JP2008302299A - 塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法 - Google Patents

塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法 Download PDF

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裕 加藤
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Abstract

【課題】 塗布膜中の有機溶剤の蒸発速度を安定化し、わずかな乾燥ムラの発生を抑制することができる塗布膜の製造装置および製造方法を提供する。
【解決手段】 最初に搬送される乾燥ゾーンの搬入口に設置され、塗布液に含まれる有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段を有し、乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段を備えている。また、濃度調節手段が温度調節手段を有している。給気口と排気口の開口部の高さが天板と分離用整風部材との距離とほぼ一致している。
【選択図】 図1

Description

本発明は塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法に関するものである。例えば、反射防止フィルムにおいては、膜厚の相違が光透過率に敏感に反映されることから、誤差1%の以下の膜厚ムラが製品上欠陥として認識される。本発明は、このように精度の厳しい塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法に関するものである。
近年ウェットコーティング技術を利用して製造される光学フィルム製品には、膜厚精度として誤差1%以下を要求されるような製品が増えてきており、光学フィルム製品の生産において、基材上に形成する塗布膜のムラ発生を抑制することは、光学フィルムの品質、生産性の向上に必要不可欠である。
従来、塗布膜面の乾燥方法として、自然対流と気化による自然乾燥や、調湿した気体を塗布膜面に吹きつけることによって溶剤の気化と除去を促す方法等が知られている。前者による方法では、搬送方向や基材の幅方向で塗布膜面からの溶剤の蒸発量に差が生じ、蒸発量に伴う乾燥ムラが発生しやすい。また、後者による方法では、乾燥効率に優れるものの、塗布膜面にあてる気流のために塗布膜面が乱れ、厚みが不均一となり、気流に伴う乾燥ムラが生じやすい。
そこで、乾燥ムラの発生を抑制し、乾燥効率を上げることを目的とする技術が開発されている。例えば、特許文献1では、乾燥炉内で基材上に形成された塗布膜に対して平行、かつ、塗布膜の搬送方向に向って熱風を送り、その層流である熱風の速度を基材の搬送速度に対して0.1m/秒〜5m/秒の相対速度になるよう制御している。
しかし、この構造では、搬送する基材面上を層流に保つには高い精度で吹き込み風量と角度を設定しなければならず、実用的な搬送速度では困難である。
また、乾燥気体が塗布膜に接触しないようにする方法が知られている。特許文献2では、整風部材を通して蒸発した溶剤を排気室に排気する乾燥方法および装置が提案されている。乾燥気体が塗布膜面に直接接触しないため、塗布膜面上に乱流が発生しにくく、温度のばらつきが生じにくい。このため、これら乱流や温度ムラによる乾燥ムラが生じにくいという利点がある。
しかし、塗布膜の搬送速度の増加に伴い、塗布膜中の有機溶剤蒸発速度が増加し、この有機溶剤蒸発速度が速すぎることによって引き起こされる乾燥ムラを、特許文献2に記載の方法では、解決することができない。
特許文献3では有機溶剤濃度を調節した温風を吹き付ける乾燥装置が考案されている。この方法を用いると、高速搬送での有機溶剤の蒸発速度を調整することができ、有機溶剤の蒸発速度の増加に伴う塗布膜面の蒸発ムラの発生を抑制することはできるが、塗布膜面に気体を直接当てているため、塗布膜面上に乱流が発生し、塗布膜面に乾燥ムラが発生するという欠点があった。
以下に先行技術文献を示す。
特開2002−340479号公報 特開2003−93954号公報 特開2005−172351号公報
本発明における課題は、塗布膜搬送部内の有機溶剤分圧と温度とを調節し、塗布膜面上に乾燥気体を当てないことで、塗布膜面に悪影響を与えず蒸発溶剤を取り除き、わずかな乾燥ムラの発生をも抑制することができる塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、それらを用いた塗布物の製造装置および製造方法を提供することである。
請求項1に記載の発明は、搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
前記乾燥装置は、少なくとも
前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されている乾燥ゾーンと、
前記搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、
前記天板側に配置された溶剤除去部と、
前記塗布膜搬送部と前記溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、
各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、
各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、
前記給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段と、
前記塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーンの搬入口に設置され、前記塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段と、温度を調整する温度調整手段とを有し、乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段と、
を備えていることを特徴とする塗布物の製造装置である。
請求項2に記載の発明は、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された分離用整風部材と、
前記分離用整風部材と前記塗布膜との間の整風部材側間隙の高さL1と、
前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された乾燥ゾーンの底板と、
前記底板と前記基材との間の底板側間隙の高さL2と、
を有し、
L1とL2がL1≦L2の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置である。
請求項3に記載の発明は、前記給気口と排気口の開口部の高さが前記天板と分離用整風部材との距離とほぼ一致していることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布物の製造装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の製造装置を用いて形成したことを特徴とする光学フィルムである。
請求項5に記載の発明は、搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥ゾーン内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布物の製造方法において、
前記乾燥ゾーンは、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されており、
前記搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
次に、前記塗布膜を塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーンの搬入口に設置された濃度調整手段の搬入口へ搬入する搬入工程と、
次に、搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、底板側に配置された塗布膜搬送部と、天板側に配置された溶剤除去部と、塗布膜搬送部と溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段と、塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段と温度を調整する温度調整手段とを用いて乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段と、を備え、塗布膜の搬送方向に配置されている1ゾーン以上の乾燥ゾーン内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
次に、前記塗布膜を最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
を有することを特徴とする塗布物の製造方法である。
請求項6に記載の発明は、搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成し、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する塗布膜の乾燥装置において、
前記乾燥装置は、少なくとも
前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されている乾燥ゾーンと、
前記搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、
前記天板側に配置された溶剤除去部と、
前記塗布膜搬送部と前記溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、
各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、
各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、
前記給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段と、
前記塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーンの搬入口に設置され、前記塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段と、温度を調整する温度調整手段とを有し、乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段と、
を備えていることを特徴とする塗布膜の乾燥装置である。
請求項7に記載の発明は、搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥ゾーン内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布膜の乾燥方法において、
前記乾燥ゾーンは、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されており、
前記搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
次に、前記塗布膜を塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーンの搬入口に設置された濃度調整手段の搬入口へ搬入する搬入工程と、
次に、搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、底板側に配置された塗布膜搬送部と、天板側に配置された溶剤除去部と、塗布膜搬送部と溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段と、塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段と温度を調整する温度調整手段とを用いて乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段と、を備え、塗布膜の搬送方向に配置されている1ゾーン以上の乾燥ゾーン内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
次に、前記塗布膜を最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
を有することを特徴とする塗布膜の乾燥方法である。
本発明によれば、有機溶剤供給手段と温度調整手段とを有する濃度調整手段を用いることで、塗布膜搬送部内の有機溶剤濃度を調節することができ、この結果、塗布膜搬送部内での塗布膜からの有機溶剤蒸発速度を調節することができる。また、塗布膜面上に乾燥気体を直接当てないことにより、塗布膜面上における乱流の発生を抑制し、乾燥ムラの発生を防ぐことができる。このため、乾燥ムラのない均一な厚みの塗布膜を形成することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明における塗布物の製造装置を側面から見たときの側面概略図である。塗布装置1aの塗布部1bにおいて基材4上に塗布膜が塗布される。塗布膜が形成された基材4は乾燥装置2に搬送される。乾燥装置2は、乾燥ゾーン3a〜3cの3ゾーンを備え、各乾燥ゾーン3a〜3cは、搬入口と搬出口とを有し、塗布膜を搬送し、かつ、底板12側に配置された塗布膜搬送部6と、天板11側に配置された溶剤除去部7と、塗布膜搬送部6と溶剤除去部7とを分離する分離用整風部材8と、溶剤除去部7に配置された給気口9と、図示していないが溶剤除去部7の給気口9と対向する位置に配置された排気口と、図示していないが給気口9を介して溶剤除去部7内へ空気を強制的に給気する給気手段と、同じく図示していないが排気口を介して溶剤除去部7内から空気を強制的に排気する排気手段と、塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーン3aの搬入口13に設置され、塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段と、温度を調整する温度調整手段とを有し、乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段15から構成されている。
図2は、濃度調整手段15の断面図(塗布膜の搬送方向)である。濃度調整手段15は、塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーン3aの搬入口13に設置されており、塗布液に含まれる有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段16を有している。有機溶剤供給手段16は、塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給し、濃度調整手段15内の有機溶剤濃度を調整できるものであればよく、特に限定されるものではないが、塗布膜面上に気体を吹き付けるなど、塗布膜面上の空気の流速を不均一化するものは除外する。本発明に用いる有機溶剤供給手段16としては、塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を溜める機構を有する液溜容器等を用いることができる。
塗布膜5が搬入口13から塗布膜搬送部6内に搬送されるとき、塗布膜5は濃度調節手段15において調節された気体を塗布膜搬送部6内に同伴するため、塗布膜搬送部6内の有機溶剤濃度は短時間で上昇する。同時に塗布膜搬送部6内では塗布膜5に含まれる有機溶剤の自然蒸発が起こるが、蒸発速度は塗布膜搬送部6内での有機溶媒濃度に依存する。塗布膜搬送部6内での有機溶媒濃度が高ければ蒸発速度は遅くなり、低ければ速くなる。塗布膜搬送部6内の有機溶剤濃度は、塗布膜搬送部6と分離用整風部材8により分離された溶剤除去部7内において、給気手段と排気手段とを用いて発生させられた空気の流れによって調節可能であるため、塗布膜搬送部6内では、塗布膜5からの有機溶剤蒸発速度が押さえられ、塗布膜5の乾燥を安定させることができる。
また、図2に示すように、濃度調整手段15は温度調節手段17を有している。本発明における温度調節手段17は、温調用水管やヒーター等、濃度調整手段15内の温度を調節できるものであればよく、特に限定されるものではない。温度調節手段17を用いて濃度調整手段15内の温度を調節することによって、塗布速度、有機溶剤の種類に応じた有機溶剤の濃度調節を容易に行うことができる。
また、濃度調整手段15の塗布膜5の搬送方向上流側もしくは下流側の少なくとも一方に通気用整風部材18を設置することが好ましい。乾燥装置2内へ搬入、および、乾燥装置2外へ搬出される塗布膜5は、気体を同伴するために、搬入口付近、および、搬出口付近では、それに伴う乱流が発生しやすい。通気用整風部材18を通過した乱流は、微風、かつ、均一に整えられるため、濃度調整手段15に隣接して設置された各乾燥ゾーン内において、風速不均一による塗布膜5の乾燥ムラを防ぎ、均一な塗布膜5を得ることができる。
さらに、濃度を調節した有機溶剤のガスが濃度調整手段15と乾燥ゾーン3aとの間で排気されないように、濃度調整手段15と乾燥ゾーン3aの搬入口13とは連結していることが好ましい。また、不均一な空気の流れを防止するために、濃度調整手段15と乾燥ゾーン3aの搬入口13とは段差なく滑らかに連結していることが好ましい。
また、濃度調整手段15の上流側に位置している塗布装置1aを用いて塗布された塗布膜5の表面は、有機溶剤が過剰の状態にあり、一般的に用いられる有機溶剤は低沸点であるため、塗布液を塗布した直後から、有機溶剤の自然蒸発が起きている。塗布膜5からの有機溶剤蒸発速度が速いと塗布膜5表面が不安定化しムラができやすくなるため、塗布装置1aと濃度調整手段15との距離を短く設置することが好ましい。ここで、濃度調整手段15は、塗布装置1aの塗布部1bから塗布膜搬送距離23で0.2m以上0.8m以下の範囲に設置されていることが好ましい。塗布膜搬送距離23とは、塗布部1bと濃度調整手段15の搬入口との直線距離ではなく、搬送される基材4に沿った長さのことを指している。
図3は、図1に示された乾燥装置のA−A’断面概略図である。図3に示すように、分離用整風部材8と基材4に形成した塗布膜5との間の整風部材側間隙の高さL1と、基材4と底板12との間の底板側間隙の高さL2が、L1≦L2の関係になっていることが好ましい。L1≦L2の関係を満たすとき、外乱となる風は基材4と底板12との間に流れ込むのが主流になるため、塗布膜5面に外乱となる風が当たり難く、面性と生産性を向上することができる。
また、図3に示すように、乾燥ゾーン3bの右側板に給気口の開口部19を有する給気口9が設置されており、乾燥ゾーン3bの左側板の給気口9と対向する位置に排気口の開口部20を有する排気口10が設置されている。本発明では、給気口9から給気手段を用いて溶剤除去部7内へ空気を給気し、排気口10から排気手段を用いて溶剤除去部7内から空気を排気している。つまり、給気口9から排気口10に向かって、塗布膜5の搬送方向と垂直に空気の流れ21を発生させている。しかし、これは本発明の一実施形態を表したものであり、これに限定されるものではない。塗布膜5の搬送方向に向って左側から右側へ空気の流れを発生させてもよいし、隣接する乾燥ゾーンごとに空気の流れの向きを変えてもよい。また、塗布膜5の搬送方向と平行に空気の流れを発生させてもよい。
また、給気手段を用いて溶剤除去部7内へ空気を給気する給気風量D1と、排気手段を用いて溶剤除去部7内から空気を排気する排気風量D2との関係が、給気風量D1<排気風量D2であることが好ましい。排気手段を用いて溶剤除去部7内から空気を吸引して空気の流れを発生させることで、空気を給気して空気の流れを発生させる場合よりも、安定した空気の流れを発生させることができるためである。
さらには、給気風量D1をゼロとし、排気風量D2のみを用いて溶剤除去部7内に空気の流れを発生させることが好ましい。
また、図3に示すように、給気口の開口部19の高さ(基材面に対し垂直方向の口径)と排気口の開口部20(基材面に対し垂直方向の口径)の高さは、天板11と分離用整風部材8との距離(基材面に対し垂直方向)とほぼ一致していることが好ましい。こうすることで、給気口9と排気口10間に発生する空気の流れ21が、天板11と分離用整風部材8との間、つまり、溶剤除去部7内に一様に発生し、安定的に塗布膜5から揮発する有機溶剤を除去することができる。
本発明の濃度調整手段15および塗布膜搬送部には、図示していないが、濃度調整手段15内および塗布膜搬送部6内の有機溶剤濃度を測定する測定手段が設置されていることが好ましい。測定手段としては、濃度調整手段15内および塗布膜搬送部6内の有機溶剤濃度を測定できるものであればよく、特に制約すべき事項ではない。さらに、測定手段により測定された出力結果を基に、温度調節手段17の温度および給気手段、または、排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段の給気風量D1および排気風量D2を制御する制御手段が設置されていることが好ましい。制御手段としては、温度調節手段17の温度および給気手段、または、排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段の給気風量D1および排気風量D2を制御することができるものであればよく、特に制約すべき事項ではない。
図1において、基材4に形成された塗布膜5は、最初に搬入する乾燥ゾーン3aの搬入口13から最初の乾燥ゾーン3a内へ搬入され、最後に搬出する乾燥ゾーン3cの搬出口14から乾燥ゾーン3c外へ搬出される。図1では、乾燥ゾーン3a〜3cの3ゾーンが直線的に配置されているが、これは本発明の一実施形態を表したものであり、これに限定されるものではない。また、隣接する各乾燥ゾーンは直線的に配置されていても、屈折して配置されていてもよい。
また、図1では、各乾燥ゾーン(3a〜3c)に給気口9と排気口10が2個ずつ配置されているが、これは本発明の一実施形態を表したものであり、これに限定されるものではなく、各乾燥ゾーンに対して配置される給気口9および排気口10の個数に制限はない。
なお、給気口9と排気口10間に発生する空気の流れ21を、より安定して発生させるために、給気口9における給気量と排気口10における排気量を一致させることが好ましい。
本発明における乾燥ゾーンは、乾燥ゾーン外から吹き込む風や塵等の外乱を防止するためにある程度密封された箱型または筒型の形状をしている。塗布膜5を搬入する搬入口と、塗布膜5を搬出し搬入口に対向して設置された搬出口と、基材4の塗布膜5を形成した側に設置された天板11と、基材4を挟んで天板11と対向して設置された底板12と、塗布膜5の搬送方向に向って右側であり、塗布膜5の幅方向に設置された右側板と、右側板と対向して設置された左側板とで構成されている。ここで、搬送される基材4に対し、重力方向上面側に塗布膜5が形成されているか、下面側に塗布膜5が形成されているかは関係ない。
本発明における給気手段、または、排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段としては、給気手段および排気手段の風量(給気風量D1および排気風量D2)に応じて、溶剤除去部7内の空気の流れを調節することができるブロアを用いることができるが、これに限定されるものではない。
本発明における分離用整風部材8および通気用整風部材18としては、金網、パンチングメタル等、多数の穴を形成した板状部材を用いることができ、穴の開口形状や穴の開口率等は特に制限されるものではない。ここで、穴の開口率とは、(穴の開口部の面積/整風部材の面積)×100(%)で表される値である。また、整風部材8の材質としては、耐溶剤性を有するものであればよく、特に限定されるものではない。
分離用整風部材8は、塗布膜搬送部6内の気体の流動と溶剤除去部7内の気体の流動とを分離するためのものであり、通気用整風部材18は、前述した通り、乾燥ゾーン内へ流れ込む乱流を、微風、かつ、均一に整えるためのものである。
本発明における乾燥装置2の長さ(基材の搬送方向)は、特に制約すべき事項ではない。乾燥装置2の長さは塗布膜が乾燥するかどうかで決定されるものであり、製品によって異なるものである。ただし、本発明では、1m以上100m程度の一般的な長さの乾燥装置2を用いている。
また、本発明における乾燥ゾーンの長さ(塗布膜の搬送方向)としては、30cm以上30m以下程度のものを用いている。
本発明における基材4の搬送速度は制約すべき事項ではないが、10m/min以上100m/min以下程度の一般的な速度が好ましい。
本発明における乾燥装置2は、塗布膜中の有機溶剤の蒸発速度を安定化し、わずかな乾燥ムラの発生を抑制することができるため、その効果が最も現れるのは乾燥初期である。乾燥装置の全長すべてが本発明の乾燥装置2によるものではなく、基材に形成された塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口を含む乾燥初期段階のみに本発明の乾燥装置2を導入することも可能である。その場合、図1に示すように、前半部に第一乾燥装置として本発明の乾燥装置2を導入し、後半部に第二乾燥装置22として公知の乾燥装置を導入してもよい。
第二乾燥装置22としては、スリットノズルやパンチングメタルから基材に形成された塗布膜に温度を上昇させた噴流を当てるような方式を導入しても良いし、クイックリターン方式のノズルや基材の搬送方向に平行流を流す方式のノズルから熱風を噴出する方式でも良い。また、片面だけでなく両面から加熱手段を設けても良い。市販されているいかなる乾燥装置を使用しても本発明の効果をさまたげるものではない。
さらに、図1には本発明の乾燥装置2と公知の第二乾燥装置22をそれぞれの装置として独立させる場合を示しているが、一つの乾燥装置の中で、前半部が本発明の乾燥装置による方式をとり、後半部が公知の乾燥装置に基づく方式をとる場合でも本発明の効果は変わらない。
本発明における塗布装置1aは、グラビア、ワイヤーバー、ダイ等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
本発明の塗布膜の乾燥装置および乾燥方法、これらを用いた塗布物の製造装置および製造方法は、様々な製品に対して用いることができるが、特に溶剤を有機溶剤とする分散物の塗布に対して効果がある。その中でも近年需要が伸びている光学フィルムのようなこれまで以上にムラに対する許容余地の少ない製品に効果的である。
ここで、光学フィルムとは、透過光や反射光の方向、位相、偏光面等を制御するフィルムであり、例えば、液晶やプラズマディスプレイ等の表示装置の最表面またはその内側に使用される。このような光学フィルムとしては、例えば、反射防止フィルム、防眩性フィルム、光学補償フィルム、光拡散フィルムなどが挙げられる。
また、本発明に用いられる溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール・ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン・オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、1種、または、2種類以上の混合物として用いてよいが、これらに限定されるものではない。
本発明の塗布液に用いられるバインダーとしては、紫外線硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの電離放射線硬化性樹脂や熱硬化性樹脂等が挙げられ、電離放射線硬化性樹脂等には光重合開始剤が含まれる。
電離放射線硬化性樹脂としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレート樹脂、ジイソシアネート、多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタンアクリレート樹脂等が挙げられる。またこれらの他にも、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も使用することができる。
熱硬化性樹脂としては、熱硬化型ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線が照射された際にラジカルを発生するものであればよく、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル[4−(メチルチオ)フェニル]モルフォリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。光重合開始剤の添加量は、活性エネルギー線硬化単量体10〜80質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、1〜7質量部がより好ましく、1〜5質量部がさらに好ましくい。
本発明に用いられる基材としては、用途によって様々なものを使用することができる。基材を構成する成分としては、例えば、アセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フルイム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、基材は、単層からなっていても複数層からなっていてもよい。なお、基材の厚さは一般的に10〜500μmのものが用いられる。
<実施例1>
幅600mm、厚み100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材に、溶剤として酢酸エチル、バインダーとしてアクリル樹脂を用い、固形分濃度50wt%からなる塗布液をエクストルージョン方式のダイヘッドで塗布し、高さ60mmの溶剤除去部と、高さ30mmの塗布膜搬送部からなる長さ10mの乾燥装置内に、搬送速度10m/minで塗布膜を搬送した。ここで用いた乾燥装置は、長さ1mの乾燥ゾーンを10ゾーン直線的に配置したものであった。
塗布膜が最初に搬入される乾燥ゾーンの搬入口には濃度調整手段が設置されており、濃度調整手段は、酢酸エチルを溜めた液溜容器(有機溶剤供給手段)と、40℃である温調用水管(温度調節手段)とを備えるものである。
溶剤除去部では、給気手段および排気手段を用いて塗布膜搬送方向に向って右側から左側に風速6m/minの空気の流れを発生させた。基材および基材に形成した塗布膜は、分離用整風部材と底板のほぼ中央を搬送させた(整風部材側間隙の高さL1および底板側間隙の高さL2が、ともに15mm程度)。給気口と排気口の開口部の高さは60mmであった。
分離用整風部材は、穴(円形)の直径が0.7mmで一様に分布し、穴の開口率が70%、塗布膜幅方向の長さが600mm、塗布膜搬送方向の長さが10mであるものを用いた。分離用整風部材の材質は、ステンレス(SUS304)からなっており、厚さは1mmであるものを用いた。また、濃度調整手段の塗布膜の搬送方向上流側に通気用整風部材が設置されており、分離用整風部材と、穴(円形)の直径、穴の開口率、材質、厚さが同じものを用いた。
<実施例2>
温調用水管の水温を室温25℃としたこと以外は実施例1と同様の条件で乾燥を行った。
<比較例1>
有機溶剤供給手段を用いなかったこと以外は実施例1と同様の条件で乾燥を行った。
<比較例2>
温度調節手段を用いなかったこと以外は実施例1と同様の条件で乾燥を行った。
<評価>
塗布膜面のムラの程度は基材を巻き取った後に目視観察で確認した。ムラの程度を○×で示したが、○はムラが小さく製品として問題にならない、×はムラが目立ち製品としては使用不可能の二段階評価で行った。結果を表1に示す。
Figure 2008302299
表1より、濃度調整手段と温度調節手段との両方を備えることが有用であると示された。
本発明の塗布膜の製造装置を側面から見たときの側面概略図。 本発明の塗布膜の製造装置を側面から見たときの側面概略図。 図1に示された乾燥装置の断面概略図。
符号の説明
1a 塗布装置
1b 塗布部
2 乾燥装置
3a〜3c 乾燥ゾーン
4 基材
5 塗布膜
6 塗布膜搬送部
7 溶剤除去部
8 分離用整風部材
9 給気口
10 排気口
11 天板
12 底板
13 最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口
14 最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口
15 濃度調整手段
16 有機溶剤供給手段
17 温度調節手段
18 通気用整風部材
19 給気口の開口部
20 排気口の開口部
21 空気の流れ
22 第二乾燥装置
23 塗布膜搬送距離

Claims (7)

  1. 搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布装置と、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する乾燥装置とを有する塗布物の製造装置において、
    前記乾燥装置は、少なくとも
    前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されている乾燥ゾーンと、
    前記搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、
    前記天板側に配置された溶剤除去部と、
    前記塗布膜搬送部と前記溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、
    各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、
    各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、
    前記給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段と、
    前記塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーンの搬入口に設置され、前記塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段と、温度を調整する温度調整手段とを有し、乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段と、
    を備えていることを特徴とする塗布物の製造装置。
  2. 前記基材の塗布膜を形成した側に設置された分離用整風部材と、
    前記分離用整風部材と前記塗布膜との間の整風部材側間隙の高さL1と、
    前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された乾燥ゾーンの底板と、
    前記底板と前記基材との間の底板側間隙の高さL2と、
    を有し、
    L1とL2がL1≦L2の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の塗布物の製造装置。
  3. 前記給気口と排気口の開口部の高さが前記天板と分離用整風部材との距離とほぼ一致していることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布物の製造装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造装置を用いて形成したことを特徴とする光学フィルム。
  5. 搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥ゾーン内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布物の製造方法において、
    前記乾燥ゾーンは、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されており、
    前記搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
    次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
    次に、前記塗布膜を塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーンの搬入口に設置された濃度調整手段の搬入口へ搬入する搬入工程と、
    次に、搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、底板側に配置された塗布膜搬送部と、天板側に配置された溶剤除去部と、塗布膜搬送部と溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段と、塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段と温度を調整する温度調整手段とを用いて乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段と、を備え、塗布膜の搬送方向に配置されている1ゾーン以上の乾燥ゾーン内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
    次に、前記塗布膜を最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
    を有することを特徴とする塗布物の製造方法。
  6. 搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成し、前記基材に形成した塗布膜を搬送しながら乾燥する塗布膜の乾燥装置において、
    前記乾燥装置は、少なくとも
    前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されている乾燥ゾーンと、
    前記搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、前記底板側に配置された塗布膜搬送部と、
    前記天板側に配置された溶剤除去部と、
    前記塗布膜搬送部と前記溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、
    各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、
    各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、
    前記給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段と、
    前記塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーンの搬入口に設置され、前記塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段と、温度を調整する温度調整手段とを有し、乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段と、
    を備えていることを特徴とする塗布膜の乾燥装置。
  7. 搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、次に、前記基材に形成した塗布膜を乾燥ゾーン内で搬送しながら乾燥する乾燥工程とを有する塗布膜の乾燥方法において、
    前記乾燥ゾーンは、前記基材の塗布膜を形成した側に設置された天板と、前記基材の塗布膜を形成した側とは反対側に設置された底板と、右側板と、左側板と、前記塗布膜を搬入する搬入口と、前記塗布膜を搬出する搬出口と、を有し、かつ、前記塗布膜の搬送方向に1ゾーン以上配置されており、
    前記搬送中の帯状の基材に有機溶剤を含む塗布液を塗布し塗布膜を形成する塗布工程と、
    次に、前記塗布工程の塗布部から塗布膜を最初に搬入する乾燥ゾーンの搬入口まで塗布膜を搬送する搬送工程と、
    次に、前記塗布膜を塗布膜が最初に搬送される乾燥ゾーンの搬入口に設置された濃度調整手段の搬入口へ搬入する搬入工程と、
    次に、搬入口と搬出口とを備え、塗布膜を搬送し、かつ、底板側に配置された塗布膜搬送部と、天板側に配置された溶剤除去部と、塗布膜搬送部と溶剤除去部とを分離する分離用整風部材と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部に配置された給気口と、各乾燥ゾーンの溶剤除去部の給気口と対向する位置に配置された排気口と、給気口を介して溶剤除去部内へ空気を強制的に給気する給気手段、または、前記排気口を介して溶剤除去部内から空気を強制的に排気する排気手段、または、その両方、のいずれかより選ばれる気流発生手段と、塗布液に含まれる有機溶剤と同じ有機溶剤を供給する有機溶剤供給手段と温度を調整する温度調整手段とを用いて乾燥ゾーン内の有機溶剤濃度を調整する濃度調整手段と、を備え、塗布膜の搬送方向に配置されている1ゾーン以上の乾燥ゾーン内を搬送しながら乾燥する乾燥工程と、
    次に、前記塗布膜を最後に搬出する乾燥ゾーンの搬出口から塗布膜を搬出する搬出工程と、
    を有することを特徴とする塗布膜の乾燥方法。
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