JP5806831B2 - 現像剤搬送ローラ、現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

現像剤搬送ローラ、現像装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

この発明は、現像剤搬送ローラ、現像装置及び画像形成装置に関し、さらに詳しくは、高速印字タイプの画像形成装置に装着されても長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成することに貢献する現像剤搬送ローラ及び現像装置、並びに、長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成する画像形成装置に関する。
レーザープリンター及びビデオプリンター等のプリンター、複写機、ファクシミリ、これらの複合機等には、例えば電子写真方式を利用した各種の画像形成装置が採用されている。
このような画像形成装置の一種である、例えば図2に示される画像形成装置30は、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31と、像担持体31の周囲に配置された、帯電手段32、露光手段33、現像手段40、転写手段34及びクリーニング手段37と、記録体の搬送方向下流側に定着手段35とを備えている。この現像手段40は、具体的には、図2に示されるように、現像剤収納部41と、像担持体31に現像剤42を供給する現像剤担持体44と、現像剤担持体44に圧接するように配置され、現像剤担持体44に現像剤42を供給する現像剤供給手段43と、現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えている。この画像形成装置30において像剤担持体44から現像剤42が像担持体31に供給されて像担持体31の表面に形成された静電潜像が現像され、現像された静電潜像が記録体に転写、定着されることによって、画像が記録体に形成される。
このとき、画像形成装置30で高品質の画像を形成するには、現像剤担持体44から像担持体31に所定量の現像剤42を供給することが重要であり、その前提として現像剤供給手段43から現像剤担持体44に所定量の現像剤42を現像剤担持体44の軸線方向及び周方向に均一に供給する必要がある。このため、現像剤供給手段43は、現像剤担持体44に均一に圧接して、現像剤供給手段43の軸線方向において現像剤担持体44に対する現像剤供給手段43の周方向における接触幅(ニップ幅と称することもある。)がほぼ均一になっていることが特に重要である。したがって、現像剤供給手段43は、大きな接触幅を均一に確保するために、通常、低硬度化された弾性層を備えている。
このような現像剤供給手段43として現像剤搬送ローラ(現像剤供給ローラとも称する。)が挙げられ、この現像剤搬送ローラの一例として、例えば、中実の弾性層(ソリッド弾性層とも称する。)よりも小さな硬度を有する発泡弾性層を備えたトナー供給ローラが挙げられる。具体的には、特許文献1には、「芯材と,前記芯材の外周面上に位置する発泡弾性体層とを備え,前記発泡弾性体層の表面には,ローラの周方向に連続した凹凸を形成し,ローラの軸方向に延びる凸部が設けられ,トナーの搬送に供するトナー供給ローラ」に関する技術が記載されている。
特開2008−40254号公報
ところで、現像剤搬送ローラ、特に発泡弾性層を備え低硬度化された現像剤搬送ローラは、印字速度が21〜30枚/分(「枚/分」はppmとも称する。)である通常の画像形成装置の現像装置に装着されるとこの画像形成装置で形成される画像の印字濃度に顕著な不安定性はみられないことが多いのに対して、例えば印字速度が31〜40枚/分である高速印字タイプの画像形成装置の現像装置に装着されるとこの画像形成装置で形成される画像の印字濃度が長期間にわたって安定しないという新たな問題を引き起こすことを、この発明の発明者は見出した。
したがって、この発明は、高速印字タイプの画像形成装置に装着されても長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成することに貢献する現像剤搬送ローラ及び現像装置を提供することを、目的とする。
また、この発明は、長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成する画像形成装置を提供することを、目的とする。
この発明の発明者は、前記新たな問題を解決するため種々検討したところ、印字濃度の不安定性は現像剤搬送ローラの発泡弾性層中に現像剤が侵入することが原因であるとの推測に反して、現像剤搬送ローラを特定の条件で回転試験したときの回転試験前後の硬度比を調整すると、現像剤が存在する実機に装着した場合において長期間にわたってほぼ同量の現像剤を現像ローラに供給でき、前記新たな問題を解決できることを見出して、この発明を完成させた。
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、筒状の発泡弾性層を備えて成り、
前記発泡弾性層は、ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材と付加反応触媒と含有し、かつ前記付加反応触媒は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴムと前記シリカ系充填材との合計質量100質量部に対して0.40〜0.7質量部含有されるシリコーンゴム組成物を、発泡硬化して成り、下記回転試験前後におけるアスカーF硬度の硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)が0.80以上であることを特徴とする現像剤搬送ローラであり、
請求項2は、前記回転試験前のアスカーF硬度は50〜64の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送ローラであり、
請求項3は、前記発泡弾性層は最外層として形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤搬送ローラであり、
請求項4は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像剤搬送ローラを備えたことを特徴とする現像装置であり、
請求項5は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像剤搬送ローラを備えたことを特徴とする画像形成装置である。
<回転試験>
ステンレス鋼(SUS304)で形成された外径20mmの円筒状ローラと前記現像剤搬送ローラとを前記発泡弾性層が2mm凹陥するように平行に圧接した状態で現像剤搬送ローラを回転速度915rpmで20℃の環境下で8時間連続回転させる。
この発明に係る現像剤搬送ローラは、ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材と付加反応触媒と含有し、かつ前記付加反応触媒は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴムと前記シリカ系充填材との合計質量100質量部に対して0.40〜0.7質量部含有されるシリコーンゴム組成物を発泡硬化して成る筒状の発泡弾性層を備えて成り、前記回転試験前後におけるアスカーF硬度の硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)が0.80以上であるから、たとえ高速印字タイプの画像形成装置又はその現像装置に装着されても長期間にわたってほぼ同量の現像剤を現像剤担持体に供給できる。したがって、この発明によれば、高速印字タイプの画像形成装置又はその現像装置に装着されても長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成することに貢献する現像剤搬送ローラを提供することができる。

また、この発明に係る現像装置及びこの発明に係る画像形成装置はこの発明に係る現像剤搬送ローラを備えている。したがって、この発明によれば、画像形成装置に装着されても長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成することに貢献する現像装置、及び、長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成する画像形成装置を提供できる。
図1は、この発明に係る現像剤搬送ローラの一例の現像剤搬送ローラを示す概略斜視図である。 図2は、この発明に係る現像装置の一例の現像装置を備えた、この発明に係る画像形成装置の一例の画像形成装置を示す概略図である。 図3は、現像剤搬送ローラの硬度を試験する回転試験装置を示す模式図である。
この発明に係る現像剤搬送ローラは、下記回転試験前後におけるアスカーF硬度の硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)が0.80以上である。なお、アスカーF硬度の硬度比の上限値は理想的には1.00である。この硬度比が0.80以上であると、発泡弾性層内に侵入した現像剤が凝集しても凝集個所近傍のニップ幅が大きく低減することなく初期のニップ幅を維持でき、その結果、ほぼ均一なニップ幅によって初期とほぼ同量の現像剤を現像ローラに供給できると推測される。したがって、硬度比が0.80以上である現像剤搬送ローラは、通常の画像形成装置はもちろん高速印字タイプの画像形成装置に装着されても長期間にわたって現像剤供給量がほぼ一定になるから、形成される画像に例えば印字濃度の低下又は印字カスレ等が生じることなく高い印字濃度安定性を発揮する。この効果により一層優れる点で、前記硬度比は、0.85〜1.00であるのが好ましく、0.90〜1.00であるのが特に好ましい。
この硬度比を求めるには、まず、この発明に係る現像剤搬送ローラにおける回転試験前のアスカーF硬度を測定する。回転試験前のアスカーF硬度は50〜64であるのが好ましく、50〜60であるのがより一層好ましく、50〜57であるのが特に好ましい。回転試験前のアスカーF硬度が前記範囲内にあると現像剤担持体44との大きな接触幅を均一に確保できる。回転試験前のアスカーF硬度(以下、単にアスカーF硬度と称することがある。)は未使用の現像剤搬送ローラにおけるアスカーF硬度であって製造直後の現像剤搬送ローラのアスカーF硬度に限られない。アスカーF硬度は、発泡弾性層の外表面に硬度計の押圧子の中心部を押し付け、かつ基準面が発泡弾性層の外表面に接触した瞬間の目盛りを読み取ることで得られる値である。実際には、高分子計器株式会社製「アスカーゴム硬度計F型」を用いて測定できる。この発明において、回転試験前のアスカーF硬度はこのようにして複数回測定したときの算術平均値とするのが好ましい。
次いで、この発明に係る現像剤搬送ローラにおける回転試験後のアスカーF硬度を測定する。この発明における回転試験は、20℃、相対湿度50%の環境下で、ステンレス鋼(SUS304)で形成された外径20mmの円筒状ローラとこの発明に係る現像剤搬送ローラとをこの発明に係る現像剤搬送ローラの発泡弾性層が2mm凹陥するように平行に圧接した状態でこの発明に係る現像剤搬送ローラを回転速度915rpmで8時間連続回転させる。回転試験後のアスカーF硬度はこの回転試験後に回転試験前のアスカーF硬度と同様にして測定される。回転試験後のアスカーF硬度は、回転試験前のアスカーF硬度に対して0.80以上であればよく、具体的な硬度範囲は40〜63であるのが好ましく、45〜60であるのがより一層好ましく、50〜57であるのが特に好ましい。
この回転試験は適宜の装置を用いて実施することができるが、この回転試験に好適に用いられる回転試験装置の一例を説明する。好適な回転試験装置70は、図3に示されるように、筐体内部の下面に軸支された円筒状ローラ71と、円筒状ローラ71と対向するように、筐体内部の上面に上下動可能に設けられた試験ローラ装着部74と、試験ローラ装着部74を上下に移動可能な押圧力調整手段75として押圧調整用マイクロメータとを備えている。円筒状ローラ71はステンレス鋼(SUS304)で外径20mmに形成した円筒状ローラである。
回転試験装置70における試験ローラ装着部74のベアリングに回転試験の対象となるこの発明に係る現像剤搬送ローラ76を装着し、図3に示されるように、押圧力調整手段75を操作して、装着した現像剤搬送ローラ76を円筒状ローラ71に圧接して円筒状ローラ71と現像剤搬送ローラ76との圧接部において現像剤搬送ローラ76の発泡弾性層が内部に2mm凹陥するように、現像剤搬送ローラ76を固定する(すなわち現像剤搬送ローラ76の半径と円筒状ローラ71との半径の和よりも2mm短くなるように現像剤搬送ローラ76の中心軸と円筒状ローラ71の中心軸との距離dを調節する。)。次いで、20℃、相対湿度50%の環境下に設置された回転試験装置70の試験ローラ装着部74に装備された駆動手段(図示しない。)により、現像剤搬送ローラ76を回転速度915rpmで8時間連続稼動(加圧ローラ71は現像剤搬送ローラ76に従動回転する。)した後に回転試験装置70から取り外して常温で16時間放置し、前記のようにして現像剤搬送ローラ76のアスカーF硬度を測定する。
このようにして測定された回転試験後のアスカーF硬度(好ましくは算術平均値)を回転試験前のアスカーF硬度(好ましくは算術平均値)で除して、アスカーF硬度の硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)を求めることができる。
この発明に係る現像剤搬送ローラの前記硬度比は、例えば、発泡弾性層を後述するゴム組成物、特に白金触媒を含有する付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を用いる場合には白金触媒の含有量によって、調整できる。具体的には、ゴム組成物中の白金触媒の含有量を多くすると、形成される発泡弾性層の回転試験前のアスカーF硬度も回転試験後のアスカーF硬度も共に大きくなる傾向があり、硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)を0.80〜1.00に調整できる。
また、前記硬度比は、例えば、発泡弾性層を後述するゴム組成物、特に白金触媒を含有する付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を用いる場合には、一次硬化時の硬化温度によって、調整できる。具体的には、ゴム組成物中の一次硬化時の硬化温度を高くすると、形成される発泡弾性層の回転試験前のアスカーF硬度も回転試験後のアスカーF硬度も共に小さくなる傾向があり、硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)を0.80〜1.00に調整できる。
このように、この発明において、前記硬度比を前記範囲内に調整する方法の一例として、白金触媒の含有量及び一次硬化時の硬化温度等が挙げられ、前記回転試験前のアスカーF硬度及び前記硬度比を前記範囲に調整するには、ゴム組成物における白金触媒の含有量を多くすると共に一次硬化時の硬化温度を低くするのがよい。
この発明に係る現像剤搬送ローラは、筒状の発泡弾性層を備えている。この発泡弾性層は低硬度化されており、現像剤担持体44との大きな接触幅を均一に確保できる点で、回転試験前のアスカーF硬度が50〜64であるのが好ましい。発泡弾性層は、通常、この発明に係る現像剤搬送ローラの最外層として形成されるから、この発明に係る現像剤搬送ローラのアスカーF硬度と同じ値のアスカーF硬度を有している。
この発泡弾性層3は気泡等のセルを有している。発泡弾性層に形成されるセルは、他のセルに接することのない若しくは連通することのない状態(独立セル状態と称する。)、他のセルに接し若しくは連通している状態(連通セル状態と称する。)、又は、前記独立セル状態と前記連通セル状態とが共存する状態の何れの状態にあってもよい。前記セルの平均セル径は150〜400μmであるのが好ましく、220〜350μmであるのが特に好ましい。前記平均セル径が前記範囲内にあると、前記範囲のアスカーF硬度を達成でき、現像剤担持体44との均一で十分なニップ幅を確保して十分な量の現像剤を現像剤担持体44に搬送することができる。セルの平均セル径は、発泡弾性層の表面又は任意の面で切断したときの切断面において、約20mmの領域を電子顕微鏡等で観察し、観察視野内に存在する各セルにおける開口部の最大長さを測定して、測定された最大長さを算術平均して得られた平均長さとして、求めることができる。発泡弾性層において、平均セル径は発泡弾性層を形成する後述するゴム組成物に含有される発泡剤又はゴム組成物の硬化条件等により、調整することができる。
発泡弾性層は、単層又は複数層で形成されていてもよく、その形状は特に限定されず、例えば、その軸線方向にわたって均一な外径に調整された所謂ストレート形状でもよく、また、中央部における外径がその両端部における外径よりも大きくなるように調整された所謂クラウン形状であってもよく、さらに、中央部における外径がその両端部における外径よりも小さくなるように調整された所謂逆クラウン形状であってもよい。
発泡弾性層の厚さは、この発明に係る現像剤搬送ローラに要求される機能等に応じて適宜の厚さに調整され、通常、2〜30mmであるのが好ましく、3〜20mmであるのがより一層好ましい。
この発明に係る現像剤搬送ローラは、前記のように、発泡弾性層を備え、かつ回転試験前後におけるアスカーF硬度の硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)が0.80以上であるから、通常の画像形成装置はもちろん高速印字タイプの画像形成装置の現像装置に装着されても長期間にわたってほぼ同量の現像剤を現像剤担持体44に供給でき、これらの画像形成装置が長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成することに貢献できる。
この発明に係る現像剤搬送ローラの一例における現像剤搬送ローラ1は、図1に示されるように、軸体2と軸体2の外周面に最外層として形成された発泡弾性層3とを備えて成る。そして、この現像剤搬送ローラ1は50〜64の回転試験前のアスカーF硬度と40〜63の回転試験後のアスカーF硬度とを有し、かつ0.80以上の硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)を有している。また、現像剤搬送ローラ1は低硬度であるにもかかわらず長期間にわたってほぼ一定の硬度を発揮する。したがって、現像剤搬送ローラ1は装着された画像形成装置が高速印字タイプであっても長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成することに貢献できる。
軸体2は、良好な導電特性を有していればよく、通常、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、真鍮等で構成された所謂「芯金」と称される軸体とされる。また、軸体2は、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等の絶縁性芯体にメッキを施して導電化した軸体であってもよく、さらには、熱可塑性樹脂若しくは熱硬化性樹脂等に導電性付与剤としてカーボンブラック又は金属粉体等を配合した導電性樹脂で形成された軸体であってもよい。軸体2は装着される画像形成装置に応じて適宜の直径及び軸線方向の長さに調整される。
発泡弾性層3は、図1に示されるように、軸体2の外周面に厚さが2〜30mmの単層構造の所謂ストレート形状となるように、形成されている。この発泡弾性層3は軸体2の外周面で後述するゴム組成物が硬化してなる。発泡弾性層3は独立セル状態となる複数のセル(図1において図示しない。)を有しており、前記測定方法による平均セル径は150〜400μmの範囲内にある。
発泡弾性層3を形成するゴム組成物は、ゴムと、発泡剤と、導電性付与剤と、所望により各種添加剤とを含有する。ゴムは、特に限定されず、例えば、シリコーン若しくはシリコーン変性ゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等のゴムが挙げられるが、シリコーン若しくはシリコーン変性ゴムが耐熱性及び帯電特性等に優れる点で好ましい。発泡剤は、従来、発泡ゴムに用いられる発泡剤であればよく、例えば、無機系発泡剤として、重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウム等が挙げられ、有機系発泡剤として、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体、アゾジカルボン酸誘導体等の有機アゾ化合物等が挙げられる。発泡弾性層3に連続セルを形成する場合には無機系発泡剤が用いられ、独立セルを形成する場合には有機系発泡剤が用いられる。このゴム組成物において、発泡剤に加えて、又はその代わりに中空充填材を含有していてもよい。中空充填材としては、例えば、ゴム組成物を硬化した後に、セルを形成することのできる充填材であればよく、例えば、ポリオルガノシロキサン系球状粉末が挙げられる。ポリオルガノシロキサン系球状粉末は、ポリオルガノシロキサンからなる球状の粉末であればよく、例えば、シリコーンパウダ等が挙げられる。より具体的には、直鎖状のジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つシリコーンゴムの粉末(シリコーンゴムパウダとも称する。)、シロキサン結合が(CHSiO3/2で表される三次元網目状に架橋した構造を持つ、いわゆるポリメチルシルセスキオキサン等のシリコーンレジンの粉末、及び、前記シリコーンゴムの表面をシリコーンレジン等で被覆した被覆シリコーンゴムの粉末等が挙げられる。導電性付与剤は、導電性を付与することのできる化合物であればよく、例えば、導電性粉末、イオン導電性物質等が挙げられる。導電性粉末としては、より具体的には、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン、ゴム用カーボン類、金属、導電性ポリマー等が挙げられ、イオン導電性物質としては、より具体的には、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウム等が挙げられる。各種添加剤は、例えば、充填材、着色剤、難燃性向上剤、熱伝導性向上剤、離型剤、分散剤、粉砕石英及び非補強性シリカ等が挙げられる。これらの各種添加剤は所望の配合量で配合される。
このゴム組成物は、独立セル状態のセルを形成することのできる発泡導電性シリコーンゴム系組成物及び発泡導電性ウレタンゴム系組成物等が好ましい。特に、独立セル状態のセルを形成することのできる発泡導電性シリコーンゴム系組成物は、耐熱性、耐久性及び耐残留歪み特性等に優れ、画像形成装置の高速運転にも耐えられる好適なゴム組成物である。このような発泡導電性シリコーンゴム系組成物として付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物が特に好ましい。
付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物は、ビニル基含有シリコーン生ゴムと、シリカ系充填材と、発泡剤と、付加反応架橋剤と、付加反応触媒と、反応制御剤と、導電性付与剤とを含有し、所望により、さらに、有機過酸化物架橋剤と耐熱性向上剤(前記導電性付与剤として機能するものを除く。)と各種添加剤とを含有している。
前記ビニル基含有シリコーン生ゴムは、例えば、ミラブル型シリコーンゴム、熱架橋シリコーンゴム(HTV:High Temperature Vulcanizing)等が挙げられる。これらのビニル基含有シリコーン生ゴムは、後工程で発泡剤及び付加反応架橋剤等をロールミル等で容易に混練りすることができるという特性を有し、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。前記ビニル基含有シリコーン生ゴムとして、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「KE−77VBS」等が挙げられる。
シリカ系充填材は、補強性を有する煙霧質シリカ又は沈降性シリカ等が挙げられ、一般式がRSi(OR’)で示されるシランカップリング剤で表面処理された、補強効果の高い表面処理シリカ系充填材が好ましい。ここで、前記一般式におけるRは、グリシジル基、ビニル基、アミノプロピル基、メタクリロキシ基、N−フェニルアミノプロピル基又はメルカプト基等であり、前記一般式におけるR’はメチル基又はエチル基である。前記一般式で示されるシランカップリング剤は、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「KBM1003」及び「KBE402」、並びに、東新化成株式会社製の商品名「セライトスーパーフロス」等として、容易に入手することができる。このようなシランカップリング剤で表面処理されたシリカ系充填材は、定法に従って、シリカ系充填材の表面を処理することにより、得られる。シリカ系充填材の配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴム100質量部に対して、40〜100質量部であるのが好ましく、45〜70質量部であるのがより一層好ましく、50〜60質量部であるのが特に好ましい。シリカ系充填材は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
発泡剤としては、従来、発泡ゴムに用いられる発泡剤であればよく、例えば、前記無機系発泡剤及び前記有機系発泡剤等が挙げられる。この発明においては、発泡弾性層3を容易に形成することができる点で、発泡剤は有機系発泡剤であるのがよく、具体的には、例えば、アゾジカルボン酸アミド、アゾビス−イソブチロニトリル等のアゾ化合物が好適に使用される。特に、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)が好適に使用できる。発泡剤の配合量は、例えば、前記ビニル基含有シリコーン生ゴムと前記シリカ系充填材との合計100質量部に対して、0.1〜10質量部、特に0.5〜8質量部であるのがよい。発泡剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
付加反応架橋剤は、例えば、一分子中に二個以上のSiH基(SiH結合)を有する付加反応型の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンが好適に挙げられる。付加反応架橋剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。付加反応架橋剤の配合量はビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して0.01〜20質量部であるのがよい。
付加反応触媒は、シリコーン生ゴムの付加反応に通常用いられる触媒であればよく、例えば、周期律表第9属又は第10属の金属単体及びその化合物が挙げられる。付加反応触媒の配合量は、発泡弾性層3の硬度に影響し、前記ビニル基含有シリコーン生ゴムと前記シリカ系充填材との合計100質量部に対して、0.40〜0.7質量部であると発泡弾性層3のアスカーF硬度、その硬度比を前記範囲内に調整できる。付加反応触媒は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
反応制御剤は、公知の反応制御剤を特に制限されることなく用いることができ、例えば、メチルビニルシクロテトラシロキサン、アセチレンアルコール類、シロキサン変性アセチレンアルコール、ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。反応制御剤の配合量は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴムと前記シリカ系充填材との合計100質量部に対して0.1〜2質量部であるのがよい。反応制御剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
導電性付与剤は前記した通りであり、一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。導電性付与剤の配合量は前記ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して5〜50質量部であるのがよい。
有機過酸化物架橋剤は、単独でビニル基含有シリコーン生ゴムを架橋させることも可能であるが、付加反応架橋剤の補助架橋剤として併用すれば、シリコーンゴムの強度、歪み等の物性がより向上する。有機過酸化物架橋剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物架橋剤の配合量は、ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して0.3〜10質量部であるのがよい。有機過酸化物架橋剤は一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
耐熱性向上剤は、前記導電性付与剤以外で発泡弾性層3の耐熱性を向上させる化合物であればよく、例えば、酸化鉄(ベンガラとも称する。)、酸化セリウム及び水酸化セリウム等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を混合して用いることができる。
前記ビニル基含有シリコーン生ゴム、前記シリカ系充填材及び前記各種添加剤を含有するシリコーンゴム組成物として、例えば、信越化学工業株式会社製の商品名「KEシリーズ」及び「KEGシリーズ」等を容易に入手することができる。
ゴム組成物は、二本ロール、三本ロール、ロールミル、バンバリーミキサ、ドウミキサ(ニーダー)等のゴム混練り機等を用いて、均一に混合されるまで、例えば、数分から数時間、好ましくは5分以上1時間以下にわたって常温又は加熱下で混練して、得られる。
現像剤搬送ローラ1は、ゴム組成物を軸体2の外周面上で発泡硬化して発泡弾性層3を形成する工程を含む製造方法によって、製造することができる。具体的には、次のようにして製造することができる。まず、前記材料で作製した軸体2の外周面に必要に応じて接着剤又はプライマーを塗布して接着層又はプライマー層を形成する。次いで、この軸体2の外周面に発泡弾性層3を形成するゴム組成物を配置する。その方法としては、例えば、押出機等により軸体2とゴム組成物とを一体に分出して軸体2の外周面にゴム組成物を配置する方法、また、軸体2を収納する金型にゴム組成物を注入して軸体2の外周面にゴム組成物を配置する方法等が挙げられる。これらの中でも、押出機等により軸体2とゴム組成物とを一体に分出しする方法が、作業が容易で作業を連続して行うことができる点で、好ましい。このようにして軸体2の外周面にゴム組成物を配置した後、この状態を維持しつつ軸体2ごとゴム組成物を加熱する。ゴム組成物の加熱は、ゴム組成物に含まれるゴム、例えば、ビニル基含有シリコーン生ゴムが架橋し、かつ発泡剤が分解又は発泡するのに十分な条件で行われればよい。例えば、ゴム組成物は、通常、赤外線加熱炉又は熱風炉等の加熱炉、乾燥機等の加熱機等により、170〜500℃程度、特に200〜400℃に加熱され、数分以上1時間以下、特に5〜30分間、加熱される。ゴム組成物は、所望により、さらに二次加熱が行われてもよい。二次加熱によって発泡弾性層3の物性が安定する。二次加熱は、例えば、前記の条件で架橋されたゴム組成物を、さらに、押出成形された状態のままで、例えば、180〜250℃、好ましくは190〜230℃で、1〜24時間、好ましくは3〜10時間にわたって、又は、金型を用いて、例えば、130〜200℃、好ましくは150〜180℃で、5分以上24時間以下、好ましくは10分以上10時間以下にわたって、再度加熱されることによって、行われる。このようにして成形された発泡弾性層3は、所望により、仕上げ工程として、所望の大きさ及び形状等に調整する研削工程、研磨工程及び/又は切削工程等が施される。その後、所望により表面層が従来の方法で形成される。このようにして現像剤搬送ローラ1が製造される。
この製造方法において、例えば、ゴム組成物における白金触媒の含有量及び/又は一次硬化時の加熱温度(硬化温度)を調整すると、前記したように、現像剤搬送ローラ1における回転試験前のアスカーF硬度及び前記硬度比を前記範囲に調整できる。
次に、この発明に係る現像剤搬送ローラを備えた現像装置(以下、この発明に係る現像装置と称することがある。)及び画像形成装置(以下、この発明に係る画像形成装置と称することがある。)の一例を、図2を参照して、説明する。
図2に示されるように、この発明に係る画像形成装置の一例の画像形成装置30は、静電潜像が形成される回転可能な像担持体31例えば感光体と、像担持体31の周囲に配置された、帯電手段32例えば帯電ローラ、露光手段33、現像手段40、転写手段34例えば転写ローラ及びクリーニング手段37と、記録体の搬送方向下流側に配置された定着手段35例えば画像形成装置用定着装置とを備えている。ここで、像担持体31、帯電手段32、露光手段33、転写手段34及び定着手段35は従来公知のものと同様である。
現像手段40は、この発明に係る現像装置の一例であり、具体的には、図2に示されるように、現像剤収納部41と、像担持体31に現像剤42を供給する現像剤担持体44例えば現像ローラと、現像剤担持体44に現像剤42を供給する現像剤供給手段43例えば現像剤供給ローラと、現像剤42を帯電させる現像剤規制部材45とを備えて成る。この現像手段40は、現像剤供給手段43としてこの発明に係る現像剤搬送ローラが、被圧接体である現像剤担持体44とのニップ幅として発泡弾性層3における厚さ方向への押込量(凹陥量)が1mmとなるように、装着されている。現像手段40は、現像剤供給手段43としてこの発明に係る現像剤搬送ローラが装着されていること以外は従来の現像手段と基本的に同様である。なお、現像剤42は、一成分系の現像剤であれば、乾式現像剤であっても湿式現像剤であってもよく、また、非磁性現像剤であっても磁性現像剤であってもよい。
定着手段35は、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができればよく、例えば、発熱可能な定着ローラを備えた熱ローラ定着装置、オーブン定着器等の加熱定着装置、加圧可能な定着ローラを備えた圧力定着装置等を用いることができる。これらの定着装置は無端ベルトを備えた定着装置であってもよい。この定着装置35は、図2にその断面が示されるように、記録体36を通過させる開口52を有する筐体50内に、定着ローラ53と、定着ローラ53の近傍に配置された無端ベルト支持ローラ54と、定着ローラ53及び無端ベルト支持ローラ54に巻き掛けられた無端ベルト55と、定着ローラ53と対向配置された加圧ローラ56とを備え、無端ベルト55を介して定着ローラ53と加圧ローラ56とが、互いに当接又は圧接するように、回転自在に支持されて成る圧力熱定着装置である。無端ベルト支持ローラ54は、画像形成装置に通常用いられるローラであればよく、例えば、弾性ローラ等が用いられる。無端ベルト55は、例えば、ポリアミド、ポリアミドイミド等の樹脂により、無端状に形成されたベルトであればよく、その厚さ等も適宜定着手段35に適合するように調整することができる。定着ローラ53、無端ベルト支持ローラ54及び加圧ローラ56はそれぞれ、加熱体(図示しない。)が内蔵され、加圧ローラ56はスプリング等の付勢手段(図示しない。)によって、無端ベルト55を介して定着ローラ53に圧接している。無端ベルト55と加圧ローラ56との圧接された間を記録体36が通過することにより、加圧と同時に加熱され、記録体36に転写された現像剤42(静電潜像)を定着させることができる。
この発明に係る画像形成装置30は、次のように作用する。まず、画像形成装置30において、帯電手段32により像担持体31が一様に帯電され、露光手段33により像担持体31の表面に静電潜像が形成される。次いで、現像手段40から現像剤42が像担持体31に供給され、静電潜像が現像される。ここで、現像剤供給手段43としてのこの発明に係る現像剤搬送ローラは長期間にわたってほぼ同量、すなわち供給量を経時的に変化させることなく、現像剤を現像剤担持体44に供給するから、この現像剤担持体44は像担持体31に長期間にわたってほぼ同量の現像剤を供給できる。次いで、現像剤像は像担持体31と転写手段34との間に搬送される記録体36上に転写される。この記録体36は定着手段35に搬送され、現像剤像が永久画像として記録体36に定着される。このようにして画像形成装置30は長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する高品質の画像を記録体36に形成することができる。
この発明に係る現像装置の一例である現像手段40及びこの発明に係る画像形成装置の一例である画像形成装置30は現像剤供給手段43としてこの発明に係る現像剤搬送ローラを備えているから、この現像手段40は長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成することに貢献でき、画像形成装置30は長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成できる。
この画像形成装置30は従来の印字速度(例えば、印字速度が21〜30枚/分)で画像を形成する画像形成装置であるが、この発明に係る現像剤搬送ローラが好適に採用される高速印字タイプの画像形成装置は画像形成速度が31〜40枚/分と高速であること以外は従来の印字速度で画像を形成する、例えば画像形成装置30と基本的に同様に構成されている。したがって、この発明に係る現像剤搬送ローラが採用された高速印字タイプの画像形成装置は画像形成装置30と同様に長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成でき、この発明に係る現像剤搬送ローラが採用された現像手段は現像手段40と同様に長期間にわたって安定して所望の印字濃度を有する画像を形成することに貢献できる。
この発明に係る現像剤搬送ローラ、現像装置及び画像形成装置は、前記した例に限定されることはなく、本願発明の目的を達成することができる範囲において、種々の変更が可能である。例えば、現像剤搬送ローラ1は、単層構造の発泡弾性層3を備えているが、この発明において、現像剤搬送ローラは二層以上の複数層構造の発泡弾性層を備えていてもよい。
現像剤搬送ローラ1は、軸体2と発泡弾性層3とを備えているが、この発明において、現像剤搬送ローラは発泡弾性層の外周面に表面層を備えていてもよい。
現像剤搬送ローラ1は、軸体2の外周面に発泡弾性層3が他の層を介することなく形成されているが、この発明においては、軸体と弾性層との間に、密着性、追従性等を向上させる、プライマー層、接着剤層等を設けることもできる。
画像形成装置30は、電子写真方式の画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、電子写真方式には限定されず、例えば、静電方式の画像形成装置であってもよい。
また、画像形成装置30は、現像手段40に単色の現像剤42のみを収容するモノクロ画像形成装置とされているが、この発明において、画像形成装置は、モノクロ画像形成装置に限定されず、カラー画像形成装置であってもよい。カラー画像形成装置としては、例えば、像担持体上に担持された現像剤像を中間転写体に順次一次転写を繰り返す4サイクル型カラー画像形成装置、各色毎の現像手段を備えた複数の像担持体を中間転写体や転写搬送ベルト上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。画像形成装置30は、例えば、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置とされる。
画像形成装置30において、現像剤42は一成分系の現像剤が有利に用いられるが、トナーと、鉄、ニッケル等のキャリアとを含む二成分系の現像剤も使用することができる。
(実施例1)
発泡弾性層を形成するゴム組成物として付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を準備した。すなわち、ビニル基含有シリコーン生ゴムと前記範囲内にあるシリカ系充填材とを含み、導電性付与剤を含まないシリコーン発泡ゴム組成物「KE−904FU」(信越化学工業株式会社製:商品名)70質量部と、導電性付与剤「KE−87C40PU」(信越化学工業株式会社製:商品名)30質量部(ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して42.8質量部)と、付加反応架橋剤「C−153A」(信越化学工業株式会社製:商品名)2質量部(ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して2.9質量部)と、発泡剤アゾビス−イソブチロニトリル5質量部(ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して7.1質量部)と、付加反応触媒としての白金触媒0.45質量部(ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して0.64質量部、前記合計100質量部に対する含有量を第1表において「換算含有量」と称する。)と、反応制御剤「R−153A」(信越化学工業株式会社製:商品名)0.5質量部(ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して0.71質量部)と、有機過酸化物架橋剤「C−3」(信越化学工業株式会社製:商品名)適量とを、二本ロールで十分に混練して付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を調製した。
無電解ニッケルメッキ処理が施された軸体(直径6mm×長さ370mm、SUM22)をトルエンで洗浄し、プライマー「No.101A/B」(信越化学工業株式会社製:商品名)を塗布した。プライマー処理した軸体を、ギアーオーブンを用いて、150℃の温度にて30分焼成処理した後、常温にて30分以上冷却し、プライマー層を形成した。
次いで、プライマー層を形成した軸体2と調製した付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物とを押出成形機にて一体分出し、次いで、赤外線加熱炉(IR炉)を用いて、260℃で10分間加熱して発泡架橋(一次硬化)させた。その後、さらに、ギアーオーブンを用いて、200℃で4時間にわたって発泡架橋後の付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を二次加熱し、常温にて1時間放置した。次いで、発泡硬化した付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を円筒研削盤にて研磨して外径が15mmで軸線方向に一定となる所謂ストレート形状の発泡弾性層3を形成し、現像剤搬送ローラ1を製造した。この現像剤搬送ローラにおいて、発泡弾性層3の軸線方向の長さは330mmであった。
(実施例2〜4)
前記付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物において白金触媒の含有量を0.40質量部(ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して0.57質量部)、0.50質量部(前記合計100質量部に対して0.71質量部)及び0.55質量部(前記合計100質量部に対して0.79質量部)に変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして現像剤搬送ローラを製造した。
(実施例5〜7)
前記一次硬化における加熱温度(硬化温度)を240℃、270℃及び300℃に変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして現像剤搬送ローラを製造した。
(参考例1)
前記付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物において白金触媒の含有量を0.35質量部(ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材との合計100質量部に対して0.50質量部)に変更したこと以外は実施例1と基本的に同様にして現像剤搬送ローラを製造した。
(アスカーF硬度の測定)
実施例1〜7及び参考例1で製造した現像剤搬送ローラそれぞれの回転試験前後のアルカーF硬度を前記のようにして測定した。アスカーF硬度の測定は現像剤搬送ローラにおける発泡弾性層の3箇所(測定点は、発泡弾性層の外周面における同一線上にあって、発泡弾性層の両端部それぞれから中央に向かって25mmの2箇所と中央部の1箇所)を測定点としたときの算術平均値である。測定された回転試験前のアスカーF硬度(第1表において「試験前硬度」と表記する。)及び回転試験後のアスカーF硬度(第1表において「試験後硬度」と表記する。)から硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)を算出した。測定された回転試験前のアスカーF硬度及び回転試験後のアスカーF硬度、並びに、算出された硬度比を第1表に示す。
(平均セル径の測定)
実施例1〜7及び参考例1の現像剤搬送ローラにおける発泡弾性層の平均セル径を前記測定方法に従って測定した結果を第1表に示す。
(印字濃度試験)
実施例1〜7及び参考例1で製造した現像剤搬送ローラそれぞれを用いて印字濃度試験を行った。具体的には、各現像剤搬送ローラを図2に示される高速印字タイプの画像形成装置(商品名「ML910PS」、株式会社沖データ製)における現像剤供給手段43として各現像剤搬送ローラを、その発泡弾性層がその厚さ方向に1mm圧縮されるように現像剤担持体44に圧接させた状態に、装着した。この画像形成装置の印字速度を40枚/分に設定して印刷した黒ベタ画像4万枚すべての印字濃度を確認した。印字濃度試験は、印字濃度の低下、濃度ムラ、白抜け(印字カスレ)等の濃度変化部分がなかった画像を形成できた枚数で評価した。このような濃度変化がなかった画像が4万枚のうち3万枚以上であった場合を「◎」、濃度変化がなかった画像が4万枚のうち2.5万枚以上3万枚未満であった場合を「○」、濃度変化がなかった画像が4万枚のうち1.5万枚以上2.5万枚未満であった場合を「△」、濃度変化がなかった画像が4万枚のうち1.5万枚未満であった場合を「×」とした。結果を第1表に示す。
Figure 0005806831
1 現像剤搬送ローラ
2 軸体
3 発泡弾性層
30 画像形成装置
31 像担持体
32 帯電手段
33 露光手段
34 転写手段
35 定着手段
36 被転写体
37 クリーニング手段
40 現像手段
41 現像剤収納部
42 現像剤
43 現像剤供給手段
44 現像剤担持体
45 現像剤規制部材
50 筐体
52 開口
53 定着ローラ
54 無端ベルト支持ローラ
55 無端ベルト
56 加圧ローラ
70 回転試験装置
71 円筒状ローラ
74 試験ローラ装着部
75 押圧力調整手段
76 現像剤搬送ローラ

Claims (5)

  1. 筒状の発泡弾性層を備えて成り、
    前記発泡弾性層は、ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填材と付加反応触媒と含有し、かつ前記付加反応触媒は、前記ビニル基含有シリコーン生ゴムと前記シリカ系充填材との合計質量100質量部に対して0.40〜0.7質量部含有されるシリコーンゴム組成物を、発泡硬化して成り、下記回転試験前後におけるアスカーF硬度の硬度比(回転試験後のアスカーF硬度/回転試験前のアスカーF硬度)が0.80以上であることを特徴とする現像剤搬送ローラ。
    <回転試験>
    ステンレス鋼(SUS304)で形成された外径20mmの円筒状ローラと前記現像剤搬送ローラとを前記発泡弾性層が2mm凹陥するように平行に圧接した状態で現像剤搬送ローラを回転速度915rpmで20℃の環境下で8時間連続回転させる。
  2. 前記回転試験前のアスカーF硬度は、50〜64の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の現像剤搬送ローラ。
  3. 前記発泡弾性層は、最外層として形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像剤搬送ローラ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像剤搬送ローラを備えたことを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の現像剤搬送ローラを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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