JP2019128364A - スポンジローラ、スポンジローラの製造方法及び画像形成装置 - Google Patents

スポンジローラ、スポンジローラの製造方法及び画像形成装置 Download PDF

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剛史 宮丸
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Abstract

【課題】本発明は、加熱前のスポンジローラのクラウン量を小さくしても、紙じわが発生しづらいスポンジローラ及び当該スポンジローラを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、軸体とその軸体の外周面に形成された弾性層とを有する逆クラウン形状のスポンジローラであって、弾性層が、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、化学発泡剤と、から形成され、ミラブル型シリコーンゴム100gを気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後の重量変化率が0.005%以上2%以下であることを特徴とするスポンジローラを提供する。【選択図】図1

Description

この発明は、スポンジローラ及び画像形成装置に関し、更に詳しくは、加熱前のクラウン量を小さくしても、紙じわが発生しづらいスポンジローラ、当該スポンジローラの製造方法及び当該スポンジローラを備えた画像形成装置に関する。
レーザープリンタ、複写機、ビデオプリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等には、電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。電子写真方式を利用した画像形成装置は、軸体とその外周面に形成された弾性層とを有する、例えば、クリーニングローラ、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、加圧ローラ、紙送り搬送ローラ、定着ローラ等の各種印刷用スポンジローラを備えている。
これらのスポンジローラの中でも定着ローラと加圧ローラは、記録体に現像剤を定着させて画像を形成することを目的として、画像形成時に所定の温度に加熱されて記録体に当接されるが、加熱によりスポンジローラが熱膨張し、記録体に紙じわが発生することがあった。そこで、定着ローラ等の、加熱して使用されるスポンジローラについては、熱膨張による紙じわの発生を抑制するために、スポンジローラを逆クラウン形状とする傾向にあった。
逆クラウン形状に形成されたスポンジローラとしては、例えば、特許文献1には、加熱部材と、該加熱部材に圧接して加熱ニップ部を形成し、加熱ニップ部で被加熱材を挟持搬送して加熱を行う加熱装置に使用されるスポンジローラにおいて、ローラ長手方向における中央部をストレート形状とした逆クラウン形状であることを特徴としたスポンジローラが開示されている。
また、特許文献2には、加熱部材に圧接して加熱ニップ部を形成するゴム状弾性を有するローラ本体を備え、加熱ニップ部で被加熱材を挟持搬送して加熱を行うスポンジローラであって、ローラ本体の長手方向における形状が、長手方向両端部側の径が中央部より大きい逆クラウン形状を有するスポンジローラにおいて、ローラ本体は、空隙を有する第1の弾性層と、該第1の弾性層の外周に配置され第1の弾性層よりも硬質で加熱ニップ部で外周長変化が無い状態で変形する第2の弾性層と、を備えた積層構造となっていることを特徴とするスポンジローラが開示されている。
特開平10−198206号公報 特開2017−3945号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のスポンジローラにおいても、紙じわの発生を十分に抑えることができず、特定の条件下において、熱膨張が大きくなる傾向にあり、その結果、紙じわが発生しやすくなるという問題があった。このような問題に対処するために、スポンジローラが熱膨張した場合にも紙じわが発生しにくいように、加熱前のスポンジローラのクラウン量を大きくする試みがなされてきた。しかしながら、クラウン量を大きくすると、スポンジローラの生産効率の低下や運転初期の記録体への現像剤の定着不良が発生する場合があった。したがって、本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、加熱前のスポンジローラのクラウン量を小さくしても、紙じわが発生しづらいスポンジローラ、当該スポンジローラの製造方法及び当該スポンジローラを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、スポンジローラの熱膨張には、スポンジローラへの吸湿が関連していることを偶然見出した。そして、弾性層を有するスポンジローラにおいて、ベースゴム材料として所定の重量変化率が所定の範囲であるミラブル型シリコーンゴムを用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の態様は、軸体とその軸体の外周面に形成された弾性層とを有する逆クラウン形状のスポンジローラであって、前記弾性層が、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、化学発泡剤と、から形成され、前記ミラブル型シリコーンゴム100gを気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後の重量変化率が0.005%以上2%以下であることを特徴とするスポンジローラである。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載のスポンジローラであって、加熱前のクラウン量が0.05mm以上0.5mm以下であることを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載のスポンジローラであって、スポンジローラを気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後に、気温150℃の加熱乾燥条件下に計50分間放置しながら10分間おきに熱膨張率を測定した場合に、各時間帯の熱膨張率が2%以上7%以下であることを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、化学発泡剤と、を混合して混合物を調整し、前記混合物を、軸体の外側表面に押出成形し、次いで加熱硬化して、(1)から(3)のいずれかに記載のスポンジローラを製造することを特徴とするスポンジローラの製造方法である。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載のスポンジローラを備えてなることを特徴とする画像形成装置である。
本発明のスポンジローラにおいて、ミラブル型シリコーンゴム100gを気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後の重量変化率が0.005%以上2%以下であり、このようなミラブル型シリコーンゴムを用いることにより、スポンジローラの熱膨張を抑制することができ、紙じわの発生を抑制することができる。よって、本発明によれば、加熱前のクラウン量を小さくしても、紙じわが発生しづらいスポンジローラを提供することができる。
本発明の一実施例を示すスポンジローラを示す説明図である。 本発明の一実施例を示すスポンジローラを定着装置に組み込んでなる画像形成装置の一例を示す説明図である。
<スポンジローラ>
本発明の一例であるスポンジローラ1は、図1に示されるように、芯金とも称される軸体2と、その軸体の外周面に形成された弾性層3とを有する。4は、弾性層3の表面に必要に応じて形成されるフッ素樹脂層である。
[軸体]
上記軸体は、通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で形成されたいわゆる芯金と称される長尺状円柱体である。軸体は装着される画像形成装置に応じて適切な直径及び軸線方向の長さに調整される。
画像形成装置にスポンジローラが組み込まれる場合、この軸体は通常5.0mm以上40mm以下の直径を有し、また、一端から他端までの軸長は、通常150mm以上1000mm以下である。
[弾性層]
弾性層は、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、化学発泡剤と、で形成される。
(ミラブル型シリコーンゴム)
ミラブル型シリコーンゴムは、硬化する前の状態が天然ゴムや通常の合成ゴムの未加硫配合ゴムに類似していて、練りロール機あるいは密閉式の混合機等で可塑化・混合することができるシリコーンゴムコンパウンドである。
好適なミラブル型シリコーンゴムは、以下に示す(A)から(E)の成分を含有してなる。
(A)下記平均組成式(I)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換もしくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95以上2.05以下の正数である。)
(B)BET吸着法による比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ
(C)下記一般式(II)で示されるアルコキシシラン
2mSi(OR34-m (II)
(式中、R2は独立に水素原子又は非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、R3は同
一又は異種の非置換若しくは置換のアルキル基であり、mは0、1、2又は3である。)
(D)水
(E)下記一般式(III)で示されるヘキサオルガノジシラザン
4 3SiNHSiR4 3 (III)
(式中、R4は同一又は異種の一価炭化水素基を示す。)
オルガノポリシロキサンを示す式(I)におけるR1は、炭素数が1以上12以下、特に炭素数が1以上8以下のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素等のハロゲン原子若しくはシアノ基などで置換した、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上、通常、2個以上50個以下、特に2個以上20個以下のアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、特にビニル基を有するものであることが好ましい。この場合、全R1中0.01モル%以上20モル%以下、特に0.02モル%以上10モル%以下が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、aは1.95以上2.05以下、好ましくは1.98以上2.02以下、より好ましくは1.99以上2.01以下の正数である。また、全R1中90モル%以上、好ましくは95モル%以上、更に好ましくは脂肪族不飽和基を除く全てのR1がアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
(A)成分であるオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、又は一部分岐構造を有する直鎖状であることが好ましい。具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2、R1は上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したもの等が好適である。
また、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上述したように、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R1 3SiO1/2)又はヒドロキシジオルガノシロキシ基(R1 2(HO)SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものを好ましく挙げることができる。特に好ましいものとしては、分子中の置換基(即ち、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の一価炭化水素基)の種類として、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン等を挙げることができる。このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を共加水分解縮合することにより、あるいは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100以上100,000以下)、好ましくは1,000以上100,000以下、より好ましくは2,000以上50,000以下、特に好ましくは3,000以上20,000以下であり、室温(25℃)において自己流動性のない、いわゆる生ゴム状(非液状)であることが好ましい。重合度が小さすぎるとコンパウンドとした際に、ロール粘着等の問題が生じ、ロール作業性が悪化する。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(A)成分は、1種を単独で用いても、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加される充填剤であり、この目的のためには比表面積(BET吸着法)が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100m2/g以上450m2/g以下、より好ましくは100m2/g以上300m2/g以下である。比表面積が50m2/g未満だと、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。
このような補強性シリカとしては、例えば煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、また、これらの表面をクロロシランやヘキサメチルジシラザン等で疎水化処理したものも好適に用いられる。このなかでも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。(B)成分は1種又は2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して5質量部以上100質量部以下であり、10質量部以上50質量部以下であることが好ましい。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また、機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。
上記式(II)で示される(C)成分のアルコキシシランとしては、オルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン、トリオルガノアルコキシシラン等のオルガノアルコキシシランや、m=1で、かつR2が水素原子であるトリアルコキシシラン、m=0のテトラアルコキシシランが例示できる。
ここで、R2は水素原子、又は同一若しくは異種の非置換若しくは置換の一価炭化水素基であり、非置換もしくは置換の一価炭化水素基としては、上記(A)成分の式(I)中のR1と同様のものが挙げられるが、通常、炭素数1以上8以下、特に炭素数1以上4以下のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基、あるいはこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子もしくはシアノ基等で置換したクロロメチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基などが挙げられ、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。また、(A)成分のオルガノポリシロキサンとの相溶性の点から(A)成分の非置換もしくは置換の一価炭化水素基R1と同一であることが好ましい。
3の非置換又は置換のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の、通常、炭素数1以上4以下のアルキル基や、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等のアルコキシ置換アルキル基が例示されるが、加水分解性等の点からメチル基、エチル基が好ましい。式中のmは0、1、2又は3であり、好ましくは1又は2である。
このようなアルコキシシランとしては、例えば、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を挙げることができるが、m=2であるジアルキルジアルコキシシラン等のジオルガノジアルコキシシランが好ましく、特にジメトキシジメチルシランが好ましい。
これらアルコキシシランは比較的安価であり、これを出発原料として用いることは経済的に極めて有利である。上述したアルコキシシランは単独又は2種以上の組み合わせで使用できる。ただし複数のアルコキシシランを混ぜて使用する場合には、両者の加水分解速度が異なるため、均一に反応しない可能性があるので注意が必要である。
(C)成分の使用量は、上記(A)成分100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下であり、好ましくは1質量部以上15質量部以下である。アルコキシシランの使用量が少なすぎるとコンパウンドの可塑度が高くなりすぎ、また、可塑戻り(クリープハードニング)が大きくなり、多すぎるとコンパウンドの可塑度が低くなりすぎ、ロールミル等の混練手段においてロール粘着性が発生してロール作業性が悪化する。
(D)成分である水のpHは特に限定されないが、pHが高すぎたり、低すぎたりすると、配合時に使用する装置が腐食してしまうため、pHは1.0以上12.0以下であることが好ましく、より好ましくは2.0以上10.0以下、更に好ましくは2.0以上7.0以下である。
ここで、(D)成分の水は、上記範囲のpHとするために、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、及び蟻酸、酢酸等の有機酸を用いて調整した酸性水溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等を用いて調整した塩基性水溶液として用いることも可能である。
また、用いる水の量は、上記アルコキシシランのアルコキシ基に対して0.3倍モル以上10倍モル以下、特に0.5倍モル以上2.0倍モル以下、とりわけ1.0倍モル以上1.5倍モル以下が好ましい。この量が上記範囲よりも少ないと、アルコキシ基が完全に加水分解せず、わずかしか水酸基が生成しないといった問題が生じる。多く添加しても、過剰の水を除去する必要がある。
上記(E)成分であるヘキサオルガノジシラザンを示す式(III)において、R4としては、上記(A)成分におけるR1と同様のものが挙げられるが、特にメチル基、エチル基等の炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、また、分子中にビニル基等のアルケニル基を有していても構わない。
(E)成分としては、ヘキサメチルジシラザン、1−ビニルペンタメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラビニルジシラザン等が例示されるが、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンが好ましく、ヘキサメチルジシラザンがより好ましい。
(E)成分としては、上記のヘキサオルガノジシラザンの他にアンモニア水を用いることができる。アンモニア水の濃度は特に限定されないが、通常1質量%以上30質量%以下、好ましくは10質量%以上28質量%以下、より好ましくは15質量%以上28質量%以下のものを用いることができる。
(E)成分の配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対してヘキサオルガノジシラザンの場合には、0.01質量部以上1質量部以下、好ましくは0.02質量部以上1質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上0.5質量部以下であり、アンモニア水の場合には、0.01質量部以上1質量部以下、好ましくは0.05質量部以上1質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上1質量部以下である。
(E)成分の配合量が少なすぎる場合には、配合時間の短縮効果が少なく、また、耐圧縮永久歪、動的疲労耐久性向上の効果が得られず、多すぎる場合には、得られるゴムの硬度が高くなりすぎ、また、経済的にも好ましくない。
(E)成分の添加は、(C)成分のアルコキシシランと(D)成分の水とによる加水分解が十分に行われた後に添加することが必要であり、具体的には、組成物の製造過程において各成分を均一に混合、混練する際に、(A)、(C)、(D)成分に、(B)成分を必要添加量の25質量%以上(25質量%以上100質量%以下)、好ましくは50質量%以上100質量%以下添加して、均一に混合したあとに、(E)成分を添加することが必要である。
(C)成分のアルコキシシランと(D)成分の水とによる加水分解が不十分な時点で(E)成分が添加されると、硬化前の耐可塑戻り特性や硬化後の耐圧縮永久歪特性に劣った組成物となる。
この発明におけるミラブル型シリコーンゴムは、上述した(A)から(E)成分の所定量を、所定の配合順序(配合時期)で二本ロール(ロールミル)、ニーダー、バンバリーミキサー等で均一に混練、混合することによって得ることができる。
即ち、(B)成分の必要添加量の25質量%以上100質量%以下、好ましくは50質量%以上100質量%以下と、(A)、(C)、(D)成分とを混合する。この混合時に(C)成分であるアルコキシシランと(D)成分である水とが加水分解反応し、該加水分解反応物が(B)成分であるシリカのウェッターとして作用するため、混合時間が短縮される。この場合、ここでの混合、混練は(C)成分の(D)成分による加水分解反応を十分達成させるため、好ましくは0℃以上100℃以下、より好ましくは10℃以上90℃以下、更に好ましくは30℃以上80℃以下において好ましくは1分以上120分以下、より好ましくは10分以上60分以下の条件とすることが望ましい。
次いで、このように(C)成分と(D)成分の加水分解反応が十分進行した後に(E)成分であるヘキサオルガノジシラザン又はアンモニア水を添加する。これにより混合時間もより短縮される。なお、(B)成分のシリカ全量を前の混合、混練工程で使用していない場合は(B)成分のシリカの残部はこの混合、混練工程時に添加する。この(E)成分及び(B)成分の残量を添加し、混合、混練する場合の温度は0℃以上100℃以下、特に10℃以上90℃以下、とりわけ40℃以上80℃以下が好ましく、また、混合、混練時間は1分以上120分以下、特に3分以上60分以下とすることが好ましい。なお、上記(A)から(E)成分の総配合時間は5分以上5時間以下、より好ましくは10分以上3時間以下とすることが好ましい。
この発明におけるミラブル型シリコーンゴムとしては、具体的には、信越化学工業株式会社製のKE−571−U、KE−1571−U、KE−951−U、KE−541−U、KE−551−U、KE−561−U、KE−961T−U、KE−1541−U、KE−1551−U、KE−941−U、KE−971T−Uを使用することができる。
(架橋剤)
本発明のスポンジローラにおいては、弾性層の形成に、架橋剤を使用するが、架橋剤としては、付加反応架橋剤、及び有機過酸化物架橋剤などを挙げることができる。
上記付加反応架橋剤として、例えば、一分子中に二個以上のSiH基(SiH結合)を有する付加反応型の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好適に挙げられる。付加反応架橋剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。付加反応架橋剤の配合量は、通常、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して0.1質量部以上3.0質量部以下である。
上記付加反応架橋剤を使用する場合、上記有機過酸化物架橋剤は、単独でミラブル型シリコーンゴムを架橋させることも可能であるが、付加反応架橋剤の補助架橋剤として併用すると、得られるスポンジローラの強度、歪み等の物性をより一層向上させることができる。有機過酸化物架橋剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物架橋剤の配合量は、通常、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下である。有機過酸化物架橋剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
付加反応架橋剤は、付加反応触媒を併用するのが好ましい。付加反応触媒は白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができる。
(化学発泡剤)
本発明のスポンジローラにおいては、弾性層の形成に化学発泡剤を用いる。本発明における化学発泡剤としては、従来、弾性層の形成に用いられる発泡剤であればよく、例えば、無機系発泡剤として、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられ、有機系発泡剤として、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。有機アゾ化合物の中でも、アゾジカルボン酸アミド、アゾビス−イソブチロニトリル等が好適に使用される。特に、アゾビス−イソブチロニトリルが好適に使用できる。なお、発泡剤として、未膨張マイクロバルーンを用いることもできるが、本発明においては、発泡剤として化学発泡剤のみを用いることが好ましい。
[重量変化率]
本発明のスポンジローラにおいては、ミラブル型シリコーンゴム100gを気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後の重量変化率が0.005%以上2%以下であり、0.007%以上1.5%以下であることが好ましい。重量変化率がこのような範囲であるミラブル型シリコーンゴムを用いることにより、スポンジローラの熱膨張を抑制することができ、紙じわの発生を抑制することができる。ここで、重量変化率は150℃以上に加熱したオーブンに1h以上投入し、十分乾燥させた状態のミラブル型シリコーンゴムを準備し、電子天秤にて重量を測定する。その後、気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後の重量を電子天秤にて測定し、以下の計算式で重量変化率を算出した。
{(気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後のミラブル型シリコーンゴムの重量)−(保管前のミラブル型シリコーンゴムの重量)}/保管前のミラブル型シリコーンゴムの重量×100
[クラウン量]
本発明のスポンジローラの形状は、図1に示すように、軸体2の中央から軸体2の両端に向かってスポンジローラ1の厚み増加させる形状、すなわち、逆クラウン形状である。また、本発明のスポンジローラにおいて、加熱前のクラウン量(両端部の外径から中央部外径を差し引いた数値)が0.05mm以上0.5mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.4mm以下であることがより好ましい。このように、加熱前のクラウン量を調整することにより、紙じわの発生を抑制するためにクラウン量を大きくした場合と比較して、スポンジローラの生産効率や運転初期の記録体への現像剤の定着性が向上する。さらに、重量変化率が上記の範囲であるミラブル型シリコーンゴムを用いることにより、スポンジローラの熱膨張を抑制することができるため、クラウン量を小さくしても、紙じわが発生しづらいスポンジローラを得ることができる。
[熱膨張率]
本発明のスポンジローラにおいて、スポンジローラを気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後に、気温150℃の加熱乾燥条件下に計50分間放置しながら10分間おきに熱膨張率を測定した場合に、各時間帯の熱膨張率が2%以上7%以下であることが好ましく、3%以上6%以下であることがより好ましい。このように、熱膨張率を調整することにより、上記のようにクラウン量を小さくしても、紙じわの発生を抑制することができる。また、加熱による経時的な形状変化も抑えられるため、本発明のスポンジローラを長期間使用した場合の紙じわの発生も抑えることができる。なお、熱膨張率(%)は、(加熱開始後一定時間経過後の体積/加熱前の体積×100)−100の式で算出される。
[平均セル径]
本発明のスポンジローラはミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、化学発泡剤とから形成された弾性層を有する。この弾性層の中心軸線に直交する方向で弾性層を切断したときに現れる弾性層の断面において、化学発泡剤により形成されるセルの平均セル径が80μm以上500μm以下となる。なお、本発明のスポンジローラにおいては、化学発泡剤のみでセルを形成しているため、セル径が大きい傾向にあり、圧縮永久歪を小さくすることができる。
[弾性層の寸法等]
弾性層は、軸体の外周面に円柱状に形成され、弾性層の厚みは通常0.5mmから30mmであり、好ましくは1mmから15mmである。
[その他]
この弾性層には、この発明の課題を達成することができる限り、低分子シロキサンエステル、シラノール、例えば、ジフェニルシランジオール等の分散剤、酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、接着性や成形加工性を向上させる各種カーボンファンクショナルシラン、難燃性を付与させるハロゲン化合物等をこの発明の目的を損なわない範囲で含有してもよい。
<スポンジローラの製造方法>
この発明に係るスポンジローラは、この発明に係る製造方法により製造することができる。
この発明に係る製造方法においては、まずミラブル型シリコーンゴムと、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して化学発泡剤0.05質量部以上1.0質量部以下と、架橋剤を配合する。
ミラブル型シリコーンゴム、架橋剤、化学発泡剤の種類等については既に説明した。
混合する方法は特に限定されず、例えば、常温常圧下で、ミラブル型シリコーンゴムに化学発泡剤、及び架橋剤を順次に、又は一挙に投入して攪拌機、混練器等で均一に混合させる方法等が挙げられる。このようにして混合物を調製する工程が完遂する。
上記混合物には、各種の添加剤を含めることができる。各種の添加剤として、例えば鎖延長剤及び架橋剤等の助剤、触媒、分散剤、発泡剤、老化防止剤、酸化防止剤、充填材、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常用いられる添加剤であってもよく、用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。
上記混合物は、二本ロール、三本ロール、ロールミル、バンバリーミキサ、ドウミキサ(ニーダー)等のゴム混練機等を用いて、均一に混合されるまで、例えば、数分から数時間、好ましくは5分間以上1時間以下にわたって常温又は加熱下で混練することにより、得ることができる。
次いで、得られた混合物を、スポンジローラ1を構成するための軸体2の外周面に、押出成形による連続加熱成形、プレス、インジェクションによる型成形等によって、加熱成形する。
軸体2の外周面に混合物を円柱状に形成した後に、円柱状の混合物、換言すると、円柱状の成形体を、軸体2ごと加熱して加硫する。この加熱加硫を行う際の条件、例えば、化学発泡剤の種類とその添加量、架橋剤の種類と添加量、加熱温度等によって発泡後のセル径を所定の範囲に調整することができる。
上記成形体を加熱して加硫する際の加熱を以下のようにすると、特に好ましい。すなわち、一次加硫として、100℃以上300℃以下、特に150℃以上250℃以下で、5分間以上30分間以下で加熱し、次いで二次加硫として180℃以上250℃以下、特に200℃以上230℃以下で、1時間以上10時間以下で加熱するのがよい。このように複数の回数をもって加熱すると化学発泡剤の分解、ミラブル型シリコーンゴムの硬化、残留する低分子シロキサンの排除が可能となって好ましい。
加硫をするに必要な加熱は、赤外線加熱炉又は熱風炉等の加熱炉、乾燥機等の加熱機等で行うことができる。
このようにして得られるスポンジローラ1を更に研磨工程に供する。研磨工程は、軸体2の外周面に形成されたスポンジローラ1の形状を、軸体2の中央から軸体2の両端に向かってスポンジローラ1の厚み増加させる形状、つまり逆クラウン形状に調整する工程である。
また、上記加硫によって得られた逆クラウン形状のスポンジローラ1の外表面を、チューブ、例えば、フッ素樹脂チューブで被覆してフッ素樹脂層4を形成してもよい。フッ素樹脂チューブによる被覆は、例えば、加圧下でスポンジローラ1を圧縮してフッ素樹脂チューブに挿入する加圧挿入法、減圧下でフッ素樹脂チューブを圧縮してフッ素樹脂チューブに挿入する減圧挿入法、減圧下でフッ素樹脂チューブを半径方向に拡径させてスポンジローラ1をその内部に挿入する減圧拡径法等によって、行うことができる。
<画像形成装置>
この発明に係るスポンジローラは画像形成装置の例えば定着装置に組み込むことができる。
次に、この発明に係るスポンジローラを備えた定着装置を内装する画像形成装置(以下、この発明に係る画像形成装置と称することがある。)の一例を、図2を参照して、説明する。
図2に示されるように、この発明に係る画像形成装置30は、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31、例えば感光体と、像担持体31の周囲に配置された、帯電手段32、例えば帯電ローラ、露光手段33、現像手段40、転写手段34、例えば転写ローラ及びクリーニング手段37と、記録体36の搬送方向下流側に定着手段35とを備えている。この現像手段40は、従来の現像手段と基本的に同様に形成され、具体的には、図2に示されるように、現像剤収納部41と、像担持体31に現像剤42を供給する現像剤担持体44と、現像剤担持体44に現像剤42を供給する現像剤供給手段43と、現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えている。
定着手段35は、図2にその断面が示されるように、記録体36を通過させる開口52を有する筐体50内に、定着ローラ53と、定着ローラ53の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ54と、定着ローラ53及び無端ベルト支持ローラ54に巻回された無端ベルト55と、無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接する加圧ローラ56と、無端ベルト55に非接触となるように配置され、無端ベルト55を介して外部から定着ローラ53を加熱する加熱手段とを備え、無端ベルト55を介して定着ローラ53と加圧ローラ56とが互いに当接又は圧接するように回転自在に支持されてなる圧力熱定着装置である。
無端ベルト支持ローラ54は、画像形成装置に通常用いられるローラであればよく、例えば、弾性ローラ等が用いられる。無端ベルト55は、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂により、無端状に形成されたベルトであればよく、その厚さ等も適宜、定着手段35に適合するように調整することができる。加圧ローラ56はスプリング等の付勢手段(図示しない)によって無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接している。この定着手段35においてこの発明に係るスポンジローラが加圧ローラ56として装着されている。加熱手段は、ハロゲンヒーター及び反射板等を用いた輻射加熱方法、加熱器等を直接接触させて加熱する直接接触加熱方法、並びに、誘導加熱方法等が採用される。この加熱手段は、定着ローラ53における軸線方向の長さとほぼ同じ長さを有する部材であり、定着手段35のいずれに配置されてもよいが、図2に示されるように、定着ローラ53の表面より一定の間隔を隔てて定着ローラ53に略並行に配置されるのがよい。誘導加熱方法には加熱用コイルが用いられ、この加熱用コイルは、通常、フェライト等の強磁性体で、スイッチング電源用として用いられている代表的な形状であるI型、E型及びU型等に形成され、導線が巻かれてなる。無端ベルト55と加圧ローラ56との圧接された間を記録体36が通過することにより、加圧と同時に加熱され、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができる。
この発明に係る画像形成装置30は、次のように作用する。まず、画像形成装置30において、帯電手段32により像担持体31が一様に帯電され、露光手段33により像担持体31の表面に静電潜像が形成される。次いで、現像手段40から現像剤42が像担持体31に供給されて静電潜像が現像され、この現像剤像が像担持体31と転写手段34との間に搬送される記録体36上に転写される。この記録体36は定着手段35に搬送され、現像剤像が永久画像として記録体36に定着される。このようにして、記録体36に画像を形成することができる。
この定着手段35及びこの画像形成装置30は、定着ローラ53又は加圧ローラ56としてこの発明に係るスポンジローラが採用されているから、現像剤を記録体に定着させる定着性に優れるとともに消費電力が小さい。
この発明に係るスポンジローラ、及び画像形成装置は、以上の実施形態に限定されることはなく、この発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、スポンジローラ1において、弾性層3は、単層構造とされているが、この発明においては二層以上の複層構造とされてもよい。
画像形成装置30は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置30は、現像手段40に単色の現像剤42のみを収容するモノクロ画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、モノクロ画像形成装置に限定されず、カラー画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置としては、例えば、像担持体上に担持された現像剤像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色の現像手段を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。画像形成装置30は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置とされる。
また、定着手段35及び画像形成装置30において、現像剤42は、一成分系の現像剤が有利に用いられるが、トナーと、鉄、ニッケル等のキャリアとを含む二成分系の現像剤も使用することができる。
(実施例1から3、比較例1)
実施例1から3及び比較例1にあっては、表1に示されるミラブル型シリコーンゴムに、架橋剤と、触媒と、化学発泡剤とを、二本ロールで十分に混練して混合物を得た。
なお、実施例1から3、比較例1において、ベースゴム材料として、信越化学工業株式会社製の商品名KE−551−Uであるミラブル型シリコーンゴムと、信越化学工業株式会社製の商品名KE−951−Uであるミラブル型シリコーンゴムと、を表1に記載の質量比で混合して用いた。また、架橋剤は「付加架橋」と記載された信越化学工業株式会社製の商品名C−25Bと「パーオキサイド架橋」と記載された信越化学工業株式会社製のC−3との組み合わせであり、「触媒」は信越化学工業株式会社製の商品名C−25Aである白金触媒であり、「化学発泡剤」は大塚化学株式会社製の商品名AZOシリーズのAIBNである。
次いで、プライマー層を形成した軸体と混合物とを押出成形機にて一体分出し、実施例1から3及び比較例1にあっては、赤外線加熱炉(IR炉)を用いて上記混合物を225℃で17分間加熱することにより1次加硫し、その後、熱風乾燥炉で225℃で7時間にわたって2次加硫することにより発泡ローラ原体を作製した。この発泡ローラ原体の円周面を、金属砥石による高速研磨を株式会社水口製作所製の研磨機により行った。
実施例1から3及び比較例1で得られたスポンジローラは、外径30mm及び軸線方向長さ340mmの逆クラウン形状であり、両端部の外径と中心部の外径を測定し、加熱前のクラウン量を表1に示した。
(紙じわの発生しづらさ)
得られたスポンジローラを画像形成装置の定着ローラとして用い、A4サイズの用紙100枚を印刷し、紙じわの発生しづらさについて、以下の基準により評価した。
◎:紙じわの発生が0枚以上5枚以下
〇:紙じわの発生が6枚以上10枚以下
×:紙じわの発生が11枚以上



1 スポンジローラ
2 軸体
3 弾性層
4 フッ素樹脂層
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着手段
36 記録体
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 現像剤供給手段
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
50 筐体
52 開口
53 定着ローラ
54 無端ベルト支持ローラ
55 無端ベルト
56 加圧ローラ

Claims (5)

  1. 軸体とその軸体の外周面に形成された弾性層とを有する逆クラウン形状のスポンジローラであって、
    前記弾性層が、ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、化学発泡剤と、から形成され、
    前記ミラブル型シリコーンゴム100gを気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後の重量変化率が0.005%以上2%以下であることを特徴とするスポンジローラ。
  2. 加熱前のクラウン量が0.05mm以上0.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスポンジローラ。
  3. スポンジローラを気温50℃かつ湿度80%の条件下で72時間保管した後に、気温150℃の加熱乾燥条件下に計50分間放置しながら10分間おきに熱膨張率を測定した場合に、各時間帯の熱膨張率が2%以上7%以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスポンジローラ。
  4. ミラブル型シリコーンゴムと、架橋剤と、化学発泡剤と、を混合して混合物を調整し、前記混合物を、軸体の外側表面に押出成形し、次いで加熱硬化して、請求項1から3のいずれかに記載のスポンジローラを製造することを特徴とするスポンジローラの製造方法。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載のスポンジローラを備えてなることを特徴とする画像形成装置。
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