JP2003119424A - 耐汚染性付与組成物、塗料組成物および該塗料組成物から得られる塗膜 - Google Patents

耐汚染性付与組成物、塗料組成物および該塗料組成物から得られる塗膜

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JP2003119424A
JP2003119424A JP2001318855A JP2001318855A JP2003119424A JP 2003119424 A JP2003119424 A JP 2003119424A JP 2001318855 A JP2001318855 A JP 2001318855A JP 2001318855 A JP2001318855 A JP 2001318855A JP 2003119424 A JP2003119424 A JP 2003119424A
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JP2001318855A
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Takanori Hatano
貴典 畑野
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い光沢を示し、且つ、良好な耐汚染性を付
与できる耐汚染性付与組成物、及び、良好な耐汚染性を
示す水性塗料システム・良好な耐汚染性を有する塗膜を
提供することである。 【解決手段】 オルガノシリケート化合物(A)、アル
キレンオキシ鎖含有ノニオン乳化剤(B)、アルコキシ
シラン化合物の加水分解・縮合を促進する化合物
(C)、場合によって有機溶剤(D)を組み合わせた均
一混合された組成物を水性塗料に添加する。(A)、
(C)成分により塗膜の耐汚染性が向上し、上記組成物
を配合した塗料より形成された塗膜は、塗膜の親水性が
向上し、良好な耐汚染性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料に添加するこ
とにより耐汚染性を発現する耐汚染性付与組成物、塗料
組成物および該塗料組成物より得られる塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、塗料の分野においても、公害対策
あるいは省資源の観点より、有機溶剤を使用するものか
ら、水溶性あるいは水分散樹脂への転換が試みられてい
る。しかし、水性塗料は溶剤系塗料に比べ、塗膜性能が
劣る傾向にあった。こういった状況下、水性塗料におい
ても溶剤系塗料と同等の塗膜物性が要求され、特に耐汚
染性といった高度な性能付与が要求されている。
【0003】また、塗料への耐汚染性付与方法として
は、塗料中にオルガノシリケートを配合する方法が知ら
れている(WO94/06870)。この方法により、
形成した塗膜の親水性が向上し、油性の汚染物質の付着
防止に効果があり、また、付着した汚染物質を降雨等の
水滴で洗い流すことが可能である。しかしながら、上記
方法を水性塗料に適用した場合、オルガノシリケートと
水性塗料の相溶性が悪く、表面光沢が極端に低下すると
いう問題があった。
【0004】これに対し、水性塗料への耐汚染性付与方
法としては、オルガノシリケートの変性縮合物を添加す
る方法が開示されている(WO99/05228)。こ
の方法は、オルガノシリケート中のアルコキシ基をポリ
オキシアルキレン基・アミノ官能基等でエステル交換反
応により置換し変性したアルコキシシラン化合物を水性
塗料に添加するものである。この方法により、水性塗料
との相溶性は改善され、表面光沢の極端な低下は解決さ
れた。しかし、オルガノシリケートを変性する場合用い
られるエステル交換反応で目的の化合物を確実に得られ
ない。すなわち、再現性に乏しく、耐汚染性発現にバラ
ツキが見られる。また、変性する操作が煩雑であるとい
う欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、良好な耐汚染性を発現し、且つ、高い光沢
の塗膜を形成する耐汚染性付与剤と水性塗料を提供する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、か
かる現状を鑑み、鋭意検討した結果、オルガノシリケー
ト化合物、アルキレンオキシ鎖含有ノニオン乳化剤、ア
ルコキシシラン化合物の加水分解・縮合を促進する化合
物を組み合わせた均一混合物を水性塗料に添加する方法
を見出した。アルキレンオキシ鎖含有ノニオン乳化剤は
オルガノシリケートと相溶性が良好であり、均一組成物
となる。また、水性塗料へ添加した場合、均一に分散す
るため、形成した塗膜が高い光沢値を示す。上記組成物
は水を含有しないため、アルコキシシラン化合物の加水
分解・縮合触媒を存在させることが可能であり、この存
在により水性塗料に添加し、水と接触することにより、
オルガノシリケートの加水分解反応を促進し、より高度
な耐汚染性を発現する。
【0007】即ち、本発明は、(A)オルガノシリケー
ト化合物、(B)アルキレンオキシ鎖含有ノニオン系乳
化剤、(C)アルコキシシラン化合物の加水分解・縮合
を促進する化合物を含む塗料の耐汚染性付与組成物およ
び塗料組成物、また、これらの塗料より得られる塗膜。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明をその実施の形態に
基づき詳細に説明する。 (オルガノシリケート)本発明で使用可能なオルガノシ
リケート化合物(A)しては、テトラメトキシシラン、
テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラ
ン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブト
キシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−t
−ブトキシシラン及びそれらの部分加水分解・縮合物が
挙げられる。上記化合物は1種単独でもよく、2種以上
を併用しても良い。また、同一分子中に異なったアルコ
キシシリル基を含有するオルガノシリケートも使用可能
である。例えば、メチルエチルシリケート、メチルプロ
ピルシリケート、メチルブチルシリケート、エチルプロ
ピルシリケート、プロピルブチルシリケートなどであ
る。これらの置換基の比率0〜100%の間で任意に変
更可能である。また、これらのシリケートの部分加水分
解・縮合物も使用可能であると記述したが、縮合度は1
〜20程度が好ましい。更に好ましい縮合度の範囲は、
3〜15である。
【0009】上記オルガノシリケートのアルコキシシリ
ル基の官能基のアルコキシ部の炭素数は1〜4を挙げて
いるが、炭素数が少なくなるほど反応性が向上すること
は一般的に知られている。水性塗料へ添加した場合、炭
素数が小さいオルガノシリケート、例えば、メチルシリ
ケートを用いた場合、反応性が高く、良好な耐汚染性を
示すが、塗料のゲル化までの時間、すなわち、ポットラ
イフが短くなる。これに対し、炭素数が大きいブチルシ
リケートを用いた場合、耐汚染性付与率が低下し、ポッ
トライフが長くなる。この耐汚染性とポットライフのバ
ランスを考えると、アルコキシシリル基のアルキル部は
1.5〜2.8が好ましい。即ち、メチルシリケートと
エチルシリケートの混合物もしくは同一分子中にメチル
基とエチル基を有するシリケートがアルキル部1.5と
言える。単独で用いる場合は、エチルシリケート40、
エチルシリケート48が望ましい。 (アルキレンオキシ鎖含有ノニオン乳化剤)本発明の必
須成分であるアルキレンオキシ鎖含有ノニオン乳化剤
(B)としては、アルキレンオキシ鎖と疎水有機基を同
一分子中に有する化合物であれば良い。アルキレンオキ
シ鎖としては、エチレンオキシ鎖、プロピレンオキシ鎖
を有するものが好ましい。
【0010】アルキレンオキシ鎖含有ノニオン乳化剤の
具体例としては、Newcol−562、 Newco
l−560、 Newcol−563、 Newcol−
564、 Newcol−568、 Newcol−50
4、 Newcol−506、 Newcol−512、
Newcol−704、 Newcol−710、Ne
wcol−714、 Newcol−723、 Newc
ol−740(以上、日本乳化剤(株)製)の様なポリ
オキシエチレンノニルフェニルエーテル、Newcol
−862、 Newcol−860、 Newcol−8
64、 Newcol−804(以上、日本乳化剤
(株)製)の様なポリオキシエチレンオクチルフェニル
エーテル等のアルキルアリルエーテル類; Newco
l−1103、 Newcol−1105、 Newco
l−1100、 Newcol−1110、 Newco
l−1120(以上、日本乳化剤(株)製)の様なポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、 Newcol−1
203、 Newcol−1204、 Newcol−1
210(以上、日本乳化剤(株)製)の様なポリオキシ
エチレンオレイルエーテル、 Newcol−180
7、 Newcol−1820(以上、日本乳化剤
(株)製)の様なポリオキシエチレンステアリルエーテ
ル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレ
ート、ポリオキシエチレンステアレート等のアルキルエ
ステル類; Newcol−25、 Newcol−6
5、 Newcol−85(以上、日本乳化剤(株)
製)の様なポリオキシエチレンソルビタン誘導体等が使
用可能である。また、プロピレンオキシ鎖を有するノニ
オン乳化剤としては、プルロニックL−31、L−4
4、L−64、 L−72、L−101、 L−121、
P−84、 P−103、F−68、F−88、F−1
08、F−127、25R−1(以上、旭電化工業
(株)製)の様なポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレン共縮合型ノニオン乳化剤が挙げられる。これらの
ノニオン乳化剤は、1種単独で用いてもよく、また2種
以上併用しても良い。
【0011】後述の(D)成分である有機溶剤を併用す
る場合は、比較的HLB値(ノニオン乳化剤の親水性度
を表す指標)が高いノニオン乳化剤を使用できる。
(D)成分を用いない場合、比較的HLB値の低いノニ
オン乳化剤とそれ以上のHLB値のノニオン乳化剤を併
用すると本発明の耐汚染性付与組成物の均一性を保持す
るのに好ましい。比較的HLB値の低い乳化剤とは水に
不溶であると定義づけられる。逆にHLB値が高いノニ
オン乳化剤は、水に可溶と定義づけられる。上記2種の
ノニオン乳化剤の組み合わせは多数考えられるが、特に
限定されるものではない。比較的HLB値の高いノニオ
ン乳化剤のHLB値は10.5以上が好ましく、更に好
ましくは11〜19である。また、HLB値の低いノニ
オン乳化剤のHLB値は、10以下が好ましく、更に好
ましくは3〜9.5である。
【0012】本発明の耐汚染性付与組成物の必須成分で
ある上記ノニオン乳化剤の機能としては、オルガノシリ
ケート化合物(A)を水性塗料中に均一に分散させるこ
とにある。このことが、耐汚染性付与組成物が添加され
た水性塗料より形成された塗膜が高い光沢値と優れた耐
汚染性を示すことに繋がる。
【0013】上記ノニオン乳化剤の使用量は、オルガノ
シリケート化合物(A)100重量部に対し、5〜15
0部である。5重量部未満では、耐汚染性付与組成物が
水性塗料中に均一に分散せず、形成した塗膜の光沢値が
低下する。また、150重量部以上用いた場合、形成し
た塗膜の耐水性が悪化する。また、添加した水性塗料の
粘度が低下し、作業性が悪化する。ノニオン乳化剤の使
用量の更に好ましい使用量は、10〜90重量部であ
る。 (アルコキシシラン化合物の加水分解・縮合を促進する
化合物)本発明における(C)成分であるアルコキシシ
ラン化合物の加水分解・縮合を促進する化合物として、
有機錫化合物、リン酸エステル化合物単独またはリン酸
エステル/アミンの反応物、有機アルミニウム化合物、
有機チタン化合物などが挙げられる。塗膜の耐汚染性付
与の観点から、有機錫化合物、リン酸エステル/アミン
の反応物が特に好ましい。
【0014】有機錫化合物としては、ジブチル錫ジラウ
レート、ジブチル錫ジマレート、ジブチル錫ジオレイル
マレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジア
セテート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫チオ
グリコレート、オクチル酸錫などが挙げられる。
【0015】リン酸エステル化合物としては、プロピル
アシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2―エ
チルヘキシルアシッドホスフェート、ジ−2―エチルヘ
キシルホスフェート、モノイソデシルアシッドホスフェ
ート、ジイソデシルホスフェート、ラウリルアシッドホ
スフェート、ステアリルアシッドホスフェートなどが挙
げられる。これらのリン酸エステル化合物と反応させる
アミン化合物としては、トリエチルアミン、n−ブチル
アミン、ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ジア
ザビシクロウンデセンなどが挙げられる。
【0016】(C)成分はオルガノシリケート100重
量部に対し、1〜50重量部配合することが好ましい。
1重量部未満では、耐汚染性付与の効果が低く、50重
量部を超えると配合物の安定性が低下する、水性塗料に
添加した場合に(C)の存在量が多くなり、塗膜の耐候
性が低下する。更に好ましい(C)成分の配合量は、3
〜15重量部である。 (有機溶剤)本発明の耐汚染性付与組成物に必要に応じ
て有機溶剤(D)を配合することが可能である。配合可
能な有機溶剤としては、アルコール類、グリコール誘導
体、炭化水素類、エステル類、ケトン類、エーテル類な
どが挙げられる。これらの有機溶剤は1種単独で用いて
もよく、2種以上を併用しても良い。耐汚染性付与組成
物にこれらの有機溶剤を配合することにより、組成物の
均一性を向上させる効果がある。また、耐汚染性付与組
成物を水性塗料に添加した場合、その分散性を向上させ
る。
【0017】アルコールとしては、メタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル、オクタノールなど、グリコール誘導体としては、エ
チレングリコール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノ
メチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールメチルエーテルアセテートな
ど、炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ドデカンなど、エステル類としては、酢酸エチル、
酢酸ブチル、2,2,4−トリメチルペンタジオール−
1,3−モノイソブチレート(CS12)など、ケトン
類として、アセトン、メチルエチルケトンなど、エーテ
ル類として、エチルエーテル、ブチルエーテル、ジオキ
サン、THFなどが挙げられる。
【0018】これらの有機溶剤は1種単独でもよく、ま
た2種以上併用してもよい。これらの中でアルキル鎖が
6〜12程度のアルコール類がオルガノシリケートとア
ルキレンオキシ鎖含有ノニオン乳化剤の相溶性を向上さ
せるのに効果的である。
【0019】これらの有機溶剤は環境問題の観点から使
用しない方が好ましいが、配合する場合の添加量は、オ
ルガノシリケート100重量部に対し、5〜100重量
部程度である。 (耐汚染性付与組成物の作製方法)本発明の耐汚染性付
与組成物の作成方法としては、上記(A)〜(C)成
分、場合によっては(D)成分をを単純に混合・撹拌す
ることで得られる。ノニオン乳化剤である(B)成分の
中には、常温で固体のものが存在する。これらの乳化剤
は、比較的HLBの高いノニオン乳化剤に属する。この
場合、常温で液体であるHLBの低い乳化剤、(D)成
分である有機溶剤に予め溶解させておくことが望まし
い。また、他の方法としては、物性に影響を与えない程
度に加熱することでも対処可能である。それぞれの成分
を投入する順序は何れでもよいが、(B)成分と(A)
成分、場合によっては(D)成分の均一溶液を作製し、
(C)成分を添加することが好ましい。65℃以上の高
温にした場合や水分が混入した場合は、(A)成分の縮
合反応の進行・(A)成分と(B)成分のエステル交換
反応が起り、耐汚染性付与組成物自体が増粘・ゲル化す
る可能性もある。また、ゲル化しないまでも水性塗料に
添加し形成した塗膜の耐汚染性低下・光沢低下等の機能
低下する場合があり、注意が必要である。 (合成樹脂エマルジョン)本発明に使用可能な合成樹脂
エマルジョンとしては、アクリル樹脂エマルジョン、ウ
レタン樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン、
ポリエステル樹脂エマルジョン、アルキド樹脂エマルジ
ョン、メラミン樹脂エマルジョンなどが挙げられるが、
これらに限定されるわけではない。また、これらは単独
で使用しても2種以上を併用しても良い。これらの中で
コスト、樹脂設計の自由度の高さなどからアクリル樹脂
エマルジョンが有利である。
【0020】アクリル樹脂エマルジョンとしては、アク
リル系単量体、及びアクリル系単量体と共重合可能な単
量体とをラジカル共重合により得られるものが使用でき
る。
【0021】使用可能な上記単量体、としては、特に限
定はないが、具体例としては、メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチルアクリ
レート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチ
ルアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、
iso−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソ
デシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリ
デシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート、イソボニルメタクリレー
トなどの(メタ)アクリレート系単量体; スチレン、
α−メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒドロキシ
スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニ
ル単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリル
フタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;(メ
タ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル系単
量体;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ
基含有ビニル系単量体;2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒ
ドロキシスチレン、アロニクス5700(東亜合成化学
(株)製)、placcelFA−1、placcel
FA−4、placcelFM−1、placcelF
M−4(以上、ダイセル化学(株)製)、HE−10、
HE−20、HP−10、HP−20(以上日本触媒化
学(株)製)、ブレンマーPEPシリーズ、ブレンマー
NKH−5050、ブレンマーGLM(以上日本油脂
(株)製)、水酸基含有ビニル系変性ヒドロキシアルキ
ルビニル系モノマーなどの水酸基含有ビニル系単量体;
東亜合成化学(株)製のマクロモノマーであるAS−
6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化
合物、ビニルメチルエーテル、プロピレン、ブタジエン
等が挙げられる。
【0022】更に、エマルジョンの安定性を向上させる
ことが可能な親水性を有するビニル系単量体も使用可能
である。使用可能な親水性基を有するビニル系単量体と
しては、スチレンスルホン酸ナトリウム、2−スルホエ
チルメタクリレートナトリウム、2−スルホエチルメタ
クリレートアンモニウム、ポリオキシエチレン鎖を有す
るビニル系単量体及びポリプロピレン鎖を有するビニル
系単量体が挙げられる。ポリオキシエチレン鎖を有する
ビニル系単量体に限定はないが、ポリオキシエチレン鎖
を有するアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル
が好ましく、具体例としては、ブレンマーPE−90、
PE−200、PE−350、PME−100、PME
200、PME−400、AE−350(以上日本油脂
(株)製)、MA−30、MA−50、MA−100、
MA−150、RA−1120、RA−2614、RM
A−564、RMA−568、RMA−1114、MP
G130−MA(以上日本乳化剤(株)製)などが挙げ
られる。ポリオキシプロピレン鎖を有するビニル系単量
体に限定はないが、ブレンマーPP−1000、PP−
500、PP−800、AP−400(以上日本油脂
(株)製)、RS−30(三洋化成工業(株)製)など
が挙げられる。
【0023】ポリエチレングリコールジメタクリレー
ト、エチレングリコールジアクリレート、トリアリルシ
アヌレート、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベ
ンゼンなどの重合性の不飽和結合を2つ以上有する単量
体を使用することも可能である。この場合、生成した粒
子内部に架橋を有する構造となり、形成した塗膜の耐水
性が向上する。
【0024】また、ヘキサフルオロプロピレン、クロロ
トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオ
ロエチレン、テトラフルオロエチレン、ペンタフルオロ
プロピレン、トリフルオロ(メタ)アクリレート、ペン
タフルオロ(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロ
ヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロピルメタクリレート、β−(パーフルオ
ロオクチル)エチル(メタ)アクリレートなどのフッ素
含有ビニル系単量体を使用することにより高度な耐候性
能を有するフッ素含有アクリル系樹脂エマルジョンも作
製可能である。
【0025】また、上記単量体と加水分解性シリル基を
有する単量体を共重合することにより、加水分解性シリ
ル基を含有するアクリル樹脂エマルジョンが作製可能で
ある。
【0026】加水分解性シリル基を含有する単量体とし
ては、取扱いの容易さ、価格の点および反応副生成物が
生じない点から、アルコキシシリル基含有ビニル系モノ
マーが好ましい。アルコシキシシリル基含有ビニルモノ
マーの具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(2
−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリイソプロポキ
シシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロ
イルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)
アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ−n−プ
ロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメ
トキシシラン等が挙げられる。これらの加水分解性シリ
ル基含有ビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよい
し、また2種以上を併用しても良い。
【0027】水性塗料にした場合の貯蔵安定性の点から
γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシ
シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
−n−プロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピルトリイソプロポキシシランが特に好まし
い。
【0028】加水分解性シリル基含有単量体は、0.1
〜50重量部共重合されることが望ましい。0.1重量
部未満では耐水性、耐久性が低下し、50重量部を越え
るとエマルジョンが不安定となる。
【0029】上記のように得られたアルコキシシリル基
含有アクリル系エマルジョンは、本発明のアルコキシシ
ラン化合物の加水分解・縮合である(C)成分が混合さ
れた場合、架橋反応が進行し、耐水性・耐候性が良好な
塗膜となる。
【0030】本発明に使用できるアクリル樹脂エマルジ
ョンは、通常の方法を採用することで得ることができる
が、エマルジョンの粒子径および安定性を考慮すると乳
化重合法が好ましい。
【0031】前記乳化重合法には特に限定がなく、たと
えばバッチ重合法、モノマー滴下重合法、乳化モノマー
滴下重合法などの各種乳化重合法の中から適宜選択して
採用することができるが、本発明においては、特に製造
時のエマルジョンの安定性を確保する上で、モノマー滴
下重合法および乳化モノマー滴下重合法が好ましい。
【0032】乳化重合に際しては、通常用いられるイオ
ン性または非イオン性の界面活性剤を用いることができ
る。
【0033】イオン性界面活性剤としては、たとえばポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテルサルフェー
ト、ポリオキシエチレンアリルエーテルサルフェート、
オクチルフェノキシエトキシエチルスルホネート、ポリ
オキシエチレントリデシルエーテルサルフェートなどの
ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤;
ラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウム、イソオクチルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムなどのスルホン酸塩;イミダゾリンラウレー
ト、アンモニウムハイドロオキサイドなどのアンモニウ
ム塩などが代表例として挙げられるが、これらの中で
は、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性
剤が好ましい。
【0034】また、非イオン性界面活性剤としては、た
とえばポリエチレングリコールノニルフェニルエーテ
ル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチ
レン類;L−77、L−720、L−5410、L−7
602、L−7607(以上、ユニオンカーバイド社
製)などのシリコーンを含む非イオン系の界面活性剤な
どが代表例として挙げられる。
【0035】本発明においては、界面活性剤として1分
子中に重合性二重結合を有する反応性界面活性剤を用い
ることができる。また、特に分子内にポリオキシエチレ
ン基を有する反応性界面活性剤を用いた場合には、機械
的安定性を向上させることができる。
【0036】かかる反応性界面活性剤の具体例として
は、たとえばアデカリアソープNE−10、NE−2
0、NE−30、NE−40、SE−10N(以上、旭
電化工業(株)製)、Antox−MS−60(日本乳
化剤(株)製)、アクアロンRN−20、RN−30、
RN−50、HS−10、HS−20、HS−1025
(以上、第一工業製薬(株)製)などが挙げられる。
【0037】前記界面活性剤は、単独または2種以上を
混合して用いることができ、その使用量は、重合成分全
量100部に対して10部以下、好ましくは0.5〜8
部である。
【0038】重合開始剤としては、特に限定はないが、
重合をより安定に行なうために、重合開始剤としてレド
ックス系触媒を用いることが望ましい。また、重合中の
混合液の安定性を保持し、重合を安定に行なうために
は、温度は70℃以下、好ましくは40〜65℃であ
り、pHは5〜9に調整することが好ましい。
【0039】前記レドックス系触媒としては、たとえば
過硫酸カリウムまたは過硫酸アンモニウムと酸性亜硫酸
ナトリウムまたはロンガリットとの組み合わせ、過酸化
水素とアスコルビン酸との組み合わせ、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメ
ンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物と酸性亜
硫酸ナトリウム、ロンガリットなどとの組み合わせなど
が挙げられる。特に、有機過酸化物と還元剤との組み合
わせが好ましい。
【0040】前記重合開始剤の使用量は、重合成分全量
100部に対して0.01〜10部、好ましくは0.0
5〜5部である。かかる重合開始剤の使用量が0.01
部未満である場合には、重合が進行しにくくなることが
あり、10部を超える場合には、生成する重合体の分子
量が低下する傾向がある。
【0041】また、重合開始剤の触媒活性を安定的に付
与するために、硫酸鉄などの2価の鉄イオンを含む化合
物とエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムなどのキレー
ト化剤を用いてもよい。かかるキレート化剤の使用量
は、重合成分全量100部に対して0.0001〜1
部、好ましくは0.001〜0.5部である。
【0042】重合体の分子量を調節するために連鎖移動
剤の添加も可能である。連鎖移動剤としては公知のも
の、例えば、n−ドデシルメルカプタン、tert−ド
デシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチ
ルジエトキシシラン等のメルカプタン系化合物、クロロ
ホルム、四塩化炭素等の有機ハロゲン化物、スルフィド
ベンゼン、イソプロピルベンゼン、塩化第二鉄等が挙げ
られる。
【0043】アクリル樹脂エマルジョン中の樹脂固形分
濃度は、20〜70重量%が好ましく、さらに好ましく
は30〜60重量%となるように調整する。かかる樹脂
固形分濃度が70重量%を超える場合には、系の濃度が
著しく上昇するため、重合反応に伴なう発熱を除去する
ことが困難になったり、重合器からの取り出しに長時間
を要するようになる傾向がある。また、樹脂固形分濃度
が20重量%未満である場合には、重合操作の面では何
ら問題は生じないものの、1回の重合操作によって生じ
る樹脂量が少なく、経済面で不利となる。
【0044】なお、本発明に用いられるアクリル樹脂エ
マルジョンは、平均粒子径が0.02〜1.0μm程度
が好ましい。平均粒子径は、重合に用いる乳化剤量で調
整することが可能である。
【0045】本発明に使用できる合成樹脂エマルジョン
に、必要に応じて、通常塗料に用いられる顔料(二酸化
チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、カオリンなど
の白色顔料、カーボン、ベンガラ、シアニンブルーなど
の有色系顔料)が使用できる。二酸化チタンは顔料のな
かでも最も使用量が多く重要である。アルミナ、ジルコ
アにより表面処理された二酸化チタンを用いることによ
り光沢、耐候性が向上する。また、造膜剤、コロイダル
シリカ、可塑剤、溶剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐
剤、紫外線吸収剤などの通常の塗料用成分として使用さ
れる添加剤を配合することもできる。 (耐汚染性付与組成物の水性塗料への添加)本発明にお
ける耐汚染性付与組成物と水性塗料の混合方法として
は、直接、水性塗料に耐汚染性付与組成物を添加すれば
よい。予め、合成樹脂エマルジョンに耐汚染性付与組成
物を添加し、塗料配合剤を配合し、水性塗料とすること
が可能である。しかし、この場合、塗料を数ヶ月単位の
長期間・50℃以上の高温で貯蔵した場合に物性変化が
起こる可能性が示唆される。短期間且つ常温で保存する
程度であれば、優れた耐汚染性と高い光沢を保持でき
る。他の添加法として、予め作製しておいた水性塗料に
塗装直前に本発明の耐汚染性付与組成物を添加する方法
が挙げられる。この方法であれば、確実に優れた耐汚染
性と高い光沢を有する塗膜を形成させることが可能であ
る。また、上記両方の方法を併用することも可能であ
る。即ち、合成樹脂エマルジョンに耐汚染性付与組成物
を添加した組成物に配合剤を添加し作製した水性塗料に
塗装前に更に耐汚染性付与組成物を添加する方法であ
る。これらの何れの方法も本発明に属するものである。
【0046】水性塗料と耐汚染性付与組成物の混合比率
は、水性塗料中の樹脂固形分100重量部に対し、耐汚
染性付与組成物中のオルガノシリケート化合物(A)が
2〜40重量部が好ましい。(A)成分が2重量部未満
では、耐汚染性能が十分発揮できない。また、40重量
部を越えると水性塗料中の樹脂とオルガノシリケート化
合物との相溶性が低下することに起因する塗膜光沢の低
下が発生する。更に好ましいオルガノシリケート化合物
(A)の使用量は、5〜20重量部である。
【0047】本発明の耐汚染性が付与された水性塗料
は、例えば建築内装用、メタリックベースあるいはメタ
リックベース上のクリアーなどの自動車用、アルミニウ
ム、ステンレスなどの金属直塗用、スレート、コンクリ
ート、瓦、モルタル、石膏ボード、石綿スレート、アス
ベストボード、プレキャストコンクリート、軽量気泡コ
ンクリート、硅酸カルシウム板、タイル、レンガなどの
窯業系直塗用、ガラス用、天然大理石、御影石等の石材
用の塗料あるいは上面処理剤として用いられる。また、
直塗用だけでなく、水系あるいは溶剤系プライマー上、
アクリルゴム上、複層仕上げのトップコート、コンクリ
ート等の無機系基材に水系あるいは溶剤系浸透性吸水防
止材上の塗装にも用いられる。
【0048】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。 (耐汚染性付与組成物の製造方法:合成例1〜22)表
1、表2に示す成分を(B)、(D)、(A)、(C)
の順序で撹拌しながら、投入した。投入終了後、30分
撹拌し、合成例1〜22の耐汚染性付与組成物を得た。
常温で個体であるN−723、プルロニックF−88、
N−1120は加熱・融解させ用いた。合成例1〜22
に示す混合組成物は、何れも2層分離・ゲル化等は起こ
らず、透明な溶液となった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】 (ポリオキシエチレン鎖変性シリケート化合物の合成
例)エチルシリケート40(エチルシリケート部分加水
分解縮合物:シリカ残量比率40%)100重量部に平
均分子量150のポリオキシエチレングリコール100
重量部を混合し、70℃に昇温し1N塩酸水溶液を0.
1重量部添加し3時間攪拌した。その後、温度を室温へ
下げ水酸化ナトリウムでpH7付近へ中和し、さらに生
成したエタノールを減圧除去して、ポリオキシエチレン
基でエステル交換されたシリケート化合物を得た。同様
の操作を3回実施し、ポリオキシエチレン基でエステル
交換されたシリケート化合物、PEGSi1〜3を得
た。 (合成樹脂エマルジョンの製造例)撹拌機、還流冷却
器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器
に、脱イオン水33重量部、Newcol−707SF
(日本乳化剤(株)製:3%希釈)2.5重量部、酢酸
アンモニウム0.15重量部、ロンガリット0.05重
量部、t−ブチルハイドロパーオキサイド0.04重量
部を仕込み、窒素ガスを導入しつつ50℃に昇温した。
表3に示すモノマーの混合物のうち5重量部を滴下して
30分間初期重合を行った。上記モノマー混合物の残り
95重量部にアクアロンBC1025(第一工業製薬
(株)製:有効成分15%)10.25重量部、アクア
ロンRN30(第一工業製薬(株)製:20%水希釈
品)3.5重量部および脱イオン水42.5重量部を加
え乳化したモノマーを、3時間かけて等速追加した。同
時にロンガリット0.4重量部、t−ブチルハイドロパ
ーオキサイド0.3重量部をモノマー追加時に分割投入
した。この後、1時間後重合を行った。得られた合成樹
脂エマルジョンは25%アンモニア水でpH8に調整し
た。(E−1〜3)。
【表3】 (白エナメル塗料の作製方法)調整した合成樹脂エマル
ジョンE−1〜3を表4に示す顔料ペーストを用い、表
5の塗料化の配合方法に従い塗料化し、水性塗料を得た
(F−1〜3)。 (DTL乳化物の合成例)ジブチル錫ジラウレート(D
TL)10部、TD−10014(日本乳化剤(株)製
の乳化剤)4部、 TD−1006(日本乳化剤(株)
製の乳化剤)6部、プロピレングリコール10重量部を
配合、撹拌し、徐々に脱イオン水70重量部を添加する
ことによりDTL乳化物を得た。
【0051】
【表4】
【0052】
【表5】 (物性評価) ☆塗料の増粘 作製した水性塗料に本発明の耐汚染性付与組成物を添加
し、2時間後の増粘率を算出した。粘度はBM型粘度計
を用い、23℃の恒温で測定した。No.4ローターを
用い、6rpmの速度で測定を実施した。増粘率の評価
は基準を以下に示す。 ○:増粘率110%以下 △:増粘率200%以下 ×:ゲル化により測定不能 ☆光沢 作製した水性塗料に本発明の耐汚染性付与組成物を添加
し、60ミルのアプリケーターで塗装し、14日間室温
で養生した。養生後、入射角20°および60°の光沢
値を光沢計Multi-Gloss268(ミノルタ(株)製)で測
定した。光沢値は、3回測定した値の平均値を算出し
た。 ☆耐汚染性の評価 折り曲げ曝露板(アルミ板)にエポキシ系中塗り塗料を
塗装し、1日室温で養生後、各塗料をスプレー塗装し
た。この試験板の45度面および垂直面の雨筋および非
筋部の汚れを確認した。汚染性は、曝露初期のL*a*b
*表色系で表される明度を色彩色差計(ミノルタ(株)
製:CR300)で測定し、大阪府摂津市で北面向き屋
外曝露を3カ月実施した。曝露前後の明度差の絶対値
(ΔL値)を汚染性の尺度とした。ΔL値が小さい方が
汚れが少ないことを示す。
【0053】 ◎:ΔL値が2以下 ○:ΔL値が2〜5 △:ΔL値が5〜8 ×:ΔL値が8以上 ☆水接触角測定サンプル作製 アルミ平板上にエポキシ系中塗り塗料を塗装し、1日室
温で養生後、各塗料をスプレー塗装し、14日間室温で
養生した。 ☆塗膜の水接触角の測定 耐汚染性の指標となる塗膜の水接触角を接触角測定機
(協和界面科学(株)製:CA−S150型)を用い測
定した。評価は、上記作製サンプルを水に1日間浸漬後
と屋外曝露評価後に実施した。
【0054】表6、表7に作製した水性塗料に耐汚染性
付与剤を添加した場合の物性評価結果を示す。
【0055】
【表6】
【0056】
【表7】 (実施例1〜5)シリケートの種類を変化させたが、何
れも高い塗膜光沢・良好な耐汚染性を示した。シリケー
トの反応性が高くなると耐汚染性は良好になるが、耐汚
染性付与組成物の添加後の増粘率は上昇した。 (実施例2−1〜2−3)合成例2の操作を3回実施
し、同様の評価を実施した。耐汚染性のバラツキは見ら
れず、良好な耐汚染性を示した。 (実施例8〜11)ノニオン乳化剤量、有機溶剤の使
用、錫種の変更したサンプルを評価したが、何れも高い
光沢・良好な耐汚染性を示した。錫量を増量した実施例
11は若干の光沢値の低下は見られたが、良好な耐汚染
性を示した。 (実施例12、13)(C)成分としてリン酸系の触媒
を使用した場合でも、高い光沢と良好な耐汚染性を示し
た。 (実施例14)耐汚染性付与組成物を増量した場合、更
に良好な耐汚染性を示した。 (実施例15、16)使用する水性塗料として、アクリ
ルエマルジョン樹脂を使用したが、良好な耐汚染性を示
した。 (比較例1)アクリルシリコンエマルジョン塗料に耐汚
染性付与組成物の代わりに錫乳化物を添加したが、耐汚
染性は不良であった。 (比較例2)(C)成分を含まない組成物を水性塗料に
添加したが、耐汚染性が不良であった。 (比較例3)エチルシリケート単独を水性塗料に添加し
たが、エチルシリケートが若干分離した。そのまま、塗
装したが、大幅な光沢低下が発生した。 (比較例4−1〜4−3)ポリオキシエチレン鎖を有す
るシリケートを3回合成し、同様の試験を実施したが、
耐汚染性のバラツキが大きかった。耐汚染性の指標とな
る接触角もバラツキが見られた。
【0057】実施例、比較例の耐汚染性と測定した水接
触角に概ね相関性が見られ、50°以下の接触角を示す
サンプルは特に良好な耐汚染性を示した。
【0058】
【発明の効果】本発明の耐汚染性付与組成物は、低コス
ト・簡易な操作で製造できる。また、本発明の耐汚染性
付与組成物を水性塗料に添加することにより、高い光沢
と高度な耐汚染性を示す塗膜を形成する。また、形成し
た塗膜の耐汚染性のバラツキが少ないという効果があ
る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)オルガノシリケート化合物、
    (B)アルキレンオキシ鎖含有ノニオン系乳化剤、
    (C)アルコキシシラン化合物の加水分解・縮合を促進
    する化合物を含む塗料の耐汚染性付与組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分であるオルガノシリケートが
    一般式(1)で示される化合物またはその部分加水分解
    縮合物である請求項1記載の耐汚染性付与組成物。 【化1】 (式中、Rは同じかまたは異なり炭素数1〜4のアルキ
    ル基)
  3. 【請求項3】 (B)成分がHLB10以下のアルキレ
    ンオキシ鎖含有ノニオン系乳化剤とHLB10.5以上
    のアルキレンオキシ鎖含有ノニオン系乳化剤混合物であ
    ることを特徴とする請求項1記載の耐汚染性付与組成
    物。
  4. 【請求項4】 (C)成分が錫化合物であることを特徴
    とする請求項1記載の耐汚染性付与組成物。
  5. 【請求項5】 (C)成分がリン酸エステル単独または
    リン酸エステル/アミンの反応物であることを特徴とす
    る請求項1記載の耐汚染性付与組成物。
  6. 【請求項6】 有機溶剤(D)を含有することを特徴と
    する請求項1記載の耐汚染性付与組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6に記載された耐汚染性付与
    組成物とバインダー成分を含有する塗料組成物。
  8. 【請求項8】 前記バインダーが合成樹脂エマルジョン
    であることを特徴とする請求項7記載の塗料組成物。
  9. 【請求項9】 前記合成樹脂エマルジョンがアルコキシ
    シリル基含有エマルジョンであることを特徴とする請求
    項8記載の塗料組成物。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれか1つに記載の
    塗料組成物から得られる塗膜。
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