JP2003345158A - 定着器用加圧ローラ - Google Patents

定着器用加圧ローラ

Info

Publication number
JP2003345158A
JP2003345158A JP2002157118A JP2002157118A JP2003345158A JP 2003345158 A JP2003345158 A JP 2003345158A JP 2002157118 A JP2002157118 A JP 2002157118A JP 2002157118 A JP2002157118 A JP 2002157118A JP 2003345158 A JP2003345158 A JP 2003345158A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure roller
peroxide
sponge
fixing device
silicone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002157118A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiyoshi Kurosawa
道善 黒沢
Tatsuya Takahashi
辰也 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kinyosha Co Ltd
Original Assignee
Kinyosha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kinyosha Co Ltd filed Critical Kinyosha Co Ltd
Priority to JP2002157118A priority Critical patent/JP2003345158A/ja
Publication of JP2003345158A publication Critical patent/JP2003345158A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、表面粗さが小さくなりトナーオフセ
ットに対して優れているとともに、形状変化によるシワ
の発生を抑制し、定着ベルト方式での搬送スピード変化
が少なく高耐久であることを課題とする。 【解決手段】芯金21の周面にシリコーンスポンジ層2
2を設け、その外周にフッ素樹脂からなる表面離型層2
3を設けた定着器用加圧ローラ20において、前記シリ
コーンスポンジ層22は、未発泡加硫時に切断時伸び2
50%以下で引張り強さ7.0MPa以上の熱硬化型シ
リコーンゴム組成物を、加硫剤としての過酸化物パラメ
チルベンゾイルパーオキサイドと発泡剤としてのアゾビ
スイソブチロニトリルを含有させ、加硫、発泡成形させ
てなることを特徴とする定着器用加圧ローラ20。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を用
いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装
置で用いられる定着器用加圧ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を用いた複写機、プリンタ
ー、ファクシミリ等の加熱定着方式として、従来、図1
に示すものが知られている。図中の付番1は定着ローラ
を示し、加圧ローラ2とともに対で使用される。前記定
着ローラ1は、内部にヒーター3を有する中空芯金4の
表面にフッ素樹脂、シリコーンゴム等からなる離型層5
が設けられている。前記加圧ローラ2は、芯金6の表面
にシリコーンゴム等からなる弾性層7を設けた構成とな
っている。このように定着ローラ1と加圧ローラ2の一
対のローラで構成されるニップ部に未定着画像を通過さ
せることで定着を行っていた。
【0003】近年、装置の省エネルギー化を目標に、定
着ローラの中空芯金肉厚を従来と比べて薄くすることで
立ち上がり時間を短くする方式や、図2に示すようにポ
リイミド等の薄肉耐熱性樹脂表面にフッ素樹脂等の離型
層を設けた定着ベルト8を介してヒーター9により加熱
する方式も行われている。この方式によれば、熱容量の
少ない薄肉芯金や薄肉の耐熱ベルトを用いるため、立ち
上がり時間が短縮できる利点がある。このとき、加圧ロ
ーラ11としては、芯金6の周面にシリコーンスポンジ
(下層)12、フッ素樹脂チューブ(表面層)13を順
次形成した低熱伝導性のものを用いている。これは、定
着ローラ、定着ベルト9から熱を奪いづらく、立ち上が
り時間をより短くするためである。
【0004】このシリコーンスポンジ層を用いた低熱伝
導性の加圧ローラ11の製作方式としては、下記の方法
が挙げられる。 1)芯金6の外周に熱硬化型シリコーンゴム(ミラブル
タイプシリコーンゴム)に有機発泡剤と加硫剤を配合し
た原料を巻きつけてから高温で加硫、発泡を行い、スポ
ンジ層を形成した後、表面を一定寸法に研磨、その外周
にPFA等のフッ素樹脂チューブを被覆して加圧ローラ
を製作する方法。
【0005】2)図4に示すように、一定寸法の金型3
1の内面に回転成型やコーティング方式によりフッ素樹
脂層を設け、あるいは金型内面にフッ素樹脂チューブ3
2を装着し、その内側に発泡剤、加硫剤を配合した熱硬
化型シリコーンゴム33を巻きつけた芯金6を挿入した
後、加熱することでフッ素樹脂内面にシリコーンスポン
ジ層を形成して加圧ローラとする方法。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】省エネルギー化をはか
るため中空芯金厚みを薄くする方法では、アルミニウム
材質で1mm以下や鉄材で0.3mm以下の中空芯金を
用いる定着ローラの検討も進められている。しかし、こ
の定着ローラを加圧ローラと圧着して使用すると、定着
ローラがたわんでしまい、紙等の記録材にしわが発生し
てしまう問題がある。
【0007】この解決策としては定着ローラのたわみを
抑えるために従来と比べて低硬度にしたシリコーンスポ
ンジを用いて加圧ローラとして低圧力で圧着したり、加
圧ローラの外径形状精度を従来と比べて厳しい精度とす
ることが行われている。しかし、低硬度のシリコーンス
ポンジは発泡倍率の大きなスポンジである為、加圧ロー
ラの表面の粗さ(凹凸)が大きくなり、“トナーオフセ
ット”と呼ばれるローラ表面に付着したトナーによって
画像が汚れてしまう現象や、用紙等がローラに巻きつい
てしまう現象が起こりやすくなる問題があった。また、
加圧ローラの外径形状精度を厳しくしようとしても低硬
度のスポンジを用いたことで精度が更にばらついたり、
加圧ローラが冷えた状態と熱により温まった状態では熱
膨張により外径形状が変化するためシワの発生を完全に
抑えることは困難であった。
【0008】定着ベルトを用いた定着方法(図2)では
加圧ローラ11によって定着ベルト8の駆動も行ってい
るため、機械の電源を入れた直後の加圧ローラが冷えて
いる時と使用により加圧ローラが充分温まった状態では
加圧ローラの外径の変化によって記録材の搬送スピード
が変化してしまう問題があり、熱膨張をできる限り小さ
くする必要があった。
【0009】また、近年の高画質化の要求によりトナー
粒子の小粒径化が図られており、トナーオフセットが従
来と比べてさらに起こりやすくなっているため加圧ロー
ラの表面粗さを小さくすることが要求されており、微細
で均一な発泡状態のシリコーンスポンジを使用すること
が要求されている。
【0010】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、表面粗さが小さくなりトナーオフセットに対して優
れているとともに、形状変化によるシワの発生を抑制
し、定着ベルト方式での搬送スピード変化の少ない高耐
久の定着器用加圧ローラを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、定着器用加圧ロ
ーラのシリコーンスポンジとして、未発泡加硫時に切断
時伸び250%以下で引っ張り強さ7.0MPa以上の
熱硬化型シリコーンゴム組成物を、加硫剤としての過酸
化物パラメチルベンゾイルパーオキサイドと発泡剤とし
てのアゾビスイソブチロニトリルを含有させ、加硫、発
泡成形させたシリコーンスポンジを用いることにより高
性能の定着器用加圧ローラが得られることを見出した。
【0012】即ち、本発明は、芯金の周面にシリコーン
スポンジ層を設け、その外周にフッ素樹脂からなる表面
離型層を設けた定着器用加圧ローラにおいて、前記シリ
コーンスポンジ層は、未発泡加硫時に切断時伸び250
%以下で引張り強さ7.0MPa以上の熱硬化型シリコ
ーンゴム組成物を、加硫剤としての過酸化物パラメチル
ベンゾイルパーオキサイドと発泡剤としてのアゾビスイ
ソブチロニトリルを含有させ、加硫、発泡成形させてな
ることを特徴とする定着器用加圧ローラである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、熱硬化型シリコーン
ゴムに、加硫剤としての過酸化物パラメチルベンゾイル
パーオキサイドと発泡剤としてのアゾビスイソブチロニ
トリルを含有した組成物を加硫、発泡させたシリコーン
スポンジを用いることが必須条件であり、この加硫剤の
硬化温度と発泡剤の分解温度の組み合わせにより異常発
泡のない均一なセルのシリコーンスポンジが得られる。
【0014】本発明において、加硫剤としての過酸化物
パラメチルベンゾイルパーオキサイドは、熱硬化型シリ
コーンゴム100重量部に対して0.1〜3.0重量
部、発泡剤アゾビスイソブチロニトリルは0.3〜5.
0重量部使用することが効果的である。この理由は、パ
ラメチルベンゾイルパーオキサイドは0.1重量部未満
ではその効果がほとんどなく、3.0重量部を超える
と、シリコーンスポンジにはほとんど変化ない一方でシ
リコーンスポンジの圧縮永久歪みが悪くなってしまう弊
害が発生するからである。
【0015】一方、発泡剤としてのアゾビスイソブチロ
ニトリルは、0.3重量部未満ではほとんど発泡の効果
が期待できず、5.0重量部を超えるほど多量に配合す
ると、過酸化物による加硫を阻害する傾向があらわれる
ために加硫の不十分な極端に圧縮永久歪みの大きなシリ
コーンスポンジとなってしまう。ここで、一般に熱硬化
型シリコーンゴムの加硫に用いられる過酸化物をパラメ
チルベンゾイルパーオキサイドと併用することも発泡、
加硫の安定化に有効であり、特にジクミルパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−ヘキサン等のジアルキルパーオキサイドを併用
することは有効である。
【0016】熱硬化型シリコーンゴムは、一般にミラブ
ルシリコーンゴムと呼ばれるもので、オルガノポリシロ
キサンに補強性充填剤、増量充填剤、耐熱添加剤、着色
剤、分散助剤等を配合したものであるが、均一で微細な
シリコーンスポンジを安定して得るためには熱硬化型シ
リコーンゴム中の低揮発分の管理が重要である。特に、
200℃以上の高温で加硫を行う熱空気加硫では低揮発
成分を極力少なくする必要があり、配合剤中の水分や低
分子量物質の管理が重量である。また、シリコーンゴム
組成物を高温で処理する等の方法で低揮発成分を飛ばし
てから発泡剤、加硫剤を配合し使用することも勿論有効
である。
【0017】本発明では、熱硬化型シリコーンゴムが切
断時伸び250%以下で引張り強さ7.0MPa以上の
ものを使用することで熱膨張の小さい、耐久性に優れた
定着器用加圧ローラが得られる。
【0018】ここで、熱硬化型シリコーンゴムの物性は
加硫剤の種類や硬化条件によって多少変化するが、本発
明で述べる物性は熱硬化型シリコーンゴムの物性測定で
一般に用いられているジクミルパーオキサイド又は2,
5−ジメチル−2,5ビス(t−ブチルパーオキシ)−
ヘキサンを0.5〜2重量部配合してプレス加硫を行
い、200℃前後の温度でポストキュアーを行った後に
JIS K6249−15(未硬化および硬化シリコー
ンゴムの試験方法)で測定した値である。
【0019】本発明において、熱硬化型シリコーンゴム
が切断時伸び250%を超えると、発泡させスポンジ層
として適用した加圧ローラの熱膨張を小さくする効果が
充分ではない。また、引張り強さ7.0MPa未満で
は、加圧ローラの耐久性、特にシリコーンスポンジ層の
破泡に対して充分でない加圧ローラとなってしまう。
【0020】一般的に、シリコーンスポンジを用いた加
圧ローラは高温、高圧での使用によりスポンジセルが徐
々に破泡を起こし硬度が下がってしまうが、破泡は加圧
ローラに係る圧力の分布によって変化するため、加圧ロ
ーラ全面で均一に起こらないために紙シワ等の発生原因
となる。特に、高発泡のシリコーンスポンジを用いた低
硬度の加圧ローラを高圧で使用すると、短時間で破泡が
発生して使用できなくなる。しかし、本発明の加圧ロー
ラでは、熱膨張が小さいとともにシリコーンスポンジの
破泡に対しても耐久性のあるものが得られる。
【0021】本発明では、熱硬化型シリコーンゴム組成
物のウィリアムス可塑度が300以上450以下であ
り、当該組成物を連続的に押出し熱空気中で加硫、発泡
させることにより、さらに均一で微細のシリコーンスポ
ンジが得られることを見出した。
【0022】ウィリアムス可塑度はJIS K6249
(未硬化及び硬化シリコーンゴムの試験方法)−8の可
塑度試験に述べられている方法で測定する。測定条件
は、2本コールにて厚み約1mmで2本ロールにからん
でから10分間再練りを行い、直後に荷重を2分間かけ
た値である。
【0023】加硫剤としての過酸化物パラメチルベンゾ
イルパーオキサイドと発泡剤としてのアゾビスイソブチ
ロニトリルを含有する熱硬化型シリコーンゴム原料を押
出し機にて連続的に押し出し、熱空気加硫装置を通過さ
せることで加熱を行い、発泡、加硫をさせることでバラ
ツキの少ないシリコーンスポンジが得られるが、可塑度
を300以上とすることにより微細なシリコーンスポン
ジが得られる。ウィリアムス可塑度が450を超える
と、熱硬化型シリコーンゴム原料が非常に硬いものとな
り、押出し成型が困難になってしまう。その結果、シリ
コーンスポンジにスジ状の模様が発生したり、外径寸法
に凹凸が発生するなどの問題が生じてしまう。
【0024】
【実施例】以下、本発明の各実施例及び比較例に係る定
着器用加圧ローラについて、その製造方法を併記して説
明する。 (実施例1)まず、本実施例に係る定着器用加圧ローラ
20について、図3を参照して説明する。図中の符番2
1は、表面を脱脂処理した外径17mmの鉄製芯金を示
す。この芯金21の外周面には、図示しない接着剤層を
介して外径25mmのシリコーンスポンジ層22が設け
られている。このシリコーンスポンジ層22の表面に
は、表面離型層(PFAチューブ)23が設けられてい
る。
【0025】次に、こうした構成の定着器用加圧ローラ
の製造方法について図3を参照して説明する。 1)まず、未発泡加硫時の切断時伸びが170%、引張
り強さが8.5MPaであり、ウィリアムス可塑度33
0の熱硬化型シリコーンゴム(商品名:SH747U、
東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)に、過酸化
物パラメチルベンゾイルパーオキサイド0.5重量部、
発泡剤アゾビスイソブチロニトリル1.3重量部、過酸
化物ジクミルパーオキサイド1.0重量部、着色剤ベン
ガラ0.3重量部を配合し、練り加工を行い、熱硬化型
シリコーンゴム原料組成物とした。
【0026】2)次に、この組成物を押出機にてチュー
ブ状に連続的に押出した直後、260℃の熱空気加硫装
置内を15分通し加硫、発泡を行った後、一定長さに切
断し、内径約16mm、外径約28mmのシリコーンス
ポンジを作製した。つづいて、このスポンジを200℃
のオーブン中で10時間加熱し、低分子量物質や分解生
成物の除去を行った。
【0027】3)一方、表面を脱脂処理した外径17m
mの鉄製芯金21の周面に、接着剤として自己接着タイ
プ液状シリコーンゴム(商品名:KE1801、信越化
学工業(株)製)を薄く塗布し、前記シリコーンスポン
ジ内部に挿入した。この後、130℃で3時間加熱して
接着剤を硬化させ、芯金にシリコーンスポンジを接着さ
せた。
【0028】4)次に、冷却後、外径25mmに表面を
研磨してシリコーンスポンジ層22とした。つづいて、
このシリコーンスポンジ層22表面に自己接着タイプ液
状導電シリコーンゴム(商品名:X−32−21018、信越
化学工業製)を接着剤として薄く塗布し、内径24.6
mm、厚さ50μmで内面を化学的に処理したPFAチ
ューブ23に挿入した。更に、150℃で2時間加熱
し、定着器用加圧ローラ20を製造した。
【0029】このように、上記実施例に係る定着器用加
圧ローラ20は、芯金21上にシリコーンスポンジ層2
2、表面離型層23を順次設けて構成され、前記シリコ
ーンスポンジ層22は、過酸化物パラメチルベンゾイル
パーオキサイドと発泡剤アゾビスイソブチロニトリルを
含有し、切断時伸び250%以下で引張り強さ7.0M
Pa以上の熱硬化型シリコーンゴム組成物を加硫、発泡
成形させてなることを特徴とする。こうした加圧ローラ
20におけるシリコーンスポンジ層22は、セル径が5
0〜150μmの微細で均一なもので、加圧ローラ表面
粗さも凹凸の少ない良好なものであった。
【0030】こうした加圧ローラを、ベルト定着方式の
プリンター(商品名:LBP−1810、キヤノン社
製)用加圧ローラとして通紙試験を行った。その結果、
従来のシリコーンスポンジを使用した加圧ローラよりも
記録材搬送スピードむらの少ない加圧ローラであり、目
標耐久枚数の10万通紙後も記録材のシワが発生しない
高耐久の加圧ローラが得られた。
【0031】(比較例1)実施例1と同じ原料を用い、
過酸化物の種類をオルソメチルベンゾイルパーオキサイ
ド0.5重量部とした以外は、実施例1と同じ配合で実
施例1と同じ押出し、連続熱空気加硫方法でシリコーン
スポンジを製作した。そのとき、比較例1のシリコーン
スポンジは内側部分では発泡状態が微細なセルであった
が、表面に近い部分は内側部分に比べて粗いシリコーン
スポンジとなり、バラツキが見られた。
【0032】比較例1に係るシリコーンスポンジを芯金
に挿入し表面を研磨すると、削りとった肉厚の差により
スポンジ表面状態がバラツキ、PFAチューブ被覆後の
加圧ローラ表面に凹凸の大きな部分ができてしまった。
この加圧ローラで実施例1と同様の通紙試験を行ったと
ころ、約1.8万枚と短時間で表面の凹凸の大きな部分
を中心にしてトナーオフセットが発生し、試験を中止し
た。
【0033】(比較例2)実施例1と同じ原料を用い、
過酸化物の種類を1、6−ビス(t−ブチルパーオキシ
カルボキシ)ヘキサン0.7重量部とした以外は、実施
例1と同じ配合で実施例1と同じ押出し、連続熱空気加
硫方法でシリコーンスポンジを製作した。比較例2のシ
リコーンスポンジは、セルの大きさが1〜2mmと非常
に粗いものとなり、加硫も不十分なため、加圧ローラの
スポンジとしての使用を断念した。
【0034】下記表1は、上記実施例1及び比較例1,
2における加圧ローラの硬度、切断時伸び、引張り強
度、可塑度、過酸化物、シリコーンスポンジのスポンジ
状態、及び耐久性を示したものである。
【0035】
【表1】
【0036】表1より、実施例1の場合は、スポンジ状
態が微細で均一であり、耐久性も通紙試験で10万枚以
上であった。これに対し、比較例1の場合は、スポンジ
状態が内外でバラツキがあり、通紙試験は1.8万枚で
トナーオフセットが発生した。また、比較例2の場合
は、スポンジ状態が非常に粗く、通紙試験ができない状
態であった。これにより、実施例1が比較例1,2に比
べて優れていることが確認された。
【0037】(実施例2,3、比較例3,4,5)熱硬
化型シリコーンゴム原料の硬度、切断時伸び、引張り強
さ、ウィリアムス可塑度を、下記表2のように変えて実
施例1と同じように過酸化物パラメチルベンゾイルパー
オキサイド0.5重量部、発泡剤アゾビスイソブチロニ
トリル1.3重量部、着色剤ベンガラ0.3重量部を配
合し、連続的に押出し熱空気中で加硫、発泡を行いシリ
コーンスポンジを製作した。このシリコーンスポンジを
用いて実施例1と同じ方法で外径25mmの定着器用加
圧ローラを製作した。
【0038】このとき、実施例2,3と比較例3,4の
スポンジはセル径が50〜150μmの微細で均一のも
のであったが、比較例5のスポンジはセル径が150〜
500μmと粗いスポンジであった。
【0039】また、夫々の加圧ローラの熱膨張を測定す
るため、180℃のオーブンで30分間加熱、直後の外
径変化を測定した。その結果、表2に示すように、実施
例2では+0.41mm膨張していた。同様に、実施例
3、比較例3〜5についても測定を行ったが、切断時伸
びが250%以下のシリコーンゴム原料を用いた加圧ロ
ーラは熱膨張が小さいことが確認できた。
【0040】これらの加圧ローラをベルト定着方式のプ
リンター(商品名:LBP−1810、キヤノン社製)
で実施例1と同様の試験を行った。その結果、実施例
2,3に係る加圧ローラでは問題が発生せず、10万枚
通紙を行い試験を中止した。比較例3の加圧ローラを使
用すると、プリンターの電源投入直後と連続で約20分
間(約400枚)通紙後での記録材の搬送スピードに差
が大きすぎるために試験をストップした。比較例4は、
使用初期では問題なかったが、約3.3万通紙で記録材
にシワが発生し、加圧ローラを取り出して調べたとこ
ろ、シリコーンスポンジ層に破泡が発生、硬度ムラが起
こってしまったためにシワが発生していた。また、比較
例5の加圧ローラでは5,6万枚で加圧ローラ表面にト
ナーが付着,画像に影響を与える状態となってしまい試
験をストップした。
【0041】
【表2】
【0042】表2より、実施例2,3の場合、スポンジ
状態が微細で均一であり、耐久性も通紙試験で10万枚
以上であった。これに対し、比較例3,4の場合は、ス
ポンジ状態は微細で均一であるが、通紙試験は400枚
で搬送ムラが生じたり(比較例3)、3.3万枚でシワ
の発生があった。また、比較例5の場合は、スポンジ状
態が非常に粗く、通紙試験も5.6万枚でトナーオフセ
ットが発生した。これにより、実施例2,3が比較例3
〜5に比べて優れていることが確認された。
【0043】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、表面
粗さが小さくなりトナーオフセットに対して優れている
とともに、形状変化によるシワの発生を抑制し、定着ベ
ルト方式での搬送スピード変化の少ない高耐久の定着器
用加圧ローラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の加熱定着方式の説明図。
【図2】従来の他の加熱定着方式の説明図。
【図3】本発明の実施例1に係る定着器用加圧ローラの
断面図。
【図4】従来の加圧ローラの製作方法の説明図。
【符号の説明】
20…定着器用加圧ローラ、 21…芯金、 22…シリコーンスポンジ層、 23…表面離型層。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H033 AA09 AA15 AA23 BB29 BB30 BB31 3J103 AA02 AA14 BA41 FA12 GA02 GA57 GA60 GA66 HA03 HA04 HA12 HA43 HA53 4F074 AA90 BA14 BB03 CA21 CA23 CC04Y CD20 DA33 DA47 DA59

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯金の周面にシリコーンスポンジ層を設
    け、その外周にフッ素樹脂からなる表面離型層を設けた
    定着器用加圧ローラにおいて、 前記シリコーンスポンジ層は、未発泡加硫時に切断時伸
    び250%以下で引張り強さ7.0MPa以上の熱硬化
    型シリコーンゴム組成物を、加硫剤としての過酸化物パ
    ラメチルベンゾイルパーオキサイドと発泡剤としてのア
    ゾビスイソブチロニトリルを含有させ、加硫、発泡成形
    させてなることを特徴とする定着器用加圧ローラ。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化型シリコーンゴム組成物のウ
    イリアムス可塑度が300以上450以下であることを
    特徴とする請求項1記載の定着器用加圧ローラ。
JP2002157118A 2002-05-30 2002-05-30 定着器用加圧ローラ Pending JP2003345158A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002157118A JP2003345158A (ja) 2002-05-30 2002-05-30 定着器用加圧ローラ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002157118A JP2003345158A (ja) 2002-05-30 2002-05-30 定着器用加圧ローラ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003345158A true JP2003345158A (ja) 2003-12-03

Family

ID=29773108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002157118A Pending JP2003345158A (ja) 2002-05-30 2002-05-30 定着器用加圧ローラ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003345158A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005316112A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Nitto Kogyo Co Ltd 定着装置用スポンジロール及び定着装置
JP2005351929A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Konica Minolta Business Technologies Inc 加圧ローラおよび定着装置
JP2009217111A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Arai Seisakusho Co Ltd ローラ及びその製造方法
JP2012053354A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Shin Etsu Polymer Co Ltd 弾性ローラ、その製造方法、定着装置及び画像形成装置
US8260183B2 (en) * 2008-05-21 2012-09-04 7-Sigma Incorporated Soft pressure roller composition for fusing system
US9395668B2 (en) 2014-10-09 2016-07-19 Synztec Co., Ltd. Pressure-applying fixing roller and fixing device
JP2017090891A (ja) * 2016-09-06 2017-05-25 信越ポリマー株式会社 スポンジローラ、スポンジローラの製造方法及び画像形成装置
JP2018054100A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 信越ポリマー株式会社 スポンジローラ、スポンジローラの製造方法及び画像形成装置
US10259150B2 (en) 2014-10-09 2019-04-16 Synztec Co., Ltd. Method for producing pressure-applying fixing roller
JP2019123844A (ja) * 2018-01-19 2019-07-25 信越ポリマー株式会社 スポンジローラ及びスポンジローラの製造方法
JP2020085163A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 信越ポリマー株式会社 弾性ローラの製造方法

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005316112A (ja) * 2004-04-28 2005-11-10 Nitto Kogyo Co Ltd 定着装置用スポンジロール及び定着装置
JP2005351929A (ja) * 2004-06-08 2005-12-22 Konica Minolta Business Technologies Inc 加圧ローラおよび定着装置
JP2009217111A (ja) * 2008-03-12 2009-09-24 Arai Seisakusho Co Ltd ローラ及びその製造方法
US8260183B2 (en) * 2008-05-21 2012-09-04 7-Sigma Incorporated Soft pressure roller composition for fusing system
JP2012053354A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Shin Etsu Polymer Co Ltd 弾性ローラ、その製造方法、定着装置及び画像形成装置
US9395668B2 (en) 2014-10-09 2016-07-19 Synztec Co., Ltd. Pressure-applying fixing roller and fixing device
US10259150B2 (en) 2014-10-09 2019-04-16 Synztec Co., Ltd. Method for producing pressure-applying fixing roller
JP2017090891A (ja) * 2016-09-06 2017-05-25 信越ポリマー株式会社 スポンジローラ、スポンジローラの製造方法及び画像形成装置
JP2018054100A (ja) * 2016-09-30 2018-04-05 信越ポリマー株式会社 スポンジローラ、スポンジローラの製造方法及び画像形成装置
JP2019123844A (ja) * 2018-01-19 2019-07-25 信越ポリマー株式会社 スポンジローラ及びスポンジローラの製造方法
JP7073736B2 (ja) 2018-01-19 2022-05-24 信越ポリマー株式会社 スポンジローラ及びスポンジローラの製造方法
JP2020085163A (ja) * 2018-11-28 2020-06-04 信越ポリマー株式会社 弾性ローラの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003345158A (ja) 定着器用加圧ローラ
JPH065431B2 (ja) 弾性ロール及びその製造法
JP2012234151A (ja) 定着装置に用いるローラ、及びこのローラを備えた像加熱装置
JP2007170473A (ja) スポンジロール及びその製造方法
JP2005049455A (ja) ロール成型体及びそれを用いたローラ
JP2007079111A (ja) 画像形成装置用ローラの製造方法、画像形成装置用ローラ及び画像形成装置用ローラの製造用成形金型
JP2001265147A (ja) 加圧ローラ、加熱装置及び画像形成装置
JP2019123844A (ja) スポンジローラ及びスポンジローラの製造方法
JPH1039666A (ja) 定着器用ローラ
JP2001183937A (ja) オイル塗布ローラ、オイル塗布装置および定着装置
JP2010231129A (ja) 弾性ローラ及び定着装置
CN105511242B (zh) 定影、加压辊以及定影装置
JP3539767B2 (ja) 定着器用加圧ローラ
JP6439917B2 (ja) 定着・加圧ロールの製造方法
JP3793869B2 (ja) 表面平滑性フッ素系樹脂チューブ及び加圧ローラ
JP4132696B2 (ja) 定着器用ローラ
JPH04340579A (ja) 定着器用ロール
JP2004012708A (ja) 塗布ローラ
JP4157994B2 (ja) 事務機器用ローラの製造方法
JP3822995B2 (ja) 定着器用加圧ローラ
JP2007147990A (ja) 弾性ローラ、およびこれを備えた画像形成装置
JP2021076801A (ja) 定着器用シリコーンスポンジローラ、及び加熱定着装置
JP2000250344A (ja) 定着器用加圧ローラの製造方法
JPH0516267A (ja) ローラの製造方法
JP2003122164A (ja) トナー定着用部材