JP2012215325A - 乾燥装置、機能性膜形成システム、乾燥方法および機能性膜形成方法 - Google Patents

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功一 疋田
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貞稔 梅木
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Abstract

【課題】製造コストの低減を図りつつ、虹斑や波模様の発生を好適に回避する。
【解決手段】樹脂材料Rが一方の面11に塗布された長尺帯状の支持体10における樹脂材料Rの塗布面に空気を吹き付けて樹脂材料Rを乾燥させる第1乾燥装置4であって、長手方向に沿って走行状態の支持体10における塗布面に対向するように配置されたエア吹出し部42を備え、エア吹出し部42は、塗布面に接する空間において支持体10の走行方向における上流側に向かう気流(矢印Cの向きの気流)が生じるように空気を吹き出すことによって空気を塗布面に吹き付ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、長尺帯状の支持体における一方の面に塗布された機能性膜形成用塗料を乾燥させる乾燥装置および乾燥方法、並びに、機能性膜形成用塗料を乾燥させて支持体の一方の面に機能性膜を形成する機能性膜形成システムおよび機能性膜形成方法に関するものである。
例えば、特開2008−302297号公報には、反射防止フィルム等を製造する製造装置(製造方法)が開示されている。この場合、上記公開公報に開示されている製造装置は、基材上に塗布膜を形成する(塗布液を塗布する)塗布装置、および塗布膜を乾燥させる乾燥装置を備えて構成されている。また、乾燥装置は、4つの乾燥ゾーンが設けられると共に、分離用整風部材によって分離された塗布膜搬送部および溶剤除去部が各乾燥ゾーン毎にそれぞれ設けられている。この製造装置では、長尺帯状の基材(支持体)を長手方向に沿って走行させつつ、塗布装置によって塗布液を塗布して塗布膜を形成すると共に、乾燥装置によって塗布膜を乾燥させることで、基材の一面に任意の光学膜を形成する構成(方法)が採用されている。
この場合、上記の乾燥装置では、塗布膜(基材)の走行方向と同一、かつ、平行な空気の流れを溶剤除去部内に生じさせる構成(乾燥方法)が採用されている。したがって、この乾燥装置では、各乾燥ゾーンの塗布膜搬送部内において塗布膜から蒸発した有機溶剤が、分離用整風部材に設けられた複数の孔を介して溶剤除去部へ移動したときに、この有機溶剤が溶剤除去部内における上記の空気の流れに乗って溶剤除去部内を移動して、塗布装置の外部に排出される。これにより、塗布膜搬送部内を走行させられている(搬送されている)基材上の塗布膜が乾燥して、基材の一面に光学膜が形成される。
特開2008−302297号公報(第4−12頁、第1−4図)
ところが、従来の製造装置(製造方法)、およびその乾燥装置(乾燥方法)には、以下の解決すべき問題点が存在する。すなわち、従来の乾燥装置(乾燥方法)では、塗布膜搬送部内において塗布膜から蒸発した有機溶剤が溶剤除去部内に移動して、この有機溶剤が溶剤除去部内の空気の流れによって塗布装置の外部に排出される構成(方法)が採用されている。
この場合、上記公開公報の「発明を実施するための最良の形態」に記載されているように、基材が高速に走行させられている状態においては、基材の移動方向と同じ向きの空気の流れ(同伴流)が塗布膜搬送部内に生じる。このため、塗布膜から蒸発した有機溶剤が、この空気の流れに乗って基材の移動方向と同じ向きに塗布膜搬送部内を移動する結果、有機溶剤が順次蒸発して乾燥が進んだ塗布膜が位置する「乾燥ゾーンにおける下流側(搬出口側)」において、「乾燥ゾーンにおける上流側(搬入口側)」よりも、塗布膜から蒸発した有機溶剤の濃度が高くなる。したがって、従来の製造装置(製造方法)、およびその乾燥装置(乾燥方法)では、「乾燥ゾーンにおける下流側」において、有機溶剤の濃度が高い空気が塗布膜に接した状態となることで有機溶剤の蒸発が阻害されるのを回避するために、基材の走行速度を低下させたり、乾燥装置内の温度を十分に高くしたりする必要があり、これに起因して、光学膜の形成(塗布物の製造)に要するコストの低減が困難になっているという問題点がある。
また、この種の製造装置においては、塗布装置による塗布膜の形成(塗布液の塗布)を実行する塗布処理位置や、塗布装置と乾燥装置との間の搬送路の温度が、乾燥装置内よりも低温となっている。このため、この種の製造装置においては、基材の走行に伴い、塗布処理位置の低温の空気や、塗布装置と乾燥装置との間の搬送路の低温の空気が、基材と共に乾燥装置内(乾燥ゾーン内)に同伴流として進入する。この結果、溶剤の揮発を促進するために乾燥装置内を温度上昇させているにも拘わらず、乾燥装置内において、同伴流として進入した低温の空気が塗布膜に接した状態が維持されることがある。したがって、この種の製造装置では、塗布膜の各部において、低温の空気に接した状態が長時間に亘って維持される部位と、比較的短時間で低温の空気に代わって低湿高温の空気が接した状態となる部位とが生じ、これに起因して、溶剤の揮発の進行度合いにばらつきが生じて(乾燥むらが生じて)乾燥後の塗布膜の厚みにばらつきが生じる結果、この塗布膜で構成される光学膜に虹斑や波模様が生じることがあるという問題点が存在する。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、製造コストの低減を図りつつ、虹斑や波模様の発生を好適に回避し得る乾燥装置および乾燥方法、並びに機能性膜形成システムおよび機能性膜形成方法を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明に係る乾燥装置は、機能性膜形成用塗料が一方の面に塗布された長尺帯状の支持体における当該機能性膜形成用塗料の塗布面に気体を吹き付けて当該機能性膜形成用塗料を乾燥させる乾燥装置であって、長手方向に沿って走行状態の前記支持体における前記塗布面に対向するように配置された気体吹出し部を備え、前記気体吹出し部は、前記塗布面に接する空間において前記支持体の走行方向における上流側に向かう気流が生じるように前記気体を吹き出すことによって当該気体を当該塗布面に吹き付ける。
また、本発明に係る機能性膜形成システムは、上記の乾燥装置と、前記支持体を走行させる走行装置と、前記機能性膜形成用塗料を塗布する塗布装置とを備え、前記走行装置によって前記支持体を走行させている状態において、前記塗布装置によって当該支持体の前記一方の面に前記機能性膜形成用塗料を塗布すると共に、前記乾燥装置によって当該機能性膜形成用塗料を乾燥させることによって当該支持体の当該一方の面に機能性膜を形成する。
さらに、本発明に係る機能性膜形成システムは、前記機能性膜形成用塗料としての光学膜形成用塗料を塗布して乾燥させることで前記機能性膜としての光学膜を形成可能に構成されている。
また、本発明に係る乾燥方法は、機能性膜形成用塗料が一方の面に塗布された長尺帯状の支持体における当該機能性膜形成用塗料の塗布面に気体を吹き付けて当該機能性膜形成用塗料を乾燥させる乾燥方法であって、長手方向に沿って走行状態の前記支持体における前記塗布面に対向するように配置された気体吹出し部から、前記塗布面に接する空間において前記支持体の走行方向における上流側に向かう気流が生じるように前記気体を吹き出させて当該気体を当該塗布面に吹き付ける。
また、本発明に係る機能性膜形成方法は、上記の乾燥方法に従って前記機能性膜形成用塗料を乾燥させることによって前記支持体の前記一方の面に機能性膜を形成する。
さらに、本発明に係る機能性膜形成方法は、前記機能性膜形成用塗料としての光学膜形成用塗料を塗布して乾燥させることで前記機能性膜としての光学膜を形成する。
本発明に係る乾燥装置および乾燥方法によれば、長手方向に沿って走行状態の支持体における機能性膜形成用塗料の塗布面に対向するように配置した気体吹出し部から、塗布面に接する空間において支持体の走行方向における上流側に向かう気流が生じるように気体を吹き出させて機能性膜形成用塗料を乾燥させることにより、機能性膜形成用塗料の塗布面に纏わり付くようにして支持体と共に乾燥装置内に進入した低温の空気が、空気吹出し部から吹き出した低湿高温の空気によって塗布面から引き剥がされるため、機能性膜形成用塗料の塗膜が乾燥装置内に進入してから短時間のうちに、機能性膜形成用塗料の塗布面の全域に低湿高温の空気が接した状態となる。この結果、支持体の走行速度を低下させたり、乾燥装置内の温度(空気吹出し部から吹き出す空気の温度)を過剰に高温としたりすることなく、機能性膜形成用塗料の塗膜を、むらなく十分に乾燥させることができる。また、機能性膜形成用塗料の塗膜から揮発した溶剤の濃度が、乾燥装置内における支持体の走行方向の下流側において上流側よりも高くなる事態が回避されるため、乾燥装置内における走行方向の下流側において、乾燥が進んだ機能性膜形成用塗料の塗膜に、溶剤の濃度が高い空気が接した状態となるのが回避される結果、この点においても、機能性膜形成用塗料の塗膜を、むらなく十分に乾燥させることができる。
また、本発明に係る機能性膜形成システムおよび機能性膜形成方法によれば、上記の乾燥装置(乾燥方法)によって機能性膜形成用塗料を乾燥させることで支持体の一方の面に機能性膜を形成することにより、機能性膜形成用塗料の塗膜の全域が、むらなく十分に乾燥させられるため、虹斑や波模様が存在しない均一な膜厚の光学膜を形成することができる。
さらに、本発明に係る機能性膜形成システムおよび機能性膜形成方法によれば、機能性膜形成用塗料としての光学膜形成用塗料を塗布して乾燥させることで機能性膜としての光学膜を形成することにより、虹斑や波模様の存在が致命的な欠陥となり得る光学膜について、そのような欠陥が存在しない良品の光学膜を製造することができる。
光学膜形成システム1の構成を示す構成図である。 光学膜形成システム1における第1乾燥装置4の構成を示す構成図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る乾燥装置(乾燥方法)および機能性膜形成システム(機能性膜形成方法)の実施の形態について説明する。
図1に示す光学膜形成システム1は、「機能性膜形成システム」の一例であって、本発明に係る「機能性膜形成方法」に従い、支持体10の一方の面11に、樹脂材料Rを塗布して乾燥させることにより、「機能性膜としての光学膜」の一例であるハードコート膜HCを形成可能に構成されている。具体的には、この光学膜形成システム1は、走行装置2、塗布装置3、第1乾燥装置4、第2乾燥装置5および図示しない制御装置を備えて構成されている。この場合、支持体10は、光透過性を有する樹脂材料(一例として、PET:PolyEthylene Terephthalate)によって厚み14〜200μm程度の長尺帯状に形成されている。また、ハードコート膜HCを形成するための樹脂材料Rは、「機能性膜形成用塗料」としての「光学膜形成用塗料」の一例であって、本例では、アクリル樹脂等を主成分とする材料を溶剤で希釈した液で構成されている。
一方、走行装置2は、制御装置の制御に従い、ハードコート膜HCを形成する支持体10を巻回した繰出し側ロール(図示せず)から、ハードコート膜HCの形成が完了した支持体10を巻回する巻取り側ロール(図示せず)まで、支持体10を矢印Aの向きに走行させる装置であって、一例として、上記の繰出し側ロールや巻取り側ロールを回転させる回転機構を備えて構成されている。塗布装置3は、一例として、バーコート装置で構成されており、走行装置2によって走行させられる支持体10の一方の面11にバーを介して樹脂材料Rを転写することで一方の面11に樹脂材料Rを塗布する。なお、「塗布装置」の構成はこれに限定されず、スリットダイコータ、グラビアコータおよびリバースグラビアコータ等の各種の塗布装置によって樹脂材料Rを塗布する構成(方法)を採用することができる。
第1乾燥装置4は、「乾燥装置」の一例であって、本発明に係る「乾燥方法」に従い、塗布装置3による樹脂材料Rの塗布が完了した支持体10(一方の面11に塗布された樹脂材料Rからなる塗膜)に向けて温風を吹き付けることにより、樹脂材料R(塗膜)に含まれている溶剤を揮発させて乾燥させる。具体的には、図2に示すように、第1乾燥装置4は、走行装置2によって走行させられる支持体10の他方の面12(樹脂材料Rの塗布面である一方の面11の裏面)に接して支持体10を支持する複数の支持ローラ41と、支持体10の一方の面11に塗布された樹脂材料Rの表面(塗布面)に乾燥した空気(「気体」の一例)を吹き付ける複数のエア吹出し部42(「気体吹出し部」の一例)と、各支持ローラ41および各エア吹出し部42を収容する筐体43と、各エア吹出し部42から吹き出す空気の温度を上昇させるヒータ(図示せず)とを備えて構成されている。
この第1乾燥装置4は、走行装置2によって走行させられた状態の支持体10における樹脂材料Rの塗布面に対向するように各エア吹出し部42が配置されると共に、樹脂材料Rの塗布面に接する空間(塗布面の近傍)において、支持体10の走行方向における上流側に向かう気流(同図における左側に向かう気流:矢印Cの向きの気流)が生じるように空気を吹き出すように吹出口42aの向きが調整されている。
第2乾燥装置5は、第1乾燥装置4による乾燥処理が完了した樹脂材料Rの薄膜内に残留する溶剤を除去するための乾燥装置であって、一例として、支持体10の一方の面11(塗膜の表面)に対してほぼ垂直に空気を吹き付ける複数のエア吹出し部(図示せず)を備えている。
この光学膜形成システム1によって支持体10の一方の面11にハードコート膜HCを形成する際には、まず、ハードコート膜HCを形成する支持体10が巻回された繰出し側ロールから支持体10の一端部を繰り出して、この一端部を、塗布装置3による塗布処理位置、第1乾燥装置4内、および第2乾燥装置5内をこの順で通過させて、巻取り側ロールにセットする。次いで、図示しない操作部の操作によって処理開始を指示する。この際には、制御装置が、光学膜形成システム1の各部を制御することにより、走行装置2による支持体10の走行、塗布装置3による樹脂材料Rの塗布、第1乾燥装置4による樹脂材料R(塗膜)の乾燥、および第2乾燥装置5による樹脂材料R(塗膜)の乾燥の各処理を開始させる。
この際に、塗布装置3による塗布処理位置においては、バーを介して樹脂材料Rが転写されることにより、支持体10における一方の面11の幅方向の全域に一定の膜厚の塗膜が形成される。また、樹脂材料Rの塗布が完了した支持体10は、第1乾燥装置4内および第2乾燥装置5内を順次通過させられる際に、塗膜内の溶剤が揮発させられる。この場合、塗布装置3による樹脂材料Rの塗布処理位置や、塗布処理位置と第1乾燥装置4による乾燥処理位置との間(塗布装置3と第1乾燥装置4との間)の空気は、第1乾燥装置4内(筐体43内)の空気の温度よりも低温となっている。また、走行装置2によって支持体10が走行させられている状態においては、第1乾燥装置4よりも上流側の低温の空気が、支持体10と共に第1乾燥装置4内に同伴流として進入する。
この場合、この光学膜形成システム1における第1乾燥装置4では、図2に示すように、各エア吹出し部42の吹出口42aから矢印Bの向きで(支持体10における樹脂材料Rの塗布面との間でなす角度(下流側の角度)が鋭角となるように)空気が吹き出され、この空気が、走行装置2によって矢印Aの向きに走行させられている支持体10における樹脂材料Rの塗布面に向けて吹き付けられる。この結果、第1乾燥装置4内を走行させられている支持体10の一方の面11に接している空間(樹脂材料Rの塗布面の近傍)に、支持体10の走行方向である矢印Aの向きとは逆向きの矢印Cの向きの気流(「走行方向における上流側に向かう気流」)が発生する。したがって、支持体10の走行に伴って支持体10と共に矢印Aの向きで第1乾燥装置4内に進入した低温の空気(同伴流)に対して、この空気の流れに逆行する矢印Cの向きの気流が当接する。
これにより、樹脂材料Rの塗布面に纏わり付くようにして支持体10と共に移動する低温の空気が支持体10の幅方向の全域において塗布面から剥がされて(塗布面から離脱して)、代わりに、矢印Cの向きで移動する低湿高温の空気が塗布面に接することとなる。したがって、樹脂材料Rの塗膜が第1乾燥装置4内に進入してから比較的短時間のうちに、各エア吹出し部42の吹出口42aから吹き出された低湿高温の空気が樹脂材料Rの塗布面の全域に接した状態となる。これにより、樹脂材料Rの塗膜からの溶剤の揮発が促進されると共に、樹脂材料Rの塗布面の各部において乾燥の進行度合いにばらつきが生じる事態が回避される。この結果、この第1乾燥装置4内において樹脂材料Rの塗膜が、むらなく十分に乾燥させられる。
また、この第1乾燥装置4では、樹脂材料Rの塗膜から揮発した溶剤が、支持体10の走行方向である矢印Aの向きに逆行する矢印Cの向きの気流に乗って第1乾燥装置4内を移動させられる。したがって、「第1乾燥装置4における下流側」の溶剤の濃度が、「第1乾燥装置4における上流側」の溶剤の濃度よりも高くなる事態が回避されるため、溶剤が順次蒸発して乾燥が進んだ樹脂材料Rの塗膜が位置する「第1乾燥装置4における下流側」において、溶剤の濃度が高い空気が樹脂材料Rの塗膜に接した状態となるのが回避される。これにより、支持体10の走行速度を低下させたり、第1乾燥装置4内の温度を過剰に高くしたりすることなく、「第1乾燥装置4における下流側」における溶剤の蒸発が阻害される事態が回避される。この結果、支持体10の一方の面11における幅方向の全域において、樹脂材料Rの塗膜が、むらなく十分に乾燥させられる。
この後、第2乾燥装置5内における乾燥処理によって樹脂材料Rの塗膜内の残留溶剤が完全に揮発させられて、支持体10の一方の面11に樹脂材料R(塗膜)が硬化したハードコート膜HCが形成される。また、ハードコート膜HCの形成が完了した支持体10は、巻取り側ロールに巻回される。以上により、光学膜形成システム1によるハードコート膜HCの形成処理が完了する。
このように、この光学膜形成システム1における第1乾燥装置4、および第1乾燥装置4による乾燥方法によれば、長手方向に沿って走行状態の支持体10における樹脂材料Rの塗布面に対向するように配置したエア吹出し部42から、塗布面に接する空間において支持体10の走行方向における上流側に向かう矢印Cの向きの気流が生じるように空気を吹き出させて樹脂材料Rを乾燥させることにより、樹脂材料Rの塗布面に纏わり付くようにして支持体10と共に第1乾燥装置4内に進入した低温の空気が、エア吹出し部42から吹き出した低湿高温の空気によって塗布面から引き剥がされるため、樹脂材料Rの塗膜が第1乾燥装置4内に進入してから短時間のうちに、樹脂材料Rの塗布面の全域に低湿高温の空気が接した状態となる。この結果、走行装置2による支持体10の走行速度を低下させたり、第1乾燥装置4内の温度(エア吹出し部42から吹き出す空気の温度)を過剰に高温としたりすることなく、樹脂材料Rの塗膜を、むらなく十分に乾燥させることができる。また、樹脂材料Rの塗膜から揮発した溶剤の濃度が、第1乾燥装置4内における支持体10の走行方向の下流側において上流側よりも高くなる事態が回避されるため、第1乾燥装置4内における走行方向の下流側において、乾燥が進んだ樹脂材料Rの塗膜に、溶剤の濃度が高い空気が接した状態となるのが回避される結果、この点においても、樹脂材料Rの塗膜を、むらなく十分に乾燥させることができる。
また、この光学膜形成システム1、および光学膜形成システム1による機能性膜形成方法(ハードコート膜HCの形成方法:光学膜形成方法)によれば、上記の第1乾燥装置4(第1乾燥装置4による乾燥方法)によって樹脂材料Rを乾燥させることで支持体10の一方の面にハードコート膜HCを形成することにより、樹脂材料Rの塗膜の全域が、むらなく十分に乾燥させられるため、虹斑や波模様が存在しない均一な膜厚のハードコート膜HCを形成することができる。
さらに、この光学膜形成システム1、および光学膜形成システム1による機能性膜形成方法(ハードコート膜HCの形成方法:光学膜形成方法)によれば、「機能性膜形成用塗料」としての「光学膜形成用塗料(この例では、樹脂材料R)」を塗布して乾燥させることで「機能性膜」としての「光学膜(この例では、ハードコート膜HC)」を形成することにより、虹斑や波模様の存在が致命的な欠陥となり得る「光学膜」について、そのような欠陥が存在しない良品の「光学膜」を製造することができる。
なお、「乾燥装置」や「機能性膜形成システム」の構成、および「乾燥方法」や「機能性膜形成方法」は、上記の例に限定されない。例えば、「光学膜」の一例であるハードコート膜HCの形成を例に挙げて説明したが、「光学膜」はこれに限定されず、反射防止膜(AR膜)、防眩膜(AG膜)、ITO膜および拡散膜などの各種光学膜の形成に際して、上記の光学膜形成システム1(第1乾燥装置4)の構成、および光学膜形成システム1(第1乾燥装置4)による方法を採用することができる。また、第1乾燥装置4内において樹脂材料Rの塗布面に乾燥した空気(温風)を吹き付ける例について説明したが、空気以外の各種気体(一例として、窒素等)を塗布面に吹き付けて乾燥させる構成(方法)を採用することができる。また、「機能性膜」は上記の「光学膜」に限定されず、例えば、磁性記録層を構成する磁性膜、電極およびグリーンシート等の各種の「機能性膜」の形成に本発明を適用することができる。
1 光学膜形成システム
2 走行装置
3 塗布装置
4 第1乾燥装置
10 支持体
11 一方の面
12 他方の面
42 エア吹出し部
42a 吹出口
HC ハードコート膜
R 樹脂材料

Claims (6)

  1. 機能性膜形成用塗料が一方の面に塗布された長尺帯状の支持体における当該機能性膜形成用塗料の塗布面に気体を吹き付けて当該機能性膜形成用塗料を乾燥させる乾燥装置であって、
    長手方向に沿って走行状態の前記支持体における前記塗布面に対向するように配置された気体吹出し部を備え、
    前記気体吹出し部は、前記塗布面に接する空間において前記支持体の走行方向における上流側に向かう気流が生じるように前記気体を吹き出すことによって当該気体を当該塗布面に吹き付ける乾燥装置。
  2. 請求項1記載の乾燥装置と、前記支持体を走行させる走行装置と、前記機能性膜形成用塗料を塗布する塗布装置とを備え、前記走行装置によって前記支持体を走行させている状態において、前記塗布装置によって当該支持体の前記一方の面に前記機能性膜形成用塗料を塗布すると共に、前記乾燥装置によって当該機能性膜形成用塗料を乾燥させることによって当該支持体の当該一方の面に機能性膜を形成する機能性膜形成システム。
  3. 前記機能性膜形成用塗料としての光学膜形成用塗料を塗布して乾燥させることで前記機能性膜としての光学膜を形成可能に構成されている請求項2記載の機能性膜形成システム。
  4. 機能性膜形成用塗料が一方の面に塗布された長尺帯状の支持体における当該機能性膜形成用塗料の塗布面に気体を吹き付けて当該機能性膜形成用塗料を乾燥させる乾燥方法であって、
    長手方向に沿って走行状態の前記支持体における前記塗布面に対向するように配置された気体吹出し部から、前記塗布面に接する空間において前記支持体の走行方向における上流側に向かう気流が生じるように前記気体を吹き出させて当該気体を当該塗布面に吹き付ける乾燥方法。
  5. 請求項4記載の乾燥方法に従って前記機能性膜形成用塗料を乾燥させることによって前記支持体の前記一方の面に機能性膜を形成する機能性膜形成方法。
  6. 前記機能性膜形成用塗料としての光学膜形成用塗料を塗布して乾燥させることで前記機能性膜としての光学膜を形成する請求項5記載の機能性膜形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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