JP2014215363A - 定着加圧ロール及び定着装置 - Google Patents

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新五 杉山
Shingo Sugiyama
新五 杉山
西田 晃
Akira Nishida
晃 西田
鈴木 雅也
Masaya Suzuki
雅也 鈴木
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Abstract

【課題】有害な分解生成物がない低硬度且つ低熱容量の定着加圧ロール及び定着装置を提供する。
【解決手段】定着装置の定着部に用いられる加圧ロール1は、芯体10と、芯体10の周囲に設けられた弾性層11とを具備し、弾性層11は、含有しているガラスバルーンが破壊することにより形成された空隙を保持する硬化シリコーンゴムで構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリコーンゴムからなる弾性層を具備する定着加圧ロール及び定着装置に関し、定着部の定着ロール及び加圧ロール等に用いて好適なものである。
複写機、ファクシミリ、レーザビームプリンター等の画像形成装置に搭載される定着装置は、無端状の定着ベルトと、定着ベルトに対向して配置される定着加圧ロールとを備える。定着加圧ロールは、金属製芯体、シリコーンゴム等からなる弾性層及びフッ素樹脂等からなる離型層で構成される。定着加圧ロールを構成する弾性層には、寸法変化、硬度及び比重が小さく、対向する定着ベルト等に内蔵される熱源から熱を奪い難い低熱容量の発泡シリコーンゴムが多く用いられている。
しかしながら、発泡シリコーンゴム中のセルの形状はいびつであり、セルの大きさも揃っていない。このようなセルを有する発泡シリコーンゴムを加圧ロールとして使用すると、使用時の応力でセル壁が破壊し、反力が低下するという問題がある。
そこで、シリコーンゴムにマイクロ樹脂バルーン又はガラスバルーンを配合し、これらのバルーンでセルを形成する手法が提案されている(特許文献1、2参照)。
しかしながら、ガラスバルーンでセルを形成する手法では、充填量に比例して硬度が上昇し、低熱容量化と低硬度化の両立が達成できないという問題がある。また、マイクロ樹脂バルーンでセルを形成する手法では、マイクロ樹脂バルーンが熱分解することで有害な分解生成物が発生し、環境汚染を引き起こすという問題がある。
他方、近年のウォーミングアップ時間の短縮等の観点から、定着加圧ロールの熱容量をより一層低減することが強く求められている。
特開2007−065424号公報 特開2005−091735号公報
本発明は、このような事情に鑑み、有害な分解生成物がない低硬度且つ低熱容量の定着加圧ロール及び定着装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、定着装置の定着部に用いられる定着加圧ロールであって、芯体と、該芯体の周囲に設けられた弾性層とを具備し、前記弾性層は、含有しているガラスバルーンが破壊することにより形成された空隙を保持する硬化シリコーンゴムで構成されることを特徴とする定着加圧ロールにある。
かかる発明によれば、弾性層中にガラスバルーンが破壊することにより形成された空隙が保持されることにより、低硬度且つ低熱容量の定着加圧ロールを実現することができる。
ここで、前記空隙は、前記硬化シリコーンゴムに圧力をかけて前記ガラスバルーンが破壊することにより形成されることが好ましい。
これによれば、ガラスバルーンが確実に破壊されるため、定着加圧ロールは、より低硬度且つ低熱容量となる。
ここで、前記圧力は、水圧であることが好ましい。
これによれば、ガラスバルーンが割れることにより形成される空隙がより多く形成され、定着加圧ロールは、さらに低硬度となる。また、ガラスバルーンを割ることで空隙を形成するため、熱分解による分解生成物が発生することがない。
ここで、前記何れかの態様に記載する定着加圧ロールは、前記弾性層の周囲に設けられた離型層を具備することが好ましい。
これによれば、有害な分解生成物がなく、低硬度且つ低熱容量の定着加圧ロールを実現することができる。
本発明の他の態様は、前記何れかの態様に記載する定着加圧ロールを具備することを特徴とする定着装置にある。
かかる発明によれば、有害な分解生成物がない低硬度且つ低熱容量の定着加圧ロールを具備するため、環境特性及び定着性に優れた信頼性の高い定着装置を実現することができる。
本発明によれば、環境特性及び定着性に優れた信頼性の高い定着加圧ロール及び定着装置が実現される。
実施形態1に係る加圧ロールの横断面図及び縦断面図。 実施形態1に係る弾性層中のガラスバルーンが破壊される工程を説明するための概念図。 実施形態1に係る加圧ロールを具備する定着装置の断面図。 実施形態2に係る定着加圧ロールを具備する定着装置の断面図。 実施形態3に係る定着加圧ロールを具備する定着装置の断面図。 実施形態4に係る定着加圧ロールを具備する定着装置の断面図。 実施例1〜4、比較例1〜4の弾性体のアスカーC硬度とベースゴムのJIS−A硬度との関係を示すグラフ。 実施例1、5〜11の弾性体のアスカーC硬度と水圧処理時間との関係を示すグラフ。 実施例1、2及び比較例1のレーザー顕微鏡写真。
以下に、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
本発明に係る定着加圧ロールは、画像形成装置の定着部において、未定着トナー像を熱と圧力で記録媒体に定着するために用いられる。本実施形態では、定着加圧ロールの一例として、加圧ロールを例示する。
図1(a)、(b)に、実施形態1に係る加圧ロールの横断面図及び縦断面図を示す。図1(a)、(b)に示すように、加圧ロール1は、芯体10と、芯体10の周囲に設けられた弾性層11と、弾性層11の周囲に設けられた離型層12とを具備する。
本実施形態に係る弾性層11は、含有しているガラスバルーンが破壊することにより形成された空隙と、硬化シリコーンゴムで構成される。具体的には、液状シリコーンゴムと、ガラスバルーンとを混合した後、液状シリコーンゴムを加熱して硬化させ、この硬化したシリコーンゴム(硬化シリコーンゴム)に所定以上の圧力をかけることにより得られる。硬化シリコーンゴムに所定以上の圧力をかけることにより、ガラスバルーンが割れる、ひび割れる又は収縮する等の破壊が生じ、ガラスバルーンが存在する部分は空隙となる。即ち、本発明においてガラスバルーンが破壊することにより形成された空隙とは、硬化シリコーンゴムに圧力をかける前にはガラスバルーンが存在し、圧力をかけた後にガラスバルーンが破壊されたことで形成される空間をいう。
加圧ロール1の芯体10は金属又は樹脂材料からなる。金属又は樹脂材料は、加圧ロール1の芯体として用いることができるものであれば、特に制限はない。また、芯体10の形状についても制限はなく、中空であっても、中空でなくてもよい。
弾性層11を構成するシリコーンゴムは、加熱により硬化して硬化シリコーンゴムを生成するものであれば特に制限されない。本実施形態では、液状シリコーンゴムを用いている。シリコーンゴムは市販されているものを用いることができ、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
ガラスバルーンは、ガラスを主成分とする微小中空球のことである。本実施形態に係るガラスバルーンは、圧力をかけることによりガラスバルーンの外殻が破壊され、弾性層11中で空隙を形成する。このようなガラスバルーンの耐圧強度は、20.0MPa以下が好ましく、10.0MPa以下がさらに好ましい。圧力をかけるとは、ガラスバルーンを破壊するために、硬化シリコーンゴムを加圧することをいう。圧力の強さは、ガラスバルーンを破壊できる強さであれば特に制限はなく、ガラスバルーンの種類等により適宜選択することができる。なお、圧力の強さは、通常、1.0MPa〜40.0MPaが好ましく、5.0MPa〜25.0MPaがより好ましい。加圧方法としては、水、油等の液体による加圧や、空気、ヘリウム、窒素、二酸化炭素、水素及び酸素等の気体による加圧が挙げられる。加圧方法は、液圧が好ましく、これらの中でも水圧がより好ましい。
ガラスバルーンの平均粒径は、約5μm〜135μmの範囲にある。ガラスバルーンの破壊により形成された空隙の内径は、破壊前の平均粒径と同程度である。例えば、平均粒径5μm〜70μmのガラスバルーンを用いた場合、ガラスバルーンの破壊により形成された空隙の内径は、約5μm〜70μmの範囲となる。
ここで、本実施形態のガラスバルーンの平均粒径とは、レーザー回折散乱式粒度分布計により測定されたメジアン径(D50)の値のことである。上述したガラスバルーンは、市販されているものを用いることができ、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ガラスバルーンの配合量は、粒径等に応じて適宜選択することができる。ガラスバルーンの配合量は、通常、シリコーンゴム100質量部に対して、10質量部〜50質量部が好ましい。これは、弾性層11中でガラスバルーンが均一に安定して分散できる量である。
弾性層11の厚さは、例えば、0.5mm〜20mmであり、好ましくは、2mm〜6mmである。これは、トナーの定着性を向上させ、画像の高画質化を図るためである。
離型層12は、高い離型性の合成樹脂材料からなるのが好ましく、フッ素樹脂等を挙げることができる。フッ素樹脂としては、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)等を挙げることができ、特にパーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)が好ましい。離型層12の厚さは、加圧ロール1に高い離型性を付与できる厚さであれば、特に制限はないが、例えば、1μm〜100μmであり、好ましくは、10μm〜50μmである。なお、離型層12は設けなくてもよい。
次に、本実施形態の加圧ロールを製造する方法について以下に説明する。
本実施形態では、液状シリコーンゴムを用いて加圧ロール1を製造する場合について例示する。まず、液状シリコーンゴムに、ガラスバルーンを混合し、液状シリコーンゴム組成物を調製する。
次に、金型に芯体10を配置し、芯体10の周りに液状シリコーンゴム組成物を充填し、液状シリコーンゴム組成物を加熱硬化させ、硬化シリコーンゴムを作製する(一次加熱)。次いで、硬化シリコーンゴムを圧力容器に入れ、硬化シリコーンゴムに圧力をかけて、ガラスバルーンを破壊させる。本実施形態では、圧力は水圧とする。
ここで、水圧によるガラスバルーンの破壊工程について説明する。図2に、弾性層11中のガラスバルーンが破壊される工程を説明するための概念図を示す。まず、加熱硬化した硬化シリコーンゴム(弾性層11)を圧力容器に入れ、圧力容器を水で満たす(図2(a))。次に、圧力容器内を水圧で加圧する。この水圧により、硬化シリコーンゴムは圧縮され、ガラスバルーンが割れる、ひび割れる又は収縮する等の破壊が生じる(図2(b))。次に、圧力容器を大気圧に戻し、水を抜く(図2(c))。次いで、圧力容器内から硬化シリコーンゴムを取り出し、恒温槽にて加熱することで、圧縮された硬化シリコーンゴムを元の状態に戻す(図2(d))。硬化シリコーンゴムが元の状態に戻される際、破壊されたガラスバルーンにより形成されたセルは、水圧がかけられる前の体積になるまで膨張する。これにより、水圧がかけられる前にガラスバルーンが存在していた部分は、空隙となる。(図2(e))。このようにして硬化シリコーンゴム中のガラスバルーンを破壊させて空隙を形成する。その後、硬化シリコーンゴムを加熱する(二次加熱)。
次に、弾性層11の周囲に離型層12を形成する。離型層12は、PFAチューブを用いる他、例えばコーティング液の塗布により形成してもよい。
製造された加圧ロール1は、低硬度且つ低熱容量となる。これは、ガラスバルーンを含有する硬化シリコーンゴムに圧力をかけることにより、ガラスバルーンの破壊が促進され、弾性層11中に多くの空隙が形成されたことに起因する。
なお、加圧は、液状シリコーンゴムが硬化した後に行うのが好ましいが、液状シリコーンゴムの硬化と同時に行ってもよく、複数回行ってもよい。また、加圧時の圧力条件を適宜変更することにより、破壊のタイミングや破壊の状態を制御することが可能である。このように加圧方法及び加圧回数は制限されない。
次に、定着装置について説明する。図3に、本実施形態に係る定着装置の断面図を示す。図3に示すように、定着装置2は、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ベルト20と、加圧ロール1に対向する位置で定着ベルト20を内側から加圧ロール1に対して押圧して所定のニップ部を形成する押圧部材21と、定着ベルト20を所定温度まで加熱する加熱手段22とを具備するものである。
定着ベルト20は、対向する加圧ロール1との圧接により所定のニップ部を形成できるものであればよく、例えば、シームレス電鋳ベルトを少なくとも一層有する金属基体と、金属基体の内周面に形成された摺動層と、金属基体の外周面に形成された弾性層と、弾性層の外周面に形成された離型層とからなる。
押圧部材21は、ゴム等の弾性体、樹脂及び金属等から構成される。表面には、必要に応じてフッ素樹脂等からなる層が形成されることや、摺動シートや溝等が設けられることもある。なお、摺動シートの表面に凹凸加工が施されていてもよい。
加熱手段22は、定着ベルト20を加熱できるものであればよく、定着ベルト20の外側に設けられていてもよい。加熱手段22としては、ハロゲンヒーター、電熱線ヒーター、赤外線ヒーター、励磁コイル(熱源)による電磁誘導発熱等を挙げることができる。なお、加熱手段22は、押圧部材21に内蔵されていてもよい。
本実施形態の定着装置2は、低硬度且つ低熱容量の加圧ロール1を具備するものである。これにより、定着部において、定着幅が広く確保され、トナーの定着性を向上させることができる。さらに、低熱容量であるため、ウォーミングアップ時間の短縮を図ることができる。この結果、定着性に優れた信頼性の高い定着装置を実現することができる。
(実施形態2)
実施形態2では、定着加圧ロールの一例として、定着ロール及び加圧ロールを例示する。なお、実施形態1と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図4に、実施形態2に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の断面図を示す。図4に示すように、定着装置2Aは、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ベルト20と、押圧部材の代わりに、定着ベルト20を内側から加圧ロール1に対して押圧する定着ロール1Aとを具備する。定着ロール1Aには、図示されない加熱手段が外側に配置されている。本発明の定着加圧ロールは、図4に示す定着ロール1Aとしても、加圧ロール1としても使用することができる。
(実施形態3)
実施形態3では、定着加圧ロールの一例として、インナーロール及び加圧ロールを例示する。なお、実施形態1と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図5に、実施形態3に係るインナーロール及び加圧ロールを具備する定着装置の断面図を示す。図5に示すように、定着装置2Bは、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ベルト20と、定着ベルト20を内側から加圧ロール1に対して押圧するインナーロール1Bと、加熱手段22を内蔵する加熱ロール23とを具備する。定着ベルト20の内側には、インナーロール1Bと加熱ロール23とが配置され、これらのインナーロール1Bと加熱ロール23とで定着ベルト20を回転駆動するものである。本発明の定着加圧ロールは、図5に示すインナーロール1Bとしても、加圧ロール1としても使用することができる。
(実施形態4)
実施形態4では、定着加圧ロールの一例として、定着ロール及び加圧ロールを例示する。実施形態1と同一部材には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図6に、実施形態4に係る定着ロール及び加圧ロールを具備する定着装置の断面図を示す。図6に示すように、定着装置2Cは、加圧ロール1と、加圧ロール1に対向して配置される定着ロール1Cとを具備する。定着ロール1Cには、図示されない加熱手段が内蔵されている。本発明の定着加圧ロールは、図6に示す定着ロール1Cとしても、加圧ロール1としても使用することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明を限定するものではない。以下の実施例及び比較例では、シリコーンゴムを硬化させたときにJIS−A硬度が5°、10°、20°、30°になる液状シリコーンゴムを用いて、加圧ロール1を作製した。なお、JIS−A硬度とは、JIS K6253タイプAに準拠したデュロメータ硬さ試験において測定されるデュロメータ硬度である。
(実施例1)
実施例1では、シリコーンゴムを硬化させたときにJIS−A硬度が30°になる液状シリコーンゴムを用いて、加圧ロール1を作製した。
液状シリコーンゴム(信越化学工業(株)製:KE−2350−48)100質量部に、ガラスバルーン(住友3M(株)製:グラスバブルスK25)25質量部を加え、ホバートミキサーにて10分間攪拌して、液状シリコーンゴム組成物を調製した。
シリコーンプライマーを塗布乾燥した直径18mmの鉄製芯体を下フランジに立て、円筒状の金型を被せた。上フランジを載せ固定した後、下フランジ側から注型機にて調製した液状シリコーンゴム組成物を充填し、130℃の恒温槽で60分間加熱し、液状シリコーンゴムを硬化させた。
その後、冷却して脱型した。脱型した硬化シリコーンゴムを圧力容器に入れ、圧力容器を水で満たし、20MPaの水圧で10分間圧縮した後、水を除いて大気圧に戻した。次いで、230℃の恒温槽で8時間加熱した。その後、硬化シリコーンゴムの表面に接着剤を塗布しPFAチューブを被せた。これにより、芯体10と、硬化シリコーンゴムからなる弾性層11と、PFAチューブからなる離型層12とを備えた外径φ30mmの加圧ロール1を得た。
また、加圧ロール1の作製と共に、以下の手順で弾性層からなるテストピースを作製した。実施例1と同様の手順で調製した液状シリコーンゴム組成物を、12mm厚のテストピース型に流し込み、130℃の恒温槽で60分間加熱し、液状シリコーンゴムを硬化させた。その後、脱型したテストピースを圧力容器に入れ、圧力容器を水で満たし、20MPaの水圧で10分間圧縮した後、水を除いて大気圧に戻した。次いで、230℃の恒温槽で8時間加熱した。
(実施例2)
実施例2では、シリコーンゴムを硬化させたときにJIS−A硬度が20°になる液状シリコーンゴム(信越化学工業(株)製:KE−2350−40)を用いた以外は実施例1と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(実施例3)
実施例3では、シリコーンゴムを硬化させたときにJIS−A硬度が10°になる液状シリコーンゴム(信越化学工業(株)製:KE−2350−28)を用いた以外は実施例1と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(実施例4)
実施例4では、シリコーンゴムを硬化させたときにJIS−A硬度が5°になる液状シリコーンゴム(信越化学工業(株)製:KE−2350−16)を用いた以外は実施例1と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(実施例5)
実施例5では、水圧処理時間を5分とした以外は実施例1と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(実施例6)
実施例6では、水圧処理時間を2分とした以外は実施例1と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(実施例7)
実施例7では、水圧処理時間を1分とした以外は実施例1と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(実施例8)
実施例8では、水圧を10MPaとした以外は実施例1と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(実施例9)
実施例9では、水圧を10MPaとした以外は実施例5と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(実施例10)
実施例10では、水圧を10MPaとした以外は実施例6と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(実施例11)
実施例11では、水圧を10MPaとした以外は実施例7と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(比較例1)
比較例1では、水圧処理を行わない以外は実施例1と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(比較例2)
比較例2では、水圧処理を行わない以外は実施例2と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(比較例3)
比較例3では、水圧処理を行わない以外は実施例3と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(比較例4)
比較例4では、水圧処理を行わない以外は実施例4と同様の手順で加圧ロール1及びテストピースを作製した。
(試験例1)
実施例1〜11、比較例1〜4に基づき作製したテストピース(以下「弾性体」という)のアスカーC硬度を測定することにより、弾性体の硬度を評価した。また、リファレンスとして、JIS−A硬度が5°、10°、20°、30°の硬化シリコーンゴム(以下「ベースゴム」という)のアスカーC硬度を測定した。なお、アスカーC硬度の測定はアスカーC硬度計(高分子計器社製)を用いて行った。
図7に、実施例1〜4、比較例1〜4の弾性体及びベースゴムのアスカーC硬度とベースゴムのJIS−A硬度との関係を示す。また、図8に、実施例1、5〜11の弾性体のアスカーC硬度と水圧処理時間との関係を示す。
図7に示すように、ベースゴムのJIS−A硬度が5°、10°、20°、30°のいずれの場合においても、水圧処理を施すことにより、アスカーC硬度が大幅に低くなり、ベースゴム自体の硬度に近づくことがわかった。これにより、水圧処理により多くのガラスバルーンが破壊され、弾性体が低硬度化されていることが推測された。
図8に示すように、水圧処理の時間は、1分よりも10分の方が弾性体のアスカーC硬度は低くなった。しかしながら、1分〜5分の短い時間でも弾性体の硬度を低くできることがわかった。また、水圧は、10MPaより20MPaの方が弾性体の硬度をさらに低くできることがわかった。
(試験例2)
実施例1、2及び比較例1の弾性体をレーザー顕微鏡を用いて観察した。図9(a)〜(c)に、倍率1000倍でそれぞれ観察した実施例1、2及び比較例1の弾性体のレーザー顕微鏡写真を示す。
図9(a)、(b)に示すように、水圧処理を行った実施例1、2の弾性体は、約5μm〜70μmのガラスバルーンが層全体に亘って存在していることが確認された。また、ガラスバルーンのひび割れも多く確認された。この結果、水圧処理を施すことにより、ガラスバルーンの破壊が促進されることがわかった。
一方、図9(c)に示すように、水圧処理を行わなかった比較例1の弾性体については、約5μm〜70μmのガラスバルーンが層全体に亘って存在することが確認されたが、ガラスバルーンの表面が割れた又はひび割れた状態はほとんど確認できなかった。また、ガラスバルーンが破壊することにより形成された空隙もほとんどなかった。
以上の結果から、弾性体(硬化シリコーンゴム)に水圧をかけ、含有しているガラスバルーンを破壊させることにより、弾性体は低硬度化し、低熱容量化することがわかった。このような弾性体を具備する加圧ロールは、定着性に優れた信頼性の高いものとなる。
1 加圧ロール
2,2A〜2C 定着装置
1A 定着ロール
1B インナーロール
1C 定着ロール
10 芯体
11 弾性層
12 離型層
20 定着ベルト
21 押圧部材
22 加熱手段
23 加熱ロール

Claims (5)

  1. 定着装置の定着部に用いられる定着加圧ロールであって、
    芯体と、該芯体の周囲に設けられた弾性層とを具備し、
    前記弾性層は、含有しているガラスバルーンが破壊することにより形成された空隙を保持する硬化シリコーンゴムで構成されることを特徴とする定着加圧ロール。
  2. 請求項1に記載する定着加圧ロールにおいて、
    前記空隙は、前記硬化シリコーンゴムに圧力をかけて前記ガラスバルーンが破壊することにより形成されることを特徴とする定着加圧ロール。
  3. 請求項2に記載する定着加圧ロールにおいて、
    前記圧力は、水圧であることを特徴とする定着加圧ロール。
  4. 請求項1〜3の何れか一項に記載する定着加圧ロールにおいて、
    前記弾性層の周囲に設けられた離型層を具備することを特徴とする定着加圧ロール。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載する定着加圧ロールを具備することを特徴とする定着装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020170745A (ja) * 2019-04-01 2020-10-15 Tdk株式会社 磁石構造体、磁石構造体の製造方法、及びモータ

Cited By (1)

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JP2020170745A (ja) * 2019-04-01 2020-10-15 Tdk株式会社 磁石構造体、磁石構造体の製造方法、及びモータ

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