JP3951660B2 - ブロー成形容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブロー成形容器に関し、さらに詳しくは、医薬品容器又は食品容器等として好適なブロー成形容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
医薬品容器や食品容器などは従来ガラス製のものが使用されてきたが、軽量化、易廃棄性などの観点からプラスチック製のものに置き換わりつつある。そうした中で、熱可塑性ノルボルネン系樹脂製の容器が、透明性、耐熱性、耐薬品性、低溶出性などに優れるために医薬品容器や食品容器などに好適であることが報告されている。
一方、ポリスチレンなどの芳香族ビニル系重合体を芳香環部分まで水素添加して得られる脂環式構造含有ポリマーも、同様に、透明性、耐熱性、耐薬品性、低溶出性などに優れるため医薬品容器や食品容器などに好適である旨知られている。
特開平11−170345号公報には、上記の芳香族ビニル系重合体の水素添加物を、一定のブロー倍率でブロー成形することにより、落下衝撃時の強度や耐スチーム滅菌性を向上させて医薬品容器などに使用できるものとした例が開示されている。
【0003】
しかし、上記のような脂環式構造含有ポリマーの容器であっても、例えば乳幼児が繰り返し使用する哺乳瓶、食器類、点眼薬の容器などは油分等が付着する頻度が高いため、使用途中、すなわち容器に油分等が付着した状態でスチーム滅菌等を行った場合にはソルベントクラックなどによる白化が生じる場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、油分が付着した状態でもスチーム滅菌が可能な程に耐ソルベントクラック性に優れた、医薬品用や食品用として好適な容器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を、縦方向の延伸倍率を一定範囲に設定し、さらに前記縦方向の延伸倍率に対する横方向の延伸倍率を一定範囲に設定して特別な延伸条件でブロー成形した容器が、耐ソルベントクラック性に優れ、人が触れた後でスチーム滅菌しても白化しないことを見出し、その知見に基づいて本発明を完成するに到った。
【0006】
かくして本発明によれば、
(1)脂環式構造含有重合体樹脂をブロー成形して得られる、縦方向の延伸倍率yが0.9以上1.4未満、該縦方向の延伸倍率yに対する横方向の延伸倍率xの比(x/y)が1.2〜2であるブロー成形容器、
(2)胴体部及び首部を有する前記のブロー成形容器、
(3)首部に螺子溝を有する前記のブロー成形容器が、及び
(4)医薬品容器又は食品容器である前記のブロー成形容器、哺乳瓶である前記のブロー成形容器がそれぞれ提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の容器は、脂環式構造含有重合体樹脂をブロー成形して得られるものであり、縦方向の延伸倍率yが0.9以上1.4未満であり、且つ、該縦方向の延伸倍率yに対する横方向の延伸倍率xの比(x/y)が1.2〜2であることを特徴とするものである。
【0008】
本発明に使用する脂環式構造含有重合体樹脂は、重合体の繰り返し単位中に脂環式構造を含有するものであり、脂環式構造を主鎖及び側鎖のいずれに有していてもよい。脂環式構造としては、シクロアルカン構造、シクロアルケン構造などが挙げられるが、熱安定性等の観点からシクロアルカン構造が好ましい。脂環式構造を構成する炭素原子数は、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲であると、耐熱性及び透明性に優れた容器が得られる。
脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱性が低下し好ましくない。なお、脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、使用目的に応じて適宜選択される。
【0009】
脂環式構造含有重合体樹脂の具体例としては、(1)ノルボルネン系重合体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合体、及びこれらの水素化物などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系重合体水素化物、ビニル脂環式炭化水素重合体及びその水素化物などが好ましい。
【0010】
(1)ノルボルネン系重合体
本発明に用いるノルボルネン系重合体としては、ノルボルネン系モノマーの開環重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体、これらの水素化物、ノルボルネン系モノマーの付加重合体、ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加共重合体などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度等の観点から、ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物が最も好ましい。
【0011】
ノルボルネン系モノマーとしては、ビシクロ〔2.2.1〕−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)及びその誘導体(環に置換基を有するもの)、トリシクロ〔4.3.12,5.01,6〕−デカ−3,7−ジエン(慣用名ジシクロペンタジエン)及びその誘導体、テトラシクロ〔7.4.110,13.01,9.02,7〕−トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンともいう:慣用名メタノテトラヒドロフルオレン)及びその誘導体、テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)及びその誘導体、などが挙げられる。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基などが例示でき、上記ノルボルネン系モノマーは、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル基−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ〔4.4.12,5.17,10.0〕−ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系モノマーは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0012】
これらノルボルネン系モノマーの開環重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと開環共重合可能なその他のモノマーとの開環共重合体は、モノマー成分を、公知の開環重合触媒の存在下で重合して得ることができる。開環重合触媒としては、例えば、ルテニウム、オスミウムなどの金属のハロゲン化物と、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物、及び還元剤とからなる触媒、あるいは、チタン、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いることができる。
ノルボルネン系モノマーと開環共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体などを挙げることができる。
【0013】
ノルボルネン系モノマーの開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
【0014】
ノルボルネン系モノマーの付加重合体、またはノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとの付加(共)重合体は、これらのモノマーを、公知の付加重合触媒、例えば、チタン、ジルコニウム又はバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒を用いて(共)重合させて得ることができる。
【0015】
ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、及びこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエン;などが用いられる。これらの中でも、α−オレフィン、特にエチレンが好ましい。
【0016】
これらの、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマーとこれと共重合可能なその他のモノマーとを付加共重合する場合は、付加共重合体中のノルボルネン系モノマー由来の構造単位と共重合可能なその他のモノマー由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
【0017】
(2)単環の環状オレフィン系重合体
単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることができる。
【0018】
(3)環状共役ジエン系重合体
環状共役ジエン系重合体としては、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,4−付加重合した重合体及びその水素化物などを用いることができる。
【0019】
本発明で使用されるノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体又は環状共役ジエン系重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーで測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常5,000〜500,000、好ましくは8,000〜200,000、より好ましくは10,000〜100,000の範囲であるときに、容器の機械的強度、及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
【0020】
(4)ビニル脂環式炭化水素重合体
ビニル脂環式炭化水素重合体としては、例えば、ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体及びその水素化物;スチレン、α−メチルスチレンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分の水素化物;などが挙げられ、ビニル脂環式炭化水素重合体やビニル芳香族系単量体と、これらの単量体と共重合可能な他の単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体などの共重合体及びその水素化物など、いずれでもよい。ブロック共重合体としては、ジブロック、トリブロック、またはそれ以上のマルチブロックや傾斜ブロック共重合体などが挙げられ、特に制限はない。
【0021】
本発明で使用されるビニル脂環式炭化水素重合体の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はトルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、通常10,000〜300,000、好ましくは15,000〜250,000、より好ましくは20,000〜200,000の範囲であるときに、容器の機械的強度及び成形加工性とが高度にバランスされて好適である。
【0022】
本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常、80℃以上、好ましくは100℃〜250℃、より好ましくは120℃〜200℃の範囲である。この範囲において、耐熱性と成形加工性とが高度にバランスされ好適である。
【0023】
なお、本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂には、必要に応じて各種配合剤を配合することができる。配合剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の安定剤;滑剤、可塑剤等の樹脂改質剤;染料や顔料等の着色剤;帯電防止剤等が挙げられる。これらの配合剤は、単独で、あるいは2種以上を組み合せて用いることができ、その配合量は本発明の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
酸化防止剤としては、たとえばフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられ、これらの中でもフェノール系酸化防止剤、特にアルキル置換フェノール系酸化防止剤が好ましい。これらの酸化防止剤を配合することにより、透明性等を低下させることなく、成形時の酸化劣化等による容器の着色や強度低下を防止できる。
これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは2種以上を組み合わせて用いることもできる。酸化防止剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜選択されるが、脂環式構造含有重合体樹脂100重量部に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
また、本発明に使用するの脂環式構造含有重合体樹脂には、他の種類の重合体(ゴムや樹脂)を混合して、重合体組成物として成形材料に供することもできる。
【0024】
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴムなどのイソブチレン系重合体;ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などのジエン系重合体;ポリブチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートなどのアクリル系重合体;ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などのビニル化合物の重合体;ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系重合体;フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素系重合体;などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性反応により官能基を導入したものでもよい。上記重合体の中でもジエン系重合体が好ましく、特に該重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化した水素化物が、ゴム弾性、機械強度、柔軟性、分散性の点で優れる。
【0025】
本発明においては、上記の脂環式構造含有重合体樹脂をブロー成形して容器を得ることができる。
ブロー成形法には、インジェクションブロー成形法を用いる。インジェクションブロー成形は、(1)射出成形により、開口部を有する中空体であるプリフォームを成形した後、(2)前記プリフォームをブロー金型内に挿入し、加熱溶融させながら開口部より内部にエアーを吹き込んでブロー成形を行う。
上記方法において、プリフォームは、通常、断面の直径が一定の円柱状のものを用いるのが好ましい。
本発明において、縦方向の延伸倍率(y)とは、プリフォーム首下(延伸される部分)の長さに対する容器の首下(延伸された部分)の長さの比率であり、横方向の延伸倍率(x)とは、プリフォームの横方向の最大径に対する、容器の横方向の最大径の比率である。尚、最大径とは、プリフォーム及び容器の断面が円形である場合には最大の直径であり、断面が多角形又は楕円形である場合には、最大の相当直径である。
本発明のブロー成形容器は、縦方向の延伸倍率yが、好ましくは0.9以上1.35以下、最も好ましくは1以上1.35以下であり、縦方向の延伸倍率yに対する横方向の延伸倍率xの比(x/y)が、好ましくは1.25以上1.9以下、最も好ましくは1.3以上1.8以下である。縦方向の延伸倍率y及び、縦横延伸倍率比(x/y)が上記範囲にあると、容器は耐ソルベントクラック性に優れる。
プリフォーム成形時の成形条件は、シリンダー温度が、通常、150〜400℃、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃の範囲である。シリンダー温度が過度に低いと流動性が悪化し、得られる容器にひずみを生じ、シリンダー温度が過度に高いと樹脂の熱分解等により容器が着色するおそれがある。
プリフォームの直径及び中空部分の内径、プリフォームの長さは目的とする容器の大きさにより適宜選択することができる。
ブロー成形時の成形条件は、用いる脂環式構造含有重合体樹脂のガラス転移温度をTgとした場合に、ブロー金型温度が、通常、(Tg−55℃)〜(Tg−10℃、好ましくは(Tg−45℃)〜(Tg−12℃)である。
プリフォーム成形条件及びブロー成形条件が上記範囲にあると、容器の耐ソルベントクラック性が向上する。
【0026】
上記方法で得られた本発明の容器は、厚みが、通常、0.5〜3mm、好ましくは0.7〜2mmである。
容器の形状としては、円柱状、角柱状、球状等が挙げられるが、衝撃強度等の観点から円柱状、角柱状が好ましい。容器は、開口部から底部にかけての裾広がり形状であっても、高さ方向の中央部が膨らんだ形状などであってもよい。また容器の底部の形状については特に制限されず、平面状であっても内側に向かって窪みのある形状であってもよい。
本発明の容器は、医薬品や食品等を密閉保存できるように、また、医薬品や食品等を密閉保存した状態でスチーム滅菌等の処理ができるように、蓋を取り付けることができる首部及び胴体部を有する形状であるのが好ましい。首部は、蓋が取り付けられ、かつ密閉できるように、螺子溝、蓋と嵌合可能な凹凸部等を有しているものが好ましい。
【0027】
本発明のブロー成形容器は、液体、粉体状の薬品容器、特に薬品等を充填した後に滅菌して使用する薬品容器として適当である。具体的には無菌状態が高度に保持されることを要求される無菌精剤用の容器や、造影剤などの検査診断薬用の容器などに適当である。その他、点滴用容器や輸液キット用容器;点眼薬容器;純水用容器;血液分析用のサンプリング用試験管;採血管;検体容器;紫外線検査セルなどの分析容器;メスやカン子、ガーゼ、コンタクトレンズなどの医療器具の滅菌容器;ディスポーザブルシリンジやプレフィルドシリンジなどの医療用具;ビーカー、バイアル、アンプル、試験管、フラスコなどの実験器具;人工臓器のハウジング;などに好適に使用できる。
また、本発明のブロー成形容器は、食料品保存容器、清涼飲料水などのボトルとしても好適であるが、特に、食器、哺乳瓶、マグカップなどのように皮脂や唾液等からの油分が付着しやすい食品容器としても好適であり、哺乳瓶として最も好適である。
【0028】
【実施例】
以下、本発明について、製造例、実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの例に限定されるものではない。
これらの例において、[部]は、特に断りのない限り、重量基準である。また、各種物性の測定法は、次の通りである。
【0029】
(1)ガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC法)により測定した。
(2)分子量は、特に記載しない限り、シクロヘキサンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリイソプレン換算値として測定した。
(3)耐ソルベントクラック性の評価は以下の方法により評価した。
後述する方法で得られたブロー成形容器10本の胴体部の表面全面に、市販のサラダ油を塗布した後、オートクレーブに入れて121℃にて20分間スチーム処理を行う。サンプルの容器を取り出して、目視観察で確認できる程度の白化が観察されたものの本数を評価した。
【0030】
〔製造例1〕
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500部に、1−ヘキセン0.82部、ジブチルエーテル0.15部、トリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(ジシクロペンタジエン、以下、DCPと略記)80部、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン(以下、MTFと略記)50部、及びテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(以下、TCDと略記)70部からなるノルボルネン系モノマー混合物と、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)40部とを、2時間かけて連続的に添加し重合した。重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06部とイソプロピルアルコール0.52部を加えて重合触媒を不活性化し重合反応を停止させた。重合体中の各ノルボルネン系モノマーの共重合比率を、重合後の溶液中の残留ノルボルネン類組成(ガスクロマトグラフィー法による)から計算したところ、DCP/MTF/TCD=40/25/35でほぼ仕込組成に等しかった。
【0031】
次いで、得られた開環重合体を含有する反応溶液100部に対して、シクロヘキサン270部を加え、さらに水素化触媒としてニッケル−アルミナ触媒(日揮化学社製)5部を加え、水素により5MPaに加圧して撹拌しながら温度200℃まで加温して4時間反応させ、DCP/MTF/TCD開環重合体水素化ポリマーを20%含有する反応溶液を得た。得られた反応溶液から濾過により水素化触媒を除去した後、軟質重合体(クラレ社製;セプトン2002)、及び酸化防止剤(チバスペシャリティ・ケミカルズ社製;イルガノックス1010)を、添加して溶解させた(いずれも重合体100部あたり0.1部)。次いで、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を、円筒型濃縮乾燥器(日立製作所製)を用いて除去し、そして水素化重合体を押出機からストランド状に押出し、冷却後ペレット化して回収した。
この開環重合体水素添加物の、重量平均分子量(Mw)は35,000、水素添加率は99.9%、Tgは134℃であった。
【0032】
〔実施例1〕
製造例1で得られたペレットを、空気を流通させた熱風乾燥器を用いて70℃で2時間乾燥した後、青木固研究所製SBIII250を用いて、シリンダー温度280℃、ホットランナー280℃、プリフォーム金型温度120℃の条件で、高さ95mm、断面の直径15mm、容量120mlのプリフォームを成形した。前記プリフォームは、開口部から15mmに渡り首部を有し、首部には螺子溝が形成されている。
次いで、上記プリフォームに対し、縦方向(高さ方向)の延伸倍率yが1、横方向(直径方向)の延伸倍率xが1.2(横延伸倍率/縦延伸倍率=x/y=1.2)となるようなブロー金型を用い、ブロー型温度110℃の条件で、上記プリフォーム内にエアーを吹き込みながらブロー成形を行い、開口部を有する首部と、胴体部とを有する容器を得た。
上記容器を用い、前述の耐ソルベントクラック試験を行って評価した結果、白化の確認されたものは、多くても10本中1本であった。評価結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003951660
【0034】
〔実施例2〜5〕
以降、縦延伸倍率y及び横延伸倍率xを変えて評価した。評価結果を表1に示す。
【0035】
〔比較例1〜4〕
同様に、縦延伸倍率y及び横延伸倍率xを変えて評価した。評価結果を表1に示す。
【0036】
以上、表1によれば、縦方向の延伸倍率x及び該縦方向の延伸倍率yに対する横方向の延伸倍率の比(x/y)が本発明の範囲となるブロー成形容器は、サラダ油塗布後のスチーム処理において殆ど白化しないのに対し(実施例1〜6)、縦方向と横方向の延伸倍率比(x/y)が本発明の範囲を外れるもの(比較例1、2、4)及び縦方向の延伸倍率yが本発明の範囲を外れるもの(比較例3)は、5本以上のサンプルが白化した。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、油などが付着した状態でも、スチーム雰囲気下において白化が生じない程に、耐ソルベントクラック性に優れた、医薬品用や食品用に好適なブロー成形容器が提供される。

Claims (6)

  1. ノルボルネン系重合体水素化物をブロー成形して得られる、縦方向の延伸倍率yが0.9以上1.4未満、横方向の該縦方向の延伸倍率yに対する横方向の延伸倍率xの比(x/y)が1.2〜2であるブロー成形容器。
  2. 前記ノルボルネン系重合体水素化物のガラス転移温度をTgとした場合に、ブロー成形時におけるブロー金型温度が、(Tg−55℃)〜(Tg−10℃)である請求項1記載のブロー成形容器。
  3. 胴体部及び首部を有する請求項1または2記載のブロー成形容器。
  4. 首部に螺子溝を有する請求項記載のブロー成形容器。
  5. 医薬品容器又は食品容器である請求項1乃至4のいずれかに記載のブロー成形容器。
  6. 哺乳瓶である請求項1乃至4のいずれかに記載のブロー成形容器。
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