JP2003107663A - 塗布膜の乾燥装置及び乾燥設備並びに乾燥方法 - Google Patents

塗布膜の乾燥装置及び乾燥設備並びに乾燥方法

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JP2003107663A
JP2003107663A JP2001296280A JP2001296280A JP2003107663A JP 2003107663 A JP2003107663 A JP 2003107663A JP 2001296280 A JP2001296280 A JP 2001296280A JP 2001296280 A JP2001296280 A JP 2001296280A JP 2003107663 A JP2003107663 A JP 2003107663A
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drying
coating film
zone
roller
coating
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JP2001296280A
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English (en)
Inventor
Yoshinobu Katagiri
良伸 片桐
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サクションドラムからウェブへの伝熱を抑制
し、ウェブ上に形成した塗布膜の流動を抑制する。 【解決手段】 塗布装置13によりウェブ11上に塗布
液を塗布し、塗布膜を形成する。冷却装置14により塗
布膜中のゼラチンをゲル化する。サクションドラム15
は、ドラムゾーン23に配置しており、そのゾーン23
内は、空調機33によって塗布膜の融点以下の温度に設
定してある。このため、ゲル化した塗布膜を有するウェ
ブ11が、サクションドラム15により搬送されても、
塗布膜が流動しないため膜厚ムラや孔写りなどの発生が
抑制される。塗布膜を有するウェブ11は、乾燥装置1
6で乾燥された後に、巻き取り機17に巻き取られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】写真感光材料(以下、写真用
フイルムと称する)の製造プロセスにおける塗布膜の乾
燥装置及び乾燥設備並びに乾燥方法に関するものであ
り、特に塗布以降乾燥終了までの間にサクションドラ
ム、または直径が大きく表面が平滑でない搬送ローラが
ある場合にも塗布膜の乱れを発生させない塗布膜の乾燥
装置及び乾燥設備並びに乾燥方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真用フイルムの製造においては、連続
走行する支持体(以下、ウェブと称する)に塗布液を塗
布し塗布膜を形成し、冷却工程で塗布膜中のゼラチンを
ゲル化させて流動を停止させた後に、乾燥装置により熱
風を吹き付けて乾燥を行う。その際に、塗布開始前には
乾燥装置が配置されている乾燥ゾーン中の搬送ローラ等
は、その乾燥ゾーン内に送風された熱風の乾球温度に等
しくなっている。その搬送ローラに、熱風の湿球温度に
近いウェブが到達すると、搬送ローラからウェブへの熱
移動が発生し、塗布膜の膜厚ムラが生じる原因になる。
【0003】このため乾燥装置は、特に塗布速度の上昇
と共に、様々改良がなされてきている。特公昭43−2
0438号公報に記載されている無接触乾燥装置である
「つる巻き型乾燥装置」は、前述した熱移動を抑制でき
るため、よく使われている。このつる巻き型乾燥装置
は、乾燥風ダクトが筒型の形状からなり、その全面に乾
燥風の吹き出し口が設けられている。その吹き出し口か
ら、吹き出した乾燥風によりウェブは浮上して搬送され
ながら、塗布膜を乾燥する。また、このつる巻き型乾燥
装置は、乾燥ダクトを多数配置することで乾燥条件を変
化させることもできるため、極めて効率の良い乾燥装置
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら現在のよ
うに塗布速度が速くなると、乾燥装置を長くする必要が
生じ、無接触乾燥装置であっても塗布以降乾燥終了まで
の間にサクションドラムなどの駆動用ドラム(吸着ロー
ラまたは溝付きローラ)が最低1個以上は必要となる。
ここで言うサクションドラムとは通常用いられる搬送ロ
ーラよりも径が大きく、表面に形成された孔でウェブを
吸引保持するものであり、一般的に駆動用ドラムと称さ
れる。ドラム表面には孔の他、溝が形成されている場合
もある。また孔ではなく、ワイヤー巻きでその隙間から
吸引するタイプのものもある。
【0005】このような乾燥装置を備えた塗布ライン6
0を図4を用いて説明する。ロール状のウェブ61が巻
き解かれながら送り出し機62から送り出される。塗布
装置63によりウェブ61上に塗布液を塗布した後に、
冷却装置64によりウェブ61上の塗布膜をゲル化す
る。さらにウェブ61をサクションドラム65により搬
送しながら乾燥装置66に送り込む。乾燥装置66でウ
ェブ61を熱風により乾燥した後に、巻き取り機67で
巻き取る。図4に示したように送り出し機62、塗布装
置63、冷却装置64、乾燥装置(図4では、3分割に
した形態を示した)66、巻取り機67は、それぞれ独
立した区画である送り出しゾーン70、塗布ゾーン7
1、冷却ゾーン72、乾燥ゾーン73、74、75、巻
取りゾーン76に配置されている。それぞれの区画70
〜76には、空調機80〜86が取り付けられ、独立し
た空調風が送り込まれ、それぞれのゾーンの空気温度を
調節する。また、空調機80〜86は、温度調節システ
ム87により制御されている。この例ではサクションド
ラム65は乾燥ゾーン73内に置かれており、特に意図
的に温度の調節はされていない。
【0006】ここで代表的な空調条件は、 冷却ゾーン72:乾球温度5〜23℃、露点5℃以下、 乾燥ゾーン73、74、75:乾球温度23〜60℃、
湿球温度24℃以下、 調湿ゾーン:乾球温度23〜40℃、相対湿度30〜7
5%、 である。なお、調湿ゾーンは必要に応じて設けられる。
【0007】図4では塗布ゾーン71でウェブ61上に
塗布されたゼラチンを含む塗布液を冷却ゾーン72で冷
却して、塗布液に含まれるゼラチンをゲル化する。この
際、塗布膜の温度は冷却ゾーン72の湿球温度にまで到
達し、通常20℃以下となる。一方乾燥ゾーン73の温
度(乾球温度)は、例えば40℃であるので、塗布前に
は同じ乾燥ゾーン73中のサクションドラム65の表面
温度も40℃近くになっている。ここに塗布済みのウェ
ブ61が到達するとサクションドラム65からウェブ6
1への熱移動が起こり、塗布膜の温度は上昇する。上昇
後の塗布膜温度はサクションドラム65との接触時間に
よるが、約10%の濃度のゼラチン膜の融点温度(例え
ば、25℃)よりは明らかに高くなる。
【0008】このようにサクションドラム65が乾燥ゾ
ーン73中にある場合、搬送ローラの場合と同じように
塗布開始直後にはサクションドラムから塗布済みウェブ
への熱移動が発生する。この熱移動が塗布済みウェブの
乾燥速度全体に与える影響は小さいが、直径が大きく接
触時間が長いため伝熱量は大きく、また表面に孔、溝が
あるため不均一な伝熱となり、またウェブもサクション
ドラムの表面に沿って変形するため、塗布膜の流動が起
きて孔や溝の形状が残るという故障が発生する。塗布開
始後時間がたつとサクションドラムは、通過する塗布済
みウェブによって冷却されるため徐々に温度は下がり、
ある長さを経過したところで塗布膜の流動は停止して、
以後の塗布済みウェブからは良品の製品が得られる。し
かしこの間、塗布膜の不均一による製品ロスが発生し、
このようなロスは100m以上発生する場合もあった。
【0009】このようなサクションドラムなどの駆動用
ドラムによる塗布膜のムラの発生は、図5に示した塗布
ライン90のように2個の乾燥装置91、92の途中に
サクションドラム65を配置した場合にも生じる現象で
ある。なお、図示したように乾燥装置91とサクション
ドラム65とは乾燥ゾーン94に配置され、乾燥装置9
2は乾燥ゾーン95に配置されている。また、駆動用ド
ラムをサクションドラムに代え、表面が平滑でない溝付
きローラを用いた場合にも同様な現象が生じていた。
【0010】特開平6−179556号公報には、サク
ションドラムの表面を柔らかい素材で形成し、塗布膜の
変形による孔写りの対策がなされているが、サクション
ドラムなどの駆動用ドラムから塗布済みウェブへの熱移
動による伝熱、流動による膜厚ムラ、孔写りの発生を抑
制する方法とは異なる。
【0011】本発明の目的は、塗布速度を速くしても、
溝付きローラや吸着ローラから塗布済みウェブへの伝熱
による塗布膜の流動を抑制した、塗布膜の乾燥装置及び
乾燥設備並びに乾燥方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の塗布膜の乾燥装
置は、塗布膜が形成された支持体を連続走行させて前記
塗布膜を乾燥する塗布膜の乾燥装置において、溝付きロ
ーラまたは周面に前記支持体を吸着して搬送する吸着ロ
ーラと、前記溝付きローラまたは吸着ローラから前記支
持体への伝熱量を小さくするための手段とを有する。な
お、前記伝熱量を小さくするための手段は、前記溝付き
ローラまたは吸着ローラを含む部分を他の部分から区切
る区分手段と、この区分手段で区切られたゾーンの空気
温度を調節する空調手段とを有していることが好まし
い。また、前記空調手段は、低温の空調風を前記ゾーン
に送り込む手段や、前記溝付きローラまたは吸着ローラ
に冷風を吹き付ける手段や、前記ゾーンに含まれる乾燥
風を低温化する手段や、前記ゾーン内に空気浮上用ダク
トを設け、そのダクトから送風される風を低温化する手
段を用いることがより好ましい。
【0013】少なくとも乾燥終了点までは、前記溝付き
ローラまたは吸着ローラ以外は前記支持体に接触するこ
となく搬送する無接触搬送手段を有することが好まし
い。なお、本発明において前記無接触搬送手段には、つ
る巻き式やフローティング式などの手段が好ましく用い
られる。
【0014】本発明の塗布膜の乾燥設備は、前述したい
ずれかの乾燥装置と、この乾燥装置の前段に配置され
た、前記塗布膜を冷却する冷却装置とを有している。な
お、前記冷却装置には、前記支持体に接触して搬送させ
るローラが備えられていても良い。
【0015】本発明の塗布膜の乾燥方法は、塗布膜が形
成された支持体を連続走行させて前記塗布膜を乾燥する
方法において、前記支持体に乾燥風をあてて前記塗布膜
を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程中に、溝付きロー
ラまたは周面に前記支持体を吸着して搬送する吸着ロー
ラを設け、前記溝付きローラまたは吸着ローラを前記乾
燥風より低温に維持する工程とを有している。なお、前
記低温に維持する工程は、前記溝付きローラまたは吸着
ローラを含む部分を他の部分から区切ったゾーンと、こ
のゾーンの空気温度を調節する空調工程とを有している
ことが好ましい。また、前記空調工程は、低温の空調風
を前記ゾーンに送り込む工程や、前記溝付きローラまた
は吸着ローラに冷風を吹き付ける工程や、前記ゾーンに
含まれる乾燥風を低温化する工程や、前記ゾーン内に空
気浮上用ダクトを設け、そのダクトから送風される風を
低温化する工程を用いることがより好ましい。
【0016】本発明の塗布膜の乾燥方法は、前述したい
ずれかの塗布膜の乾燥装置、または前述した塗布膜の乾
燥設備を用いて、前記塗布膜を乾燥する方法において、
前記溝付きローラまたは吸着ローラから前記支持体への
伝熱量を小さくするに際して、前記溝付きローラまたは
吸着ローラを含む第1ゾーンの乾球温度を、前記第1ゾ
ーンの直前にある第2ゾーンの終点における前記塗布膜
の融点以下に設定する。また、本発明の塗布膜の乾燥方
法は、前述したいずれかの塗布膜の乾燥装置、または前
述した塗布膜の乾燥設備を用いて、前記塗布膜を乾燥す
る方法において、塗布開始前には、前記溝付きローラま
たは吸着ローラを含む第1ゾーンの直前に設けた第2ゾ
ーンの温度を定常状態の条件より低く設定し、塗布開始
後、一定時間を経過した後に前記第2ゾーンの乾燥条件
を定常状態の乾燥条件に戻す。なお、本発明において
「塗布膜の融点」とは、塗布膜を加熱することにより、
ゲルからゾルに変化して流動性を帯びる温度を意味して
いる。
【0017】
【発明の実施の形態】[ウェブ]本発明に用いられるウ
ェブには、紙、プラスチックフイルム、レジンコーティ
ッド紙、合成紙などが挙げられる。プラスチックフイル
ムの材質は、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなど
のポリオレフィンや、酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポ
リスチレンなどのビニル重合体などを使用することがで
きる。また、ナイロン−66、ナイロン−6などのポリ
アミドや、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレートなどのポリエステルを使用する
こともできる。さらには、ポリカーボネートなどを使用
することができ、セルローストリアセテート(以下、T
ACと称する)、セルロースジアセテートなどのセルロ
ースアセテートなどを使用することもできる。これらウ
ェブには、ゼラチンなどの下引き層が支持体表面に形成
されていることが塗布性を良好にするために好ましい。
また、レジンコーティッド紙に用いる樹脂としては、ポ
リエチレンをはじめとするポリオレフィンが代表的であ
るが、必ずしもこれに限定されない。
【0018】[塗布液]本発明に用いることができる塗
布液は、その用途に応じて種々の液組成のものを使用で
き、特に限定されない。例えば、写真感光材料の製造に
おいては、感光乳剤層,下塗り層,保護層,バック層な
どを形成する塗布液を用いることができる。その他に
も、接着剤層,着色層,防錆層などを形成する塗布液を
用いることができる。これら塗布液には、水溶性バイン
ダーまたは有機バインダーを含有しているものが好まし
く用いられる。特に塗布液の主成分としてはゼラチンが
好ましく用いられるが、これらに限定される訳ではな
い。
【0019】[塗布装置]本発明において、前述したウ
ェブに塗布液を塗布する塗布装置は、特に限定されな
い。例えば、カーテンコート式、ローラビート式、スプ
レーコート式、エクストルージョンコート式、スライド
ビード式など公知のいずれの塗布装置を用いることがで
きる。
【0020】[塗布膜の乾燥装置及び乾燥設備並びに乾
燥方法]本発明に係る塗布膜の乾燥設備を備えた塗布ラ
イン10を図1を用いて説明する。なお、説明において
は塗布液の主成分にはゼラチンを用いて例を示すが、本
発明の塗布液は、その形態に限定される訳ではない。ロ
ール状のウェブ11が巻き解かれながら送り出し機12
から送り出される。前述した塗布装置13によりウェブ
11上に前述した塗布液を塗布し塗布膜を形成した後
に、冷却装置14によりウェブ11上の塗布膜の主成分
であるゼラチンをゲル化し、流動性を減少させる。な
お、この際にゼラチンはゲル化し流動性を失っている
が、このゲル化したゼラチンを加熱することにより再度
ゾル化し流動性を有する状態にする温度が、「塗布膜の
融点」である。次に、その塗布膜の融点より低い温度に
設定されているサクションドラム15によりウェブ11
を搬送して乾燥装置16に送り込む。このようにサクシ
ョンドラム15の温度を制御することで、ウェブ11を
搬送する際の塗布膜の膜厚ムラ、孔写りの発生が抑制さ
れる。乾燥装置16でウェブ11は熱風により乾燥され
た後に、巻き取り機17に巻き取られる。なお、乾燥装
置16には、前述した無接触乾燥装置が好ましく用いら
れるが、本発明の乾燥装置は、無接触乾燥装置に限定さ
れる訳ではなく、パスローラを用いた接触乾燥装置を用
いることもできる。
【0021】図1に示したように送り出し機12、塗布
装置13、冷却装置14、サクションドラム15、乾燥
装置16、巻取り機17は、それぞれ独立した区分であ
る送り出しゾーン20、塗布ゾーン21、冷却ゾーン2
2、ドラムゾーン23、乾燥ゾーン24、25、26
(図1では、3分割にした形態を示した)、巻取りゾー
ン27に配置されている。それぞれのゾーン20〜27
には、空調機30〜37が取り付けられ、独立した空調
風が送り込まれ、空気の温度、湿度などの条件(以下、
空調条件と称する)が制御されている。また、空調機3
0〜37は、温度調節システム38により好ましい条件
に制御される。なお、本発明において塗布ラインの形態
は図示したものに限定されず、乾燥ゾーンをさらに細分
化したり、他のゾーンもさらに区切ることができる。乾
燥終了点以降の乾燥ゾーン後半を調湿ゾーンとすること
もできる。
【0022】図1に示したようにサクションドラム15
は、ドラムゾーン23内に配置され、空調機33がその
ゾーン23に取り付けられている。このため、ドラムゾ
ーン23内のみ独立して空調条件が制御できる。そこ
で、その中に配置されているサクションドラム15の温
度(乾球温度)などを制御することができ、塗布膜表面
の膜厚ムラ、孔写りの発生を抑制することができる。空
調機33からの空調風の供給はドラムゾーン23内に吹
き込む方法でも良いし、サクションドラム15に向けて
吹き付ける方法でも良い。また、空調風の温度は、25
℃以下であることが好ましいが、この温度に限定される
訳ではない。
【0023】なお、図1では、サクションドラム15を
ドラムゾーン23に配置した形態を示した。しかしなが
ら、本発明においてこのドラムゾーン23は、必ずしも
設けられている必要はない。この場合には、隣接するゾ
ーン(図1では冷却ゾーン22または乾燥ゾーン24)
内の空調条件を変更することで、サクションドラム15
の空調条件を制御できる。また、本発明においてサクシ
ョンドラム15からウェブ11への伝熱量を小さくする
方法は、サクションドラム15が設けられたドラムゾー
ン23の空調条件の変更方法に限定されない。例えば、
サクションドラム15内部に冷却水などを通水すること
でサクションドラム15の温度を低温化することもでき
る。さらには、サクションドラム15の表面に熱伝導性
の低い素材を貼り付ける方法も用いることができる。
【0024】ここで各ゾーンの代表的な空調条件として
は、 冷却ゾーン22:乾球温度5〜23℃、露点5℃以下、 冷却ゾーン22の終点における塗布膜の融点:23〜2
8℃、 ドラムゾーン23:乾球温度15〜28℃、湿球温度2
4℃以下、 乾燥ゾーン24:乾球温度23〜60℃、湿球温度24
℃以下、 乾燥ゾーン25:乾球温度23〜60℃、湿球温度24
℃以下、 乾燥ゾーン26:乾球温度23〜60℃、湿球温度24
℃以下、 乾燥ゾーン26を調湿ゾーンにした場合、 調湿ゾーン:乾球温度23〜40℃、相対湿度30〜7
5%、 が挙げられるが、本発明の空調条件は前述した条件に限
定される訳ではない。
【0025】本発明に係る塗布膜の乾燥設備を用いた他
の形態の塗布ライン40を図2に示し説明する。なお、
図1と同じ部材には同一の符号を付し、説明は省略す
る。図2に示した塗布ライン40は、送り出し機12、
塗布装置13、冷却装置14、乾燥装置41、サクショ
ンドラム15、乾燥装置42、巻取り機17が、それぞ
れ独立した区画である送り出しゾーン20、塗布ゾーン
21、冷却ゾーン22、乾燥ゾーン43、44(図2で
は、2分割した形態を示した)、ドラムゾーン45、乾
燥ゾーン46、巻取りゾーン27に配置されている。そ
れぞれのゾーン20〜22、43〜46、27には、空
調機30〜32、47〜50、37が取り付けられ、独
立した空調風が送り込まれ、空調条件が制御されてい
る。また、空調機30〜32、47〜50、37は、温
度調節システム38により好ましい条件に制御される。
なお、本実施形態においても塗布ラインの形態は図示し
たものに限定されず、乾燥ゾーンをさらに細分化した
り、他のゾーンもさらに区切ることができる。乾燥終了
点以降の乾燥ゾーン後半を調湿ゾーンとすることもでき
る。
【0026】ウェブ11が送り出し機12から送り出さ
れ、塗布装置13によりウェブ11上に塗布液が塗布さ
れ塗布膜を形成する。その後に、冷却装置14によりウ
ェブ11上の塗布膜をゲル化し、流動性を減少させる。
次に、乾燥装置41により塗布膜を乾燥する。この際の
乾燥ゾーン43、44の条件は、図1に示した塗布ライ
ン10の乾燥ゾーン24〜26の温度と同様に設定す
る。乾燥装置41によりウェブ11上の塗布膜を乾燥す
ることで、塗布膜中の溶媒が揮発するため、サクション
ドラム15に達する直前の塗布膜中のゼラチン濃度が高
くなっており、図1の場合と比べて塗布膜の融点も高く
なる。このため、サクションドラム15の温度は、図1
に示した温度より高温に設定することができる。サクシ
ョンドラム15によりウェブ11を搬送して乾燥装置4
2に送り込み、ウェブ11を再び熱風により乾燥した後
に、巻き取り機17で巻き取る。なお、乾燥装置41、
42には、前述した無接触乾燥装置が好ましく用いられ
るが、本発明の乾燥装置は、その乾燥装置に限定される
訳ではない。
【0027】さらに、塗布開始前、ウェブ11搬送中の
サクションドラム15の表面温度をできるだけ低くする
ため、乾燥ゾーン44の温度を低く設定し、塗布開始後
一定時間後に定常状態に乾燥条件に戻すこともできる。
以上の乾燥方法によれば、塗布膜の乾燥を高温により行
なっても、膜厚ムラ、孔写りの発生を抑制できる。
【0028】なお、図2の実施形態においても、ドラム
ゾーン45は、必ずしも設けられている必要はない。こ
の場合には、隣接するゾーン(図2では加熱ゾーン44
または乾燥ゾーン46)内の空調条件を変更すること
で、サクションドラム15の空調条件を制御することが
できる。
【0029】ここで各ゾーンの代表的な空調条件として
は、 冷却ゾーン22:乾球温度5〜23℃、露点5℃以下、 乾燥ゾーン43:乾球温度23〜60℃、湿球温度24
℃以下、 初期の乾燥ゾーン44:乾球温度23〜40℃、湿球温
度24℃以下、 定常後の乾燥ゾーン44:乾球温度23〜60℃、湿球
温度24℃以下、 乾燥ゾーン44の終点における塗布膜の融点:25〜3
5℃、 ドラムゾーン45:乾球温度20〜30℃、 乾燥ゾーン46:乾球温度23〜60℃、湿球温度30
℃以下、 が挙げられるが、本発明の空調条件は前述した条件に限
定される訳ではない。
【0030】本発明に係る塗布膜の乾燥設備を用いた他
の形態の塗布ライン51の要部を図3に示し説明する。
冷却ゾーン(図示しない)で、塗布膜がゲル化したウェ
ブ11は、サクションドラム15が設けられたドラムゾ
ーン52に送り込まれる。ウェブ11はサクションドラ
ム15に巻きかかりながら搬送され、その走行方向が変
えられる。さらに、ウェブ11の走行方向を変えるため
に、ドラムゾーン52内には空気浮上用ダクト53が設
けられている。空気浮上用ダクト53は、ウェブ11の
塗布膜が形成されている面に風54を吹き付けながら、
ウェブ11を搬送する。そして、空気浮上用ダクト53
から吹き付けられた風54は、ウェブ11上に形成され
ている塗布膜を乾燥するため、このドラムゾーン52を
乾燥ゾーンと見なすこともできる。また、この風54を
低温にすることでドラムゾーン52全体の温度が低下
し、サクションドラム15の低温化を図ることもでき
る。なお、図3に示すように空調機55を取り付けて、
ドラムゾーン53内の空調条件を制御しても良い。ドラ
ムゾーン52内で、走行方向が変えられるとともに塗布
膜の乾燥も行なわれたウェブ11は、乾燥ゾーン56に
送り込まれ乾燥装置57により、さらに塗布膜の乾燥が
行なわれる。本実施形態においても、乾燥ゾーン56に
空調機58を取り付け、そのゾーンの空調の制御を行っ
ても良い。
【0031】なお、図1ないし図3では吸着ローラとし
ての駆動用ドラムにサクションドラムを用いたが、これ
は表面が平滑でないローラ(例えばワイヤー巻きでその
隙間から吸引するタイプのローラ)、表面に溝を設けそ
の溝によりウェブを搬送する溝付きローラ等を用いても
よい。特に、直径が200mm以上の前記各ローラが好
ましく用いられる。また、図1ないし図3の説明におい
ては、各ゾーン内には空気(大気)が充満している実施
形態を示した。しかしながら、本発明の乾燥装置、乾燥
設備内に充満している気体は空気に限らず、例えば窒素
で装置、設備内を置換したものにも適用が可能である。
【0032】
【実施例】[実施例]下塗りしたTACからなるウェブ
に写真感光材料塗布液を100μmの厚さで塗布速度2
00m/minにて、図1に示した塗布ラインにより塗
布し、フイルムを製造した。冷却ゾーン22の空調条件
は温度(乾球温度)18℃、露点0℃に設定した。サク
ションドラム15には直径500mmのものを用い、ウ
ェブ11とサクションドラム15とのラップ角が90°
になるように配置した。また冷却ゾーン22の出口での
塗布液濃度に対応する塗布膜の融点は25℃であった。
また、ドラムゾーン23の温度は22℃に設定した。こ
の際にドラムゾーン23から送り出されたウェブ11上
の塗布膜の膜面温度は20℃であった。さらに、乾燥装
置16で乾燥し、フイルムを得た。乾燥ゾーン24の空
調条件は、温度40℃、湿度15%に設定した。得られ
たフイルムは、塗布開始部より10m程度が不均一な塗
布膜であったが、それ以降の塗布膜は均一なものが得ら
れた。
【0033】[比較例]実施例と同じ条件のウェブに図
2に示す塗布ラインを用いて塗布液を塗布し、フイルム
を製造した。冷却ゾーン22の空調条件は実施例と同じ
条件とした。サクションドラムも実施例と同じものを用
い、同じ条件で配置した。冷却ゾーン22の出口での塗
布膜の融点は25℃であった。ドラムゾーン45から送
り出されたウェブ11上の塗布膜の塗布開始直後の膜面
温度は30℃であった。さらに、乾燥装置42で乾燥
し、フイルムを得た。乾燥ゾーン43の空調条件は、温
度40℃、湿度15%に設定した。得られたフイルム
は、塗布開始部より300mに渡りサクション孔の形状
のムラが観察され、不良品であった。
【0034】
【発明の効果】本発明の塗布膜の乾燥方法によれば、塗
布膜が形成された支持体を連続走行させて前記塗布膜を
乾燥する方法において、前記支持体に乾燥風をあてて前
記塗布膜を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程中に、溝
付きローラまたは周面に前記支持体を吸着して搬送する
吸着ローラを設け、前記溝付きローラまたは吸着ローラ
を前記乾燥風より低温に維持する工程とを有するから、
前記溝付きローラまたは吸着ローラから前記支持体への
伝熱量が小さくなる。
【0035】本発明の塗布膜の乾燥方法によれば、塗布
膜が形成された支持体を連続走行させて前記塗布膜を乾
燥する塗布膜の乾燥装置が、溝付きローラまたは周面に
前記支持体を吸着して搬送する吸着ローラと、前記溝付
きローラまたは吸着ローラから前記支持体への伝熱量を
小さくするための手段とを有する塗布膜の乾燥装置であ
り、前記溝付きローラまたは吸着ローラから前記支持体
への伝熱量を小さくするに際して、前記溝付きローラま
たは吸着ローラを含む第1ゾーンの乾球温度を、前記第
1ゾーン直前にある第2ゾーンの終点における前記塗布
膜の融点以下に設定するから、塗布速度が速くなって
も、塗布膜の膜厚ムラや孔写りの発生を抑制できる。
【0036】また、本発明の塗布膜の乾燥方法によれ
ば、塗布膜が形成された支持体を連続走行させて前記塗
布膜を乾燥する塗布膜の乾燥装置が、溝付きローラまた
は周面に前記支持体を吸着して搬送する吸着ローラと、
前記溝付きローラまたは吸着ローラから前記支持体への
伝熱量を小さくするための手段とを有する塗布膜の乾燥
装置であり、塗布開始前には、前記溝付きローラまたは
吸着ローラを含む第1ゾーンの直前に設けた第2ゾーン
の温度を定常状態の条件より低く設定し、塗布開始後、
一定時間を経過した後に前記第2ゾーンの乾燥条件を定
常状態の乾燥条件に戻すから、前記溝付きローラまたは
吸着ローラの冷却効果が減少することが抑制され、塗布
膜の膜厚ムラや孔写りの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾燥設備を用いて構成された塗布
ラインの概略図である。
【図2】本発明に係る乾燥設備を用いて構成された塗布
ラインの他の実施形態の概略図である。
【図3】本発明に係る乾燥設備を用いて構成された塗布
ラインの他の実施形態の要部概略図である。
【図4】従来の塗布ラインの概略図である。
【図5】従来の塗布ラインの他の実施形態の概略図であ
る。
【符号の説明】
10、40 塗布ライン 11 ウェブ 12 送り出し機 13 塗布装置 14 冷却装置 15 サクションドラム 16、41、42 乾燥装置 17 巻き取り機 20 送り出しゾーン 21 塗布ゾーン 22 冷却ゾーン 23、45 ドラムゾーン 24、25、26、43、44、46 乾燥ゾーン 27 巻き取りゾーン 33、49 空調機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H098 GA01 GA09 GA11 3L113 AA02 AA03 AB02 AC01 AC21 AC33 AC45 AC46 AC52 AC54 AC63 AC64 AC76 BA28 DA24 4D075 BB24Z DA04 DB18 DB33 DB36 DB37 DB38 DB40 DB48 DB53 DC27 EA45 4F042 AA22 AB00 DB25 ED05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布膜が形成された支持体を連続走行さ
    せて前記塗布膜を乾燥する塗布膜の乾燥装置において、 溝付きローラまたは周面に前記支持体を吸着して搬送す
    る吸着ローラと、 前記溝付きローラまたは吸着ローラから前記支持体への
    伝熱量を小さくするための手段と、を有することを特徴
    とする塗布膜の乾燥装置。
  2. 【請求項2】 少なくとも乾燥終了点までは、前記溝付
    きローラまたは吸着ローラ以外は前記支持体に接触する
    ことなく搬送する無接触搬送手段を有することを特徴と
    する請求項1記載の塗布膜の乾燥装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の乾燥装置と、 この乾燥装置の前段に配置された、前記塗布膜を冷却す
    る冷却装置と、を有する塗布膜の乾燥設備。
  4. 【請求項4】 塗布膜が形成された支持体を連続走行さ
    せて前記塗布膜を乾燥する方法において、 前記支持体に乾燥風をあてて前記塗布膜を乾燥する乾燥
    工程と、 前記乾燥工程中に、溝付きローラまたは周面に前記支持
    体を吸着して搬送する吸着ローラを設け、前記溝付きロ
    ーラまたは吸着ローラを前記乾燥風より低温に維持する
    工程と、を有することを特徴とする塗布膜の乾燥方法。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の塗布膜の乾燥装
    置、または請求項3記載の塗布膜の乾燥設備を用いて、
    前記塗布膜を乾燥する方法において、 前記溝付きローラまたは吸着ローラから前記支持体への
    伝熱量を小さくするに際して、前記溝付きローラまたは
    吸着ローラを含む第1ゾーンの乾球温度を、前記第1ゾ
    ーンの直前にある第2ゾーンの終点における前記塗布膜
    の融点以下に設定することを特徴とする塗布膜の乾燥方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1または2記載の塗布膜の乾燥装
    置、または請求項3記載の塗布膜の乾燥設備を用いて、
    前記塗布膜を乾燥する方法において、塗布開始前には、
    前記溝付きローラまたは吸着ローラを含む第1ゾーンの
    直前に設けた第2ゾーンの温度を定常状態の条件より低
    く設定し、 塗布開始後、一定時間を経過した後に前記第2ゾーンの
    乾燥条件を定常状態の乾燥条件に戻すことを特徴とする
    塗布膜の乾燥方法。
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