JP7060196B2 - 定着・加圧ローラ、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着・加圧ローラ、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

この発明は、耐久性に優れる定着・加圧ローラ、該定着・加圧ローラを備える定着装置及び画像形成装置に関する。
レーザープリンタ、複写機、ビデオプリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等には、電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。電子写真方式を利用した画像形成装置は、軸体とその外周面に形成された弾性層とを有する、例えば、クリーニングローラ、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、加圧ローラ、紙送り搬送ローラ、定着ローラ等の各種印刷用スポンジローラを備えている。
上記の画像形成装置における定着手段としては、例えば、熱ローラ定着方式が採用されている。熱ローラ定着方式では、加熱ローラ(定着ローラ)と加圧ローラとを一対の基本構成とし、ローラ対の圧接ニップ部に、トナー画像が担持された被記録材(転写材シート、ファックス紙、印字用用紙等)を導入することで、被記録材にトナー画像を熱圧定着させることが一般的である。定着手段に用いる定着・加圧ローラには、適度なニップ圧に調整するために、発泡剤を用いて弾性層に多孔質構造を形成する手法が採用されている。
定着・加圧ローラの弾性層の形成に発泡剤を用いる手法として、例えば、特許文献1には、熱源を内蔵する定着用回転体であって、該定着用回転体と、当該定着用回転体に記録媒体を介して圧接する加圧部とのニップ部に、未定着トナーを担持した記録媒体を搬送して未定着トナーを記録媒体に定着する定着用回転体を構成する定着部材の製造方法において、未加硫付加型のシリコーンゴムに、発泡剤又は発泡粒子を含有させ、さらに炭素繊維を含有させ、1次加硫及び発泡を行い、その後に2次加硫を行うことを特徴とする定着部材の製造方法が開示されている。
また、定着・加圧ローラの弾性層には、弾性層を補強するために補強性の充填材を含有されることが一般的に行われている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011-227512号公報 特開2005-292218号公報
ここで、定着手段に用いる定着・加圧ローラは、画像形成装置に用いる各種ローラの中でも、特に熱や摩擦による負荷がかかりやすく、定着・加圧ローラには、より優れた耐久性が求められている。定着・加圧ローラの弾性層の形成には、適度なニップ圧の調整や弾性層の補強のために特許文献1や特許文献2に記載されるように発泡剤及び充填材を用いることが好ましいが、より一層の耐久性の向上が求められる。したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、耐久性に優れる定着・加圧ローラ、当該定着・加圧ローラを備える定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、弾性層中の充填材の含有量と、弾性層の所定のパラメーターを調整することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、軸体とその軸体の外周面に形成された弾性層とを有する定着・加圧ローラであって、前記弾性層が、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、発泡剤と、から形成され、前記弾性層が充填材を含有し、前記弾性層中の前記充填材の含有量1.0質量%以上40.0質量%以下であり、前記弾性層の長手方向の弾性率をMD、厚み方向の弾性率をTDとしたとき、MD/TDが0.90以上1.60未満である、定着・加圧ローラである。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の定着・加圧ローラであって、25%圧縮耐久試験法により測定される硬度低下が10point以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載の定着・加圧ローラを備えてなることを特徴とする定着装置である。
(4)本発明の第4の態様は、(1)又は(2)に記載の定着・加圧ローラを備えてなることを特徴とする画像形成装置である。
本発明の定着・加圧ローラは、弾性層中の充填材の含有量が1.0質量%以上40.0質量%以下であり、弾性層の長手方向の弾性率をMD、厚み方向の弾性率をTDとしたとき、MD/TDが0.90以上1.60未満であるため、耐久性に優れる。
本発明の定着・加圧ローラを示す説明図である。 本発明の定着・加圧ローラを定着装置に組み込んでなる画像形成装置の一例を示す説明図である。 本発明の定着・加圧ローラの耐久性試験を実施するのに好適に用いられる耐久性試験装置を示す模式図である。
<定着・加圧ローラ>
本発明の一例である定着・加圧ローラ1は、図1に示されるように、芯金とも称される軸体2と、その軸体の外周面に形成された弾性層3とを有する。符号4は、弾性層3の表面に必要に応じて設けられるフッ素樹脂層等の被覆層である。
[軸体]
上記軸体は、通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で形成されたいわゆる芯金と称される長尺状円柱体である。軸体は装着される画像形成装置に応じて適切な直径及び軸線方向の長さに調整される。
画像形成装置に定着・加圧ローラが組み込まれる場合、この軸体は通常5.0mm以上40mm以下の直径を有し、また、一端から他端までの軸長は、通常120mm以上1000mm以下である。
[弾性層]
弾性層は、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、発泡剤と、から形成され、弾性層は充填材を含有する。弾性層は、発泡剤の作用によるセルを含む、スポンジ状の形態を有する。
(ミラブル型シリコーンゴム)
ミラブル型シリコーンゴムは、硬化する前の状態が天然ゴムや通常の合成ゴムの未加硫配合ゴムに類似していて、練りロール機あるいは密閉式の混合機等で可塑化・混合することができるシリコーンゴムコンパウンドである。
ミラブル型シリコーンゴムは、少なくとも以下に示す(A)成分と(B)成分を含有し、好ましくは、以下に示す(C)から(E)の成分を更に含有する。
好適なミラブル型シリコーンゴムは、
(A)下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換若しくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95~2.05の正数である。)
で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン、
(B)充填材
(C)下記一般式(II)
2mSi(OR34-m (II)
(式中、R2は独立に水素原子又は非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、R3は同一又は異種の非置換若しくは置換のアルキル基であり、mは0,1,2又は3である。)で示されるアルコキシシラン、
(D)水、
(E)下記一般式(III)
4 3SiNHSiR4 3 (III)
(式中、R4は同一又は異種の一価炭化水素基を示す。)
で示されるヘキサオルガノジシラザンを含有してなる。
オルガノポリシロキサンを示す式(I)におけるR1は、炭素数が1以上12以下、特に炭素数が1以上8以下のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2-フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素等のハロゲン原子若しくはシアノ基などで置換した、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上、通常、2個以上50個以下、特に2個以上20個以下のアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01モル%以上20モル%以下、特に0.02モル%以上10モル%以下が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、aは1.95以上2.05以下、好ましくは1.98以上2.02以下、より好ましくは1.99以上2.01以下の正数である。また、全R1中90モル%以上、好ましくは95モル%以上、更に好ましくは脂肪族不飽和基を除く全てのR1がアルキル基、特にメチル基であることが望ましい。
(A)成分であるオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、又は一部分岐構造を有する直鎖状であることが好ましい。具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル-3,3,3-トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したもの等が好適である。
また、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上述したように、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)又はヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものが好ましい。特に好ましいものとしては、分子中の置換基(すなわち、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の一価炭化水素基)の種類として、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を共加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100以上100,000以下)、好ましくは1,000以上100,000以下、より好ましくは2,000以上50,000以下、特に好ましくは3,000以上20,000以下であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、ロール粘着等の問題が生じ、ロール作業性が悪化する。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GP
C)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(A)成分は、1種を単独で用いても、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
(B)成分の充填材は、機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加されるものである。用いる充填材としては、特に限定されず、シリカ、珪藻土、パーライト、マイカ、炭酸カルシウム、ガラスフレーク、中空充填材等を用いることができるが、補強性の観点からシリカを用いることが好ましい。シリカとしては、例えば煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、また、これらの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。このなかでも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。(B)成分は1種又は2種以上を併用してもよい。
シリカを用いる場合、機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために、比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100m2/g以上450m2/g以下、より好ましくは100m2/g以上300m2/g以下である。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。
(B)成分の充填材の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して5質量部以上100質量部以下であり、10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また、機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。なお、(B)成分は、ミラブル型シリコーンゴムの調製時だけでなく、ミラブル型シリコーンゴム、架橋剤、発泡剤、を混合する際に添加させてもよい。
上記式(II)で示される(C)成分のアルコキシシランとしては、オルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン、トリオルガノアルコキシシラン等のオルガノアルコキシシランや、m=1で、かつR2が水素原子であるトリアルコキシシラン、m=0のテトラアルコキシシランが例示できる。
ここで、R2は水素原子、又は同一若しくは異種の非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、非置換若しくは置換の一価炭化水素基としては、上記(A)成分の式(I)中のR1と同様のものが挙げられるが、通常、炭素数1以上8以下、特に炭素数1以上4以下のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2-フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子若しくはシアノ基等で置換したクロロメチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2-シアノエチル基などが挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。また、(A)成分のオルガノポリシロキサンとの相溶性の点から(A)成分の非置換若しくは置換の一価炭化水素基R1と同一であることが好ましい。
3の非置換又は置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等の、通常、炭素数1以上4以下のアルキル基や、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシ置換アルキル基が例示されるが、加水分解性等の点からメチル基、エチル基が好ましい。式中のmは0,1,2又は3であり、好ましくは1又は2である。
このようなアルコキシシランとしては、例えば、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を挙げることができるが、m=2であるジアルキルジアルコキシシラン等のジオルガノジアルコキシシランが好ましく、特にジメトキシジメチルシランが好ましい。
これらアルコキシシランは比較的安価であり、これを出発原料として用いることは経済的に極めて有利である。上述したアルコキシシランは単独又は2種以上の組み合わせで使用できる。ただし複数のアルコキシシランを混ぜて使用する場合には、両者の加水分解速度が異なるため、均一に反応しない可能性があるので注意が必要である。
(C)成分の使用量は、上記(A)成分100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下であり、好ましくは1質量部以上15質量部以下である。アルコキシシランの使用量が少なすぎるとコンパウンドの可塑度が高くなりすぎ、可塑戻り(クリープハードニング)も大きくなってしまい、多すぎるとコンパウンドの可塑度が低くなりすぎ、ロールミル等の混練手段においてロール粘着性が発生してロール作業性が悪化する。
(D)成分である水のpHは特に限定されないが、pHが高すぎたり、低すぎたりすると、配合時に使用する装置が腐食してしまうため、pHは1.0以上12.0以下であることが好ましく、より好ましくは2.0以上10.0以下、更に好ましくは2.0以上7.0以下である。
ここで、(D)成分の水は、上記範囲のpHとするために、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、及び蟻酸、酢酸等の有機酸を用いて調製した酸性水溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を用いて調製した塩基性水溶液として用いることも可能である。
また、用いる水の量は、上記アルコキシシランのアルコキシ基に対して0.3倍モル以上10倍モル以下、特に0.5倍モル以上2.0倍モル以下、とりわけ1.0倍モル以上1.5倍モル以下が好ましい。この量が上記範囲よりも少ないと、アルコキシ基が完全に加水分解せず、わずかしか水酸基が生成しないといった問題が生じる。多く添加しても、過剰の水を除去する必要がある。
上記(E)成分であるヘキサオルガノジシラザンを示す式(III)において、R4としては、上記(A)成分におけるR1と同様のものが挙げられるが、特にメチル基、エチル基等の炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、また、分子中にビニル基等のアルケニル基を有していても構わない。
(E)成分としては、ヘキサメチルジシラザン、1-ビニルペンタメチルジシラザン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザン、1,3-ジメチル-1,1,3,3-テトラビニルジシラザン等が例示されるが、ヘキサメチルジシラザン、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシラザンが好ましく、ヘキサメチルジシラザンがより好ましい。
(E)成分としては、上記のヘキサオルガノジシラザンの他にアンモニア水を用いることができる。アンモニア水の濃度は特に限定されないが、通常1質量%以上30質量%以下、好ましくは10質量%以上28質量%以下、より好ましくは15質量%以上28質量%以下のものを用いることができる。
(E)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対してヘキサオルガノジシラザンの場合には、0.01質量部以上1質量部以下、好ましくは0.02質量部以上1質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下であり、アンモニア水の場合には、0.01質量部以上1質量部以下、好ましくは0.05質量部以上1質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上1質量部以下である。
(E)成分の配合量が少なすぎる場合には、配合時間の短縮効果が少なく、また、耐圧縮永久歪、動的疲労耐久性向上の効果が得られず、多すぎる場合には、得られるゴムの硬度が高くなりすぎてしまい、また、経済的にも好ましくない。
(E)成分の添加は、(C)成分のアルコキシシランと(D)成分の水とによる加水分解が十分に行われた後に添加することが必要であり、具体的には、組成物の製造過程において各成分を均一に混合、混練する際に、(A)、(C)、(D)成分に、(B)成分を必要添加量の25質量%以上(25質量%以上100質量%以下)、好ましくは50質量%以上100質量%以下添加して、均一に混合したあとに、(E)成分を添加することが必要である。
(C)成分のアルコキシシランと(D)成分の水とによる加水分解が不十分な時点で(E)成分が添加されると、硬化前の耐可塑戻り特性や硬化後の耐圧縮永久歪特性に劣った組成物となる。
この発明におけるミラブル型シリコーンゴムは、上述した(A)から(E)成分の所定量を、所定の配合順序(配合時期)で二本ロール(ロールミル)、ニーダー、バンバリーミキサー等で均一に混練、混合することによって得ることができる。また、一度調整したミラブル型シリコーンゴムに再度(A)成分を混合することにより、求めるミラブル型シリコーンゴムを得ることもできる。
すなわち、(B)成分の必要添加量の25質量%以上100質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以下と、(A)、(C)、(D)成分とを混合する。この混合時に(C)成分であるアルコキシシランと(D)成分である水とが加水分解反応し、該加水分解反応物が(B)成分である充填材のウェッターとして作用するため、混合時間が短縮される。この場合、ここでの混合、混練は(C)成分の(D)成分による加水分解反応を十分達成させるため、好ましくは0℃以上100℃以下、より好ましくは10℃以上90℃以下、更に好ましくは30℃以上80℃以下において好ましくは1分以上120分以下、より好ましくは10分以上60分以下の条件とすることが望ましい。
次いで、このように(C)成分と(D)成分の加水分解反応が十分進行した後に(E)成分であるヘキサオルガノジシラザン又はアンモニア水を添加する。これにより混合時間もより短縮される。なお、(B)成分の充填材全量を前の混合、混練工程で使用していない場合は(B)成分の充填材の残部はこの混合、混練工程時に添加する。この(E)成分及び(B)成分の残量を添加し、混合、混練する場合の温度は0℃以上100℃以下、特に10℃以上90℃以下、とりわけ40℃以上80℃以下が好ましく、また、混合、混練時間は1分以上120分以下、特に3分以上60分以下とすることが好ましい。なお、上記(A)から(E)成分の総配合時間は5分以上5時間以下、より好ましくは10分以上3時間以下とすることが好ましい。
この発明におけるミラブル型シリコーンゴムとしては、具体的には、信越化学工業株式会社製のKE-571-U、KE-1571-U、KE-951-U、KE-541-U、KE-551-U、KE-561-U、KE-961T-U、KE-1541-U、KE-1551-U、KE-941-U、KE-971T-U、KE-151-U、東レ・ダウコーニング株式会社製のSE 1184 U、SE 1188 U、RBB 2070 50 BASE、SE 4706 U、SE 4704 U、DY 32-152 U、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製のELASTOSIL(登録商標) EL-1301、ELASTOSIL(登録商標) EL 4300、ELASTOSIL(登録商標) EL 3630等を使用することができる。
(架橋剤)
本発明の定着・加圧ローラにおいては、弾性層の形成に、架橋剤を使用するが、架橋剤としては、付加反応架橋剤、及び有機過酸化物架橋剤などを挙げることができる。
上記付加反応架橋剤として、例えば、1分子中に2個以上のSiH基(SiH結合)を有する付加反応型の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好適に挙げられる。付加反応架橋剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対する付加反応架橋剤の添加量は、1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、2質量部以上4質量部以下であることがより好ましい。
上記付加反応架橋剤を使用する場合、上記有機過酸化物架橋剤は、単独でミラブル型シリコーンゴムを架橋させることも可能であるが、付加反応架橋剤の補助架橋剤として併用すると、得られる定着・加圧ローラの強度を適切にし、耐久性を向上させることができる。有機過酸化物架橋剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス-2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対する有機過酸化物架橋剤の添加量は、1質量部以上5質量部以下であることが好ましく、2質量部以上4質量部以下であることがより好ましい。有機過酸化物架橋剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
付加反応架橋剤は、付加反応触媒を併用するのが好ましい。付加反応触媒は白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができる。
(発泡剤)
本発明の定着・加圧ローラにおいては、弾性層のセル形成に発泡剤を使用するが、発泡剤としては、化学発泡剤や未膨張マイクロバルーンを用いることができ、単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
化学発泡剤としては、弾性層の形成に用いられる化学発泡剤であればよく、例えば、無機系発泡剤として、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられ、有機系発泡剤として、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。有機アゾ化合物の中でも、アゾジカルボン酸アミド、アゾビス-イソブチロニトリル等が好適に使用される。特に、アゾビス-イソブチロニトリルが好適に使用できる。
未膨張マイクロバルーンは、膨張していない樹脂マイクロバルーンを挙げることができる。樹脂マイクロバルーンとしては、外殻に熱可塑性樹脂を用いたものが好ましく用いられる。外殻を構成する熱可塑性樹脂としては、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート/アクリロニトリル共重合体、メタアクリロニトリル/アクリロニトリル共重合体等を挙げることができる。液状シリコーンゴムの硬化温度に合わせて、外殻となる樹脂の軟化温度が適当な範囲内にある樹脂マイクロバルーンを用いることが好ましい。また、内包される蒸発性物質としては、ブタン、イソブタン等の炭化水素を挙げることができる。
本発明に好適な未膨張の樹脂マイクロバルーンは、「マツモトマイクロスフェアーFシリーズ」(松本油脂製薬株式会社製)、「エクスパンセルシリーズ」(エクスパンセル株式会社製)等として市販されている。
本発明の定着・加圧ローラにおいては、弾性層の形成に発泡剤を用いる。架橋硬化前のミラブル型シリコーンゴム100質量部に対する発泡剤の配合量は、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以上8質量部以下であることがより好ましい。
なお、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、発泡剤、との混合物には、さらに、各種の添加剤を含めることができる。各種の添加剤として、例えば鎖延長剤等の助剤、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常用いられる添加剤であってもよく、用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。なお、充填材については、ミラブル型シリコーンゴムの上記の(B)成分として記載したシリカ等を用いることができる。
(弾性層中の充填材の含有量)
弾性層は、上記の(B)成分である充填材する。弾性層中の充填材の含有量は、上記のように、ミラブル型シリコーンゴムの作製時に調整することもできるが、例えば、充填材を含有するミラブル型シリコーンゴムに、上記の(A)成分であるオルガノポリシロキサンを別途混合して架橋硬化前のミラブル型シリコーンゴムを最終的に作製する際に調整することもできる。また、その際に、(B)成分を別途混合して、調整することもできる。さらに、ミラブル型シリコーンゴム、架橋剤、発泡剤、を混合する際に充填材を添加して調整することもできる。
ここで、本発明の定着・加圧ローラにおいて、弾性層中の充填材の含有量は1.0質量%以上40.0質量%以下である。充填材の含有量が上記の範囲であることにより、後述する加熱成形の際に必要な硬度を確保しつつ、弾性層の耐久性を向上させることができる。弾性層中の充填材の含有量が1.0質量%以上30.0質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上20.0質量%以下であることが更に好ましい。
なお、弾性層中の充填材の含有量は、TA Instruments社製の熱重量測定装置(Discovery TGA(TGA550))で測定し、灰分(残量)の質量を測定することができる。測定条件 50℃/min 1000℃迄測定。1000℃時に残った重量から、弾性層中の含有量(質量%)を算出することができる。
(アスカーC硬度)
弾性層のアスカーC硬度が15以上75以下であるのが好ましい。また、この発明に係る定着・加圧ローラでは、弾性層表面のアスカーC硬度が、その外側表面におけるアスカーC硬度と弾性層の内側表面におけるアスカーC硬度との差が軸方向において両端の差が1以下であることが好ましい。定着・加圧ローラにおける弾性層のアスカーC硬度の差が小さいことは、加圧された弾性層が均一に変形し、応力分布の偏りが小さくなるという利点があって有利である。
(弾性率)
弾性層の長手方向の弾性率をMD、厚み方向の弾性率をTDとしたとき、MD/TDが0.90以上1.60未満である。弾性層のMD/TDを上記の範囲に調整することにより、定着・加圧ローラの耐久性を向上させることができる。また、MD/TDは1.20以上1.55以下であることが好ましく、1.30以上1.55以下であることがより好ましい。なお、厚み方向とは、軸体に対して垂直の方向を指す。
なお、弾性率比は以下のようにして求めることができる。まず、加圧部材の弾性層から測定サンプルを剃刀で切り出す。この測定サンプルについて、以下の方法によって、弾性層の長手方向の弾性率MDと厚み方向の弾性率NDを測定する。なお、測定は、各々の弾性率について5回行い、それらの平均値を弾性率として弾性率比を求める。
各弾性率は、動的粘弾性測定装置(商品名:DMA―Q800、TA Instruments社製)により測定することができる。長手方向の弾性率MDは、引張用治具を測定装置に装着し、チャック間距離20mmで、周波数10Hzを用い、温度200℃の環境において、複素弾性率を測定した値とする。なお、測定サンプルは、測定の引っ張り方向とサンプルの長手方向が平行になるように切り出す。厚み方向の弾性率TDは、圧縮用治具を測定装置に装着し、周波数10Hz、200℃環境において複素弾性率を測定した値とする。なお、測定サンプルは、測定の圧縮方向と測定サンプルの厚み方向が平行になるように切り出す
(硬度低下)
この発明の弾性層は、25%圧縮耐久試験法により測定される硬度低下が10point以下、特に3point以下であることが好ましい。硬度低下が、上記数値範囲内にあると、定着・加圧ローラを用いた画像形成装置によると、長期にわたって安定した画像形成が可能になって好ましい。
[弾性層の寸法等]
弾性層は、軸体の外周面に円柱状に形成され、弾性層の厚みは通常0.5mmから30mmであり、好ましくは1mmから15mmである。
[その他]
この弾性層には、この発明の課題を達成することができる限り、低分子シロキサンエステル、シラノール、例えば、ジフェニルシランジオール等の分散剤、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、接着性や成形加工性を向上させる各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させるハロゲン化合物等をこの発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。
<定着・加圧ローラの製造方法>
この発明に係る定着・加圧ローラは、この発明に係る製造方法により製造することができる。
この発明に係る製造方法においては、ミラブル型シリコーンゴムと、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して1質量部以上6質量部以下の架橋剤と、発泡剤とを配合する。
ミラブル型シリコーンゴム、架橋剤、発泡剤の種類等については既に説明した。
混合する方法は特に限定されず、例えば、常温常圧下で、ミラブル型シリコーンゴム、発泡剤、架橋剤を順次に、又は一挙に投入して攪拌機、混練器等で均一に混合させる方法等が挙げられる。このようにして混合物を調製する工程が完遂する。なお、混合物には、上記の各種の添加剤を含めることができる。
上記混合物は、二本ロール、三本ロール、ロールミル、バンバリーミキサ、ドウミキサ(ニーダー)等のゴム混練機等を用いて、均一に混合されるまで、例えば、数分から数時間、好ましくは5分以上1時間以下にわたって常温又は加熱下で混練することにより、得ることができる。
次いで、得られた混合物を、定着・加圧ローラを構成するための軸体の外周面に、押出成形による連続加熱成形、プレス、インジェクションによる型成形等によって、加熱成形する。
軸体の外側表面に混合物を円柱状に形成した後に、円柱状の混合物、換言すると、円柱状の成形体を、軸体ごと加熱して加硫する(加熱硬化)。
成形体を加熱して加硫するに際しての加熱を以下のようにすると、特に好ましい。すなわち、一次加硫として、100℃から300℃、特に150℃から250℃で5分から30分間加熱し、次いで二次加硫として180℃から250℃、特に200℃から230℃で、1時間から10時間加熱するのがよい。このように複数の回数をもって加熱すると、化学発泡剤の分解、ミラブル型シリコーンゴムの硬化、残留する低分子シロキサンの排除、を必要に応じてコントロールすることが可能となって好ましい。
加硫をするに必要な加熱は、赤外線加熱炉又は熱風炉等の加熱炉、乾燥機等の加熱機等で行うことができる。
このようにして得られる定着・加圧ローラを更に研磨工程に供してもよい。研磨工程は、軸体の外周面に形成された定着・加圧ローラの形状を、軸体の軸線方向において定着・加圧ローラの厚みを軸体の中央に向かって徐々に増大させ、軸体の中央から軸体の先端に向かって徐々に減少させる形状、つまりクラウン形状、あるいは軸体の中央から軸体の両端に向かって定着・加圧ローラの厚みを増加させる形状、つまり逆クラウン形状、あるいはストレート形状に調整する工程である。
また、加硫によって得られた定着・加圧ローラ、あるいは研磨工程により所定の形状に調整された定着・加圧ローラの外表面を、チューブ、例えばフッ素樹脂チューブで被覆しても良い。フッ素樹脂チューブによる被覆は、例えば、加圧下で定着・加圧ローラを圧縮してフッ素樹脂チューブに挿入する加圧挿入法、減圧下でスポンジローラを圧縮してフッ素樹脂チューブに挿入する減圧挿入法、減圧下でフッ素樹脂チューブを半径方向に拡径させて定着・加圧ローラをその内部に挿入する減圧拡径法等によって、行うことができる。
<画像形成装置>
この発明に係る定着・加圧ローラは画像形成装置の定着装置に組み込むことができる。
次に、この発明に係る定着・加圧ローラを備えた定着装置を内装する画像形成装置(以下、この発明に係る画像形成装置と称することがある。)の一例を、図2を参照して、説明する。本発明の定着・加圧ローラは、定着装置用のローラ、すなわち、定着ローラ53及び加圧ローラ56として好適に用いることができる。
図2に示されるように、この発明に係る画像形成装置30は、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31、例えば感光体と、像担持体31の周囲に配置された、帯電手段32、例えば帯電ローラ、露光手段33、現像手段40、転写手段34、例えば転写ローラ、クリーニング手段37例えばクリーニングローラと、記録体の搬送方向下流側に定着手段35とを備えている。この現像手段40は、従来の現像手段と基本的に同様に形成され、具体的には、図2に示されるように、現像剤収納部41と、像担持体31に現像剤42を供給する現像剤担持体44と、現像剤担持体44に現像剤42を供給する現像剤供給手段43、現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えている。
定着手段35は、図2にその断面が示されるように、記録体36を通過させる開口52を有する筐体50内に、定着ローラ53と、定着ローラ53の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ54と、定着ローラ53及び無端ベルト支持ローラ54に巻回された無端ベルト55と、無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接する加圧ローラ56と、無端ベルト55に非接触となるように配置され、無端ベルト55を介して外部から定着ローラ53を加熱する加熱手段とを備え、無端ベルト55を介して定着ローラ53と加圧ローラ56とが互いに当接又は圧接するように回転自在に支持されてなる圧力熱定着装置である。
無端ベルト支持ローラ54は、画像形成装置に通常用いられるローラであればよく、例えば、弾性ローラ等が用いられる。無端ベルト55は、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂により、無端状に形成されたベルトであればよく、その厚さ等も適宜、定着手段35に適合するように調整することができる。加圧ローラ56はスプリング等の付勢手段(図示しない)によって無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接している。加熱手段は、ハロゲンヒーター及び反射板等を用いた輻射加熱方法、加熱器等を直接接触させて加熱する直接接触加熱方法、並びに、誘導加熱方法等が採用される。この加熱手段は、定着ローラ53における軸線方向の長さとほぼ同じ長さを有する部材であり、定着手段35のいずれに配置されてもよいが、図2に示されるように、定着ローラ53の表面より一定の間隔を隔てて定着ローラ53に略並行に配置されるのがよい。誘導加熱方法には加熱用コイルが用いられ、この加熱用コイルは、通常、フェライト等の強磁性体で、スイッチング電源用として用いられている代表的な形状であるI型、E型及びU型等に形成され、導線が巻かれてなる。無端ベルト55と加圧ローラ56との圧接された間を記録体36が通過することにより、加圧と同時に加熱され、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができる。
この発明に係る画像形成装置30は、次のように作用する。まず、画像形成装置30において、帯電手段32により像担持体31が一様に帯電され、露光手段33により像担持体31の表面に静電潜像が形成される。次いで、現像手段40から現像剤42が像担持体31に供給されて静電潜像が現像され、この現像剤像が像担持体31と転写手段34との間に搬送される記録体36上に転写される。この記録体36は定着手段35に搬送され、現像剤像が永久画像として記録体36に定着される。このようにして、記録体36に画像を形成することができる。定着ローラ53又は加圧ローラ56は、現像剤を記録体に定着させる定着性に優れるとともに消費電力が小さい。
この発明に係る定着・加圧ローラ、定着装置及び画像形成装置は、以上の実施形態に限定されることはなく、この発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、定着・加圧ローラにおいて、弾性層は、単層構造とされているが、この発明においては二層以上の複層構造とされてもよい。
画像形成装置30は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置30は、現像手段40に単色の現像剤42のみを収容するモノクロ画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、モノクロ画像形成装置に限定されず、カラー画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置としては、例えば、像担持体上に担持された現像剤像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色の現像手段を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。画像形成装置30は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置とされる。
また、定着手段35及び画像形成装置30において、現像剤42は、一成分系の現像剤が有利に用いられるが、トナーと、鉄、ニッケル等のキャリアとを含む二成分系の現像剤
も使用することができる。
以上、本発明を、実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の発明の範囲には限定されないことは言うまでもなく、上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた発明も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1から7、比較例1から4)
実施例1から7及び比較例1から4にあっては、表1に示されるベースゴム材料と、表1に示される架橋剤と、表1に示される触媒と、発泡剤とを、表1に示される配合量をもって、二本ロールで十分に混練して混合物を得た。なお、ベースゴム材料は、充填材(煙霧質シリカ)を含有するミラブル型シリコーンゴム(信越化学株式会社製の商品名KE-151U)に、充填材を含有しない生ゴム状のオルガノポリシロキサン(信越化学株式会社製の商品名KE-76VBS)を混合した、ミラブル型シリコーンゴムである。KE-151UとKE-76VBSの混合比率を調整することで、弾性層中の充填材の含有量を調整した。
表1に記載された架橋剤は「付加架橋」と記載された信越化学工業株式会社製の商品名C-25Bと「パーオキサイド架橋」と記載された信越化学工業株式会社製のC-3との組み合わせであり、表1に記載された「触媒」は信越化学工業株式会社製の商品名C-25Aである白金触媒である。なお、発泡剤については、「化学発泡剤」として大塚化学株式会社製の商品名AZOシリーズのAIBNを、「未膨張マイクロバルーン」として松本油脂製薬株式会社製の商品名マツモトマイクロスフェアーを併用した。
次いで、プライマー層を形成した軸体と混合物とを押出成形機にて一体分出し、赤外線加熱炉(IR炉)を用いて上記混合物を200℃で17分間加熱することにより1次加硫し、その後、熱風乾燥炉にて225℃で7時間にわたって2次加硫することにより発泡ローラ原体を作製した。この発泡ローラ原体の円周面を、金属砥石による高速研磨を株式会社水口製作所製の研磨機により行った。
得られた各実施例・比較例の定着・加圧ローラに関して、弾性層の弾性率(MD/TD)、耐久性(硬度低下)について評価し、結果を表1に示した。
(耐久性評価:25%圧縮耐久試験法)
このようにして製造された定着・加圧ローラ及び図3に示された耐久性試験装置70を用いて、各定着・加圧ローラの耐久性試験を実施して硬度の低下状況を評価した。具体的には、この耐久性試験装置70は、筐体内部の下面に固定され、内部ヒータ72を備えた加熱ローラ71と、この加熱ローラ71の軸方向に沿って、その両側に設けられた保温材73と、加熱ローラ71と対向するように、筐体内部の上面に上下動可能に設けられた試験ローラ装着部74と、試験ローラ装着部74を上下に移動可能な押圧力調整手段75、例えば、押圧調整用マイクロメータとを備えている。なお、加熱ローラ71として、直径20mmの金属(ステンレス鋼、SUS304)製ローラを用いた。
製造した定着・加圧ローラを、試験ローラ装着部74のベアリングに装着し、図3に示されるように、押圧力調整手段75を操作して、装着した弾性ローラ(図3において「弾性ローラ76」)を加熱ローラ71に圧接し、加熱ローラ71と弾性ローラ76との圧接部において弾性ローラ76における発泡弾性層が内部に2mm凹陥するように弾性ローラ76を固定した(すなわち、弾性ローラ76の半径と加熱ローラ71との半径の和よりも2mm短くなるように、弾性ローラ76の中心軸と加熱ローラ71の中心軸との距離dを調節した。)。次いで、内部ヒータ72を起動し、加熱ローラ71の表面温度を180℃に調節した。その後、試験ローラ装着部74に装備された駆動手段(図示しない。)により、回転速度180rpmで100時間にわたって回転駆動させた。弾性ローラ76を耐久性試験装置70から取り外してアスカーC硬度を測定した。なお、アスカーC硬度の測定箇所は、軸線方向に3箇所、周方向に4箇所とし、具体的には、軸線方向の3箇所は発泡弾性体の両端部から中央に向かって30mmの部分及び軸線方向の中央部分とし、周方向の4箇所は軸線方向の3箇所それぞれにおいて中心角が90°となる周方向に等間隔な4箇所とした。なお、この耐久性試験の結果として、硬度低下量が10point以下をOKとする。
耐久性試験について
製品外径φ30、シャフト外径φ14、肉厚 8mm
圧縮率25%→2mm押込み






































Figure 0007060196000001
1 定着・加圧ローラ
2 軸体
3 弾性層
4 被覆層
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着手段
36 記録体
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 現像剤供給手段
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
50 筐体
52 開口
53 定着ローラ
54 無端ベルト支持ローラ
55 無端ベルト
56 加圧ローラ
70 耐久性試験装置
71 加熱ローラ
72 内部ヒータ
73 保温材
74 試験ローラ装着部
75 押圧力調整手段
76 弾性ローラ

Claims (4)

  1. 軸体とその軸体の外周面に形成された弾性層とを有する定着・加圧ローラであって、
    前記弾性層が、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、発泡剤と、から形成され、
    前記弾性層が充填材を含有し、前記弾性層中の前記充填材が煙霧質シリカであり、前記煙霧質シリカの含有量が22.0質量%以上40.0質量%以下であり、
    前記発泡剤が、化学発泡剤及び未膨張マイクロバルーンを含み、
    前記弾性層の長手方向の弾性率をMD、厚み方向の弾性率をTDとしたとき、MD/TDが0.90以上1.18以下である、定着・加圧ローラ。
  2. 25%圧縮耐久試験法により測定される硬度低下が10point以下である、請求項1に記載の定着・加圧ローラ。
  3. 請求項1又は2に記載の定着・加圧ローラを備えてなることを特徴とする定着装置。
  4. 請求項1又は2に記載の定着・加圧ローラを備えてなることを特徴とする画像形成装置。
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