JP2000198570A - 事務機器用ロ―ラおよびその製造方法 - Google Patents

事務機器用ロ―ラおよびその製造方法

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JP2000198570A
JP2000198570A JP10373264A JP37326498A JP2000198570A JP 2000198570 A JP2000198570 A JP 2000198570A JP 10373264 A JP10373264 A JP 10373264A JP 37326498 A JP37326498 A JP 37326498A JP 2000198570 A JP2000198570 A JP 2000198570A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い硬度および高い耐久性を両立すると共
に、肉厚の薄いローラを容易に製造し得る方法を提供す
る。 【解決手段】 事務機器用ローラの芯材となるシャフト
を回転させながら、該シャフトの外周面に気体混入法に
より微細気泡を混入させ混合体を連続供給して所定厚の
ローラ本体を形成し、次いで前記ローラ本体を構成して
いる混合体を硬化させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、事務機器用ロー
ラおよびのその製造方法に関し、更に詳細には、薄い肉
厚であって低い硬度と高い耐久性とを両立し得て、事務
機器に好適に使用することのできるローラおよびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】コピー機、プリンタその他ファクシミリ等
に代表されるOA事務機器には、印刷媒体である紙の搬
送、感光体への帯電、トナーの付与や搬送および該トナ
ーの印刷媒体への転写や残留トナーの除去等のために、
ゴム等の高分子弾性体からなるローラが好適に使用され
ている。これは前記弾性体が有する低硬度、で耐久性が
高いという物性が、前記ローラに求められる特性、すな
わち少ない加圧(ニッブ圧)によって大きく凹むと共に、
繰り返し利用しても弾性が回復するという良好な永久圧
縮歪み特性を満たしているからである。そこで、前記の
物性を有する弾性体を所望の円筒形状に成形・加工し、
これをローラの回転軸(以下シャフトという)に取り付け
ることで、事務機器用のローラが一般に製造されてい
る。
【0003】弾性体を使用して前記事務機器用ローラを
得る製造方法として、以下の各方法が知られている。 所望形状の成形型に、ポリウレタン等の液状原料や
ゴム・熱可塑性エラストマの如き粘弾性原料を充填・発
泡させ、硬化後に冷却して取り出す弾性体の製造方法。
これには、例えば射出成形、トランスファーまたはプレ
ス等が使用される。この場合、シャフトは一体成形とす
るか、あるいは成形後に接着または圧入により取り付け
られる。 の方法を用いて、予めブロック状(直方体)の弾性
体を製造し、これにシャフトを接着または圧入等の方法
で後付けする。次いで、例えばニクロム線ヒーターによ
り加熱溶断および研磨してローラ本体を製造するか、あ
るいは特開平10−104937号公報に開示のピーリ
ング加工により外皮を剥いでいくことでローラ本体を製
造する。 弾性体材料を発泡させつつ押し出す所謂押出発泡成
形することで、ローラ本体を製造する方法。この場合、
シャフトは成形後に取り付けられる。 特開平7−76049号公報に開示される如く、回転
中のシャフトの外方に配設したアプリケーターを、該シ
ャフトと平行に移動させつつ弾性体原料を供給し、該原
料を発泡・硬化させることで所望のローラを得る方法。
【0004】ところで近年、事務機器の小型化に伴っ
て、前記ローラの外径が小さくなる傾向にある。このた
めシャフトの周りのローラ本体をなす弾性体も、可能な
限り薄い肉厚でありながら、必要な特性を満すことが要
求されている。しかしこの要望に対して、前述の各方法
は何れも以下の欠点が指摘される。 必要とされる製品寸法に合わせた成形型を製作する
ことで、様々な肉厚のローラに対応可能ではある。しか
し前述したように該ローラの種類は多いので、夫々のロ
ーラ毎に専用の成形型を製作する必要があり、製作コス
トの増大を招くと共に、成形型の管理等の手間を要す。
またローラ成形完了後に前記成形型から抜き出す手間
と、該成形型の清掃作業も必要である。 予め成型したブロック体を所望の大きさ形状に削っ
ていくものであるので、例えば5mm程度と肉厚の薄い
ローラを製作する場合には、無駄に消費する弾性体の量
が多くなり、製造コストが増大する。 前記と同様に夫々のローラ毎に専用の押出型を必
要とするので、製作コストの増大および押出型の管理等
に手間がかかる。更に2mm程度以下のローラを製作す
るに当たっては、その製作が非常に困難であると共に、
得られたローラの外径および内径の真円度精度が低く、
歩留まりが悪化する。 シャフトに塗布された弾性体原料の発泡が、発泡時
の弾性体温度のバラツキにより不均一となり、部位によ
り発泡セル径、セル構造および弾性体密度の相違したロ
ーラとなってしまう畏れががある。また、発泡反応に追
随して起こる高分子反応が促進され、容易に形状が崩れ
ない発泡構造を有するようになるまでは、この弾性体原
料は所謂僅かな気泡を有する液状物に過ぎず、見掛け粘
度は、元の液状弾性体原料時の粘度よりも低下する。こ
のためシャフトに供給されても弾性体原料は垂れ落ちて
流れてしまう場合がある。また前記〜の何れの製法
についても、硬度を低く設定するためには、一般にAIBN
(アゾビイゾブチルロニトリル)等の発泡剤を増量して低
密度化することで対応しているが、これは同時に永久圧
縮歪みの悪化にもつながり、従ってロールとしての特性
の両立が困難となっていた。
【0005】そこで、前述の各欠点を回避するローラお
よびその製造方法として、特開平8−6417号公報
には、ローラを構成する弾性体を例えば帯状の長尺物と
して製作して、この弾性体をシャフトの外周に螺旋状に
巻き付け固定し、最終的にローラ最外周部を研磨するこ
とで所望形状のローラを得る製造方法が開示されてい
る。また、特開平7−72754号公報には、前記
〜等の一般的な製造方法によりローラを製造した後、
該ローラの横断面において中心を通る半径線に対して所
要角度傾斜した放射線状をなすと共に、ローラ長手方向
に連続した複数本のスリットを設けるローラの製造方法
が開示されている。これらの製造方法では、ローラに螺
旋状または長手方向に連続した切れ目が設けられること
になるので、この切れ目がローラを構成する弾性体の見
掛け硬度を低下させ、従って低硬度と永久圧縮歪み特性
の両立を達成させるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
およびに開示されたローラおよびその製造方法で
は、これにより製造されたローラに設けた切れ目が、ロ
ーラ使用時に紙等の印刷媒体に対して機械的および電気
的に不連続性を発現させて、例えば印刷物に該切り目に
沿ったしわ、印刷かすれ等の跡を残してしまう欠点が指
摘される。
【0007】
【発明の目的】この発明は、従来技術に係る事務機器用
ローラおよびその製造方法に内在していた問題に鑑み、
これを好適に解決するべく提案されたものであって、低
い硬度および高い耐久性を両立すると共に、肉厚の薄い
ローラと該ローラを容易に製造し得る方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明の事務機器用ローラは、シ
ャフトの周りにローラ本体を形成してなる事務機器用ロ
ーラにおいて、前記ローラ本体を、気体混入法によって
微細気泡を混入させてなる混合体で構成したことを特徴
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本願の別の発明の事務機器用ロー
ラの製造方法は、事務機器用ローラの芯材となるシャフ
トを回転させながら、該シャフトの外周面に気体混入法
により微細気泡を混入させた混合体を連続供給して所定
厚のローラ本体を形成し、次いで前記ローラ本体を構成
している混合体を硬化させるようにしたことを特徴とす
る。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る事務機器用ロ
ーラおよびその製造方法につき、好適な実施例を挙げ
て、以下説明する。本願発明者は、気体混入法によって
液状エラストマ配合物に充分な量の気体を吹き込み、か
つ泡立てることで得られる微細な連続気孔を多く有し、
見掛け粘度の高い発泡弾性体を使用することで、硬度が
低いと共に、機械的耐久性が高く、かつ薄肉であるロー
ラが容易に得られることを知見したものである。
【0011】(配合物調整工程について)本発明に係る事
務機器用ローラは、図1に示す各工程を経て製造され
る。第1の配合物調整工程では、液状エラストマ配合物
の調整が行なわれる。ここで好適に使用される液状エラ
ストマ配合物とは、液状エラストマ原料および界面活性
剤の少なくとも2成分からなり、その他必要に応じて硬
化触媒や、電気導電性を付与するカーボンブラックまた
は炭素短繊維等の電子伝導性フィラーや、イオン伝導性
薬剤、また/および着色顔料、老化防止剤、クレーまた
は炭酸カルシウム等に代表される充填材等が混入され
る。
【0012】前記液状エラストマ原料としては、NR
(天然ゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、NBR
(二トリルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、アクリルゴ
ムまたはウレタンゴム等の水系エマルジョンラテック
ス、軟質塩化ビニル等の有機溶媒系プラスチゾルに代表
される、所謂プラスチゾル、あるいはポリウレタン、ポ
リウレアまたは液状シリコーンゴム等の、例えば水や有
機溶媒といった分散媒を含有しない所謂液状樹脂原料が
好適に使用される。
【0013】前記界面活性剤は、前記液状エラストマ原
料に気体を吹き込んで、気泡を生起させると共に、この
気泡を安定化させるために使用されるが、他にも発生気
泡径および硬化後の発泡した弾性体の通気量の調整・制
御効果も有する。本発明で好適に使用される界面活性剤
は、前述した液状エラストマ原料に併せて適宜選択され
るものである。前記水系エマルジョンラテックスに好適
に使用し得る界面活性剤としては、アニオン系、カチオ
ン系、ノニオン系または両性の有機系界面活性剤が挙げ
られ、該有機系界面活性剤を使用することで所望の発生
気泡径および硬化後の発泡した弾性体の通気量を調整・
制御し得る。溶媒系ブラスチゾルまたは液状樹脂原料の
場合には、ジメチルポリシロキサン−ポリオキシアルキ
レキン共重合体等のシリコーン系界面活性剤を、単独ま
たは前記有機系界面活性剤と併用するものが好適に使用
される。
【0014】(混合・撹拌工程について)前述した各原料
を混合して調整済み液状エラストマ配合物を得た後、こ
の配合物中に所定の体積比で乾燥空気または乾燥窒素ガ
ス等の不活性ガスを吹き込み、かつ充分に混合して気液
混合体を得る(所謂気体混入法を用いた混合・撹拌工
程)。ここで採用される気体混入法で製造される発泡体
は、その気泡が非常に微細であり、かつ均一に分布する
特徴を有し、例えば衣料分野での立体プリント印刷のパ
フ等の製造に好適に使用されている。
【0015】本工程では、前記配合物および不活性ガス
から、該不活性ガスを微細な気泡として取り込んだ気液
混合体を得る(すなわち微細気泡を配合物内に生起させ
る)と共に、充分に両者を撹拌する工程でもある。この
撹拌には、例えばオークスミキサーの如く高剪断速度で
混合が可能な動的混合機や、分散総数の大きなラモンド
スパーミキサーに代表され、分割分散混合を行なう静的
混合機が好適に使用される。
【0016】前記液状エラストマ配合物および不活性ガ
スの混合において、その混合比は非常に重要なファクタ
ーであり、該液状エラストマ配合物中のエラストマ原料
の粘度が通常の1〜5ポイズ程度の場合で、液状エラス
トマ配合物:不活性ガス=1:1〜10:1の範囲内で
行なわれる。この範囲内で両者を混合すれば、混合体の
見掛け粘度が著しく大きなものとなり、後述する工程で
ローラ製作途中に垂れ落ちて流れる事態を回避し得る。
ちなみに前記気液混合体の混合比を1:1以下とする
と、見掛け粘度が小さくなり、液体状態のまま充分な気
泡を生起できずに該混合体が垂れ落ちて流れてしまう。
逆に10:1以上であると、垂れ流れは回避できるが、
発泡した弾性体中で気泡の大きさおよび数が増大して、
弾性体としての強度を維持できず永久圧縮歪み特性が悪
化して、ローラとして使用し得る耐久性が達成できなく
なってしまう。
【0017】(混合体付与工程について)前述の方法で充
分に微細気泡を含んだ気液混合体が得られたら、シャフ
トに該気液混合体を、塗布等により付与する混合体付与
工程が実施される。ここで前記シャフトの材質として
は、アルミニウム、ステンレスまたは鋼材にニッケル無
電解メッキを施した金属材料、あるいはポリプロピレン
等の樹脂が好適に使用される。殊に所定温度以上に加熱
される加圧ローラ等の場合には、耐熱性の高い金属が好
適に選択される。
【0018】前記混合体付与工程は、例えば図2に示す
押出コーティングにより気液混合体Mを付与する付与装
置10によって行なわれる。前記付与装置10は、シャ
フト20を回転可能に枢支して固定し、かつ横方向へ移
動自在な固定部22と、この固定部22以外に固定され
て、前記シャフト22の頭頂部に当接可能であり、上下
方向に移動自在で先端に前記気液混合体Mの押出口とな
るダイス24aを有する押出部24と、ダイス24aに
向かって高圧空気を噴射可能なエアナイフ26とから基
本的に構成される。前記ダイス24aからは、前述の各
工程を経て得られた気液混合体Mが、その押出量を制御
された状態で該シャフト20の略全長に亘って一度に押
出し塗布される。この気液混合体Mの付与に先立ち、別
工程で前記シャフト20表面部に接着性を高める等の目
的で、様々なプライマーを塗布する処理を施してもよ
い。
【0019】このとき前記シャフト22は駆動部(図示
しない)により所定速度で一定方向に回転しており、前
記押出部24より押出された気液混合体Mは、図3(a)
に示す如く、順次回転に従って該混合体Mを付与してい
く。この付与工程が進行すると、前記シャフト20に付
与された気液混合体Mが下向きになってしまうが、該気
液混合体Mは充分な見掛け粘度を有しているので、該シ
ャフト22から垂れ落ちることはない(図3(b)参照)。
そして付与し終えた気液混合体Mに当接しないように、
前記押出部24を順次上方に移動させながら、該混合体
Mを所定厚さに達するまで付与する(図3(c)参照)。所
定厚さのロール本体12となるまで付与し終えたら、押
出部24からの気液混合体Mの供給を停止すると共に、
前記エアナイフ26により既に付与された該混合体Mと
ダイス24aとを切り離す(図3(d))。ここでは両者の
切り離しにエアナイフ26を用いたが、殊にこれに限定
されるものではなく、例えば直接的に前記ダイス24a
を閉成し得る開閉手段を切り離し手段として用いてもよ
い。そして本混合体付与工程と、後述の硬化工程を繰り
返すことで、所望厚さを有するローラ本体12を得るも
のである。本実施例で採用したこの塗布方法は、所謂押
出コーティング法であるので、所定量の付与が容易とい
う特徴を有している。その他にもバーコーティングを含
むキス(接触)・コーティングやグラビア・コーティング
に代表されるローラ・コーティング、ディップ・コーテ
ィングおよびスプレー・コーティングがその特徴に応じ
て適宜選択的に採用される。
【0020】前述した混合体付与工程が終了したら、前
記固定部22と共に、シャフト20を移動させて、別の
シャフト20を固定した固定部22を所定位置に配置
し、引き続いて次の付与工程に移る。この方法で一度に
付与される気液混合体Mの厚さ、前記所定厚さは0.5
〜15mm程度が適当である。この厚さが15mmを上
回ると、前記気液混合体Mが自体の自重に耐えられなく
なり真円度の低いいびつなローラが出来てしまう。また
0.5mmを下回ると、所望の厚さを得るまでにより多
くの本付与工程および後述の硬化工程を行なう必要を生
じ、製造コストが嵩むと共に、気液混合体Mの付与時に
最外周部に形成される、所謂スキン層が相対的に多くな
って低硬度を維持し得なくなるので、本願の目的を達成
し得なくなってしまう畏れがある。
【0021】(硬化工程)次に、前述の混合体付与工程で
付与された気液混合体Mを硬化させるために、硬化工程
が行なわれる。この硬化工程で採用される硬化方法は、
通常に使用される硬化方法でよく、例えば自発的な化学
反応、外部からの加熱または放射線照射等の方法が挙げ
られる。
【0022】また前記硬化方法は、前記液状エラストマ
ー原料の種類によっても分類されるので、該原料別の硬
化方法を以下に述べる。前記液状エラストマー原料が水
系エマルジョンラテックスの場合、表面に不溶性物質を
生成させ、ラテックス粒子を相互に付着させることでゲ
ル化させ、引き続き加熱加硫を施す方法や、加熱により
分子構造に変化を起こさせたり、または水分除去をトリ
ガーとして混合体Mをゲル化させ、引き続いて分子間の
架橋反応を起こすことで硬化させる方法が知られてい
る。例えば軟質塩化ビニル等の有機溶媒系プラスチゾル
等の溶媒系プラスチゾルの場合、先ず加熱による溶媒量
の減少をトリガーとしてゲル化させ、更に加熱を施して
溶媒を完全除去して硬化する方法が知られている。例え
ばポリウレタン等の分散媒を含有しない液状樹脂原料の
場合、硬化剤を主剤中に混合することで起こる自発的な
硬化による方法や、加熱またはガンマ線等の放射線をト
リガーとして、架橋反応を起こさせて硬化させる方法が
知られている。
【0023】前述の混合体付与工程および本硬化工程に
より、所定厚さを有するローラ層は得られるが、前述の
如く一度に付与される該ローラの厚みは0.5〜15m
mであるので、該ローラが所望厚さに達するまで混合体
付与工程および硬化工程が繰り返し行なってもよい。最
終的に所望の厚さとされたローラは、洗浄等を施されて
内部に残留した未反応物質を除去して完成に至る。
【0024】(加工工程)以上の工程を経ることで、所望
厚さを有するローラが得られるものであるが、その他の
有用な機能や、歩留まりを向上させるために次の加工工
程を必要に応じて実施してもよい。製品歩留まりを向上
させたり、緻密なローラ外径精度を求められるローラの
場合には、得られたローラ外表面に研磨加工を施して所
望外径に精密調整する加工工程が考えられる。本発明に
おいては、0.5〜15mm単位でローラの所望厚さが
決定可能であるので、研磨加工によって無駄なる原料お
よび製作時間は従来に較べて、非常に小さくて済むもの
である。またこの研磨加工は、ローラの最外表面に形成
されているスキン層をはぎ取る際にも好適に採用され
る。このようにして最外表面のスキン層を除去すると、
セル骨格が露出して表面が凸凹形状になり、表面積が大
きく増大することになるので、例えばトナー搬送ローラ
の如き用途のローラに好適に利用される。
【0025】その他に、前記最外表面にコーティング膜
を施す加工工程を実施してもよい。例えばフッ素をコー
ティングしたローラでは、表面の離型性が大きく向上
し、加圧ローラに採用すれば、トナーがローラから容易
に剥離するので高画質を得ることができる。また電気導
電度を付与する、例えばカーボンブラックを含有する導
電膜を付与する加工工程も考えられる。この場合、ロー
ラ表面の電気伝導度や抵抗値を所望値に制御し得るの
で、例えば帯電ローラ等に好適に施されるものである。
【0026】
【実験例】以下複数の実験例を挙げるが、本発明はこれ
ら実験例に開示された内容に限定されるものではない。
また実験例2および実験例3に関して、実験例1と同じ
部分については"実験例1と同じ"と記載した。
【0027】(実験例1) 水系エマルジョンラテックス
−1 シャフト:無電解メッキを施した、φ6mm寸法の円柱
状の快削鋼を採用した。 液状ラテックス配合物:液状ラテックス原料として、ポ
リウレタンラテックス(第一工業製薬製 商品名 スーパ
ーフレックスE-2000 固形分50%)100重量
部、界面活性剤として、花王製 商品名 ポイズ521を
2重量部を配合して配合物とした。 混合撹拌工程:最終的に混合体密度が0.3g/cm3
なるように前記配合物に対し、乾燥空気を吹き込み、オ
ークスミキサーで充分に混合・撹拌し、発泡させること
で混合体を得た。 混合体付与工程:前記シャフトに対して、差渡し幅22
5mm、スリット間隔5mmのダイスから、前記混合撹
拌工程で得られた混合体を押出することで、該混合体を
5mmに付与した。 硬化工程:150℃熱風オーブン中で30分硬化・乾燥
させた。 加工工程:硬化の完了したローラの両端をトリミング加
工し、外周を研磨して差渡し幅220mm、肉厚3mm
のローラとした。 (結果)前述の工程から得られたローラの各物性は、密
度:0.15g/cm3、ASKER F硬度:40、研
磨面のセルサイズ:50μmで、このローラに1kgの
ニップ圧をかけた時のシャフト−ローラ外周面間の電気
抵抗値は1×108Ω(1000V時)であり、例えば転
写ローラに好適であった。
【0028】(実験例2) 水系エマルジョンラテックス
−2 シャフト:実験例1と同じ 液状ラテックス配合物:液状ラテックス原料として、N
BRラテックス(日本ゼオン製 商品名 LX531B 固
形分65%)100重量部、界面活性剤として、花王製
商品名 FR14を15重量部、その他添加物で合計6
3.7重量部を配合して配合物とした。前記その他添加
物の内容は、カーボンブラック水分散液(ライオン製 商
品名 W310A 固形分17.5%)を50重量部、粉末
硫黄(細井化学製)を2重量部、老化防止剤(大内新興化
学製 商品名 NS−6およびNS−30を夫々0.5重
量部ずつ)を1重量部、促進剤(大内新興化学製 商品名
MZ)を1重量部、酸化亜鉛(白木化学製)を3.2重量
部、トリメンベース(ダウケミカル)を2.5重量部およ
びケイフッ化ソーダを4重量部である。 混合撹拌工程:最終的に混合体密度が0.3g/cm3
なるように前記配合物に対し、乾燥空気を吹き込み、オ
ークスミキサーで充分に混合・撹拌し、発泡させること
で混合体を得た。 混合体付与工程:実験例1と同じ。 硬化工程:実験例1と同じ。 加工工程:硬化の完了したローラの両端をトリミング加
工し、外周を研磨して差渡し幅220mm、肉厚3mm
のローラとして、その外周部に液状ラテックス原料と同
じNBRラテックス(日本ゼオン製 商品名 LX531
B 固形分65%)の塗布・乾燥を2回行ない、40μm
厚の塗膜を形成し、更にその外側にメチルエチルケトン
に溶解させた溶剤可溶性フッ素樹脂(住友スリーエム製
商品名THV−200P)をドライ厚さ20μmの条件
で塗布した後、100℃熱風オーブン中で1時間硬化・
乾燥させた。 (結果)前述の工程から得られたローラの各物性は、AS
KER F硬度:60、研磨面のセルサイズ:200μ
mで、このローラに1kgのニップ圧をかけた時のシャ
フト−ローラ外周面間の電気抵抗値は1×105Ω(10
0V時)であり、例えば帯電ローラに好適であった。
【0029】(実験例3) 溶媒系 シャフト:実験例1と同じ 液状ラテックス配合物:液状ラテックス原料として、ア
クリルエマルジョン(イーテック製 商品名 F439A
固形分60%)100重量部、界面活性剤として、花王
製 商品名 エマールAD25を5重量部および花王製
商品名 ペレックスTAを7重量部、その他添加物とし
て、カーボンブラック水分散液(ライオン製 商品名 W
310A 固形分17.5%)を50重量部およびメラミ
ン樹脂架橋剤(住友化学製 商品名 スミテックスM3)を
2重量部を配合して配合物とした。 混合撹拌工程:最終的に混合体密度が0.2g/cm3
なるように前記配合物に対し、乾燥空気を吹き込み、オ
ークスミキサーで充分に混合・撹拌し、発泡させること
で混合体を得た。 混合体付与工程:実験例1と同じ 硬化工程:160℃熱風オーブン中で30分硬化・乾燥
させた。 加工工程:硬化の完了したローラの両端をトリミング加
工し、外周を研磨して差渡し幅220mm、肉厚3mm
のローラとし、更に外周部にフッ素ゴムラテックス(ダ
イキン工業製 商品名 ダイエルラテックスGLS−21
3 固形分50%)を主剤:硬化剤=100:5の比率で
調整して塗布厚20μmで塗布した後、160℃熱風オ
ーブン中で1時間硬化・乾燥させた。 (結果)前述の工程から得られたローラの各物性は、密
度:0.1g/cm3、ASKERF硬度:60、研磨面
のセルサイズ:30μmで、このローラに1kgのニッ
プ圧をかけた時のシャフト−ローラ外周面間の電気抵抗
値は1×104Ω(100V時)であり、殊に帯電ローラ
に好適であった。
【0030】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る事務
機器用ローラおよびその製造方法によれば、液状ラテッ
クスを主原料として、気体混入法により予め発泡状態と
なり、見掛け粘度が上昇している混合体をシャフトに付
与することでローラを製造するので、低い硬度と、高い
耐久性とを両立する肉厚の薄いローラを製造し得る。ま
た所望の肉厚が薄いローラであっても、原料を無駄に使
用することなく、かつ効率的に製造し得る有益な利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係るローラの製造方法
を示すフローチャートである。
【図2】本発明の好適な実施例に係るローラの製造装置
の概略斜視図である。
【図3】図2に示した製造装置により実施される経時的
な工程図である。
【符号の説明】
12 ローラ本体 20 シャフト M 混合体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 正純 愛知県名古屋市熱田区千年1丁目16番30号 株式会社イノアックコーポレーション船 方工場内 (72)発明者 中村 貴幸 愛知県名古屋市熱田区千年1丁目16番30号 株式会社イノアックコーポレーション船 方工場内 Fターム(参考) 2H003 CC05 3F049 CA11 LA02 LA05 LA07 LB03 3J103 AA02 AA41 EA03 EA20 FA12 FA15 GA02 GA52 HA03 HA41 4F213 AA31 AA42 AA45 AD03 AD18 AG03 AH04 WA06 WA14 WA18 WA53 WA74 WA87 WB01 WB18 WE03 WE16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフト(20)の周りにローラ本体(12)を
    形成してなる事務機器用ローラにおいて、前記ローラ本
    体(12)を、気体混入法によって微細気泡を混入させてな
    る混合体(M)で構成したことを特徴とする事務機器用ロ
    ーラ。
  2. 【請求項2】 事務機器用ローラの芯材となるシャフト
    (20)を回転させながら、該シャフト(20)の外周面に気体
    混入法により微細気泡を混入させた混合体(M)を連続供
    給して所定厚のローラ本体(12)を形成し、次いで前記ロ
    ーラ本体(12)を構成している混合体(M)を硬化させるよ
    うにしたことを特徴とする事務機器用ローラの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記混合体(M)を供給する工程および前記
    ローラ本体(12)を硬化させる工程を、反復させるように
    した請求項2記載の事務機器用ローラの製造方法。
  4. 【請求項4】 所定厚のローラ本体(12)が形成された後
    に、該ローラ本体(12)の外表面に研磨またはコーティン
    グを施すようにした請求項2または3記載の事務機器用
    ローラの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記混合体(M)を供給する工程が、押出コ
    ーティングで行なわれる請求項2〜3の何れかに記載の
    事務機器用ローラの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記混合体(M)の原料は、少なくとも液状
    エラストマ原料および界面活性剤を配合した液状エラス
    トマ配合物と、不活性ガスとを混合させることで得られ
    る請求項2〜5の何れかに記載の事務機器用ローラの製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記液状エラストマ原料は、水系エマル
    ジョンラテックスである請求項6記載の事務機器用ロー
    ラの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記液状エラストマ配合物と不活性ガス
    との混合比率は、1:1〜10:1の範囲内である請求
    項6記載の事務機器用ローラの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002213432A (ja) * 2001-01-22 2002-07-31 Sumitomo Electric Fine Polymer Inc 被覆ローラまたはベルト及びその製造方法
KR100857143B1 (ko) * 2008-01-30 2008-09-05 김수현 산업용 롤러의 코팅제 조성물 및 이를 이용한 롤러코팅방법
US7974554B2 (en) * 2004-03-01 2011-07-05 Oce Printing Systems Gmbh Method for imprinting a recording medium

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