JP2008302298A - 塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法 - Google Patents

塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 塗布膜面に悪影響を与えず蒸発溶剤を取り除き、高速搬送される塗布膜であっても、わずかな乾燥ムラの発生を抑制することができる塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、これらを用いた塗布物の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】 溶剤除去部内に空気の流れを発生させ、かつ、加熱手段を用いている。また、塗布膜搬送部内の温度T1と溶剤除去部内の温度T2とが、温度T1>温度T2の関係を満たすように、加熱手段の出力と気流発生手段の風力とを制御する制御手段を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法に関するものである。例えば、反射防止フィルムにおいては、膜厚の相違が光透過率に敏感に反映されることから、誤差1%の以下の膜厚ムラが製品上欠陥として認識される。本発明は、このように精度の厳しい塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法に関するものである。
近年ウェットコーティング技術を利用して製造される光学フィルム製品には、膜厚精度として誤差1%以下を要求されるような製品が増えてきており、光学フィルム製品の生産において、基材上に形成する塗布膜のムラ発生を抑制することは、光学フィルムの品質、生産性の向上に必要不可欠である。
基材上に形成する塗布膜の膜厚が厚い場合は、レベリング現象と呼ばれる現象により、膜厚の厚いところから薄いところへ塗布液が流れ、膜厚を一定にすることができるが、現在の光学フィルムで求められる塗布膜の膜厚は薄く、上記のレベリングの効果は期待できない。
従来は塗布膜の乾燥効率を上げることを目的とする技術が多く、例えば特許文献1には走行する基材の両面に熱風を当てる方法が提案されているが、この方法では熱風を塗布膜面に当てるためムラが発生し、高い膜厚精度を要求される製品では用いることができなかった。基材上に形成された塗布膜の乾燥過程において速度や向きが不均一な空気と接触することによってスジが生じ、乾燥時にムラを生じることはすでに知られている。
さらに、高速で生産を行う場合、速度が速くなればなるほど塗布膜の搬送によって発生する空気の流れ(同伴流)による風ムラはひどいものになることから、抜本的な風ムラに対する対策が必要とされている。例えば特許文献2には、塗布装置と乾燥装置の間で基材を上からパネルで覆い、上からの空気の影響を減らす方法が提案されている。
しかし、外気からの影響を防ごうとして基材を箱で囲うと、その箱内で蒸発溶剤が飽和することにより乾燥速度が遅くなる。また、塗布膜面側から入り込む外気の影響は防いでいるが、側面側、基材面側から入り込む外気の影響は防ぎきれず、この速さや方向が不均一な外気の影響により、塗布膜面にムラが発生する。
また、基材上の塗布膜を加熱し、直接換気流を当て溶剤を除去する方法(例えば、特許文献3参照)が提案されているが、この場合換気流が塗布膜面に直接触れるため、塗布膜面近傍の気流に乱れを生じスジムラの原因となる。
また、凝縮板を用いて溶剤を除去する方法(例えば、特許文献4参照)も提案されているが、乾燥速度が遅い点が問題である。また凝縮板を支持体に平行にしなくては効果が得られないために、装置の設置に高い精度が要求され実施には困難が伴う。
以下に先行技術文献を示す。
特開2002−59074号公報 特開2003−103211号公報 特開2002−340479号公報 特開2003−93952号公報
本発明における課題は、塗布膜の流動性が高い乾燥初期段階において、溶剤除去部内に空気の流れを発生させ、かつ、加熱手段を用いることで、塗布膜面に直接空気流を当てずに蒸発溶剤を取り除き、高速搬送される塗布膜であっても、わずかな乾燥ムラの発生を抑制することができる塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法を提供することである。
請求項1に記載の発明は、搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
前記乾燥装置は、少なくとも
前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する側に設置された前側板と、前記塗布膜を搬出する側に設置された後側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されている乾燥ゾーンと、
前記搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、
前記天板側に配置された溶剤除去部と、
前記塗布膜搬送部と前記溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、
各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、
各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、
前記給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、から選ばれる気流発生手段と、
前記塗布膜搬送部に配置された加熱手段と、
を備えることを特徴とする塗布物の製造装置である。
請求項2に記載の発明は、前記乾燥ゾーンが、
前記塗布膜搬送部内の温度を測定する搬送部内温度測定手段と、
前記溶剤除去部内の温度を測定する溶剤除去部内温度測定手段と、
前記搬送部内温度測定手段により測定された塗布膜搬送部内の温度T1と前記溶剤除去部内温度測定手段により測定された溶剤除去部内の温度T2とが、温度T1>温度T2の関係を満たすように、前記加熱手段の出力と気流発生手段の風力とを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置である。
請求項3に記載の発明は、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された分離用整風部材と、
前記分離用整風部材と前記塗布膜との間の整風部材側間隙の高さL1と、
前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された加熱手段と、
前記加熱手段と前記基材との間の加熱手段側間隙の高さL2と、
を有し、
L1とL2がL1≦L2の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の塗布物の製造装置である。
請求項4に記載の発明は、前記溶剤除去部の右側板または左側板または前側板または後側板のいずれかに配置された給気口と、
前記給気口と対向する溶剤除去部の左側板または右側板または後側板または前側板のいずれかに配置された排気口と、
を有し、
前記給気口と排気口の開口部の高さが前記天板と分離用整風部材との距離とほぼ一致していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布物の製造装置である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の製造装置を用いて形成したことを特徴とする光学フィルムである。
請求項6に記載の発明は、搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥ゾーン内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布物の製造方法において、
前記乾燥ゾーンは、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する側に設置された前側板と、前記塗布膜を搬出する側に設置された後側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されており、
前記搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
次に、前記塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口へ搬入する搬入工程と、
次に、搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、天板側に配置された溶剤除去部と、塗布膜搬送部と溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、から選ばれる気流発生手段と、塗布膜搬送部に配置された加熱手段と、を備え、塗布膜の搬送方向に配置されている1ゾーン以上の乾燥ゾーン内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
次に、前記塗布膜を最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
を有することを特徴とする塗布物の製造方法である。
請求項7に記載の発明は、搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成し、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する塗布膜の乾燥装置において、
少なくとも
前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する側に設置された前側板と、前記塗布膜を搬出する側に設置された後側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されている乾燥ゾーンと、
前記搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、
前記天板側に配置された溶剤除去部と、
前記塗布膜搬送部と前記溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、
各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、
各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、
前記給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、から選ばれる気流発生手段と、
前記塗布膜搬送部に配置された加熱手段と、
を備えることを特徴とする塗布膜の乾燥装置である。
請求項8に記載の発明は、搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥ゾーン内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布膜の乾燥方法において、
前記乾燥ゾーンは、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する側に設置された前側板と、前記塗布膜を搬出する側に設置された後側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されており、
前記搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
次に、前記塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口へ搬入する搬入工程と、
次に、搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、天板側に配置された溶剤除去部と、塗布膜搬送部と溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、から選ばれる気流発生手段と、塗布膜搬送部に配置された加熱手段と、を備え、塗布膜の搬送方向に配置されている1ゾーン以上の乾燥ゾーン内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
次に、前記塗布膜を最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
を有することを特徴とする塗布膜の乾燥方法である。
本発明によれば、塗布膜の流動性が高い乾燥初期段階において、溶剤除去部内に空気の流れを発生させ、かつ、加熱手段を用いているため、塗布膜面に直接空気流を当てずに、溶剤の蒸発速度を速くすることができ、この結果、わずかな乾燥ムラの発生を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明における塗布物の製造装置を側面から見たときの側面概略図である。塗布装置1aの塗布部1bにおいて基材4上に塗布膜が塗布される。塗布膜が形成された基材4は乾燥装置2に搬送される。乾燥装置2は、4ゾーンの乾燥ゾーン3a〜3dを備え、各乾燥ゾーン3a〜3dは、搬入口と搬出口とを有し、塗布膜を搬送し、かつ、底板10側に配置された塗布膜搬送部6と、天板9側に配置された溶剤除去部7と、塗布膜搬送部6と溶剤除去部7とを分離する分離用整風部材8と、溶剤除去部7に配置された給気口15と、溶剤除去部7の給気口15と対向する位置に配置された排気口16と、図示していないが給気口15を介して溶剤除去部7内へ空気を給気する給気手段と、同じく図示していないが排気口16を介して溶剤除去部7内から空気を排気する排気手段と、塗布膜搬送部6に配置された加熱手段17から構成されている。
乾燥ゾーン3a〜3dでは、給気口15が塗布膜を搬入する側に設置された前側板11上に配置され、排気口16が給気口15と対向する塗布膜を搬出する側に設置された後側板12上に配置され、図示していないが、気流発生手段(給気手段および排気手段)を用いて乾燥ゾーン3a〜3d内に空気の流れ18を発生させている。ここでは、乾燥ゾーン3a〜3dにおける空気の流れ18は、塗布膜の搬送方向と同一、かつ、塗布膜面と平行であるが、これは本発明の一実施形態を表したものであり、これに限定されるものではない。図2および図3に示すように、塗布膜の搬送方向と垂直、かつ、塗布膜面と平行に空気の流れ18を発生させてもよい。
図2は、本発明における塗布物の製造装置を側面から見たときの側面概略図であり、図3は図2に示された乾燥装置のA−A’断面概略図である。図2に示す乾燥装置2は、4ゾーンの乾燥ゾーン3e〜3hを備えている。乾燥ゾーン3e〜3hは、同様の構造をしており、図3に示すように、塗布膜の搬送方向に向って右側に設置された乾燥ゾーン3eの右側板に給気口の開口部19を有する給気口15が設置されており、塗布膜の搬送方向に向って左側に設置された乾燥ゾーン3eの左側板の給気口15と対向する位置に排気口の開口部20を有する排気口16が設置されている。本発明では、給気口15から給気手段を用いて溶剤除去部7内へ空気を給気し、排気口16から排気手段を用いて溶剤除去部7内から空気を排気している。つまり、給気口15から排気口16に向かって、塗布膜5の搬送方向と垂直、かつ、塗布膜面と平行に空気の流れ18を発生させている。しかし、これは本発明の一実施形態を表したものであり、これに限定されるものではない。塗布膜の搬送方向に向って左側から右側へ空気の流れを発生させてもよく、隣接する乾燥ゾーンごとに空気の流れの向きを変えてもよい。
図1および図2において、基材4に形成された塗布膜は、最初に搬入する乾燥ゾーン(3aまたは3e)の搬入口13から最初の乾燥ゾーン(3aまたは3e)内へ搬入され、最後に搬出する乾燥ゾーン(3dまたは3h)の搬出口14から乾燥ゾーン(3dまたは3h)外へ搬出される。
図1および図2では、乾燥ゾーン(3a〜3dまたは3e〜3h)の4ゾーンが直線的に配置されているが、これは本発明の一実施形態を表したものであり、これに限定されるものではない。また、隣接する各乾燥ゾーンは直線的に配置されていても、屈折して配置されていてもよい。
また、図1では、各乾燥ゾーン(3a〜3d)に給気口15と排気口16が1個ずつ配置されており、図2では、各乾燥ゾーン(3e〜3h)に給気口15と排気口が2個ずつ配置されているが、これは本発明の一実施形態を表したものであり、これに限定されるものではなく、各乾燥ゾーンに対して配置される給気口15および排気口16の個数に制限はない。
本発明では、塗布膜搬送部6に搬送された塗布膜5は加熱手段17により加熱される。塗布膜5から蒸発した溶剤は、分離用整風部材8を経由して溶剤除去部7の空気の流れ18に取り込まれ、排気口16から排気されることにより、蒸発溶剤が除去され、塗布膜5の乾燥が行われる。
本発明における加熱手段17としては、赤外線ヒーター、加熱ローラー、マイクロ波等の加熱手段を用いることができるが、塗布膜面を均一に加熱するために、その形状は、塗布膜の幅方向と同程度の幅と乾燥ゾーンの長さ(塗布膜の搬送方向)と同程度の長さを有する板状のものが好ましい。また、加熱手段17表面と基材4表面とがほぼ平行となるよう加熱手段17が配置されていることが好ましい。
本発明における塗布装置1aは、グラビア、ワイヤーバー、ダイ等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明における乾燥ゾーンは、乾燥ゾーン外から吹き込む風や塵等の外乱を防止するためにある程度密封された箱型の形状をしている。塗布膜5を搬入する搬入口と、塗布膜5を搬出し搬入口に対向して設置された搬出口と、基材4の塗布膜5を形成した側に設置された天板9と、基材4を挟んで天板9と対向して設置された底板10と、塗布膜5の搬送方向に向って右側であり、塗布膜5の幅方向に設置された右側板と、右側板と対向して設置された左側板とで構成されている。ここで、搬送される基材4に対し、重力方向上面側に塗布膜5が形成されているか、下面側に塗布膜5が形成されているかは関係ない。
本発明における給気手段、または、排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段としては、給気手段および排気手段の風力(給気風力D1および排気風力D2)に応じて、溶剤除去部7内の空気の流れを調節することができるブロアを用いることができるが、これに限定されるものではない。
ここで、給気手段を用いて溶剤除去部7内へ空気を給気する給気風力D1と、排気手段を用いて溶剤除去部7内から空気を排気する排気風力D2とが、ほぼ一致していることが好ましい。つまり、給気口15における給気量と排気口16における排気量をほぼ一致させていることが好ましい。これにより、より安定した空気の流れ18を発生させることができる。
また、図示していないが、乾燥ゾーンが、塗布膜搬送部6内の温度を測定する搬送部内温度測定手段と、溶剤除去部7内の温度を測定する溶剤除去部内温度測定手段とを備え、搬送部内温度測定手段により測定された塗布膜搬送部6内の温度T1と溶剤除去部内温度測定手段により測定された溶剤除去部7内の温度T2との温度とが、温度T1>温度T2の関係を満たすことが好ましい。溶剤除去部7内の温度T1よりも塗布膜搬送部6内の温度T2を高くすることで、領域内温度の高い塗布膜搬送部6内から領域内温度の低い溶剤除去部7内へ流れる自然対流が促される。これにより、塗布膜搬送部6内で塗布膜5から発生した蒸発溶剤を効率的に溶剤除去部7へ移動することできる。ここで、搬送部内温度測定手段を用いて測定した塗布膜搬送部6内の温度とは、塗布膜面上の温度を言う。
本発明における搬送部内温度測定手段と溶剤除去部内温度測定手段としては、非接触の放射温度計等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
本発明における制御手段とは、温度T1>温度T2の関係を満たすように、加熱手段の出力と、給気手段、または、排気手段、または、その両方、から選ばれる気流発生手段の風力と、を制御することができるものであればよく、特に制約すべき事項ではない。
また、分離用整風部材8と基材4に形成した塗布膜5との間の整風部材側間隙の高さL1と、基材4と加熱手段17との間の加熱手段側間隙の高さL2が、L1≦L2の関係になっていることが好ましい。L1≦L2の関係を満たすとき、外乱となる風は、基材4と加熱手段17との間、および、加熱手段17と底板10との間に流れ込むのが主流になるため、塗布膜5面に外乱となる風が当たり難く、面性と生産性を向上することができる。
また、図3に示すように、給気口の開口部19の高さ(基材面に対し垂直方向の口径)と排気口の開口部20(基材面に対し垂直方向の口径)の高さは、天板9と分離用整風部材8との距離(基材面に対し垂直方向)とほぼ一致していることが好ましい。こうすることで、給気口15と排気口16間に発生する空気の流れ18が、天板10と分離用整風部材19との間、つまり、溶剤除去部7内に一様に発生し、安定的に塗布膜5から揮発する溶剤を除去することができる。
なお、給気口15および排気口16が天板9上に設置される場合には、給気口15の開口部の幅(塗布膜の幅方向の口径)と排気口16の開口部の幅(塗布膜の幅方向の口径)が、右側板と左側板との距離(塗布膜の幅方向)とほぼ一致していることが好ましい。
本発明における分離用整風部材8としては、金網、パンチングメタル等、複数の穴を形成した板状部材を用いることができ、溶剤除去部7内の空気の流れ、および、蒸発溶剤の流れを制御する機能を有するものであれば、穴の開口形状や穴の開口率等は特に制限されるものではない。ここで、穴の開口率とは、(穴の開口部の面積/整風部材の面積)×100(%)で表される値である。また、分離用整風部材8の材質としては、塗布液に含まれる有機溶剤に対する耐溶剤性を有するものであればよく、特に限定されるものではない。
また、図3に示すように、本発明における給気口の開口部19、または、排気口の開口部20、または、その両方は通気用整風部材22により覆われていてもよい。空気の流れ18を均一にすることができるためである。本発明で用いられる通気用整風部材22は、金網、パンチングメタル等、複数の穴を形成した板状部材であり、通気を均一に抑える機能を有するものであれば、穴の開口形状や穴の開口率等は特に制限されるものではない。また、通気用整風部材16の材質としては、塗布液に含まれる有機溶剤に対する耐溶剤性を有するものであればよく、特に限定されるものではない。
本発明における乾燥装置2の長さ(基材の搬送方向)は、特に制約すべき事項ではない。乾燥装置2の長さは塗布膜が乾燥するかどうかで決定されるものであり、製品によって異なるものである。ただし、本発明では、50cm以上100m以下程度の一般的な長さの乾燥装置2を用いている。
また、本発明における乾燥ゾーンの長さ(基材の搬送方向)としては、30cm以上30m以下程度のものを用いている。
本発明における乾燥装置2は、塗布装置1aの塗布部1bから塗布膜搬送距離23で0.2m以上0.8m以下の範囲に設置されている。ここで塗布膜搬送距離23とは、塗布部1bと乾燥装置(乾燥ゾーン3aまたは3e)の搬入口13との直線距離ではなく、搬送される基材4に沿った長さのことを指している。塗布膜搬送距離23が0.8mより離れると自然に乾燥していく領域が無視できなくなり、自然乾燥によるムラが生じるため好ましくない。また、0.2m未満であると基材4を搬入する搬入口13において外気を遮断してしまうため好ましくない。また、不均一な空気の流れを防止するために、塗布装置1aと乾燥装置(乾燥ゾーン3aまたは3e)の搬入口13とは段差なく滑らかに連結していることが好ましい。
本発明における基材4の搬送速度は制約すべき事項ではないが、10m/min以上100m/min以下程度の一般的な速度が好ましい。
本発明における乾燥装置2は、高速搬送される塗布膜において、わずかな乾燥ムラの発生をも抑制することができるため、その効果が最も現れるのは乾燥初期である。乾燥装置の全長すべてが本発明の乾燥装置2によるものではなく、基材に形成された塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口を含む乾燥初期段階のみに本発明の乾燥装置2を導入することも可能である。その場合、図1、図2に示すように、前半部に第一乾燥装置として本発明の乾燥装置2を導入し、後半部に第二乾燥装置21として公知の乾燥装置を導入してもよい。
第二乾燥装置21としては、スリットノズルやパンチングメタルから基材に形成された塗布膜に温度を上昇させた噴流を当てるような方式を導入しても良いし、クイックリターン方式のノズルや基材の搬送方向に平行流を流す方式のノズルから熱風を噴出する方式でも良い。また、片面だけでなく両面から加熱手段を設けても良い。市販されているいかなる乾燥装置を使用しても本発明の効果をさまたげるものではない。
さらに、図1、図2には本発明の乾燥装置2と公知の第二乾燥装置12をそれぞれの装置として独立させる場合を示しているが、一つの乾燥装置の中で、前半部が本発明の乾燥装置による方式をとり、後半部が公知の乾燥装置に基づく方式をとる場合でも本発明の効果は変わらない。
本発明の塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、これらを用いた塗布物の製造装置および製造方法は、様々な製品に対して用いることができるが、近年需要が伸びている光学フィルムのようなこれまで以上にムラに対する許容余地の少ない製品に効果的である。
ここで、光学フィルムとは、透過光や反射光の方向、位相、偏光面等を制御するフィルムであり、例えば、液晶やプラズマディスプレイなどの表示装置の最表面またはその内側に使用されるフィルムであり、反射防止フィルム、防眩性フィルム、光学補償フィルム、光拡散フィルムなどが挙げられる。
また、本発明に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール・ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン・オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、1種、または、2種類以上の混合物として用いてよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の塗布液に用いられるバインダーとしては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられ、電離放射線硬化性樹脂等には光重合開始剤が含まれる。
電離放射線硬化性樹脂としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。またこれらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを発生するものであればよく、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。光重合開始剤の添加量は、活性エネルギー線硬化単量体10〜80質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜7質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましくい。
本発明に用いられる基材としては、用途によって様々なものを使用することができる。基材を構成する成分としては、例えば、アセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フルイム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、基材は、単層からなっていても複数層からなっていてもよい。なお、基材の厚さは一般的に10μm以上500μm以下のものが用いられる。
本発明の塗布膜の製造装置を側面から見たときの側面概略図。 本発明の塗布膜の製造装置を側面から見たときの側面概略図。 図2に示された乾燥装置の断面概略図。
符号の説明
1a 塗布装置
1b 塗布部
2 乾燥装置
3a〜3h 乾燥ゾーン
4 基材
5 塗布膜
6 塗布膜搬送部
7 溶剤除去部
8 分離用整風部材
9 天板
10 底板
11 前側板
12 後側板
13 最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口
14 最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口
15 給気口
16 排気口
17 加熱手段
18 空気の流れ
19 給気口の開口部
20 排気口の開口部
21 第二乾燥装置
22 通気用整風部材
23 塗布膜搬送距離

Claims (8)

  1. 搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
    前記乾燥装置は、少なくとも
    前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する側に設置された前側板と、前記塗布膜を搬出する側に設置された後側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されている乾燥ゾーンと、
    前記搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、
    前記天板側に配置された溶剤除去部と、
    前記塗布膜搬送部と前記溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、
    各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、
    各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、
    前記給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、から選ばれる気流発生手段と、
    前記塗布膜搬送部に配置された加熱手段と、
    を備えることを特徴とする塗布物の製造装置。
  2. 前記乾燥ゾーンが、
    前記塗布膜搬送部内の温度を測定する搬送部内温度測定手段と、
    前記溶剤除去部内の温度を測定する溶剤除去部内温度測定手段と、
    前記搬送部内温度測定手段により測定された塗布膜搬送部内の温度T1と前記溶剤除去部内温度測定手段により測定された溶剤除去部内の温度T2とが、温度T1>温度T2の関係を満たすように、前記加熱手段の出力と気流発生手段の風力とを制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置。
  3. 前記基材の塗布膜を形成した側に設置された分離用整風部材と、
    前記分離用整風部材と前記塗布膜との間の整風部材側間隙の高さL1と、
    前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された加熱手段と、
    前記加熱手段と前記基材との間の加熱手段側間隙の高さL2と、
    を有し、
    L1とL2がL1≦L2の関係を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の塗布物の製造装置。
  4. 前記溶剤除去部の右側板または左側板または前側板または後側板のいずれかに配置された給気口と、
    前記給気口と対向する溶剤除去部の左側板または右側板または後側板または前側板のいずれかに配置された排気口と、
    を有し、
    前記給気口と排気口の開口部の高さが前記天板と分離用整風部材との距離とほぼ一致していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の塗布物の製造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造装置を用いて形成したことを特徴とする光学フィルム。
  6. 搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥ゾーン内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布物の製造方法において、
    前記乾燥ゾーンは、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する側に設置された前側板と、前記塗布膜を搬出する側に設置された後側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されており、
    前記搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
    次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
    次に、前記塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口へ搬入する搬入工程と、
    次に、搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、天板側に配置された溶剤除去部と、塗布膜搬送部と溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、から選ばれる気流発生手段と、塗布膜搬送部に配置された加熱手段と、を備え、塗布膜の搬送方向に配置されている1ゾーン以上の乾燥ゾーン内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
    次に、前記塗布膜を最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
    を有することを特徴とする塗布物の製造方法。
  7. 搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成し、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する塗布膜の乾燥装置において、
    少なくとも
    前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する側に設置された前側板と、前記塗布膜を搬出する側に設置された後側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されている乾燥ゾーンと、
    前記搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、
    前記天板側に配置された溶剤除去部と、
    前記塗布膜搬送部と前記溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、
    各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、
    各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、
    前記給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、から選ばれる気流発生手段と、
    前記塗布膜搬送部に配置された加熱手段と、
    を備えることを特徴とする塗布膜の乾燥装置。
  8. 搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥ゾーン内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布膜の乾燥方法において、
    前記乾燥ゾーンは、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する側に設置された前側板と、前記塗布膜を搬出する側に設置された後側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されており、
    前記搬送中の帯状の基材に溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
    次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
    次に、前記塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口へ搬入する搬入工程と、
    次に、搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、天板側に配置された溶剤除去部と、塗布膜搬送部と溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、から選ばれる気流発生手段と、塗布膜搬送部に配置された加熱手段と、を備え、塗布膜の搬送方向に配置されている1ゾーン以上の乾燥ゾーン内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
    次に、前記塗布膜を最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
    を有することを特徴とする塗布膜の乾燥方法。
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