JP2015060124A - 定着加圧ロール及び定着装置 - Google Patents

定着加圧ロール及び定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2015060124A
JP2015060124A JP2013194578A JP2013194578A JP2015060124A JP 2015060124 A JP2015060124 A JP 2015060124A JP 2013194578 A JP2013194578 A JP 2013194578A JP 2013194578 A JP2013194578 A JP 2013194578A JP 2015060124 A JP2015060124 A JP 2015060124A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicone rubber
fixing
balloon
pressure roll
microresin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013194578A
Other languages
English (en)
Inventor
鈴木 雅也
Masaya Suzuki
雅也 鈴木
西田 晃
Akira Nishida
晃 西田
新五 杉山
Shingo Sugiyama
新五 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nok Corp
Synztec Co Ltd
Original Assignee
Nok Corp
Synztec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nok Corp, Synztec Co Ltd filed Critical Nok Corp
Priority to JP2013194578A priority Critical patent/JP2015060124A/ja
Publication of JP2015060124A publication Critical patent/JP2015060124A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】低硬度化され、且つ割れが発生しない弾性層を具備する定着加圧ロール及び定着装置を提供する。
【解決手段】定着装置の定着部に用いられる加圧ロール1は、芯体10と、芯体10の周囲に設けられた弾性層11とを具備し、弾性層11は、シリコーンゴム原料と、マイクロ樹脂バルーンと、多孔質フィラーとを混合した後、シリコーンゴム原料を硬化することにより得られたシリコーンゴムで構成され、シリコーンゴムは、加圧によるマイクロ樹脂バルーンの破壊で形成された空隙と、多孔質フィラーとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、定着加圧ロール及び定着装置に関し、画像形成装置に搭載して好適に用いられる。
複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンター等の画像形成装置の定着機構では、加熱された定着ロール等の定着部材が、これと対向する加圧ロールの回転によって従動回転される。このような定着機構では、通紙時に圧力と熱によってトナーを固着させるため、加圧ロールと定着部材との間のニップを大きく設けることが必要であり、加圧ロールを低硬度化することで定着幅を広く確保することができる。このため、加圧ロールには、低硬度で且つ熱源からの熱を失いにくい低熱容量の発泡シリコーンゴムが多く用いられている。
このような発泡シリコーンゴムを更に低硬度化するため、シリコーンゴムにマイクロ樹脂バルーンを配合し、マイクロ樹脂バルーンでセルを形成する手法が提案され(例えば、特許文献1参照)、さらにマイクロ樹脂バルーンと共にエチレングリコールを配合し、マイクロ樹脂バルーンの破壊やエチレングリコールの気化で、セル同士の間に孔道を形成する手法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、マイクロ樹脂バルーンでセルを形成する手法では、連泡度が低くなり、マイクロ樹脂バルーンとエチレングリコールでセル同士間に孔道を形成する手法では、孔道の分散具合がばらつき、どちらの手法においても、シリコーンゴムの十分な低硬度化を実現できないという問題がある。
また、マイクロ樹脂バルーンを用いた技術では製造時に発生するガスでシリコーンゴム(弾性層)に割れが生じ易いという問題がある。
特開2007−065424号公報 特許第3969942号公報
本発明は、このような事情に鑑み、低硬度化され、且つ割れが発生しない弾性層を具備する定着加圧ロール及び定着装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、定着装置の定着部に用いられる定着加圧ロールであって、芯体と、該芯体の周囲に設けられた弾性層とを具備し、前記弾性層は、シリコーンゴム原料と、マイクロ樹脂バルーンと、多孔質フィラーとを混合した後、前記シリコーンゴム原料を硬化することにより得られたシリコーンゴムで構成され、前記シリコーンゴムは、加圧による前記マイクロ樹脂バルーンの破壊で形成された空隙と、多孔質フィラーとを含むことを特徴とする定着加圧ロールにある。
かかる発明によれば、弾性層中の多孔質フィラーによってマイクロ樹脂バルーンが破壊されてできた空隙間をわずかに連通化することができる。これにより、低硬度の弾性層を具備する定着加圧ロールを得ることができる。また、シリコーンゴムの硬化時(加熱時)に、このわずかに連通化された空隙(セル)を介して多孔質フィラーから発生するエアーを徐々に取り除くことができる。これにより、エアーの発生に起因して生じる弾性層の割れを防止することができる。
ここで、前記加圧は、水圧であることが好ましい。
これによれば、マイクロ樹脂バルーンを部分的に割れた状態に破壊させることができるため、さらに低硬度の定着加圧ロールを得ることができる。
ここで、前記弾性層の周囲に設けられた離型層を具備することが好ましい。
これによれば、定着性に優れた信頼性の高い定着加圧ロールとなる。
本発明の他の態様は、前記何れかの態様に記載する定着加圧ロールを具備することを特徴とする定着装置にある。
かかる発明によれば、低硬度化され、且つ割れが発生しない弾性層を具備する定着加圧ロールを備えるため、定着性に優れた信頼性の高い定着装置となる。
本発明によれば、弾性層中の多孔質フィラーによってマイクロ樹脂バルーンが破壊されてできた空隙間をわずかに連通化することができるため、低硬度の弾性層を具備する定着加圧ロール及び定着装置が実現される。また、シリコーンゴムの加熱時に、連通化された空隙を介して多孔質フィラーから発生するエアーを徐々に取り除くことができるため、エアーの発生に起因して生じる弾性層の割れを防止することができる。
実施形態1に係る加圧ロールの横断面図及び縦断面図。 水圧でマイクロ樹脂バルーンが破壊される工程を説明するための概念図。 実施形態1に係る加圧ロールを具備する定着装置の断面図。 実施形態2に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の断面図。 実施形態3に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の断面図。 実施形態4に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の断面図。 実施例1及び比較例1の弾性体の断面写真。
本発明者は、加圧により多孔質フィラー密集部のマイクロ樹脂バルーンを割ることで破壊し、マイクロ樹脂バルーンの破壊で形成された空隙間を多孔質フィラーによってわずかに連通化することで多孔質フィラーからのエアーの発生を防止できることを見出した。本発明は、このような知見に基づき完成されたものである。以下に、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
本発明に係る定着加圧ロールは、画像形成装置の定着部に用いて好適なものであり、かかる定着部において、未定着トナー像を熱と圧力で記録媒体に定着するために用いられる。本実施形態では、定着加圧ロールの一例として、加圧ロールを例示する。
図1(a),(b)に、実施形態1に係る加圧ロールの横断面図及び縦断面図を示す。図1(a),(b)に示すように、加圧ロール1は、芯体10と、芯体10の周囲に設けられた弾性層11と、弾性層11の周囲に設けられた離型層12とを具備する。
本実施形態に係る弾性層11は、シリコーンゴム原料と、マイクロ樹脂バルーンと、多孔質フィラーとを混合した後、シリコーンゴム原料を硬化することにより得られたシリコーンゴムで構成される。そして、シリコーンゴムは、加圧によるマイクロ樹脂バルーンの破壊で形成された空隙と、多孔質フィラーとを含む。具体的に、弾性層11は、マイクロ樹脂バルーンと多孔質フィラーとが混合されたシリコーンゴム原料を加熱(一次硬化)してシリコーンゴムとし、このシリコーンゴムを加圧して、含有されるマイクロ樹脂バルーンを破壊させ、さらにシリコーンゴムを加熱(二次硬化)することにより得られる。
ここで、加圧とは、マイクロ樹脂バルーンを破壊するためにシリコーンゴムに圧力をかけることを言う。破壊とは、通常は、マイクロ樹脂バルーンが割れた状態になることを言うが、例えば、ひび割れる又は収縮する等、加圧によりシリコーンゴムを硬化する前の状態とは異なった状態になるものも含む。本発明では、加圧によりマイクロ樹脂バルーンを部分的に割れた状態に破壊することができる。
マイクロ樹脂バルーンが破壊すると、マイクロ樹脂バルーンが存在していた部分は空隙となる。即ち、マイクロ樹脂バルーンの破壊で形成された空隙とは、シリコーンゴムを加圧する前にはマイクロ樹脂バルーンが存在し、加圧した後にマイクロ樹脂バルーンが破壊されることで形成される空間をいう。
本実施形態では、マイクロ樹脂バルーンは、シリコーンゴム原料の一次硬化後はシリコーンゴム中にそのままの状態で存在し、シリコーンゴムを加圧することで、部分的に割れた状態に破壊される。
多孔質フィラーは、シリコーンゴムを二次硬化する際に、加熱によりエアーを発生するが、シリコーンゴム原料の一次硬化後や、シリコーンゴムの加圧後においては、マイクロ樹脂バルーン間又はマイクロ樹脂バルーンの破壊で形成された空隙間のマトリックス中にそのままの状態で存在する。多孔質フィラーは、マイクロ樹脂バルーンが部分的に割れた状態に破壊されてできた空隙(セル)間をわずかに連通化する。これにより、加圧ロールの更なる低硬度化が実現される。
また、セル間がわずかに連通化された状態でシリコーンゴムを高温で加熱(二次硬化)すると、多孔質フィラーからエアーが発生する。しかしながら、このエアーは、わずかに連通化されたセルを介して徐々に取り除くことができる。これにより、シリコーンゴムの加熱時におけるエアーの発生が抑制され、エアーの発生に起因する弾性層(シリコーンゴム)の割れが防止される。また、エアーの発生が抑制されることで、弾性層11と、その周囲に設けられる部材、本実施形態では離型層12との一体成型が可能となる。
加圧ロール1を構成する芯体10は、金属又は樹脂材料からなる。金属又は樹脂材料は、加圧ロール1の芯体として用いることができるものであれば、特に制限はない。また、芯体10の形状についても制限はなく、中空であっても、中空でなくてもよい。
弾性層11を構成するシリコーンゴム原料は、加熱により硬化して弾性体を生成するシリコーンゴムであれば特に制限されない。具体的には、液状シリコーンゴムやミラブル型シリコーンゴムが挙げられるが、液状シリコーンゴムが好ましい。このようなシリコーンゴムは市販されているものを用いることができ、勿論、2種類以上を併用してもよい。
マイクロ樹脂バルーンは、液化ガス又はガスを熱可塑性高分子殻で包み込んだものである。本実施形態で用いるマイクロ樹脂バルーンは、シリコーンゴム原料を一次硬化した後、シリコーンゴムを加圧することにより、マイクロ樹脂バルーンの熱可塑性高分子殻が破壊され、空隙を形成する。
加圧の強さは、マイクロ樹脂バルーンを破壊できる強さであれば特に制限はなく、マイクロ樹脂バルーンの種類等により適宜選択することができる。具体的に、加圧力は、5MPa〜30MPaが好ましく、10MPa〜25MPaがより好ましい。加圧方法としては、水、油等の液体による加圧や、空気、ヘリウム、窒素、二酸化炭素、水素及び酸素等の気体による加圧が挙げられるが、液圧が好ましく、液圧の中でも特に水圧が好ましい。本実施形態では、水圧によりマイクロ樹脂バルーンを破壊させる。
マイクロ樹脂バルーンの平均粒径は、未膨張のものは約6μm〜45μm、既膨張のものは、約20μm〜150μmの範囲にある。マイクロ樹脂バルーンの破壊により形成された空隙の内径は、既膨張のマイクロ樹脂バルーンを用いた場合、破壊前の平均粒径と同程度又はこれより大きい方が好ましい。例えば、平均粒径40μm〜60μmの既膨張のマイクロ樹脂バルーンを用いた場合、破壊後の空隙の内径は、20μm〜80μmの範囲で分布されることが好ましく、30μm〜70μmの範囲で分布されることがより好ましい。未膨張のマイクロ樹脂バルーンを用いた場合、通常は破壊前の平均粒径より数倍〜数十倍大きくなる。例えば、平均粒径10μm〜16μmの未膨張のマイクロ樹脂バルーンを用いた場合、破壊後の空隙の内径は、20μm〜200μmの範囲で分布されることが好ましく、50μm〜100μmの範囲で分布されることがより好ましい。
なお、本実施形態におけるマイクロ樹脂バルーンの平均粒径とは、レーザー回折散乱式粒度分布計により測定されたメジアン径(D50)の値のことである。内径の分布とは、電子顕微鏡写真に基づき、マイクロ樹脂バルーン毎の空隙の内径を測定し、算出した範囲をいう。上述したマイクロ樹脂バルーンは、既膨張のものでも未膨張のものでも用いることができる。また、これらのマイクロ樹脂バルーンは、市販されているものを用いることができ、2種類以上を併用してもよい。なお、シリコーンゴム原料として液状シリコーンゴムを用いる場合は既膨張のマイクロ樹脂バルーンを用いるのが好ましく、ミラブル型シリコーンゴムを用いる場合は混練時にバルーンが破壊しにくい未膨張のマイクロ樹脂バルーンを用いるのが好ましい。
マイクロ樹脂バルーンの配合量は、多孔質フィラーの配合量に応じて適宜選択することができる。通常、シリコーンゴム100体積部に対して、1体積部〜15体積部が好ましい。これは、弾性層11中でマイクロ樹脂バルーンが均等に安定して分散できる量である。
多孔質フィラーとは、細孔容積、比表面積が大きいものをいい、例えば、多孔質シリカ、多孔質アルミナ、多孔質ゼオライト、多孔質酸化ジルコニウム、多孔質酸化チタン、多孔質酸化マグネシウム、多孔質酸化亜鉛、多孔質窒化珪素、多孔質炭酸カルシウム、多孔質酸化カルシウム、多孔質窒化アルミニウム等を挙げることができる。これらの中でも、多孔質シリカ及び多孔質アルミナが好ましい。
多孔質フィラーの平均粒径は、1μm〜20μmが好ましく、より好ましいのは、1μm〜5μmである。なお、本発明における多孔質フィラーの平均粒径とは、コールカウンター法により測定された値のことである。このような多孔質フィラーは市販されているものを用いることができ、勿論、2種類以上を併用してもよい。
弾性層11の厚さは、例えば、0.5mm〜20mmであり、好ましくは、2mm〜6mmである。これは、トナーの定着性を向上させ、画像の高画質化を図るためである。
離型層12は、高い離型性の合成樹脂材料からなるのが好ましく、フッ素樹脂等を挙げることができる。フッ素樹脂としては、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等を挙げることができ、特にパーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)が好ましい。離型層12の厚さは、定着加圧ロールに高い離型性を付与できる厚さであれば、特に制限はないが、例えば、1μm〜100μmであり、好ましくは、30μm〜70μmである。なお、離型層12は設けなくてもよい。離型層12を設けない場合は、例えば、後述する実施形態3に示すような定着ベルト20の定着ロール30Aとして用いることが好ましい(図5参照)。
本発明によれば、加圧により多孔質フィラー密集部のマイクロ樹脂バルーンを割れた状態に破壊することができる。割れた状態に破壊されてできた空隙間は、多孔質フィラーによってわずかに連通化される。これにより、加圧ロール1の更なる低硬度化が実現される。さらに、空隙間がわずかに連通化された状態でシリコーンゴムを加熱(二次硬化)すると、多孔質フィラーから発生するエアーを、この空隙を介して徐々に取り除くことができる。これにより、エアーの発生が抑制され、エアーの発生に起因する弾性層の割れが防止され、弾性層11とその周囲に設けられる部材との一体成型が可能となる。
次に、本実施形態の加圧ロールを製造する方法について以下に説明する。
本実施形態では、シリコーンゴム原料として液状シリコーンゴムを用いて加圧ロール1を製造する場合について例示する。まず、液状シリコーンゴムに、マイクロ樹脂バルーンと多孔質フィラーとを混合して、シリコーンゴム組成物を調製する。
次に、金型内にあらかじめプライマーを塗布したチューブ(離型層12)を被覆して、この金型の中央に芯体10を配置する。次に、芯体10と離型層12との間に、調製されたシリコーンゴム組成物を充填し、シリコーンゴム組成物を加熱する(一次硬化)。具体的には、液状シリコーンゴムの硬化温度以上で、マイクロ樹脂バルーンの軟化温度以下、即ち、熱可塑性高分子殻の軟化温度以下で加熱し、マイクロ樹脂バルーンを破壊させずに、シリコーンゴム組成物を硬化させてシリコーンゴムとする。
次いで、シリコーンゴムを圧力容器に入れて水圧をかけて、マイクロ樹脂バルーンを部分的に割れた状態に破壊させる。
ここで、水圧によるマイクロ樹脂バルーンの破壊工程について説明する。図2に、マイクロ樹脂バルーンが破壊される工程を説明するための概念図を示す。なお、離型層12の図示は省略する。まず、一次硬化後のシリコーンゴム101を圧力容器102に入れ、圧力容器102を水で満たす(図2(a))。次に、圧力容器102内を水圧で加圧する。この水圧処理により、シリコーンゴム101は圧縮され、マイクロ樹脂バルーン103は部分的に割れた状態に破壊されて空隙105となる(図2(b))。次に、圧力容器102を大気圧に戻し、水を抜く(図2(c))。次いで、圧力容器102内からシリコーンゴム101を取り出し、恒温槽104にてシリコーンゴム101を加熱することで、圧縮されたシリコーンゴムを元の状態に戻すと共にさらに硬化する(二次硬化)(図2(d))。シリコーンゴム101が元の状態に戻される際、マイクロ樹脂バルーン103の破壊で形成された空隙105は、水圧がかけられる前の体積になるまで膨張する(図2(e))。このようにしてシリコーンゴム101中のマイクロ樹脂バルーン103を部分的に割れた状態に破壊させて空隙105を形成する。
なお、図2(a)〜図2(e)に示すように多孔質フィラー106は、シリコーンゴム101の水圧処理及び二次硬化の前後においてシリコーンゴム101中にそのままの状態で存在する。シリコーンゴム101の水圧処理後においては、マイクロ樹脂バルーン103間又はマイクロ樹脂バルーンの破壊で形成された空隙105間のマトリックス中にそのままの状態で存在する。
本発明では、シリコーンゴム101の加熱時に多孔質フィラーから発生するエアーを抑制することができるため、シリコーンゴム101の周囲に離型層12を設けたまま、シリコーンゴム101を加熱することができる。即ち、弾性層11(シリコーンゴム)と離型層12とを一体成型することが可能となる。
なお、水圧処理は、一次硬化後のシリコーンゴムに行うのが好ましいが、シリコーンゴム組成物の硬化(一次硬化)と同時、又は二次硬化と同時に行っても良い。また、水圧時の加圧条件及び加圧回数を適宜調整することにより、マイクロ樹脂バルーンの破壊のタイミングや破壊の状態を制御することが可能である。このように加圧方法及び加圧回数は制限されない。
また、離型層12は、一次硬化後のシリコーンゴム101に水圧をかけた後に形成してもよく、水圧をかけた後のシリコーンゴム101を二次硬化した後に形成してもよい。このような離型層12の形成方法は、PFA等のチューブを被覆する他、例えばコーティング液の塗布により行うことができる。
次に、定着装置について説明する。図3に、本実施形態に係る定着装置の断面図を示す。図3に示すように、定着装置2は、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ベルト20と、加圧ロール1に対向する位置で定着ベルト20を内側から加圧ロール1に対して押圧して所定のニップを形成する押圧部材21と、定着ベルト20を所定温度まで加熱する加熱手段22とを具備するものである。
定着ベルト20は、対向する加圧ロール1との圧接により所定のニップを形成できるものであればよく、例えば、シームレス電鋳ベルトを少なくとも一層有する金属基体と、金属基体の内周面に形成された摺動層と、金属基体の外周面に形成された弾性層と、弾性層の外周面に形成された離型層とからなる。
押圧部材21は、ゴム等の弾性体、樹脂及び金属等から構成される。表面には、必要に応じてフッ素樹脂等からなる層が形成されることや、摺動シートや溝等が設けられることもある。なお、摺動シートの表面に凹凸加工が施されていてもよい。
加熱手段22は、定着ベルト20を加熱できるものであればよく、定着ベルト20の外側に設けられていてもよい。加熱手段22としては、ハロゲンヒーター、電熱線ヒーター、赤外線ヒーター、励磁コイル(熱源)による電磁誘導発熱等を挙げることができる。なお、加熱手段22は、押圧部材21に内蔵されていてもよい。
本実施形態に係る定着装置2は、弾性層の割れが発生しない低硬度の加圧ロール1を具備するものである。これにより、定着性に優れた信頼性の高い定着装置を実現することができる。
(実施形態2)
実施形態2では、定着加圧ロールの一例として、定着ロール及び加圧ロールを例示する。なお、実施形態1と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図4に、実施形態2に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の断面図を示す。図4に示すように、定着装置2Aは、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ベルト20と、押圧部材の代わりに、定着ベルト20を内側から加圧ロール1に対して押圧する定着ロール30とを具備する。定着ロール30には、図示されない加熱手段が外側に配置されている。本実施形態の定着加圧ロールは、図4に示す定着ロール30としても、加圧ロール1としても使用することができる。
(実施形態3)
実施形態3では、定着加圧ロールの一例として、定着ロール及び加圧ロールを例示する。なお、実施形態1と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図5に、実施形態3に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の断面図を示す。図5に示すように、定着装置2Bは、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ベルト20と、定着ベルト20を内側から加圧ロール1に対して押圧する定着ロール30Aと、加熱手段22を内蔵する加熱ロール23とを具備する。定着ベルト20の内側には、定着ロール30Aと加熱ロール23とが配置され、これらの定着ロール30Aと加熱ロール23とで定着ベルト20を回転駆動するものである。本実施形態の定着加圧ロールは、図5に示す定着ロール30Aとしても、加圧ロール1としても使用することができる。
(実施形態4)
実施形態4では、定着加圧ロールの一例として、定着ロール及び加圧ロールを例示する。実施形態1と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図6に、実施形態4に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の断面図を示す。図6に示すように、定着装置2Cは、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ロール30Bとを具備する。定着ロール30Bには、図示されない加熱手段が内蔵されている。本実施形態の定着加圧ロールは、図6に示す定着ロール30Bとしても、加圧ロール1としても使用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明を限定するものではない。
(実施例1)
以下の手順で、加圧ロール1を製造した。液状シリコーンゴム(東レダウコーニング製:DY35−3114)100体積部に、マイクロ樹脂バルーン(日本フィライト製:EMC120、既膨張、平均粒径100μm〜140μm)6体積部と、SiO多孔質フィラー(旭硝子製:サンスフェアH−33、平均粒径3μm、細孔容積2mL/g、細孔径30nm、比表面積700m/g)10体積部とを配合し、ホバートミキサーにて10分間攪拌して、シリコーンゴム組成物を調製した。
次に、東レダウコーニング製プライマーを塗布乾燥した直径18mmの鉄製の芯体10を下フランジに立てた。金型内にプライマーを塗布したPFAチューブを被覆して、この金型を下フランジの周囲に配置し、上フランジを載せて固定した後、下フランジ側から注型機にて調製したシリコーンゴム組成物を流し込み、90℃の恒温槽に1.5時間入れて加熱し、シリコーンゴムを作製した(一次硬化)。その後、冷却して脱型した。脱型したシリコーンゴムを圧力容器に入れ、圧力容器を水で満たし、20MPaの水圧で10分間圧縮した後、水を除いて大気圧に戻した。次いで、恒温槽で100℃から230℃へ3時間かけて昇温させ、230℃で8時間加熱し、シリコーンゴムをさらに硬化した(二次硬化)。これにより、芯体10と、シリコーンゴムからなる弾性層11と、PFAチューブからなる離型層12とを備えた外径φ30mmの加圧ロール1を得た。
また、加圧ロール1の作製と共に、以下の手順でシリコーンゴムからなるテストピースを作製した。実施例1と同様の手順で調製したシリコーンゴム組成物を、12mm厚のテストピース型に流し込み、90℃の恒温槽に1.5時間入れて加熱し、シリコーンゴムを作製した(一次硬化)。その後、脱型したテストピースを圧力容器に入れ、圧力容器を水で満たし、20MPaの水圧で10分間圧縮した後、水を除いて大気圧に戻した。次いで、恒温槽で100℃から230℃へ3時間かけて昇温させ、230℃で8時間加熱し、シリコーンゴムをさらに硬化した(二次硬化)。
(実施例2)
実施例2では、マイクロ樹脂バルーン7.5体積部を配合した以外は実施例1と同様の工程で加圧ロール1及びシリコーンゴムからなるテストピースを作製した。
(実施例3)
実施例3では、マイクロ樹脂バルーン5体積部を配合した以外は実施例1と同様の工程で加圧ロール1及びシリコーンゴムからなるテストピースを作製した。
(比較例1)
比較例1では、水圧処理をしない以外は実施例1と同様の工程で加圧ロール1及びシリコーンゴムからなるテストピースを作製した。
(比較例2)
比較例2では、水圧処理をしない以外は実施例2と同様の工程で加圧ロール1及びシリコーンゴムからなるテストピースを作製した。
(比較例3)
比較例3では、水圧処理をしない以外は実施例3と同様の工程で加圧ロール1及びシリコーンゴムからなるテストピースを作製した。
(試験例1)
実施例1〜3、比較例1〜3に基づき作製したテストピース(以下、「弾性体」と言う。)のアスカーC硬度及び比重をそれぞれ測定した。アスカーC硬度の測定はアスカーC硬度計(高分子計器社製)を用いて行った。比重の測定は電子比重計MD−200S(A&D製)を用いて行った。弾性体の比重は、液状シリコーンゴム、マイクロ樹脂バルーン及び多孔質フィラーの重量と容積をそれぞれ算出し、単位容積あたりの重量として算出した。また、弾性体の割れの有無を目視で確認した。
表1に、実施例1〜3、比較例1〜3の弾性体の構成、アスカーC硬度及び比重の測定結果、弾性体の割れの有無の結果を示す。
水圧処理を行った実施例3の弾性体と、水圧処理を行わなかった比較例3の弾性体を比べると、硬度は実施例3の弾性体の方がわずかに低くなった。これにより、水圧処理を行うことにより、硬度を低くできることがわかった。なお、実施例3と比較例3の弾性体の比重はほぼ同等の値であった。
また、水圧処理を行わなかった比較例1,2の弾性体は割れが発生したため、水圧処理を行った実施例1,2の弾性体と、比較例1,2の弾性体の硬度及び比重との比較はできなかったが、実施例1,2の弾性体は、硬度及び比重が低い値となることがわかった。これは、水圧処理により、マイクロ樹脂バルーンが部分的に割れた状態に破壊され、割れた状態に破壊されてできた空隙間が多孔質フィラーによってわずかに連通化されたためである。
また、実施例1と比較例1との比較、実施例2と比較例2との比較により、水圧処理でマイクロ樹脂バルーンを破壊させることにより、弾性体の割れを防止できることがわかった。これは、シリコーンゴムの加熱時に、わずかに連通化された空隙を介して多孔質フィラーから発生するエアーを徐々に取り除くことができたからである。なお、比較例3の弾性体に割れが生じなかったのは、多孔質フィラーの配合量が少なかったためである。また、実施例1〜3の比較から、多孔質フィラーの配合量をより多くすることにより硬度も比重も低くできることがわかった。
以上の結果から、マイクロ樹脂バルーンと多孔質フィラーとを含むシリコーンゴムを水圧処理することにより、低硬度で割れが発生しない弾性体を得られることがわかった。このような弾性体を具備する定着加圧ロールは、定着性に優れ、信頼性の高いものとなる。
(試験例2)
上記の手順で形成した実施例1及び比較例1の弾性体の断面を観察した。図7(a),(b)に、実施例1及び比較例1の弾性体の断面写真をそれぞれ示す。
図7(a)に示すように、実施例1の弾性体は割れが発生せず、断面の色も均一であることから、均質な層が形成されていることが確認された。一方、比較例1の弾性体は、図7(b)に示すように、中央部分に割れが発生し、断面の色についてはまだらな部分が存在することから、均質な層が形成されていないことがわかった。
以上の結果から、シリコーンゴムを水圧処理することにより、均質で割れが発生しない弾性体を得られることがわかった。
1 加圧ロール
2,2A,2B,2C 定着装置
10 芯体
11 弾性層
12 離型層
20 定着ベルト
21 押圧部材
22 加熱手段
23 加熱ロール
30,30A,30B 定着ロール
101 シリコーンゴム
102 圧力容器
103 マイクロ樹脂バルーン
104 恒温槽
105 空隙
106 多孔質フィラー

Claims (4)

  1. 定着装置の定着部に用いられる定着加圧ロールであって、
    芯体と、該芯体の周囲に設けられた弾性層とを具備し、
    前記弾性層は、シリコーンゴム原料と、マイクロ樹脂バルーンと、多孔質フィラーとを混合した後、前記シリコーンゴム原料を硬化することにより得られたシリコーンゴムで構成され、
    前記シリコーンゴムは、加圧による前記マイクロ樹脂バルーンの破壊で形成された空隙と、多孔質フィラーとを含むことを特徴とする定着加圧ロール。
  2. 請求項1に記載する定着加圧ロールにおいて、
    前記加圧は、水圧であることを特徴とする定着加圧ロール。
  3. 請求項1又は2に記載する定着加圧ロールにおいて、
    前記弾性層の周囲に設けられた離型層を具備することを特徴とする定着加圧ロール。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載する定着加圧ロールを具備することを特徴とする定着装置。
JP2013194578A 2013-09-19 2013-09-19 定着加圧ロール及び定着装置 Pending JP2015060124A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013194578A JP2015060124A (ja) 2013-09-19 2013-09-19 定着加圧ロール及び定着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013194578A JP2015060124A (ja) 2013-09-19 2013-09-19 定着加圧ロール及び定着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015060124A true JP2015060124A (ja) 2015-03-30

Family

ID=52817687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013194578A Pending JP2015060124A (ja) 2013-09-19 2013-09-19 定着加圧ロール及び定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015060124A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018016376A (ja) * 2016-07-29 2018-02-01 キョーラク株式会社 多層容器
CN110579950A (zh) * 2018-06-07 2019-12-17 佳能株式会社 定影构件和热定影装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018016376A (ja) * 2016-07-29 2018-02-01 キョーラク株式会社 多層容器
CN110579950A (zh) * 2018-06-07 2019-12-17 佳能株式会社 定影构件和热定影装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6191821B2 (ja) 定着加圧ロール及び定着装置
JP6302253B2 (ja) 加圧用回転体及びその製造方法、並びに加熱装置
JP5348677B1 (ja) 定着加圧ロール及び定着装置
JP2016024214A (ja) ニップ部形成部材、画像加熱装置、及びニップ部形成部材の製造方法
JP6565850B2 (ja) 高連泡シリコーンゴムスポンジの製造方法及び高連泡シリコーンゴムスポンジ用液状シリコーンゴム組成物並びにシリコーンゴムスポンジ
JP2015060124A (ja) 定着加圧ロール及び定着装置
EP3171226B1 (en) Pressing member and fixing device
KR20180109702A (ko) 전자사진용 회전가능 가압체 및 그 제조 방법, 및 정착 장치
JP2014215363A (ja) 定着加圧ロール及び定着装置
JP6331015B2 (ja) 定着加圧ロールの製造方法及び定着装置の製造方法
JP5759172B2 (ja) 定着部材及び定着装置
JP2016024461A (ja) 加圧部材、及び定着装置
JP2015031755A (ja) 定着加圧ロール及び定着装置
JP2015022082A (ja) 定着加圧ロール及び定着装置
JP6531891B2 (ja) 定着・加圧ロールの製造方法及び定着装置の製造方法
CN105511243B (zh) 定影、加压辊的制造方法
JP2015052756A (ja) 定着加圧ロール及び定着装置
JP4132696B2 (ja) 定着器用ローラ
JP2018132717A (ja) 熱定着用ゴムローラ
JP6085794B2 (ja) 定着加圧ロール
JP2019012171A (ja) 定着部材、および加熱定着装置
JP2021076801A (ja) 定着器用シリコーンスポンジローラ、及び加熱定着装置
JP2018120041A (ja) 熱定着用ゴムローラの製造方法
JP2009223204A (ja) 複合部材、トナー定着部体、定着装置、化学・医療用部品、化学・医療用装置、加工搬送部品、加工装置、流体制御部品、流体制御装置及び複合部材の製造方法
JP2005309188A (ja) 加圧ローラ

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150422