JP2009204242A - クリーンルーム - Google Patents
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Abstract
【課題】直列に隣接配置された複数のルームからなり、搬送物通過用開口部が形成された境界部を平面状の搬送物が連続的に搬送されるクリーンルームにおいて、クリーン環境を安定させることができる。
【解決手段】搬送物通過用開口部40が形成された境界部を介して直列に隣接配置された複数のルームからなるクリーンルームにおいて、搬送物通過用開口部40の位置であって、搬送物の幅方向両側近傍に、搬送物14と同一平面上に搬送物と厚みが同等な遮風板50、50を配置した。
【選択図】 図3
【解決手段】搬送物通過用開口部40が形成された境界部を介して直列に隣接配置された複数のルームからなるクリーンルームにおいて、搬送物通過用開口部40の位置であって、搬送物の幅方向両側近傍に、搬送物14と同一平面上に搬送物と厚みが同等な遮風板50、50を配置した。
【選択図】 図3
Description
本発明はクリーンルームに係り、特に、直列に隣接配置された複数のルームからなるクリーンルームであって、搬送物通過用開口部が形成された境界部を平面状の搬送物が連続的に搬送されるクリーンルームに関する。
近年、電子産業分野における半導体や液晶ディスプレイ、医薬品分野における医薬用包装容器、食品分野における充填容器などの製品を製造するにあたり、フィルムや薄板状の基板などの平面状の搬送物を搬送しながら形成・加工する工程を有することが多い。この形成・加工工程においては、製品の品質確保、異物混入を防止するため、クリーンルーム内に設けられている。また、各工程において、それぞれクリーンルームが仕切られており、その仕切られた境界部に搬送物を搬送するための開口部が設けられている。
特許文献1には、積層体フィルム転写設備及び転写方法において、2つのクリーンルーム境界部のフィルム貫通部にフィルムを挟み込むように2つの除塵装置を配置することが提案されている。特許文献2には、ラビング処理によって生じた異物を集塵ボックスの外に飛散させることなく系外に排出し、連続基板への付着や周辺装置への堆積を防止する方法および装置が提案されている。特許文献3には、連続ラビング処理装置において、ラビング処理が原因で発生する輝点故障を抑制する為、ラビングローラ(ラビングシートを巻いたローラ)の除塵およびラビング処理後のフィルム除塵が提案されている。
特開2003−71932号公報
特開2005−266019号公報
特開平9−166784号公報
しかしながら、特許文献1では、搬送テンション変動等により搬送物であるフィルムに振動が生じて、フィルムを擦ることによりキズを付けたり塵埃が発生してしまうという問題がある。また、異なる幅の製品を製造する時、製品幅を超える部分にも除塵装置のエアを当てることとなり、フィルム端部の振動の発生や除塵装置の噴出部に付着した塵埃を室内に吹き飛ばし、室内を汚染する原因となる。そして、特許文献2では、フィルム近傍の同伴エアにより、フィルムと共に搬送される微小異物を除去できず、集塵ボックスの外に飛散させてしまうという問題がある。また、特許文献3では、フィルムの除塵を低清浄度室で行った場合、除塵後異物が再付着し、高清浄度室で行った場合、除塵前に剥がれた異物が除塵器下流側で再付着するという問題がある。このように、特許文献1〜3では、クリーン環境を安定させることが困難であるという問題があった。また、クリーンルーム内を搬送される搬送物の幅は一定ではなく、搬送物の種類やロットの変更により搬送物の幅が異なることが通常である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、直列に隣接配置された複数のルームからなり、搬送物通過用開口部が形成された境界部を平面状の搬送物が連続的に搬送されるクリーンルームにおいて、クリーン環境を安定させることができるクリーンルームを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、前記目的を達成するために、搬送物通過用開口部が形成された境界部を介して直列に隣接配置された複数のルームからなるクリーンルームにおいて、前記搬送物通過用開口部の位置であって、搬送物の幅方向両側近傍に、前記搬送物と同一平面上に該搬送物と厚みが同等な遮風板を配置したことを特徴とする。
本発明の請求項1によれば、平面状の搬送物が接する2つのルーム間において連続的に搬送される搬送物通過用開口部の位置に、搬送物通過用開口部の幅よりも狭い幅の搬送物を搬送するときに、搬送物の幅方向両側近傍であって搬送物と同一平面上に搬送物との厚みが同等な遮風板を配置することで、搬送される搬送物の幅が変わっても、直列に隣接配置された複数のルームのクリーン環境を安定させることができる。
請求項2は請求項1において、前記搬送物は長尺状搬送物又は枚葉状搬送物であることを特徴とする。
請求項2によれば、搬送物が長尺状搬送物又は枚葉状搬送物であるときに本発明は特に有効である。
請求項3は請求項1において、前記搬送物が枚葉状な搬送物であって、複数の枚葉状な搬送物を間隔を置いて搬送する際には、該間隔領域を、前記搬送物と一緒に搬送されるとともに該搬送物と厚みが同等な枚葉用遮風板で埋めることを特徴とする。
請求項3によれば、搬送物が枚葉状な搬送物であって、複数の枚葉状な搬送物を間隔を置いて搬送する際に、間隔領域を、前記搬送物と一緒に搬送されるとともに該搬送物と厚みが同等な枚葉用遮風板で埋めることで、搬送物の先端部及び後端部でのエアの流れが変わることを抑制することができる。従って、直列に隣接配置された複数のルームのクリーン環境を安定させることができる。
請求項4は請求項1〜3の何れかにおいて、前記遮風板を前記搬送物の幅寸法に応じて前記同一平面上で移動できるようにしたことを特徴とする。
請求項4によれば、遮風板を搬送物の幅寸法に応じて同一平面上で移動できるようにしたので、搬送される搬送物の幅が変わっても、遮風板によりエアの流れを抑えることができるので、直列に隣接配置された複数のルームのクリーン環境を安定させることができる。
請求項5は請求項1〜4の何れかにおいて、前記直列に隣接配置された複数のルームは、搬送方向の下流側が上流側と比べて清浄度が同等以上であることを特徴とする。
請求項5によれば、直列に隣接配置された複数のルームは、搬送方向の下流側が上流側と比べて清浄度が同等以上にすることが、平面状の搬送物への異物付着による欠陥を抑制するのに好ましい。
請求項6は請求項1〜5の何れかにおいて、前記搬送物通過用開口部の位置に前記搬送物の上面側と下面側とに対向配置され、前記搬送物に気体を吹き付けて塵埃を除去する噴出口及び除去した塵埃を吸引する吸引口とを備えた一対の除塵装置を設けることを特徴とする。
請求項6によれば、平面状の搬送物が接する2つのルーム間において連続的に搬送される搬送物通過用開口部の位置に、搬送物に付着した異物を風圧により除去する噴出口と異物を吸引する吸引口とを備えた除塵装置を搬送物上下面に対向配置させることで、複数のルームのクリーン環境を安定させることができるとともに、効果的に搬送物の除塵を行うことができる。また、搬送物の幅方向両側近傍であって搬送物と同一平面上に搬送物との厚みが同等な遮風板を配置して、搬送物のない空間に吹き出された気体を遮風するので、搬送物端部の振動の発生を抑えることもできる。
請求項7は請求項1〜6の何れかにおいて、前記除塵装置には、超音波発生装置が付加されていることを特徴とする。
請求項7によれば、除塵装置に超音波発生装置が付加されていることで、超音波振動する圧縮空気を搬送物に吹付けることができるので、微小異物を効果的に除去することができる。
請求項8は、請求項1〜7の何れかにおいて、前記除塵装置の加圧風は、異物除去フィルタを通過した空気を使用することを特徴とする。
請求項8によれば、除塵装置の加圧風に異物除去フィルタを通過した空気を使用するので、更に微小異物を効果的に除去することができる。
本発明によれば、直列に隣接配置された複数のルームからなり、搬送物通過用開口部が形成された境界部を平面状の搬送物が連続的に搬送されるクリーンルームにおいて、クリーン環境を安定させることができるクリーンルームを提供することができる。
以下、添付図面により本発明のクリーンルームの好ましい実施の形態について詳説する。尚、ここでは、光学補償フィルム製造工程の場合について説明するが、光学補償フィルム製造工程に限らず、搬送物が平面状であれば何れの製造工程にも適用できる。
図1は、配向膜形成用樹脂層を有するフィルムを用いて光学補償フィルムを製造する製造装置の一例である。図1に示すように光学補償シートを作成して巻き取るまでの工程を連続的に、一貫生産で行なっても良い。配向膜形成用樹脂層を有するフィルムロール12から、配向膜形成用樹脂層を有する透明樹脂フィルム14が送出機16により送り出され、ラビングローラ18、ローラステージに固定されたガイドローラ20及びラビングローラに備え付けられた除塵機22からなるラビング装置により、ラビング処理が施され、形成された配向膜の表面は、ラビング装置に隣接して設けられた表面除塵機22により除塵される。配向膜が形成された透明樹脂フィルム14は、駆動ローラにより搬送され、配向膜上に、液晶性ディスコティック化合物を含む塗布液が塗布機24により塗布され、次いで、溶剤を蒸発させた後、加熱ゾーン26において、塗布層をディスコネマティック相形成温度に加熱して(ここで塗布層の残留溶剤も蒸発する)、ディスコネマティック相の液晶層を形成する。
上記液晶層は、次いで、紫外線(UV)ランプ28により紫外線が照射され、液晶層は架橋する。架橋させるためには、液晶性ディスコティック化合物として架橋性官能基を有する液晶性ディスコティック化合物を使用する必要がある。架橋性官能基を持たない液晶性ディスコティック化合物を用いた場合は、この紫外線照射工程は省略され、直ちに冷却される。この場合、ディスコネマティック相が冷却中に変化しないように、冷却は急速に行なう必要がある。配向膜及び液晶層が形成された透明樹脂フィルムは、検査装置30により透明樹脂フィルム表面の光学特性が測定され、異常がないかどうか検査が行なわれる。次いで、液晶層表面に保護フィルム32がラミネート機34によりラミネートされ、巻き取り装置36に巻き取られる。
ここで、光学補償フィルム製造工程は、主に、1)透明樹脂フィルム14送出工程A、2)表面に配向膜形成用樹脂層が形成された透明樹脂フィルム上に、樹脂層の表面にラビング処理を施し、透明樹脂フィルム上に配向膜を形成するラビング工程B、3)液晶性ディスコティック化合物を含む塗布液を、配向膜上に塗布する液晶性ディスコティック化合物の塗布工程C、4)該塗布層を乾燥して該塗布層中の溶媒を蒸発させる乾燥工程D、5)該液晶層を固化する(即ち、架橋性官能基を有する液晶性ディスコティック化合物を使用した場合、液晶層を光照射により架橋させる工程E、6)該配向膜および液晶層が形成された透明樹脂フィルムを巻き取る巻取工程F、とで構成されているが、各工程A〜Fの装置は、図1に示すように、それぞれ仕切られたルーム内に設けられている。それぞれのルームは、接する2つのルーム間において搬送物通過用開口部40が設けられている。
本発明は、搬送物通過用開口部が形成された境界部を介して直列に隣接配置された複数のルームからなるクリーンルームにおいて、前記搬送物通過用開口部の位置であって、搬送物の幅方向両側近傍に、前記搬送物と同一平面上に該搬送物と厚みが同等な遮風板を配置したことを特徴とする。
以下、直列に隣接配置されたラビング工程Bのルームbと塗布工程Cのルームcとについて説明する。
透明樹脂フィルム14は、図2に示すように、ガイドローラ42、44でガイドされて走行するようになっている。ルームbとルームcとの壁45には、搬送物通過用開口部40が形成されている。図3は図2を正面から見た図であるが、本発明では、搬送される透明樹脂フィルム14がない部分には、透明樹脂フィルム14の厚さと同等な遮風板50、50が、搬送される透明樹脂フィルム14と略同一面となるように設けられている。図3に示すように、シリンダー52により遮風板50を透明樹脂フィルム14の幅寸法に応じて同一平面上で移動できるようになっている。
このように、平面状の搬送物が接する2つのルーム間において連続的に搬送される搬送物通過用開口部の位置に、搬送物通過用開口部の幅よりも狭い幅の搬送物を搬送するときに、搬送物の幅方向両側近傍であって搬送物と同一平面上に搬送物との厚みが同等な遮風板を配置することで、搬送される搬送物の幅が変わっても、直列に隣接配置された複数のルームのクリーン環境を安定させることができる。
使用する透明樹脂フィルム14としては、一般に、その幅が300〜2000mm、長さが45〜10000m、厚さが2〜200μmのポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6 −ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフィルム、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙等からなる可撓性帯状物あるいは該帯状物を基材としてその表面に加工層を形成した帯状物が含まれる。
透明樹脂フィルム14への塗布液の塗布量としては、2〜15mL/m2 の範囲が好ましく採用できる。また、透明樹脂フィルム14への塗布液の塗布幅としては、500〜2000mmの範囲が好ましく採用できる。
また、塗布液の粘度としては、0.8〜10cp(0.8〜10×10-3Pa・s)の範囲が好ましく採用できる。
本発明のクリーンルームは、長尺状搬送物である光学補償フィルム製造に限らず、搬送物が基板などの枚葉式搬送物の製造にも適用できる。
図4は、薄板状の基板などの平面状の搬送物を搬送しながら形成・加工する工程において、接する2つのクリーンルーム間において搬送物通過用開口部を介して枚葉式搬送物15が連続的に搬送される様子を示した図である。
枚葉式搬送物15は、ガイドローラ42、43,44でガイドされて走行するようになっている。図4(A)に示すように、搬送物通過用開口部40に、搬送される搬送物15がない部分には、搬送物15の厚さと同等の遮風板50、50が、搬送される搬送物15と略同一面となるように設けられている(図3参照)。
このように、搬送物が枚葉状搬送物15であって、複数の枚葉状搬送物15を間隔を置いて搬送する際には、間隔領域を、枚葉状搬送物15と一緒に搬送されるとともに枚葉状搬送物15と厚みが同等な遮風板50、50で埋めることで、直列に隣接配置された複数のルームのクリーン環境を安定させることができる。従って、光学補償フィルムなどの長尺状搬送物の製造工程だけでなく搬送物が基板などの枚葉式搬送物の製造工程においても、直列に隣接配置された複数のルームのクリーン環境を安定させることができる。
尚、壁45の端と搬送物15の距離Hは小さくするとクリーン環境を安定させる能力が増すが、搬送物15のテンションが低い場合には、テンション変動により除塵装置48と接触する可能性が高くなる。一方、壁45の端と搬送物15の距離Hは大きくするとクリーン環境を安定させる能力が低下してしまう。従って、図4(B)は図4(A)の点線部分40aの拡大図であるが、壁45の端と搬送物15との距離Hには適切な範囲がある。本願出願人の実験によると、通常1mm〜3mm、好ましくは1mm〜2mmが良い。また、搬送物15と遮風板50との間隔Lは小さいと、搬送物15と遮風板50が接触する可能性が高くなる。間隔Lには適切な範囲があり、本願出願人の実験によると、1mm〜4mm、好ましくは2mm〜3mmの範囲が良い。
そして、2つのルームは、搬送方向の下流側が上流側と比べて清浄度が高い、又は、清浄度が同じであることが好ましい。2つのルームは、搬送方向の下流側が上流側と比べて清浄度を高く、又は、清浄度を同じにすることが、搬送物への異物付着を抑制するのに好ましいからである。
更に、搬送物が枚葉式搬送物である場合には、図5に示すように、搬送物15の搬送方向で搬送物15のない部分には、搬送物15の厚みと同等な枚葉用遮風板17を設けて搬送させることが考えられる。搬送物の前後にも搬送物の厚さと略同一の枚葉用遮風板17を設けて搬送させることで、搬送物のない部分でエアの流れが変わることを抑制することができるからである。
また、本発明では、図6に示すように、搬送物通過用開口部40の位置に、透明樹脂フィルム(搬送物)14の上面側と下面側とに対向配置され、透明樹脂フィルムに気体を吹き付けて塵埃を除去する噴出口48a及び除去した塵埃を吸引する吸引口48bとを備えた一対の除塵装置48を設ける態様が考えられる。尚、異物を除去するための除塵装置は、従来、クリーンルームc内の塗布機24の上流側に設けられている。
透明樹脂フィルム14は、図6に示すように、ガイドローラ42、44でガイドされて走行するようになっている。本発明では、搬送物通過用開口部40に、透明樹脂フィルム14に付着した異物46を風圧で除去する除塵装置48、48が走行する透明樹脂フィルム14の両面側にそれぞれ設けられている。また、除塵装置48には、噴出口48aと吸引口48bとが設けられている。除塵装置48は、噴出口48aと吸引口48bとが1つずつのもの、噴出口48aが1つで吸引口48bが2つのもの、噴出口48aが2つで吸引口48bが1つもの、などが考えられる。このように、平面状の搬送物が接する2つのルーム間において連続的に搬送される搬送物通過用開口部40で、上流側のルームbでの工程で発生し付着した搬送物への異物を除塵装置48、48で除去することで、更に直列に隣接配置された複数のルームのクリーン環境を安定させることができる。尚、透明樹脂フィルム14がない部分の除塵装置の噴出口を塞いでしまうと、エアの流れが変わってしまい、搬送物の振動は増してしまうので、振動によりエアの流れが不安定となりルームb及びルームcのクリーン環境を安定させることができない。
除塵装置48を設けた場合の風圧は、8KPa〜40KPaの範囲で使用することが望ましい。除塵装置48と対向するローラ50と透明樹脂フィルム14とのラップ角は、通常の場合、38度以上であり、好ましくは43度〜180度である。
また、除塵装置48には、超音波発生装置が付加されていることが好ましい。除塵装置に超音波発生装置が付加されていることで、超音波振動する圧縮空気を搬送物に吹付けることができるので、異物を効果的に除去することができる。そして、除塵装置48の加圧風は、異物除去フィルタを通過した空気を使用することが好ましい。除塵装置の加圧風に異物除去フィルタを通過した空気を使用するので、微小異物を効果的に除去することができるとともに、直列に隣接配置された複数のルームのクリーン環境を安定させることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
<実験1>
図1に示した光学補償フィルム製造装置10を用いて実験を行った。
図1に示した光学補償フィルム製造装置10を用いて実験を行った。
(光学補償フィルム用塗布液の調製)
下記に示すディスコティック化合物TE−8のR(1)とR(2)の重量比で4:1の混合物に対し、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V♯360、大阪有機科学(株)製)を10重量%、セルロースアセテートプチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)を0.6重量%、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)を3重量%、増感剤(カヤキュアーDET−X、日本化薬(株)製)を1重量%添加し、最終的にその混合物の32重量%メチルエチルケトン溶液とした。その液晶性化合物を含む液に、さらにフッ素系界面括性剤(フルオロ脂肪族基含有共重合体、メガファックF780、大日本インキ(株)製)を0.3重量%添加し、塗布液とした。
下記に示すディスコティック化合物TE−8のR(1)とR(2)の重量比で4:1の混合物に対し、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V♯360、大阪有機科学(株)製)を10重量%、セルロースアセテートプチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)を0.6重量%、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)を3重量%、増感剤(カヤキュアーDET−X、日本化薬(株)製)を1重量%添加し、最終的にその混合物の32重量%メチルエチルケトン溶液とした。その液晶性化合物を含む液に、さらにフッ素系界面括性剤(フルオロ脂肪族基含有共重合体、メガファックF780、大日本インキ(株)製)を0.3重量%添加し、塗布液とした。
(塗布条件)
・掻取り用バー装置…直径8mmの円柱状の芯材に0.07mmのワイヤーを密に巻回したワイヤーバー
・塗布速度…20m/分
・塗布テンション…200N/m
ここで、通過用開口部40のサイズを幅1600mm×高さ80mmとし、ウエブの厚み80μmで、幅1300mmのウエブAと幅950mmのウエブBの2種を用いた。ウエブAでの条件でクリーンルームの設定を行い、空調設定を変えずにウエブBに切り替えて、その際の塗布室(図1のルームc)の塵埃をパーティクルカウンタによって測定した。尚、前処理室(図1のルームb)と塗布室(ルームc)の間の壁厚は50mmとした。
・掻取り用バー装置…直径8mmの円柱状の芯材に0.07mmのワイヤーを密に巻回したワイヤーバー
・塗布速度…20m/分
・塗布テンション…200N/m
ここで、通過用開口部40のサイズを幅1600mm×高さ80mmとし、ウエブの厚み80μmで、幅1300mmのウエブAと幅950mmのウエブBの2種を用いた。ウエブAでの条件でクリーンルームの設定を行い、空調設定を変えずにウエブBに切り替えて、その際の塗布室(図1のルームc)の塵埃をパーティクルカウンタによって測定した。尚、前処理室(図1のルームb)と塗布室(ルームc)の間の壁厚は50mmとした。
遮風板50、50のウエブ走行方向の長さは壁厚と同じ50mmとそれよりも長い150mmの2種を用いて比較した。以下に実験条件及び実験結果を示す。
表1より、遮風板を用いることで、ウエブの幅が異なる場合であっても、塗布室のクリーン環境はほとんど変化しないことが分かる。これによって面倒な空調設定を必要とせず、簡素にクリーン環境を安定させることができることが分かる。尚、遮風板の長さは壁厚に対して3倍以上あることが好ましいことが分かる。
<実験2>
直列に隣接配置されたルームとして、基板前処理室(図4のルーム1)とレジスト塗布室(図4のルーム2)について実験を行った。基板前処理室のクリーン度をクラス10、塗布室をクラス1とした。また、塗布室はそのクリーン度を確保するために前処理室に対して5Pa加圧された空調設定とした。
直列に隣接配置されたルームとして、基板前処理室(図4のルーム1)とレジスト塗布室(図4のルーム2)について実験を行った。基板前処理室のクリーン度をクラス10、塗布室をクラス1とした。また、塗布室はそのクリーン度を確保するために前処理室に対して5Pa加圧された空調設定とした。
通過用開口部40のサイズを幅350mm×高さ80mmとし、基板保持ステージは310mm×310mm×15mmとした。
比較例2−1は、遮風板なしの開口のままでライン動作し、比較例2−2は通過用開口部40にシャッターを設け、基板が通過しないときはシャッターを閉めた。実施例2は、基板(搬送物)と同一平面上で移動できる遮風板(厚み15mm)を用い、基板が通過するときは、基板の側方から2mmまで近づけ、基板が通過しないときには、遮風板をさらに突き出して、開口部中央で遮風板が付き合わされるように動作した。評価はライン待機時とライン動作時それぞれの塗布室内の塵埃をパーティクルカウンタによって測定した。以下に実験条件及び実験結果を示す。
表2より、比較例2−1のように通過用開口部に何もないときは、通過用開口部を通過する風の流れのためクリーン度を向上させることが困難で、動作時のクリーン度も安定しないことが分かる。そして、比較例2−2のようにシャッターをつけ、停止・待機時にシャッターを閉めることで停止・待機時のクリーン度は向上しますが、動作時にはシャッターが開くことで空調条件が狂ってしまう。また、実施例2のように、停止・待機時と動作時との通過用開口部の状況が近い場合には、安定したクリーンルーム条件を設定することが可能になっていることが分かる。従って、遮風板を搬送物の幅寸法に応じて同一平面上で移動できるようにすることが好ましいことが分かる。
<実験3>
実験1と同じ光学補償シートの製造工程において実験を行った。
実験1と同じ光学補償シートの製造工程において実験を行った。
比較例3−1は、特許文献1(特開2003−71932)に示されているように、図1の搬送物通過用開口部40に除塵装置48を設けた。また、除塵装置48には、吸引装置を付加している。尚、除塵装置48は搬送物に対して距離Hが1.5mmのところに設けた。比較例3−2は、搬送物通過用開口部40に何も設けなかった。
実施例3は、搬送物通過用開口部40に図6に示した除塵装置48、48を設けた。また、除塵装置48、48には、吸引装置を付加した。尚、除塵装置48は搬送物に対して距離Hが1.5mmのところに設けた。また、図3に示した遮風板50、50を設けた。搬送物15と遮風板50との間隔Lは2.5mmとした。遮風板50の厚みは、ウエブの厚みに近いことが好ましいが除塵装置48の風に耐えられる1.5mmとした。
長尺上搬送物2000m塗布・検査後の異物除去数の比較結果を表1に示す。異物付着評価は塗布後の異物付着による故障を検査機にて、通常の異物故障数の50〜70%を○、70〜100%を△、100%以上を×と評価した。実験結果を表3に示す。
表3の結果から分かるように、搬送物通過用開口部の位置に、噴出口と吸引口とを備えた除塵装置を搬送物の上面側と下面側とに対向配置させて、噴出口から搬送物に気体を吹き付けて除去した塵埃を吸引口から吸引する除塵工程を設けるとともに、噴出口の幅よりも狭い幅の搬送物を搬送して除塵するときには、搬送物の幅方向両側近傍であって搬送物と同一平面上に搬送物との厚みが同等な遮風板を配置して、搬送物のない空間に吹き出された気体を遮風した実施例3は、そうではない比較例3−1及び3−2に比べ、異物付着評価において良い結果となっている。
10…光学補償フィルム製造装置、12…フィルムロール、14…透明樹脂フィルム(搬送物)、15…搬送物、16…送出機、17…枚葉用遮風板、18…ラビングローラ、20…ガイドローラ、22…除塵機、24…塗布機、26…加熱ゾーン、28…紫外線(UV)ランプ、30…検査装置、32…保護フィルム、34…ラミネート機、36…巻き取り装置、40…搬送物通過用開口部、42、43、44、45…ガイドローラ、46…異物、47…壁、48…除塵装置、50…遮風板
Claims (8)
- 搬送物通過用開口部が形成された境界部を介して直列に隣接配置された複数のルームからなるクリーンルームにおいて、
前記搬送物通過用開口部の位置であって、搬送物の幅方向両側近傍に、前記搬送物と同一平面上に該搬送物と厚みが同等な遮風板を配置したことを特徴とするクリーンルーム。 - 前記搬送物は長尺状搬送物又は枚葉状搬送物であることを特徴とする請求項1に記載のクリーンルーム。
- 前記搬送物が枚葉状な搬送物であって、複数の枚葉状な搬送物を間隔を置いて搬送する際には、該間隔領域を、前記搬送物と一緒に搬送されるとともに該搬送物と厚みが同等な枚葉用遮風板で埋めることを特徴とする請求項1に記載のクリーンルーム。
- 前記遮風板を前記搬送物の幅寸法に応じて前記同一平面上で移動できるようにしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のクリーンルーム。
- 前記直列に隣接配置された複数のルームは、搬送方向の下流側が上流側と比べて清浄度が同等以上であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のクリーンルーム。
- 前記搬送物通過用開口部の位置に前記搬送物の上面側と下面側とに対向配置され、前記搬送物に気体を吹き付けて塵埃を除去する噴出口及び除去した塵埃を吸引する吸引口とを備えた一対の除塵装置を設けることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のクリーンルーム。
- 前記除塵装置には、超音波発生装置が付加されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のクリーンルーム。
- 前記除塵装置の加圧風は、異物除去フィルタを通過した空気を使用することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のクリーンルーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008048194A JP2009204242A (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | クリーンルーム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008048194A JP2009204242A (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | クリーンルーム |
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018083196A (ja) * | 2018-01-29 | 2018-05-31 | 有限会社タクショー | 除塵装置 |
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2008
- 2008-02-28 JP JP2008048194A patent/JP2009204242A/ja active Pending
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