JP4132696B2 - 定着器用ローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置で用いられる定着器用ローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いた複写機、プリンター、ファクシミリ等の加熱定着方式として、従来、図4に示すものが知られている。
図中の付番1は定着ローラを示し、加圧ローラ2とともに対で使用される。前記定着ローラ1は、内部にヒーター3を有する中空芯金4の表面にフッ素樹脂、シリコーンゴム等からなる離型層5が設けられている。前記加圧ローラ2は、芯金6の表面にシリコーンゴム等からなる弾性層7を設けた構成となっている。このように定着ローラ1と加圧ローラ2の一対のローラで構成されるニップ部に未定着画像8を通過させることで定着を行っていた。
【0003】
近年、装置の省エネルギー化を目標に、定着ローラの中空芯金肉厚を従来と比べて薄くすることで立ち上がり時間を短縮したり、図5に示すようにポリイミド等の薄肉耐熱性樹脂表面にフッ素樹脂等の離型層を設けた定着ベルト9を介してヒーター10により加熱する方式も行われている。この方式によれば、熱容量の小さい薄肉の耐熱ベルトを用いるため立ち上がり時間が特に短縮できる利点がある。加圧ローラ11としては、芯金6の周面にシリコーンスポンジ(下層)12、フッ素樹脂チューブ(表面層)13を順次形成した低熱伝導性のものを用いている。これは、定着ローラ、定着ベルト9から熱を奪いづらく、立ち上がり時間をより短くするためである。
【0004】
低熱伝導層として用いられる前記シリコーンスポンジは、一般にミラブルシリコーンゴム(HTVシリコーンゴム)に有機発泡剤と加硫剤を配合し200〜350℃の高温で加硫、発泡を行う方法で製造しており、原料ゴムの可塑度のバラツキ、発泡剤のバラツキ、夏期は発泡が大きくなり冬期は発泡が小さくなる等の季節的要因によるバラツキが大きく、発泡率や熱伝導率を安定させることが困難な一面をもっている。
【0005】
これを改良する方法として、例えば特開平10−60151に見られるような液状ゴムに予め熱膨張させたマイクロバルーンを混合してスポンジ層を形成する方法がある。この方法によれば、樹脂マイクロバルーンが予め熱膨張させてあるため、配合率によって弾性層の空隙率をコントロールできるので、安定した熱伝導率が得られる利点がある。
【0006】
そこで、定着器用ローラとしても樹脂マイクロバルーンが混合された液状ゴムから形成された弾性体で下層を構成し、表面離型層としてフッ素樹脂系の離型層を設けた定着器用ローラの開発も行われている。
【0007】
しかし、樹脂マイクロバルーンを含有する弾性層を設けたローラを定着器用ローラとして用いると、ローラ表面の硬度やローラ外径が使用中に変化してしまうという問題が発生する。これは、定着器用ローラの使用条件やローラの表面硬度等によって差があるものの、通常は機械に組み込んでから数千枚程度の定着枚数までに発生し、それ以上の定着枚数ではローラ表面硬度、外径ともに安定して略一定になる傾向がある。
【0008】
定着画像の安定化のためには、定着温度とともに定着時間の管理が重要な因子であり、ニップ幅が長期にわたって一定に保たれることが必要であるが、樹脂バルーンを含有した層を設けたローラでは表面硬度が変化するのに伴いニップ幅も変化するため、機械の出荷時の画質状態が短時間で変化してしまう問題があった。
【0009】
また、前記の定着ベルトを用いた定着方法(図5)では加圧ローラ11によって定着ベルト9の駆動も行っており、このような定着装置の加圧ローラとして樹脂マイクロバルーンを含有する弾性層を設けたローラを用いると、外径の変化によって用紙の搬送スピードが変化してしまう問題があった。
【0010】
樹脂バルーンを含有する層を設けたローラの硬度変化や外径変化が起こる原因として弾性層内部に樹脂マイクロバルーンが略球形の状態で残っており、使用に伴い徐々にマイクロバルーンが破壊することで変化が起こるものと考えられる。これを改良するため、単に樹脂マイクロバルーンを含有する弾性層を光熱で処理しても何ら効果は得られないこともはっきりしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情を考慮してなされたもので、熱伝導率の安定した、硬度変化や外径変化が小さい高耐久性の定着器用ローラを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために様々な試験を試みた。その手段の1つとして、実際の定着器と同様に加圧加熱処理を施してから使用することが考えられる。しかし、この場合、約1000枚の定着枚数でも1時間近い時間がかかるため価格の点から量産工程として使用することには問題がある。
【0013】
そこで、加圧力と温度を上げることで時間の短縮を試みたが、温度を上げすぎると下層の弾性層の熱劣化が急速に進み、弾性層の物性が極端に低下するため、定着器用ローラとしての耐久性に問題が出てしまう。一方、加圧力を上げ過ぎると、物性の低い弾性体層に破壊が進みこれも定着器用ローラとしての耐久性に問題が生じてしまうことがあり、短時間の処理によって硬度変化や外径変化を十分抑えることはできなかった。こうした点を考慮して本発明者らは、シリコーンゴム弾性層の形成後に、表面温度、線圧、加圧力を適宜な範囲で加熱圧着処理することにより、下記の発明を提案するに至った。
【0014】
即ち、本発明に係る定着器用ローラは、芯金の周面に樹脂製マイクロバルーンを含有するシリコーンゴム弾性層を少なくとも1層設け、最外層に表面離型層を有した定着器用ローラであり、樹脂製マイクロバルーンを含有した液状シリコーンゴムを加熱硬化前記シリコーンゴム弾性層を形成した後に、表面温度180〜280℃、線圧1〜1.5kN/mの条件で加熱圧着処理を施して前記樹脂製マイクロバルーンを破壊したことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る定着器用ローラは、前記シリコーンゴム弾性層を形成した後で、かつ前記加熱圧着処理を施す前に、250〜350℃の温度で5〜30分加熱処理を行うことを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明において、ローラ表面硬度と外径をより安定化させるためには、250〜350℃の温度で5〜30分加熱処理を行った後、更に再度表面温度180〜280℃で線圧0.3〜2kN/mの条件で15秒〜5分の加熱圧着処理を施すことが好ましい。ここで、定着器用ローラを250〜350℃の温度で5〜30分加熱処理を行う工程及び/又は定着器用ローラの表面温度180〜280℃で線圧0.3〜2kN/mで15秒〜5分の加熱圧着処理を行う工程は、シリコーンゴム弾性体層の形成後であれば、任意の段階で行うことができる。
【0017】
表面層としての離型層を形成する前の樹脂マイクロバルーンを含有するシリコーンゴム弾性体層に前記加熱圧着処理、あるいは加熱処理及び加熱圧着処理を施し、その後表面離型層を形成することで本発明の定着器用ローラとすることも可能である。また、樹脂マイクロバルーンを含有するシリコーンゴム弾性体層を少なくとも1層設け、表面層としての離型層を形成した後に前記加熱圧着処理、あるいは加熱処理及び加熱圧着処理を施して本発明の定着器用ローラとすることも可能である。
【0018】
更に、250〜350℃の温度で5〜30分間の加熱処理を樹脂マイクロバルーンを含有したシリコーンゴム弾性体層に一旦行ってから又は前記加熱処理を行うと同時に、表面離型層を形成し、その後ローラ表面温度180〜280℃で線圧0.3〜2kN/mで15秒〜5分の加熱圧着処理を施し、本発明の定着器用ローラとすることも可能である。
【0019】
本発明において、加熱圧着処理は表面温度を上記のように設定でき、かつ加圧力を均一に加えることができればどのような方法でもよく、特に限定されるものではない。例えば、表面が一定温度に制御された回転する金属ローラに本発明のローラを圧着させて連れ周りさせる方法等がある。金属ローラ表面は、離型性、キズ防止のためめっき処理されていることが更に好ましい。加圧力のより好ましい条件は、線圧0.5〜1.5kN/mである。
【0020】
また、加熱処理は、弾性層形成後の任意の段階で250〜350℃の温度で5〜30分の加熱を行うものであり、例えばオーブンを用いてバッチ式に処理する方法や連続加熱炉で連続的に加熱処理する方法等がある。
【0021】
本発明の定着器用ローラに使用される弾性体層は耐熱性や加工性の点からシリコーンゴムに樹脂マイクロバルーンを含有させたものを用いるが、粘度の高い原料ゴムに樹脂マイクロバルーンを配合すると、シリコーンゴム配合物の粘度が上り過ぎて、成形圧力による樹脂マイクロバルーンの変化や破壊が起こりやすくなるので、粘度の低い液状シリコーンゴムを用いることが好ましく、硬化性や耐熱性の点で優れた液状付加反応型シリコーンゴム(LTVシリコーンゴム)を用いることが更に好ましい。
【0022】
本発明に使用する樹脂製マイクロバルーンには、低沸点炭化水素を内包する熱可塑性樹脂球体を予め熱膨張させたものを使用することが好ましい。予め熱膨張させてある樹脂製マイクロバルーンをシリコーンゴムに配合し、樹脂マイクロバルーンを構成する熱可塑性樹脂の溶融温度より低い温度で弾性層を硬化させることによって、より安定したローラ硬度や熱伝導率を有する定着器用ローラが製造できる。
【0023】
本発明において、樹脂製マイクロバルーンに使用する熱可塑性樹脂として、例えばアクリロニトリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂等の共重合物が挙げられるが、液状付加反応型シリコーンゴムの硬化温度で安定している熱可塑性樹脂であればよく、特に限定されるものではない。
【0024】
樹脂マイクロバルーンを液状付加反応型シリコーンに多量に含有させると熱伝導率は下がるが、一方樹脂バルーンの配合を増やすと弾性層としての物性も下がってしまうという問題もある。定着器用ローラとしての耐久性が低下するばかりか、定着器用ローラの製造中に弾性層が破壊してしまい、ローラの製作が困難になってしまう。
【0025】
本発明者は定着器用ローラとしての低熱伝導性を維持しつつ、定着器用ローラとして耐久性や加工性で問題の発生しない樹脂製マイクロバルーンを含有するシリコーンゴム弾性層として、熱伝導率0.16W/(m・K)以下、かつ引張強さが0.4MPa以上であることを見出した。
【0026】
本発明の定着器用ローラの表面の離型層は高温で長時間安定した離型層が得られるものであり、例えばPTFE、PFA、FEP等のフッ素樹脂からなるチューブを被覆する方法、フッ素樹脂の粉体やラテックスをコーティングして離型層とする方法、フッ素樹脂を含有する耐熱性ゴムをコーティングして離型層を形成する方法等があり、又接着性や耐久性を考えてこれらを積層して使用することも有効である。
【0027】
本発明の定着器用ローラは樹脂製マイクロバルーンを含有するシリコーンゴム弾性層にカーボンブラックや金属粉等の導電性付与剤を配合することにより体積抵抗率を下げ、定着器用ローラの帯電を抑えて画質の向上や通紙性を改良することももちろん可能であり、同様に表面離型層内に導電性付与剤を配合して体積抵抗率を下げることも可能である。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の各実施例及び比較例に係る定着器用ローラについて、その製造方法を併記して説明する。
【0029】
(実施例1〜3、比較例1〜3)
まず、本実施例に係る定着器用ローラ30について、図1を参照して説明する。図中の符番31は、アルミ材からなる外径14mmの芯金を示す。この芯金31の外周面には、樹脂製マイクロバルーン(商品名:エクスパンセル092DE−120、ケマ.ノーベル社製)を含有する液状付加反応型シリコーンゴムからなる弾性層32が形成されている。この弾性層32の周面には、フッ素樹脂からなる表面離型層33が形成されている。このように、本実施例に係る定着期用ローラ30は、芯金31の周面に弾性層32、表面離型層33を順次形成した構成となっている。
【0030】
次に、こうした構成の定着器ローラの製造方法について図2を参照して説明する。
まず、表面に接着剤(図示せず)を塗布したアルミ材からなる外径14mmの芯金31を、内径20.3mmの金型34内に装着した。つづいて、芯金31と金型34の隙間に下方から樹脂製マイクロバルーン(商品名:エクスパンセル092DE−120、ケマ.ノーベル社製)を含有する液状付加反応型シリコーンゴム35を注入し、金型34を120℃で20分加熱し液状付加反応型シリコーンゴム35を硬化させてローラを得た。
【0031】
次に、このローラを冷却した後、金型34から外し、200℃で2時間ポストキュアーを行って弾性層32を形成した。次いで、弾性層32の表面にプライマー(図示せず)を約3μmコーティングした後、表面にフッ素樹脂を含有するフッ素ゴムラテックス(GLS213、ダイキン工業製)を約35μmコーティングした。更に、このローラを270℃、15分オーブン内で加熱処理し、フッ素ゴムラテックスの硬化を行って表面離型層33を形成するとともに弾性層32の加熱処理とした。
【0032】
次に、このローラを表面温度が230℃に維持された回転する金属ローラに線圧1kN/mで70秒間圧着、連れ周りさせて加熱圧着処理を施し、外径約20mmの定着器用ローラ30を得た。このとき、液状付加反応型シリコーンゴムの物性と樹脂製マイクロバルーンの配合量を変えて弾性層32の引張強さ・熱伝導率を変化させ実施例1〜3とした。
このように、上記実施例1〜3に係る定着器用ローラ30は、芯金31の周面に樹脂製マイクロバルーンを含有する液状付加反応型シリコーンゴムからなる弾性層32、フッ素樹脂からなる表面離型層33を順次形成し、かつ表面離型層33の形成後、ローラに表面温度230℃、線圧1kN/mで70秒間加熱圧着処理を施した構成となっている。
また、同じ方法で比較例1、2、3についてもローラを製作した。但し、比較例1は、加熱圧着処理を行わなかった。
【0033】
これらの定着器用ローラを、8ppmのベルト定着方式を用いたレーザービームプリンターの加圧ローラとして通紙試験を行ったところ、実施例1〜3の定着器用ローラについては目標の5万枚通紙まで問題は発生しなかった。更に、試験前と試験後のローラ外径変化、硬度変化についても測定したが、画質変化や通紙速度の変化に問題が発生しないと考えられる外径変化±0.15mm、硬度変化±2度(Asker C硬度計)以内に入っており問題なかった。
【0034】
比較例1は加熱圧着処理を施さないローラであり、通紙試験約1000枚で紙送り速度が大幅に変化してしまい、試験をストップした。外径変化、硬度変化ともに大きな値であった。
【0035】
比較例2の定着器用ローラは、弾性層の物性が低いために加熱圧着処理時に弾性層に亀裂が発生し、通紙試験約2000枚で弾性層が破壊してしまった。比較例3は、熱伝導率が高いため目標の立ち上がり時間(7秒)を達成できず、通紙試験は行わなかった。
【0036】
下記表1は、実施例1〜3及び比較例1〜3における弾性層の熱伝導率、弾性層の引張り強さ、加熱圧着処理、立ち上がり時間、通紙試験枚数、外径変化、硬度変化を示す。
【0037】
【表1】
【0038】
(実施例4〜9)
まず、上記実施例1〜3と同じ方法で、芯金31と金型34の隙間に下方から樹脂製マイクロバルーンを含有する液状付加反応型シリコーンゴム35を注入し、金型34を130℃で20分加熱しシリコーンゴムを硬化させた。次に、このローラを冷却し金型34から外し、弾性層32を形成した。このとき用いた弾性層32は熱伝導率0.13W/(m・K)で引張り強さ0.55MPaのものを使用した。
【0039】
次に、このローラを下記表2のように加熱処理条件を変えて処理した後、冷却し、弾性層表面に接着剤を塗布した。つづいて、このローラを図3に示す中空パイプ36内に装着した弾性層外径より約1mm細い内径のPFAチューブ(材質950HP,三井デュポンフロロケミカル製)37内に挿入した後、接着剤を硬化させ、離型層を形成して定着器用ローラを製作した。このローラを下記表2の加熱圧着処理条件で実施例4〜9の定着器用ローラとした。但し、実施例4は加熱圧着処理だけを行った定着器用ローラである。
【0040】
これらの定着器用ローラを実施例1〜3と同じように8ppmのレーザービームプリンターの加圧ローラとして通紙試験を行ったところ、実施例4〜9の定着器用ローラはいずれも目標の5万枚通紙まで問題の発生がなく使用できた。試験前と試験後のローラ外径とローラ硬度の変化量を測定したが、問題の発生しない値であった。
【0041】
【表2】
【0042】
(比較例4〜7)
実施例4〜9と同じの方法でローラを製作したが、加熱処理条件と加熱圧着処理条件を下記表3に変えて比較例4〜7とした。
ここで、比較例4は、加熱圧着処理のときの圧力が大きすぎるため、処理中にローラ弾性層が破壊してしまった。比較例5は、加熱処理温度が高すぎるため、弾性層の劣化が極端に進み、加熱圧着処理中に弾性層と離型層の間が剥離してしまった。比較例6は、加熱圧着処理温度が高すぎるため、処理後ローラ表面にPFAチューブの大きなシワが発生してしまい使用できなかった。
【0043】
残りの比較例7、8の定着器用ローラについて、実施例と同じベルト定着方式レーザービームプリンターの加圧ローラとして通紙試験を行ったが、いずれも短時間で紙送り時間が大きく変化してしまい試験を中止した。これらの定着器用ローラは試験前と試験後のローラ外径とローラ硬度の変化量を測定したが大きな値となっていた。この原因は、比較例7の場合は加熱圧着力が0.2kN/mと小さく、また比較例8の場合は加熱圧着処理時の温度が160℃と低いことによる。
【0044】
【表3】
【0045】
なお、上記実施例では、1層のシリコーンゴム弾性層が芯金の周面に形成されている場合についてのみ述べたが、これに限らず、2層以上のシリコーンゴム弾性層が芯金の周面に形成されていてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、樹脂製マイクロバルーンを配合したシリコーンゴムの弾性層の形成後に、表面温度180〜280℃、線圧0.3〜2kN/mの条件で15秒〜5分の加熱圧着処理を施すことにより、熱伝導率の安定した、硬度変化や外径変化が小さい高耐久性の定着器用ローラを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1〜3に係る定着器用ローラの断面図。
【図2】図1の定着器用ローラを製造するための装置の説明図。
【図3】本発明の実施例4〜9に係る定着器用ローラを製造するための装置の説明図。
【図4】従来の定着器用ローラの説明図。
【図5】従来の定着器用ローラの説明図。
【符号の説明】
30…定着器用ローラ、
31…芯金、
32…弾性層、
33…表面離型層、
34…金型、
35…シリコーンゴム、
36…中空パイプ、
37…チューブ。
Claims (4)
- 芯金の周面に樹脂製マイクロバルーンを含有するシリコーンゴム弾性層を少なくとも1層設け、最外層に表面離型層を有した定着器用ローラであり、樹脂製マイクロバルーンを含有した液状シリコーンゴムを加熱硬化して前記シリコーンゴム弾性層を形成した後に、表面温度180〜280℃、線圧1〜1.5kN/mの条件で加熱圧着処理を施して前記樹脂製マイクロバルーンを破壊したことを特徴とする定着器用ローラ。
- 前記シリコーンゴム弾性層を形成した後で、かつ前記加熱圧着処理を施す前に、250〜350℃の温度で5〜30分加熱処理を行うことを特徴とする請求項1記載の定着器用ローラ。
- 前記シリコーンゴム弾性層が液状付加反応型シリコーンゴムからなり、熱伝導率が0.16W/(m・K)以下、かつ引張強さが0.4MPa以上である請求項1、2のいずれかに記載の定着器用ローラ。
- 前記樹脂製マイクロバルーンが液状炭化水素を内包する熱可塑性樹脂粒子を予め熱膨張させたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着器用ローラ。
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