JP4157994B2 - 事務機器用ローラの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、事務機器用ローラの製造方法に関し、更に詳細には、薄い肉厚であって低い硬度と高い耐久性とを両立し得て、事務機器に好適に使用することのできるローラの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
コピー機、プリンタその他ファクシミリ等に代表されるOA事務機器には、印刷媒体である紙の搬送、感光体への帯電、トナーの付与や搬送および該トナーの印刷媒体への転写や残留トナーの除去等のために、ゴム等の高分子弾性体からなるローラが好適に使用されている。これは前記弾性体が有する低硬度、で耐久性が高いという物性が、前記ローラに求められる特性、すなわち少ない加圧(ニッブ圧)によって大きく凹むと共に、繰り返し利用しても弾性が回復するという良好な永久圧縮歪み特性を満たしているからである。そこで、前記の物性を有する弾性体を所望の円筒形状に成形・加工し、これをローラの回転軸(以下シャフトという)に取り付けることで、事務機器用のローラが一般に製造されている。
【0003】
弾性体を使用して前記事務機器用ローラを得る製造方法として、以下の各方法が知られている。
▲1▼ 所望形状の成形型に、ポリウレタン等の液状原料やゴム・熱可塑性エラストマの如き粘弾性原料を充填・発泡させ、硬化後に冷却して取り出す弾性体の製造方法。これには、例えば射出成形、トランスファーまたはプレス等が使用される。この場合、シャフトは一体成形とするか、あるいは成形後に接着または圧入により取り付けられる。
▲2▼ ▲1▼の方法を用いて、予めブロック状(直方体)の弾性体を製造し、これにシャフトを接着または圧入等の方法で後付けする。次いで、例えばニクロム線ヒーターにより加熱溶断および研磨してローラ本体を製造するか、あるいは特開平10−104937号公報に開示のピーリング加工により外皮を剥いでいくことでローラ本体を製造する。
▲3▼ 弾性体材料を発泡させつつ押し出す所謂押出発泡成形することで、ローラ本体を製造する方法。この場合、シャフトは成形後に取り付けられる。
▲4▼特開平7−76049号公報に開示される如く、回転中のシャフトの外方に配設したアプリケーターを、該シャフトと平行に移動させつつ弾性体原料を供給し、該原料を発泡・硬化させることで所望のローラを得る方法。
【0004】
ところで近年、事務機器の小型化に伴って、前記ローラの外径が小さくなる傾向にある。このためシャフトの周りのローラ本体をなす弾性体も、可能な限り薄い肉厚でありながら、必要な特性を満すことが要求されている。しかしこの要望に対して、前述の各方法は何れも以下の欠点が指摘される。
▲1▼ 必要とされる製品寸法に合わせた成形型を製作することで、様々な肉厚のローラに対応可能ではある。しかし前述したように該ローラの種類は多いので、夫々のローラ毎に専用の成形型を製作する必要があり、製作コストの増大を招くと共に、成形型の管理等の手間を要す。またローラ成形完了後に前記成形型から抜き出す手間と、該成形型の清掃作業も必要である。
▲2▼ 予め成型したブロック体を所望の大きさ形状に削っていくものであるので、例えば5mm程度と肉厚の薄いローラを製作する場合には、無駄に消費する弾性体の量が多くなり、製造コストが増大する。
▲3▼ 前記▲1▼と同様に夫々のローラ毎に専用の押出型を必要とするので、製作コストの増大および押出型の管理等に手間がかかる。更に2mm程度以下のローラを製作するに当たっては、その製作が非常に困難であると共に、得られたローラの外径および内径の真円度精度が低く、歩留まりが悪化する。
▲4▼ シャフトに塗布された弾性体原料の発泡が、発泡時の弾性体温度のバラツキにより不均一となり、部位により発泡セル径、セル構造および弾性体密度の相違したローラとなってしまう畏れががある。また、発泡反応に追随して起こる高分子反応が促進され、容易に形状が崩れない発泡構造を有するようになるまでは、この弾性体原料は所謂僅かな気泡を有する液状物に過ぎず、見掛け粘度は、元の液状弾性体原料時の粘度よりも低下する。このためシャフトに供給されても弾性体原料は垂れ落ちて流れてしまう場合がある。
また前記▲1▼〜▲4▼の何れの製法についても、硬度を低く設定するためには、一般にAIBN(アゾビイゾブチルロニトリル)等の発泡剤を増量して低密度化することで対応しているが、これは同時に永久圧縮歪みの悪化にもつながり、従ってロールとしての特性の両立が困難となっていた。
【0005】
そこで、前述の各欠点を回避するローラおよびその製造方法として、▲5▼特開平8−6417号公報には、ローラを構成する弾性体を例えば帯状の長尺物として製作して、この弾性体をシャフトの外周に螺旋状に巻き付け固定し、最終的にローラ最外周部を研磨することで所望形状のローラを得る製造方法が開示されている。また、▲6▼特開平7−72754号公報には、前記▲1▼〜▲3▼等の一般的な製造方法によりローラを製造した後、該ローラの横断面において中心を通る半径線に対して所要角度傾斜した放射線状をなすと共に、ローラ長手方向に連続した複数本のスリットを設けるローラの製造方法が開示されている。これらの製造方法では、ローラに螺旋状または長手方向に連続した切れ目が設けられることになるので、この切れ目がローラを構成する弾性体の見掛け硬度を低下させ、従って低硬度と永久圧縮歪み特性の両立を達成させるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述の▲5▼および▲6▼に開示されたローラおよびその製造方法では、これにより製造されたローラに設けた切れ目が、ローラ使用時に紙等の印刷媒体に対して機械的および電気的に不連続性を発現させて、例えば印刷物に該切り目に沿ったしわ、印刷かすれ等の跡を残してしまう欠点が指摘される。
【0007】
【発明の目的】
この発明は、従来技術に係る事務機器用ローラの製造方法に内在していた問題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、低い硬度および高い耐久性を両立すると共に、肉厚の薄いローラを容易に製造し得る方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の別の発明の事務機器用ローラの製造方法は、
事務機器用ローラの芯材となるシャフトの外周面に、所要厚のローラ本体を形成してなる事務機器用ローラの製造方法であって、
回転させた前記シャフトの外周面に、少なくとも液状エラストマ原料および界面活性剤を配合した液状エラストマ配合物と不活性ガスとを1:1〜10:1の混合比率で気体混入法によって合した混合体を、押出コーティングにより前記ローラ本体の全長に亘って一度に連続供給して、前記シャフトの外周面に厚み0 . 5〜15mmの前記混合体を付与する工程と、前記シャフトに付与された混合体を硬化させる工程とを、必要回数反復することで前記シャフトの外周面に所定厚さの前記ローラ本体を形成することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る事務機器用ローラの製造方法につき、好適な実施例を挙げて、以下説明する。本願発明者は、気体混入法によって液状エラストマ配合物に充分な量の気体を吹き込み、かつ泡立てることで得られる微細な連続気孔を多く有し、見掛け粘度の高い発泡弾性体を使用することで、硬度が低いと共に、機械的耐久性が高く、かつ薄肉であるローラが容易に得られることを知見したものである。
【0011】
(配合物調整工程について)
本発明に係る事務機器用ローラの製造方法は、図1に示す各工程からなっている。第1の配合物調整工程では、液状エラストマ配合物の調整が行なわれる。ここで好適に使用される液状エラストマ配合物とは、液状エラストマ原料および界面活性剤の少なくとも2成分からなり、その他必要に応じて硬化触媒や、電気導電性を付与するカーボンブラックまたは炭素短繊維等の電子伝導性フィラーや、イオン伝導性薬剤、また/および着色顔料、老化防止剤、クレーまたは炭酸カルシウム等に代表される充填材等が混入される。
【0012】
前記液状エラストマ原料としては、NR(天然ゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR(二トリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、アクリルゴムまたはウレタンゴム等の水系エマルジョンラテックス、軟質塩化ビニル等の有機溶媒系プラスチゾルに代表される、所謂プラスチゾル、あるいはポリウレタン、ポリウレアまたは液状シリコーンゴム等の、例えば水や有機溶媒といった分散媒を含有しない所謂液状樹脂原料が好適に使用される。
【0013】
前記界面活性剤は、前記液状エラストマ原料に気体を吹き込んで、気泡を生起させると共に、この気泡を安定化させるために使用されるが、他にも発生気泡径および硬化後の発泡した弾性体の通気量の調整・制御効果も有する。本発明で好適に使用される界面活性剤は、前述した液状エラストマ原料に併せて適宜選択されるものである。前記水系エマルジョンラテックスに好適に使用し得る界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系または両性の有機系界面活性剤が挙げられ、該有機系界面活性剤を使用することで所望の発生気泡径および硬化後の発泡した弾性体の通気量を調整・制御し得る。溶媒系ブラスチゾルまたは液状樹脂原料の場合には、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキレキン共重合体等のシリコーン系界面活性剤を、単独または前記有機系界面活性剤と併用するものが好適に使用される。
【0014】
(混合・撹拌工程について)
前述した各原料を混合して調整済み液状エラストマ配合物を得た後、この配合物中に所定の体積比で乾燥空気または乾燥窒素ガス等の不活性ガスを吹き込み、かつ充分に混合して気液混合体を得る(所謂気体混入法を用いた混合・撹拌工程)。ここで採用される気体混入法で製造される発泡体は、その気泡が非常に微細であり、かつ均一に分布する特徴を有し、例えば衣料分野での立体プリント印刷のパフ等の製造に好適に使用されている。
【0015】
本工程では、前記配合物および不活性ガスから、該不活性ガスを微細な気泡として取り込んだ気液混合体を得る(すなわち微細気泡を配合物内に生起させる)と共に、充分に両者を撹拌する工程でもある。この撹拌には、例えばオークスミキサーの如く高剪断速度で混合が可能な動的混合機や、分散総数の大きなラモンドスパーミキサーに代表され、分割分散混合を行なう静的混合機が好適に使用される。
【0016】
前記液状エラストマ配合物および不活性ガスの混合において、その混合比は非常に重要なファクターであり、該液状エラストマ配合物中のエラストマ原料の粘度が通常の1〜5ポイズ程度の場合で、液状エラストマ配合物:不活性ガス=1:1〜10:1の範囲内で行なわれる。この範囲内で両者を混合すれば、混合体の見掛け粘度が著しく大きなものとなり、後述する工程でローラ製作途中に垂れ落ちて流れる事態を回避し得る。ちなみに前記気液混合体の混合比を1:1以下とすると、見掛け粘度が小さくなり、液体状態のまま充分な気泡を生起できずに該混合体が垂れ落ちて流れてしまう。逆に10:1以上であると、垂れ流れは回避できるが、発泡した弾性体中で気泡の大きさおよび数が増大して、弾性体としての強度を維持できず永久圧縮歪み特性が悪化して、ローラとして使用し得る耐久性が達成できなくなってしまう。
【0017】
(混合体付与工程について)
前述の方法で充分に微細気泡を含んだ気液混合体が得られたら、シャフトに該気液混合体を、塗布等により付与する混合体付与工程が実施される。ここで前記シャフトの材質としては、アルミニウム、ステンレスまたは鋼材にニッケル無電解メッキを施した金属材料、あるいはポリプロピレン等の樹脂が好適に使用される。殊に所定温度以上に加熱される加圧ローラ等の場合には、耐熱性の高い金属が好適に選択される。
【0018】
前記混合体付与工程は、例えば図2に示す押出コーティングにより気液混合体Mを付与する付与装置10によって行なわれる。前記付与装置10は、シャフト20を回転可能に枢支して固定し、かつ横方向へ移動自在な固定部22と、この固定部22以外に固定されて、前記シャフト2の頭頂部に当接可能であり、上下方向に移動自在で先端に前記気液混合体Mの押出口となるダイス24aを有する押出部24と、ダイス24aに向かって高圧空気を噴射可能なエアナイフ26とから基本的に構成される。前記ダイス24aからは、前述の各工程を経て得られた気液混合体Mが、その押出量を制御された状態で該シャフト20の略全長に亘って一度に押出し塗布される。この気液混合体Mの付与に先立ち、別工程で前記シャフト20表面部に接着性を高める等の目的で、様々なプライマーを塗布する処理を施してもよい。
【0019】
このとき前記シャフト2は駆動部(図示しない)により所定速度で一定方向に回転しており、前記押出部24より押出された気液混合体Mは、図3(a)に示す如く、順次回転に従って該シャフト20の外周面に付与されていく。この付与工程が進行すると、前記シャフト20に付与された気液混合体Mが下向きになってしまうが、該気液混合体Mは充分な見掛け粘度を有しているので、該シャフト20から垂れ落ちることはない(図3(b)参照)。そして付与し終えた気液混合体Mに当接しないように、前記押出部24を順次上方に移動させながら、該混合体Mを所定厚さに達するまで付与する(図3(c)参照)。所定厚さのロール本体12となるまで付与し終えたら、押出部24からの気液混合体Mの供給を停止すると共に、前記エアナイフ26により既に付与された該混合体Mとダイス24aとを切り離す(図3(d))。ここでは両者の切り離しにエアナイフ26を用いたが、殊にこれに限定されるものではなく、例えば直接的に前記ダイス24aを閉成し得る開閉手段を切り離し手段として用いてもよい。そして本混合体付与工程と、後述の硬化工程を繰り返すことで、所望厚さを有するローラ本体12を得るものである。本実施例で採用したこの塗布方法は、所謂押出コーティング法であるので、所定量の付与が容易という特徴を有している。その他にもバーコーティングを含むキス(接触)・コーティングやグラビア・コーティングに代表されるローラ・コーティング、ディップ・コーティングおよびスプレー・コーティングがその特徴に応じて適宜選択的に採用される。
【0020】
前述した混合体付与工程が終了したら、前記固定部22と共に、シャフト20を移動させて、別のシャフト20を固定した固定部22を所定位置に配置し、引き続いて次の付与工程に移る。この方法で一度に付与される気液混合体Mの厚さ、前記所定厚さは0.5〜15mm程度が適当である。この厚さが15mmを上回ると、前記気液混合体Mが自体の自重に耐えられなくなり真円度の低いいびつなローラが出来てしまう。また0.5mmを下回ると、所望の厚さを得るまでにより多くの本付与工程および後述の硬化工程を行なう必要を生じ、製造コストが嵩むと共に、気液混合体Mの付与時に最外周部に形成される、所謂スキン層が相対的に多くなって低硬度を維持し得なくなるので、本願の目的を達成し得なくなってしまう畏れがある。
【0021】
(硬化工程)
次に、前述の混合体付与工程で付与された気液混合体Mを硬化させるために、硬化工程が行なわれる。この硬化工程で採用される硬化方法は、通常に使用される硬化方法でよく、例えば自発的な化学反応、外部からの加熱または放射線照射等の方法が挙げられる。
【0022】
また前記硬化方法は、前記液状エラストマー原料の種類によっても分類されるので、該原料別の硬化方法を以下に述べる。前記液状エラストマー原料が水系エマルジョンラテックスの場合、表面に不溶性物質を生成させ、ラテックス粒子を相互に付着させることでゲル化させ、引き続き加熱加硫を施す方法や、加熱により分子構造に変化を起こさせたり、または水分除去をトリガーとして混合体Mをゲル化させ、引き続いて分子間の架橋反応を起こすことで硬化させる方法が知られている。例えば軟質塩化ビニル等の有機溶媒系プラスチゾル等の溶媒系プラスチゾルの場合、先ず加熱による溶媒量の減少をトリガーとしてゲル化させ、更に加熱を施して溶媒を完全除去して硬化する方法が知られている。例えばポリウレタン等の分散媒を含有しない液状樹脂原料の場合、硬化剤を主剤中に混合することで起こる自発的な硬化による方法や、加熱またはガンマ線等の放射線をトリガーとして、架橋反応を起こさせて硬化させる方法が知られている。
【0023】
前述の混合体付与工程および本硬化工程により、所定厚さを有するローラ層は得られるが、前述の如く一度に付与される該ローラの厚みは0.5〜15mmであるので、該ローラが所望厚さに達するまで混合体付与工程および硬化工程が繰り返し行なってもよい。最終的に所望の厚さとされたローラは、洗浄等を施されて内部に残留した未反応物質を除去して完成に至る。
【0024】
(加工工程)
以上の工程を経ることで、所望厚さを有するローラが得られるものであるが、その他の有用な機能や、歩留まりを向上させるために次の加工工程を必要に応じて実施してもよい。製品歩留まりを向上させたり、緻密なローラ外径精度を求められるローラの場合には、得られたローラ外表面に研磨加工を施して所望外径に精密調整する加工工程が考えられる。本発明においては、0.5〜15mm単位でローラの所望厚さが決定可能であるので、研磨加工によって無駄なる原料および製作時間は従来に較べて、非常に小さくて済むものである。またこの研磨加工は、ローラの最外表面に形成されているスキン層をはぎ取る際にも好適に採用される。このようにして最外表面のスキン層を除去すると、セル骨格が露出して表面が凸凹形状になり、表面積が大きく増大することになるので、例えばトナー搬送ローラの如き用途のローラに好適に利用される。
【0025】
その他に、前記最外表面にコーティング膜を施す加工工程を実施してもよい。例えばフッ素をコーティングしたローラでは、表面の離型性が大きく向上し、加圧ローラに採用すれば、トナーがローラから容易に剥離するので高画質を得ることができる。また電気導電度を付与する、例えばカーボンブラックを含有する導電膜を付与する加工工程も考えられる。この場合、ローラ表面の電気伝導度や抵抗値を所望値に制御し得るので、例えば帯電ローラ等に好適に施されるものである。
【0026】
【実験例】
以下複数の実験例を挙げるが、本発明はこれら実験例に開示された内容に限定されるものではない。また実験例2および実験例3に関して、実験例1と同じ部分については"実験例1と同じ"と記載した。
【0027】
(実験例1) 水系エマルジョンラテックス−1
シャフト:無電解メッキを施した、φ6mm寸法の円柱状の快削鋼を採用した。
液状ラテックス配合物:液状ラテックス原料として、ポリウレタンラテックス(第一工業製薬製 商品名 スーパーフレックスE-2000 固形分50%)100重量部、界面活性剤として、花王製 商品名 ポイズ521を2重量部を配合して配合物とした。
混合撹拌工程:最終的に混合体密度が0.3g/cm3となるように前記配合物に対し、乾燥空気を吹き込み、オークスミキサーで充分に混合・撹拌し、発泡させることで混合体を得た。
混合体付与工程:前記シャフトに対して、差渡し幅225mm、スリット間隔5mmのダイスから、前記混合撹拌工程で得られた混合体を押出することで、該混合体を5mmに付与した。
硬化工程:150℃熱風オーブン中で30分硬化・乾燥させた。
加工工程:硬化の完了したローラの両端をトリミング加工し、外周を研磨して差渡し幅220mm、肉厚3mmのローラとした。
(結果)
前述の工程から得られたローラの各物性は、密度:0.15g/cm3、ASKER F硬度:40、研磨面のセルサイズ:50μmで、このローラに1kgのニップ圧をかけた時のシャフト−ローラ外周面間の電気抵抗値は1×108Ω(1000V時)であり、例えば転写ローラに好適であった。
【0028】
(実験例2) 水系エマルジョンラテックス−2
シャフト:実験例1と同じ
液状ラテックス配合物:液状ラテックス原料として、NBRラテックス(日本ゼオン製 商品名 LX531B 固形分65%)100重量部、界面活性剤として、花王製 商品名 FR14を15重量部、その他添加物で合計63.7重量部を配合して配合物とした。前記その他添加物の内容は、カーボンブラック水分散液(ライオン製 商品名 W310A 固形分17.5%)を50重量部、粉末硫黄(細井化学製)を2重量部、老化防止剤(大内新興化学製 商品名 NS−6およびNS−30を夫々0.5重量部ずつ)を1重量部、促進剤(大内新興化学製 商品名 MZ)を1重量部、酸化亜鉛(白木化学製)を3.2重量部、トリメンベース(ダウケミカル)を2.5重量部およびケイフッ化ソーダを4重量部である。
混合撹拌工程:最終的に混合体密度が0.3g/cm3となるように前記配合物に対し、乾燥空気を吹き込み、オークスミキサーで充分に混合・撹拌し、発泡させることで混合体を得た。
混合体付与工程:実験例1と同じ。
硬化工程:実験例1と同じ。
加工工程:硬化の完了したローラの両端をトリミング加工し、外周を研磨して差渡し幅220mm、肉厚3mmのローラとして、その外周部に液状ラテックス原料と同じNBRラテックス(日本ゼオン製 商品名 LX531B 固形分65%)の塗布・乾燥を2回行ない、40μm厚の塗膜を形成し、更にその外側にメチルエチルケトンに溶解させた溶剤可溶性フッ素樹脂(住友スリーエム製 商品名THV−200P)をドライ厚さ20μmの条件で塗布した後、100℃熱風オーブン中で1時間硬化・乾燥させた。
(結果)
前述の工程から得られたローラの各物性は、ASKER F硬度:60、研磨面のセルサイズ:200μmで、このローラに1kgのニップ圧をかけた時のシャフト−ローラ外周面間の電気抵抗値は1×105Ω(100V時)であり、例えば帯電ローラに好適であった。
【0029】
(実験例3) 溶媒系
シャフト:実験例1と同じ
液状ラテックス配合物:液状ラテックス原料として、アクリルエマルジョン(イーテック製 商品名 F439A 固形分60%)100重量部、界面活性剤として、花王製 商品名 エマールAD25を5重量部および花王製 商品名 ペレックスTAを7重量部、その他添加物として、カーボンブラック水分散液(ライオン製 商品名 W310A 固形分17.5%)を50重量部およびメラミン樹脂架橋剤(住友化学製 商品名 スミテックスM3)を2重量部を配合して配合物とした。
混合撹拌工程:最終的に混合体密度が0.2g/cm3となるように前記配合物に対し、乾燥空気を吹き込み、オークスミキサーで充分に混合・撹拌し、発泡させることで混合体を得た。
混合体付与工程:実験例1と同じ
硬化工程:160℃熱風オーブン中で30分硬化・乾燥させた。
加工工程:硬化の完了したローラの両端をトリミング加工し、外周を研磨して差渡し幅220mm、肉厚3mmのローラとし、更に外周部にフッ素ゴムラテックス(ダイキン工業製 商品名 ダイエルラテックスGLS−213 固形分50%)を主剤:硬化剤=100:5の比率で調整して塗布厚20μmで塗布した後、160℃熱風オーブン中で1時間硬化・乾燥させた。
(結果)
前述の工程から得られたローラの各物性は、密度:0.1g/cm3、ASKERF硬度:60、研磨面のセルサイズ:30μmで、このローラに1kgのニップ圧をかけた時のシャフト−ローラ外周面間の電気抵抗値は1×104Ω(100V時)であり、殊に帯電ローラに好適であった。
【0030】
【発明の効果】
以上に説明した如く、本発明に係る事務機器用ローラの製造方法によれば、液状エラストマ配合物と不活性ガスとを1:1〜10:1の混合比率で気体混入法により混合させることで、予め発泡状態となって見掛け粘度が上昇している混合体をシャフトに付与するようにしたので、シャフトの外周面に付与された該混合体が垂れ落ちることを防止し得ると共に、低い硬度と高い耐久性とを両立する肉厚の薄いローラを製造し得る。そして混合体は、0 . 5〜15mmの厚みでシャフトの外周面に付与されるので、該混合体の自重により形状がいびつになることなく真円度が高いローラを製造することができ、付与工程および硬化工程の反復回数が少なくなって製造コストを抑え得ると共に、スキン層が相対的に少なくなるので低硬度を維持し得る。また混合体は、押出コーティングによりローラ本体の全長に亘って一度に連続供給しながらシャフトの外周面に付与されるので、該混合体の温度にバラツキが生じず、肉厚が薄いローラであっても、原料を無駄に使用することなく、かつ効率的に製造し得る有益な利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るローラの製造方法を示すフローチャートである。
【図2】 本発明のローラの製造方法を実施するローラの製造装置を示す概略斜視図である。
【図3】図2に示した製造装置により実施される経時的な工程図である。
【符号の説明】
12 ローラ本体
20 シャフト
M 混合体

Claims (3)

  1. 事務機器用ローラの芯材となるシャフト(20)の外周面に、所要厚のローラ本体 (12) を形成してなる事務機器用ローラの製造方法であって、
    回転させた前記シャフト(20)の外周面に、少なくとも液状エラストマ原料および界面活性剤を配合した液状エラストマ配合物と不活性ガスとを1:1〜10:1の混合比率で気体混入法によって合した混合体(M)を、押出コーティングにより前記ローラ本体 (12) の全長に亘って一度に連続供給して、前記シャフト (20) の外周面に厚み0 . 5〜15mmの前記混合体 (M) を付与する工程と、前記シャフト (20) に付与された混合体(M)を硬化させる工程とを、必要回数反復することで前記シャフト (20) の外周面に所定厚さの前記ローラ本体 (12) を形成する
    ことを特徴とする事務機器用ローラの製造方法。
  2. 前記ローラ本体(12)が形成された後に、該ローラ本体(12)の外表面に研磨またはコーティングを施すようにした請求項記載の事務機器用ローラの製造方法。
  3. 前記液状エラストマ原料は、水系エマルジョンラテックスである請求項1または2記載の事務機器用ローラの製造方法。
JP37326498A 1998-12-28 1998-12-28 事務機器用ローラの製造方法 Expired - Lifetime JP4157994B2 (ja)

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