度情報が不図示の制御手段に入力する。制御手段は温度検知手段から入力する検知温度が所定の定着温度に維持されるように給電手段から発熱源への供給電力を制御してヒータ1の温度を所定の温度に温調する。
ヒータ1は、剛性を有する耐熱性材料によって横断面略半円弧状の樋型に形成されているフィルムガイド2に支持されている。より具体的には、フィルムガイド2の外面にガイド長手に沿って溝部2aが設けられており、ヒータ1はこの溝部2aに嵌入されている。
後述するように、定着ベルト20は内側から外側に、環状(筒状)の基材21、弾性層22、離型層24等を含む(図3)。定着ベルト20は使用状態で内周面がヒータ1及びフィルムガイド2に摺擦されるエンドレスフィルムであり、ヒータ1を支持したフィルムガイド2の外周に周長に余裕を持たせて外嵌されている。
ヒータ1と加圧ローラ30は定着ベルト20を挟んで圧接しており、定着ベルト20と加圧ローラ30との間にニップ部Nが形成されている。加圧ローラ30は例えばモータなどの回転駆動装置Mによって矢印R30の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ30の回転駆動に従動して定着ベルト20がその内面がヒータ1の面に密着して摺動しながらホルダ2の外回りを矢印R20の時計方向に回転する。定着ベルト20の長手方向両端部は、定着装置10に固定された規制部材であるフランジ(不図示)によって回転自在に支持されている。
ホルダ2はヒータ1の支持部材として機能すると共に定着ベルト20の回転ガイド部材としても機能する。定着ベルト20の内周面には、ヒータ2及びホルダ2との摺動性を確保するために潤滑剤(グリス)が塗られている。
加圧ローラ30は、内側から外側に、中実丸棒状或いは円筒状(パイプ状)等の基体31、弾性層32、離型層33を備える。加圧ローラ30は、例えばモータなどの回転駆動装置Mによって使用時に回転駆動される。このため基体31の軸方向両端部は、定着装置10のフレームなどの不図示の固定部分に軸受部材を介して回転自在に支持されている。
また、加圧ローラ30は、フィルムガイド2に支持されたヒータ1と定着ベルト20を挟んで対向する位置に配置されている。そして、加圧機構(不図示)によって加圧ローラ30と定着ベルト20とに所定の圧力が付与されることで、加圧ローラ30と定着ベルト20とが圧接してそれぞれの弾性層(22、32)は弾性変形する。これによって、加圧ローラ30と定着ベルト20との間には用紙搬送方向(記録材搬送方向)に関して所定の幅のニップ部Nが形成される。
加熱部材としての定着ベルト20とニップ形成部材としての加圧ローラ30の両者の圧接は、加圧ローラ30を定着ベルト20に所定の圧力で圧接させる構成でも、定着ベルト20側を加圧ローラ30に圧接させる構成でもよい。また定着ベルト20側と加圧ローラ30の両方を互いに所定の圧力で圧接させる構成でもよい。
加圧ローラ30は回転駆動装置Mによって回転駆動されると、従動回転する定着ベルト20との間のニップ部Nにおいて用紙Pを挟持しつつ搬送する。また、定着ベルト20は、ヒータ1により表面が所定温度(例えば200℃)に達するまで加熱される。この状態で、未定着トナー像Tを担持した用紙Pがニップ部Nに導入されて挟持搬送されることで、用紙P上の未定着トナーTが加熱、加圧される。すると、未定着トナーTは溶融/混色するので、その後、これが冷却することによって、トナー像が定着画像として用紙Pに定着される。
[定着ベルト]
次に、本実施例における定着ベルト20の詳細について説明する。
図3は従来例(a)および本実施例(b)における定着部材である定着ベルト20の層構成を示す断面模式図である。21は定着ベルト20の基材(円筒状基体)、25はその基材21の内周面に配された内面摺動僧、26は基材21の外周面を被覆したプライマー層、22はプライマー層26上に配された弾性層である。24は離型層としてのフッ素樹脂チューブであり、従来例(a)においては弾性層22の周面に接着剤層23により固定されている。本実施例(b)においては、離型層24が弾性層22の周面に接着剤層を介すことなく直接固定されている。
以下に各構成層について具体的に説明する。
1)基材21
定着ベルト20の基材21は、耐熱性及び耐屈曲性を必要とすることに鑑みて、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の耐熱性樹脂、あるいは熱伝導性も考慮して、耐熱性樹脂に比べ熱伝導率のより高いステンレス(SUS)、ニッケル、ニッケル合金等の金属が好適に用いられる。基材21は熱容量を小さくする一方で機械的強度を高くする必要があることから、厚みは5~100μm好ましくは20~85μmとするのが望ましい。本実施例においては、内径が24mmで、厚みが30μmのSUSを基材として用いている。
2)内面摺動層25
内面摺動層25としては、ポリイミド樹脂のような高耐久性、高耐熱性を併せ持つ樹脂が適している。本実施例では、芳香族テトラカルボン酸二無水物あるいはその誘導体と、芳香族ジアミンとの略等モル有機極性溶媒中で反応させて得られるポリイミド前駆体溶液を基材21の内周面に塗布し、溶媒を乾燥後、加熱により脱水閉環反応(イミド化反応)させることで内面摺動層25を形成している。
3)弾性層22
基材21の外周面にはプライマー層26を介して弾性層22が設けられている。弾性層22は用紙Pがニップ部Nを通過する際に、用紙P上の未定着トナーTを包み込むようにして未定着トナーTに対し均一に熱を与える。弾性層22がこのように機能することで、高光沢で定着ムラのない良質な画像が得られる。弾性層22の材料としては、加工が容易である、高い寸法精度で加工できる、加熱硬化時に反応副生成物が発生しないなどの理由から、付加反応架橋型の液状シリコーンゴムを用いるのが好ましい。付加反応架橋型の液状シリコーンゴムは、例えばオルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含み、さらには触媒や他の添加物を含んでいてもよい。オルガノポリシロキサンはシリコーンゴムを原料とするベースポリマーであり、数平均分子量が5千~10万、重量平均分子量が1万~50万であるものを用いるとよい。
液状シリコーンゴムは室温で流動性を持つポリマーであるが、加熱によって硬化し、硬化後は適度に低硬度であり、また十分な耐熱性と変形回復力を有する。そのため、液状シリコーンゴムはベルト弾性層22だけでなく、後述する加圧ローラ30の弾性層32に用いるのにも好適である。ところで、弾性層22がシリコーンゴム単体で形成されるならば、弾性層22の熱伝導率は低くなる。弾性層22の熱伝導率が低いとヒータ1で発生した熱が定着ベルト20を介して用紙Pに伝わり難くなるので、用紙Pにトナーを定着させる際に加熱不足となって定着ムラなどの画像不良を生じ得る。そこで、弾性層22の熱伝導率を上げるために、弾性層22には高い熱伝導性を持つ例えば粒状の高熱伝導性フィラーが混入、分散されている。
粒状の高熱伝導性フィラーとしては、炭化ケイ素(SiC)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミナ(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化マグネシウム(MgO)、カーボン等が用いられる。これらは単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。高熱伝導性フィラーの平均粒径は取り扱い上、および分散性の観点から1μm以上50μm以下が好ましい。また、形状は球状、粉砕状、針状、板状、ウィスカ状などが用いられるが、分散性の観点から球状のものが好ましい。
弾性層22の厚みは、十分な弾性により良質な画像を得るため、及び加熱によって所定温度に達するまでに時間が熱容量が大きくなることによって遅まるのを抑えるために、30~500μm好ましくは100~300μmとするのが望ましい。本実施例においては、高熱伝導性フィラーとしてアルミナを使用し、弾性層22の熱伝導率は1.0W/mK、厚みは300μmとした。
4)接着剤層23
弾性層22であるところの硬化シリコーンゴム上に離型層24であるフッ素樹脂チューブを固定する接着剤層23は、弾性層22の表面に1~10μmの厚みで塗布した(円筒弾性層の外周面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程)。本実施例において接着剤層23は付加硬化型シリコーンゴム接着剤の硬化物からなっている。付加硬化型シリコーンゴム接着剤23は、自己接着成分が配合された付加硬化型シリコーンゴムを含む。具体的には、ビニル基に代表される不飽和炭化水素基を有するオルガノポリシロキサンと、ハイドロジェンオルガノポリシロキサンおよび架橋触媒としての白金化合物を含有する。そして、付加反応により硬化する。このような接着剤としては、既知のものを使用することができる。
5)離型層24
定着用部材の表層(トナー離型層)としては、成形性やトナー離型性の観点から押し出し成形によるフッ素樹脂チューブ24が使用される。フッ素樹脂としては、耐熱性に優れたテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適に用いられる(PFAチューブ)。原料となるPFAの共重合の形式は特に限定されず、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合などが挙げられる。また、原料となるPFAにおけるテトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)の含有モル比は特に限定されるものではない。例えば、TFE/PAVEの含有モル比が、94/6~99/1のものを好適に用いることができる。
この他のフッ素樹脂として、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)が挙げられる。また、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。そして、それらのフッ素樹脂を1種あるいは複数種組み合わせて用いることもできる。
本実施例においては、押し出し成形で得られた厚み20μmのPFAチューブを使用した。本実施例におけるチューブ内面は、ビニルアルコキシシランを導入したプラズマ励起ガスを用いてプラズマ処理が施されている。一方、従来例(比較例)におけるチューブ内面は、接着剤との濡れ性を向上させるためアンモニア処理が施されている。
本実施例におけるPFAチューブの被覆方法を説明する前に、まずは従来例の被覆方法について以下に工程を順に追って説明する。
(a)接着剤塗布工程
中子Nに基材W(25+21+26+22)をセット(外挿)して、基材Wの上に積層されたシリコーンゴム層22の外表面全面に、付加硬化型シリコーンゴム接着剤23をリングコート法により塗布する。
(b)拡張型Kへのチューブ挿入工程
シリコーンゴム層22及び接着剤23が積層された基材Wの外径よりも大きな内径を有するチューブ拡張型Kの内側にPFAチューブ24を配置(挿入)する。
(c)両端部保持工程
拡張型Kに配置したPFAチューブ24の両端を保持部材(第一と第二の把持具)FuとFlを用いて保持する。具体的には、チューブ24の長手方向一端部を保持部材Fuで、長手方向他端部を保持部材Flにより保持する。
(d)真空拡張工程
次に、移動機構(狭める機構)によりPFAチューブ24について事前に求めた所定の長さ分だけ長手方向を縮めた。具体的には、移動機構はPFAチューブ24を保持した状態にある保持部材FuとFlを所定距離狭まるように、保持部材Fu,Flを互いに近づく方向へ移動させる。その後、PFAチューブ24の外表面と拡張型Kの内面の隙間部分を真空状態(大気圧に対して負圧)にする。真空(5kPa)になったことでPFAチューブ24が径方向へ拡張してPFAチューブ24の外表面が拡張型Kの内面に密着する。
(e)基材W挿入工程
基材W(25+21+26+22+23)を、内側にPFAチューブ24が拡張されている拡張型Kの中に挿入する。拡張型Kの内径はこの基材Wの挿入がスムーズに行われる範囲であれば特に限定するものではない。
(f)真空破壊工程
拡張型Kに対する基材Wの配置後、PFAチューブ24の外表面と拡張型Kの内面の隙間部分の真空状態を破壊(大気圧に対して負圧を解除)する。真空が破壊されることで、PFAチューブ24はシリコーンゴム層22の積層された基材Wの外径と同じ大きさまで拡径が解かれ、PFAチューブ24とシリコーンゴム層22の表面は付加硬化型シリコーンゴム接着剤23を介して密着した状態になる。
(g)延伸工程
次に、PFAチューブ24を伸長機構により所定の伸長率まで長手方向へ伸長する。具体的には、伸長機構は保持部材FuとFlとの間の距離が所定距離長くなるように、保持部材Fu,Flを互いに遠ざかる方向へ移動させる。PFAチューブ24が伸長される際、PFAチューブ24とシリコーンゴム層22の間にある付加硬化型シリコーンゴム接着剤23が潤滑剤の役目を果たし、スムーズに伸長することができる。
(h)加締め工程
PFAチューブ24の長手方向の伸長率を維持するために、また、後述する加熱工程(j)においてPFAチューブが長手において収縮してしまうのを防止するために、シリコーンゴム層22とPFAチューブ24の両端部(後の工程で切断される領域)を並行して接着させる、即ち仮固定させる。PFAチューブ24の長手方向両端部を、ヒーターを内蔵した加締めビット(加熱機構)H1で加熱することで、付加硬化型シリコーンゴム接着剤23が硬化されてシリコーンゴム層22とPFAチューブ24を局所的に接着させる。PFAチューブ24長手方向両端部の加締め部(仮固定部)は、その周方向においてシリコーンゴム層22と接着された部分と接着されていない部分を交互にそれぞれ複数設けられた構成となっている。
(i)扱き工程
シリコーンゴム層22とPFAチューブ24の間には、接着に寄与しない余剰な付加硬化型シリコーンゴム接着剤23と、真空破壊時に巻き込んでしまった空気が存在する。この余剰な接着剤と空気を扱き出す工程である。まず、PFAチューブ24が被覆されている基材Wを拡張型Kから取り出す。この基材Wの外径より僅かに大きい内径を持つリング状のスリットが設けられたリング状部材Rを基材Wに外挿する。そしてこのリング状部材Rを、PFAチューブ24が被覆されている基材Wの上端部よりPFAチューブ24の表面へエアー(エアー圧0.5MPa)をスリットから噴出させながらPFAチューブ24の長手方向下方へ移動させる。これにより、シリコーンゴム層22とPFAチューブ24の間にある接着に寄与しない余剰な付加硬化型シリコーンゴム接着剤23と、真空破壊時に巻き込んでしまった空気が扱き出される。なお、扱き方法としてはエアー圧を利用した方法の他にも、液体や半固体を噴出させてもよい。また、PFAチューブ24が被覆されている基材Wの外径より小さい径をもつ伸縮するゴムリングを用いて扱いてもよい。
(j)加熱処理工程
扱き工程後、加熱処理(150℃、20分加熱)を行うことで、付加硬化型シリコーンゴム接着剤23の全体(加締め部以外)を硬化させる。これにより、PFAチューブ24とシリコーンゴム層22を全域にわたって接着させる。
(k)二次硬化
離型層24が接着剤層23を介して弾性層22の周面に接着固定化された定着ベルトを200℃の熱風循環式オーブン中で4時間放置してシリコーンゴム層22を二次硬化させる。
(l)切断、研磨工程
加熱処理後、自然冷却をしたのち、切断機構により基材W(25+21+26+22+23+24)の両端側所定の長さで切断する。具体的には、切断機構は基材Wの長手方向両端部、つまり仮固定されていた領域が切り離されるように切断する。その後、その切断面を研磨フィルム等を用いて研磨してバリ取りを行い、定着フィルム20を完成させる。
従来例においては、以上のような一連の工程によりPFAチューブ24が被覆されるが、本実施例においては、付加硬化型シリコーンゴム接着剤23を用いることなく、PFAチューブ24の内面が予めビニルアルコキシシランを導入したプラズマ励起ガスを用いてプラズマ処理されたチューブを被覆することで、工程の削減と接着層由来の熱抵抗削減を可能とするものである。以下に、本実施例におけるPFAチューブの被覆方法を、従来例と比較しながら説明する。
(A)接着剤塗布工程
本実施例においては不要となる。接着剤を使用しない代わりに、基材Wの上に積層されたシリコーンゴム層22は半硬化の状態にしておく。半硬化の状態とは、液状シリコーンゴム中の付加反応架橋成分が十分に消費されることなく残存した状態であり、加熱硬化条件を低温短時間とすることで得ることができる。本実施例においては、基材上に塗布された液状シリコーンゴムを160℃の熱風循環式オーブン中で5分間硬化させることで半硬化状態とした。
(B)拡張型Kへのチューブ挿入工程
シリコーンゴム層22が積層された基材Wの外径よりも大きな内径を有するチューブ拡張型Kの内側にPFAチューブ24を配置(挿入)する。
(C)両端部保持工程
従来例の工程(c)と同じである。
(D)真空拡張工程
従来例の工程(d)と同じである。
(E)基材W挿入工程
予め中子Nにセット(外挿)された基材W(25+21+26+22)を、内側にPFAチューブ24が拡張されている拡張型Kの中に挿入する。拡張型Kの内径はこの基材Wの挿入がスムーズに行われる範囲であれば特に限定するものではない。
(F)真空破壊工程
拡張型Kに対する基材Wの配置後、PFAチューブ24の外表面と拡張型Kの内面の隙間部分の真空状態を破壊(大気圧に対して負圧を解除)する。真空が破壊されることで、PFAチューブ24はシリコーンゴム層22の積層された基材Wの外径と同じ大きさまで拡径が解かれ、PFAチューブ24とシリコーンゴム層22の表面は密着した状態になる。
(G)延伸工程
従来例の工程(g)においては、PFAチューブ24とシリコーンゴム層22の間にある付加硬化型シリコーンゴム接着剤23が潤滑剤の役目を果たすことで、PFAチューブ24を伸長機構により所定の伸長率まで長手方向へ伸長することができる。一方、本実施例においては付加硬化型シリコーンゴム接着剤23がなくPFAチューブ24とシリコーンゴム層22の表面が直接密着しているため、PFAチューブ24を伸長することができない。したがって、本実施例においては不要となる。
(H)加締め工程
後述する加熱工程(J)においてPFAチューブが長手において収縮してしまうのを防止するために、シリコーンゴム層22とPFAチューブ24の両端部(後の工程で切断される領域)を並行して接着させる、即ち仮固定させる。PFAチューブ24の長手方向両端部を、ヒータを内蔵した加締めビット(加熱機構)H1で加熱することで、付加硬化型シリコーンゴム接着剤23が硬化されてシリコーンゴム層22とPFAチューブ24を局所的に接着させる。PFAチューブ24長手方向両端部の加締め部(仮固定部)は、その周方向においてシリコーンゴム層22と接着された部分と接着されていない部分を交互にそれぞれ複数設けられた構成となっている。
(I)扱き工程
シリコーンゴム層22とPFAチューブ24の間には、真空破壊時に巻き込んでしまった空気が存在する。この余剰な空気を扱き出す工程である。まず、PFAチューブ24が被覆されている基材Wを拡張型Kから取り出す。この基材Wの外径より僅かに大きい内径を持つリング状のスリットが設けられたリング状部材Rを基材Wに外挿する。そしてこのリング状部材Rを、PFAチューブ24が被覆されている基材Wの上端部よりPFAチューブ24の表面へエアー(エアー圧0.5MPa)をスリットから噴出させながらPFAチューブ24の長手方向下方へ移動させる。これにより、シリコーンゴム層22とPFAチューブ24の間にある真空破壊時に巻き込んでしまった空気が扱き出される。なお、扱き方法としてはエアー圧を利用した方法の他にも、液体や半固体を噴出させてもよい。また、PFAチューブ24が被覆されている基材Wの外径より小さい径をもつ伸縮するゴムリングを用いて扱いてもよい。
(J)加熱処理工程
扱き工程後、加熱処理(200℃、20分加熱)を行うことで、シリコーンゴム層22の全体(加締め部以外の半硬化領域)を硬化させる。これにより、PFAチューブ24とシリコーンゴム層22を全域にわたって接着させる。
(K)二次硬化
離型層24が弾性層22の周面に接着固定化された定着ベルトを200℃の熱風循環式オーブン中で4時間放置してシリコーンゴム層22を二次硬化させる。
(L)切断、研磨工程
加熱処理後、自然冷却をしたのち、切断機構により基材W(25+21+26+22+24)の両端側所定の長さで切断する。具体的には、切断機構は基材Wの長手方向両端部、つまり仮固定されていた領域が切り離されるように切断する。その後、その切断面を研磨フィルム等を用いて研磨してバリ取りを行い、定着ベルト20を完成させる。
[定着ベルトの耐久性評価]
以下、上記の一連の工程によって形成される定着ベルト20の評価について、後述する実施例1乃至実施例2、比較例1乃至比較例2を用いて説明する。
定着ベルト20の耐久性評価は、実施例乃至比較例の定着ベルトを組み込んでなる図2に記載のベルト加熱方式の定着装置10を用いて行った。加圧力を一端側が約156.8N、総加圧力が約313.6N(32kgf)となるようにした状態で、加圧ローラ表面の移動スピード(周速)が246mm/secになるように回転駆動させた。定着ベルトの通紙部表面温度が170℃に温調された状態で同一サイズの紙(A4横)を連続通紙したときに、定着ベルト20の非通紙部の離型層24(フッ素樹脂チューブ)にベルト円周状のしわが発生するか否かにより○×を判定した。より具体的には、A4横を30万枚通紙した後、A4横よりも幅が大きい紙(SRA3など)にトナー載り量1.0[mg/cm]のブルーの全ベタ画像を5枚連続して通紙したときに、しわ起因の定着ムラ画像が発生するか否かにより○×を判定した。表1では、5枚中全てで定着ムラ画像が発生しなかった場合を○、1枚でも定着ムラ画像が発生した場合を×とした。また、A4横を30万枚通紙した後の定着ベルトを定着装置から取り出し、しわ発生部(非通紙部)の離型層の表面うねりWt(最大断面高さ)を接触式表面粗さ計で測定した結果を記している。
実施例乃至比較例の定着ベルトの離型層にはすべて、付加硬化型シリコーンゴム接着剤23を用いることなく、PFAチューブ24の内面が予めビニルアルコキシシランを導入したプラズマ励起ガスを用いてプラズマ処理されたチューブを使用した。
実施例乃至比較例のPFAチューブはそれぞれ押出成形条件を変更することで、成形後の熱収縮率が異なっている。熱収縮率の値は以下の計算式により算出される。
熱収縮率(%)=(1-La/Lb)*100
ここで、LbはPFAチューブ加熱前の長手方向(回転軸方向)長さ、LaはPFAチューブを200℃の熱風循環式オーブン中で30分間加熱放置した後の長手方向(回転軸方向)長さである。
Figure 0007207994000001
実施例及び比較例により、PFAチューブの熱収縮率が大きいほどしわ発生に伴う表面うねりWt(最大断面高さ)が小さくなり、画像ムラも生じなくなることがわかる。これは以下のような理由により説明できる。
まず、非通紙部でPFAチューブにしわが生じやすいのは、連続通紙時の非通紙部昇温によって弾性層(シリコーンゴム)が軟化劣化していくためである。熱膨張係数はシリコーンゴムの方がPFAチューブよりも大きいため、加熱通紙されている間PFAチューブの弾性層側界面には圧縮応力(長手中央方向への応力)がかかっている。弾性層の軟化劣化が進んだ非通紙部では圧縮応力に耐え切れずPFAチューブが座屈されてしわとなる。
長手(回転軸)方向の熱収縮率が大きいPFAチューブを用いると、上記の加熱処理工程(J)においてシリコーンゴム層とPFAチューブの全体(加締め部以外の半硬化領域)を硬化接着させる際、長手方向両端部が加締め(仮固定)されているために、PFAチューブには熱収縮に伴う長手両端部方向への引張りテンションが付与される。したがって、PFAチューブの熱収縮率が大きいほど、シリコーンゴムとPFAチューブの熱膨張係数差に起因する圧縮応力(長手中央方向への応力)を両端部方向への引張りテンションで打ち消すことが可能となる。
1 セラミックスヒータ、2 フィルムガイド、10 定着装置、
20 定着フィルム、21 基材、22 弾性層、23 接着剤層、
24 離型層、25 内面摺動層、26 プライマー層、
30 加圧ローラ、31 基体、32 弾性層、33 離型層

Claims (2)

  1. 基材上に設けられた付加硬化型シリコーンゴム弾性層を半硬化させる工程と、
    内面が予めビニルアルコキシシランを導入したプラズマ励起ガスを用いてプラズマ処理されたフッ素樹脂チューブを、該シリコーンゴム弾性層の外径よりも大きく拡径した状態で該シリコーンゴム弾性層上に被覆させる工程と、
    該シリコーンゴム弾性層と該フッ素樹脂チューブの両端部のみを加熱して硬化接着させる工程と、
    該シリコーンゴム弾性層と該フッ素樹脂チューブの間に噛み込んだ空気を扱き出す工程と、
    全体を加熱して両端部以外の該シリコーンゴム弾性層と該フッ素樹脂チューブを硬化接着させる工程と、
    を含む定着ベルトの製造方法。
  2. 該フッ素樹脂チューブからなる離型層は、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)からなり、200℃における回転軸方向の熱収縮率が3%以上であることを特徴とする請求項1に記載の定着ベルトの製造方法。
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