JP2022049028A - トナー供給ローラ及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低硬度でありながら、歪特性及び耐久性が改善されたトナー供給ローラ及びそのトナー供給ローラを備えた高品質な画像を得ることが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】軸体2と軸体2の外周面に形成された発泡弾性層3とを有するトナー供給ローラ1であって、発泡弾性層3が、ミラブル型シリコーンゴム、シリコーンゴムボール、架橋剤及び化学発泡剤を含むシリコーンゴム組成物から形成され、シリコーンゴム組成物中のシリコーンゴムボールの含有量が2質量%以上20質量%以下であり、発泡弾性層3のアスカーF硬度が30以上45以下であり、発泡弾性層3の圧縮試験による外径復帰率が、90%以上100%以下のトナー供給ローラである。【選択図】図1

Description

本発明は、トナー供給ローラ及び画像形成装置に関する。
レーザープリンタ、複写機、ビデオプリンタ、ファクシミリ、これらの複合機等には、電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。電子写真方式を利用した画像形成装置は、軸体とその外周面に形成された弾性層とを有する、クリーニングローラ、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラ、加圧ローラ、紙送り搬送ローラ、定着ローラ等の各種印刷用スポンジローラを備えている。
これらのスポンジローラの中でもクリーニングローラ、トナー供給ローラ、現像ローラは、現像剤の吸着や搬送を目的とするために導電性を有しており、他のスポンジローラと圧着する際に、現像剤への負荷や摩擦を軽減するために、低硬度であることが求められている。
低硬度であるスポンジローラとして、例えば、特許文献1には、現像剤による現像操作を伴う画像形成装置の現像機構部で、現像ローラ表面に当接して回転し、トナー溜り内のトナーを外周面に担持して搬送し、上記現像ローラ表面にトナーを供給するトナー供給ローラであって、少なくとも外周面が発泡体により形成され、ローラの両端部を除く所定範囲をクラッシングすることにより上記発泡体のセル膜を破壊し、ローラ中央部の所定範囲をローラ両端部よりも低硬度に設定した現像ローラが開示されている。
また、特許文献2には、導電性を有する軸体と、導電性を有し軸体の外周面に設けられた円筒状の導電性ゴム体とを備え、導電性ゴム体には、柔軟性を有する金属繊維を絡ませて集合させた金属繊維集合体を、上記軸体と上記導電性ゴム体の外周面とを導通するように埋設した導電性ローラが開示されている。
特開2007-65103号公報 特開2007-256410号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載のスポンジローラでは、低硬度であるが故に、経時的に弾性層の歪みが発生しやすく、また、摩耗により耐久性が低下するという問題がある。特に、トナー供給ローラは、現像ローラに当接して回転しながら、トナーの供給と掻き取りを行っているため、摩耗により外径が小さくなると、トナーの供給不足及び掻き取り不足が生じ、画像不良が生じるという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、低硬度でありながら、歪特性及び耐久性が改善されたトナー供給ローラ及びそのトナー供給ローラを備えた高品質な画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、無機充填剤としてのシリカに代わり、シリコーンゴムボールを含有させることにより、低硬度でありながら歪特性を改善できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明のトナー供給ローラは、軸体と軸体の外周面に形成された発泡弾性層とを有するトナー供給ローラであって、発泡弾性層が、ミラブル型シリコーンゴム、シリコーンゴムボール、架橋剤及び化学発泡剤を含むシリコーンゴム組成物から形成され、シリコーンゴム組成物中のシリコーンゴムボールの含有量が、2質量%以上20質量%以下であり、発泡弾性層のアスカーF硬度が、30以上50以下であり、発泡弾性層の圧縮試験による外径復帰率が、90%以上100%以下である。
シリコーンゴムボールの平均粒径は、5μm以上20μm以下であることが好ましい。
発泡弾性層の比重は、0.13以上0.3以下であることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、本発明のトナー供給ローラを備えたものである。
本発明によれば、低硬度でありながら、歪特性及び耐久性が改善されたトナー供給ローラ及びそのトナー供給ローラ高品質な画像を得ることができる画像形成装置を得ることができる。
本発明のトナー供給ローラの一実施形態を示す概略斜視図である。 本発明の画像形成装置の一実施形態を示す概略断面図である。 本発明のトナー供給ローラの外径復帰率の測定方法を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[トナー供給ローラ]
本発明のトナー供給ローラ1は、図1に示すように、軸体2と軸体2の外周面に形成された発泡弾性層3とを有する。以下、構成要素の詳細について説明する。
<軸体>
軸体2は、好ましくは導電特性を有する、従来公知の弾性ローラに用いられる軸体を用いることができる。軸体2は、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、及び真鍮からなる群より選択される少なくとも1種の金属で構成されることが好ましい。
<発泡弾性層>
発泡弾性層3は、ミラブル型シリコーンゴム、シリコーンゴムボール、架橋剤及び化学発泡剤を含むシリコーンゴム組成物から形成される。なお、本発明におけるシリコーンゴム組成物は、シリカ系充填剤を含有しない。
(シリコーンゴム組成物)
-ミラブル型シリコーンゴム-
ミラブル型シリコーンゴムは、硬化する前の状態が天然ゴムや通常の合成ゴムの未加硫配合ゴムに類似していて、練りロール機あるいは密閉式の混合機等で可塑化及び混合することができるシリコーンゴムコンパウンドである。
ミラブル型シリコーンゴムは、下記平均組成式(I)で表される重合度が100以上のオルガノポリシロキサン(A)と導電性付与剤(B)とを含有する。
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は同一又は異種の非置換若しくは置換の一価炭化水素基を示し、aは1.95以上2.05以下の正数である。)
としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、β-フェニルプロピル基等のアラルキル基などが挙げられる。また、Rは、これらの炭化水素基が有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基であってもよい。置換基は、例えばハロゲン原子、シアノ基等であってよい。置換基を有する炭化水素基としては、例えば、クロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
オルガノポリシロキサン(A)は、分子鎖末端が、トリメチルシリル基等のトリアルキルシリル基、ジメチルビニルシリル基等のジアルキルアラルキルシリル基、ジメチルヒドロキシシリル基等のジアルキルヒドロキシシリル基、トリビニルシリル基等のトリアラルキルシリル基などで封鎖されていることが好ましい。
オルガノポリシロキサン(A)は、分子中に2つ以上のアルケニル基を有することが好ましい。オルガノポリシロキサンは、Rのうち0.001モル%以上5モル%以下(より好ましくは0.01モル%以上0.5モル%以下)のアルケニル基を有することが好ましい。オルガノポリシロキサンが有するアルケニル基としてはビニル基が特に好ましい。
オルガノポリシロキサン(A)は、例えば、オルガノハロシランの1種若しくは2種以上を共加水分解縮合することによって、又は、シロキサンの3量体若しくは4量体等の環状ポリシロキサンを開環重合することによって得ることができる。オルガノポリシロキサンは、基本的には直鎖状のジオルガノポリシロキサンであってよく、一部分岐していてもよい。また、オルガノポリシロキサン(A)は、分子構造の異なる2種又はそれ以上の混合物であってもよい。
オルガノポリシロキサン(A)は、25℃における動粘度が100cSt以上であることが好ましく、100000cSt以上10000000cSt以下であることがより好ましい。また、オルガノポリシロキサン(A)の重合度は、例えば100cSt以上であることが好ましく、3000cSt以上10000cSt以下であることがより好ましい。
導電性付与剤(B)は、発泡弾性層3に導電性を付与するための成分であればよく、特に限定されるものではない。導電性付与剤(B)としては、例えば、導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、導電性ポリマー等を含む導電性粉末等を挙げることができる。導電性粉末としては、カーボンブラックを用いることが好ましく、カーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)等のファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等を挙げることができる。
本発明のトナー供給ローラ1において、ミラブル型シリコーンゴムにジメチルシリコーン生ゴムを配合することもできる。ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対するジメチルシリコーン生ゴムの配合比率は、0質量部以上140質量部以下であることが好ましく、0質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。ミラブル型シリコーンゴムに対するジメチルシリコーン生ゴムの配合比率をこのように調整することにより、後述する外径復帰率を所定の範囲に調整することができ、結果として、低硬度かつ高耐久性のトナー供給ローラを得ることができる。
ジメチルシリコーン生ゴムとして、KE-76VBS、KE-77VBSが挙げられる。
-シリコーンゴムボール-
シリコーンゴムボールは、シリコーンゴムからなる球状粒子であり、中実でも中空でもよい。シリコーンゴムボールを用いることにより、発泡弾性層3のセル壁の厚さを均一にすることができ、低硬度でありながら、外径復帰率の高いトナー供給ローラを得ることができる。
シリコーンゴムボールの平均粒径は、1μm以上20μm以下であることが好ましく、5μm以上15μm以下であることがより好ましい。シリコーンゴムボールの平均粒径が上記範囲であることにより、外径復帰率が高く、高耐久性のトナー供給ローラを得ることができる。
シリコーンゴムボールの含有量は、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して2質量%上20質量%以下である。シリコーンゴムボールの含有量が上記範囲であることにより、セル壁に均一にシリコーンゴムボールが分散するので、セル径が均一となり、低硬度でありながら高い外径復帰率を得ることができる。
-架橋剤-
本発明における架橋剤としては、付加反応架橋剤、有機過酸化物架橋剤等を挙げることができる。
上記付加反応架橋剤として、例えば、一分子中に二個以上のSiH基(SiH結合)を有する付加反応型の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好適に挙げられる。付加反応架橋剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。付加反応架橋剤の配合量は、通常、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して0.1質量部以上3.0質量部以下である。
付加反応架橋剤を使用する場合、有機過酸化物架橋剤は、単独でミラブル型シリコーンゴムを架橋させることも可能であるが、付加反応架橋剤の補助架橋剤として併用すると、得られるトナー供給ローラの強度、歪み等の物性をより一層向上させることができる。有機過酸化物架橋剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス-2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物架橋剤の配合量は、通常、ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部以下である。有機過酸化物架橋剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
付加反応架橋剤は、付加反応触媒を併用するのが好ましい。付加反応触媒は白金黒、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。なお、この付加反応触媒の配合量は触媒量とすることができる。
-化学発泡剤-
本発明における化学発泡剤としては、従来、発泡弾性層3の形成に用いられる発泡剤であればよく、例えば、無機系発泡剤として、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられ、有機系発泡剤として、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。有機アゾ化合物の中でも、アゾジカルボン酸アミド、アゾビス-イソブチロニトリル等が好適に使用される。特に、アゾビス-イソブチロニトリルが好適に使用できる。なお、発泡剤として、未膨張マイクロバルーンを用いることもできるが、本発明においては、発泡剤として化学発泡剤のみを用いることが好ましい。
シリコーンゴム組成物中の化学発泡剤の含有量は、低比重でありながら、大きさが均一なセルを得る観点から、0.5質量%以上6質量%以下であることが好ましい。
-その他の成分-
シリコーンゴム組成物には、各種の添加剤が含有されてもよい。各種の添加剤として、例えば鎖延長剤等の助剤、触媒、分散剤、老化防止剤、酸化防止剤、シリカ系以外の充填材として、例えばガラスビーズ、顔料、着色剤、加工助剤、軟化剤、可塑剤、乳化剤、耐熱性向上剤、難燃性向上剤、受酸剤、熱伝導性向上剤、離型剤、溶剤等が挙げられる。これらの各種添加剤は、通常用いられる添加剤であってもよく、用途に応じて特別に用いられる添加剤であってもよい。
(比重)
発泡弾性層3の比重は、低硬度にして、トナーの供給性と掻き取り性を向上させる観点から、0.13以上0.6以下であることが好ましい。
(セル壁)
発泡弾性層3のセル壁の厚さは、13μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。セル壁の厚さが、上記範囲であることにより、低硬度でありがなら高耐久性を有するトナー供給ローラを得ることができる。
(外径復帰率)
発泡弾性層3の圧縮試験による外径復帰率は、90%以上100%以下である。外径復帰率が上記範囲であることにより、歪特性が改善したトナー供給ローラを得ることができる。
発泡弾性層3の外径復帰率は、図3に示す圧縮試験器60を用いて測定する。
まず、トナー供給ローラ1の外径をレーザー測定機により常温下で測定する。次に、図3に示されるように、トナー供給ローラ1を圧縮板61と圧縮板61に挟持し、ハンドル63を回して締め付ける。なお、スペーサ62の厚み(上部の圧縮板61に接するスペーサ62の上端面から下部の圧縮板61に接触するスペーサ62の下端部までの長さ)は10mmであり、スペーサ62の厚さに合わせて、ハンドル63を回して締め付ける。圧縮試験器60でトナー供給ローラ1を締め付けた状態で、圧縮試験器60を100℃の乾燥機に入れて8時間そのまま加熱する。8時間が経過した後に、乾燥機から圧縮装置を取り出し、直ちに圧縮試験器60からトナー供給ローラ1を取り外し、常温下に1時間放置した後のトナー供給ローラ1の外径をレーザー測定機により測定する。下記式で算出される値を外径復帰率(%)とする。
外径復帰率=(圧縮後のトナー供給ローラの外径/圧縮前のトナー供給ローラの外径)×100
発泡弾性層3の厚さは特に限定されず、0.1mm以上6mm以下であることが好ましく、1mm以上4mm以下であることがより好ましい。なお、本明細書における厚さは、トナー供給ローラ1の軸線方向に垂直な方向の厚さを示す。
発泡弾性層3の外径は特に限定されず、例えば6mm以上25mm以下であることが好ましく、7mm以上21mm以下であることがより好ましい。
発泡弾性層3の形成方法は特に限定されない。例えば、発泡弾性層3は、シリコーンゴム組成物の押出成形、LIMS成形等の方法で形成されてよい。また、発泡弾性層3は、軸体2上に形成された発泡弾性体(シリコーンゴム組成物の硬化物)の研削及び研磨等によって形成してもよい。
(アスカーF硬度)
発泡弾性層3のアスカーF硬度は、30以上45以下である。発泡弾性層3のアスカーF硬度は35以上40以下であることがより好ましい。アスカーF硬度が上記範囲であることにより、低硬度のトナー供給ローラを得ることができ、ローラ同士の圧着時の現像剤への負荷や摩擦を軽減することができる。
アスカーF硬度とは、被測定物であるローラの湾曲した表面に硬度計の押圧子の中心部を押し付け、かつ、基準面がローラの表面に接触した瞬間の目盛りを読み取ることで得られる値である。実際には、高分子計器株式会社製「アスカーゴム硬度計F型」で測定することが可能である。
(摩擦減少量)
発泡弾性層3の摩擦減少量は、0.2g以上0.35g以下であることが好ましく、0.25g以上0.30g以下であることがより好ましい。摩擦減少量が上記範囲であることにより、耐久性に優れるトナー供給ローラを得ることができる。
摩擦減少量は、スポンジローラに、スポンジローラの軸方向長さより長い金属ローラ(SUS製、φ16mm、表面粗さRa=0.5)を、スポンジローラの表面から深さ1mm押し当てて、24時間120rpmの回転速度で回転させ、24時間経過後のゴム減少量の測定した値とする。
<トナー供給ローラの製造方法>
まず、シリコーンゴム組成物を調製する。シリコーンゴム組成物の上記成分を混合する方法は特に限定されず、例えば、常温常圧下で、ミラブル型シリコーンゴム、化学発泡剤、架橋剤を順次に、又は一挙に投入して攪拌機、混練器等で均一に混合させる方法等が挙げられる。
シリコーンゴム組成物は、二本ロール、三本ロール、ロールミル、バンバリーミキサ、ドウミキサ(ニーダー)等のゴム混練機等を用いて、均一に混合されるまで、例えば、数分から数時間、好ましくは5分以上1時間以下にわたって常温又は加熱下で混練することにより、得ることができる。
次いで、得られたシリコーンゴム組成物を、トナー供給ローラを構成するための軸体の外周面に、押出成形による連続加熱成形等によって円柱状に形成した後に、円柱状の成形体を、軸体ごと加熱して加硫する(加熱硬化)。
一次加硫として、100℃から300℃、特に150℃から250℃で5分から30分間加熱し、次いで二次加硫として180℃から250℃、特に200℃から230℃で、1時間から10時間加熱するのがよい。このように複数の回数をもって加熱すると、化学発泡剤の分解、ミラブル型シリコーンゴムの硬化、残留する低分子シロキサンの排除、を必要に応じてコントロールすることが可能となって好ましい。
加硫をするに必要な加熱は、赤外線加熱炉又は熱風炉等の加熱炉、乾燥機等の加熱機等で行うことができる。
このようにして得られる発泡弾性層3を、更に研磨工程に供してもよい。
[画像形成装置]
次に、本発明のトナー供給ローラ1を現像剤供給手段43として備えた画像形成装置の一実施形態について、図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、この発明に係る画像形成装置30は、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31、例えば感光体と、像担持体31の周囲に配置された、帯電手段32、例えば帯電ローラ、露光手段33、現像手段40、転写手段34、例えば転写ローラ、クリーニング手段37、例えばクリーニングローラと、記録体36の搬送方向下流側に定着手段35とを備えている。この現像手段40は、従来の現像手段と基本的に同様に形成され、具体的には、図2に示すように、現像剤収納部41と、像担持体31に現像剤42を供給する現像剤担持体44と、現像剤担持体44に現像剤42を供給する現像剤供給手段43と、現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えている。
定着手段35は、図2に示すように、記録体36を通過させる開口52を有する筐体50内に、定着ローラ53と、定着ローラ53の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ54と、定着ローラ53及び無端ベルト支持ローラ54に巻回された無端ベルト55と、無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接する加圧ローラ56と、無端ベルト55に非接触となるように配置され、無端ベルト55を介して外部から定着ローラ53を加熱する加熱手段とを備え、無端ベルト55を介して定着ローラ53と加圧ローラ56とが互いに当接又は圧接するように回転自在に支持されてなる圧力熱定着装置である。
無端ベルト支持ローラ54は、画像形成装置に通常用いられるローラであればよく、例えば、弾性ローラ等が用いられる。無端ベルト55は、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂により、無端状に形成されたベルトであればよく、その厚さ等も適宜、定着手段35に適合するように調整することができる。加圧ローラ56はスプリング等の付勢手段(図示しない)によって無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接している。加熱手段は、ハロゲンヒーター、反射板等を用いた輻射加熱方法、加熱器等を直接接触させて加熱する直接接触加熱方法、誘導加熱方法等が採用される。この加熱手段は、定着ローラ53における軸線方向の長さと略同じ長さを有する部材であり、定着手段35のいずれに配置されてもよいが、図2に示されるように、定着ローラ53の表面より一定の間隔を隔てて定着ローラ53に略並行に配置されるのがよい。誘導加熱方法には加熱用コイルが用いられ、この加熱用コイルは、通常、フェライト等の強磁性体で、スイッチング電源用として用いられている代表的な形状であるI型、E型及びU型等に形成され、導線が巻かれてなる。無端ベルト55と加圧ローラ56との圧接された間を記録体36が通過することにより、加圧と同時に加熱され、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができる。
この発明に係る画像形成装置30は、次のように作用する。まず、画像形成装置30において、帯電手段32により像担持体31が一様に帯電され、露光手段33により像担持体31の表面に静電潜像が形成される。次いで、現像手段40から現像剤42が像担持体31に供給されて静電潜像が現像され、この現像剤像が像担持体31と転写手段34との間に搬送される記録体36上に転写される。本発明のトナー供給ローラは、例えば、現像剤供給手段43や現像剤担持体44に好適に用いることができ、低硬度であるため、現像剤への負荷や摩擦が軽減される。さらに、歪特性も改善されているため、耐久性に優れる。この記録体36は定着手段35に搬送され、現像剤像が永久画像として記録体36に定着される。このようにして、記録体36に画像を形成することができる。
この定着手段35における定着ローラ53又は加圧ローラ56は、現像剤を記録体に定着させる定着性に優れるとともに消費電力が小さい。
この発明に係るトナー供給ローラ及び画像形成装置は、以上の実施形態に限定されることはなく、この発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。
例えば、トナー供給ローラ1において、発泡弾性層3は、単層構造とされているが、この発明においては二層以上の複層構造とされてもよい。
画像形成装置30は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。また、画像形成装置30は、現像手段40に単色の現像剤42のみを収容するモノクロ画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、モノクロ画像形成装置に限定されず、カラー画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置としては、例えば、像担持体上に担持された現像剤像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色の現像手段を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。画像形成装置30は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置とされる。
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
(プライマー層)
無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体(SUM22製、直径10mm、長さ275mm)をエタノールで洗浄し、その表面にシリコーン系プライマー(商品名「プライマーNo.16」、信越化学工業株式会社製)を塗布した。プライマー処理した軸体を、ギヤオーブンを用いて、150℃の温度にて10分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、軸体の外周面にプライマー層を形成した。
(発泡弾性層)
上記軸体に以下の方法で発泡弾性層を形成した。
まず、発泡弾性層用のシリコーンゴム組成物を調製した。ジメチルシリコーン生ゴム(商品名「KE-76VBS」215質量部)と、導電性付与剤(商品名「KE-87C40PU」、信越化学工業株式会社製)25質量部とを混練したミラブル型シリコーンゴムを調整した。
上記ミラブル型シリコーンゴム100質量部に対し、シリコーンゴムボール(商品名「KMP598」、信越化学工業株式会社、平均粒径13μm)10質量部、付加反応架橋剤(商品名「C-25B」、信越化学工業株式会社製)2質量部、化学発泡剤(商品名AZOシリーズのAIBN、大塚化学株式会社製)5質量部、白金触媒(商品名「C-25A」、信越化学工業株式会社製)2質量部を添加して、シリコーンゴム組成物を調製した。
次いで、プライマー層を形成した軸体とシリコーンゴム組成物とを押出成形機にて一体分出し、赤外線加熱炉(IR炉)を用いて上記混合物を225℃で17分間加熱することにより1次加硫し、その後、熱風乾燥炉において、225℃で7時間にわたって2次加硫することにより発泡ローラ原体を作製した。この発泡ローラ原体の円周面を、株式会社水口製作所製の研磨機により金属砥石による高速研磨を行い、外径13mmのトナー供給ローラを作製した。
[実施例2]
シリコーンゴム組成物中のシリコーンゴムボールの含有量を20質量部とした以外は、実施例1と同様にトナー供給ローラを作製した。
[実施例3]
シリコーンゴム組成物中のシリコーンゴムボールの含有量を4質量部とした以外は、実施例1と同様にトナー供給ローラを作製した。
[比較例1]
シリコーンゴム組成物中にシリコーンゴムボールを含有しないこと以外は、実施例1と同様にトナー供給ローラを作製した。
[比較例2]
シリコーンゴム組成物中に、シリコーンゴムボールの代わりにシリカ粒子を4.1質量部含有すること以外は、実施例1と同様にトナー供給ローラを作製した。
[比較例3]
シリコーンゴム組成物中に、シリコーンゴムボールの代わりにシリカ粒子を8.2質量部含有すること以外は、実施例1と同様にトナー供給ローラを作製した。
上記実施例及び比較例について、上記方法により、外径復帰率(%)、アスカーF硬度及び摩擦減少量を測定した。評価結果を表1に示す。
Figure 2022049028000002
表1に示すように、シリコーンゴムボールを含有する発砲弾性層を有する本発明のトナー供給ローラは、低ゴム硬度でありながら高い外径復帰率を有するため、歪の発生が抑制される。さらに、摩擦減少量を小さいため、トナーの供給及び掻き取りを良好に行うことができるので、長期にわたって良好な画像を得ることができる。
1 トナー供給ローラ
2 軸体
3 発泡弾性層
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着手段
36 記録体
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 現像剤供給手段
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
50 筐体
52 開口
53 定着ローラ
54 無端ベルト支持ローラ
55 無端ベルト
56 加圧ローラ
60 圧縮試験器
61 圧縮板
62 スペーサ
63 ハンドル

Claims (4)

  1. 軸体と該軸体の外周面に形成された発泡弾性層とを有するトナー供給ローラであって、
    前記発泡弾性層が、ミラブル型シリコーンゴム、シリコーンゴムボール、架橋剤及び化学発泡剤を含むシリコーンゴム組成物から形成され、
    前記シリコーンゴム組成物中の前記シリコーンゴムボールの含有量が、2質量%以上20質量%以下であり、
    前記発泡弾性層のアスカーF硬度が、30以上50以下であり、
    前記発泡弾性層の圧縮試験による外径復帰率が、90%以上100%以下であるトナー供給ローラ。
  2. 前記シリコーンゴムボールの平均粒径が、5μm以上20μm以下である請求項1記載のトナー供給ローラ。
  3. 前記発泡弾性層の比重が、0.13以上 0.6 以下である請求項1又は2記載のトナー供給ローラ。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載のトナー供給ローラを備えた画像形成装置。
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