JP2014156985A - 塗布物の製造装置および製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構造でわずかな乾燥ムラの発生を抑制することができる塗布物の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】搬送中の帯状基材に塗布液を塗布し、塗布膜を形成する塗布装置と、前記搬送中の帯状基材を通過させることにより前記塗布膜を乾燥させる筒型の乾燥炉を含む乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、前記乾燥炉内に乾燥風の給気口および排気口を少なくとも1つずつ備え、且つ、前記給気口から供給された前記乾燥風を塗布面に吹き付けるための手段としてスリットノズルが前記基材の塗布面側上方に設けられており、且つ、前記多孔板と前記基材の距離Hと、前記スリットノズルのスリット幅Daの比が、0.1≦Da/H≦0.5を満たすことを特徴とする塗布物の製造装置とした。
【選択図】図2

Description

本発明は塗布物の製造装置および製造方法に関し、特に、連続的に搬送される帯状基材に塗布液を塗布して形成される塗布物の製造装置および製造方法に関する。
近年のウェットコーティング技術を利用して製造される塗布物では、膜厚精度として誤差1%以下を要求される製品も多く、このような製品では乾燥工程での小さな乾燥ムラでも製品上の欠陥となってしまう。そのため乾燥工程を精密に制御し、乾燥ムラを発生させずに効率よく乾燥させる必要がある。
塗布液の溶媒に有機溶剤を使用している場合、有機溶剤は水に比べると蒸発速度が速いため、強い乾燥風を塗布膜に当てると風紋のような乾燥ムラが生じてしまうことが知られている。
特に、乾燥初期は塗膜中に有機溶剤が多く含まれており、塗膜の流動性が高く乾燥ムラが発生しやすいことから、これまでに、乾燥初期における乾燥ムラの発生原因になる外乱を取り除くための手法や、塗布液の特性に合わせて乾燥条件を設定し、乾燥ムラを抑制する手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、塗布液の表面張力および粘度と、塗布量、乾燥風の風速、搬送角度の間に一定の関係式が成り立ち、さらにノズルのスリット幅、設置間隔およびノズルと基材の距離の間にも一定の関係式が成り立つように乾燥条件を設定することで乾燥ムラが抑制できるとしている。
また、特許文献2では、ノズルと基材の距離や、ノズルの角度を個別に設定することにより、乾燥ムラを発生させずに効率のよい乾燥を実現できるとしている。
しかしながら、これらの乾燥方法を用いても、塗布液の特性によっては乾燥初期に乾燥ムラが発生してしまうことがあり、また、これらの乾燥装置では、ノズルの設置間隔や角度、距離を調整するための機構が必要であるため装置が大掛かりになりコストも掛かる。
特開2005−46751号公報 特開平8−192089号公報
本発明は、簡易な構造でわずかな乾燥ムラの発生を抑制することができる塗布物の製造装置および製造方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に係る発明は、搬送中の帯状基材に塗布液を塗布し、塗布膜を形成する塗布装置と、前記搬送中の帯状基材を通過させることにより前記塗布膜を乾燥させる筒型の乾燥炉を含む乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、前記乾燥炉内に乾燥風の給気口および排気口を少なくとも1つずつ備え、且つ、前記給気口から供給された前記乾燥風を塗布面に吹き付けるための手段としてスリットノズルが前記基材の塗布面側上方に設けられており、且つ、前記スリットノズルと前記基材の距離Hと、前記スリットノズルのスリット幅Daの比が、0.1≦Da/H≦0.5を満たすことを特徴とする塗布物の製造装置である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記乾燥風を吹き付けるための手段として、円形ノズルを複数備える多孔板を前記基材の塗布面側上方に備え、且つ、前記多孔板と前記基材の距離Hと、前記円形ノズルの直径Dbの比が、0.1≦Db/H≦0.5を満たし、且つ、前記多孔板の開口率Bが、0.01≦B≦0.4であることを特徴とする請求項1記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項3に係る発明は、前記給気口が前記筒型の乾燥炉の上面または前記ノズルより上方の側面に少なくとも1つ配置されており、且つ、前記排気口が前記筒型の乾燥炉の底面または前記基材より下方の側面に少なくとも1つ配置されており、且つ、前記乾燥風の風量を調節することが可能で、給気量および排気量を同等に制御した一定の風を流すことを特徴とする請求項1または請求項2記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記乾燥炉は複数の乾燥ゾーンに分かれており、各乾燥ゾーンに前記給気口および前記排気口が少なくとも1つずつ設けられており、且つ、前記各乾燥ゾーンで個別に前記乾燥風の風量を調節することが可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記乾燥風のノズル出口における風速Vが、0.1m/s≦V≦3m/sであり、且つ、前半の乾燥ゾーンほど風速が小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項6に係る発明は、前記乾燥炉の前記基材搬入口は四辺からなる長方形であって、長方形の上辺と前記基材の塗布面との距離d1が、3mm≦d1≦20mmであり、且つ、長方形の右辺と前記基材の右端との距離d2および長方形の左辺と前記基材の左端との距離d3が、5mm≦d2=d3≦50mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項7に係る発明は、前記乾燥炉の基材搬入口は、前記基材が前記塗布液を塗布されてから1秒以内に到達する距離に設置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の塗布物の製造装置である。
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1から7のいずれか1項に記載の塗布物の製造装置を用いて、前記基材に前記塗布液を塗布し乾燥させることを特徴とする塗布物の製造方法である。
本発明の塗布物の製造装置および製造方法によれば、ノズルのスリット幅または円形ノズルの直径と、ノズルと基材の距離の比を一定範囲内にすることで、ノズルからの乾燥風によって塗布膜を乱すことなく効率的な乾燥が可能となり、乾燥ムラのない塗布物を得ることができる。
本発明の塗布物の製造装置の一実施例の側面概略図。 本発明における乾燥炉の一実施例の側面概略図。 本発明における乾燥炉の一実施例の斜視概略図。 本発明における乾燥炉の一実施例の斜視概略図。 本発明における乾燥炉の基材搬入口の正面概略図。
以下、本発明の第一実施形態について、図を参照しながら説明する。
図1は、本発明の塗布物の製造装置の一実施例を側面から見た概略図である。塗布部9において帯状の基材3上に塗布膜(図示せず)が塗布される。塗布膜が形成された基材3は、乾燥炉1に搬送される。乾燥炉1は、基材を表裏および幅方向の両側から囲む4つの面から成る筒型であり、各面は隙間なく接合されている。図1では乾燥炉1は3つの乾燥ゾーン1a、1b、1cに分かれており、各乾燥ゾーンの間にパスロール6が配置されているが、乾燥ゾーンの数やパスロールの位置および数は、任意に決めることができる。
図2は本発明における乾燥炉の一実施例の側面概略図であり、図3は本発明における乾燥炉の一実施例の斜視概略図である。乾燥炉1の内部の基材2上に、複数のスリットノズル2が乾燥炉1の短辺と平行になるように備えられ、給気口4から供給される乾燥風を基材3上の塗布膜面に吹き付ける。給気口4の位置は、乾燥炉1の上面であってもよく、基材3より上方の側面であってもよい。図3のように乾燥炉1の上面および側面の両方に給気口4を備えていてもよい。また、排気口5の位置は、乾燥炉1の底面であってもよく、基材3より下方の側面であってもよい。図3のように乾燥炉1の底面および側面の両方に排気口5を備えていてもよい。給気口4には乾燥風送風手段(図示せず)が接続されており、排気口5には排風手段(図示せず)が接続されている。
ここで、スリットノズル2のスリット幅Daと、スリットノズル2と基材3の距離Hは、0.1≦Da/H≦0.5を満たす。また、スリットノズル2から吹き出す乾燥風の風速Vは、0.1m/s≦V≦3m/sであり、前半の乾燥ゾーンほど風速が小さくなるように設定されている。これは、乾燥ムラが発生しやすい乾燥初期には乾燥風を可能な限り弱く当て、乾燥ムラの発生を防ぐためである。このような乾燥風の風速において、Da/Hが0.1未満であると、乾燥風量が小さくなり乾燥の効率が低下するため好ましくない。また、Da/Hが0.5を超えると乾燥風量が大きくなり乾燥ムラが発生する可能性があるため好ましくない。
図4は、本発明における乾燥炉の一実施例の斜視概略図である。図4の例では乾燥風が吹き出るノズルが円形ノズル8であり、円形ノズル8を複数有する多孔板7が乾燥炉1内部に設けられている。ここで、円形ノズル8の直径Dbと、円形ノズル8と基材3の距離Hは、0.1≦Db/H≦0.5を満たす。さらに、多孔板7の開口率Bが、0.01≦B≦0.4である。開口率Bが0.01未満であると、乾燥風量が小さくなり乾燥の効率が低下するため好ましくない。また、開口率Bが0.4を超えると乾燥風量が大きくなり乾燥ムラが発生する可能性があるため好ましくない。
図5は、本発明における乾燥炉の基材搬入口を正面から見た概略図である。基材搬入口10は第一乾燥ゾーン1aの上流側に位置し、基材搬入口10の上辺と基材3との距離d1は3mm≦d1≦20mmである。d1が3mm未満であると、基材3搬送時に塗布膜と基材搬入口10の上辺が接触する恐れがあり好ましくない。d1が20mmより大きいと、基材3搬送時に発生する同伴風が乱流になる可能性が高く、塗布膜に不均一な風が当たり、乾燥が不均一に進むことで乾燥ムラが発生してしまう恐れがある。そのためd1は20mm以下が望ましい。また、基材搬入口10の右辺と基材3の右端との距離d2および基材搬入口10の左辺と基材3の左端との距離d3は、5mm≦d2=d3≦50mmである。d2=d3が5mm未満であると、基材3搬送時に基材搬入口10の右辺または左辺に基材3の端部が接触する恐れがあり好ましくない。d2=d3が50mmより大きいと、基材3の端部から流入する同伴風によって、端部のみ乾燥が促進されるといった影響が無視できなくなり、基材3の幅方向で乾燥が不均一になってしまう恐れがあるためd2=d3は50mm以下が望ましい。
また、基材搬入口10は、基材3が塗布液を塗布されてから1秒以内に到達する距離Lに設置されている。このことにより、基材3に塗布膜が形成されてから、乾燥炉1外の制御されていない気流に晒されて塗布膜の面が乱されることなく乾燥炉1に入ることができる。基材3に塗布液が塗布される位置から第一乾燥ゾーン1aの基材搬入口10までの距離Lは、基材3の想定される搬送速度から求めて決定する。
図示していない送風手段および排風手段は、一般にブロアを使用し風量を調節する。乾燥ゾーンごとに風量を設定するが、各乾燥ゾーンにおける給気量および排気量は同等に制御することで、安定した一定の風量を各乾燥ゾーンに流すことができる。
本発明における乾燥炉1は、わずかな乾燥ムラの発生を抑制することが目的であるため、その効果が最も現れるのは乾燥初期である。塗布物の製造装置における乾燥炉のすべてが本発明の乾燥炉1によるものではなく、乾燥初期段階のみに本発明の乾燥炉1を導入することも可能である。その場合、前半部に第一乾燥装置として本発明の乾燥炉1を導入し、後半部に第二乾燥炉として公知の乾燥装置を導入してもよい。
また、本発明における塗布部9は、グラビア、ワイヤーバー、ダイ等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の塗布物の製造装置および製造方法は、様々な製品に対して用いることができるが、特に有機溶剤を溶媒とする塗布液に対して効果がある。
本発明に用いられる帯状の基材3としては、用途によって様々なものを使用することができる。基材3を構成する成分としては、例えば、アセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フルイム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、基材3は、単層からなっていても複数層からなっていてもよい。なお、基材3の厚さは一般的に10〜500μmのものが用いられる。
また、本発明の塗布物の製造装置および製造方法にあっては、ここで示した塗布部や乾燥炉以外の装置を備えていても良い。例えば、塗布液に紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂をバインダーとして用いた場合には、それぞれ、紫外線照射装置、電子線照射装置が設けられる。また、熱硬化性樹脂をバインダーとして塗布液に用いた場合には、加熱装置を設けることもできる。
[実施例1〜3、比較例1および2]
本発明の一実施例について、[図2]及び[図3]を参照しながら説明する。
塗布液は、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)36.2wt%、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)1.8wt%、溶媒としてトルエン62.0wt%を混合させたものを塗布液として調製した。調製した塗布液の粘度は3.0mPasであった。
次に、連続的に搬送される帯状の基材3として、幅1340mm、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材を用い、塗布工程、乾燥工程、第二乾燥工程、紫外線照射工程によりハードコートフィルムを作製した。なお、このときの搬送速度は、40m/分である。
塗布工程においては、エクストルージョン方式のダイヘッドを備える塗布装置を用い、塗布液を塗布した。乾燥後の膜厚が5μmになるように、塗布膜の湿潤厚みは約15μmとした。
次に、乾燥工程においては、長さ1mの乾燥ゾーンを隙間なく5個接続し、各乾燥ゾーン間にパスロール6を備えた全長5mの乾燥装置を用いた。各乾燥ゾーンの上面には給気口4を、底面には排気口5をそれぞれ備える。
基材搬入口10の上辺と基材3との距離d1は10mmとし、基材搬入口10の右辺と基材3の右端との距離d2および基材搬入口10の左辺と基材3の左端との距離d3は、d2=d3=30mmとした。
また、基材3が塗布液を塗布されてから乾燥炉1に搬入されるまでの距離を400mmとした。これにより、塗布時の搬送速度40m/分では、塗布膜が形成されてから乾燥炉1に搬入されるまでの時間は0.6秒となり、塗布膜は、制御されていない気流に晒される時間が短いため膜面を乱されることなく乾燥炉1に搬入される。
乾燥炉1内には、スリットノズル2を20cm間隔で配置し、スリットノズル2の出口における乾燥風の風速は、第一乾燥ゾーン1aは0.1m/s、第二乾燥ゾーン1bは1.0m/s、第三乾燥ゾーン1cは2.0m/sとした。
スリットノズル2の幅Da、スリットノズル2と基材3との距離Hは表1に示す通りである。
塗布膜は、長さ1mの乾燥ゾーンを隙間なく5個接続した乾燥装置のみでは乾燥が完了しなかったため、第二乾燥炉(図示せず)によって乾燥を完了させた。第二乾燥炉として、スリットノズルから熱風を噴出する、長さ10mの乾燥装置を用いた。熱風温度は60℃、ノズル出口の風速は5m/sとした。
このとき、塗布膜は乾燥初期段階を乾燥炉1にて、穏やか且つ精密に乾燥され、塗布膜中の有機溶剤成分が減少し、流動性が低下した状態、すなわち乾燥ムラが発生しにくい状態になっている。この状態で第二乾燥炉に到達するため、塗布膜に対して熱風による急速な乾燥を施しても乾燥ムラは発生しなかった。
最後に、紫外線照射工程として、超高圧水銀ランプの紫外線照射装置(図示せず)を用いた。
以上により、基材上にハードコートフィルムを作製した。ハードコートフィルムを幅方向に切り出し、乾燥ムラの有無を判断した。具体的には、三波長形蛍光灯を点灯させ、ハードコート層表面に蛍光灯を幅方向に順に映りこませながらハードコートフィルムの表面状態を確認した。結果を表1に示す。なお、表1において○は乾燥ムラが発生しなかったことを示し、×は乾燥ムラが発生したことを示す。
表1の実施例1〜3では乾燥ムラが発生せず、0.1≦Db/H≦0.5では良好なハードコートフィルムが得られることがわかる。比較例1では、Db/H<0.1であるため、乾燥の効率が低く、有機溶剤成分が十分に減少していない状態で乾燥炉1から搬出され第二乾燥炉に到達し、熱風による急激な乾燥が施された結果、乾燥ムラが発生したと考えられる。比較例2では、0.5<Db/Hであるため、乾燥風量が大きく、乾燥初期の段階で乾燥ムラが発生したと考えられる。
Figure 2014156985
[実施例4〜7、比較例3〜6]
本発明の一実施例について、[図4]を参照しながら説明する。乾燥炉1のノズル形状およびノズルと基材との距離H以外はすべて(実施例1)と同一の条件にて、ハードコートフィルムを作製した。
乾燥炉1内には、円形ノズル8を複数備えた多孔板7を用いた。円形ノズル8の直径Db、円形ノズル8と基材3との距離H、多孔板7の開口率Bは表2に示す通りである。
表2の実施例4〜6では乾燥ムラが発生せず、0.1≦Db/H≦0.5では良好なハードコートフィルムが得られることがわかる。比較例3では、Db/H<0.1であるため、乾燥の効率が低く、有機溶剤成分が十分に減少していない状態で乾燥炉1から搬出され第二乾燥炉に到達し、熱風による急激な乾燥が施された結果、乾燥ムラが発生したと考えられる。比較例4では、0.5<Db/Hであるため、乾燥風量が大きく、乾燥初期の段階で乾燥ムラが発生したと考えられる。
表2の実施例7と、比較例5および6は、多孔板7の開口率Bが異なる。実施例7のように開口率Bが0.01≦B≦0.4の範囲では乾燥ムラが発生しなかった。比較例5では、開口率Bが0.01未満であるため、乾燥の効率が低く、比較例3の場合と同様の理由で乾燥ムラが発生したと考えられる。また、比較例6では、開口率が0.4より大きいため乾燥風量が大きく、比較例4の場合と同様の理由で乾燥ムラが発生したと考えられる。
Figure 2014156985
したがって、本実施例における塗布物の製造装置および製造方法では、乾燥ムラを発生させることなく、ハードコートフィルムを作製することができた。
本発明の塗布物の製造装置および製造方法は、有機溶剤または水を溶媒とする塗布液に対して広く利用でき、その中でも乾燥ムラに対する許容余地の小さい製品に効果的である。
1 乾燥炉
1a 第一乾燥ゾーン
1b 第二乾燥ゾーン
1c 第三乾燥ゾーン
2 スリットノズル
3 基材
4 給気口
5 排気口
6 パスロール
7 多孔板
8 円形ノズル
9 塗布部
10 基材搬入口
11 コーティングロール
12 塗布物の製造装置
Da ノズルのスリット幅
Db 円形ノズルの直径
H ノズルと基材の距離
d1 基材搬入口上辺と基材塗布面との距離
d2 基材搬入口右辺と基材右端との距離
d3 基材搬入口左辺と基材左端との距離
L 塗布部から基材搬入口までの距離

Claims (8)

  1. 搬送中の帯状基材に塗布液を塗布し、塗布膜を形成する塗布装置と、前記搬送中の帯状基材を通過させることにより前記塗布膜を乾燥させる筒型の乾燥炉を含む乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
    前記乾燥炉内に乾燥風の給気口および排気口を少なくとも1つずつ備え、且つ、
    前記給気口から供給された前記乾燥風を塗布面に吹き付けるための手段としてスリットノズルが前記基材の塗布面側上方に設けられており、且つ、
    前記スリットノズルと前記基材の距離Hと、前記スリットノズルのスリット幅Daの比が、0.1≦Da/H≦0.5を満たすことを特徴とする塗布物の製造装置。
  2. 前記乾燥風を吹き付けるための手段として、円形ノズルを複数備える多孔板を前記基材の塗布面側上方に備え、且つ、
    前記多孔板と前記基材の距離Hと、前記円形ノズルの直径Dbの比が、0.1≦Db/H≦0.5を満たし、且つ、
    前記多孔板の開口率Bが、0.01≦B≦0.4であることを特徴とする請求項1記載の塗布物の製造装置。
  3. 前記給気口が前記筒型の乾燥炉の上面または前記ノズルより上方の側面に少なくとも1つ配置されており、且つ、
    前記排気口が前記筒型の乾燥炉の底面または前記基材より下方の側面に少なくとも1つ配置されており、且つ、
    前記乾燥風の風量を調節することが可能で、給気量および排気量を同等に制御した一定の風を流すことを特徴とする請求項1または請求項2記載の塗布物の製造装置。
  4. 前記乾燥炉は複数の乾燥ゾーンに分かれており、各乾燥ゾーンに前記給気口および前記排気口が少なくとも1つずつ設けられており、且つ、
    前記各乾燥ゾーンで個別に前記乾燥風の風量を調節することが可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の塗布物の製造装置。
  5. 前記乾燥風のノズル出口における風速Vが、0.1m/s≦V≦3m/sであり、且つ、
    前半の乾燥ゾーンほど風速が小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の塗布物の製造装置。
  6. 前記乾燥炉の前記基材搬入口は四辺からなる長方形であって、長方形の上辺と前記基材の塗布面との距離d1が、3mm≦d1≦20mmであり、且つ、
    長方形の右辺と前記基材の右端との距離d2および長方形の左辺と前記基材の左端との距離d3が、5mm≦d2=d3≦50mmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の塗布物の製造装置。
  7. 前記乾燥炉の基材搬入口は、前記基材が前記塗布液を塗布されてから1秒以内に到達する距離に設置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の塗布物の製造装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の塗布物の製造装置を用いて、前記基材に前記塗布液を塗布し乾燥させることを特徴とする塗布物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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