JP2003118718A - ブロー成形容器 - Google Patents
ブロー成形容器Info
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Abstract
ム滅菌が可能な程に耐ソルベントクラック性に優れた、
医薬品用や食品用として好適な容器を提供すること。 【解決手段】 脂環式構造含有重合体樹脂を以下の条件
でブロー成形する。ブロー成形条件:縦方向の延伸倍率
yが0.9以上1.4未満、該縦方向の延伸倍率yに対
する横方向の延伸倍率xの比(x/y)が1.2〜2と
なるようにする。
Description
関し、さらに詳しくは、医薬品容器又は食品容器等とし
て好適なブロー成形容器に関する。
製のものが使用されてきたが、軽量化、易廃棄性などの
観点からプラスチック製のものに置き換わりつつある。
そうした中で、熱可塑性ノルボルネン系樹脂製の容器
が、透明性、耐熱性、耐薬品性、低溶出性などに優れる
ために医薬品容器や食品容器などに好適であることが報
告されている。一方、ポリスチレンなどの芳香族ビニル
系重合体を芳香環部分まで水素添加して得られる脂環式
構造含有ポリマーも、同様に、透明性、耐熱性、耐薬品
性、低溶出性などに優れるため医薬品容器や食品容器な
どに好適である旨知られている。特開平11−1703
45号公報には、上記の芳香族ビニル系重合体の水素添
加物を、一定のブロー倍率でブロー成形することによ
り、落下衝撃時の強度や耐スチーム滅菌性を向上させて
医薬品容器などに使用できるものとした例が開示されて
いる。
マーの容器であっても、例えば乳幼児が繰り返し使用す
る哺乳瓶、食器類、点眼薬の容器などは油分等が付着す
る頻度が高いため、使用途中、すなわち容器に油分等が
付着した状態でスチーム滅菌等を行った場合にはソルベ
ントクラックなどによる白化が生じる場合があった。
が付着した状態でもスチーム滅菌が可能な程に耐ソルベ
ントクラック性に優れた、医薬品用や食品用として好適
な容器を提供することである。
を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性飽和ノルボル
ネン系樹脂を、縦方向の延伸倍率を一定範囲に設定し、
さらに前記縦方向の延伸倍率に対する横方向の延伸倍率
を一定範囲に設定して特別な延伸条件でブロー成形した
容器が、耐ソルベントクラック性に優れ、人が触れた後
でスチーム滅菌しても白化しないことを見出し、その知
見に基づいて本発明を完成するに到った。
造含有重合体樹脂をブロー成形して得られる、縦方向の
延伸倍率yが0.9以上1.4未満、該縦方向の延伸倍
率yに対する横方向の延伸倍率xの比(x/y)が1.
2〜2であるブロー成形容器、(2)胴体部及び首部を
有する前記のブロー成形容器、(3)首部に螺子溝を有
する前記のブロー成形容器が、及び(4)医薬品容器又
は食品容器である前記のブロー成形容器、哺乳瓶である
前記のブロー成形容器がそれぞれ提供される。
重合体樹脂をブロー成形して得られるものであり、縦方
向の延伸倍率yが0.9以上1.4未満であり、且つ、
該縦方向の延伸倍率yに対する横方向の延伸倍率xの比
(x/y)が1.2〜2であることを特徴とするもので
ある。
脂は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を含有する
ものであり、脂環式構造を主鎖及び側鎖のいずれに有し
ていてもよい。脂環式構造としては、シクロアルカン構
造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、熱安定性
等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構
造を構成する炭素原子数は、通常4〜30個、好ましく
は5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である
と、耐熱性及び透明性に優れた容器が得られる。脂環式
構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単
位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよい
が、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、
より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有
重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合
が過度に少ないと耐熱性が低下し好ましくない。なお、
脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り
返し単位以外の残部は、使用目的に応じて適宜選択され
る。
は、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オ
レフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素
化物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械
的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体水素化物、
ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物などが好
ましい。
ルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマ
ーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環
共重合体、これらの水素化物、ノルボルネン系モノマー
の付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合
可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げら
れる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点か
ら、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物が最
も好ましい。
ロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボ
ルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、
トリシクロ〔4.3.12,5.01,6〕−デカ−
3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びそ
の誘導体、テトラシクロ〔7.4.110,13.01
,9.02,7〕−トリデカ−2,4,6,11−テト
ラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラ
ヒドロフルオレンともいう:慣用名メタノテトラヒドロ
フルオレン)及びその誘導体、テトラシクロ〔4.4.
12,5.17, 10.0〕−ドデカ−3−エン(慣用
名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体、などが挙
げられる。置換基としては、アルキル基、アルキレン
基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などが例示で
き、上記ノルボルネン系モノマーは、これらを2種以上
有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニ
ル基−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.
0〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカ
ルボニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.1
7,10.0〕−ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であ
るいは2種以上を組み合わせて用いられる。
体、またはノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合
可能なその他のモノマーとの開環共重合体は、モノマー
成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得るこ
とができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウ
ム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩ま
たはアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触
媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、
モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルア
セトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触
媒を用いることができる。ノルボルネン系モノマーと開
環共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、シ
クロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの
単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができ
る。
化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケ
ル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒
を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することによ
り得ることができる。
たはノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその
他のモノマーとの付加(共)重合体は、これらのモノマ
ーを、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニ
ウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物と
からなる触媒を用いて(共)重合させて得ることができ
る。
の他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
センなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれ
らの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘ
キセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラ
ヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロ
オレフィン、及びこれらの誘導体;1、4−ヘキサジエ
ン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非
共役ジエン;などが用いられる。これらの中でも、α−
オレフィン、特にエチレンが好ましい。
合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるい
は2種以上を組み合わせて使用することができる。ノル
ボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノ
マーとを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノル
ボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその
他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で通常
30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:
3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となる
ように適宜選択される。
ロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単
環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いること
ができる。
タジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系
単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及
びその水素化物などを用いることができる。
体、単環の環状オレフィン系重合体又は環状共役ジエン
系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択される
が、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合
はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマト
グラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレ
ン換算の重量平均分子量で、通常5,000〜500,
000、好ましくは8,000〜200,000、より
好ましくは10,000〜100,000の範囲である
ときに、容器の機械的強度、及び成形加工性とが高度に
バランスされて好適である。
シクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂
環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチ
レン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体
の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビ
ニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、
これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム
共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水
素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体として
は、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマル
チブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特
に制限はない。
重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択される
が、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合
はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマト
グラフ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン
換算の重量平均分子量で、通常10,000〜300,
000、好ましくは15,000〜250,000、よ
り好ましくは20,000〜200,000の範囲であ
るときに、容器の機械的強度及び成形加工性とが高度に
バランスされて好適である。
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適
宜選択されればよいが、通常、80℃以上、好ましくは
100℃〜250℃、より好ましくは120℃〜200
℃の範囲である。この範囲において、耐熱性と成形加工
性とが高度にバランスされ好適である。
重合体樹脂には、必要に応じて各種配合剤を配合するこ
とができる。配合剤としては、例えば、酸化防止剤、熱
安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外
線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染
料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これ
らの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて
用いることができ、その配合量は本発明の目的を損ねな
い範囲で適宜選択される。酸化防止剤としては、たとえ
ばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ
系酸化防止剤等が挙げられ、これらの中でもフェノール
系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止
剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することによ
り、透明性等を低下させることなく、成形時の酸化劣化
等による容器の着色や強度低下を防止できる。これらの
酸化防止剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるい
は2種以上を組み合わせて用いることもできる。酸化防
止剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜
選択されるが、脂環式構造含有重合体樹脂100重量部
に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.0
1〜1重量部である。また、本発明に使用するの脂環式
構造含有重合体樹脂には、他の種類の重合体(ゴムや樹
脂)を混合して、重合体組成物として成形材料に供する
こともできる。
ンなどのオレフィン系重合体;ポリイソブチレン、イソ
ブチレン・イソプレンゴムなどのイソブチレン系重合
体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・ス
チレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダ
ム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブ
タジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブ
タジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・
スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・
スチレン・ブロック共重合体などのジエン系重合体;ポ
リブチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリ
レートなどのアクリル系重合体;ポリビニルアルコー
ル、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体な
どのビニル化合物の重合体;ポリエチレンオキシド、ポ
リプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどの
エポキシ系重合体;フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化
エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素系重合体;など
が挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有し
たものであってもよく、また、変性反応により官能基を
導入したものでもよい。上記重合体の中でもジエン系重
合体が好ましく、特に該重合体の炭素−炭素不飽和結合
を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械強度、柔軟
性、分散性の点で優れる。
重合体樹脂をブロー成形して容器を得ることができる。
ブロー成形法には、インジェクションブロー成形法を用
いる。インジェクションブロー成形は、(1)射出成形
により、開口部を有する中空体であるプリフォームを成
形した後、(2)前記プリフォームをブロー金型内に挿
入し、加熱溶融させながら開口部より内部にエアーを吹
き込んでブロー成形を行う。上記方法において、プリフ
ォームは、通常、断面の直径が一定の円柱状のものを用
いるのが好ましい。本発明において、縦方向の延伸倍率
(y)とは、プリフォーム首下(延伸される部分)の長
さに対する容器の首下(延伸された部分)の長さの比率
であり、横方向の延伸倍率(x)とは、プリフォームの
横方向の最大径に対する、容器の横方向の最大径の比率
である。尚、最大径とは、プリフォーム及び容器の断面
が円形である場合には最大の直径であり、断面が多角形
又は楕円形である場合には、最大の相当直径である。本
発明のブロー成形容器は、縦方向の延伸倍率yが、好ま
しくは0.9以上1.35以下、最も好ましくは1以上
1.35以下であり、縦方向の延伸倍率yに対する横方
向の延伸倍率xの比(x/y)が、好ましくは1.25
以上1.9以下、最も好ましくは1.3以上1.8以下
である。縦方向の延伸倍率y及び、縦横延伸倍率比(x
/y)が上記範囲にあると、容器は耐ソルベントクラッ
ク性に優れる。プリフォーム成形時の成形条件は、シリ
ンダー温度が、通常、150〜400℃、好ましくは2
00〜350℃、より好ましくは230〜330℃の範
囲である。シリンダー温度が過度に低いと流動性が悪化
し、得られる容器にひずみを生じ、シリンダー温度が過
度に高いと樹脂の熱分解等により容器が着色するおそれ
がある。プリフォームの直径及び中空部分の内径、プリ
フォームの長さは目的とする容器の大きさにより適宜選
択することができる。ブロー成形時の成形条件は、用い
る脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度をTgと
した場合に、ブロー金型温度が、通常、(Tg−55
℃)〜(Tg−10℃、好ましくは(Tg−45℃)〜
(Tg−12℃)である。プリフォーム成形条件及びブ
ロー成形条件が上記範囲にあると、容器の耐ソルベント
クラック性が向上する。
が、通常、0.5〜3mm、好ましくは0.7〜2mm
である。容器の形状としては、円柱状、角柱状、球状等
が挙げられるが、衝撃強度等の観点から円柱状、角柱状
が好ましい。容器は、開口部から底部にかけての裾広が
り形状であっても、高さ方向の中央部が膨らんだ形状な
どであってもよい。また容器の底部の形状については特
に制限されず、平面状であっても内側に向かって窪みの
ある形状であってもよい。本発明の容器は、医薬品や食
品等を密閉保存できるように、また、医薬品や食品等を
密閉保存した状態でスチーム滅菌等の処理ができるよう
に、蓋を取り付けることができる首部及び胴体部を有す
る形状であるのが好ましい。首部は、蓋が取り付けら
れ、かつ密閉できるように、螺子溝、蓋と嵌合可能な凹
凸部等を有しているものが好ましい。
の薬品容器、特に薬品等を充填した後に滅菌して使用す
る薬品容器として適当である。具体的には無菌状態が高
度に保持されることを要求される無菌精剤用の容器や、
造影剤などの検査診断薬用の容器などに適当である。そ
の他、点滴用容器や輸液キット用容器;点眼薬容器;純
水用容器;血液分析用のサンプリング用試験管;採血
管;検体容器;紫外線検査セルなどの分析容器;メスや
カン子、ガーゼ、コンタクトレンズなどの医療器具の滅
菌容器;ディスポーザブルシリンジやプレフィルドシリ
ンジなどの医療用具;ビーカー、バイアル、アンプル、
試験管、フラスコなどの実験器具;人工臓器のハウジン
グ;などに好適に使用できる。また、本発明のブロー成
形容器は、食料品保存容器、清涼飲料水などのボトルと
しても好適であるが、特に、食器、哺乳瓶、マグカップ
などのように皮脂や唾液等からの油分が付着しやすい食
品容器としても好適であり、哺乳瓶として最も好適であ
る。
比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明の範
囲はこれらの例に限定されるものではない。これらの例
において、[部]は、特に断りのない限り、重量基準で
ある。また、各種物性の測定法は、次の通りである。
査熱量計(DSC法)により測定した。 (2)分子量は、特に記載しない限り、シクロヘキサン
を溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)で測定されるポリイソプレン換算値として測
定した。 (3)耐ソルベントクラック性の評価は以下の方法によ
り評価した。後述する方法で得られたブロー成形容器1
0本の胴体部の表面全面に、市販のサラダ油を塗布した
後、オートクレーブに入れて121℃にて20分間スチ
ーム処理を行う。サンプルの容器を取り出して、目視観
察で確認できる程度の白化が観察されたものの本数を評
価した。
ロヘキサン500部に、1−ヘキセン0.82部、ジブ
チルエーテル0.15部、トリイソブチルアルミニウム
0.30部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に
保ちながら、トリシクロ[4.3.0.1 2,5]デカ
−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、DC
Pと略記)80部、1,4−メタノ−1,4,4a,9
a−テトラヒドロフルオレン(以下、MTFと略記)5
0部、及びテトラシクロ[4.4.0.12,5.1
7,1 0]−ドデカ−3−エン(以下、TCDと略記)
70部からなるノルボルネン系モノマー混合物と、六塩
化タングステン(0.7%トルエン溶液)40部とを、
2時間かけて連続的に添加し重合した。重合溶液にブチ
ルグリシジルエーテル1.06部とイソプロピルアルコ
ール0.52部を加えて重合触媒を不活性化し重合反応
を停止させた。重合体中の各ノルボルネン系モノマーの
共重合比率を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組
成(ガスクロマトグラフィー法による)から計算したと
ころ、DCP/MTF/TCD=40/25/35でほ
ぼ仕込組成に等しかった。
応溶液100部に対して、シクロヘキサン270部を加
え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒
(日揮化学社製)5部を加え、水素により5MPaに加
圧して撹拌しながら温度200℃まで加温して4時間反
応させ、DCP/MTF/TCD開環重合体水素化ポリ
マーを20%含有する反応溶液を得た。得られた反応溶
液から濾過により水素化触媒を除去した後、軟質重合体
(クラレ社製;セプトン2002)、及び酸化防止剤
(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製;イルガノック
ス1010)を、添加して溶解させた(いずれも重合体
100部あたり0.1部)。次いで、溶液から、溶媒で
あるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を、円筒型濃
縮乾燥器(日立製作所製)を用いて除去し、そして水素
化重合体を押出機からストランド状に押出し、冷却後ペ
レット化して回収した。この開環重合体水素添加物の、
重量平均分子量(Mw)は35,000、水素添加率は
99.9%、Tgは134℃であった。
を、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時
間乾燥した後、青木固研究所製SBIII250を用い
て、シリンダー温度280℃、ホットランナー280
℃、プリフォーム金型温度120℃の条件で、高さ95
mm、断面の直径15mm、容量120mlのプリフォ
ームを成形した。前記プリフォームは、開口部から15
mmに渡り首部を有し、首部には螺子溝が形成されてい
る。次いで、上記プリフォームに対し、縦方向(高さ方
向)の延伸倍率yが1、横方向(直径方向)の延伸倍率
xが1.2(横延伸倍率/縦延伸倍率=x/y=1.
2)となるようなブロー金型を用い、ブロー型温度11
0℃の条件で、上記プリフォーム内にエアーを吹き込み
ながらブロー成形を行い、開口部を有する首部と、胴体
部とを有する容器を得た。上記容器を用い、前述の耐ソ
ルベントクラック試験を行って評価した結果、白化の確
認されたものは、多くても10本中1本であった。評価
結果を表1に示す。
横延伸倍率xを変えて評価した。評価結果を表1に示
す。
び横延伸倍率xを変えて評価した。評価結果を表1に示
す。
及び該縦方向の延伸倍率yに対する横方向の延伸倍率の
比(x/y)が本発明の範囲となるブロー成形容器は、
サラダ油塗布後のスチーム処理において殆ど白化しない
のに対し(実施例1〜6)、縦方向と横方向の延伸倍率
比(x/y)が本発明の範囲を外れるもの(比較例1、
2、4)及び縦方向の延伸倍率yが本発明の範囲を外れ
るもの(比較例3)は、5本以上のサンプルが白化し
た。
でも、スチーム雰囲気下において白化が生じない程に、
耐ソルベントクラック性に優れた、医薬品用や食品用に
好適なブロー成形容器が提供される。
Claims (5)
- 【請求項1】 脂環式構造含有重合体樹脂をブロー成形
して得られる、縦方向の延伸倍率yが0.9以上1.4
未満、横方向の該縦方向の延伸倍率yに対する横方向の
延伸倍率xの比(x/y)が1.2〜2であるブロー成
形容器。 - 【請求項2】 胴体部及び首部を有する請求項1記載の
ブロー成形容器。 - 【請求項3】 首部に螺子溝を有する請求項2記載のブ
ロー成形容器。 - 【請求項4】 医薬品容器又は食品容器である請求項1
乃至3記載のブロー成形容器。 - 【請求項5】 哺乳瓶である請求項1乃至3記載のブロ
ー成形容器。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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