JP5347256B2 - 塗布物の製造装置および製造方法 - Google Patents

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本発明は塗布物の製造装置および製造方法に関するものである。特に、塗布液に有機溶剤を含み膜厚精度として誤差1%以下の膜厚ムラが製品上欠陥として認識される光学フィルム等の製造において使用される塗布物の製造装置及び製造方法に関する。
近年ウェットコーティング技術を利用して製造される光学フィルム製品には、膜厚精度として誤差1%以下を要求されるような製品が増えてきている。そのような光学フィルムの製造では、一般的に塗布液の溶媒として有機溶剤を使用することが多いが、有機溶剤は水に比べると蒸発速度が速く、塗布後の乾燥過程において精密に乾燥しないと、風紋のようなムラを生じせしめることが知られている。
特に乾燥初期は塗膜中に有機溶剤が多く含まれており、塗膜の流動性が高くムラが発生しやすいことから、これまでに乾燥初期におけるムラの発生の源になる外乱を取り除くための手法が提案されている。
例えば特許文献1には乾燥装置に基材の搬入口とは別に前記搬入口より開口面積が大きい通風用の開口を設けることによって、乾燥装置内外の差圧によって生じる風の多くは前記通風口を通過するので塗膜の風ムラを低減することが出来るとしている。
また、特許文献2では乾燥装置に進入してくる基材の上下にローラを配し、上ローラと基材との間に微小な隙間を形成し、乾燥装置内外の差圧によって生じる風の多くは上側のローラの上に設けられた空気通路を通過するようにすれば基材上の塗膜が気流によって乱されないとしている。
特開2004−360961号公報 特開2007−71463号公報
しかしながら、いずれの方法によっても乾燥炉の搬入口付近における気流の乱れによる塗布物の乾燥ムラの発生を防止するのは困難であった。本発明にあっては、簡易な構造でわずかな乾燥ムラの発生を抑制することができる塗布物の製造装置および製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために請求項1にかかる発明としては、搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記搬送中の帯状基材を通過させることにより塗布膜を乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
前記乾燥装置は、
前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と左側板からなる側板と、前記塗布膜が搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、乾燥炉の側面に設置された給気口と、前記給気口と対向する位置に設置された排気口と、を有する乾燥炉を備え、
前記乾燥炉内外の差圧が−2Pa以上2Pa以下の範囲になるように、前記給気口を介して前記乾燥炉内へ空気を給気する手段が乾燥炉内へ給気する空気の給気量、または、前記排気口を介して前記乾燥炉から空気を排気する手段が乾燥炉内から排気する空気の排気量、または、その両方を制御する制御手段を備える乾燥装置であって、
前記乾燥装置は複数の前記乾燥炉と、隣接する前記乾燥炉を接続し前記基材を支持して搬送するガイドロールを備えた連結部からなり、
前記乾燥炉の天板と前記塗布膜との間隔L11と前記搬入口における開口の上辺と前記塗布膜との間隔L1が間隔L11≦間隔L1の関係を満たし、且つ、
前記連結部は、天板と、底板と、右側板と左側板からなる側板とを備え、
前記連結部における前記天板と前記塗布膜との間隔L21と、前記乾燥炉における前記天板と前記塗布膜との間隔L11が、間隔L21=間隔L11の関係を満たすとともに、前記連結部における前記底板と前記基材との間隔L22と、前記乾燥炉における前記底板と前記基材との間隔L12が、間隔L22>間隔L12の関係を満たすことを特徴とする塗布物の製造装置とした。
また、請求項にかかる発明としては、前記乾燥炉において、前記天板と前記塗布膜との間隔L11と、前記底板と前記基材との間隔L12が、間隔L11≦間隔L12の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置とした。
また、請求項にかかる発明としては、基材上に塗布膜を備える光学フィルムの製造装置であって、請求項1乃至のいずれかに記載の製造装置に前記帯状の基材を搬送させることにより、前記帯状の基材に塗布膜が形成されることを特徴とする光学フィルムの製造装置とした。
また、請求項4にかかる発明としては、搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記搬送中の帯状基材を通過させることにより塗布膜を乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置を用いて塗布物を製造する方法において、
前記乾燥装置は、
前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と左側板からなる側板と、前記塗布膜が搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、乾燥炉の側面に設置された給気口と、前記給気口と対向する位置に設置された排気口と、を有する乾燥炉を備え、
前記乾燥炉内外の差圧が−2Pa以上2Pa以下の範囲になるように、前記給気口を介して前記乾燥炉内へ空気を給気する手段が乾燥炉内へ給気する空気の給気量、または、前記排気口を介して前記乾燥炉から空気を排気する手段が乾燥炉内から排気する空気の排気量、または、その両方を制御する制御手段を備える乾燥装置であって、
前記乾燥装置は複数の前記乾燥炉と、隣接する前記乾燥炉を接続し前記基材を支持して搬送するガイドロールを備えた連結部からなり、
前記乾燥炉の天板と前記塗布膜との間隔L11と前記搬入口における開口の上辺と前記塗布膜との間隔L1が間隔L11≦間隔L1の関係を満たし、且つ、
前記連結部は、天板と、底板と、右側板と左側板からなる側板とを備え、
前記連結部における前記天板と前記塗布膜との間隔L21と、前記乾燥炉における前記天板と前記塗布膜との間隔L11が、間隔L21=間隔L11の関係を満たすとともに、前記連結部における前記底板と前記基材との間隔L22と、前記乾燥炉における前記底板と前記基材との間隔L12が、間隔L22>間隔L12の関係を満たすことを特徴とする塗布物の製造方法とした。
また、請求項にかかる発明としては、前記乾燥炉において、前記天板と前記塗布膜との間隔L11と、前記底板と前記基材との間隔L12が、間隔L11≦間隔L12の関係を満たすことを特徴とする請求項4に記載の塗布物の製造方法とした。
また、請求項にかかる発明としては、基材上に塗布膜を備える光学フィルムの製造方法であって、請求項乃至のいずれかに記載の塗布物の製造方法により、前記帯状の基材に塗布膜が形成されることを特徴とする光学フィルムの製造方法とした。
本発明における塗布物の製造装置および製造方法を使用することにより、簡易な構造でわずかな乾燥ムラの発生を抑制することができ、ムラのない塗布物を製造することができた。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明における塗布物の製造装置を側面から見たときの側面概略図である。図1にあっては、塗布装置1aの塗布部1bにおいて帯状の基材9上に塗布膜が塗布される。塗布膜が形成された基材9は乾燥装置2に搬送される。乾燥装置2は、搬入口3および搬出口4を有し、基材9を天板と底板と右側板と左側板からなる側板により囲む筒型の乾燥炉5と、乾燥炉5の側面に設置された給気口6aと、図示していないが給気口6aと対向する位置に設置された排気口6bと、図示していないが給気口6aを介して乾燥炉5内へ空気を給気する給気手段と、図示していないが乾燥装置内外の差圧をもとに、給気手段が乾燥炉5内へ給気する空気の給気量、または、排気手段が乾燥炉5外へ排気する空気の排気量、または、その両方を制御する制御手段から構成されている。塗布膜が形成された帯状の基材9は、搬入口3から乾燥炉5内へ搬入され、搬出口4から乾燥炉5外へ搬出される。なお、乾燥装置は複数の乾燥炉と隣接する乾燥炉を接続する接続部を備える構造でもよい。
図2は、図1に示された乾燥装置のA−A’断面概略図である。図2にあっては、乾燥炉5の右側板に給気口の開口部17を有する給気口6aが設置されており、乾燥炉5の左側板の給気口6aと対向する位置に排気口の開口部18を有する排気口6bが設置されている。帯状の基材9aは塗布装置により形成された塗布膜9bを備える。
図3は、本発明の乾燥装置の基材搬送方向の断面概略図である。図3にあっては、2つの乾燥炉5の間に、2つの乾燥炉5を接続し基材9を支持して搬送するガイドロール16を備えた連結部7を備える。
乾燥炉5は、基材9を天板と底板と右側板と左側板からなる側板により囲んだ筒型の形状をしており、基材9aを搬入する搬入口3と、基材9aを搬出し搬入口3に対向して設置された搬出口4と、基材9aの塗布膜9bを形成した側に設置された天板12と、基材9aを挟んで天板12と対向して設置された底板13と、基材9aの搬送方向に向って右側であり、基材9aの幅方向に設置された右側板と、右側板と対向して設置された左側板とで構成されている。
本発明の乾燥装置にあっては乾燥炉内外の差圧が−2Pa以上2Pa以下の範囲内に維持されていることを特徴とする。本発明の製造装置において、塗布膜が形成された帯状の基材は同伴風を伴い乾燥装置の搬入口へ搬送される。ここで、乾燥装置の乾燥炉内外の差圧がある場合は搬入口から出入りする風が発生し、これが前記同伴風と干渉し合って気流の乱れを生じ、塗膜面にムラを発生させる。しかしながら、本発明のように−2Pa以上〜2Pa以下の範囲に乾燥炉内外の差圧を制御すれば、差圧によって発生する風を小さく抑えることができ、気流の乱れは殆ど発生せずに、ムラのない塗布物を製造することができる。
本発明における給気手段と排気手段としては、一般的にブロアが用いられるが、給気量および排気量を調節できるものであればブロアに限定されるものではない。なお、図1においては、給気口6aと給気口6aと対向する位置に設置された排気口6bが4つずつ設置されているが、これは本発明の一実施形態を表したものであり、これに限定されるものではない。
本発明における乾燥炉内外の差圧を−2Pa以上2Pa以下の範囲内とする制御手段としては、差圧計等により測定された差圧が−2Pa以上〜2Pa以下の範囲になるように、給気手段により乾燥炉5内へ給気される空気の給気量と排気手段により乾燥炉5内から排気される空気の排気量を制御することができるものであればよい。ただし、本発明でいう差圧は塗布開始前の乾燥炉5内と乾燥炉5外の圧力の差をいう。また、制御手段は、塗布開始前の給気量、または、排気量、または、その両方の制御に使用するものである。これは、塗布中は塗布室への入退室などにより乾燥装置2外の気圧の変動は避けられないが、その変動の都度、制御手段を用い、乾燥炉5内へ給気される空気の給気量と乾燥炉5内から排気される空気の排気量を変更していたのでは、逆に乾燥装置2内の気流が乱れムラを発生させる原因となる。したがって、塗布開始前のる乾燥炉内外の差圧を制御すればよい。なお、差圧測定時、給気量と排気量の制御時に基材9を搬送させていても停止させていてもよい。
また、本発明の乾燥装置にあっては、前記乾燥炉の天板と前記塗布膜との間隔L11と前記搬入口における開口の上辺と前記塗布膜との間隔L1が、間隔L11≦間隔L1の関係を満たすことを特徴とする。前記乾燥炉5の天板12と前記塗布膜9bとの間隔L11と、前記搬入口3における開口の上辺と前記塗布膜9bとの間隔L1が、間隔L11≦間隔L1、つまり、乾燥炉5内における塗布膜9b上の空間の断面積が搬入口3における塗布膜9b上の空間の断面積と比較して、同じ大きさか、もしくは小さい面積とすることにより、乾燥炉5内に入った同伴風は乱れることなく、寧ろ乱れを縮小させながら基材とともに移動することができ、ムラのない塗布物とすることができる。
本発明の乾燥装置の搬入口3および搬出口4は、天板と底板と右側板と左側板からなる側板により囲んだ開口形状であり、筒型形状をしている。これは乾燥炉5内を密閉する構造が好ましくないためである。乾燥炉が基材9aを搬入する搬入口3において外気を遮断するような構造をとる場合、すなわち、乾燥炉が間隔L11>間隔L1となるような構造をとる場合には、搬入口の狭い空間から乾燥炉内の広い空間に移ることにより噴流のような気流の乱れが発生する。したがって、得られる塗布物はムラのある塗布物となる。
なお、図3にあっては、前記乾燥炉の天板と前記塗布膜との間隔L11と前記搬入口における開口の上辺と前記塗布膜との間隔L1が、間隔L11=間隔L1の関係を満たしている。図4に本発明の別の態様の乾燥装置の基材搬送方向の断面概略図を示した。本発明にあっては、図4に示したように前記乾燥炉の天板と前記塗布膜との間隔L11と前記搬入口における開口の上辺と前記塗布膜との間隔L1が、間隔L11>間隔L1の関係を満たしていても構わない。ただし、図4に示したように、間隔L11<間隔L1とする場合は、塗布膜9b上の空間に段差があると気流が乱れムラを発生させる要因となるので、乾燥炉内の給排気による乾燥風が流れているエリアまでに傾斜を持たせながら徐々に間隔11に近づければよい。なお、本発明にあっては、間隔L11=間隔L1とした場合と、間隔L11>間隔L1とした場合に得られる効果はほぼ同じである。したがって、装置設計上の理由から間隔L11=間隔L1とするほうが好ましい。
図5に、ガイドロールを用いた本発明の乾燥装置の基材搬送方向の断面概略図を示した。本発明の乾燥装置にあっては、連結部7は、基材9aを囲み、隣り合う乾燥炉を接続するように形成され、基材9aの塗布膜9bを形成した側に設置された天板14と、基材9aを支持しながら搬送するガイドロール16と、ガイドロール16を挟んで天板14と対向して設置された底板15と、側板とで構成されている。このとき、前記連結部7の天板14と前記塗布膜9bとの間隔L21と、前記乾燥炉5の天板12と前記塗布膜9bとの間隔L11が、間隔L21=間隔L11の関係を満たすとともに、前記連結部7の底板15と前記基材9aとの間隔L22と、前記乾燥炉5の底板13と前記基材9aとの間隔L12が、間隔L22>間隔L12の関係を満たすように設置されていることが好ましい。
乾燥中の基材9aは乾燥風17に晒されるため、適当なピッチで支持しなければ基材9aの搬送が不安定になり、基材9aがブレることにより気流を乱したり、場合によっては、塗布膜そのものを流動させたりすることになる。しかしながら、乾燥炉内にガイドローラなどを設置すると、そこで気流の乱れが発生し、塗布膜にムラを発生させる場合がある。これに対し、本発明ではガイドロールを連結部7に配置したことによって、乾燥炉5内には障害物がなく、気流を乱すことなく基材9aを搬送することが出来る。
また、前記連結部の天板14と前記塗布膜9bとの間隔L21と前記乾燥炉5の天板12と前記塗布膜9bとの間隔L11が、間隔L21=間隔L11の関係を満たす場合には、乾燥装置2の搬入口3から搬出口4までの区間において、塗布膜9b上に形成された空間の断面積が常に同じ大きさであるので、基材9aは塗布膜9b上の気流を殆ど乱すことなく搬送されることから、ムラのない塗布物とすることができる。
さらに、連結部の底板15と前記基材9aとの間隔L22と前記乾燥炉5の底板13と前記基材9aとの間隔L12が、間隔L22>間隔L12の関係を満たす、すなわち前記連結部における基材9a下の空間は、前記塗布膜9b上の空間や乾燥炉5における基材9a下の空間に比べて大きくなっているので、連結部7の出入口で生じる気流の乱れは、そのほとんどが連結部7の基材9a下の空間に流れ込み、ガイドロール16周辺の空間を通過しながら排気口6bへ移動するため、塗布膜9b上の気流を乱すことがなく好ましい。
また、本発明の乾燥装置にあっては、天板と底板の距離11が10mm以上100mm以下の範囲内であることがこのましい。天板と底板との距離11は、天板12と底板13との基材面に対し垂直方向の距離を示している。給気口6aにおける給気量と排気口6bにおける排気量を少なく保ち、かつ、乾燥速度を速めるために、ある程度空気の流れ17が発生する空間を制約する必要がある。そこで天板と底板との距離11は10mm以上100mm以下の範囲が好ましい。10mm未満では基材9aが搬送されたときに天板12または底板13への接触などトラブルの原因となるため好ましくない。また、100mmより高くすると乾燥速度を速めるために給気量と排気量を増加させる必要があり、給気手段および排気手段の増設やエネルギーコストの増加などコスト面の問題があり好ましくない。
また、図1に示したように本発明における乾燥装置2は、塗布装置1aの塗布部1bから塗布膜搬送距離8で0.2m以上0.8m以下の範囲に設置されていることが好ましい。ここで塗布膜搬送距離8とは、塗布部1aと搬入口3との直線距離ではなく、搬送される基材9aに沿った長さのことを指している。基材9aの搬送速度は制約事項ではないが、20m/min以上100m/min以下程度の一般的な速度を有する乾燥装置2を用いている。塗布膜搬送距離8が0.8mより離れると自然に乾燥していく領域が無視できなくなり、自然乾燥によるムラが生じる可能性があり好ましくない。また、0.2m未満であると基材9aを搬入する搬入口3において外気を遮断してしまう可能性があり好ましくない。
本発明では、給気口6aから給気手段を用いて乾燥炉5内へ空気を給気し、排気口6bから排気手段を用いて乾燥炉5内から空気を排気している。つまり、給気口6aから排気口6bに向かって、基材9aの搬送方向に対し垂直の方向に空気の流れ17を発生させている。図1および図2では、基材9の搬送方向に向って右側から左側に空気の流れ17が発生しているが、これは本発明の一実施形態を表したものであり、基材9aの搬送方向に向って左側から右側に空気の流れが発生していてもよい。つまり、乾燥炉5の左側板に給気口が設置されており、乾燥炉5の右側板の給気口と対向する位置に排気口が設置されていてもよい。
乾燥炉5の右側板に設置した給気口と左側板に設置した排気口の開口部の高さは、給気口の開口部17と排気口の開口部18の基材面に対し垂直方向の口径を示している。ここで、天板と底板との距離11と給気口と排気口の開口部の高さ19がほぼ一致していることが好ましい。こうすることで、給気口6aと排気口6b間に発生する空気の流れ17が、乾燥炉5の天板12と底板13との間に一様に発生し、基材9aの塗布膜9bを形成した側と基材9aの塗布膜9bを形成した側とは反対側に空気の流れ17が発生する。これにより、基材9aを搬送する高さにブレが生じにくくなり、安定性が確保されてムラ発生を防止することができる。
基材9aの塗布膜9bを形成した側と基材9aの塗布膜9bを形成した側とは反対側のどちらか一方にのみ空気の流れを発生させようとすると、基材9aの搬送する高さを厳密に定めなければならない。しかし、現実的には基材9aを搬送すると基材9aを搬送する高さにブレが生じるため、ムラ発生の原因となる。なお、給気口6aと排気口6b間に発生する空気の流れ17を、より安定して発生させるために、給気口6aにおける給気量と排気口6bにおける排気量を一致させることが好ましい。
さらに、塗布9b膜を形成した側に流れる空気の給気量と排気量と、塗布膜9bを形成した側と反対側の基材側9aに流れる空気の給気量と排気量とを管理することが好ましい。基材9aに形成した塗布膜9bと天板12との天板側間隙の高さL11と基材9aと底板13との底板側間隙の高さL12でその量を管理することができる。このとき、高さL11と高さL12が高さL11≦高さL12の関係になっていることが好ましい。高さL11≦高さL12の関係を満たすとき、面性と生産性をさらに向上することができる。
以上により、上述の通り基材9a上に形成された塗布膜9bは、乾燥装置2内において前記塗布膜9b上の気流を乱すことなく搬送されるため、わずかな乾燥ムラの発生をも抑制することが出来る。
乾燥装置2の長さ(基材の搬送方向)は特に制約すべき事項ではない。乾燥装置2の長さは塗布膜が乾燥するかどうかで決定されるものであり、製品によって異なるものである。ただし、本発明では、5m以上100m以下の一般的な長さの乾燥装置を用いている。
本発明における乾燥装置2は、わずかな乾燥ムラの発生をも抑制できるため、その効果が最も現れるのは乾燥初期である。乾燥装置の全長すべてが本発明の乾燥装置2によるものではなく、搬入口3を含む乾燥初期段階のみに本発明の乾燥装置2を導入することも可能である。その場合、図1に示すように、前半部に第一乾燥装置として本発明の乾燥装置2を導入し、後半部に第二乾燥装置10として公知の乾燥装置を導入してもよい。
第二乾燥装置10としては、スリットノズルやパンチングメタルから基材に形成された塗布膜に温度を上昇させた噴流を当てるような方式を導入しても良いし、クイックリターン方式のノズルや基材の搬送方向に平行流を流す方式のノズルから熱風を噴出する方式でも良い。また、片面だけでなく両面から加熱手段を設けても良い。市販されているいかなる乾燥装置を使用しても本発明の効果をさまたげるものではない。
さらに、図1には本発明の乾燥装置2と公知の第二乾燥装置10をそれぞれの装置として独立させる場合を示しているが、一つの乾燥装置の中で、前半部が本発明の乾燥装置による方式をとり、後半部が公知の乾燥装置に基づく方式をとる場合でも本発明の効果は変わらない。
また、本発明における塗布装置1は、グラビア、ワイヤーバー、ダイ等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の塗布物の製造装置および製造方法は、様々な製品に対して用いることができるが、特に有機溶剤を溶媒とする分散物の塗布に対して効果がある。その中でも近年需要が伸びている光学フィルムのようなこれまで以上にムラに対する許容余地の少ない製品に効果的である。
ここで、光学フィルムとは主に液晶やプラズマディスプレイなどの表示装置の最表面またはその内側に使用されるフィルムであり、ハードコートフィルム、反射防止フィルム、防眩性フィルム、光学補償フィルム、光拡散フィルム、帯電防止フィルムなどが挙げられる。
これら光学フィルムは、帯状の基材上に有機溶剤を含む塗布液を塗布し乾燥することにより、基材上に塗布膜からなる機能層が形成される。例えば、ハードコートフィルムにあっては本発明の塗布物の製造方法及び製造方法により基材上にハードコート層が形成される。また、反射防止フィルムにあっては基材上に反射防止層が形成され、また、防眩性フィルムにあっては、基材上に防眩層が形成され、また、光学補償フィルムにあっては基材上に光学補償層が形成され、また、光拡散フィルムにあっては基材上に光拡散層が形成され、帯電防止フィルムにあっては基材上に帯電防止層が形成される。また、本発明の光学フィルムは、例えば、基材側から順にハードコート層と反射防止層を備える光学フィルムといったように、機能層が積層構造であってもよく、このとき、光学機能層のうち少なくとも1層が本発明の塗布物の製造方法及び製造方法により形成されていれば良い。
本発明にあっては、帯状の基材を用い、搬送中の基材を塗布装置及び乾燥装置を通過させることにより、ロール・ツー・ロール方式で連続して塗布物を形成することができる。
本発明に用いられる帯状の基材9としては、用途によって様々なものを使用することができる。基材9を構成する成分としては、例えば、アセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フルイム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、基材9は、単層からなっていても複数層からなっていてもよい。なお、基材9の厚さは一般的に10〜500μmのものが用いられる。
また、本発明に用いられる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン・オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、1種、または、2種類以上の混合物として用いてよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の塗布液に用いられるバインダーとしては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられ、電離放射線硬化性樹脂等には光重合開始剤が含まれる。
電離放射線硬化性樹脂としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。またこれらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを発生するものであればよく、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。光重合開始剤の添加量は、活性エネルギー線硬化単量体10〜80質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜7質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましくい。
また、本発明の塗布物の製造装置及び製造方法もしくは光学フィルムの製造方法及び製造装置にあっては、ここで示した塗布装置(工程)、乾燥装置(工程)以外の装置(工程)を備えていても良い。例えば、先に示したような、第二乾燥装置10(工程)を設けることができる。また、塗布液に紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂をバインダーとして用いた場合には、それぞれ、紫外線照射装置(工程)、電子線照射装置(工程)が設けられる。また、熱硬化性樹脂をバインダーとして塗布液に用いた場合には、新たに、加熱装置(工程)を設けることもできる。
<実施例1>
以下のようにして、基材上に防眩性フィルムを形成した。
平均粒子径3.0μmのシリカ粒子を4.2wt%、バインダーとしてペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学株式会社製)36.0wt%、光重合開始剤としてイルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)1.8wt%、溶媒としてトルエン34.8wt%、ジオキソラン23.2wt%を混合させたものを塗布液として調製した。調製した粘度は3.0mPasであった。
次に、連続的に搬送される帯状の基材として1340mm幅、膜厚80μmのトリアセチルセルロース(TAC)基材を用い、塗布工程、乾燥工程、第二乾燥工程、紫外線照射工程により防眩性フィルムを作製した。なお、このときの搬送速度は、50m/minである。
ここで、塗布工程においては、エクストルージョン方式のダイヘッドを備える塗布装置を用い、塗布液を塗布した。
次に、乾燥工程においては、乾燥炉を10個有し、各乾燥炉間ガイドロールを備えた連結部を有する全長10mの乾燥装置を用いた。このとき、各乾燥炉の右側板、左側板にはそれぞれ給気口、排気口が1個ずつ設けられているものを用いた。実施例1の乾燥装置にあっては、天板と底板との距離が17mm、給気口と排気口の開口部の高さが17mm、間隔L1が7mm、間隔L11が7mm、間隔L12が10mm、間隔L21が7mm、間隔L22が100mmである。また、乾燥炉の搬入口とダイヘッドの塗布部は塗布膜搬送距離で0.2mの距離に設置され、搬入口付近の乾燥炉内外の差圧は0±2Paの範囲に収まるように内部のブロアの回転数を制御した。
次に、第二乾燥工程においては、スリットノズルから熱風を噴出する長さ5mの乾燥装置を第二乾燥装置として用いた。
最後に、紫外線照射工程においては、超高圧水銀ランプを紫外線照射装置として用いた。
<実施例2>
実施例1の乾燥工程において、乾燥装置の間隔L1を10mmに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<実施例3>
実施例1の乾燥工程において、乾燥装置の天板と底板との距離を87mm、給気口と排気口の開口部の高さを87mm、間隔L1を42mm、間隔L11を42mm、間隔L12を45mm、間隔L21を42mmに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<実施例4>
実施例1において、乾燥装置の乾燥炉の搬入口と塗布装置の塗布部との塗布膜搬送距離を0.7mに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<実施例5>
実施例1の乾燥工程において、乾燥装置の間隔L21を3mmに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<実施例6>
実施例1の乾燥工程において、図6に示すような連結部を有する乾燥装置を用い、乾燥装置の間隔L22を5mmに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<実施例7>
実施例1において、乾燥装置の乾燥炉の搬入口と塗布装置の塗布部との塗布膜搬送距離を0.1mに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<実施例8>
実施例1において、乾燥装置の乾燥炉の搬入口と塗布装置の塗布部との塗布膜搬送距離を0.9mに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<実施例9>
実施例1の乾燥工程において、乾燥装置の天板と底板との距離を127mm、給気口と排気口の開口部の高さを127mm、間隔L1を60mm、間隔L11を60mm、間隔L12を67mm、間隔L21を60mmに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<実施例10>
実施例1の乾燥工程において、乾燥装置の間隔L1を10mm、間隔L11を10mm、間隔L12を7mm、間隔L21を10mmに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<実施例11>
実施例1の乾燥工程において、図6に示すように、乾燥装置の給気口と排気口の開口部の高さ19を13mmに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<比較例1>
実施例1の乾燥工程において、乾燥装置の搬入口付近の乾燥炉内外の差圧を2±2Paの範囲に収まるように内部のブロアの回転数を制御したこと以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<比較例2>
実施例1の乾燥工程において、乾燥装置の間隔L1を3mmに変更した以外は、実施例1と同様に乾燥装置を設置し、防眩性フィルムを形成した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた防眩性フィルムを長手方向に2mの長さに断裁した。断裁した防眩性フィルムを蛍光灯にかざしながら表面の面状を検査し、明確に不均一な面状を生じてムラとして認識できるものが存在しているものはバツ印とし、僅かにムラとして認識できるものの製品として許容範囲内であるものは三角印とし、全く存在していないものを丸印とした。結果を(表1)に示す。
Figure 0005347256
実施例1で丸印であったものが、比較例1ではバツ印となった。これより、本発明の乾燥炉内外の差圧が−2Pa以上〜2Pa以下の範囲であることが必要であるとわかる。また、実施例1、2で丸印であったものが、比較例2ではバツ印となった。これより、本発明において間隔L11≦間隔L1の関係を満たすことが必要であるとがわかる。
次に、実施例1で丸印であったものが、実施例5、実施例6では三角印となった。これより、本発明において間隔L21=間隔L11の関係を満たすとともに、間隔L22>間隔L12の関係を満たすことがより好ましい形態であるとわかる。
更に、実施例1、4で丸印であったものが、実施例7、実施例8では三角印となった。これより、本発明の乾燥装置の設置は塗布部から乾燥炉の搬入口までの塗布膜搬送距離が0.2m以上0.8m以下の範囲であることが、よりこのましい形態であることがわかる。
また、実施例1、3で丸印であったものが、実施例9、実施例10、実施例11では三角印となった。これより、天板と底板との距離は10mm以上100mm以下であり、高さL11≦高さL12の関係を満たすことが、より好ましい形態であることがわかる。また、天板と底板との距離と給気口と排気口の開口部の高さをほぼ一致させることが、より好ましい形態であることがわかる
図1は本発明における塗布物の製造装置を側面から見たときの側面概略図である。 図2は図1に示された乾燥装置のA−A’断面概略図である。 図3は本発明の乾燥装置の基材搬送方向の断面概略図である。 図4は本発明の別の態様の乾燥装置の基材搬送方向の断面概略図である。 図5はガイドロールを用いた本発明の乾燥装置の基材搬送方向の断面概略図である。 図6は(実施例6)における図1に示された乾燥装置のA−A’断面概略図である。
符号の説明
1 塗布装置
2 乾燥装置
3 搬入口
4 搬出口
5 乾燥炉
6a 給気口
6b 排気口
7 連結部
8 塗布膜搬送距離
9a 基材
9b 塗布膜
10 第二乾燥装置
11 天板と底板との距離
12 乾燥炉の天板
13 乾燥炉の底板
14 連結部の天板
15 連結部の底板
16 ガイドロール
17 給気口の開口部
18 排気口の開口部
19 給気口と排気口の開口部の高さ
20 空気の流れ

Claims (6)

  1. 搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記搬送中の帯状基材を通過させることにより塗布膜を乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
    前記乾燥装置は、
    前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と左側板からなる側板と、前記塗布膜が搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、乾燥炉の側面に設置された給気口と、前記給気口と対向する位置に設置された排気口と、を有する乾燥炉を備え、
    前記乾燥炉内外の差圧が−2Pa以上2Pa以下の範囲になるように、前記給気口を介して前記乾燥炉内へ空気を給気する手段が乾燥炉内へ給気する空気の給気量、または、前記排気口を介して前記乾燥炉から空気を排気する手段が乾燥炉内から排気する空気の排気量、または、その両方を制御する制御手段を備える乾燥装置であって、
    前記乾燥装置は複数の前記乾燥炉と、隣接する前記乾燥炉を接続し前記基材を支持して搬送するガイドロールを備えた連結部からなり、
    前記乾燥炉の天板と前記塗布膜との間隔L11と前記搬入口における開口の上辺と前記塗布膜との間隔L1が間隔L11≦間隔L1の関係を満たし、且つ、
    前記連結部は、天板と、底板と、右側板と左側板からなる側板とを備え、
    前記連結部における前記天板と前記塗布膜との間隔L21と、前記乾燥炉における前記天板と前記塗布膜との間隔L11が、間隔L21=間隔L11の関係を満たすとともに、前記連結部における前記底板と前記基材との間隔L22と、前記乾燥炉における前記底板と前記基材との間隔L12が、間隔L22>間隔L12の関係を満たすことを特徴とする塗布物の製造装置。
  2. 前記乾燥炉において、前記天板と前記塗布膜との間隔L11と、前記底板と前記基材との間隔L12が、間隔L11≦間隔L12の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置。
  3. 基材上に塗布膜を備える光学フィルムの製造装置であって、
    請求項1乃至2のいずれかに記載の製造装置に前記帯状の基材を搬送させることにより、前記帯状の基材に塗布膜が形成されることを特徴とする光学フィルムの製造装置。
  4. 搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記搬送中の帯状基材を通過させることにより塗布膜を乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置を用いて塗布物を製造する方法において、
    前記乾燥装置は、
    前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と左側板からなる側板と、前記塗布膜が搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、乾燥炉の側面に設置された給気口と、前記給気口と対向する位置に設置された排気口と、を有する乾燥炉を備え、
    前記乾燥炉内外の差圧が−2Pa以上2Pa以下の範囲になるように、前記給気口を介して前記乾燥炉内へ空気を給気する手段が乾燥炉内へ給気する空気の給気量、または、前記排気口を介して前記乾燥炉から空気を排気する手段が乾燥炉内から排気する空気の排気量、または、その両方を制御する制御手段を備える乾燥装置であって、
    前記乾燥装置は複数の前記乾燥炉と、隣接する前記乾燥炉を接続し前記基材を支持して搬送するガイドロールを備えた連結部からなり、
    前記乾燥炉の天板と前記塗布膜との間隔L11と前記搬入口における開口の上辺と前記塗布膜との間隔L1が間隔L11≦間隔L1の関係を満たし、且つ、
    前記連結部は、天板と、底板と、右側板と左側板からなる側板とを備え、
    前記連結部における前記天板と前記塗布膜との間隔L21と、前記乾燥炉における前記天板と前記塗布膜との間隔L11が、間隔L21=間隔L11の関係を満たすとともに、前記連結部における前記底板と前記基材との間隔L22と、前記乾燥炉における前記底板と前記基材との間隔L12が、間隔L22>間隔L12の関係を満たすことを特徴とする塗布物の製造方法。
  5. 前記乾燥炉において、前記天板と前記塗布膜との間隔L11と、前記底板と前記基材との間隔L12が、間隔L11≦間隔L12の関係を満たすことを特徴とする請求項4に記載の塗布物の製造方法。
  6. 基材上に塗布膜を備える光学フィルムの製造方法であって、
    請求項4乃至5のいずれかに記載の塗布物の製造方法により、前記帯状の基材に塗布膜が形成されることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
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