JP2005321749A - 弾性ローラの製造方法、及び電子写真用プロセスカートリッジ - Google Patents

弾性ローラの製造方法、及び電子写真用プロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】 芯金上に設けられた弾性層の膨潤を防ぎ、かつ少量の溶剤系塗布液を塗布することにより、低コストで外径精度、表面粗さの均一性、薄膜厚の均一性に優れた薄膜層を有する弾性ローラを安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】 芯金上に設けられた弾性層上に薄膜を形成した弾性ローラの製造方法において、弾性層表面に対して所定の間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口を有するリング塗布ヘッドを使用し、かつ薄膜形成が溶剤系塗布液を該吐出口より吐出して弾性層上に塗布する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、LBP(Laser Beam Printer)、複写機及びファクシミリ等のOA機器において、電子写真プロセスを利用した画像形成装置に用いる弾性ローラ(現像ローラ、帯電ローラ等)の製造方法及びその方法により製造された弾性ローラを組み込んでなる電子写真用プロセスカートリッジに関する。
従来、電子写真プロセスを利用した画像形成装置には種々の弾性ローラが使用されている。該弾性ローラとして、感光体ドラムを帯電するための帯電ローラ、感光体ドラム上に形成された静電画像へ現像剤(トナー)を供給する現像ローラがあるが、これらローラは弾性層の上に表面状態をコントロールするために少なくとも1層の薄膜が形成されている。また、近年の画像形成装置は高速化、高耐久化に伴い、画像形成装置に使用される弾性ローラ等の部品も、高精度、高耐久化が要求されている。
帯電ローラは、感光体ドラムの表面に所定の極性・電位で一様に帯電処理するものである。帯電ローラの外径精度や表面粗さ均一性が悪い場合には、感光体ドラムに接触している部分の圧力、接触面積が均一でなく、結果として、その接触部分の抵抗値が変化してしまい、感光体ドラム表面を均一に帯電することが難しくなるという問題がある。
また、帯電ローラの構成としては多層弾性ローラであることが多く、ローラの外径精度と共に、弾性層上に形成された薄膜層の膜厚均一性も重要になる。
帯電ローラを用いてハーフトーン画像による画像耐久試験を行った場合、画像耐久をしていくと共にトナー及びトナーに付着している外添剤等により帯電ローラ表面が汚れてくる。その結果、帯電ローラ表面のひどく汚れた部分を起点に白スジといった画像不良が生じる場合もある。これは帯電ローラ表面が汚れることにより感光体ドラムに均一な帯電処理ができなくなるからである。帯電ローラ表面が汚れる原因の一つとして、帯電ローラの表面粗さが比較的大きいことが考えられる。表面粗さが大きすぎる場合トナー及び外添剤に外力がかかり帯電ローラ表面に付着しやすくなる。したがって、帯電ローラの表面粗さをできるだけ下げることが非常に重要である。
更に、感光体ドラムと帯電ローラ表面との動摩擦係数(摩擦抵抗)が大きい場合、表面粗さと同様に、トナー及び外添剤に外力がかかりローラ表面に付着しやすくなるため、帯電ローラ表面の動摩擦係数を下げることも非常に重要である。
現像ローラに関しては、外径精度や表面粗さ均一性が悪い場合には、トナー供給ローラから供給されるトナーへの帯電特性(帯電量など)にバラツキを発生させ、供給されるトナーの量が安定しないという問題が生じることがある。そのために、感光体ドラムにトナーを安定して供給することが難しくなる。
また、現像ローラの構成としても多層弾性ローラであることが多く、ローラの外径精度と共に、弾性層上に形成された薄膜層の膜厚均一性も重要になる。
このような弾性層上への薄膜層の形成は、薄膜形成用塗布液を弾性ローラの外面上へ均一に塗布して乾燥あるいは硬化することが行なわれている。塗布液の弾性ローラの外面への塗布に関しては、浸漬塗布、スプレー塗布、ロール塗布、ブレード塗布等の方法がある。
浸漬塗布は比較的簡単な塗布方法であるが、ローラの浸漬に際しローラが浸漬液に浸る時間や浸漬液に生じる濃度勾配により、塗布の上部と下部とで膜厚(塗布量)に差ができてしまう。この膜厚差は、塗布液の粘度、ローラへの塗布量等により決定される。そして、膜厚精度を薄膜で均一にしようとするほど低速での塗布が余儀なくされるため、この浸漬塗布は量産性に劣る。さらに、浸漬槽上部の液面状態の安定化や浸漬槽内部の塗布液の流れ安定化のためにオーバーフロー機構、撹拌機構等が必要となり、揮発性の高い塗布液の場合、塗布液の濃度ムラが生じやすいことから、多量の塗布液粘度を安定維持させるための設備及び大量の希釈溶媒が必要となり、生産設備は大型化してしまう。また、ポットライフの短い塗布液を使用する場合、大量の塗布液が無駄になること等の欠点も有する。さらに、塗布液が有機溶剤系である場合、大量の塗布液を使用することは環境面から考えても問題である。
弾性ローラへの浸漬塗布では膜厚精度を高度にするためには塗布速度を非常に低速にしなければならないので、弾性ローラが塗布液に漬かっている時間が長くなり、塗布液の溶媒が種類によっては弾性層を膨潤させ、弾性ローラの外径精度に悪影響を及ぼし、高精度な弾性ローラを安定して製造することが困難となり、更に、弾性層を膨潤させた溶剤を揮発させる乾燥工程も長くなると考えられる。
弾性層が多層であるとき、塗布液を浸漬方法で塗布するに際し、塗布液を塗布する弾性層(第1弾性層)とそれ以下の弾性層の間に膨潤による歪が発生し、弾性層にゆがみを発生させたる。また、弾性ローラとして弾性層上に薄膜層を有するものを用いたときには、塗布液を浸漬方法で塗布するに際し、弾性層が膨潤して形成されている薄膜層を浮かせたり、薄膜層が塗布液の溶媒で膨潤あるいは部分溶解により荒れ、結果として形成した第2の薄膜層が均一な表面形状であるものが得られなかったりする問題がある。
スプレー塗布は生産量の大小に関わらず対応しやすい塗布方法である。しかし、スプレーガンより噴出した塗布液滴がローラの外面上に到達するまでに溶媒が蒸発し、塗布液滴の固形分濃度が上昇してしまい、液滴が着地面上で充分に広がらず、塗膜表面での平滑性が得られない。塗布液の構成によっては、噴出時に糸引きを起こしたり、低粘度の塗布液では均一な膜厚とするためにスプレーガンの噴出口が小径にされているので、揮発性の高い塗布液を用いた場合噴出口が閉塞したりする等の問題がある。また、均一な膜厚を得るためには、ローラとスプレーガン先端との距離を塗布液の液性に応じてある調製する必要があり、膜厚の均一性と塗布表面での粗さ増大を防ぎながら複数回塗布しなければならない。スプレー塗布では、平面への塗布では塗布液がほとんど被塗布面に付着させることが可能であるが、弾性ローラのような比較的小径のものに対してはスプレーガンから噴出される塗布液はかなりの無駄になり、たとえばローラへの付着割合(塗布効率)では一般的に5〜30%程度と極めて低くなり、そのために大量の塗布液が必要となる。また、浸漬塗布と同様、塗布液が有機溶剤系の場合、大量の塗布液を使用することは環境面から考えても問題である。
ロール塗布、ブレード塗布に関しては、弾性ローラの長さ方向に塗布用ロール又は塗布用ブレードを配置し、弾性ローラを回転させて塗布を行い、弾性ローラを1回転させた後塗布用ロールや塗布用ブレードを後退させる。この場合、塗布用ロールや塗布用ブレードを後退させる際に、塗布液の濃度や粘度によっては塗布膜厚の一部に厚みムラが生じてしまい、均一な膜厚が得られない欠点を有する。
また、スライドホッパー型リング塗布方法(例えば、特許文献1参照)や円筒形基材への塗布方法(例えば、特許文献2参照)が開示されているが、いずれも弾性層上(弾性ローラ表面上)への溶剤系塗布液の塗布、粒子を含有する分散系塗布液の塗布に関しては記載されていない。
上記したように、弾性ローラを帯電ローラや現像ローラとして使用するときに、その弾性層が多層であることが多く、製品機能上ローラ表面層の粗さを制御するため、弾性ローラ最表面に、例えば、粒子径が数μm〜数十μmである微粒子を塗布液に含有させて塗布することが行なわれる。すなわち、微粒子を塗布液に含有させて塗布することにより表面粗さが大きくなり、帯電ローラでは帯電均一性が良好になり、また、現像ローラではトナーの供給量が十分となり、画像濃度が良好になる。
この時の弾性ローラの製造方法として、浸漬塗布では塗布速度が速いと微粒子が流れてしまい表面粗さ精度が得られないと考えられ、スプレー塗布では塗布液が低粘度であると噴出口を小さくしなければ均一な塗布ができないが、この場合、塗布液に含んだ微粒子が噴出口につまってしまい、均一な塗布ができないと考えられる。
特開昭60−095440号公報 特開昭61−008164号公報
従って、本発明の課題は、芯金上に設けられた弾性層の膨潤を防ぎ、かつ少量の溶剤系塗布液を塗布することにより、低コストで外径精度、表面粗さ均一性、薄膜厚均一性に優れた薄膜層を有する弾性ローラを安定して製造する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、弾性ローラに対し、その弾性層の上にリング塗布ヘッドで溶剤系塗布液を塗布することにより、容易に均一な薄膜を形成することが可能であり、また、形成された塗膜も容易に乾燥できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、芯金上に設けられた弾性層上に薄膜を形成した弾性ローラの製造方法において、弾性層表面に対して所定の間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口を有するリング塗布ヘッドを使用し、かつ薄膜形成が溶剤系塗布液を該吐出口より吐出して弾性層上に塗布することからなることを特徴とする弾性ローラの製造方法である。
なお、弾性層に用いられる弾性材料と薄膜形成用溶剤系塗布液の溶剤の溶解度パラメーター(SP値)の差の絶対値が4.0以下であること、薄膜形成用溶剤系塗布液中の溶剤量が全塗布液中90wt%以上であることが好ましい。
また、薄膜を形成する弾性層の表面粗さRzjis1994(JIS B0601:1994)が3.0μm以下であることが好ましい。
さらに、溶剤系塗布液を弾性層上に塗布した後、該塗布面に対して紫外線を照射することが好ましい。
また、前記溶剤系塗布液が、平均粒子径0.1μm以上又は最大粒子径1μm以上の不溶性粒子を含むものであり、前記リング塗布ヘッドは、該リング塗布ヘッドの吐出口へ塗布液を分配するための塗布液流路中での液絞り部及びリング塗布ヘッドの吐出口間隙が各々0.05〜1mmであり、上記不溶性粒子の平均粒子径の8倍以上かつ最大粒子径の2倍以上であるリング塗布ヘッドであることが好ましい。
ここで、不溶性粒子が平均粒子径0.1〜50μmであることが好ましい。
さらに、本発明は、上記の製造方法により製造された弾性ローラを帯電ローラ、現像ローラ又は帯電ローラと現像ローラとして具備することを特徴とする電子写真用プロセスカートリッジである。
本発明の弾性ローラの製造方法は、スリット状の吐出口から溶剤系塗布液を均一に適量のみ吐出して薄膜層を弾性層上に形成するので、少量の溶剤系塗工液で薄膜の形成が可能であり、環境に優しく、且つ芯金上に設けられた弾性層を溶剤系塗布液に浸さないので弾性層の膨潤を防ぐことができ、余計な溶剤が少ないため溶剤を揮発させる乾燥工程も短くなり、膜厚精度、外径精度に優れていて低コストで弾性ローラを安定して得られる。さらに、リング塗布ヘッド部に全周に開口された吐出口とリング塗布ヘッド内に供給された塗布液を周配する円筒状の液分配室と液分配室の後に流路抵抗の大きな液絞り部とを有するリング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅が0.05〜1.00mmで流路幅を塗布液に含有された不溶成分の最大径の2倍以上且つ平均径の8倍以上に調整する事により、リング塗布ヘッド内の流路において、塗布液中の比較的大きい粒子及び凝集物等の不溶成分による詰り現象、それにより引き起こされる塗工スジ等の塗布欠陥が発生しないため、高速且つ安定した状態で塗布する事ができ、粗さの均一性、薄膜厚の均一性に優れたローラを得ることができる。導電性の分散系塗布液を塗布した場合には、円周方向のローラ電気抵抗値の均一性に優れたローラを得ることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明が対象とする弾性ローラの一例を断面図で示したものである。
図において、1は弾性ローラであり、該弾性ローラ1は芯金2、導電性を有する弾性層3及び表面性能を規定する薄膜層4からなる。該弾性層3は1層であっても2層以上の多層であってもかまわない。また、弾性層3の上に形成された薄膜層4も少なくとも1層必要であるが、必要な機能が種々あるときはそれぞれに応じた薄膜を多層に形成することもある。
なお、本発明では、弾性層3上への薄膜形成に、スリット状の吐出口から溶剤系塗布液を均一に適量のみ吐出して薄膜層4を弾性層3上に形成することが可能なリング塗布ヘッドを使用する点に特徴がある。
芯金2上に弾性層3が設けられただけの弾性ローラ(以下、「原料弾性ローラ」という)は、例えば、同心に軸状の芯金を2つの駒で保持する円筒金型に弾性材料を注入した後加熱することにより材料を硬化させて弾性ローラを成形する射出成形、弾性材料をチューブ状に押出し硬化させた弾性チューブへの芯金の挿入、弾性材料を芯金と一体に押出し硬化させ、芯金と弾性層を一体成形する押出成形、芯金に対して所定の間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口から弾性材料を吐出して芯金にコーティングするリングコート成形等により製造される。なお、その他の方法により製造されたもの、例えば、ブロック状弾性材料からローラ形状に削り出された弾性層へ芯金を挿入して製造したものなど、でもかまわない。さらに弾性層の表面としては表面粗さRzjis1994(JIS B0601:1994)が3.0μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは2.0μm以下である。表面粗さRzjis1994が3.0μm以下の場合、特に弾性層の膨潤を最小限に押えることができ、塗布液の乾燥工程も短縮でき、膜厚精度、外径精度に特に優れた弾性ローラを得ることができる。表面粗さRzjis1994を3.0μm以下にする方法としては、硬化温度以上に加熱された鏡面状の金属ローラに未硬化の弾性層を有するローラを押し当てて硬化と同時に表面粗さを抑える方法、表面粗さが所定以下である金型表面を有する円筒金型を用いる方法、弾性材料をチューブ状に押出して芯金に被せ研磨する方法、あるいは芯金と弾性材料を一体に押出したのみで弾性ローラを成形するクロスヘッド押出成形、また芯金に対して所定の間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口から弾性材料を吐出して芯金にコーティングするリングコート成形等がある。
以下の説明において、薄膜を多層に形成する場合は、原料弾性ローラには、予め薄膜が弾性層の上に形成されていて、さらに薄膜を形成するものも含む。また、単に弾性層と記載したときにも予め薄膜がその上に形成されていて、さらに薄膜が形成される場合も含む。
本発明で芯金2として、表面にニッケルメッキやクロムメッキしたSUM材等の鋼材を含むステンレススチール棒、リン青銅棒、アルミニウム棒、耐熱樹脂棒などが好ましく、その径としては通常4〜14mmのものが使用される。さらに、弾性層を芯金にしっかりと固定するための接着層が形成されていても構わない。
また、弾性層3は、好ましくは導電性の材料が用いられ、ポリマーとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッソゴム、塩素ゴム、エピクロルヒドリンゴムなど、いずれでも良く、ポリマー中に分散させる導電粉としてはカーボンブラック、導電性カーボン等のカーボン類、及び金属粉、導電性の繊維、あるいは酸化スズなどの半導電性金属酸化物粉体、さらにこれらの混合物などいずれでも良い。
図2に本発明で弾性層上へ薄膜を形成するのに使用する塗布装置の一例の概要を、図3に該塗布装置のリング塗布ヘッドの切り欠き断面図を示す。
図2において、11は原料弾性ローラ、12はリング塗布ヘッド、13は塗布液貯蔵タンクである。原料弾性ローラ11は、原料弾性ローラ11の外径に応じた開孔径を有するリング塗布ヘッド12の開孔を通して、上下のローラ把持軸14A、14Bにて垂直に設置され、該リング塗布ヘッド12はブラケット15に取り付けられている。ブラケット15は塗布装置本体16に設けられたスライドガイド17にLMガイド18で取り付けられている。一方、リング塗布ヘッド12へ塗布液貯蔵タンク13からは途中に定量ポンプ(本図ではシリンジポンプを示した)19を介して接続されている。一方、塗装装置本体16の架台部にはモータ20が設けられ、LMガイド18をスライドガイド17に沿って定速で移動させるためのプーリ21があり、モータ20の動力はベルト22によりプーリ21へ伝えられる。なお、本図ではリング塗布ヘッド12を移動させる例を示したが、原料弾性ロール11を上下させる構造としてもかまわない。さらに、塗布液の性状によっては本図のように垂直に原料弾性ローラ11を保持するものではなくて、水平に保持できるものでも構わない。
また、図3において、2は芯金、3は弾性層であり、ローラの上部には塗布液が塗布されている(塗布液層5)。リング塗布ヘッド12には、全周に開口された吐出口31、該吐出口31へ塗布液を供給する液分配室32が接続しており、液分配室32へは塗布液貯蔵タンクから塗布液が供給される液供給口34が設けられている。なお、液供給口34はリング塗布ヘッド12の外周に複数設けられていてもよい。塗布液が液供給口34から液分配室32、吐出口31への移送中に脈流にならないようにところどころに液絞り部35が設けられている。なお、本図では液分配室32内に液絞り部35が一段ある例を示してある。また、リング塗布ヘッド12と弾性層3表面との距離としては、0.025〜1mmとするのが適当であり、好ましくは0.1〜0.6mmとする。この範囲であれば、隙間より塗布液が垂れ下がりや塗布面への塗布液の筋の形成を抑えることができ、均一な薄膜を形成することができる。
リング塗布ヘッドは、塗布液が均一に塗布でき、かつ塗布液の溶媒に侵されない材質のものが好ましく、その材質として、通常、ステンレス、鉄、アルミニウム、銅、真鋳等の金属やフッ素樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂を用いるが、加工精度が高いステンレス等の鋼材を用いることが好ましい。
弾性ローラ表面への塗布液の吐出量は、所望の塗布膜厚と塗布液の固形分の比率及びリング塗布ヘッドと原料弾性ローラの相対移動速度より適宜決定する。なお、塗布液の粘度(B型粘度計で測定)は0.1〜500mPa・sとするのが好ましい。さらに、塗布液に不溶成分を含む(すなわち、分散系塗布液の)場合、塗布液貯蔵タンク内は液濃度が均一になるように攪拌しておくことが好ましい。塗布液に含まれる不溶成分の最大径及び平均径について、株式会社島津製作所製のレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いて測定した時、相対成分量が99%の時の径を最大径とし、相対成分量が50%の時の径を平均径とする。
原料弾性ローラ11を垂直又は水平状態に支持し、この原料弾性ローラ11に対して所定の間隔をなす距離に全周に開口された吐出口34と、リング塗布ヘッド外部にある液供給手段により、リング塗布ヘッドに具備される供給口34を1箇所以上、リング塗布ヘッド内に供給された塗布液を周配する円筒状の液分配室と液分配室の後に流路抵抗の大きな液絞り部を1箇所以上、有するリング塗布ヘッドの吐出口32及び液絞り部35の流路幅が0.05〜1.00mm、好ましくは0.1〜0.3mmである。また、最大径1μm以上の粒子等の不溶成分を含有する分散系塗布液を吐出する場合、流路幅を塗布液に含有された不溶成分の最大径の2倍以上且つ平均径の8倍以上に調整する。原料弾性ローラとリング塗布ヘッドとを所定の速度(1〜100mm/s程度)で相対移動させ、弾性ローラ表面に所望の塗布膜厚に応じて、溶剤系塗布液又は最大径1μm以上の粒子等の不溶成分を含有する分散系塗布液を全周均一に適量のみ供給して、弾性ローラ表面に吐出して薄膜層(好ましくは0.1〜100μm)を1層以上形成する。そうすることにより、弾性層の膨潤を最小限に押えることができ、塗布液の乾燥工程も短縮でき、膜厚精度、外径精度に優れた弾性ローラを得ることができる。
更に、リング塗布ヘッド内の流路において塗布液中の比較的大きい粒子及び凝集物等の不溶成分による詰り現象、それにより引き起こされる塗工スジ等の塗布欠陥が発生しないため、高速且つ安定した状態で塗布することができ、粗さ均一性、薄膜厚均一性に優れた弾性ローラを得る事ができた。導電性の分散系塗布液を塗布した場合には、円周方向のローラ電気抵抗値の均一性に優れた弾性ローラを得ることができる。
弾性ローラの支持状態については、塗布液の粘度等により適宜選択される。特に粘度、固形分の比率が小さい塗布液の場合、弾性ローラを垂直状態に支持する方が好ましい。
リング塗布ヘッドの吐出口32及び液絞り部35の流路幅は0.05〜1.00mmの範囲内で調整する必要がある。ここで、流路幅が0.05mmより小さい場合、流路内部での液せん断速度が増大し、液の流れに乱れが生じやすくなる。また、流路幅が1.00mmより大きい場合、液分配室内部の静圧が低くなり、円周方向において流路内部で動圧分布ムラが発生するため、円周方向において吐出ムラが発生する。
更に、本発明者らが検討を行った結果、平均径0.1μm以上または最大径1μm以上の粒子等の不溶成分を含有する分散系塗布液を吐出する場合、流路幅を塗布液に含有された不溶成分の最大径の2倍以上且つ平均径の8倍以上に調整することにより、リング塗布ヘッド内の流路において、塗布液中の比較的大きい粒子及び凝集物等の不溶成分による詰り現象、それにより引き起こされる塗工スジ等の塗布欠陥が発生しないことが明らかになった。
弾性ローラの芯金として使用する材質は、表面にニッケルメッキやクロムメッキしたSUM材等の鋼材を含むステンレススチール棒、リン青銅棒、アルミニウム棒、耐熱樹脂棒で径4〜14mmのものが好ましい。
また、芯金上に設けられた弾性層は導電性の材料が用いられ、ポリマーとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッソゴム、塩素ゴムなど、いずれでも良い。
ポリマー中に分散させる導電粉としてはカーボンブラック、導電性カーボン等のカーボン類、及び金属粉、導電性の繊維、あるいは酸化スズなどの半導電性金属酸化物粉体、さらにこれらの混合物などいずれでも良い。
弾性層の上に設ける薄膜層は、薄膜層の材料を溶剤で溶解させ塗布液とし、芯金上に設けられた弾性層にリング塗布ヘッドを用いて塗布を行い乾燥等によって溶剤を揮発・材料を硬化させ形成される。
ここで用いる溶剤は、薄膜層用樹脂材料の種類によって異なり、好ましくは弾性層を溶解しない種類から選択することが望ましい。
なお、薄膜層用樹脂材料としては、N−メチルメトキシ化ナイロン、ポリビニルブチラール、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリエステル、シリコーン樹脂等が、さらには、エピクロルヒドリン、ウレタン、クロロプレン、アクリロニトリルブタジエン系のゴム等が、単独又は2種以上の混合物や共重合物として用いられ、これらに、抵抗の調節のために、カーボンブラックやカーボングラファイト、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性顔料を添加させてもよい。
溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、あるいはキシレン等の芳香族化合物が用いられる。なお、溶媒は、上記した粘度になるように使用するのが好ましい。このときに、塗布液中の溶剤の使用量が多くなった(例えば、全塗布液に対し90wt%以上)としても、本発明に係る弾性ローラの製造方法によれば、弾性層の膨潤を十分に押えることができ、結果として、塗布液の乾燥工程も短縮でき、膜厚精度、外径精度に優れた弾性ローラを得ることができる。
また、本発明の弾性ローラの製造方法では、薄膜層を形成する弾性層の最上部の層に用いられる材料とリング塗布ヘッドから吐出される溶剤系塗布液に用いられる溶剤のSP値(溶解度パラメーター)の差の絶対値が小さい(通常、4.0以下)場合でも、弾性層の膨潤を十分に押えることができ、塗布液の乾燥工程も短縮でき、膜厚精度、外径精度に優れた弾性ローラを得ることができる。ここで、SP値とは溶解性・混合性の尺度となる特性値で、分子凝集エネルギーをE(cal/mole)、分子容をV(cm3/mole)とすると、以下の式で与えられる。
SP値=(E/V)1/2
SP値は物質の分子間力を表現する指標の一つであり、文献Journal Apply Polymer Science,19,1163(1975)によると分散力、極性効果、水素結合のそれぞれの力(エネルギー)の総和として示される。SP値の単位は、(cal/cm31/2である。
更に、弾性ローラの表面層の粗さを制御するために塗布液中に粒子を含有させて塗布する場合があるが、本発明に係わる粒子としては最大粒子径、平均粒子径と塗布液中の含有量以外は特に規定はなく有機系、無機系のいずれでも構わない。特性維持の点でアクリル系粒子、ウレタン系粒子、炭化水素系粒子、ナイロン系粒子、前記粒子の混合系、共重合等での組成上の混合系等の有機系粒子が好ましい。なお、ここに用いる粒子の配合量としては、塗布液の樹脂成分に対し5〜50wt%、好ましくは15〜35wt%である。また、該粒子の平均粒径は0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上が適当であり、50μm以下、好ましくは20μm以下とする。さらに、該粒子の最大粒子径は1μm以上、好ましくは5μm以上であり、500μm以下、好ましくは100μm以下とする。
本発明では、原料弾性ローラに塗布液がリング塗布により塗布された後に、溶剤が乾燥され、必要により硬化処理される。硬化処理としては、加熱による他、紫外線照射によってもよい。紫外線照射によると、薄膜層最良樹脂によっては表面硬度を上げることができるので好ましいことがある。
本発明の弾性ローラの製造方法により得られる弾性ローラは、LBP(Laser Beam Printer)、複写機及びファクシミリ等の画像形成装置に用いる現像ローラや帯電ローラとして用いられる。
図4に弾性ローラを現像ローラ及び/又は帯電ローラとして組み込んでなる画像形成装置の概要を示す。
画像形成装置は、回転ドラム型・転写方式の電子写真装置であって、41は像担持体としての電子写真感光体(感光ドラム)であり、時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。感光ドラム41は、その回転過程で帯電手段としての電源E1から帯電バイアスを印加した帯電ローラ42により周面が所定の極性・電位(本実施例では−600V)に一様帯電処理され、次いで露光系43により目的の画像情報に対応したネガ画像露光(原稿像のアナログ露光、デジタル走査露光)を受けて周面に目的画像情報の静電潜像が形成される。次いで、その静電潜像がマイナストナーによる反転現像方式のトナー現像ローラ44によりトナー画像として現像される。そしてそのトナー画像が感光ドラム41と転写手段としての転写ローラ45との間の転写部に不図示の給紙手段から所定のタイミングで転写材Pが給送され、転写ローラ45に対して電源E2から約+2〜3kVの転写バイアスが印加され、感光ドラム41面の反転現像されたトナー像が転写材Pに対して順次転写されていく。トナー画像の転写を受けた転写材Pは、感光ドラム41面から分離されて不図示の定着手段へ導入されて像定着処理を受ける。トナー画像転写後の感光ドラム41面は、クリーニング手段46で転写残りトナー等の付着汚染物の除去処理を受けて清浄面化されて繰り返して作像に供される。ここで、現像ローラ44及び/又は帯電ローラ42として、上記製造方法で製造された弾性ローラを使用する。なお、ここで現像ローラ44は電源E3によりトナー帯電のため負に帯電されている。また、感光ドラム41は内側がアースされている。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
まず、本発明の弾性ローラの評価方法を示す。
・薄膜層の膜厚の測定
薄膜層を形成した弾性ローラよりの薄膜層を含んだ弾性層を、長手方向(芯金と平行方向)に間隔50mm、周方向90°ごとに切取り、走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子株式会社製のJSM−5910)で膜厚を測定し、得られ測定値の平均値を薄膜層の厚さとした。また、ばらつきは、得られた測定値より算出した。
・弾性ローラの外径の測定
非接触のレーザー測長器(株式会社キーエンス製のLS−5040T)を用い、弾性ローラを10°ごとに回転させ、長手方向10mm間隔で外径を測定し、得られた測定値の平均値を外径とした。また、ばらつきは、得られた測定値より算出した。
・表面粗さRzjis1994の測定
表面粗さRzjis1994は、JIS B0601:1994に基づいて測定した。測定条件:カットオフ0.8mm、測定長さ:8mm、測定速度:0.5mm/s。なお、測定は長手方向3ヶ所、周方向180°2ヶ所合計6ヶ所であり、これらの測定値の平均値を弾性ローラの表面粗さRzjis1994とした。
・弾性ローラの電気抵抗ムラの測定
弾性ローラを金属製ドラムに当接させ、芯金の両端露出部に500gの荷重をかけた状態で弾性ローラ及び金属製ドラムを回転させながら、芯金と金属製ドラム間に100Vの電圧を印加し、弾性ローラが一周する間の電気抵抗値の最大値と最小値を測定し、その比(最大値/最小値)を電気抵抗ムラとし、下記評価を行った。
◎:1.1倍未満、○:1.1〜1.2倍、△:1.3〜1.4倍、×:1.4倍超。
・動摩擦係数μの測定
一端がロードセル又はテンションゲージに接続され、他端に一定荷重Wが与えられたシート状体(例えば、ステンレス等の金属フィルムやPET等のプラスチックフィルム)を、軸固定した弾性ローラの表面に所定の巻付け角度θで接触させておき、弾性ローラを一定速度で回転させて、シート状体を弾性ローラ表面で摺動させたときの張力Tを測定するようにしたローラ摩擦係数測定機を用い、張力Tを測定し、弾性ローラの動摩擦係数を下記オイラーの式(1)により動摩擦係数μを求めた。なお、シート状体としてプラスチックフィルム(厚み25μm、幅30mm)を用い、総荷重Wは100gとし、弾性ローラは115rpmとした。また、測定は、23.5℃/湿度60%の環境において行った。
μ=(1/θ)・ln(T/W) (1)
式(1)において、μは動摩擦係数であり、θは巻付け角(ラジアン)であり、W及びTはそれぞれ荷重(g)及び張力(g)である。
・薄膜層の欠陥
弾性ローラの薄膜層を目視により観察し、下記評価を行った。
◎:塗工スジ等の塗布欠陥が全くない、○:塗工スジ等の塗布欠陥が殆どない、△:塗工スジ等の塗布欠陥が数箇所にある、×:塗工スジ等の塗布欠陥が多数ある。
参考例1(原料弾性ローラ1の製造)
エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)100質量部、酸化亜鉛5質量部、炭酸カルシウム25質量部、エステル系可塑剤15質量部、ステアリン酸1質量部、硫黄1質量部及び添加剤組成物(添加剤組成物:フタル酸ジブトキシエチル100質量部、過塩素酸ジメチル・オクチル・ヒドロキシエチルアンモニウム100質量部及びエポキシ化大豆油20質量部を均一に溶解したもの)2質量部を20℃に温調した加圧ニーダーで15分間混練した混練物に、50℃に温調した2本ロールを用い、加硫促進剤DM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)2質量部及び加硫促進剤TS(テトラメチルチウラムモノスルフィド)0.5質量部を加えて、5分間混練して未加硫ゴム組成物を作製した。
次いで、外径6mm、長さ258mmのステンレス棒を芯金とし、この外周に未加硫ゴム組成物を押出成形法により成形し、170℃で15分間加熱加硫した。その後、回転砥石を用いた乾式研磨により、厚み3mm、長さ232mmの導電性弾性層を有する原料弾性ローラ1を作製した(導電性弾性層外径12mm)。
また、原料弾性ローラの弾性層の表面粗さRzjis1994は6.0μmであった。ここで弾性層に用いた弾性材料、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド・アリルグリシジルエーテル三元共重合体(GECO)のSP値は9.1である。
参考例2 原料弾性ローラ2の製造
エピクロルヒドリンゴム「エピクロマーCG102」(商品名、ダイソー(株)製)100質量部、MTカーボン「HTC#20」(商品名、新日化カーボン(株)製)5質量部、酸化亜鉛5質量部及びステアリン酸1質量部をオープンロールで30分間混練し、その中に加硫促進剤DM 1質量部、加硫促進剤TS 0.5質量部及び加硫剤としてイオウ1.2質量部を加えて、15分間オープンロールで混練して未加硫ゴム組成物を作製した。
次いで、クロスヘッド押出機を用いて上記未加硫ゴム組成物を外径6mm、長さ258mmのステンレス棒の芯金と一体に押出して、芯金の周囲に円筒状の未加硫ゴム組成物を成形した。その後、未加硫ゴム組成物の長さが232mmになるように端部を切断・除去して、未加硫ゴムローラを得た。この未加硫ゴムローラを、予め160℃に加熱した円筒状の加熱部材に5分間回転させながら押し当て加熱加硫を行い、導電性弾性層を有する原料弾性ローラ2を作製した(導電性弾性層の外径はφ8.5mm)。なお、芯金の両端に各1kgの荷重をかけて加熱加硫を行なった。また、原料弾性ローラの弾性層の表面粗さRzjis1994は1.6μmであった。ここで弾性層に用いた弾性材料、エピクロルヒドリンゴムのSP値は9.1である。
参考例3 原料弾性ローラ3の製造
シリコーン用接着剤を塗布した芯金(外径6mm、長さ275mm)を円筒金型(外径26mm、内径12mm、長さ262mm)に両端に駒を用いて組みこみ、この円筒金型の軸方向に平行に分割される加熱用熱盤で挟み込み150℃に加熱している円筒金型に、シリコーンゴム100質量部に対してカーボンブラック12質量部を配合した弾性層材料を注入し、150℃で15分間加熱してシリコーンゴムを硬化させ、次いで、型から取り外した後、更に200℃で4時間加熱して硬化を完了させ、厚み3mm、長さ240mmの導電性弾性層を有する原料弾性ローラ3を得た(導電性弾性層外径12mm)。また、原料弾性ローラの弾性層の表面粗さRzjis1994は1.0μmであった。ここで弾性層に用いた弾性材料、シリコーンゴムのSP値は7.4である。
実施例1
薄膜層用塗布液:
ウレタン樹脂(ポリカプロラクトン系ポリオール、トリレンジイソシアネート(TDI))を固形分が約25%となるようにメチルイソブチルケトン(SP値:8.5)に溶解した溶液に、導電性酸化スズを、樹脂成分に対し20wt%添加し、十分に攪拌分散したものを塗布液とした。この塗布液の粘度は31mPa・s(B型粘度計で測定)であった。
薄膜層の形成:
上記塗布液を密閉容器に入れスターラーで攪拌しながら、密閉容器を液供給手段であるシリンジポンプにつなぎ、更にリング塗布ヘッドに具備された1箇所の液供給口につなぎ、リング塗布ヘッド内に適量の塗布液を供給した。塗布液は、リング塗布ヘッド内で合流し周方向に分配するための液分配室を有するリング塗布ヘッド内に充填された。
参考例1で製造された原料弾性ローラ1を垂直状態に支持し、この原料弾性ローラ1の外径に対して0.6mmの間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口がくるようにリング塗布ヘッドを配置した。また、リング塗布ヘッドの全周に開口されたスリット状の吐出口の開口幅(スリット幅)を0.2mmとした。リング塗布ヘッドを弾性層上端部から下端部へ、10mm/sの一定の速度で垂直移動と同時に、弾性ローラ表面に乾燥前の膜厚で0.08mm程度になるように塗布液を0.03ml/sの吐出速度で全周均一に吐出を行った。なお、塗布量の総量は約0.7mlであり、少量の溶剤量で塗布が可能であった。その後、室温で30分程度風乾し、更に熱風循環乾燥機中、温度160℃で1時間乾燥し、材料を硬化させた。室温で15分風乾した時点で、溶剤の揮発(乾燥)はほぼ終了していた。乾燥後に膜厚をSEMで測定した結果、平均膜厚は21.2μmであった。弾性層はほとんど膨潤することがなく、また、溶剤の揮発(乾燥)が短いため弾性ローラの長手方向への液ダレも少なく、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であった。更に、非接触のレーザー測長器で弾性ローラの外径を測定した結果、外径差は±0.05mm以内であった。これらの結果を表1に示す。
また、弾性層に用いた弾性材料と塗布液に用いた溶剤のSP値の差の絶対値が4.0以下と小さく、均一な膜厚層を形成することができた(なお、本実施例ではSP値の差の絶対値は0.6であった)。
この弾性ローラを帯電ローラとし、その芯金の両端に各500gの荷重を負荷した状態で感光体ドラムに圧接した状態で組込み込んだ電子写真用カートリッジを用い、23.5℃/湿度60%の環境でハーフトーンの画像を出力し、目視により画像を評価した結果、良好な画像が得られたことから、本実施例の弾性ローラは帯電ローラとしてより使用可能であることがわかった。
比較例1
実施例1において、弾性層上への薄膜層形成をリング塗布に替えて下記の浸漬塗布で行なう以外は実施例1と同様にして弾性ローラを製造した。
実施例1で使用したと同様に塗布液を調製し、ガラス容器(径40mm、深さ350mm)に塗布液約300mlを入れ、ガラス容器のほぼ中央にくるように弾性ローラを配置し、弾性ローラの弾性層部分が塗布液中に浸る位置まで弾性ローラを移動させ、数分間保持した後、弾性ローラを10mm/sの一定の速度で引き上げた(浸漬塗布)。この時、多量の溶剤を使用した。その後、室温で30分程度風乾し、更に熱風循環乾燥機中、温度160℃で1時間乾燥し、材料を硬化させた。室温で15分風乾した時点では、溶剤の揮発(乾燥)は終了していなかった。乾燥後の膜厚をSEMで測定した結果、平均膜厚40.5μmであった。また、弾性層が膨潤してしまったためか、溶剤の揮発(乾燥)が長く、弾性ローラの長手方向で液ダレが大きく、長手方向での膜厚差は±2μ超であった。浸漬塗布において、膜厚精度を上げるためには塗布液の粘度、引き上げ速度等の調整が必要と考えられる。更に、非接触のレーザー測長器で弾性ローラの外径を数箇所測定した結果、外径差は±0.1mmであった。結果を表1に示す。
また、実施例1におけると同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、画像評価を行った結果、画像濃度に僅かではあるがムラが発生していた。すなわち、本比較例の弾性ローラは帯電ローラとして問題があることがわかった。
Figure 2005321749
実施例2
薄膜用塗布液:
シリコーン変性ウレタン樹脂を固形分が約2%となるように酢酸エチルとトルエンの混合溶媒に溶解した溶液を十分に攪拌したものを塗布液とした。塗布液中の溶剤量は90wt%以上であった。また、混合溶媒のSP値は9.0であった。
薄膜層形成:
上記の塗布液を密閉容器に入れ、密閉容器を液供給手段であるシリンジポンプにつなぎ、更にリング塗布ヘッドに具備された1箇所の液供給口につなぎ、リング塗布ヘッド内に適量の塗布液を供給した。塗布液は、リング塗布ヘッド内で合流し周方向に分配するための液分配室を有するリング塗布ヘッド内に充填された。
外径を8.5mmとした以外は、参考例1と同様の方法で製造した弾性ローラを垂直状態に支持し、この弾性ローラの外径に対して0.5mmの間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口がくるようにリング塗布ヘッドを配置した。リング塗布ヘッドの全周に開口されたスリット状の吐出口の開口幅(スリット幅)は0.1mmとした。リング塗布ヘッドを弾性ローラの弾性層上端部から下端部へ、50mm/sの一定の速度で垂直移動と同時に、弾性ローラ表面に乾燥前の膜厚で10μm程度になるように塗布液を0.013m1/sの吐出速度で全周均一に吐出を行った。なお、塗布量の総量は約0.7mlであり、少量の溶剤量で塗布が可能であった。その後、室温で10分程度風乾し、更に熱風循環乾燥機中、温度160℃で1時間乾燥し、材料を硬化させた。室温で数分風乾した時点で、溶剤の揮発(乾燥)は完全に終了していた。
乾燥後の膜厚をSEMで測定した結果、平均膜厚0.2μmであった。また、弾性層の膨潤を押えることができ、溶剤の揮発(乾燥)が短いため弾性ローラの長手方向での液ダレも少なく、長手方向、周方向とも均一な膜厚であった。更に、レーザー測長器での外径測定結果では、外径差は±0.05mm以内であった。
塗布液中の溶剤の使用量が90wt%以上である場合は、特に芯金上の弾性層を膨潤させやすいが、このように溶媒量が過剰な塗布液であっても、本発明の製造方法であると弾性層の膨潤を押えることができ、かつ均一な膜厚層を形成することができた。
また、実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得られた。
実施例3
実施例2において、原料弾性ローラを参考例2で製造した原料弾性ローラ2を用い、リング塗布ヘッドの全周に開口されたスリット状の吐出口の開口幅を0.1mmとし、リング塗布ヘッドの移動速度を30mm/sとし、さらに塗布液の吐出速度を0.008ml/sとする他は実施例2と同様にして、弾性ローラを得た。
なお、塗布液を塗布後に室温で数分風乾した時点で、溶剤の揮発(乾燥)は完全に終了していた。また、平均膜厚0.2μmであった。また、弾性層の膨潤も殆どなく、長手方向での液ダレも少なく、長手方向、周方向ともに均一な膜厚であった。更に、外径差は±0.03mm以内と特に良好であった。薄膜層形成後の弾性ローラの表面粗さRzjis1994は1.5μmで、原料弾性ローラの弾性層表面の表面粗さRzjis1994とほとんど変わらず十分に小さい値であった。
実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、実施例1と同様に良好な画像が得られた。更に、23.5℃/60%の環境でハーフトーン画像による連続6000枚の耐久画像評価においても、本実施例の弾性ローラ(帯電ローラ)はローラ表面上の汚れによる不良画像もなく、良好な画像を得ることができ、弾性ローラの表面粗さRzjis1994が3.0μm以下の場合には、特にローラ表面上の汚れに対して効果的であることがわかった。
実施例4
実施例2において、リング塗布ヘッドの全周に開口されたスリット状の吐出口の開口幅を0.1mmとし、リング塗布ヘッドの移動速度を30mm/sとし、さらに塗布液の吐出速度を0.008ml/sとし、溶媒乾燥後の加熱硬化に替えて、低圧水銀ランプ(ハリソン東芝ライティング(株)製、254nmの波長の紫外線)による紫外線照射を10分間行う他は実施例3と同様にして弾性ローラを得た。この時の波長254nmの紫外線積算光量は約8000mJ/cm2であった(紫外線強度は14mW/cm2)。
この弾性ローラの薄膜層の平均膜厚0.2μmであった。外径差も±0.05mm以内と良好であった。さらに、弾性ローラの動摩擦係数を上記により測定した結果、0.22と小さい値であった。これは弾性ローラの表面に紫外線を照射することにより表面が改質され弾性ローラの動摩擦係数が低下したことを示している。
実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、実施例1と同様に良好な画像が得られた。更に、23.5℃/60%の環境でハーフトーン画像による連続6000枚の耐久画像評価においても、本実施例の弾性ローラ(帯電ローラ)はローラ表面上の汚れによる不良画像もなく、良好な画像を得ることができた。弾性ローラの動摩擦係数が小さくなることもローラ表面上の汚れに対して効果的であることがわかった。
実施例5
薄膜用塗布液:
ウレタン樹脂(ポリカプロラクトン系ポリオール、トリレンジイソシアネート(TDI))を固形分が約27%となるようにメチルイソブチルケトンに溶解した溶液に、更に導電性酸化スズを樹脂成分に対し30wt%、アクリル系粒子を樹脂成分に対し50wt%添加し、十分に攪拌分散したものを塗布液とした。塗布液に含有される粒子の最大粒子径は45μm、平均粒子径は5μmであった。
薄膜形成:
上記の塗布液を塗布液貯蔵タンクに入れスターラーで攪拌しながら、塗布液貯蔵タンクを液供給手段であるシリンジポンプにつなぎ、更にリング塗布ヘッドに具備された1箇所の液供給口につなぎ、リング塗布ヘッド内に適量の塗布液を供給した。リング塗布ヘッド内に供給された塗布液を周配する円筒状の液分配室と液分配室の後に流路抵抗の大きな液絞り部を1箇所、有するリング塗布ヘッド内に充填された。
外径を8.5mmとした以外は、参考例1と同様の方法で製造した原料弾性ローラ1を垂直状態に支持し、この弾性ローラの外径に対して0.6mmの間隔をなす距離に全周に開口された吐出口がくるようにリング塗布ヘッドを配置した。この時、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅を0.10mm(最大粒子径の2.2倍、平均粒子径の20倍)に調整した。リング塗布ヘッドを弾性ローラの弾性層上端部から下端部へ、30mm/sの一定の速度で垂直移動と同時に、弾性ローラ表面に乾燥前の膜厚で0.08mm程度になるように塗布液を0.06ml/sの吐出速度で全周均一に吐出を行った。なお、塗布量の総量は0.45mlであった。その後、室温で30分程度風乾し、更に熱風循環乾燥機中、温度160℃で1時間乾燥し、材料を硬化させた。
得られた弾性ローラの表面粗さRzjis1994は6μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm以内であった。また、薄膜層の平均膜厚は20.4μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であった。周方向のローラ電気抵抗ムラは1.1倍より小さかった。更に、塗工スジ等の塗布欠陥も全く見られなかった。結果を表2に示す。
実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることができた。
実施例6
薄膜用塗布液:
ウレタン樹脂(ポリエーテル系ポリオール、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI))を固形分が約23%となるようにメチルエチルケトン(SP値9.3)に溶解した溶液に、カーボンブラックを樹脂成分に対し20wt%、アクリル系粒子を樹脂成分に対し15wt%添加し、十分に攪拌分散したものを塗布液とした。塗布液に含有される粒子の最大粒子径は16μm、平均粒子径は15μmであった。
薄膜形成:
原料弾性ローラとして参考例3で製造した原料弾性ローラ3を垂直状態に維持し、この原料弾性ローラ3の外径に対して0.6mmの間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口が来るようにリング塗布ヘッドを配置した。また、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ0.30mm(最大粒子径の18.8倍、平均粒子径の20倍)に調整し、弾性ローラ表面に乾燥前の膜厚で0.065mm程度になるように塗布液を0.07ml/sの吐出速度で全周均一に吐出を行い(総塗布量0.60ml)、塗布液層を形成した。その後、室温で30分程度風乾し、更に熱風循環乾燥機中、温度140℃で4時間乾燥し、材料を硬化させた。
得られた弾性ローラの表面粗さRzjis1994は7.5μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm以内であった。また、薄膜層の平均膜厚は15.2μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であった。周方向のローラ電気抵抗ムラは1.1倍より小さかった。更に、塗工スジ等の塗布欠陥も全く見られなかった。結果を表2に示す。
この弾性ローラを現像ローラとして、感光ドラムに進入量が60μmになる状態で圧接した状態で電子写真用カートリッジに組込み、23.5℃/60%の環境でハーフトーンによる画像出力をし、得られた画像を目視により評価したところ、良好な画像であると評価でき、本実施例の弾性ローラは現像ローラとして良好であることがわかった。
実施例7
実施例6において、塗布液に添加するアクリル系粒子の粒子径条件を変える以外は実施例6と同様な手法で塗布液を作製し、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ0.15mm(最大粒子径の2.7倍、平均粒子径の11.5倍)に調整した以外は、実施例6と同様な手法で弾性ローラを製造した。なお、塗布液に含有される粒子の最大粒子径は55μm、平均粒子径は13μmであった。
得られた弾性ローラの表面粗さRzjis1994は14μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm以内であった。また、薄膜層の平均膜厚は18.9μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であった。周方向のローラ電気抵抗ムラは1.2倍であった。更に、塗工スジ等の塗布欠陥も全く見られなかった。結果を表2に示す。実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることができた。
実施例8
実施例6において、塗布液に添加するアクリル系粒子の粒子径条件を変える以外は実施例6と同様な手法で塗布液を作製し、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ0.15mm(最大粒子径の7.5倍、平均粒子径の8.8倍)に調整した以外は、実施例6と同様な手法で弾性ローラを製造した。なお、塗布液に含有される粒子の最大粒子径は20μm、平均粒子径は17μmであった。
得られた弾性ローラの表面粗さRzjis1994は15μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm以内であった。また、薄膜層の平均膜厚は23.9μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であった。周方向のローラ電気抵抗ムラは1.2倍であった。更に、塗工スジ等の塗布欠陥も全く見られなかった。結果を表2に示す。実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることができた。
実施例9
実施例6において、塗布液に添加するアクリル系粒子の粒子径条件を変える以外は実施例6と同様な手法で塗布液を作製し、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ0.05mm(最大粒子径の8.3倍、平均粒子径の10倍)に調整した以外は、実施例6と同様な手法で弾性ローラを製造した。なお、塗布液に含有される粒子の最大粒子径は6μm、平均粒子径は5μmであった。
得られた弾性ローラの表面粗さRzjis1994は5μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm以内であった。また、薄膜層の平均膜厚は19.6μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であった。周方向のローラ電気抵抗ムラは1.2倍であった。更に、塗工スジ等の塗布欠陥も全く見られなかった。結果を表2に示す。実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることができた。
実施例10
実施例6において、塗布液に添加するアクリル系粒子の粒子径条件を変える以外は実施例6と同様な手法で塗布液を作製し、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ0.90mm(最大粒子径の180倍、平均粒子径の300倍)に調整した以外は、実施例6と同様な手法で弾性ローラを製造した。なお、塗布液に含有される粒子の最大粒子径は5μm、平均粒子径は3μmであった。
得られた弾性ローラの表面粗さRzjis1994は4μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm以内であった。また、薄膜層の平均膜厚は14.8μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であった。周方向のローラ電気抵抗ムラは約1.1倍であった。更に、塗工スジ等の塗布欠陥も全く見られなかった。結果を表2に示す。実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、良好な画像を得ることができた。
実施例11
実施例5において、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ0.05mm(最大粒子径の1.1倍、平均粒子径の10倍)に調整した以外は、実施例5と同様な手法で弾性ローラを製造した。
得られた弾性ローラの薄膜層の平均膜厚は19.2μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であったが。表面粗さRzjis1994は6.5μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm超であった。また、周方向のローラ電気抵抗ムラは約1.4倍であり、塗工スジ等の塗布欠陥も数箇所に見られた。結果を表2に示す。実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、実施例5〜10に較べると若干落ちるものの、ほぼ良好な画像を得ることができた。
実施例12
実施例6において、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ0.10mm(最大粒子径の6.3倍、平均粒子径の6.7倍)に調整した以外は、実施例6と同様な手法で弾性ローラを製造した。なお、塗布液に含有される粒子の最大粒子径は16μm、平均粒子径は15μmであった。
得られた弾性ローラの薄膜層の平均膜厚は16.1μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であったが、表面粗さRzjis1994は7μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm超であった。また、周方向のローラ電気抵抗ムラは約1.3倍であり、塗工スジ等の塗布欠陥も見られた。結果を表2に示す。実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、実施例5〜10に較べると落ちるものの、ほぼ良好な画像を得ることができた。
実施例13
実施例6において、塗布液に添加するアクリル系粒子の粒子径条件を変える以外は実施例6と同様な手法で塗布液を作製し、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ0.10mm(最大粒子径の1.5倍、平均粒子径の5.3倍)に調整した以外は、実施例6と同様な手法で弾性ローラを製造した。なお、塗布液に含有される粒子の最大粒子径は67μm、平均粒子径は19μmであった。
得られた弾性ローラの薄膜層の平均膜厚は21.5μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm以内であったが、表面粗さRzjis1994は17μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm超であった。また、周方向のローラ電気抵抗ムラは約1.4倍であり塗工スジ等の塗布欠陥も見られた。結果を表2に示す。実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、実施例5〜10に較べると落ちるものの、ほぼ良好な画像を得ることができた。
比較例2
実施例9において、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ0.03mm(最大粒子径の5倍、平均粒子径の6倍)に調整した以外は、実施例9と同様な手法で弾性ローラを製造した。
得られた弾性ローラの表面粗さRzjis1994は5.5μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm超であり、薄膜層の平均膜厚は18.8μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm超であった。また、周方向のローラ電気抵抗ムラは1.4倍より大きかった。更に、塗工スジ等の塗布欠陥もやや見られた。結果を表2に示す。また、実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、画像濃度にムラが発生していた。すなわち、本比較例の弾性ローラは帯電ローラとして問題があることがわかった。
比較例3
実施例10において、リング塗布ヘッドの吐出口及び液絞り部の流路幅をそれぞれ1.20mm(最大粒子径の240倍、平均粒子径の400倍)に調整した以外は、実施例10と同様な手法で弾性ローラを製造した。
得られた弾性ローラの表面粗さRzjis1994は4μmであり、長手方向、周方向でのばらつきはいずれも±1μm以内であり、塗工スジ等の塗布欠陥も殆ど見られなかった。しかし、薄膜層の平均膜厚は15.7μmであり、長手方向、周方向での膜厚差はいずれも±2μm超であった。さらに、周方向のローラ電気抵抗ムラは1.4倍より大きかった。結果を表2に示す。また、なお、実施例1と同様に、この弾性ローラを帯電ローラとして電子写真用カートリッジに組込み、ハーフトーンによる画像評価を行った結果、画像濃度にムラが発生していた。すなわち、本比較例の弾性ローラは帯電ローラとして問題があることがわかった。
Figure 2005321749
原料弾性ローラとリング塗布ヘッドとを所定の速度で相対移動させ、弾性層表面に所望の塗布膜厚に応じて、弾性層表面に対して所定の間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口から溶剤系塗布液を均一に吐出して薄膜層を形成することで、弾性層の膨潤を殆ど押えることができ、且つ少量の溶剤系塗布液だけで塗布することが可能であり、環境に対する負荷も少なくてすみ、また、弾性層表面に形成される塗布膜及び乾燥後の薄膜層の膜厚精度に優れ、かつ弾性ローラの外径精度も良好である弾性ローラを製造することができた。
更に、平均径0.1μm以上または最大径1μm以上の不溶成分を含有する分散系塗布液を塗布する場合、分散系塗布液に含有された不溶成分の最大径、平均径を考慮してリング塗布ヘッド内の塗布液が通過する吐出口及び液絞り部の流路幅を調整して塗布する事により、リング塗布ヘッド内において、塗布液中の比較的大きい粒子及び凝集物等の不溶成分による詰り現象、それにより引き起こされる塗工スジ等の塗布欠陥が発生しないため、表面粗さRzjis1994及び薄膜厚の均一性に優れた弾性ローラを製造することができる。
本発明により製造される弾性ローラは、画像形成装置の帯電ローラ、現像ローラのいずれのローラとしても、接触状態の安定性、帯電の均一性が良好となり、極めて良好な画像が得られる。
また、この弾性ローラの製造方法及び弾性ローラを用いることによって製品としての安定性、信頼性を実現した。
本発明の弾性ローラの一例の断面図である。 塗布装置の一例の概要を表す図である。 図2の塗布装置のリング塗布ヘッドの切り欠き断面図である 画像形成装置の概略を示す構成図である。
符号の説明
1 弾性ローラ
2 芯金
3 弾性層
4 薄膜層
5 塗膜層
11 原料弾性ローラ
12 リング塗布ヘッド
13 塗布液貯蔵タンク
14A ローラ把持軸(上)
14B ローラ把持軸(下)
15 ブラケット
16 リング塗布装置本体
17 スライドガイド
18 LMガイド
19 シリンジポンプ
20 モータ
21 プーリ
22 ベルト
31 全周に開口された吐出口
32 液分配室
34 液供給口
35 液絞り部
41 電子写真感光体(感光ドラム)
42 帯電ローラ(帯電手段)
43 露光系
44 現像ローラ(現像手段)
45 転写ローラ(転写手段)
46 クリーニング手段
E1〜3 バイアス印加用電源

Claims (8)

  1. 芯金上に設けられた弾性層上に薄膜を形成した弾性ローラの製造方法において、
    弾性層表面に対して所定の間隔をなす距離に全周に開口されたスリット状の吐出口を有するリング塗布ヘッドを使用し、かつ薄膜形成が溶剤系塗布液を該吐出口より吐出して弾性層上に塗布することからなることを特徴とする弾性ローラの製造方法。
  2. 弾性層に用いられる弾性材料と薄膜形成用溶剤系塗布液の溶剤の溶解度パラメーター(SP値)の差の絶対値が4.0以下であることを特徴とする請求項1に記載の弾性ローラの製造方法。
  3. 薄膜形成用溶剤系塗布液中の溶剤量が、全塗布液中90wt%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性ローラの製造方法。
  4. 薄膜を形成する弾性層の表面粗さRzjis1994(JIS B0601:1994)が3.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾性ローラの製造方法。
  5. 溶剤系塗布液を弾性層上に塗布した後、該塗布面に対して紫外線を照射することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の弾性ローラの製造方法。
  6. 前記溶剤系塗布液が、平均粒子径0.1μm以上又は最大粒子径1μm以上の不溶性粒子を含むものであり、
    前記リング塗布ヘッドは、該リング塗布ヘッドの吐出口へ塗布液を分配するための塗布液流路中での液絞り部及びリング塗布ヘッドの吐出口間隙が各々0.05〜1mmであり、上記不溶性粒子の平均粒子径の8倍以上かつ最大粒子径の2倍以上であるリング塗布ヘッドを使用する請求項1〜5のいずれかに記載の弾性ローラの製造方法。
  7. 前記不溶性粒子が、平均粒子径0.1〜50μmであることを特徴とする請求項6に記載の弾性ローラの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により製造された弾性ローラを帯電ローラ、現像ローラ、又は帯電ローラと現像ローラとして具備していることを特徴とする電子写真用プロセスカートリッジ。
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