JP2003109820A - 積層型インダクタ及びその製造方法 - Google Patents
積層型インダクタ及びその製造方法Info
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Abstract
る応力による特性劣化と、外部電極との接続部からの、
水分などの液体が侵入によるマイグレーションを防止
し、特性及び信頼性が向上した積層インダクタを得る方
法を提供すること。 【解決手段】 外部電極との接続部を形成する部分の内
部導体パターンの印刷に、焼成の際の収縮率が磁性体と
ほぼ同一となる導体ペーストを用いて、外部電極との接
続部は、導体と磁性体との間に空隙が生じないようにす
るとともに、それ以外の部分の内部導体パターン印刷に
は、焼成の際の収縮率が磁性体よりも大きい導体ペース
トを用いて、導体と磁性体との間に空隙を形成する。こ
れによって、外部導体との接続部からの液体の侵入がな
くなり、空隙の存在が応力発生を抑制し得る。
Description
り、磁性体などのセラミックス焼結体内部にAgやAg
−Pdなどからなる内部導体のコイルを形成する、小型
の積層インダクタに関し、特に磁性体と導体の熱膨張係
数の相違に起因する応力による特性劣化や、内部導体の
マイグレーションによるショート不良などのない、安定
した特性と高品質を具備した積層インダクタに関するも
のである。
表面実装に適した形状のものが容易に得られるため、各
種の電子機器に多用されている。図5は、一般的な積層
インダクタの製造工程における積層の順番を模式的に示
した図である。従来の積層インダクタ製造法について、
図5を参照しながら説明する。積層インダクタは、磁性
体ペーストと導電体ペーストをスクリーン版により交互
に印刷するスクリーン印刷法によって製造される。
末と結合材と溶媒からなる磁性体ペーストを塗布して得
られるグリーンシート501aを基板として、その上面
に対し、スクリーン印刷法により、コイルを形成するた
めの内部導体パターン502aを、Ag−Pd粉末と結
合材と溶媒からなる導電体ペーストを用いて印刷して形
成する。さらにその上面に対し、コイルを接続するため
の窓504aを形成した磁性体層のグリーンシート50
3aを印刷して形成する。
にグリーンシート501bを積層する。このような工程
により、磁性体内部に内部導体パターンよりなるコイル
が形成される。また、所望の巻数を得るためには、積層
回数を増減すればよい。第1の内部導体パターン502
aと最終の内部導体パターン502eの一部は、積層体
端面に内部導体パターンが露出するように形成されてい
て、この部分がコイルの始端と終端であり、外部電極へ
の接続部となる。
端面に露出したコイルの始端と終端が電気的に接続する
ように、それぞれ外部より導体ペーストを塗布し、外部
電極を形成する。図6は、磁性体中に複数個のコイルを
配置したアレイ型積層インダクタの内部を透視した斜視
図であり、図7は、アレイ型積層インダクタの外観の斜
視図である。図6において、601は磁性体603の内
部に配置されるコイルであり、602は外部電極への接
続部である。また、図7において、701は外部電極を
示す。
を並列に配列した構造からなる、積層インダクタまたは
アレイ型積層インダクタにおいて、従来のものは前記の
ような工程で製造されるため、磁性体内部に存在する各
々の内部導体パターンが、内部導体パターン全表面につ
いて磁性体と密着した構造となっている。
異なるため、素子内部に応力が発生し内部の歪みによる
磁気特性の低下、バラツキ等の問題が発生している。こ
の解決方法として、磁性体と内部導体パターンとの間に
空隙を設けることにより、歪みを緩和する方法がある。
積層インダクタに、このような構造を付与するには、焼
成における導体の収縮率を、磁性体よりも大きくなるよ
うに設定し、焼成後の導体と磁性体との間に、空隙を形
成するという方法がある。
隙を設けると、水分やめっき液さらにはフラックスなど
の液体が、外部電極と電気的な接点となる第1層の内部
導体パターンまたは最終層の内部導体パターンと磁性体
との間に形成された空隙を通って内部にまで侵入し、磁
気特性が低下したり、内部導体パターン間のマイグレー
ションによるショート不良が生じたりするなど、信頼性
に大きな問題を発生させる可能性がある。
部導体パターンと全磁性体との間に空隙が生じないよう
に焼成すると、結局のところ、前記のような応力が発生
し磁気特性が劣化したりバラツキが生じたりしてしまう
問題が発生する。
的な課題は、前記の応力による特性劣化と、外部電極と
の接続部からの水分などの液体が侵入によるマイグレー
ションを防止し、特性及び信頼性が向上した積層インダ
クタを得る方法を提供することにある。
決のため、導体と磁性体の間に空隙を形成しつつ、内部
導体パターンの外部電極との接続部からは、液体の侵入
がない構造を、積層インダクタに付与することを検討し
た結果なされたものである。
と磁性体層とが交互に積層され、前記内部導体パターン
の第1層及び最終層が外部電極との接続部を有する積層
体の焼成体の側面に外部電極が形成されてなる積層イン
ダクタにおいて、前記内部導体パターンの第1層及び最
終層の少なくとも外部電極との接続部は、周囲の磁性体
と密着して形成され、それ以外の内部導体パターンは、
周囲の磁性体と密着されずに形成されてなることを特徴
とする積層インダクタである。
電極との接続部を形成した複数の内部導体パターンと磁
性体層とを交互に積層して焼結し、得られる焼結体の側
面に外部電極層を形成する、前記の積層インダクタの製
造方法において、前記内部導体パターンの第1層及び最
終層の少なくとも外部電極との接続部は、焼結による収
縮率が10%以下の導体ペーストを用いて形成し、それ
以外の内部導体パターンは、焼結による収縮率が10%
以上の導体ペーストを用いて形成することを特徴とする
積層インダクタの製造方法である。
約10%であるから、本発明の積層インダクタにおいて
は、内部導体パターンと周囲の磁性体との間に空隙が存
在し、導体と磁性体の熱膨張係数の相違に起因する応力
の発生が皆無に近く、応力に基づく特性の低下が見られ
ない。
続部分の近傍は、周囲の磁性体との間に空隙が存在しな
い状態なので、内部にメッキ液、フラックスなどの液体
が侵入することがない。このために、内部導体パターン
が形成しているコイルが、マイグレーションによるショ
ートを起こすことがなく、安定した特性を発現する品質
の優れた積層インダクタを得ることができる。
明する。
ースト用に、Ni−Zn−Cuフェライトn粉末を準備
した。この粉末に、結合材としてポリビニルブチラール
を、また溶媒としてシクロヘキサノンとトルエンを重量
比で50/50で混合したものを加え、3本ロールを用
いて混練し、磁性体ペーストを作製した。
の、導体ペースト用としてAg粉末を準備した。この粉
末を磁性体ペーストと同様に、結合材及び溶媒と混練
し、導体ペーストを作製した。この際、結合材の混合比
率などを調整することにより、焼成した際の収縮率が異
なるものを2種類準備した。図3及び図4は、前記2種
類の導体ペーストについて、温度と収縮率の関係を測定
した結果で、図3のものは、900℃における収縮率が
約15%、図4のものは、900℃における収縮率が約
10%である。
を用いて、図5に示したのと同様に磁性体層と内部導体
パターンを交互に印刷して積層を行なった。そして、本
実施例においては、第1層と最終層の内部導体パターン
印刷には、図4に示した収縮率が約10%の導体ペース
トを用い、その他の層の内部導体パターン印刷には、図
3に示した収縮率が約15%の導体ペーストを用いた。
て、各層を圧着し、3.8mm×1.92mmの大きさに
切断し、内部に4個のコイルが配置された積層体を得
た。そして前記積層体に脱バインダ処理を施し、870
℃、900℃、920℃の各温度で、それぞれ焼成を2
時間行なった。本実施例で用いた材料の場合、焼成温度
は850〜930℃の範囲が好適である。
外部電極との接続部として、露出している部分に、Ag
を主成分とした導電性ペーストを塗付し、600℃で焼
き付けを行い、外部電極を形成した。その後、外部電極
にNi及びSnのメッキを施し、アレイ型積層インダク
タを得た。本実施例では、外部導体にAgを主成分とし
た導電性ペーストを用いたが、カーボンやCu、Niな
どを主成分とした導電性ペーストでも使用可能である。
タの、断面の模式図である。図1に示したように、本実
施例のアレイ型積層インダクタ100においては、外部
電極との接続部104における内部導体パターン102
と磁性体101との間には、空隙がなく、両者が密着し
た状態である。それ以外の内部導体パターンには、磁性
体101との間に、空隙103が形成されている。
ーン印刷に、縮率が約15%の導体ペーストを用いた他
は、実施例とまったく同一の条件で、アレイ型積層イン
ダクタを作製した。図2は、本比較例のアレイ型積層イ
ンダクタの、断面の模式図である。図2に示したよう
に、本比較例のアレイ型積層インダクタ200において
は、内部導体パターン202のいずれの箇所について
も、磁性体201との間に、空隙203が形成されてい
る。
積層インダクタについて、それぞれ100個の試料を準
備し、温度が40℃、相対湿度が90%という条件で、
5Vの電圧を印加して放置するという方法により、マイ
グレーションの評価を行なった。この際、処理後の絶縁
抵抗が1×108Ω以下になった試料をマイグレーショ
ンが発生したものと見做した。
型積層インダクタの、マイグレーションの発生率を示
す。
タは、マイグレーションの発生が認められなかった。こ
れに対し、比較例のアレイ型積層インダクタにおいて
は、マイグレーションが多数発生した。
ば、アレイ型積層インダクタにおいて、内部導体パター
ンの外部電極との接続部には、周囲の磁性体との間に空
隙がなく、それ以外の内部導体パターンには、周囲の磁
性体との間に空隙が形成されているため、応力発生に起
因する磁気特性劣化がなく、同時に外部電極との接続部
からの、液体の侵入によるマイグレーションの発生のな
い、信頼性と品質の優れたものが得られる。
ダクタの例を示したが、本発明の技術は、積層型トラン
ス、積層型チップコンデンサなどにも応用可能である。
このため、本発明が積層型の各種部品の、信頼性や品質
の向上に寄与するところは、非常に大きいと言える。
図。
図。
定した結果を示す図。
定した結果を示す図。
層の順番を模式的に示す図。
図。
ダクタ 101,201,603,702 磁性体 102,202 内部導体パターン 103,203 空隙 104,602 外部電極との接続部 501a,501b 503a,503b,503c,
503d グリーンシート 502a,502b,502c,502d,502e
内部導体パターン 504a,504b,504c,504d 窓 601 コイル 701 外部電極
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の内部導体パターンと磁性体層とが
交互に積層され、前記内部導体パターンの第1層及び最
終層が外部電極との接続部を有する積層体の焼成体の側
面に外部電極が形成されてなる積層インダクタにおい
て、前記内部導体パターンの第1層及び最終層における
少なくとも外部電極との接続部は、周囲の磁性体と密着
して形成され、それ以外の内部導体パターンは、周囲の
磁性体と密着されずに形成されてなることを特徴とする
積層インダクタ。 - 【請求項2】 第1層及び最終層に外部電極との接続部
を形成した複数の内部導体パターンと磁性体層とを交互
に積層して焼結し、得られる焼結体の側面に外部電極層
を形成する請求項1に記載の積層インダクタの製造方法
において、前記内部導体パターンの第1層及び最終層に
おける少なくとも外部電極との接続部を、焼成による収
縮率が10%以下の導体ペーストを用いて形成し、それ
以外の内部導体パターンは、焼成による収縮率が10%
以上の導体ペーストを用いて形成することを特徴とする
積層インダクタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001302729A JP2003109820A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 積層型インダクタ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001302729A JP2003109820A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 積層型インダクタ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=19122922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001302729A Pending JP2003109820A (ja) | 2001-09-28 | 2001-09-28 | 積層型インダクタ及びその製造方法 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2003109820A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2001
- 2001-09-28 JP JP2001302729A patent/JP2003109820A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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