JP2003118659A - 弾性クローラ - Google Patents

弾性クローラ

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JP2003118659A
JP2003118659A JP2001311913A JP2001311913A JP2003118659A JP 2003118659 A JP2003118659 A JP 2003118659A JP 2001311913 A JP2001311913 A JP 2001311913A JP 2001311913 A JP2001311913 A JP 2001311913A JP 2003118659 A JP2003118659 A JP 2003118659A
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longitudinal direction
belt
width
elastic crawler
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Application number
JP2001311913A
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English (en)
Inventor
Tomohisa Yoshida
知久 吉田
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Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Original Assignee
Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 走行中に発生する振動を低減する弾性クロー
ラを提供する。 【解決手段】 弾性材料によって無端帯状に形成された
帯本体7の外面に帯長手方向に間隔をおいて隆起形成さ
れて踏み込み面19aと反踏み込み面19bを有する牽
引用のラグ8と、帯本体7の内部に帯長手方向に間隔を
おいて埋設された芯金11とを備えた弾性クローラ6に
おいて、ラグ8が帯長手方向で隣りあう2つの芯金11
に跨って位置しており、踏み込み面19aが一方の芯金
11における帯長手方向の幅Bの範囲内に位置し、反踏
み込み面19bが他方の芯金11における帯長手方向の
幅Bの範囲内に位置しており、踏み込み面19aおよび
反踏み込み面19bとラグ8の頂面9aとの境界部10
が面取りされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建設、土木、農業等
において使用される作業機械の走行装置に用いられる弾
性クローラに関する。
【0002】
【従来の技術】弾性クローラを備えた弾性クローラ走行
装置は現在例えばコンバイン等の農業機械、バックホー
等の建設作業機械等に幅広く用いられている。前記弾性
クローラは一般にゴム材等の弾性材料によって無端帯状
に形成され、例えば走行装置におけるトラックフレーム
に軸間距離をおいて取り付けられた駆動輪、転動輪、お
よび従動輪等に巻掛けられ(装着され)て循環回走する
ものである。
【0003】図9は従来の弾性クローラと駆動輪の巻掛
かりの状態を示している。この図9に示すように弾性ク
ローラ35の帯本体37の外面には牽引用のラグ38が
帯長手方向に間隔をおいて複数形成されている。このラ
グ38の頂部39における帯長手方向の縁40(以下、
単に縁40という)は角状に形成されている。この巻掛
かりの状態において弾性クローラ35は駆動輪32によ
って動力が伝達されて循環回走するわけであるが、この
弾性クローラの循環に従い巻掛かり部のラグ38は地面
に順次接触(以下、単に接地という)していくこととな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このとき、前述のよう
に縁40が角状とされているために、この縁40は地面
に最初に衝突してしまい、これにより衝撃が生じ、さら
にラグ38(縁40)が順次接地していくことでこの衝
撃が繰り返し生じて振動となり、弾性クローラ35はス
ムーズな循環回走(走行)とならないという問題点があ
った。図10は弾性クローラ走行装置における転動輪と
弾性クローラが接触している状態を示している。
【0005】図10に示すように弾性クローラ35の帯
本体37の内部には芯金41がラグ38の位置に対応し
て埋設されており、ラグ38および芯金11がある部分
は剛性が高くなっている。(以下、弾性クローラ35に
おいてラグ38および芯金41が設けられている部分を
高剛性部43という)。一方、帯長手方向におけるラグ
38同士の間隔内における帯本体37部分はラグ38も
芯金41もないため高剛性部43よりも剛性が低くなっ
ている(以下、この部分を低剛性部44という)。
【0006】従って、転動輪33が高剛性部43上にあ
るときの弾性クローラ35の上下方向における変形量と
低剛性部44上にあるときの該変形量とでは低剛性部4
4上にあるときの変形量の方が大きく変形量に差があっ
た(以下、この差を変形差という)。転動輪33は弾性
クローラ走行装置が走行しているときには変形差の分だ
け上下運動をすることになり、この上下運動によって、
振動が生じていた。このように転動輪33が上下運動を
することによって生じる振動は高剛性部43と低剛性部
44の剛性の差が大きいことが原因であった。
【0007】前述のように発生した振動は弾性クローラ
走行装置を装備した作業機械に伝播し、作業者(操縦
者)にとって乗り心地が悪く(操縦しにくく)、またこ
の振動によって、作業機械に装備(内装)された電子機
器、計器等の故障、誤作動の原因となってしまってい
た。そこで、本発明は、走行中に発生する振動を低減す
ることができる弾性クローラを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するために以下の技術的手段を講じた。すなわち第
1の技術的手段としては、弾性材料によって無端帯状に
形成された帯本体の外面に帯長手方向に間隔をおいて隆
起形成されて踏み込み面と反踏み込み面を有する牽引用
のラグと、前記帯本体の内部に帯長手方向に間隔をおい
て埋設された芯金とを備えた弾性クローラにおいて、前
記ラグが帯長手方向で隣りあう2つの芯金に跨って位置
しており、踏み込み面が一方の芯金における帯長手方向
の幅の範囲内に位置し、反踏み込み面が他方の芯金にお
ける帯長手方向の幅の範囲内に位置しており、踏み込み
面および反踏み込み面とラグの頂面との境界部が面取り
されていることである。
【0009】これによって以下のことが言える。ラグが
帯長手方向で隣りあう芯金に跨って位置すると、このラ
グは前記低剛性部に位置することになり、低剛性部の剛
性が高まる。従って、従来の低剛性部であった部分と高
剛性部であった部分との剛性の差は小さくなり、これに
よって変形差を小さくして前述のような転動輪が上下運
動することによる振動を低減することができる。「踏み
込み面、反踏み込み面」とは突隆形成したラグにおい
て、帯長手方向の立面をいう。この立面とラグの頂面と
の境界部を面取りすると、面取りをしない場合と比較す
ると面取りをした分だけラグの頂部は帯長手方向の幅が
狭くなる。すなわちラグ(頂部)の太さが細くなるので
ある。したがって細くなった分だけラグの剛性が低下す
る。
【0010】そこで、面取り部分を芯金の幅の範囲内に
位置させて、前記幅の範囲内にあって剛性の高いラグ部
分(高剛性部)の剛性を低下させることができ、この部
分と低剛性部であった部分との剛性の差を小さくして、
これによっても転動輪が上下運動することによる振動を
低減することができるのである。第2の技術的手段とし
ては、弾性材料によって無端帯状に形成された帯本体の
外面に帯長手方向に間隔をおいて隆起形成されて踏み込
み面と反踏み込み面を有する牽引用のラグと、前記帯本
体の内部に帯長手方向に間隔をおいて埋設された芯金と
を備えた弾性クローラにおいて、前記ラグが帯長手方向
で間隔をおいて並ぶ少なくとも3つの芯金に跨って位置
し、かつこの3つの芯金のうち、帯長手方向で隣りあう
2つの芯金に跨って位置する踏み込み部を有しており、
前記踏み込み部は帯本体の帯幅方向中央部寄りに位置し
ており、この踏み込み部における踏み込み面が前記2つ
の芯金の一方における帯長手方向の幅の範囲内に位置
し、この踏み込み部における反踏み込み面が他方の芯金
における帯長手方向の幅の範囲内に位置しており、踏み
込み面および反踏み込み面と踏み込み部の頂面との境界
部が面取りされていることである。
【0011】これにより以下のことが言える。ラグを少
なくとも3つの芯金に跨って位置させれば、低剛性部で
あった部分をラグで補強でき、この部分の剛性を高める
ことができる。これにより低剛性部であった部分と高剛
性部であった部分の剛性の差を小さくし、転動輪が上下
運動することによる振動を低減することができる。弾性
クローラ走行装置を装備した作業機械による荷重が大き
く加わるのは帯本体の帯幅方向中央部である。従って、
前記踏み込み部を帯長手方向で隣りあう2つの芯金に跨
って位置させて、この踏み込み部が前記荷重を受け、牽
引力を発揮できるような剛性を確保できるようにしてい
る。
【0012】この踏み込み部における帯長手方向の両立
面(踏み込み面、反踏み込み面)は、帯長手方向におけ
る芯金の幅の範囲内に位置するのでこの部分は前記高剛
性部となる。ここでは踏み込み部の頂面と前記立面(踏
み込み面、反踏み込み面)の境界部が面取りされている
ので、これによって高剛性部の剛性を低下させ、低剛性
部であった部分との剛性の差を小さくし、前述した、転
動輪が上下運動することによる振動を低減することがで
きるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。本発明における弾性クローラは建
設、土木、農業等の幅広い業界において使用されてお
り、例えばバックホーやコンバイン等の種々の作業機械
に用いられるものである。図1乃至図5は本発明におけ
る弾性クローラの第1実施形態を示している。この弾性
クローラ走行装置1はゴム材等の弾性材料により無端帯
状に形成された弾性クローラ6とこの弾性クローラ6の
内面側に軸間距離をおいて配設される駆動輪2、従動輪
(図示していない)、転動輪4から主構成されている。
【0014】前記した駆動輪2、従動輪(図示していな
い)、転動輪4はトラックフレーム(図示していない)
に配設され、弾性クローラ6はこれら駆動輪等に巻掛け
られて循環回走可能となる。転動輪4は弾性クローラ6
の接地面側で転動する下部転動輪4aとこの下部転動輪
4aの上方に位置する上部転動輪4bとから構成されて
いる。図2は本発明における弾性クローラとこの弾性ク
ローラを駆動する駆動輪の巻掛かりの状態を示してい
る。
【0015】本発明における弾性クローラ6は、無端帯
状に形成された帯本体7を有しており、この帯本体7の
外面(外周面)には帯長手方向に間隔をおいて牽引用の
ラグ8が隆起形成されている。このラグ8の頂部9の帯
長手方向(記号Xで示す矢印の方向。以下、この方向を
基準とし、単に帯長手方向という。)における端部、す
なわちラグ8の帯長手方向における立面19とラグ8の
頂面9aとの境界部10には面取りを施してあり、この
面取り部分を符号20で示している。
【0016】この面取り部分20にはラグ8が地面に接
触するときに地面と面接触となる接触面21が形成され
ている。弾性クローラ6が循環回走することでこの巻掛
かりの状態からラグ8は順次地面と接触していく。この
ときに地面に最初に接触するのは前記接触面21(面取
り部分20)であり、この接触面21と地面とが面接触
するので前記端部が角状にされている場合に比べこの面
取り部分20(境界部10、接触面21)に加わる圧力
(面圧)を小さくすることができるようになっている。
【0017】図1および図3は転動輪と本発明における
弾性クローラとが接触している状態を示している。図1
に示すように帯本体7の内部には帯長手方向に間隔をお
いて前記ラグ8の剛性を補強するための芯金11が埋設
されている。そしてこの芯金11には転動輪4の横ずれ
を規制して脱輪を防止するためのガイド12が一体に形
成されている。図3に示すように転動輪4(4a,4
b)はガイド12の突端部と当接して転動するようにな
っており、前記突端部と当接する円筒状の胴部4cと、
この胴部の長手方向両端には転動輪4(4a,4b)の
横ずれを規制して脱輪を防止する輪部4dを有してい
る。
【0018】この第1実施形態では、下部転動輪4aに
は弾性クローラ走行装置を装備した作業機械(以下、本
機という)の自重が加わるのでこの本機を支持するため
の強度を確保すべく金属製のものが採用されているが、
前記上部転動輪4bには下部転動輪4aが受けるほどの
荷重が加わらないのでウレタン等の樹脂製のものが採用
されている。このように上部転動輪4bを樹脂製とする
ことによって、走行中にこの上部転動輪4bとガイド1
2とがぶつかることによる騒音、振動を軽減することが
できる。
【0019】また、ガイド12はその全体を弾性材料に
よって覆われており、これによっても走行中にガイド1
2と転動輪4(輪部4d)がぶつかることによる騒音、
振動を軽減することができるようになっている。図1に
示すように芯金11の下方には帯本体7の伸びを規制す
る抗張体14が埋設されている。この抗張体14には無
端状のスチールコード等の線状のものが用いられるが線
状以外のもの、例えば板状のものを用いてもよい。ラグ
8は帯長手方向で隣りあう2つの芯金11に跨って位置
している。
【0020】ここで「跨って」とは、ラグ8の頂面9a
において、帯長手方向の両縁(境界部10)の一方が芯
金11の平面視における投影面内に位置し、他方の縁が
前記芯金11と隣りあう芯金11の平面視における投影
面内に位置して形成されていることを意味する。これに
よって低剛性部であった部分(図10において符号44
で示す部分)にラグ8が位置して低剛性部であった部分
の剛性を高めることとなり、高剛性部(図10において
符号43で示す部分)であった部分との剛性の差を小さ
くして走行中に転動輪4が上下運動することによる振動
を低減することができる。
【0021】ラグ8における帯長手方向のそれぞれの立
面(両立面)19のうち一方(19a)はラグ8が地面
に接触するときの踏み込み面、他方(19b)はラグ8
が地面から離れるとき(見送るとき)の反踏み込み面と
されている。図1に示すように芯金11の帯長手方向に
おける幅を記号Bの矢印幅で示しており(以下、芯金の
幅Bという)、踏み込み面19a、反踏み込み面19b
は、ラグ8が跨っているそれぞれの芯金11の幅Bの範
囲内に位置している。また、ラグ8の立面19(踏み込
み面19a、反踏み込み面19b)とラグ8の頂面9a
との境界部10は面取りされており、この面取り部分2
0には、ラグ8が地面に接触するときに面接触となる接
触面21が形成されている。
【0022】図4および図5において、面取りを施す前
のラグの頂部における帯長手方向の端部(ラグにおける
帯長手方向の立面とラグの頂面との境界部)を二点鎖線
で示している。図4に示すように面取りをしない場合の
ラグ8の頂部9の帯長手方向の端部(頂面9aと立面1
9との境界部10)は角状になっている。図4の場合は
境界部10の部分をC面取りすることで面取り部分20
にラグ8が地面に接触するときに地面と面接触させるた
めの第1接触面21aが形成されている。
【0023】この第1接触面21aの帯長手方向におけ
る幅(記号aで示す矢印幅。以下、帯長手方向の面取り
幅aという)はラグ8の突出方向(記号Zで示す矢印の
方向)における幅(記号bで示す矢印幅。以下、突出方
向の面取り幅bという)よりも大きくされている。ま
た、符号21bで示す部分は突出方向の面取り幅bを帯
長手方向の面取り幅aよりも大きくして面取りした場合
に形成された接触面(以下、第2接触面21bという)
を示している。
【0024】第1接触面21aと第2接触面21bとを
比較するとラグ8の頂面9aを基準にしたときの傾斜の
度合いは第1接触面21aが小さく、第2接触面21b
が大きい。この傾斜の度合いが大きくなるほどラグ8の
頂部の帯長手方向の幅が狭くなる。すなわち、ラグ8は
細くなり、細くなった分だけ剛性が低下する。したがっ
て、ラグ8の剛性を大きく低下させたいときには、突出
方向の面取り幅bを帯長手方向の面取り幅aよりも大き
くすればよく、ラグ8の剛性の低下を極力抑えたいとき
には、帯幅方向の面取り幅aを突出方向の面取り幅bよ
りも大きくすればよい。
【0025】この第1実施形態(図4)においては帯長
手方向の面取り幅aは10mm程度、突出方向の面取り
幅bは5mm程度とされている。図5は境界部10の角
をとって(R面取りして)丸く形成した状態を示してい
る。本発明にいう面取りとは、図4に示したように面取
り部分に接触面21を形成したもの(C面取りしたも
の)に限られず、図5において境界部10をR面取りし
て丸く形成したものも含む意味である。
【0026】図6は本発明における弾性クローラの第2
実施形態を示している。この図6に示すように、帯本体
7の外面には平面視略方形の複数のラグ8が帯長手方向
に間隔をおいて隆起形成されている。このラグ8は、そ
の長手方向を帯幅方向(記号Yの矢印で示す方向)にあ
わせて設けられ、帯本体7の帯幅方向の中央(記号Aの
一点鎖線で示している)に対して左右千鳥状に形成され
ている。より具体的には、このラグ8は平面からみると
帯幅方向に沿って直線的な部分(符号15で示す部分。
以下この部分を踏み込み部15という。)と、帯幅方向
中央(記号Aで示す一点鎖線)から帯幅方向の外側に向
かうにつれて、帯長手方向における幅が狭くなくるよう
に勾配をつけて形成された部分(符号16で示す部分。
以下、勾配部16という。)とから構成されている。
【0027】弾性クローラ6に最も大きな荷重が加わる
のは弾性クローラ6の帯幅方向中央部付近であり、踏み
込み部15は、ラグ8の牽引力を発揮する部分としてこ
の帯幅方向中央部寄りに形成されている。この踏み込み
部15における帯長手方向の両立面19のうち、一方の
立面19aは、ラグ8が地面に接触するときの踏み込み
面とされ、他方の立面19bはラグ8が地面から離れる
ときの反踏み込み面19bとされている。踏み込み面1
9aは帯長手方向で隣りあう2つの芯金11のうち、一
方の芯金11における帯長手方向の幅Bの範囲内に位置
し、反踏み込み面19bは他方の芯金11における帯長
手方向の幅Bの範囲内に位置している。
【0028】立面19(踏み込み部19a、反踏み込み
面19b)とラグ8の頂面9aとの境界部10(踏み込
み部15の頂部における帯長手方向の端部)を面取り
し、この面取り部分20に前記接触面21を形成してい
る。このように境界部10に接触面21を設けることに
より、ラグ8が地面に接触するときに地面に最初に接触
する部分(面取り部分20、接触面21)に加わる圧力
を小さくすることができ、これによってラグ8が順次地
面に接触していくことによる振動を小さくすることがで
きる。
【0029】また、ラグ8が接地するときに面取り部分
20(接触面21)に加わる圧力を小さくして踏み込み
部15(ラグ8)の頂部における帯長手方向の端部の欠
け、偏摩耗を防止することができる。前記幅Bの範囲内
にあるラグ8の部分は剛性の高い部分であるので、前記
面取りによって、この剛性の高い部分の剛性を低めて低
剛性部であった部分(図10において符号44で示す部
分)との剛性の差を小さくして、走行中に転動輪4が上
下運動することによる振動を低減することができる。
【0030】図7は本発明における弾性クローラの第3
実施形態を示している。この第3実施形態における弾性
クローラ6のラグ8の配列パターンは、第2実施形態と
同じく帯本体7(弾性クローラ6)の帯幅方向中央に対
して左右千鳥状とされている。図7に示すように、ラグ
8は、帯本体7の帯幅方向中央部寄りに形成された踏み
込み部15と、帯幅方向に対し斜めに交差するように形
成された傾斜部17とから構成されており、このラグ8
は全体として帯長手方向に並ぶ3つの芯金11に跨って
位置している。
【0031】さらに、踏み込み部15は前記3つの芯金
11のうち、隣りあう2つの芯金11に跨って位置して
いる。この踏み込み部15は第2実施形態と同様に、踏
み込み面19aと反踏み込み面19bを有し、踏み込み
面19aは帯長手方向で隣りあう2つの芯金11のう
ち、一方の芯金11における帯長手方向の幅Bの範囲内
に位置し、反踏み込み面19bは他方の芯金11におけ
る帯長手方向の幅Bの範囲内に位置している。そして踏
み込み面19aおよび反踏み込み面19bと踏み込み部
15の頂面9aとの境界部10は面取りされ、この面取
り部分20に前記接触面21が形成されている。
【0032】なお、ラグ8が跨るのは前記3つの芯金1
1に限られるのではなく、4つ以上の芯金11に跨って
形成してもよい(つまり少なくとも3つであればよ
い)。このように弾性クローラ6を形成することによ
り、第1および第2実施形態と同様に、走行中に転動輪
が上下運動することによる振動を低減することができ、
ラグ8が順次地面に接触していくことによる振動を小さ
くすることができる。図8は本発明における弾性クロー
ラの第4実施形態を示している。この第4実施形態にお
いてもラグ8の配列パターンは前述した第2、第3実施
形態と同様に帯本体7の帯幅方向中央に対して左右千鳥
状とされている。
【0033】前述した第3実施形態においてはラグ8の
形状は帯本体7の帯幅方向中央部寄りに踏み込み部15
を備えたものとされていたが、この第4実施形態におい
ては踏み込み部15を帯本体7の帯幅方向中央部寄りだ
けでなく、帯幅方向の端寄りにも備えている。このよう
に踏み込み部15を設けたとしても踏み込み部15が帯
長手方向で隣りあう2つの芯金11に跨って位置してお
り、踏み込み部15に備えた踏み込み面19aと反踏み
込み面19bが前記幅Bの範囲内にあり、踏み込み面1
9aおよび反踏み込み面19bにおける前記頂面9aと
の境界部10が面取りされていれば、第1乃至第3実施
形態と同様に走行中にラグ8が接地することよる振動、
転動輪が上下運動することによる振動を低減することが
できるのである。
【0034】ところで、巻掛かりの状態(図2、図9参
照)にあるラグ8が地面に接触することによって生ずる
衝撃(振動)を低減(緩和)するために、例えば図9に
おいて示した駆動輪32の位置を少し高くするという技
術的手段が従来採られていた。この技術的手段によれ
ば、ラグが地面に接触したときにラグに加わる衝撃を低
減することができる。この従来の技術的手段と本発明が
講じた技術的手段とを比較するために図11を参照す
る。
【0035】図11は駆動輪が図9に示した位置にある
場合と、これよりも位置を少し高くした場合の2つの場
合において、巻掛かりの状態にあるラグが地面に接触す
るときのラグの進行方向(ラグが地面に向かう方向)を
比較したものである。図11において、記号Dの矢印が
示す方向は駆動輪の位置を少し高くした場合のラグ(符
号38aで示している)の進行方向を示している。記号
Eの矢印が示す方向は、駆動輪の位置を変えない状態
(図9に示す状態)のラグ(符号38bで示している)
の進行方向を示している。
【0036】矢印Dと地面Cとが為す角度αと、矢印E
と地面Cとが為す角度βとを比較すると角度αの方が小
さい。このように、ラグが地面に接触するときのラグの
進行方向と地面とが為す角度が小さいほうがラグが地面
に接触したときにラグに作用する摩擦力が小さい。なぜ
なら前記角度が小さければ小さいほど地面に接触したと
きにラグに作用する垂直抗力が小さくなるからである。
以上により、駆動輪の位置を少し高くした方がラグが接
地したときのラグに作用する摩擦力を小さくすることが
できる。
【0037】ラグが接地したときにラグに加わる衝撃の
大小は主として前記摩擦力の大小により定まるものであ
り、前記摩擦力を小さくできれば前記衝撃も小さくする
ことができる。前記衝撃を小さくするという観点のみか
らみれば駆動輪の位置を少し高くするという技術的手段
は有用なものである。しかし、このような場合には弾性
クローラ走行装置を装備した作業機械が作業中(走行
中)に作業姿勢を変えたりした場合等には図9で示した
縁40と地面とが接触して前記ラグ38(縁40)に衝
撃が加わってしまったり、駆動輪の位置を高くしたこと
によって、作業機械のバランスが悪くなり安定性を損な
ってしまうという問題点があり、前記振動を低減したと
しても妥当な解決手段とはいえない。
【0038】この点をみれば本発明における弾性クロー
ラは駆動輪の高さを変えることなく(高くすることな
く)ラグ8が地面に接触することによって生ずる衝撃
(振動)を低減することができるので、本発明の方がよ
り有用なものといえる。ただし、前述のような駆動輪の
位置を少し高くするという技術的手段を講じた弾性クロ
ーラ走行装置が装備する弾性クローラについても、本発
明は実施可能である。なお、本発明は以上に説明したも
のに限られるものではなく、以下のように種々の変形が
可能である。
【0039】ラグの配列パターンは第2乃至第4実施形
態において、帯幅方向中央に対して左右千鳥状にしたも
のを挙げたが、本発明はこのパターンに限られず、例え
ばいわゆる梯子型や、皿型等種々のパターンのものに実
施可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば走行中に発生する振動を
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における弾性クローラと下部転動輪が接
触している状態を示す側面図である。
【図2】本発明における弾性クローラと駆動輪の巻掛か
りの状態を示す側面図である。
【図3】本発明における弾性クローラと下部転動輪が接
触している状態を示す図である。
【図4】本発明における面取り部分を示す側面図であ
る。
【図5】本発明における面取り部分を示す側面図であ
る。
【図6】本発明における弾性クローラの第2実施形態を
示す図である。
【図7】本発明における弾性クローラの第3実施形態を
示す図である。
【図8】本発明における弾性クローラの第4実施形態を
示す図である。
【図9】従来の弾性クローラと駆動輪との巻掛かりの状
態を示す側面図である。
【図10】従来の弾性クローラと転動輪が接触している
状態を示す側面図である。
【図11】図9に示す駆動輪の位置を少し高くした場合
にラグが地面と接触するときの状態を示す側面図であ
る。
【符号の説明】
1 弾性クローラ走行装置 2 駆動輪 3 従動輪 4 転動輪 6 弾性クローラ 7 帯本体 8 ラグ 9 頂部 9a 頂面 10 境界部 11 芯金 15 踏み込み部 19 立面 19a 踏み込み面 19b 反踏み込み面 20 面取り部分 21 接触面 B 帯長手方向における芯金の幅 a 帯長手方向における面取り部分の面取り幅 b ラグの突出方向における面取り部分の面取り幅

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性材料によって無端帯状に形成された
    帯本体(7)の外面に帯長手方向に間隔をおいて隆起形
    成されて踏み込み面(19a)と反踏み込み面(19
    b)を有する牽引用のラグ(8)と、前記帯本体(7)
    の内部に帯長手方向に間隔をおいて埋設された芯金(1
    1)とを備えた弾性クローラ(6)において、 前記ラグ(8)が帯長手方向で隣りあう2つの芯金(1
    1)に跨って位置しており、踏み込み面(19a)が一
    方の芯金(11)における帯長手方向の幅(B)の範囲
    内に位置し、反踏み込み面(19b)が他方の芯金(1
    1)における帯長手方向の幅(B)の範囲内に位置して
    おり、 踏み込み面(19a)および反踏み込み面(19b)と
    ラグ(8)の頂面(9a)との境界部(10)が面取り
    されていることを特徴とする弾性クローラ。
  2. 【請求項2】 弾性材料によって無端帯状に形成された
    帯本体(7)の外面に帯長手方向に間隔をおいて隆起形
    成されて踏み込み面(19a)と反踏み込み面(19
    b)を有する牽引用のラグ(8)と、前記帯本体(7)
    の内部に帯長手方向に間隔をおいて埋設された芯金(1
    1)とを備えた弾性クローラ(6)において、 前記ラグ(8)が帯長手方向で間隔をおいて並ぶ少なく
    とも3つの芯金(11)に跨って位置し、かつこの3つ
    の芯金(11)のうち、帯長手方向で隣りあう2つの芯
    金(11)に跨って位置する踏み込み部(15)を有し
    ており、 前記踏み込み部(15)は帯本体(7)の帯幅方向中央
    部寄りに位置しており、 この踏み込み部(15)における踏み込み面(19a)
    が前記2つの芯金(11)の一方における帯長手方向の
    幅の範囲内(B)に位置し、この踏み込み部(15)に
    おける反踏み込み面(19b)が他方の芯金(11)に
    おける帯長手方向の幅(B)の範囲内に位置しており、 踏み込み面(19a)および反踏み込み面(19b)と
    踏み込み部(15)の頂面(9a)との境界部(10)
    が面取りされていることを特徴とする弾性クローラ。
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