JP2019123844A - スポンジローラ及びスポンジローラの製造方法 - Google Patents

スポンジローラ及びスポンジローラの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、セル径が小さい一方で、連泡率が高く、熱膨張による発泡弾性層の形状変化が抑えられたスポンジローラ及び当該スポンジローラの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、軸体2と、その軸体2の外周面に形成された発泡弾性層3と、を有するスポンジローラ1であって、発泡弾性層3は、ミラブル型シリコーンゴム、未膨張マイクロバルーン、架橋剤及び化学発泡剤から形成され、発泡弾性層3における連泡率は、6%以上90%以下である、スポンジローラ1を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、スポンジローラ及びスポンジローラの製造方法に関し、更に詳しくは、セル径が小さい一方で、連泡率が高く、熱膨張による発泡弾性層の形状変化が抑えられたスポンジローラ及び当該スポンジローラの製造方法に関する。
レーザープリンター及びビデオプリンター等のプリンター、複写機、ファクシミリ、これらの複合機等には、電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。各種の画像形成装置は、軸体とその外周面に形成された弾性層とを有するローラを備えており、例えば、クリーニングローラ、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、加圧ローラ、紙送り搬送ローラ、定着ローラ等の各種ローラを備えている。これらのローラの中でも、例えば、クリーニングローラ、紙送り搬送ローラ、定着ローラ及び加圧ローラ等は、各ローラの機能を向上させる場合が多い。
例えば、定着ローラ及び加圧ローラは、印字不良を防止し、耐久性を向上させるために、発泡弾性層のセル径を小さくする場合がある。特許文献1は、耐久性を向上させることを目的に、低分子量シリコーンゴムに既膨張樹脂マイクロバルーンを混合して得られたゴム組成物に、高分子量シリコーンゴムを混合してなるシリコーンゴム組成物を、樹脂マイクロバルーンの軟化点よりも低い温度で加熱してシリコーンゴムを硬化してなるシリコーンゴムスポンジローラを開示している。
また、例えば、加圧ローラは、熱によって発泡弾性層のセルが膨張し、発泡弾性層が変形することを防止するために、発泡弾性層のセルを、近傍に存在する他のセルに連通させる場合がある。特許文献2は、定着用加圧ローラにおいて、高温時に、発泡弾性層のセル内の気体を排出することを目的に、発泡弾性層の連泡率が90%以上であるような連泡構造とする定着用加圧ローラを開示している。また、特許文献3は、加圧ローラにおいて、高温時に、発泡弾性層のセル内の気体を排出することを目的に、発泡弾性層の外周面に形成される、フッ素樹脂からなる非粘着層の通紙部位を含む範囲に針を刺して、当該加圧ローラの発泡弾性層の呼吸のための複数の穿孔を設けた加圧ローラを開示している。
国際公開第2013/005613号公報 特開2004−70159号公報 特許第3808926号公報
ここで、発泡弾性層を有するスポンジローラにおいて、発泡弾性層のセル径を小さくする場合、連泡率が低下し、発泡弾性層のセル内の気体を効率よく排出できず、スポンジローラの使用時の熱膨張率が大きくなるという問題がある。
そこで、本発明は、セル径が小さい一方で、連泡率が高く、熱膨張による発泡弾性層の形状変化が抑えられたスポンジローラ及び当該スポンジローラの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、ミラブル型シリコーンゴムと、未膨張マイクロバルーンと、架橋剤と、化学発泡剤とから形成される発泡弾性層を有するスポンジローラにおいて、連泡率を調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)軸体と、その軸体の外周面に形成された発泡弾性層と、を有するスポンジローラであって、前記発泡弾性層は、ミラブル型シリコーンゴム、未膨張マイクロバルーン、架橋剤及び化学発泡剤から形成され、発泡弾性層における連泡率は、6%以上90%以下であるスポンジローラである。
(2)前記発泡弾性層のアスカーC硬度は、20以上80以下である、(1)に記載のスポンジローラ。
(3)前記スポンジローラを150℃に昇温した乾燥機に投入し、加熱開始から50分経過後までの10分毎にローラ外径を測定し、加熱前の前記発泡弾性層の厚みから10分毎に測定した前記発泡弾性層の熱膨張率を算出した場合において、加熱開始10分後の前記発泡弾性層の熱膨張率から加熱開始50分後の前記発泡弾性層の熱膨張率を引いた値は、0.01以上1.2以下である、(1)又は(2)に記載のスポンジローラ。
(4)軸体の外周面にゴム組成物を配置し、加熱しながら加硫して、発泡弾性体を有するローラ原体を得る工程と、前記ローラ原体の外周面に緩衝管を装着し、三角形の頂点に配置された3本の狭圧管体それぞれが、前記発泡弾性体及び前記緩衝管の合計厚さに対して、半径方向に30%以上65%以下圧縮するように、前記ローラ原体を前記狭圧管体で狭圧し、回転させて、前記発泡弾性層を形成する工程と、を有する(1)から(3)のいずれかのスポンジローラの製造方法。
本発明のスポンジローラは、発泡弾性層の形成に、ミラブル型シリコーンゴムと、未膨張マイクロバルーンと、化学発泡剤とを用いている。発泡弾性層においては、未膨張マイクロバルーンによって形成されたセル径の小さいセルの連泡率が高く調整されているので、熱によって発泡弾性層が膨張することを防ぐことができる。以上より、本発明によれば、セル径が小さい一方で、連泡率が高く、熱膨張による発泡弾性層の形状変化が抑えられたスポンジローラを提供することができる。
本発明の一実施例を示すスポンジローラを示す説明図である。 本発明の一実施例を示すスポンジローラを定着装置に組み込んでなる画像形成装置の一例を示す説明図である。 本発明の一実施例におけるスポンジローラの製造方法において、発泡弾性層を形成する工程に好適に用いられる押圧装置を示す模式図である。 図3のA−A線における断面図である。
<スポンジローラ>
本発明の一例であるスポンジローラ1は、図1に示されるように、芯金とも称される軸体2と、その軸体2の外周面に形成された発泡弾性層3とを有する。4は、発泡弾性層3の表面に必要に応じて形成されるスリーブであり、例えば、フッ素樹脂層等が形成されてもよい。
軸体2は、通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で形成されたいわゆる芯金と称される長尺状円柱体である。軸体2は装着される画像形成装置30に応じて適切な直径及び軸線方向の長さに調整される。
画像形成装置30にスポンジローラ1が組み込まれる場合、この軸体2は通常5.0mm以上40mm以下の直径を有し、また、一端から他端までの軸長は、通常150mm以上1000mm以下である。
[発泡弾性層]
発泡弾性層3は、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、未膨張マイクロバルーンと、化学発泡剤と、で形成される。
(ミラブル型シリコーンゴム)
ミラブル型シリコーンゴムは、硬化する前の状態が天然ゴムや通常の合成ゴムの未加硫配合ゴムに類似していて、練りロール機あるいは密閉式の混合機等で可塑化・混合することができるシリコーンゴムコンパウンド(シリコーンゴム組成物)である。
好適なミラブル型シリコーンゴムは、以下に示す成分(A)から成分(E)を含有してなる。
(A)下記平均組成式(I)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換若しくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95〜2.05の正数である。)
(B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
(C)下記一般式(II)で示されるアルコキシシラン
2mSi(OR34-m (II)
(式中、R2は独立に水素原子又は非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、R3は同一又は異種の非置換若しくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)
(D)水
(E)下記一般式(III)で示されるヘキサオルガノジシラザン
4 3SiNHSiR4 3 (III)
(式中、R4は同一又は異種の一価炭化水素基を示す。)
本発明におけるミラブル型シリコーンゴムとしては、具体的には、信越化学工業株式会社製のKE−571−U、KE−1571−U、KE−951−U、KE−541−U、KE−551−U、KE−561−U、KE−961T−U、KE−1541−U、KE−1551−U、KE−941−U、KE−971T−U等を使用することができる。
(未膨張マイクロバルーン)
本発明のスポンジローラ1においては、発泡弾性層3の形成に未膨張マイクロバルーンを用いる。本発明における未膨張マイクロバルーンは、膨張していない樹脂マイクロバルーンを挙げることができる。これにより、発泡弾性層3のセルを微細セルとすることで、印字不良を防止し、耐久性が向上した発泡弾性層3とすることができる。
樹脂マイクロバルーンとしては、外殻に熱可塑性樹脂を用いたものが好ましく用いられる。外殻を構成する熱可塑性樹脂としては、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体、メタアクリロニトリル/アクリロニトリル共重合体等を挙げることができる。液状シリコーンゴムの硬化温度に合わせて、外殻となる樹脂の軟化温度が適当な範囲内にある樹脂マイクロバルーンを用いることが好ましい。また、内包される蒸発性物質としては、ブタン、イソブタン等の炭化水素を挙げることができる。
本発明に好適な未膨張の樹脂マイクロバルーンは、「マツモトマイクロスフェアーFシリーズ」(松本油脂製薬株式会社製)、「エクスパンセルシリーズ」(エクスパンセル社製)等として市販されている。
(化学発泡剤)
本発明のスポンジローラ1においては、発泡弾性層3の形成に化学発泡剤を用いる。本発明における化学発泡剤としては、従来、発泡弾性層3の形成に用いられる発泡剤であればよく、例えば、無機系発泡剤として、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられ、有機系発泡剤として、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。有機アゾ化合物の中でも、アゾジカルボン酸アミド、アゾビス−イソブチロニトリル等が好適に使用される。特に、アゾビス−イソブチロニトリルが好適に使用できる。
なお、未膨張マイクロバルーンの配合量及び化学発泡剤の配合量を、この発明に係る製造方法の説明にて記載したような量に調節するのが好ましい。
(架橋剤)
本発明のスポンジローラ1においては、発泡弾性層3の形成に、架橋剤を用いる。架橋剤を用いることにより、ミラブル型シリコーンゴムの架橋開始の前に、未膨張マイクロバルーンの揮発ガスが発生し、セル形成と同時にセル間に通気部が形成され、連泡性が良好な発泡弾性層3を形成することができ、発泡弾性層3の熱膨張率を良好なものとすることができる。
架橋剤は、有機過酸化物架橋剤を使用してもよいし、付加反応架橋剤を使用してもよいし、有機過酸化物架橋剤及び付加反応架橋剤の両方を併用してもよい。
有機過酸化物架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルクミルパーオキサイド、パラメチルベンゾイルパーオキサイド等を用いることができる。有機過酸化物架橋剤のみを使用する場合の有機過酸化物架橋剤の配合量は、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。なお、一般に、有機過酸化物架橋剤を使用した場合、セル径が大きくなる傾向にあるものの、本発明においては、後述するように、微細なセルを形成する傾向にある未膨張マイクロバルーンを使用するため、発泡弾性層3に形成されるセルが、全体的に微細なものとなる。
有機過酸化物架橋剤は一種単独で、又は二種以上を混合して用いることができる。なお、有機過酸化物架橋剤の分解温度は、未膨張マイクロバルーンの発泡開始温度や、化学発泡剤の分解温度よりも高いものとすることが好ましい。
付加反応架橋剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、付加反応触媒や、一分子中に二個以上のSiH基(SiH結合)を有する付加反応型の架橋剤等を用いることができる。付加反応触媒を用いる場合、白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート、パラジウム系触媒等が挙げられる。付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができる。一分子中に二個以上のSiH基(SiH結合)を有する付加反応型の架橋剤を用いる場合、オルガノハイドロジェンポリシロキサン等を挙げられる。一分子中に二個以上のSiH基(SiH結合)を有する付加反応型の架橋剤の配合量は、通常、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して0.5質量部以上2質量部以下とすることができる。有機過酸化物架橋剤及び付加反応架橋剤の両方を併用する場合、得られるスポンジローラ1の強度、歪み等の物性をより一層向上させることができる。
[連泡率]
発泡弾性層3は、近傍に存在する他のセルに接し又は連通しているセル(以下、連続セル又は連泡と称する。)を有している。この連続セルは、後述する独立セルの壁が破損して、近傍に存在する他のセルに破壁を介して連通してなるセルともいうことができる。発泡弾性層3は、連続セルに加えて、この発明の目的を阻害しない範囲で、近傍に存在する他のセルに接することのない又は連通することのないセル(以下、独立セルと称する。)を有していてもよい。なお、セルの形状は、特に限定されず、例えば、略球状であってもよく、また、楕円体形、不定形であってもよく、また、複数のセルが連通した管状であってもよい。
連続セルは、複数のセルが破壁を介してその近傍に存在する他のセルに連通し、発泡弾性層3内で3次元的な連通路を形成しているのがよい。このように連続セルが3次元的な連通路を形成していると、発泡弾性層3の外周面にスリーブ4を設けても、セル内に存在する気体を、連通路を経由して発泡弾性層3の両端部から効率よく排出することができるとともに、スポンジローラ1の外部に存在する気体を、この連通路を経由して発泡弾性層3のセル内に取り込むことができる。その結果、スポンジローラ1の温度が高温に達しても、発泡弾性層3内の空気を効率よく発泡弾性層3内から排出することができるから、発泡弾性層3のセル内に存在する気体が閉じ込められた状態で膨張することがなく、発泡弾性層3、特にその中央部の圧力及び硬度が高くなることを効果的に防止することができる。一方、スポンジローラ1の温度が高温から低温に低下しても、発泡弾性層3の外部から気体をセル内に取り込むことができるから、発泡弾性層3の、特にその中央部の圧力及び硬度が低くなることを効果的に防止することができる。そして、この連続セルは、発泡弾性層3の表面近傍に存在するだけでなく、その内部、例えば軸体2の外周面近傍まで存在し、3次元的な連通路を形成しているものであると、スポンジローラ1としたときに特徴をよく発現することができる点で、好ましい。連続セルが発泡弾性層3の内部に存在するか否かは、発泡弾性層3を切断した切断面を目視で観察することによって、確認することができる。
発泡弾性層3の連泡率は、以下のように算出することができる。まず、発泡弾性層3の全部又は一部を切り出して試験片を準備する。この試験片の質量W(g)及び密度D(g/cm)を常法に従って測定し、試験片の体積V(cm)をW/Dにより算出する。そして、減圧チャンバ内に配置された容器に満たされた水に試験片を浸漬して、試験片から気泡が出現しなくなるまで、減圧チャンバ内を2分間30mmHg以下に減圧し、減圧を解除して、常圧で5分間静置する。そして、試験片を水中から取り出し、試験片に付着した水を拭き取って、浸漬後の試験片の質量W(g)を測定し、試験片が吸収した水の質量W(g)をW−Wにより算出する。なお、水の密度を1(g/cm)とすると、Wと試験片が吸収した水の体積V(cm)とは等しくなる。また、発泡弾性層3を形成するゴム組成物の密度D(g/cm3)を予め常法に従って測定する。これより、発泡弾性層3の連泡率(%)は、{(W−W)/水の比重}/{(1−D/D)×(W/D)}×100(%)の式によって算出することができる。
発泡弾性層3の連泡率は、6%以上90%以下であり、20%以上80%以下であることが好ましく、30%以上70%以下であることがより好ましい。これにより、スポンジローラ1の使用時に熱が加わり、発泡弾性層3のセル内の気体が熱膨張した場合でも、連続セルを経由して発泡弾性層3内から気体を効率よく排出することができるため、熱膨張による発泡弾性層3の形状変化を抑えることができる。
[アスカーC硬度]
発泡弾性層3はそのアスカーC硬度が20以上80以下であることが好ましく、30以上70以下であることがより好ましい。本発明のスポンジローラ1では、発泡弾性層3の表面のアスカーC硬度が、軸方向において両端の差が1以下である。スポンジローラ1における発泡弾性層3のアスカーC硬度の差が小さいことは、加圧された発泡弾性層3が熱膨張によって変形した場合であっても、均一に変形し、応力分布の偏りが小さくなるという利点があって好ましい。
[熱膨張率]
本発明においては、発泡弾性層3のセル径が小さい一方で、発泡弾性層3の連泡率が高く維持されるため、スポンジローラ1が熱を帯びた際に、セル内部の空気が外部に放出されやすく、加熱による熱膨張が抑えられる傾向にある。一般に、連泡率の低いスポンジローラは、加熱の初期に体積増加がみられるものの、シリコーンゴム自体の通気性により、この体積増加は時間の経過とともに解消する傾向にある。本発明のスポンジローラ1は、連泡率が高いため、加熱の初期に、発泡弾性層1の大幅な体積増加が少なく、熱膨張率を低く抑えることができ、発泡弾性層3の形状変化を抑えることができる。
スポンジローラ1を150℃に昇温した乾燥機に投入し、加熱開始から50分経過後までの10分毎にローラ外径を測定し、加熱前の発泡弾性層3の厚みから10分毎に測定した発泡弾性層3の熱膨張率を算出した場合において、加熱開始10分後の発泡弾性層3の熱膨張率から加熱開始50分後の発泡弾性層3の熱膨張率を引いた値は、0.01以上1.2以下であることが好ましく、0.4以上0.8以下であることがより好ましい。熱膨張率が上記の範囲内のものとなることにより、熱膨張による発泡弾性層3の形状変化を抑えることができる。なお、より具体的には、スポンジローラ1を150℃に昇温した乾燥機に投入し、10分間加熱し、乾燥機からスポンジローラ1を取り出してローラ外径を測定して加熱前の発泡弾性層3の厚みから熱膨張率を算出し、計50分間10分毎の加熱における熱膨張率を算出する。
[クラウン量]
スポンジローラ1を150℃に昇温した乾燥機に投入し、加熱開始から50分経過後までの10分毎にクラウン量(両端部の最大外径から中央部の最小外径を差し引いた数値)を測定した場合に、加熱開始前のクラウン量と、加熱開始後50分経過後のクラウン量の差は、0.01mm以上0.1mm以下であることが好ましく、0.03mm以上0.07以下であることがより好ましい。これにより、熱膨張による発泡弾性層3の形状変化が抑えられ、紙シワが発生しにくいスポンジローラ1を提供することができる。
[弾性層の寸法等]
発泡弾性層3は、軸体2の外周面に円柱状に形成され、発泡弾性層3の厚みは通常0.5mmから30mmであることが好ましく、1mmから15mmであることがより好ましい。軸体2の外周面に形成されたスポンジローラ1の形状は、軸体2の軸線方向において発泡弾性層3の厚みを軸体2の両端から軸体2の中央に向かって徐々に増大させる形状、(クラウン形状)、発泡弾性層3の厚みを軸体2の中央から軸体2の両端に向かって徐々に増加させる形状(逆クラウン形状)、ストレート形状等であってもよいが、紙シワの発生を抑制する点において、逆クラウン形状であることが好ましい。
発泡弾性層3は、この発明の課題を達成することができる限り、低分子シロキサンエステル、シラノール、例えば、ジフェニルシランジオール等の分散剤、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、接着性や成形加工性を向上させる各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させるハロゲン化合物等をこの発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。
本発明に係るスポンジローラ1は、画像形成装置30の例えば定着装置に組み込むことができる。
<画像形成装置>
本発明に係るスポンジローラ1を備えた定着装置を組み込んでなる画像形成装置30の一例を、図2を参照して、説明する。
図2に示されるように、画像形成装置30は、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31、例えば感光体と、像担持体31の周囲に配置された、帯電手段32、例えば帯電ローラ、露光手段33、現像手段40、転写手段34例えば転写ローラ、クリーニング手段37、記録体36の搬送方向下流側に定着手段35等を備えている。この現像手段40は、従来の現像手段と基本的に同様に形成され、具体的には、図2に示されるように、現像剤収納部41と、像担持体31に現像剤42を供給する現像剤担持体44と、現像剤担持体44に現像剤42を供給する現像剤供給手段43と、現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えている。
画像形成装置30における定着装置は、定着手段35の加圧ローラ56に、例えば本発明のスポンジローラ1を用いるこができる。すなわち、この定着手段35は、図2にその断面が示されるように、記録体36を通過させる開口52を有する筐体50内に、定着ローラ53と、定着ローラ53の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ54と、定着ローラ53及び無端ベルト支持ローラ54に巻回された無端ベルト55と、無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接する加圧ローラ56と、無端ベルト55に非接触となるように配置され、無端ベルト55を介して外部から定着ローラ53を加熱する加熱手段(図示しない)とを備え、無端ベルト55を介して定着ローラ53と加圧ローラ56とが互いに当接又は圧接するように回転自在に支持されてなる圧力熱定着装置である。
無端ベルト支持ローラ54は、画像形成装置30に通常用いられるローラであればよく、例えば、弾性ローラ等が用いられる。無端ベルト55は、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂により、無端状に形成されたベルトであればよく、その厚さ等も適宜、定着手段35に適合するように調整することができる。加圧ローラ56はスプリング等の付勢手段(図示しない)によって無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接している。この定着手段35において本発明に係るスポンジローラ1を加圧ローラ56として装着することができる。加熱手段は、ハロゲンヒーター及び反射板等を用いた輻射加熱方法、加熱器等を直接接触させて加熱する直接接触加熱方法、並びに、誘導加熱方法等が採用される。この加熱手段は、定着ローラ53における軸線方向の長さとほぼ同じ長さを有する部材であり、定着手段35のいずれに配置されてもよいが、図2に示されるように、定着ローラ53の表面より一定の間隔を隔てて定着ローラ53に略並行に配置されるのがよい。誘導加熱方法には加熱用コイルが用いられ、この加熱用コイルは、通常、フェライト等の強磁性体で、スイッチング電源用として用いられている代表的な形状であるI型、E型及びU型等に形成され、導線が巻かれてなる。無端ベルト55と加圧ローラ56との圧接された間を記録体36が通過することにより、加圧と同時に加熱され、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができる。
画像形成装置30は、次のように作用する。まず、画像形成装置30において、帯電手段32により像担持体31が一様に帯電され、露光手段33により像担持体31の表面に静電潜像が形成される。次いで、現像手段40から現像剤42が像担持体31に供給されて静電潜像が現像され、この現像剤像が像担持体31と転写手段34との間に搬送される記録体36上に転写される。この記録体36は定着手段35に搬送され、現像剤像が永久画像として記録体36に定着される。このようにして、記録体36に画像を形成することができる。定着手段35及び画像形成装置30は、加圧ローラ56として本発明に係るスポンジローラ1を採用すると、セル径が小さい一方で、連泡率が高く、熱膨張による発泡弾性層の形状変化を抑えられた画像形成装置30とすることができる。
<スポンジローラの製造方法>
本発明に係るスポンジローラ1は、軸体2の外周面にゴム組成物を配置し、加熱しながら加硫して、発泡弾性体6を有するローラ原体5を得る工程と、ローラ原体5の外周面に緩衝管65を装着し、三角形の頂点に配置された3本の狭圧管体62、63、64それぞれが、発泡弾性体6及び緩衝管65の合計厚さに対して、半径方向に30%以上65%以下圧縮するように、狭圧管体62、63、64で狭圧し、回転させて、発泡弾性層3を形成する工程と、を有するスポンジローラ1の製造方法によって、製造することができる。
まず、本発明に係る製造方法においては、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、未膨張マイクロバルーンと、化学発泡剤と、を配合してゴム組成物を得る。例えば、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して、架橋剤を1.0質量部以上5.0質量部以下と、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して未膨張マイクロバルーン0.2質量部以上10質量部以下と、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して化学発泡剤0.2質量部以上10質量部以下と、を配合してゴム組成物を得る。なお、連泡率を良好なものとするためには、未膨張マイクロバルーンの配合量と、化学発泡剤の配合量の比は、3:5から5:3であることが好ましく、4:5から5:4であることがより好ましく、1:1であることが特に好ましく、未膨張マイクロバルーン及び化学発泡剤の配合量は、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して、それぞれ、7.5質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。また、連泡率を良好なものとするためには、架橋剤の配合量をミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して、1.0質量部以上2.5質量部以下とすることが好ましい。
未膨張マイクロバルーン、架橋剤、化学発泡剤の種類等については既に説明した。
混合する方法は特に限定されず、例えば、常温常圧下で、ミラブル型シリコーンゴムに未膨張マイクロバルーン、化学発泡剤、及び架橋剤を順次に、又は一挙に投入して攪拌機、混練器等で均一に混合させる方法等が挙げられる。このようにしてゴム組成物を調製する工程が完遂する。
ゴム組成物には、各種の添加剤を含めることができる。各種の添加剤として、例えば鎖延長剤等の助剤、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常用いられる添加剤であってもよく、用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。
ゴム組成物は、二本ロール、三本ロール、ロールミル、バンバリーミキサ、ドウミキサ(ニーダー)等のゴム混練り機等を用いて、均一に混合されるまで、例えば、数分から数時間、好ましくは5分以上1時間以下にわたって常温又は加熱下で混練することにより、得ることができる。
次いで、得られたゴム組成物を、スポンジローラ1を構成するための軸体2の外周面に、配置する。例えば、押出成形による連続加熱成形、プレス、インジェクションによる型成形等によって、加熱成形して配置することができる。
軸体2の外側表面にゴム組成物を円柱状に配置又は形成した後に、円柱状のゴム組成物、換言すると、円柱状の成形体を、軸体2ごと加熱しながら加硫(加熱硬化)して、発泡弾性体6を有するローラ原体5を得ることができる。この加熱加硫を行う際の条件、例えば未膨張マイクロバルーン及び化学発泡剤の種類とその添加量、架橋剤の種類とその添加量、加熱温度等の条件によって、発泡後の大径セルの平均セル径及び小径セルの平均セル径を所定の範囲に調整することができる。
ゴム組成物を加熱して加硫するに際して、加熱を以下のようにすると、特に好ましい。すなわち、一次加硫として、100℃から300℃、特に150℃から250℃に5分から30分間加熱し、次いで二次加硫として180℃から250℃、特に200℃から230℃に、1時間から10時間加熱するのが好ましい。このように複数の回数をもって加熱すると未膨張マイクロバルーンの膨張、化学発泡剤の分解、ミラブル型シリコーンゴムの硬化、残留する低分子シロキサンの排除、膨張したマイクロバルーンの熱収縮を必要に応じてコントロールすることが可能となって好ましい。また、このように複数回の加熱操作を行うことにより、未膨張マイクロバルーン由来の小径のセルと、化学発泡剤由来の大径のセルとを有する複合セルに調整することができる。なお、大径のセルの平均セル径が小径のセルの平均セル径よりも小さくなることはない。
加硫をするに必要な加熱は、赤外線加熱炉又は熱風炉等の加熱炉、乾燥機等の加熱機等で行うことができる。
このようにして得られるローラ原体5を更に研磨工程に供してもよい。研磨工程は、軸体2の外周面に形成された発泡弾性体6の形状を、クラウン形状、逆クラウン形状又はストレート形状等に調整する工程である。
次に、図3、図4に示すように、ローラ原体5の外周面に緩衝管65を装着し、三角形の頂点に配置された3本の狭圧管体62、63、64それぞれが、発泡弾性体6及び緩衝管65の合計厚さに対して、半径方向に30%以上65%以下圧縮するように、ローラ原体5を狭圧管体62、63、64で狭圧し、回転させて、発泡弾性層3を形成する工程に供する。これにより、発泡弾性層3において、熱膨張率をより抑えることができる。発泡弾性層3の損傷又は破壊をなくし、熱膨張率を抑える点から、圧縮率は、40%以上60%以下であることが好ましい。
例えば、発泡弾性体6は、厚さが2mm以上20mm以下であることが好ましい。また、緩衝管65は、狭圧管体62、63、64それぞれによる押圧力の効率的な伝達と過剰な押圧力の緩衝という点から、中実なゴム製であることが好ましく、緩衝管65のJIS A硬度は、20以上75以下であることが好ましい。また、発泡弾性体6の圧縮率を正確に調整する点から、緩衝管65の壁厚は発泡弾性体6の厚さに対して5%以上150%以下であることが好ましくかつ10mm以下であることが好ましい。なお、緩衝管65の軸孔及び内径は発泡弾性体6の形状に応じて選択されるのが好ましく、その軸孔はローラ原体5の発泡弾性体6の外径と対応する形状とすると、発泡弾性体6を均一に圧縮できる点で好ましい。例えば、発泡弾性体6が所謂「クラウン形状」である場合には緩衝管65の内径は両端部から中央部にかけて徐々に増大して軸孔が所謂「クラウン形状」であるのが好ましく、発泡弾性体6が所謂「逆クラウン形状」である場合には緩衝管65の内径は両端部から中央部にかけて徐々に減少して軸孔が所謂「逆クラウン形状」であるのが好ましい。緩衝管65の外形は所謂「ストレート形状」、所謂「クラウン形状」又は所謂「逆クラウン形状」であってもよく、ローラ原体5の発泡弾性体6の形状や部分的な圧縮量によって適宜選択される。
例えば、発泡弾性層3を形成する工程に用いる押圧装置60としては、図3、図4に示すように、軸線C1、C2が同一平面内に位置する第1狭圧管体62及び第2狭圧管体63、並びに、軸線C3が上記同一平面に対する垂直平面内に位置する第3狭圧管体64と、第1狭圧管体62、第2狭圧管体63及び第3狭圧管体64の少なくとも1つを回転させる回転機構61と、第1狭圧管体62、第2狭圧管体63及び第3狭圧管体64で狭圧されるローラ原体5が有する発泡弾性体6の外周面に配置される緩衝管65と、を有する押圧装置60を用いることが好ましい。
また、このようにして得られるスポンジローラ1の外表面にスリーブ4を設けてもよく、チューブ、例えばフッ素樹脂チューブで被覆してフッ素樹脂層を設けてもよい。フッ素樹脂チューブによる被覆は、例えば、加圧下でスポンジローラ1を圧縮してフッ素樹脂チューブに挿入する加圧挿入法、減圧下でフッ素樹脂チューブを圧縮してフッ素樹脂チューブに挿入する減圧挿入法、減圧下でフッ素樹脂チューブを半径方向に拡径させてスポンジローラ1をその内部に挿入する減圧拡径法等によって、行うことができる。
本発明に係るスポンジローラ1、スポンジローラ1の製造方法は、以上の実施形態に限定されることはなく、この発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、スポンジローラ1において、発泡弾性層3は、単層構造とされているが、この発明においては二層以上の複層構造とされてもよい。
画像形成装置30は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、画像形成装置30は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置30は、現像手段40に単色の現像剤42のみを収容するモノクロ画像形成装置とされているが、画像形成装置30は、モノクロ画像形成装置に限定されず、カラー画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置としては、例えば、像担持体上に担持された現像剤像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色の現像手段を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。画像形成装置30は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置とされる。
また、定着手段35及び画像形成装置30において、現像剤42は、一成分系の現像剤が有利に用いられるが、トナーと、鉄、ニッケル等のキャリアとを含む二成分系の現像剤も使用することができる。
<実施例1から3、比較例1及び比較例2>
実施例1から3並びに比較例1及び比較例2にあっては、表1に示されるベースゴム材料と、表1に示される架橋剤と、表1に示される触媒と、表1に示される未膨張マイクロバルーンと、表1に示される化学発泡剤とを、表1に示される配合量をもって、二本ロールで十分に混練してゴム組成物を得た。
なお、実施例1から3並びに比較例1及び2で用いられたゴム組成物において、ベースゴム材料は信越化学工業株式会社製の商品名KE−551Uであるミラブル型シリコーンゴムであり、触媒は信越化学工業株式会社製の商品名C−25Aである白金触媒であり、未膨張マイクロバルーンは、松本油脂製薬株式会社製の商品名マツモトマイクロスフェアーであり、化学発泡剤は大塚化学株式会社製の商品名AZOシリーズのAIBNである。架橋剤としては、信越化学工業株式会社製のC−25Bを用いた。
次いで、プライマー層を形成した軸体とゴム組成物とを押出成形機にて一体分出し、実施例1から3並びに比較例1及び比較例2にあっては、赤外線加熱炉(IR加熱炉)を用いてゴム組成物を225℃で17分間加熱することにより1次加硫し、その後、熱風乾燥炉で225℃で7時間にわたって2次加硫することにより、発泡弾性体を有するローラ原体を作製した。このローラ原体の円周面を、金属砥石による高速研磨を株式会社水口製作所製の研磨機により行った。
次いで、ローラ原体の外周面に緩衝管を装着し、三角形の頂点に配置された3本の狭圧管体それぞれが、発泡弾性体及び緩衝管の合計厚さに対して、半径方向に60%圧縮するように、ローラ原体を狭圧管体で狭圧し、回転させて、発泡弾性層を形成し、スポンジローラを得た。
実施例1から3並びに比較例1及び比較例2で得られたスポンジローラは、外径30mm及び軸線方向長さ340mmの逆クラウン形状であり、連泡率と、アスカーC硬度と、熱膨張率と、クラウン量と、を測定し、表1にまとめた。
1 スポンジローラ
2 軸体
3 発泡弾性層
4 スリーブ
5 ローラ原体
6 発泡弾性体
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着手段
36 記録体
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 現像剤供給手段
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
50 筐体
52 開口
53 定着ローラ
54 無端ベルト支持ローラ
55 無端ベルト
56 加圧ローラ
60 押圧装置
61 回転機構
C1、C2、C3 軸線
62 第1狭圧管体
63 第2狭圧管体
64 第3狭圧管体
65 緩衝管

Claims (4)

  1. 軸体と、その軸体の外周面に形成された発泡弾性層と、を有するスポンジローラであって、
    前記発泡弾性層は、ミラブル型シリコーンゴム、未膨張マイクロバルーン、架橋剤及び化学発泡剤から形成され、
    前記発泡弾性層における連泡率は、6%以上90%以下である、スポンジローラ。
  2. 前記発泡弾性層のアスカーC硬度は、20以上80以下である、請求項1に記載のスポンジローラ。
  3. 前記スポンジローラを150℃に昇温した乾燥機に投入し、加熱開始から50分経過後までの10分毎にローラ外径を測定し、加熱前の前記発泡弾性層の厚みから10分毎に測定した前記発泡弾性層の熱膨張率を算出した場合において、加熱開始10分後の前記発泡弾性層の熱膨張率から加熱開始50分後の前記発泡弾性層の熱膨張率を引いた値は、0.01以上1.2以下である、請求項1又は請求項2に記載のスポンジローラ。
  4. 軸体の外周面にゴム組成物を配置し、加熱しながら加硫して、発泡弾性体を有するローラ原体を得る工程と、
    前記ローラ原体の外周面に緩衝管を装着し、三角形の頂点に配置された3本の狭圧管体それぞれが、前記発泡弾性体及び前記緩衝管の合計厚さに対して、半径方向に30%以上65%以下圧縮するように、前記ローラ原体を前記狭圧管体で狭圧し、回転させて、前記発泡弾性層を形成する工程と、を有する請求項1から3のいずれかに記載のスポンジローラの製造方法。
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