JP2003024858A - フローティングドライヤーと塗膜乾燥方法及びそれを用いた画像形成材料の製造方法 - Google Patents

フローティングドライヤーと塗膜乾燥方法及びそれを用いた画像形成材料の製造方法

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JP2003024858A
JP2003024858A JP2001212162A JP2001212162A JP2003024858A JP 2003024858 A JP2003024858 A JP 2003024858A JP 2001212162 A JP2001212162 A JP 2001212162A JP 2001212162 A JP2001212162 A JP 2001212162A JP 2003024858 A JP2003024858 A JP 2003024858A
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dryer
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floating dryer
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Hironobu Iwashita
広信 岩下
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フローティングドライヤーを用いながら、そ
の問題点であるノズルに塗膜面が接触し製品に搬送傷を
付ける、或いは、ドライヤーの出入り口に塗膜面が触れ
て塗膜に傷を付ける等の問題を起こさず、イナート方式
でドライヤー内部の酸素濃度を低く維持するのに適し
た、フローティングドライヤーと塗膜乾燥方法及びそれ
を用いた画像形成材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 連続走行する可撓性支持体表面上の塗膜
より溶剤を蒸発させるフローティングドライヤーにおい
て、該支持体がドライヤーに入った後に、一旦、ガイド
ロールで支持体裏面より保持してから無接触搬送を開始
することを特徴とするフローティングドライヤー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フローティングド
ライヤーと塗膜乾燥方法及びそれを用いた画像形成材料
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塗膜の乾燥方法および装置については、
従来より各種の提案がなされ実用化されてきている。し
かし、より速く、より薄く、より均一にといった塗布技
術への要求に応えるため、この方面の技術開発は、現在
でも盛んに行われている。
【0003】従って、例えば塗膜の乾燥技術への要求も
年々その性能水準が上がっており、その要求を満たすた
めに技術開発が続けられている。
【0004】塗膜を乾燥させる技術にも多種の方式があ
るが、この中で最も有力な技術の一つにフローティング
方式のドライヤー(乾燥機)を用いるものがある。フロ
ーティング方式のドライヤーは、支持体通路の両側のノ
ズルから吹出された熱風の間をノズルに接触しないよう
に、支持体を浮かせながら非接触で搬送しつつ乾燥する
方式である。なお、フローティングドライヤーの入り口
より上流側、及び出口より下流側は、一般的には支持体
を安定に搬送可能な抱き角でサクションロールやガイド
ロールにより保持搬送される。
【0005】本乾燥方式は、厚み3.5μmの薄い高分
子フィルムから、厚み2〜3mmの鋼板まで広範囲多種
の支持体に対し適用でき、条件的にも20〜1000N
/mという広い張力範囲で非接触かつ高速で安定的な乾
燥が可能である。従って、様々な塗工物の乾燥装置とし
て使用されている。
【0006】しかし、1.5mを越える幅広い支持体上
の塗膜を乾燥する場合においては、一番目のノズルや、
一番最後のノズルに塗膜面が接触し製品に搬送傷を付け
る場合がある。
【0007】又、ドライヤーからの出入り口の高さ方向
(支持体幅の方向と垂直な方向)の長さが50mm以
下、さらには30mm以下と狭い場合には、支持体のバ
タツキや、撓みにより出入り口に接触し製品に傷を付け
る場合がある。
【0008】特に、イナート方式のドライヤーにおいて
は、特開平11−132661号公報記載のごとく、ド
ライヤー内部の酸素濃度を低く維持するため、出入り口
は狭くすることが好ましい。しかし、出入り口での支持
体の接触を防止するためには、出入り口を狭くすること
が困難であった。特に幅が1.5mを越えるような幅広
の支持体や、撓みの大きい支持体においてはこの傾向が
強い。
【0009】一方、裏面をガイドロールで保持する方式
のドライヤーは、上面片側からの熱量付与であり、両面
から熱風を吹き当てるフローティング方式ドライヤーと
比べ、どうしても付与される熱量が少なくなり、高速で
乾燥することが出来にくい。
【0010】又、裏面をガイドロールで保持するドライ
ヤーは、擦り傷を防止するために、テンデンシーや、チ
ェーン駆動、あるいは裏面からの減圧による支持体搬送
速度と、ガイドロール周速の同期性を充分にとる必要が
あり、フローティング方式ドライヤーと比べ、装置構成
上どうしても部品点数が多くなる欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
問題点を解決するためになされた。
【0012】即ち、本発明の目的は、フローティングド
ライヤーを用いながら、その問題点であるノズルに塗膜
面が接触し製品に搬送傷を付ける、或いは、ドライヤー
の出入り口に塗膜面が触れて塗膜に傷を付ける等の問題
を起こさず、イナート方式でドライヤー内部の酸素濃度
を低く維持するのに適した、フローティングドライヤー
と塗膜乾燥方法及びそれを用いた画像形成材料の製造方
法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、フローティングドライヤー内部にある支持体
の最初と最後の少なくとも何れかを、裏面よりガイドロ
ールにより保持し、その中間部分の支持体はフローティ
ングさせて無接触搬送を行うことにより、本発明の目的
を達成できることを見いだし本発明に至った。
【0014】即ち、本発明の目的は、下記構成の何れか
を採ることにより達成される。 〔1〕 連続走行する可撓性支持体表面上の塗膜より溶
剤を蒸発させるフローティングドライヤーにおいて、該
支持体がドライヤーに入った後に、一旦、ガイドロール
で支持体裏面より保持してから無接触搬送を開始するこ
とを特徴とするフローティングドライヤー。
【0015】〔2〕 連続走行する可撓性支持体表面上
の塗膜より溶剤を蒸発させるフローティングドライヤー
において、該支持体がドライヤーから出る前に、一旦、
ガイドロールで支持体裏面より保持してから無接触搬送
を終了させることを特徴とするフローティングドライヤ
ー。
【0016】〔3〕 連続走行する可撓性支持体表面上
の塗膜より溶剤を蒸発させるフローティングドライヤー
において、該支持体がドライヤーに入った後、及び出る
前に、一旦、ガイドロールで支持体裏面より保持して無
接触搬送することを特徴とするフローティングドライヤ
ー。
【0017】〔4〕 〔1〕、〔2〕又は〔3〕に記載
のフローティングドライヤーに用いられるガイドロール
が、支持体をガイドロールへ押し付ける手段を有するこ
とを特徴とするフローティングドライヤー。
【0018】〔5〕 〔4〕に記載のガイドロールへ押
し付ける手段が、支持体の裏面側を減圧する方式である
ことを特徴とするフローティングドライヤー。
【0019】〔6〕 〔5〕に記載の減圧する方式が、
少なくとも2本のガイドロールの間を減圧する方式であ
ることを特徴とするフローティングドライヤー。
【0020】〔7〕 〔1〕に記載のドライヤーの入
口、〔2〕に記載のドライヤーの出口の支持体が通過す
る部分の高さは1〜50mmであることを特徴とするフ
ローティングドライヤー。
【0021】〔8〕 〔3〕に記載のドライヤー出入り
口の支持体の通過する部分の高さが1〜50mmである
ことを特徴とするフローティングドライヤー。
【0022】
〔9〕 ドライヤーの出入り口にシール機
構を設け、内部を不活性ガスで充たしたイナート方式に
なっていることを特徴とする〔8〕に記載のフローティ
ングドライヤー。
【0023】〔10〕
〔9〕に記載のドライヤーの出
入り口の少なくとも一方が、少なくとも2本のガイドロ
ールを有し、その間を減圧することを特徴とするフロー
ティングドライヤー。
【0024】〔11〕 〔1〕〜〔10〕の何れか1項
に記載のフローティングドライヤーを用いて塗膜の乾燥
を行うことを特徴とする塗膜乾燥方法。
【0025】〔12〕 〔11〕に記載の塗膜乾燥方法
を用いることを特徴とする画像形成材料の製造方法。
【0026】上記〔1〕の構成を採ることにより、特に
幅が広い支持体(ベース)を使用した場合、主に支持体
のバタツキによるドライヤー進入直後の一番目のフロー
ティングノズルへの接触を有効に防止することが可能で
ある。
【0027】又、〔2〕の構成を採ることにより、特に
幅が広い支持体を使用した場合、支持体のバタツキによ
るドライヤーから出る直前の最後のフローティングノズ
ルへの接触を防止可能である。
【0028】さらに、〔1〕及び〔2〕の構成を組み合
わせることにより、ノズル以外の部分への接触や、狭い
ドライヤー出入り口でも支持体のバタツキによる接触を
有効に防止できる。
【0029】このため、フローティングドライヤーを使
用しても、より狭い出入り口にすることが可能であり、
イナート方式のドライヤーにおいては狭い出入り口によ
りドライヤー外部からの外気の侵入を防ぎ、低酸素濃度
維持に効果が高い。また、塗設層中から蒸発してきた溶
媒を含有したドライヤー内部の気体の外部への漏れ出し
も有効に防止できる。
【0030】〔4〕のように、裏面よりガイドロールを
接触させることにより、裏面側の支持体に沿ったフロー
ティングノズルの吹き出し風による動圧によって、ドラ
イヤー外へイナートガスのもれ出しを効果的に遮断でき
る。これによりドライヤー外部の環境維持に効果があ
る。特に、イナート方式のドライヤーにおいては、動圧
遮断による外界への漏れ防止による環境維持と、外界か
らの外気の進入防止に格段の効果がある。
【0031】さらに、〔5〕の構成の如く減圧により支
持体をガイドロールへ押し付ける方法により、ガイドロ
ールへの密着性を上げ、支持体速度との同期性を上げる
のみならず、バタツキによる浮きを効果的に防止し、ロ
ールとの擦り傷を防止、かつ、動圧遮断効果をより高め
ることが可能となる。
【0032】〔6〕の少なくとも2本のガイドロールの
間から減圧し、支持体をガイドロールへ押し付ける方法
により、ロール間からのみ減圧がなされることにより、
隣接する出入り口のシールから減圧機構を有するガイド
ロールへの風の吸い込みを防ぎ、ドライヤー内部の低酸
素濃度維持に効果がある。
【0033】又、フローティングドライヤー装置におい
て、無接触搬送系の繋ぎ目となるドライヤー出入り口で
のバタツキを完全に防止し、ドライヤーノズルへの接触
を有効に防止し、製品の損傷や、ノズルの汚れを防止す
ることができる。
【0034】さらにドライヤー出入り口を狭くしても出
入り口への接触を防止し、製品への傷つけやドライヤー
出入り口の汚れを防止する。
【0035】さらに、出入り口が狭いことにより、ドラ
イヤー内外の遮断効果を高め、ドライヤー外の環境保持
が高まり、特にイナート方式のドライヤーにおいては内
部の雰囲気の漏れ出しや、外気の侵入を防止し、低酸素
濃度維持、隣接環境の低溶剤濃度維持に効果が高い。
【0036】フローティングドライヤーは、一般的に、
動圧フローティング方式、(−)静圧フローティング方
式、(+)静圧フローティング方式に分類される。中で
も、(+)静圧フローティング方式は、ドライヤー内の
搬送張力を最も安定させることが出来るために最も好ま
しい形式である。
【0037】ただし、本発明においては、(+)静圧フ
ローティング方式に限定されるものではなく、(−)静
圧フローティング方式等を使用してもよい。
【0038】又、イナート方式のドライヤーとは、フロ
ーティング方式や、ロールで支持したトンネル式熱風噴
射に関係なく、一般的なドライヤー内の乾燥媒体である
空気を窒素ガス等の不活性ガスに置換する方式である。
【0039】本発明の場合、一般的には有機溶剤系の塗
布液を乾燥させるために用いられることが多い。ドライ
ヤーとは支持体の出入り口として開口部のあるBOX型
の乾燥機である。その内で支持体に塗工された塗布液を
乾燥させるため必要な温度の気流を吹き付ける。
【0040】その際、空気で乾燥させる方式では、乾燥
機内の溶剤の爆発燃焼を防止するために、爆発下限界溶
剤濃度の1/3〜1/4に希釈されるようにする必要が
ある。しかし、乾燥機内の空気を窒素ガスで置換し、乾
燥機内の酸素濃度を6%以下にした場合は、爆発の危険
がなく、5〜20容積%程度の高溶剤濃度で運転が可能
となり、また、大量の希釈空気を加熱するためのエネル
ギーが不要となり、省エネルギー型の運転が可能とな
る。
【0041】尚、本発明における保持とは、単に懸架す
るのみでなく、支持体面がロール面に、その両面の移動
速度が実質的に相違しないようにしっかりと接触してい
る状態をいう。
【0042】
【発明の実施の形態】本特許は溶媒中に溶質を溶解また
は固形物を分散させた液物を支持体上に塗工し、乾燥す
るものであれば溶媒種、溶質種、固形物種は限定される
ものではない。しかし、本発明が適用することの出来る
特に好ましい塗布液としては、有機溶剤を使用した塗布
液(塗工液)である。
【0043】本発明は、例えば、各種感光材料、熱現像
記録材料、アブレーション記録材料、磁気記録媒体、鋼
板表面処理、等の塗布液(下引き液、上塗り液、裏面層
液等を含む)の塗布液乾燥時の搬送に適用可能である。
【0044】本発明の塗布液に使用する溶剤(溶媒)と
しては、例えばメタノール、エタノール、アセトン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル、テトラハイドロフラ
ン、アセトニトリル等が挙げられる。特に好ましい有機
溶剤としてはメタノール、アセトン、メチルエチルケト
ンが挙げられる。又、溶剤として水を使用した塗布液に
も適用可能である。
【0045】本発明は、乾燥工程における発明である
が、塗布から乾燥への工程は、一般的に下記の如き工程
をたどる(図5の塗布機(塗布装置)全体の概要断面図
を参照)。
【0046】元巻1から巻出された支持体2はコーター
(塗布機)3に送られ塗布液を塗工される。ここにおい
て4は塗布液タンク、5は塗布液供給用のポンプであ
る。支持体は、塗工直前に塗布面または裏面、あるいは
両面をウェブクリーナーにより清掃されることが好まし
い。塗布面に異物が付着したまま塗布液を塗布すると塗
膜中に異物が入り、求める性能が得られなくなるほか、
塗布におけるスジ故障の原因となる。
【0047】バックロール6を有する塗布形態では、裏
面に異物が付着したまま塗布すると異物により塗布時に
支持体が持ち上げられ、局所的に塗膜の厚さが変動し均
一な塗膜が得られなくなる。ウェブクリーナーとして
は、多くの場合、粘着ロールやクリーンエアの吹きつけ
などが用いられる。
【0048】塗布方法は本発明では限定されるものでは
なく、ダブルロールコーターやリバースロールコーター
などのロールコーターやグラビアコーター、コンマコー
ター、エクストルージョンダイコーター等が挙げられ
る。
【0049】一般的に、支持体に塗布された塗膜の乾燥
は、上記塗布方法で支持体上に塗布された直後より開始
される。特に、有機溶剤系は、揮発性溶剤の爆発限界以
下とし、その場で人間が作業する場合は、許容される作
業環境以下に溶剤濃度を下げるために、塗布部で蒸発し
た溶剤を給排気する設備が必要である。
【0050】次の乾燥工程は、塗布部と区切りを設け、
支持体の進入口があるドライヤー7中で行われる。な
お、乾燥ボックスは断熱パネル等で覆われているのが普
通である。
【0051】乾燥には赤外線やマイクロ波を用いたもの
もあるが、一般的には加熱した空気や不活性ガス(イナ
ートガス)を、塗膜に均一に吹き付ける。これにより塗
膜から溶媒を蒸発させる手段が広く用いられている。
【0052】蒸発した溶剤を効率よく捕集し、また乾燥
環境を制御するためにも乾燥工程はボックス状の乾燥機
内にて行われる。この時乾燥ボックスは一つでも良い
が、複数のゾーンに区切ることにより各ゾーンの乾燥条
件を選択的に変更することができる。塗膜に気流を吹き
付けて乾燥させる場合、各ゾーンの乾燥条件としては乾
燥温度、吹き付ける風速、気流吹き出し口と塗膜の距
離、空気や不活性ガスの循環量、内部の溶剤濃度などが
挙げられる。
【0053】乾燥ゾーンへ空気や不活性ガスを供給し、
塗膜へ吹き付けるためにノズル8またはスリット等に加
えて、塗膜へ風の流れの影響を及ぼしにくいこれらと別
の供給口を併用することもある。
【0054】コーターから乾燥ボックス内までは塗膜が
未乾燥であり、表面に付着した異物は塗膜に接着してし
まうことから、周辺のクリーン度を高く保つ必要があ
る。乾燥ボックス内のクリーン度は製造する製品の性格
にもよるがクラス1000以下、好ましくはクラス10
0以下とすることが好ましい。
【0055】乾燥ボックスの前後で、支持体を裏面より
支持するロール9の表面性は、特に乾燥ボックス入口
(支持体の進入口)側は表面に溝加工がない平ロールが
好ましい。また、表面粗さを調整するためにロール表面
にサンドブラスト加工をしたり、メッキ処理も行われ
る。その表面性は、乾燥後の塗膜の仕上がりや、支持体
との同期性を上げる様に選択されるべきである。
【0056】本発明での支持体を搬送ロールに押し付け
る手段としては、乾燥ボックス内の上面部(支持体の塗
膜のある側)から温風を強く当てる方法、支持体の下方
(支持体の裏面側)から減圧して搬送ロールに吸い付け
る方法等があり、その減圧度はそのガイドロールと支持
体の同期性等より選択される。また乾燥ボックス出入り
口での支持体の位置精度を調整するため、支持体を搬送
ロールにラップさせる方法がある。
【0057】減圧する方法は、通常は吸引する方法が用
いられる。その手段としては一般的にはブロアーが用い
られる。必要な減圧度を吸引可能な装置であれば、その
手段はとらわれない。また、減圧度を調整する方法とし
て、ブロアーを回転させるモーターをインバーター駆動
等を用いて、ブロアーの回転数を変更する方法や、途中
系内に調整用ダンパーを1個以上設け、ダンパーによる
圧力調整が行われる。
【0058】
【実施例】次に、本発明の実施態様とその効果を実施例
により説明するが、無論本発明の態様はこれに限定され
るものではない。
【0059】塗布済み支持体の作製 セルロースアセテートブチレート樹脂を固形分濃度10
質量%でメチルエチルケトンに溶解し塗布液とした。こ
の塗布液をダイコーターにより、幅1.5m、厚さ17
5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製支持
体上に塗布した。湿潤状態での膜厚は50μmであり、
塗布速度は80m/minである。
【0060】塗布は5000m行い、表裏の傷の有無と
出入り口部の汚れを確認した。実施例内での2本のガイ
ドロールの間から減圧する方法は、直径125mmのガ
イドロールを2mmの隙間を設けて設置しその間を減圧
する方法とした。なお、減圧する部分は支持体の幅方向
より狭い部分で減圧を行った。減圧する手段はブロアー
により吸引する方法で行った。減圧度の調整はブロア−
の回転数、および、途中に設けたダンパーにより調整し
た。尚、2本のガイドロールの間の間隙は、2mmに限
定するものではなく、支持体やガイドロールの表面性摩
擦係数、さらには減圧度により最適な値に調整される。
また、フローティングドライヤー区間を確保出来る範囲
内で、保持力を上げたい場合は2本だけでなく、3本あ
るいは4本と本数を多くすることも可能である。また、
ガイドロールの直径も125mmに限定されるものでは
ない。
【0061】尚、支持体とガイドロールを保持する方法
として、本実施例では減圧する方法を用いたが、その方
法に限らず、例えばガイドロールにラップ角度を設けて
保持する方法でも良い。
【0062】〈実験1〉塗布された支持体を下記表1に
示す条件の乾燥装置にて乾燥を行い、フローティングド
ライヤー(乾燥ボックス)を通過した後の支持体表面を
観察し、擦り傷の有無を確認した。上下のノズル吹き出
し風速は20m/min、吹き出し風の温度は70℃、
乾燥機内の張力を200N/mとした。吹き出しノズル
の形状は(+)静圧フローティングとした。
【0063】
【表1】
【0064】結果は表1に示す如くである。ドライヤー
7内部の出入り口近傍に裏面より支持するガイドロール
が無く、出入り口開口高さが狭い比較例1では(図1参
照)、支持体表面に擦り傷が発生した。擦り傷の発生個
所を確認するとドライヤー出入り口の部分で支持体のバ
タツキにより擦り傷が表裏全面に多発していた。また、
入口部においては塗布液が付着し装置への著しい汚れが
発生し、また塗膜面には擦り傷が発生していた。又、入
口部においては支持体上の未乾燥の塗膜が装置に付着し
著しい汚れが発生した。出口部には塗膜が削れた汚れが
付着していた。
【0065】実施例1では、ドライヤー7入口直後に2
本のガイドロール11の間から減圧度500Paに減圧
し、支持体裏面をガイドロールへ押し付ける手段12を
もったガイドロールを設けた(図2参照)。このことに
より、入口では支持体のバタツキが抑えられ傷の発生は
無くなった。出口は開口高さを200mmまで広げたこ
とにより開口高さが十分あり、支持体がバタツキが有っ
ても接触することは無かった。また、出入り口の汚れの
付着は無かった。
【0066】実施例2では、ドライヤー7出口直前に2
本のガイドロール13の間から減圧度500Paで減圧
し支持体裏面をガイドロールへ押し付ける手段14をも
ったガイドロールを設けた(図3参照)。入口は開口高
さを200mmまで広げた。このことにより、出口では
支持体のバタツキは抑えられ傷の発生は無くなった。入
口は開口高さが十分あり、支持体のバタツキがあっても
接触することは無かった。また、出入り口の汚れの付着
は無かった。
【0067】実施例3ではドライヤー7入口直後、出口
直前に2本のガイドロールの間から減圧度500Paに
減圧し支持体裏面をガイドロールへ押し付ける手段をも
ったガイドロールを設けたことにより、出入り口での支
持体のバタツキは抑えられ傷の発生は無くなった(図4
参照)。入口は開口高さが十分あり、支持体がバタツキ
があっても接触することは無かった。また、出入り口の
汚れの付着は無かった。
【0068】〈実験2〉実験1と同じ塗布液を塗布した
実験1と同じ支持体を用いて、窒素雰囲気のイナート方
式のドライヤーにて乾燥を行い、乾燥機を通過した支持
体表面を観察し、擦り傷の有無を確認した。上下のノズ
ル吹き出し風速は20m/min、温度は70℃、乾燥
機内の張力を200N/mとした。
【0069】
【表2】
【0070】比較例2は、比較例1と同じ出入り口開口
高さで、かつ窒素雰囲気で実験を行った(図1参照)。
酸素濃度は6%以下であったが、比較例1同様、支持体
と出入り口の部分で接触し擦り傷が表裏全面に多発し
た。入口部においては支持体上の未乾燥の塗膜が装置に
付着し著しい汚れが発生した。出口部には塗膜が削れた
汚れが付着していた。
【0071】比較例3は、比較例2の出入り口高さを2
00mmに変更し実験を行った。開口部高さを大きくす
ることにより支持体との接触による擦り傷は表裏とも無
いが、開口高さが高いため酸素濃度は爆発を抑えるため
に安全域の6%以下にならず、塗布は100mで中止し
た。
【0072】実施例4は入口直後、出口直前に2本のガ
イドロールの間から減圧度100Paで減圧し支持体裏
面をガイドロールへ押し付ける手段をもったガイドロー
ルを設けた(図4参照)。出入り口の開口高さを50m
mにすることにより、酸素濃度は5.5%に下がり、か
つ擦り傷は無かった。また、出入り口の汚れの付着は無
かった。
【0073】実施例5は入口直後、出口直前に2本のガ
イドロールの間から減圧度100Paで減圧し、支持体
裏面をガイドロールへ押し付ける手段をもったガイドロ
ールを設けた(図4参照)。出入り口の開口高さを30
mmにすることにより、酸素濃度は4%に下がり、かつ
擦り傷も無かった。また、出入り口の汚れの付着は無か
った。
【0074】実施例6は入口直後、出口直前に2本のガ
イドロールの間から減圧度100Paで減圧し基材裏面
をガイドロールへ押し付ける手段をもったガイドロール
を設けた(図4参照)。出入り口の開口高さを15mm
にすることにより、酸素濃度は2%に下がり、かつ擦り
傷は無かった。また、出入り口の汚れの付着は無かっ
た。
【0075】実施例4,5,6の中では、酸素濃度が1
番少ない実施例6が、塗布中のドライヤー出入り口付近
のメチルエチルケトンの臭気が一番少なく良好であっ
た。
【0076】比較例4は、実施例5の入口直後、出口直
前のガイドロール部での減圧を行わなかった。この場合
は、支持体はガイドロールで保持されず、ガイドロール
が回らないため裏面全面に擦り傷が多発した。さらに、
支持体のバタツキも抑えられず出入り口に接触したため
か表面にも擦り傷が発生した。また、酸素濃度が6%以
上になったため、塗布を100mで中止した。なお、実
験終了後確認すると入口部においては支持体上の未乾燥
の塗膜が装置に付着し著しい汚れが発生していた。
【0077】
【発明の効果】本発明により、フローティングドライヤ
ーを用いながら、その問題点であるノズルに塗膜面が接
触し製品に搬送傷を付ける、或いは、ドライヤーの出入
り口に塗膜面が触れて塗膜に傷を付ける等の問題を起こ
さず、イナート方式でドライヤー内部の酸素濃度を低く
維持するのに適した、フローティングドライヤーと塗膜
乾燥方法及びそれを用いた画像形成材料の製造方法を提
供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来用いられていたフローティングドライヤー
の概要断面図。
【図2】本発明のフローティングドライヤーの概要断面
図。
【図3】本発明のフローティングドライヤーの概要断面
図。
【図4】本発明のフローティングドライヤーの概要断面
図。
【図5】塗布機(塗布装置)全体の概要断面図。
【符号の説明】
1 元巻 2 支持体 3 コーター(塗布機) 4 塗布液タンク 5 塗布液供給用のポンプ 6 バックロール 7 ドライヤー 11 入口直後のガイドロール 13 出口直前のガイドロール 12、14 押し付ける手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F26B 21/00 F26B 21/00 N G03C 1/498 G03C 1/498 1/74 1/74 351 351 Fターム(参考) 2H023 EA00 EA05 2H123 AB00 AB03 AB23 AB28 BC00 BC01 BC10 CB00 CB03 3L113 AA02 AB02 AC01 AC28 AC31 AC48 AC51 AC54 AC63 AC64 AC76 AC77 BA26 BA28 DA24 4D075 BB24Z BB56Z CA48 DA04 DB36 DC24 DC28 EA07 EA45 EB19 4F042 AA22 AB00 BA25 DB02 DB14 DB17 DB26 DB29 DB36 DE01 DF15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続走行する可撓性支持体表面上の塗膜
    より溶剤を蒸発させるフローティングドライヤーにおい
    て、該支持体がドライヤーに入った後に、一旦、ガイド
    ロールで支持体裏面より保持してから無接触搬送を開始
    することを特徴とするフローティングドライヤー。
  2. 【請求項2】 連続走行する可撓性支持体表面上の塗膜
    より溶剤を蒸発させるフローティングドライヤーにおい
    て、該支持体がドライヤーから出る前に、一旦、ガイド
    ロールで支持体裏面より保持してから無接触搬送を終了
    させることを特徴とするフローティングドライヤー。
  3. 【請求項3】 連続走行する可撓性支持体表面上の塗膜
    より溶剤を蒸発させるフローティングドライヤーにおい
    て、該支持体がドライヤーに入った後、及び出る前に、
    一旦、ガイドロールで支持体裏面より保持して無接触搬
    送することを特徴とするフローティングドライヤー。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3に記載のフローティ
    ングドライヤーに用いられるガイドロールが、支持体を
    ガイドロールへ押し付ける手段を有することを特徴とす
    るフローティングドライヤー。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のガイドロールへ押し付
    ける手段が、支持体の裏面側を減圧する方式であること
    を特徴とするフローティングドライヤー。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の減圧する方式が、少な
    くとも2本のガイドロールの間を減圧する方式であるこ
    とを特徴とするフローティングドライヤー。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載のドライヤーの入口、請
    求項2に記載のドライヤーの出口の支持体が通過する部
    分の高さは1〜50mmであることを特徴とするフロー
    ティングドライヤー。
  8. 【請求項8】 請求項3に記載のドライヤー出入り口の
    支持体の通過する部分の高さが1〜50mmであること
    を特徴とするフローティングドライヤー。
  9. 【請求項9】 ドライヤーの出入り口にシール機構を設
    け、内部を不活性ガスで充たしたイナート方式になって
    いることを特徴とする請求項8に記載のフローティング
    ドライヤー。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載のドライヤーの出入り
    口の少なくとも一方が、少なくとも2本のガイドロール
    を有し、その間を減圧することを特徴とするフローティ
    ングドライヤー。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10の何れか1項に記載の
    フローティングドライヤーを用いて塗膜の乾燥を行うこ
    とを特徴とする塗膜乾燥方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の塗膜乾燥方法を用
    いることを特徴とする画像形成材料の製造方法。
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